冷蔵庫の野菜室の光による鮮度保持

課題: 冷蔵庫の野菜室に入れた葉物野菜や果物は、数日で黄ばんだりしおれたりする。温度や湿度の管理だけでは限界があり、光を使って鮮度を長持ちさせたいが、どんな光をどのくらい当てればよいかが分からない。
アイデアの幹: 野菜室の中に白色の照明に加えて遠赤色の光源を入れ、扉が閉まっている間も両方を点けておく。ただし遠赤色光は補助的に少し混ぜる程度にして、明るさで見て白色光の数パーセントから 4 分の 1 くらいに抑える。光を当てること自体は珍しくないので、白色光と遠赤色光を同時に当てることと、その明るさの比率を決めておくことがポイントである。
言い換え: 家庭用冷蔵庫の青果用の収納室で、通常の白い照明に、波長の長い赤色寄りの光を弱めに重ねて照らし、保存中の品質低下を抑える。白い光を主役にして、長波長の赤い光は照度で見てずっと小さい割合に設定し、日持ちを良くするという考え方である。
ど真ん中=同じ課題を同じ方向で解いている / ヒントあり=課題か手段のどちらかが近い / 周辺=分野が近いだけ。文献をクリックすると右側に全文 (薄黄色 = AI が精読した 10 チャンク)。
遠赤色を白色に重ねる派2件
白色光に700〜800nmの遠赤色光を同時に重ね、照度比(白色の0.02〜0.2倍)やピーク強度比(青の5%以上)で規定して鮮度保持と視認性を両立する。この課題の幹とほぼ同じ構成で、新規性は比率の数値範囲や根拠の差に絞られる。
ど真ん中特開2019-140970鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置/ パナソニックIPマネジメント株式会社 / 2019検索7位
収穫後の農作物に遠赤色光(700〜800nm)と白色光を同時に照射し、遠赤色光の照度を白色光の0.02倍以上0.2倍以下とすることで、鮮度保持と農作物の視認性向上を両立する。収納庫や陳列装置にも適用する。
前記第1照射部の発する遠赤色光の照射照度は、前記第2照射部の発する白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
▸ 白色光と遠赤色光の同時照射と照度比の数値範囲(2〜20パーセント)までメモと同方向で、開発者が先にやられたと感じる文献であり、メモの比率範囲との重なりと新規性の差を精査すべきである。
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ど真ん中特開2019-140968鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置/ パナソニックIPマネジメント株式会社 / 2019検索22位
青・緑〜赤・遠赤色(700〜750nm)の3ピークを持つ照射光を収穫後の農作物に当て、遠赤色ピークの強度を青ピーク強度の5%以上とすることで、白色光下でも鮮度を保ちつつ視認性を確保する。
700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有し、前記照射光の前記第3ピーク波長の強度は、前記照射光の前記第1ピーク波長の強度の5%以上である
▸ 白色光に遠赤色を一定比率で重ねる点と強度比で規定する点がメモの幹とほぼ同じで、先行状況の確認と比率の数値根拠(5%以上、1日5分以上、インターバル等)の参照が必要である。
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赤〜近赤外の補助光派6件
赤色・橙色・近赤外など長波長の光を、光合成や気孔閉鎖、低温障害・発芽の抑制のために当てて品質低下を抑える。長波長光で劣化を抑える発想は共通だが、白色光との同時点灯や比率の規定はなく、トリガや対象で制御する。
ヒントあり特開2010-048550冷蔵庫/ パナソニック株式会社 / 2010検索2位同内容 3 件を集約
野菜室内の葉菜類用収納容器の上方に赤色波長を多く含む弱光照射装置(660nm赤色LED)を置き、光合成速度を高めてクロロフィル低下を抑え緑色を保持する。白色光との併用比率や遠赤色光は扱っていない。
可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。
▸ 長波長の赤色寄りの光を弱く当てる発想自体は先行しているが、白色光に遠赤色光を数パーセント〜4分の1で重ねる比率規定は見当たらず、差別化点は比率と同時照射に絞られる。
同内容として集約した文献 (本文が半数以上一致): 2005030761 (2005、松下冷機株式会社)、2006183999 (2006、松下冷機株式会社)、2005049093 (2005、松下冷機株式会社)
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ヒントあり特開2006-017443冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2006検索3位
野菜室の葉菜用収納容器背面に光照射装置を置き、赤色は光合成に最適だが野菜がくすんで見えるため、580〜610nmの黄色〜橙色LEDを採用して光合成効果と庫内照明としての見やすさを両立する。霜取り時に照度を上げる制御も併用する。
波長ピークが590nm近辺の黄色光や600nm近辺の橙色光などきつい赤色や物の色をくすませる寒色系でなく温かみのある色を採用し白熱灯に近い色で親しみのある効果が得られるLEDとすることで、光合成の効果と照明としての効果を両方得ることができる。
▸ 赤色光だけだと野菜の見た目が劣化するという視認性の課題への別解であり、白色光を主役にして長波長光を従にするメモの構成と同じ問題意識の参考になる。
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ヒントあり特開2018-054281冷蔵庫、冷蔵庫の制御方法及びプログラム/ 三星電子株式会社 / 2018検索4位
保存室の一部に660nm付近の赤色LEDを照射して青果物の表面温度を上げ、低温に弱い青果物の低温障害を抑える。照度レベルを青果物に応じて切り替え、別実施形態では赤色と青色の点灯順や照射日数で熟成を制御する。
第5乃至第7の実施の形態では、低温環境下で保存する低温に弱い青果物に光を照射するようにした。これにより、対象の青果物の表面温度を上昇させ、低温障害の発生を抑制することができるようになった。
▸ 長波長の赤色光を弱めに当てて品質劣化を抑える点は近いが、狙いは低温障害や熟成で課題が違うため、照度を対象に合わせて切り替える設計の参考にとどまる。
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ヒントあり特開2023-158682冷蔵庫/ パナソニックIPマネジメント株式会社 / 2023検索16位
野菜室に白色系の照明光源と、赤色〜近赤外(600〜1000nm)の対食品作用光源を並設し、生理活性の高い野菜の投入を温度で検知した時などに後者を照射して、気孔を閉じ水分蒸散による鮮度劣化を抑える。
対食品作用光源26としては、ピーク波長が600~625nm、または635~655nm、または670~800nmなどの赤色光、ピーク波長が800~1000nmなどの近赤外光が有効である。
▸ 白色照明に長波長光を加える構成は近いが、扉閉中の常時同時点灯や明るさ比率ではなく、投入検知トリガと照射時間で制御しており、トリガ型という別の切り口を示す。
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ヒントあり特開2017-046629鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫、及び、陳列装置/ パナソニックIPマネジメント株式会社 / 2017検索20位
収穫後の農作物に青色光を短時間照射しつつ水のミストを散布し、その後に赤外光または赤色光を照射して気孔を介した水分蒸散を抑え、冷蔵なしで鮮度を保つ。白色光下でも実施できる。
さらに、青色光の照射及び水のミストの散布の終了後、農作物30に赤外光または赤色光を照射してもよい。
▸ 赤外・赤色光で蒸散を抑える点は転用のヒントになるが、白色光との同時照射や比率ではなく、青色光+ミスト後の逐次照射である。
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ヒントあり特開2015-075276冷蔵庫/ 日立アプライアンス株式会社 / 2015検索28位
野菜室の背面断熱部に620〜2500nmの光源を設け、扉が閉じている間に根菜類へ赤色光を照射して根・芽の成長を抑え保存性を高める。8時間で消灯するなど時間管理も行う。
野菜室の開閉扉の閉鎖時に光源を点灯させて根菜類貯蔵容器に収納した根菜類を620nm〜2500nmの範囲の波長の光で照射するようにした
▸ 扉閉鎖中に長波長の赤色光を当てて品質低下を抑える点は近いが、対象が根菜の発芽抑制で、白色光との併用や比率規定はない。
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複数色の強度比で絞る派8件
赤・緑・青など複数波長の光を同時に当て、強度比や面積比、色の組合せ、照度バランスを調整して効果の最適点を作る。比率規定で効果を出す設計と論じ方の参考になるが、遠赤色ではなく栄養増加や見た目が目的のものが多い。
ヒントあり特開2010-078300冷蔵庫/ パナソニック株式会社 / 2010検索8位
青果物の表面に浸透する青色光と内部まで浸透する緑色光を組み合わせて庫内に照射し、緑色光の照度を青色光の3〜10倍に設定、フラッシング照射でビタミンC生成を促進する。
また、緑色光の照射強度の方が青色光の照射強度よりも強い方が望ましく、本実施の形態では緑色LEDの照度は青色LEDに対する照度比率が約3〜10倍程度になるように構成した。
▸ 複数波長の照度比率を規定して効果を出す設計思想はメモと共通するが、波長の組み合わせと目的(ビタミンC増加)が違い、比率規定の根拠づけ方の参考になる。
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ヒントあり特開2013-231596冷蔵庫/ パナソニック株式会社 / 2013検索9位
冷蔵庫の貯蔵室で青色LEDと緑色LEDを同時に20〜50Hzで間欠照射し、緑色光の照度を青色光の3〜10倍にして生態防御反応を励起し、ビタミンC等の栄養素を増加させる。
実験によると、光の照度は緑色光が青色光の3倍から10倍程度の範囲に設定すると効果的であることが判明した。
▸ 二波長の照度比に効果の最適範囲があることを実験で示す点がメモの比率規定と似ており、狙いは栄養増加で波長も異なるが、比率の臨界性を主張する際の論じ方の参考になる。
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ヒントあり特開2017-146020冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2017検索11位同内容 1 件を集約
野菜室に波長の異なる2光源(赤と緑など)を同時に点灯し、放射強度に差(例 2:1、5:6)を付けることで、少ないエネルギーで光合成を促し栄養素生成と貯蔵性を高める。
発光部14は、光を照射する照射工程において、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第1の放射強度と異なる第2の放射強度で光を照射する。
▸ 複数波長の同時照射と強度比の規定という骨格は同じだが、遠赤色ではなく赤と緑の組合せで白色光主体でもないため、比率設定の根拠付けの参考になる。
同内容として集約した文献 (本文が半数以上一致): 2017150812 (2017、三菱電機株式会社)
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ヒントあり特開2017-083122冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2017検索12位
野菜室のRGB LEDを野菜の概日リズムに合わせて昼夜モードで点滅させ、昼は青色光をG光・R光の1/5〜1/10に抑えて混ぜる。撮影時は白色光に切り替える。
B光の量は、G光の量及びR光の量の1/4以下で良い。望ましくは、B光の量は、G光の量及びR光の量の1/5〜1/10が良い。
▸ 補助的な色光を主光に対し小さい比率で混ぜるという考え方がメモと同型だが、混ぜる色は青で、遠赤色ではない。
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ヒントあり特開2008-071509光照射装置および光照射装置を具備した貯蔵装置/ 松下電器産業株式会社 / 2008検索18位
一つのUV/白色LEDと波長変換フィルタ(透明・青・赤)の面積比や透過率で各波長の光強度割合を調整し、青と赤を同時に当ててビタミンCと新鮮味のバランスを取る。
青色波長の光強度の割合が80%程度で最もビタミンCの含有量が多くなり、逆に赤色波長の光強度の割合が15%程度のときに最も新鮮味が増す。
▸ 複数波長を同時に当て、その強度割合に最適値があるという知見はメモの比率設定の裏付けに使えるが、対象は青と赤で遠赤色ではない。
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ヒントあり特開2018-186045食品保持部を備えた装置/ シャープ株式会社 / 2018検索25位
白色の庫内灯とは別の有色LED(クロスモダリティLED)を設け、時間経過に応じて両者の照度バランスを変え、野菜が新鮮・おいしく見えるようにする。目的は知覚上の鮮度であり、実際の品質低下の抑制ではない。
食品が保管されてからの時間が経過するにつれて、クロスモダリティLED5の照度(光の強度)を高くし、庫内灯6の照度(光の強度)を低くする。
▸ 白色の庫内灯に別光源を重ねて照度比を設計する発想は転用できるが、効果は見た目の鮮度感で、保存中の劣化抑制ではない。
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ヒントあり特開2005-065622野菜保存用照射装置/ 株式会社エムビーアール / 2005検索26位
