請求項のどの要素が、先行文献のどこに書かれているか。本文の引用つきで示します。
公開特許 約694万件から関連する文献を探し、請求項やアイデアを要素に分けて、文献ごとに対応する記載を読み合わせます。結論は出しません。どの文献の、どの段落から読めばよいかを示し、判断は人が行います。
- E1ガスバーナ一致
- E2ガスバーナの周囲を監視するセンサ一致
- E3制御部一致
- E4近接領域と操作領域を区別して検知一致
- E5近接領域で容器以外を検知すると火力を低下一致
- E6操作領域で移動方向を判別し、方向に応じて火力を増減一致
- E7近接領域と操作領域の距離の関係一致
システムが担うのは、根拠を探して示すところまで
新規性や進歩性の判断を、AIに任せることはしません。システムが担うのは、判断の材料になる記載を探して、根拠の文章とともに並べるところまでです。判断に入る前の、文献を探して読み比べる作業の負担を減らすことが目的です。
要素に分ける
請求項やアイデアを、構成の要素ごとに分けます。
文献を探す
独自に学習した検索モデルで、約694万件から上位30件を選びます。
要素と照合する
各文献の関連の高い段落を読み、要素ごとの記載と根拠の文章を示します。引用が原文に実在するかは、プログラムで照合します。
判断する
示された根拠を読み、新規性・進歩性や、権利化の方針を判断します。
審査官モード
請求項を入れると、先行文献を探して、要素ごとの対応を示します。対応する記載がある文献のタブに色が付き、根拠の段落に吹き出しが付くので、どの文献のどこから読めばよいかがわかります。
- 入力
- 独立請求項 1本
- 出力
- 先行文献30件の分類と、要素ごとの対応・根拠
- 用途
- 出願前の調査、拒絶理由への対応、無効資料の調査
サンプルは説明用に作成した架空のアイデアと請求項を評価したものです。候補として出てくる文献は、実在の公開特許公報です。
審査官の判断を物差しにした検証
実際の拒絶理由通知書で審査官が引用した文献を正解とし、出願時の請求項を入力にして測りました。各案件で検索の対象にするのは、その出願の基準日より前に公開された文献だけです。
評価した247件の出願のうち、審査官の引用文献か、それと同等以上に請求項の要素を開示する文献を、上位30件に示せた割合です。
「同等以上」は、審査官の引用文献と本システムの文献を同じ方法で採点し、要素の一致度が同じかそれ以上だったものです(一致=1、争点あり=0.5 として、要素の総数で割ったスコア)。審査官の引用文献は正解の一つにすぎず、同じ請求項の判断材料になる文献はほかにも存在します。
LLMによる判定の品質
拒絶理由通知を受けた出願と、受けずに登録された出願を、同じ手順で判定して比べました。拒絶された出願のほうが、すべての要素に対応する記載のある文献をはっきり多く見つけており、判定が審査の結果と整合していることを確認できました。
| 拒絶案件 248件 | 登録案件 87件 | |
|---|---|---|
| すべての要素を開示(D)の文献 | 3.3% | 0.04% |
| D の文献を含む出願 | 25% | 1% |
| 上位30件の最高スコアの平均 | 0.79 | 0.42 |
判定には Anthropic の Claude Sonnet を使用。
検索モデルの規模と速度
検索モデル(SPLADE)は自社で開発しました。2004年から2026年9月までに公開された約694万件を索引にしています。
- 0.12秒全件(約694万件)を対象にした、1回の検索にかかる時間
RTX 5090、RAM 768GB の構成で測定(再現には GPU メモリ 24GB 以上、RAM 128GB 以上が目安)。
検索単体の精度と、検索対象の規模による変化は、詳細資料に掲載しています。
検証へのご協力を募集中
本システムは、現在商用サービス化を検討しております。まだサービス開始は決定しておりませんが、お客様の声をお聞きしたいと考えております。
本検証では、これから発案するアイデアではなく、すでに出願・公開された特許をもとに検証を実施する予定です。具体的には、下記のような検証を考えております。
審査官モードでの検証
すでに出願・公開された特許の請求項で調査を行い、出願当時に実施された公知例調査の結果と比べます。
- 当時見つけた重要な文献が、上位30件に入っているか
- 当時は見つけられなかった重要な文献が、見つかるか
発案者モードでの検証
同じ請求項をもとに、生成AIで発案メモを作成して発案者モードで調査し、発案の段階での検討のサポートになるかを確かめます。
ご協力のお申し出、資料のご請求、ご質問は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
お問い合わせフォームを開く任せられるAIをつくる。
人と、仕事を分け合う。
松尾 康弘
データ・トゥ・トランザクション合同会社 代表
国内メーカーで約10年、カメラとAIモデルの研究開発に携わり、明細書の作成など特許の業務も担当しています。自分の業務で、先行文献の調査に多くの時間がかかることを実感していたのが、本システムの出発点です。
本システムは勤務先の業務とは独立した取り組みで、業務時間外に自費で開発しています。勤務先の機密情報や社内データは一切使っておらず、特許庁が公開している特許公報と審査情報だけを用いています。
経済産業省とNEDOが主催した2025年度の GENIAC-PRIZE(領域02:官公庁等における審査業務等の効率化)への参加をきっかけに開発を始め、その後も継続して開発しています。
生成AIによって、これまで手作業で行っていた多くの仕事を、短い指示で任せられるようになりました。それでも、発明の価値を見極めることや、判断に責任を持つことは、これからも人が担う仕事です。
本システムは、大量の公報から一致する箇所を探す仕事をAIに任せ、判断は技術者や調査担当者が行えるように設計しています。AIと人がどう仕事を分け合うか、そのバランスを見極めることを、何より大切にしています。
会社概要
- 会社名
- データ・トゥ・トランザクション合同会社
- 所在地
- 東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル2F-C
- 代表
- 松尾 康弘
- 設立
- 2025年