野菜室に赤・青・緑のLED照射板をエリア分割して設け、収納する野菜の種類に応じてエリアごとの発光色の組合せを選び、光強度も制御して鮮度を保つ。
冷蔵庫の野菜室に、赤・青・緑の3色の発光ダイオード素子を複数配置した照射板を設け、この照射板を複数のエリアに区分し、エリアごとに照射する発光ダイオード素子の発光色の組合せを変更するための選択手段を設けたことを特徴とする。
▸ 光の色の組合せを野菜に合わせて変える発想は参考になるが、遠赤色や白色光との照度比は扱わず、メモの幹とは方向が異なる。
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ヒントあり特表2009-537792野菜ボックスを有する冷蔵庫/ デーウー・エレクトロニクス・コーポレイション / 2009検索29位
野菜ボックスに450〜700nmのLEDを設け、透明な貯蔵部を導光体として光を均等に供給し、葉緑素やビタミンCの分解を抑えて鮮度を保つ。扉センサに応じて点灯を制御する。
光放射部321は、450〜700nmの範囲の波長の光を放射することが好ましい。この範囲の波長は、野菜の新鮮度を低下させる生物学的又は化学的プロセスを抑制することができる。
▸ 光で葉緑素の分解を抑え鮮度を保つという課題意識は同じだが、光の波長・比率の設計はなく、均一照射のための導光構造に重心がある。
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明暗周期でリズム制御派5件
概日リズムや昼夜模擬、光非照射期間などの時間軸で、光量・温度・点灯工程を切り替えて光合成や蒸散を制御する。波長の混合比ではなく照射スケジュールで解く別軸の先行例で、併用や回避の検討材料になる。
ヒントあり特開2018-040539冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2018検索1位
野菜室内の葉物野菜を検知した場合に赤・緑・青LEDの光照射工程と光非照射工程を24時間以下の周期で繰り返し、常時点灯より省電力で鮮度を保つ。遠赤色光や白色との照度比ではなく時間的な明暗制御で解決する。
連続光照射した条件よりも、光非照射工程がある条件の方がビタミンC量の増加量は、多くなった。赤色光と緑色光と青色光の3つの光照射工程と光非照射工程の条件が、最も増加量は、多くなることが実験から確認できた。
▸ 同じ野菜室の光による鮮度保持だが手段は時間方向の明暗制御で、波長の混合比ではなく照射スケジュールという別軸の先行例として参照できる。
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ヒントあり特開2018-013299冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2018検索5位
野菜室で白色LED(RGB)の光量と庫内温度を、高放射強度・高温の昼モードと低放射強度・低温の夜モードで交互に切り替え、自然環境の昼夜を模擬して光合成による栄養素生成を促し蒸散を抑える。
第1の工程においては、発光部14は比較的に高い第1の放射強度で光を照射し、冷却手段により野菜室500の内部の温度が比較的に高い第1の温度にされる。
▸ 光を使った鮮度保持という課題は共通だが、解決は時間帯ごとの光量と温度の切替で、遠赤色光の混合比という軸とは別のため併用や回避の検討材料になる。
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ヒントあり特開2017-106721冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2017検索10位同内容 1 件を集約
野菜室で可視光照射工程と非照射工程を交互に繰り返して概日リズムを利用し光合成を促進し、暗期の前に赤外光(780〜2000nm)を当てて気孔を閉じ余分な蒸散を抑える。非照射は扉開閉の少ない時間帯に行う。
この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を照射する可視光照射工程と可視光を含む光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返して実施する。
▸ 長波長の赤外側の光を蒸散抑制に使う点は示唆的だが、暗期直前に限る時間制御であり、白色光と遠赤色光を常時同時に重ねるメモの構成とは異なる。
同内容として集約した文献 (本文が半数以上一致): 2017083120 (2017、三菱電機株式会社)
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ヒントあり特開2017-106722冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2017検索13位同内容 1 件を集約
500〜700nmの光源と400〜500nmの光源を同時に照射した後、前者のみ照射し、その後に消灯する工程を周期的に繰り返し、気孔の状態に配慮して光合成を促す。
前記制御部は、前記予め設定された工程において、前記第1の光源と前記第2の光源の両方から光を照射させる第1の照射工程を実施し、
▸ 異波長の光を同時に当てる点は共通するが、狙いは概日リズムと気孔で、時間順序の工程制御が主であり、明るさ比率の規定は主題ではない。
同内容として集約した文献 (本文が半数以上一致): 2017083121 (2017、三菱電機株式会社)
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ヒントあり特開2007-046840冷凍冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2007検索24位
450〜660nmの赤・青等のLEDを野菜室に設け、光合成の明反応・暗反応を考慮した点灯本数や時間で野菜の保存性と栄養を高める。扉開閉を検知せず常時点灯できる構成とする。
光照射のタイミングは扉が閉じられているときに行わなくてはならないという考えではなく、以上のような制御を行うことで、扉開閉を認知せずに常時点灯しておけば良いので
▸ 野菜室で光を当てて鮮度・栄養を保つ点と扉開閉に縛られない点は共通だが、光合成波長が中心で白色光に遠赤色を少量重ねる比率設計はない。
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紫外光で防御反応を促す派5件
UV-A等の紫外LEDを単独または可視光と併用して、殺菌・防御反応によるポリフェノールやビタミン増加、菌の増殖抑制を図る。手段が紫外光で目的も殺菌や栄養増加のため、白色光と遠赤色光の比率という論点とは遠い。
ヒントあり特開2006-329614冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2006検索14位
植物の自己防衛機能を刺激するUV-A LEDを間欠照射してポリフェノールを増やし、590nm付近の橙色LEDを庫内灯兼光合成促進用に併用して、連動させたり片方を消灯したりして省エネ化する。
LED41が点灯するとき光合成作用を促進するLED34も点灯していると、より太陽光に近い光となり、植物にとって最も自然な生理作用が得られる。
▸ 二種の光を併用する発想は近いが、狙いは栄養増加で波長も紫外と橙色のため、併用時の光量バランスを検討する際の参考にとどまる。
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周辺特開2007-003174冷蔵庫/ 松下電器産業株式会社 / 2007検索6位
冷蔵庫の貯蔵区画に280〜400nmの紫外LEDと可視LEDを併設し、抗菌・カビ抑制やアントシアニン・アミノ酸増加で保存性を高める。可視光は太陽光類似の波長や温度表示色の用途が中心。
紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで
▸ 庫内LEDで保存性を上げる点は共通だが、主役は紫外光による殺菌や成分増加で、遠赤色光と白色光の照度比という課題・手段とは関係が薄い。
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周辺特開2024-093064野菜保存庫及び冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2024検索19位
野菜収納容器の中央にUV-A LEDを置いて周囲へ放射状に照射し、野菜の位置ずれがあっても確実に光を当てて防御反応によるポリフェノールやビタミンCの増加を促す。照度センサで投入を検知して点灯する。
この波長の光が照射された野菜果物は防御反応を活性化させ、表皮近傍にポリフェノール類あるいはビタミンCなどの抗酸化物質を増加させる。
▸ 課題は光の当て方(配置)でUV-A利用の栄養増加が目的のため、白色光と遠赤色光の比率というメモの論点とは別軸で、関係は薄い。
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周辺特開2007-003062冷蔵庫/ 松下電器産業株式会社 / 2007検索23位
冷蔵庫の切替室に紫外領域LEDを設けて殺菌・ビタミンD増加を図り、あわせて可視光LEDを同時照射して太陽光に近い光とし、安全性とクロロフィル増量を狙う。
紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで
▸ 複数波長の同時照射という発想は似るが、主眼は紫外による抗菌で遠赤色や白色との照度比の規定はなく、メモの課題には遠い。
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周辺特開2018-084358冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2018検索30位
野菜室の扉が閉じたことを検知した後、315〜380nmの紫外光を一定時間照射して菌の増殖を抑え、収納物の腐敗を抑制する。収納物の有無で照射時間も変える。
制御装置8は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が閉じたことが検知された後に、発光部14からの紫外光の照射を開始させる。
▸ 扉閉鎖後に光を当てる制御は共通だが、目的は殺菌で光質も紫外であり、メモの白色光と遠赤色光の比率設計とは関係が薄い。
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その他(分野が近いだけ)4件
光を鮮度保持のためではなく、蛍光による鮮度・品質の測定や撮影画像の色補正に使う文献。照射条件の設計とは無関係だが、将来の効果検証手段のヒントにはなる。
周辺特開2025-076925冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2025検索15位
登録した青果物の種類ごとに、UV光を当てて発する蛍光をカメラで測り、基準蛍光強度との差から鮮度保持日数を算出して使用者に通知する。
収納室に収納された食材の種類を登録する食材登録手段と、収納室に収納された食材に光を照射する光照射手段と、光照射手段から照射された光により食材から発する蛍光を受光する蛍光受光手段と
▸ 光で鮮度を保つのではなく光で鮮度を測る検知用途で、メモの照射条件の設計とは関係が薄く、将来の鮮度評価手段として参考になる程度。
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周辺特開2022-095245冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2022検索17位
野菜室でUV-LEDを一定周期で点灯して食品の蛍光をカメラで撮影し、初期蛍光からの変化量が基準を超えたら利用限界と判定して通知する。白色LEDは撮影用に使う。
食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された蛍光に基づいて、食品の品質を判定する。食品が野菜室12内に投入された後、予め設定された一定周期毎にUV-LED15bが点灯され、食品が発する蛍光がカメラ14により撮影される。
▸ 光は品質を測るために使われており、鮮度を延ばす照射条件の課題には対応しないため、メモとの関係は薄い。
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周辺再公表2017/072954冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2017検索21位
野菜室の撮影画像の色を基準画像(標準色板)と比較し、複数色LEDの電流を調整して色差を小さくする。LEDの劣化による色変化を補正して野菜の色を正確に撮影することが目的である。
制御装置15は、発光装置20の各LEDを制御し、メモリ27に記憶された基準画像の色と画像取得装置によって取得される画像の色との差を小さくする。
▸ 野菜室内に複数色LEDを置く点は共通だが目的は撮影画像の色再現で、鮮度保持のための光質・比率設計とは無関係である。
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周辺特開2022-064715冷蔵庫/ 三菱電機株式会社 / 2022検索27位
野菜室で青色・UV LEDを照射してクロロフィル等の蛍光をカメラで撮影し、蛍光の時間変化から食品の鮮度・劣化を判定して報知する。
特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品に対して、当該特定波長の光を照射して励起された蛍光を検出し、この検出結果に基づいて、食品のクロロフィル及びポリフェノール類等の状態について評価して
▸ 光は鮮度保持ではなく状態の測定に使われており、メモの課題とは異なるが、効果検証の手段として使えるヒントはある。
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ど真ん中鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置
特開2019-140970 / 出願人: パナソニックIPマネジメント株式会社 / 発明者: 成瀬 祐樹、青木 慎一、山田 真 / 出願日: 2018-02-21 / 公開日: 2019-08-29 / 検索7位 / 遠赤色を白色に重ねる派
アプローチ: 遠赤色光を白色光の0.02〜0.2倍で併照 収穫後の農作物に遠赤色光(700〜800nm)と白色光を同時に照射し、遠赤色光の照度を白色光の0.02倍以上0.2倍以下とすることで、鮮度保持と農作物の視認性向上を両立する。収納庫や陳列装置にも適用する。
▸ 示唆: 白色光と遠赤色光の同時照射と照度比の数値範囲(2〜20パーセント)までメモと同方向で、開発者が先にやられたと感じる文献であり、メモの比率範囲との重なりと新規性の差を精査すべきである。
AIが精読したのは全175段落のうち検索が当てた10チャンク(57段落・33%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#9本発明は、光の照射によって野菜や果物等の鮮度を保持する鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に関する。
【0002】従来、収穫後の農作物に対して赤色光などを照射することで、農作物の鮮度を保持する方法が知られている。例えば、特許文献1には、イチゴ等に赤色光及び遠赤色光を同時又は交互に照射する鮮度保持方法が開示されている。
【0003】特開2016−26484号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に係る鮮度保持方法では、白色光が存在する場合については、検討されておらず、白色光の存在下においても同様の鮮度保持の効果を得られるのかは不明である。
【0005】そして、特許文献1に係る鮮度保持方法のように、赤色光及び遠赤色光のみを照射した場合、照らされた農作物は赤みを帯びて見えてしまうため、農作物の視認性が低下してしまう。故に、そのような農作物について作業をする人の作業効率が低下するおそれがある。また、スーパーマーケット等の生鮮食品の陳列装置に組み込んだ場合等では、生鮮食品が自然な色味に見えないため、スーパーマーケット等の利用者の購買意欲が低下するおそれがある。
【0006】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。その目的は、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる、鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を提供することである。
【0007】上記課題を解決するため、本発明に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物に光を照射する鮮度保持方法であって、遠赤色光と白色光とを照射し、前記遠赤色光の照射照度は、前記白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
【0008】#5また、本発明に係る鮮度保持装置は、収穫後の農作物に光を照射する鮮度保持装置であって、遠赤色光を発する第1照射部と、白色光を発する第2照射部と、を備え、前記第1照射部の発する遠赤色光の照射照度は、前記第2照射部の発する白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
【0009】また、本発明に係る収納庫は、上述の鮮度保持装置と、前記農作物を収納する筐体と、を備える。
【0010】また、本発明に係る陳列装置は、上述の鮮度保持装置と、前記農作物が陳列される棚と、を備える。
【0011】本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を用いれば、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる。
【0012】実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図 実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図 実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図 実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図
【0013】以下では、実施の形態に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであって、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても一例に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
【0014】また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化することがある。
【0015】また、以下の説明において、遠赤色光の波長範囲は、700nm以上800nm以下の範囲である。また、白色光の波長範囲は、380nm以上700nm以下の範囲である。また、青色光の波長範囲は、380nm以上500nm以下の範囲である。また、緑色光の波長範囲は、500nm以上600nm以下の範囲である。
◆ この文献の解決アプローチ
遠赤色光を白色光の0.02〜0.2倍で併照
文献: 前記第1照射部の発する遠赤色光の照射照度は、前記第2照射部の発する白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
白色光と遠赤色光の同時照射と照度比の数値範囲(2〜20パーセント)までメモと同方向で、開発者が先にやられたと感じる文献であり、メモの比率範囲との重なりと新規性の差を精査すべきである。
【0016】(実施の形態1) 以下では、図1及び2を用いて実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100について説明する。図1は、実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図である。図2は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0017】[構成] 図1に示される収納庫100は、収納後の農作物30を収納(保管)する収納庫であって、例えば、農作物30を販売する店舗のバックヤードに設置される。収納庫100は、筐体20と、扉22と、鮮度保持装置10と、を備える。
【0018】筐体20は、外形が略直方体状であり、筐体20の内部の空間である直方体状の収納部21(収納スペース)に前方から農作物30が出し入れされる。筐体20は、例えば、アルミニウム等の金属により形成されるが、樹脂により形成されてもよい。なお、筐体20の形状、及び、筐体20の材質等は、一例であり、特に限定されない。
【0019】収納部21の前方には開閉自在な扉22(カバー)が設けられる。扉22を閉めて第1照射部13及び第2照射部14をオフにすると、収納部21内は暗室(0ルクスの環境)になる。
【0020】鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30の鮮度を保持するための装置である。図1及び図2に示されるように、鮮度保持装置10は、電力プラグ11と、コントローラ12と 、第1照射部13と、第2照射部14と、を備える。
【0021】電力プラグ11は、受電部の一例であって、端子部11aと、電力変換部11bとを有する。電力プラグ11は、いわゆるACアダプタである。
【0022】端子部11aは、コンセントに差し込まれる金属製の端子である。端子部11aの形状及び材質等は、特に限定されない。
【0023】#6電力変換部11bは、端子部11aが受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ12と、第1照射部13と、第2照射部14とに直流電力を供給する。電力変換部11bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、収納庫100において、電力変換部11bは、筐体20の外に配置されるが、電力変換部11bは、筐体20に内蔵されていてもよい。
【0024】第1照射部13は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に遠赤色光を照射する照射装置である。ここで、遠赤色光としては、例えば、遠赤色光の波長範囲(700nm以上800nm以下)にメインのピークを有し、発光スペクトルの全体が400nm以上1000nm以下の範囲に含まれる光等を用いてもよい。
【0025】第1照射部13は、具体的には、基板と、その基板に実装された複数の遠赤色光LED(Light Emitting Diode)とを備える発光モジュールであるが、遠赤色光を発することができるものであれば、どのような態様であってもよい。例えば、遠赤色以外の発光ピークを有する光を発する発光素子と分光フィルタとを組み合わせて、遠赤色光のみを発するような構成としてもよい。
【0026】なお、図1では、第1照射部13を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第1照射部13の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第1照射部13は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第1照射部13は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
【0027】#8ここで、第1照射部13は、農作物30に対して均一な遠赤色光の照射を行うことが好ましい。遠赤色光は鮮度保持へ主に影響すると考えられることから、遠赤色光を均一に照射することで、効率的に農作物30の鮮度を保持することができる。遠赤色光を均一に農作物30に照射する方法としては、導光板や乳白板等による面発光を用いる方法や、第1照射部13の光源をマトリクス状に配置する方法等が挙げられる。なお、乳白板としては、反射シートとアクリル板と拡散板とを組み合わせたもの等を用いることができる。
【0028】なお、第1照射部13が照射する遠赤色光(遠赤色光の発光スペクトル)は、典型的には1つのピークを有するが、波長が異なる2以上のピークを有していてもよい。例えば、実施の形態1において、第1照射部13は、ピーク波長が720nmの遠赤色光、又は、ピーク波長が735nmの遠赤色光等を照射するが、第1照射部13は、波長720nmと735nmの両方にピークを有する遠赤色光を照射する構成としてもよい。この場合、例えば、第1照射部13は、ピーク波長720nmの遠赤色光LEDと、ピーク波長735nmの遠赤色光LEDとが基板に実装された構成とすることができる。
【0029】第2照射部14は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に白色光を照射する。白色光としては、人間の目に白色に見える光であればよく、例えば、発光スペクトルが白色光の波長範囲(380nm以上700nm以下)に納まるものだけでなく、発光スペクトルの全体が350nm以上 750nm以下の範囲に含まれる光等を用いてもよい。
【0030】第2照射部14は、例えば、基板と、その基板に直接実装された複数の青色LEDと、黄色蛍光体粒子を含有する封止部材とからなるCOB(Chip On Board)構造の発光モジュールである。封止部材は、青色LEDを封止する。黄色蛍光体粒子としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体等を用いることができる。なお、第2照射部14は、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよし、リモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。
【0031】また、第2照射部14は、青色LEDと緑色LEDと赤色LEDとが組み合わされることによって白色光を発する構成としてもよい。或いは、第2照射部14は、紫外光LEDと、青色蛍光体と緑色蛍光体と赤色蛍光体と、を組み合わせて、白色光を発する構成としてもよい。
【0032】なお、図1では、第2照射部14を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第2照射部14の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第2照射部14は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第2照射部14は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
【0033】なお、第1照射部13と第2照射部14とは、1つの照射部として構成されてもよい。このような照射部は、例えば、COB構造で構成する場合、基板上の遠赤色光LEDと青色LEDとを、黄色蛍光体粒子を含有した封止材で封止するような構成とすることができる。或いは、遠赤色光LEDと、青色LEDと、黄色LEDや緑色LEDとを組み合わせることで構成してもよい。
【0034】#4なお、第1照射部13及び第2照射部14の設置位置は、収納部21の上方に限定されない。例えば、第1照射部13と第2照射部14とを、収納部21の側面や底面に設置される構成としてもよい。また、第1照射部13は収納部21の天井面に設置され、第2照射部14は収納部21の側面に設置される、というように、第1照射部13と第2照射部14とは、別々の位置に設置されていてもよい。
【0035】コントローラ12は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、第1照射部13及び第2照射部14を制御するコントローラである。コントローラ12は、例えば、第1照射部13が照射する遠赤色光の強度、及び、第1照射部13が照射する遠赤色光の照射時間を制御する。また、コントローラ12は、例えば、第1照射部13の照射のオン及びオフ、並びに、第2照射部14の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ12は、第2照射部14の照射する白色光の強度を制御してもよい。
【0036】コントローラ12は、具体的には、第1照射部13の照度を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)制御回路(調光回路)、及び、第1照射部13の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ12は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。なお、収納庫100において、コントローラ12は、筐体20の外に配置されているが、コントローラ12の一部又は全部は、筐体20に内蔵されてもよい。
【0037】#7なお、コントローラ12は必須ではないが、鮮度保持装置10は、コントローラ12を有することが好ましい。また、遠赤色光の強度を制御するコントローラと、遠赤色光の照射時間を制御するコントローラとは、別体のコントローラとして構成されてもよい。また、コントローラ12は、第1照射部13又は第2照射部14と一体として構成されてもよ い。コントローラ12の具体的態様は、特に限定されるものではなく、コントローラ12としては、従来の公知のコントローラが用いられるとよい。
【0038】なお、収納庫100は、収納部21内を冷却する冷却装置を備えていてもよい。もちろん、冷却装置は必須の構成ではない。
【0039】また、収納庫100が大きな収容部21を備える場合には、農作物30を移動させるベルトコンベアを備えていてもよい。この場合、ベルトコンベアの移動によって第1照射部13の下方に移動した農作物30が順番に、遠赤色光の照射を受けるような構成とすることができる。
【0040】[鮮度保持装置の動作] 次に、鮮度保持装置10の動作(鮮度保持方法)について説明する。
【0041】鮮度保持装置10は、コントローラ12の制御に基づいて、収穫後の農作物30に遠赤色光及び白色光を照射する。遠赤色光の照射照度は、白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
【0042】鮮度保持装置10では、遠赤色光を照射する第1照射部13と、白色光を照射する第2照射部14とは、その照射照度や照射時間が別々に制御可能であることが好ましい。農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光と、農作物30の鮮度保持への寄与は小さいが農作物30の視認性向上のために必要な白色光とを別々に制御することができ、用途や設置場所に応じて適切な鮮度保持を実現できるためである。
【0043】鮮度保持装置10は、遠赤色光と白色光との合計照射照度が、0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下であることが好ましい。この構成により、後述するように、鮮度保持効果を向上することができる。
【0044】農作物30の鮮度保持の観点から、鮮度保持装置10は、遠赤色光の1日あたりの積算光量が、白色光の1日あたりの積算光量の0.001倍以上であることが好ましい。
【0045】また、農作物30の鮮度保持の観点から。鮮度保持装置10は、遠赤色光と白色光との1日あたりの合計積算光量は、2058kJ/m 2 以下であることが好ましい。上述の照射条件については、実施例の項目でより詳細に説明する。
【0046】また、農作物30の鮮度保持の観点から、遠赤色光の照射照度は、白色光に含まれる青色光成分の照射照度の0.09倍以上1.6倍以下であることが好ましい。また、遠赤色光と青色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上11W/m 2 以下であることがより好ましい。遠赤色光の1日あたりの積算光量は、青色光成分の1日あたりの積算光量の0.003倍以上1.6倍以下であることがより好ましい。遠赤色光と青色光成分との1日あたりの合計積算光量は、930kJ/m 2 以下であることがより好ましい。
【0047】#2また、農作物30の鮮度保持の観点から、遠赤色光の照射照度は、白色光に含まれる緑色光成分の照射照度の0.04倍以上1.1倍以下であることが好ましい。また、遠赤色光と緑色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上22W/m 2 以下であることがより好ましい。遠赤色光の1日あたりの積算光量は、緑色光成分の1日あたりの積算光量の0.002倍以上1.1倍以下であることがより好ましい。遠赤色光と緑色光成分との1日あたりの合計積算光量は、1900kJ/m 2 以下であることがより好ましい。
【0048】ここで、青色光成分とは、白色光において青色(380nm以上500nm以下)の波 長範囲内の成分のことである。また、緑色光成分とは、白色光において緑色(500nm以上600nm以下)の波長範囲内の成分のことである。
【0049】また、遠赤色光は、農作物30の気孔が多く存在する部分に照射することが好ましい。気孔が多く存在する部分とは、例えば、野菜類の葉部分等であり、特に、葉の裏側等である。遠赤色光の照射によって気孔が閉じる方向に動き、農作物30内部からの水分の蒸発が抑制されると推測されるため、上述のように農作物30の気孔が多く存在する部分に遠赤色光を照射することで、効率よく農作物30の鮮度を保持することができる。
【0050】[効果等] ここで、あらためて、実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100の要点について説明する。また、本発明は鮮度保持方法についても有用であるため、実施の形態に係る鮮度保持方法についても以下で説明する。
【0051】実施の形態に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物30に光を照射する鮮度保持方法であって、遠赤色光と白色光とを照射する。そして、遠赤色光の照射照度は、白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
【0052】上記構成を有する鮮度保持方法を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持することができ、且つ、農作物30の視認性を向上させることができる。
【0053】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と白色光との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下であることが好ましい。
【0054】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0055】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光の1日あたりの積算光量は、白色光の1日あたりの積算光量の0.001倍以上であることが好ましい。
【0056】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0057】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と白色光との1日あたりの合計積算光量は、2058kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0058】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0059】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光の照射照度は、白色光に含まれる青色光成分の照射照度の0.09倍以上1.6倍以下であることが好ましい。
【0060】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0061】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と青色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上11W/m 2 以下であることが好ましい。
【0062】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0063】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光の1日あたりの積算光量は、青色光成分の1日あたりの積算光量の0.003倍以上1.6倍以下であることが好ましい。
【0064】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0065】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と青色光成分との1日あたりの合計積算光量は、930kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0066】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0067】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光の照射照度は、白色光に含まれる緑色光成分の照射照度の0.04倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
【0068】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0069】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と緑色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上22W/m 2 以下であることが好ましい。
【0070】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0071】#3また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光の1日あたりの積算光量は、緑色光成分の1日あたりの積算光量の0.002倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
【0072】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0073】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、遠赤色光と緑色光成分との1日あたりの合計積算光量は、1900kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0074】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0075】実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30に光を照射する鮮度保持装置であって、遠赤色光を発する第1照射部13と、白色光を発する第2照射部14と、を備える。そして、第1照射部13の発する遠赤色光の照射照度は、第2照射部14の発する白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下である。
【0076】上記構成を有する鮮度保持装置10を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持することができ、且つ、農作物30の視認性を向上させることができる。
【0077】また、実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、第1照射部13の発する遠赤色光と第2照射部14が発する白色光との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下であることが好ましい。
【0078】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後 の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0079】実施の形態1に係る収納庫100は、鮮度保持装置10と、農作物30を収納する筐体20と、を備える。
【0080】上記構成を有する収納庫100を用いれば、収穫後の農作物30を収納しながら、農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0081】(実施の形態2) 以下では、図3〜6を用いて、本発明の実施の形態2に係る陳列装置200について説明する。図3は、実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図である。図4は、実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図である。図5は、実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図6は、発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図である。
【0082】以下の説明では、実施の形態1での説明との重複部分については、説明を省略或いは簡略化する。また、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明する。
【0083】[構成] 陳列装置200は、収穫後の農作物30が陳列(載置)される複数の棚202を有する陳列装置であって、例えば、農作物30を販売する店舗の売り場等に設置される。陳列装置200は、本体部201と、棚202と、土台部203と、鮮度保持装置210と、を備える。
【0084】本体部201は、農作物30を収容するスペースを形成する。本体部201は、側板、天板、及び、後版、並びに、これらを保持するフレーム等からなり、本体部201の前方は、開放されている。本体部201は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属、及び、樹脂によって形成される。
【0085】棚202は、本体部201によって形成されるスペースを上下方向において区切るとともに、上面に収穫後の農作物30が陳列される板状の部材である。本体部201は、棚202を3つ有する。棚202は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属によって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。
【0086】土台部203は、陳列装置200の土台となる部分であって、後述する鮮度保持装置210が有するコントローラ212が取り付けられる。また、土台部203の内部には、鮮度保持装置210が有する電力変換部211bが収容される。
【0087】鮮度保持装置210は、電力プラグ211と、電力変換部211bと、コントローラ212と、照射部213とを備える。
【0088】電力プラグ211は、受電部の一例であって、コンセントに差し込まれる金属製の端子を有し、その端子から交流電力を受電する。
【0089】電力変換部211bは、電力プラグ211が受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ212、及び、照射部213に直流電力を供給する。電力変換部211bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、陳列装置200においては、電力変換部211bは、土台部203に内蔵されている。
【0090】コントローラ212は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、照射部21 3を制御する。コントローラ212は、例えば、照射部213が照射する遠赤色光の強度、及び、照射部213が照射する遠赤色光の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ212は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。
【0091】また、コントローラ212は、例えば、照射部213の遠赤色光の照射のオン及びオフ、並びに、照射部213の白色光の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ212は、照射部213の照射する白色光の強度を制御してもよい。
【0092】照射部213は、各棚202の上方に配置され、コントローラ212の制御に基づいて、棚202に陳列された農作物30に遠赤色光及び白色光を照射する。実施の形態2では、実施の形態1の第1照射部13と第2照射部14とが一体となったものと同様の構成である照射部213を用いて説明する。
【0093】図4に示すように、照射部213は、基台213eと、LED213bが実装された基板213aである発光モジュール213cと、拡散カバー213dとを有する。
【0094】基台213eは、発光モジュール213cの取り付け台及びヒートシンクであり、且つ、照射部213の棚202への取り付け用部材としても機能する。基台213eは、例えば、アルミダイキャスト等の金属により形成される。
【0095】拡散カバー213dは、発光モジュール213cから発せられる光を拡散及び透過し、農作物30に光を照射する。
【0096】発光モジュール213cは、LED213bが実装される基板213aである。以下、図6を用いて発光モジュール213cの構造を詳細に説明する。
【0097】図6に示すように、発光モジュール213cは、より詳細には、基板213aと、基板213a上を一列に実装された複数のLED213bと、配線223と、コネクタ224と、コネクタ225とを備える。
【0098】基板213aは、長尺矩形状の基板である。基板213aは、樹脂を基材とするCEM−3(Composite Epoxy Material−3)基板であるが、その他の樹脂基板であってもよいし、メタルベース基板又はセラミック基板であってもよい。その他の樹脂基板としては、FR−4(Flame Retarrdant−4)基板が例示される。セラミック基板としては、酸化アルミニウム(アルミナ)からなるアルミナ基板又は窒化アルミニウムからなる窒化アルミニウム基板等が例示される。また、メタルベース基板としては、アルミニウム合金基板、鉄合金基板又は銅合金基板等が例示される。
【0099】LED213bは、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LED213bとしては、遠赤色光を照射するための遠赤色光LEDと、白色光を照射するためのLEDとを用いる。LED213bのぞれぞれは、例えば、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって基板213aにダイボンディング実装されている。
【0100】白色光を照射するために、照射部213は、LED213bとして、例えば、青色LEDと緑色LEDと赤色LEDとの3種類のLEDを備える構成とすることができる。或いは、白色光を照射するために、照射部213は、LED213bとして青色LEDを備えており、青色LEDと黄色蛍光体粒子とを組み合わせる構成としてもよい。
【0101】これら遠赤色光LEDや、青色LEDや、緑色LED等のLED213bは、同種のL ED213b同士が隣り合わないように基板213a上に配置される方が好ましい。この構成により、光の出射場所による色の偏りを軽減することができ、均一な光を得ることができる。
【0102】配線223は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線である。配線223は、複数のLED213b同士を電気的に接続するとともに、LED213bとコネクタ224及びコネクタ225とを電気的に接続するための所定形状にパターン形成されている。
【0103】なお、図6では、配線223は、一列に並んだLED213bを直列に接続しているが、配線223の構成はこれに限定されない。例えば、配線223は、一列に並んだ所定数のLED213bからなるLED素子列を並列に接続するような構成としてもよい。
【0104】また、配線223は、遠赤色光LEDや、青色LEDや、緑色LED等のLED213bのうち同種のLED213bを直列に繋いだLED素子列とし、そのLED素子列を並列に接続する構成とすることが好ましい。この構成により、それぞれの種類のLED213bの発光強度を個別に制御することができるようになり、農作物30の鮮度保持や視認性の観点から、適切な光に調整することができる。
【0105】或いは、配線223は、農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光LEDと、他の種類のLEDとを並列に接続する構成としてもよい。この構成により、農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光の強度や照射時間を調整することができるようになり、農作物30の鮮度をより適切に保持することができる。
【0106】コネクタ224とコネクタ225は、発光モジュール213cに給電を行うためのコネクタである。コネクタ224又はコネクタ225には、コントローラ212から直流電力が供給される。これにより、発光モジュール213cが発光する。
【0107】[効果等] ここで、あらためて、実施の形態2に係る陳列装置200の要点について説明する。
【0108】実施の形態2に係る陳列装置200は、鮮度保持装置210と、農作物30が陳列される棚202と、を備える。
【0109】上記構成を有する陳列装置200を用いれば、収穫後の農作物30を陳列した状態で、農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0110】(実施の形態の補足) まず、農作物について補足する。また、上記実施の形態において、「農作物」とは、農業的手法によって収穫できる作物全般をいう。農作物は、特に限定されないが、農作物には、例えば、通常行われる利用部位に応じた分類(園芸的分類又は人為的分類と呼ばれる)における、野菜類、果実類、又は、花卉類が含まれる。
【0111】野菜類には、例えば、果菜類、葉茎類、根菜類、及び、菌茸類等が含まれる。
【0112】ここで、果菜類には、ナス、ペピーノ、トマト、ミニトマト、タマリロ、タカノツメ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、パプリカ、カラーピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ゴーヤ、トウガン、ハヤトウリ、ヘチマ、ユウガオ、オクラ、イチゴ、スイカ、メロン、マクワウリなどに加えて、トウモロコシなどの穀物類、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ 、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマなどのマメ類が含まれる。
【0113】また、葉茎類には、アイスプラント、アシタバ、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、コマツナ、サラダナ、サニーレタス、サイシン、サンチュ、山東菜、シソ、シュンギク、ジュンサイ、シロナ、セリ、セロリ、タアサイ、ダイコンナ(スズシロ)、タカナ、チシャ、チンゲンサイ、ツケナ、菜の花、野沢菜、白菜、パセリ、ハルナ、フダンソウ、ホウレンソウ、ホトケノザ、ミズナ、ミドリハコベ、コハコベ、ウシハコベ、ミブナ、ミツバ、メキャベツ、モロヘイヤ、リーフレタス、ルッコラ、レタス、ワサビナなどの葉菜類、ネギ、細ネギ、アサツキ、ニラ、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ヨウサイ、ネギ、ワケギ、タマネギなどの茎菜類、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、なばな、フキノトウ、ミョウガなどの花菜類、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根などの発芽野菜が含まれる。
【0114】また、根菜類には、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、ワサビ、ホースラディッシュ、ゴボウ、チョロギ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根などに加えて、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ(大和芋)、ヤマノイモ(山芋、自然薯)などのイモ類が含まれる。
【0115】また、菌茸類には、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサタケ、シイタケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギタケ、チチタケ、ナメコ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ブナシメジ、ブナピー、ポルチーニ、ホンシメジ、キシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケ、ヤマブシタケ、ショウロ、トリュフなどが含まれる。
【0116】また、果実類には、例えば、ミカンなど各種柑橘類、リンゴ、モモ、ナシ、西洋ナシ、バナナ、ブドウ、サクランボ、グミ、キイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クワ、ビワ、イチジク、カキ、アケビ、マンゴー、アボカド、ナツメ、ザクロ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、パパイア、アンズ、ウメ、スモモ、モモ、キウイフルーツ、カリン、ヤマモモ、クリ、ミラクルフルーツ、グァバ、スターフルーツ、アセロラなどが含まれる。
【0117】また、花卉類には、例えば、ホリホック、ブーバルジア、ゴデチア、ツキミソウ、ストック、ハボタン、ルナリア、アシダンセラ、イリス、グラジオラス、ハナビシソウ、ペペロミア、カルセオラリア、キンギョソウ、トレニア、サクラソウ、シクラメン、マツバギク、アンスリウム、カラー、カラジウム、ショウブ、シンゴニウム、スパシフィルム、ディーフェンバキア、フィロデンドロン、サボテン類、アジュガ、カクトラノオ、サルビア、ベゴニア、クルクマ、スイレン、ポーチュラカ、スミレ、フワイトレースフラワー、セトクレアセア、ムラサキオモト、ムラサキツユクサ、ホウセンカ、ツノナス、ペチュニア、ホオズキ、カーネーション、ナデシコ、セキチク、カスミソウ、宿根カスミソウ、ムシトリナデシコ、グズマニア、ストレリチア、シバザクラ、フロックス、オイランソウ、キョウカノコ、アマクリナム、アマリリス、キク、マーガレット、クンシラン、キルタンサス、スイセン、スノーフレーク、タマスダレ、ネリネ、ハマオモト、ユーチャリス、リコリス、リュウゼツラン、ケイトウ、センニチコウ、アサガオ、エボルブルス、クレオメ、ゼラニウム、カランコエ、スカビオサ、スイートピー、ルピナス、ルリジオ、ワスレナグサ、アスチルベ、ユキノシタ、アガパンサス、アマドコロ、アロエ、オーニソガルム、オモト、オリズルラン、ギボウシ、クロユリ、グロリオーサ、コルチカム、サンセベリア、サンダーソニア、ジャノヒゲ、チューリップ、ツルバキア、ドイツスズラン、ドラセナ、トリテレイア、ナルコユリ、ニューサイラン、バイモ、ヒアシンス、ホトトギス、ヤブカンゾウ、ヤブラン、ユリ、アルストロメリア、ルスカス、アツモリソウ、エビネ、オンシジウム、カトレア、コルマナラ、シラン、シンビジウム、セロジネ、デンドリビウム、ド リテノプシス、ナゴラン、パフィオペディルム、バンダ、ビルステケラ、ファレノプシス、ブラウナウ、ミルトニア、エキザカム、トルコギキョウ、リンドウ、ランタナ、バラ、サクラ、ガーベラなどが挙げられ、さらには葉を鑑賞するために用いられるサカキ、ソテツ、シダ、ドラセナ、ハラン、モンステラ、ポトス、コンパクター、ポリシャス、ジャングルブッシュ、リキュウソウ、ベアグラス、ピトスポラムなどが含まれる。
【0118】以上、いくつかの農作物が例示されたが、上記実施の形態の鮮度保持方法は、例示された農作物以外の農作物にも適用可能である。
【0119】次に、鮮度保持について補足する。上記実施の形態において、「鮮度保持」とは、農作物の鮮度を可能な限り長く保持することをいう。農作物に必要とされる鮮度保持効果は、その農作物の種類や商品価値等によって異なる。
【0120】例えば、レタスやホウレンソウ等の葉部又は茎部が主に利用される野菜(葉菜類)においては、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。また、イチゴやトマト等の果実が主に利用される野菜(果菜類)、又は、リンゴ等の果樹類では、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。さらに、花卉類では、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、及びカビ発生防止等が重要となる。
【0121】次に、上記実施の形態の鮮度保持方法の使用場面について補足する。上記実施の形態では、店舗のバックヤードにおける農作物が保管される場面、又は、店舗の売り場において農作物が陳列されている場面において、鮮度保持方法が使用されたが、鮮度保持方法は、その他の場面において使用されてもよい。
【0122】収穫後の農作物は、例えば、農家、農業協同組合、農作物の予冷を行う専用施設等を経て、保冷車によって都市に輸送される。そして、収穫後の農作物は、市場において卸売業者購入された後、スーパーマーケット等のバックヤードに保管され、売り場に陳列される。
【0123】#10上記の経路においては、専用施設、保冷車、スーパーマーケット等のバックヤード、及び、売り場等において鮮度保持方法を使用することができる。
【0124】また、収穫後の農作物は、例えば、農家、第1の宅配営業所を経由した後、宅配車によって、第2の宅配営業所に輸送される。その後、収穫後の農作物は、宅配車によって、購入者宅(個人宅)に輸送される場合もある。
【0125】上記の経路においては、第1の宅配営業所、宅配車、保冷車、第2の宅配営業所等において鮮度保持方法を使用することができる。
【0126】また、例えば、上記実施の形態の鮮度保持方法は、収穫後の農作物ではなく、収穫前の農作物に使用されてもよい。
【0127】また、遠赤色光は、農作物の収納容器として使われる一般的な材質(例えば、ポリエチレン等)を透過する。このため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、箱詰めされた常態の農作物にも袋詰めされた状態の農作物にも使用することができる。
【0128】また、遠赤色光は、農作物も透過することがあるため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、他の農作物と重ねられた農作物にも使用することができる。
【0129】また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、真っ暗な環境(暗闇)で使用されても良いし、白色LED等により人工的に照明された環境下で使用されてもよい。また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、太陽光の下で使用されてもよい。
【0130】また、遠赤色光が照射された後の農作物は、真っ暗な環境(暗闇)で保管されてもよいし、白色LED等により人工的に照明された環境下で保管されてもよいし、太陽光の下で保管されてもよい。
【0131】#1(その他の実施の形態) 以上、実施の形態1及び2を用いて、本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について説明してきたが、本発明は、実施の形態1及び2に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に限定されるものではない。
【0132】例えば、実施の形態1及び2では、光源としてLEDを用いて説明してきたが、発光素子はLEDのみに限定されない。例えば、光源として、蛍光管、メタルハイライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、ネオン管、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、ケミルミネッセンス(化学発光)、又は、レーザ等を使用してもよい。
【0133】なお、光源が蛍光管等のように、必要な波長域以外の波長域においても発光を有する光源を用いる場合、分光フィルタ等と組み合わせることで、必要な波長域のみを有する光として用いることができる。
【0134】また、遠赤色光の照射態様は、特に限定されない。例えば、遠赤色光をストロボ等のように、非常に大きい光量を瞬間的に照射してもよい。或いは、遠赤色光を、低光量で、且つ、長時間照射してもよい。或いは、遠赤色光を連続的に照射し続けてもよいし、又は、遠赤色光を間欠的に照射してもよい。
【0135】また、本発明に係る鮮度保持装置や、収納庫や、陳列装置は、照度センサを備えていてもよい。照度センサを用いることで、本発明に係る鮮度保持装置や収納庫や陳列装置は、遠赤色光や白色光の照射照度を、周囲環境等に応じて調整することができるようになる。
【0136】また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、コントローラ等)の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよいし、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0137】なお、上述の各実施の形態については、本発明の実施態様の例示に過ぎず、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても好ましいものの例示に過ぎず、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではない。また、上記の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素である。本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。
【0138】以下、本実施の形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。
【0139】以下の説明において、「照射照度比」とは、遠赤色光の照射照度と、白色光、青色光又 は緑色光の照射照度との比である。遠赤色光と白色光とを用いる実験1において、遠赤色光の照射照度をrとし、白色光の照射照度をwとすると、照射照度比は、r/wの値である。遠赤色光と青色光とを用いる実験2において、遠赤色光の照射照度をrとし、青色光の照射照度をbとすると、照射照度比は、r/bの値である。遠赤色光と緑色光とを用いる実験3において、遠赤色光の照射照度をrとし、緑色光の照射照度とgとすると、照射照度比は、r/gの値である。
【0140】また、「合計照射照度」とは、遠赤色光の照射照度と、白色光、青色光又は緑色光の照射照度との合計の値である。遠赤色光と白色光とを用いる実験1において、遠赤色光の照射照度をrとし、白色光の照射照度をwとすると、合計照射照度は、rとwとの合計値である。遠赤色光と青色光とを用いる実験2において、遠赤色光の照射照度をrとし、青色光の照射照度をbとすると、合計照射照度は、rとbとの合計値である。遠赤色光と緑色光とを用いる実験3において、遠赤色光の照射照度をrとし、緑色光の照射照度とgとすると、合計照射照度は、rとgとの合計値である。単位は、W/m 2 である また、「積算光量比」とは、遠赤色光の1日あたりの積算光量と、白色光、青色光又は緑色光の1日あたりの積算光量との比である。遠赤色光と白色光とを用いる実験1において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、白色光の1日あたりの積算光量をWとすると、積算光量比は、R/Wの値である。遠赤色光と青色光とを用いる実験2において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、青色光の1日あたりの積算光量をBとすると、積算光量比は、R/Bの値である。遠赤色光と緑色光とを用いる実験3において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、緑色光の1日あたりの積算光量をGとすると、積算光量比は、R/Gの値である。
【0141】また、「合計積算光量」とは、遠赤色光の1日あたりの積算光量と、白色光、青色光又は緑色光の1日あたりの積算光量との合計の値である。遠赤色光と白色光とを用いる実験1において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、白色光の1日あたりの積算光量をWとすると、合計積算光量は、RとWとの合計値である。遠赤色光と青色光とを用いる実験2において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、青色光の1日あたりの積算光量をBとすると、合計積算光量は、RとBとの合計値である。遠赤色光と緑色光とを用いる実験3において、遠赤色光の1日あたりの積算光量をRとし、緑色光の1日あたりの積算光量をGとすると、合計積算光量は、RとGとの合計値である。単位は、kJ/m 2 である。
【0142】また、「鮮度保持期間倍率」とは、農作物の水分量が初期水分量の95%以上に保たれている期間が、遠赤色光を照射しない場合の水分量が初期水分量の95%以上に保たれている期間の何倍であるかを示す数値である。ここで、農作物の水分量は、農作物の重量の初期値からの変化量が、農作物から蒸発した水分の重量であるとして算出する。
【0143】なお、以下に示す結果は、同様の実験を5サンプルで行ったものの平均の結果である。
【0144】(実験1) 280mm×600mm×220mmの直方体状のアクリル製容器内に葉茎類の野菜であるホウレンソウ1束又はレタス1個を入れて、鮮度保持の実験を行う。実験時の温度は、摂氏5度で、湿度は80〜85%の条件で実験を行う。遠赤色光の光源としては、波長735nmにピークを有する遠赤色光LEDを、上記アクリル製容器の側面うちの2面及び天井面に設置する。また、白色光源としては、色温度4000Kの白色LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置し、実験中は白色LEDからの光の照射を常時行う。
【0145】また、サンプル(ホウレンソウ又はレタス)は、天井面に設置された光源から200mm離れた位置に配置し、サンプルへの光の照射は、72時間にわたって行う。照度センサ (DeltaOHM製、HD2102.21)を、上記アクリル製容器の床面中央部に設置し、照度センサの計測値を用いて、遠赤色光等の照射照度等が所定値になるように調整を行う。
【0146】[照射照度比の影響について] 上記の実験条件の下、照射照度比を変化させて行う実施例1〜6及び比較例1〜4の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表1に示す。ここで、比較例1及び3は、それぞれホウレンソウとレタスを農作物として用い、遠赤色光を照射しない実験である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例3の何倍であるかを示す。
【0147】表1に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.02以上0.2以下の実施例1〜6では、鮮度保持期間倍率がおよそ1.5以上である。一方で、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.02以上0.2以下の範囲外である比較例2及び4では、鮮度保持期間倍率が1以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光の照射照度は、白色光の照射照度の0.02倍以上0.2倍以下であることが好ましい。
【0148】[合計照射照度の影響について] 上記の実験条件の下、合計照射照度を変化させて行う実施例7〜12及び比較例5〜8の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表2に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例1及び3である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例3の何倍であるかを示す。
【0149】表2に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下の実施例7〜12では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方で、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下の範囲外である比較例5〜8では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、赤色光と白色光との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上48W/m 2 以下であることが好ましい。
【0150】[積算光量比の影響について] 上記の実験条件の下、積算光量比を変化させて行う実施例13〜18、比較例9及び10の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表3に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例1及び3である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例3の何倍であるかを示す。
【0151】表3に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、積算光量比が0.001以上である実施例13〜18では、鮮度保持期間倍率が1.3以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、積算光量比が0.001以下である比較例9及び10では、鮮度保持期間倍率が1以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光の1日あたりの積算光量は、白色光の1日 あたりの積算光量の0.001倍以上であることが好ましい。
【0152】[合計積算光量の影響について] 上記の実験条件の下、合計積算光量を変化させて行う実施例19〜24、比較例11及び12の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表4に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例1及び3である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例3の何倍であるかを示す。
【0153】表4に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が2058kJ/m 2 以下の実施例19〜24では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が2058kJ/m 2 以上である比較例11及び12では、鮮度保持期間倍率が1以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光と白色光との1日あたりの合計積算光量は、2058kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0154】(実験2) 280mm×600mm×220mmの直方体状のアクリル製容器内に葉茎類の野菜であるホウレンソウ1束又はレタス1個を入れて、鮮度保持の実験を行う。実験時の温度は、摂氏5度で、湿度は80〜85%の条件で実験を行う。遠赤色光の光源としては、波長735nmにピークを有する遠赤色光LEDを、上記アクリル製容器の側面うちの2面及び天井面に設置する。また、青色光の光源としては、波長460nmにピークを有する青色LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置し、実験中は青色LEDからの光の照射を常時行う。
【0155】また、サンプル(ホウレンソウ又はレタス)は、天井面に設置された光源から200mm離れた位置に配置し、サンプルへの光の照射は、72時間にわたって行う。照度センサ(DeltaOHM製、HD2102.21)を、上記アクリル製容器の床面中央部に設置し、照度センサの計測値を用いて、遠赤色光等の照射照度等が所定値になるように調整を行う。
【0156】[照射照度比の影響について] 上記の実験条件の下、照射照度比を変化させて行う実施例25〜30及び比較例13〜18の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表5に示す。ここで、農作物としてホウレンソウ とレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ比較例13及び16である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例13の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例16の何倍であるかを示す。
【0157】表5に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.09以上1.6以下の実施例25〜30では、鮮度保持期間倍率がおよそ1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.09以上1.6以下の範囲外である比較例14、15、17及び18では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光の照射照度は、青色光の照射照度の0.09倍以上1.6倍以下であることが好ましい。
【0158】[合計照射照度の影響について] 上記の実験条件の下、合計照射照度を変化させて行う実施例31〜36及び比較例19〜22の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表6に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例13及び16である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例13の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例16の何倍であるかを示す。
【0159】表6に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上11W/m 2 以下の実施例31〜36では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上11W/m 2 以下の範囲外である比較例19〜22では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光と青色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上11W/m 2 以下であることが好ましい。
【0160】[積算光量比の影響について] 上記の実験条件の下、積算光量比を変化させて行う実施例37〜42及び比較例23〜26の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表7に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例13及び16である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例13の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例16の何倍であるかを示す。
【0161】表7に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、積算光量比が0.003以上1.6以下である実施例37〜42では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合 においても、積算光量比が0.003以上1.6以下の範囲外である比較例23〜26では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光の1日あたりの積算光量は、青色光成分の1日あたりの積算光量の0.003倍以上1.6倍以下であることが好ましい。
【0162】[合計積算光量の影響について] 上記の実験条件の下、合計積算光量を変化させて行う実施例43〜48、比較例27及び28の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表8に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例13及び16である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例13の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例16の何倍であるかを示す。
【0163】表8に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が930kJ/m 2 以下である実施例43〜48では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が930kJ/m 2 以上である比較例27及び28では、鮮度保持期間倍率が1以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光と青色光成分との1日あたりの合計積算光量は、930kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0164】(実験3) 280mm×600mm×220mmの直方体状のアクリル製容器内に葉茎類の野菜であるホウレンソウ1束又はレタス1個を入れて、鮮度保持の実験を行う。実験時の温度は、摂氏5度で、湿度は80〜85%の条件で実験を行う。遠赤色光の光源としては、波長735nmにピークを有する遠赤色光LEDを、上記アクリル製容器の側面うちの2面及び天井面に設置する。また、緑色光の光源としては、波長545nmにピークを有する緑色LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置し、実験中は緑色LEDからの光の照射を常時行う。
【0165】また、サンプル(ホウレンソウ又はレタス)は、天井面に設置された光源から200mm離れた位置に配置し、サンプルへの光の照射は、72時間にわたって行う。照度センサ(DeltaOHM製、HD2102.21)を、上記アクリル製容器の床面中央部に設置し、照度センサの計測値を用いて、遠赤色光等の照射照度等が所定値になるように調整を行う。
【0166】[照射照度比の影響について] 上記の実験条件の下、照射照度比を変化させて行う実施例49〜54及び比較例29〜34の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表9に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ比較例29及び32である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例29の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例32の何倍であるかを示す。
【0167】表9に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.04以上1.1以下の実施例49〜54では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、照射照度比が0.04以上1.1以下の範囲外である比較例30、31、33及び34では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光の照射照度は、緑色光の照射照度の0.04倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
【0168】[合計照射照度の影響について] 上述の実験条件の下、合計照射照度を変化させて行う実施例55〜60及び比較例35〜38の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表10に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例29及び32である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例29の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例32の何倍であるかを示す。
【0169】表10示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上22W/m 2 以下である実施例55〜60では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計照射照度が0.4W/m 2 以上22W/m 2 以下の範囲外である比較例35〜38では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光と緑色光成分との合計照射照度は、0.4W/m 2 以上22W/m 2 以下であることが好ましい。
【0170】[積算光量比の影響について] 上述の実験条件の下、積算光量比を変化させて行う実施例61〜66及び比較例39〜42の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表11に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例29及び32である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例29の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例32の何倍であるかを示す。
【0171】表11に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、積算光量比が0.002以上1.1以下である実施例61〜66では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、積算光量比が0.002以上1.1以下の範囲外である比較例39〜42では、鮮度保持期間倍率が1.3程度以下である。故に、鮮度保持の観点から、遠赤色光 の1日あたりの積算光量は、緑色光成分の1日あたりの積算光量の0.002倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
【0172】[合計積算光量の影響について] 上述の実験条件の下、合計積算光量を変化させて行う実施例67〜72、比較例43及び44の実験条件及び鮮度保持期間倍率を表12に示す。ここで、農作物としてホウレンソウとレタスを用いた場合の遠赤色光を照射しない実験は、それぞれ上述の比較例29及び32である。故に、ホウレンソウを農作物として用いた実験の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例29の何倍であるかを示す。また、レタスを農作物として用いた実験結果の鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例32の何倍であるかを示す。
【0173】表12に示す通り、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が1900kJ/m 2 以下である実施例67〜72では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方、農作物としてホウレンソウとレタスのどちらを用いた場合においても、合計積算光量が1900kJ/m 2 以上である比較例43及び44では、鮮度保持期間倍率が1以下である。故に、遠赤色光と緑色光成分との1日あたりの合計積算光量は、1900kJ/m 2 以下であることが好ましい。
【0174】以上、実施例に沿って本実施の形態の内容を説明したが、本実施の形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0175】10、210 鮮度保持装置 13 第1照射部 14 第2照射部 20 筐体 30 農作物 100 収納庫 200 陳列装置 202 棚
ど真ん中鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置
特開2019-140968 / 出願人: パナソニックIPマネジメント株式会社 / 発明者: 青木 慎一、成瀬 祐樹、山田 真 / 出願日: 2018-02-21 / 公開日: 2019-08-29 / 検索22位 / 遠赤色を白色に重ねる派
アプローチ: 白色系光に遠赤色ピークを5%以上重畳 青・緑〜赤・遠赤色(700〜750nm)の3ピークを持つ照射光を収穫後の農作物に当て、遠赤色ピークの強度を青ピーク強度の5%以上とすることで、白色光下でも鮮度を保ちつつ視認性を確保する。
▸ 示唆: 白色光に遠赤色を一定比率で重ねる点と強度比で規定する点がメモの幹とほぼ同じで、先行状況の確認と比率の数値根拠(5%以上、1日5分以上、インターバル等)の参照が必要である。
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【0001】#2本発明は、光の照射によって野菜や果物等の鮮度を保持する鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に関する。
【0002】従来、収穫後の農作物に対して赤色光などを照射することで、農作物の鮮度を保持する方法が知られている。例えば、特許文献1には、イチゴ等に赤色光及び遠赤色光を同時又は交互に照射する鮮度保持方法が開示されている。
【0003】特開2016−26484号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に係る鮮度保持方法では、白色光が存在する場合については、検討されておらず、白色光の存在下においても同様の鮮度保持の効果を得られるのかは不明である。
【0005】そして、特許文献1に係る鮮度保持方法のように、赤色光及び遠赤色光のみを照射した場合、照らされた農作物は赤みを帯びて見えてしまうため、農作物の視認性が低下してしまう。故に、そのような農作物について作業をする人の作業効率が低下するおそれがある。また、スーパーマーケット等の生鮮食品の陳列装置に組み込んだ場合等では、生鮮食品が自然な色味に見えないため、スーパーマーケット等の利用者の購買意欲が低下するおそれがある。
【0006】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。その目的は、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる、鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を提供することである。
【0007】#8上記課題を解決するため、本発明に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持方法であって、前記照射光は、400nm以上480nm以下の波長範囲に第1ピーク波長と、500nm以上650nm以下の波長範囲に第2ピーク波長と、700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有し、前記照射光の前記第3ピーク波長の強度は、前記照射光の前記第1ピーク波長の強度の5%以上である。
【0008】また、本発明に係る鮮度保持装置は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持装置であって、400nm以上480nm以下の波長範囲に第1ピーク波長と、500nm以上650nm以下の波長範囲に第2ピーク波長と、700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有する照射光を照射する照射部を備え、前記照射光の前記第3ピーク波長の強度は、前記照射光の前記第1ピーク波長の強度の5%以上である。
【0009】また、本発明に係る収納庫は、上述の鮮度保持装置と、農作物を収納する筐体と、を備える。
【0010】また、本発明に係る陳列装置は、上述の鮮度保持装置と、農作物が陳列される棚と、を 備える。
【0011】本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を用いれば、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる。
【0012】実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図 実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図 実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図 実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図
【0013】以下では、実施の形態に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであって、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても一例に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
◆ この文献の解決アプローチ
白色系光に遠赤色ピークを5%以上重畳
文献: 700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有し、前記照射光の前記第3ピーク波長の強度は、前記照射光の前記第1ピーク波長の強度の5%以上である
白色光に遠赤色を一定比率で重ねる点と強度比で規定する点がメモの幹とほぼ同じで、先行状況の確認と比率の数値根拠(5%以上、1日5分以上、インターバル等)の参照が必要である。
【0014】また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化することがある。
【0015】(実施の形態1) 以下では、図1及び2を用いて実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100について説明する。図1は、実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図である。図2は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0016】[構成] 図1に示される収納庫100は、収納後の農作物30を収納(保管)する収納庫であって、例えば、農作物30を販売する店舗のバックヤードに設置される。収納庫100は、筐体20と、扉22と、鮮度保持装置10と、を備える。
【0017】筐体20は、外形が略直方体状であり、筐体20の内部の空間である直方体状の収納部21(収納スペース)に前方から農作物30が出し入れされる。筐体20は、例えば、アルミニウム等の金属により形成されるが、樹脂により形成されてもよい。なお、筐体20の形状、及び、筐体20の材質等は、一例であり、特に限定されない。
【0018】収納部21の前方には開閉自在な扉22(カバー)が設けられる。扉22を閉めて第1照射部13及び第2照射部14をオフにすると、収納部21内は暗室(0ルクスの環境)になる。
【0019】鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30の鮮度を保持するための装置である。図1及び図2に示されるように、鮮度保持装置10は、電力プラグ11と、コントローラ12と、第1照射部13と、第2照射部14と、を備える。
【0020】電力プラグ11は、受電部の一例であって、端子部11aと、電力変換部11bとを有する。電力プラグ11は、いわゆるACアダプタである。
【0021】端子部11aは、コンセントに差し込まれる金属製の端子である。端子部11aの形状及び材質等は、特に限定されない。
【0022】電力変換部11bは、端子部11aが受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ12と、第1照射部13と、第2照射部14とに直流電力を供給する。電力変換部11bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、収納庫100において、電力変換部11bは、筐体20の外に配置されるが、電力変換部11bは、筐体20に内蔵されていてもよい。
【0023】第1照射部13は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に遠赤色光を照射する照射装置である。ここで、遠赤色光とは、700nm以上750nm以下の波長範囲に波長ピーク(第3ピーク波長)を有する光のことである。遠赤色光には、例えば、700nm以上750nm以下の波長範囲に波長ピークを有し、発光スペクトルの全体が400nm以上1000nm以下の範囲に含まれる光等を用いてもよい。
【0024】第1照射部13は、具体的には、基板と、その基板に実装された複数の遠赤色光LED(Light Emitting Diode)とを備える発光モジュールであるが、遠赤色光を発することができるものであれば、どのような態様であってもよい。例えば、遠赤色以外の発光ピークを有する光を発する発光素子と分光フィルタとを組み合わせて、遠赤色光のみを発するような構成としてもよい。
【0025】なお、図1では、第1照射部13を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第1照射部13の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第1照射部13は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第1照射部13は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
【0026】ここで、第1照射部13は、農作物30に対して均一な遠赤色光の照射を行うことが好ましい。遠赤色光は鮮度保持へ主に影響すると考えられることから、遠赤色光を均一に照射することで、効率的に農作物30の鮮度を保持することができる。遠赤色光を均一に農作物30に照射する方法としては、導光板や乳白板等による面発光を用いる方法や、第1照射部13の光源をマトリクス状に配置する方法等が挙げられる。なお、乳白板としては、反射シートとアクリル板と拡散板とを組み合わせたもの等を用いることができる。
【0027】なお、第1照射部13が照射する遠赤色光(遠赤色光の発光スペクトル)は、典型的には1つのピークを有するが、波長が異なる2以上のピークを有していてもよい。例えば、実施の形態1において、第1照射部13は、ピーク波長が720nmの遠赤色光、又は、ピーク波長が735nmの遠赤色光等を照射するが、第1照射部13は、波長720nmと735nmの両方にピークを有する遠赤色光を照射する構成としてもよい。この場合、例えば、第1照射部13は、ピーク波長720nmの遠赤色光LEDと、ピーク波長735nmの遠赤色光LEDとが基板に実装された構成とすることができる。
【0028】第2照射部14は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に混色光を照射する。ここで、混色光とは、400nm以上480nm以下の波長範囲に波長ピーク(第1ピーク波長)と、500nm以上650nm以下の波長範囲に波長ピーク(第2ピーク波長)と、を有する光のことである。混色光には、例えば、400nm以上480nm以下の波長範囲及び500nm以上6 50nm以下の波長範囲に波長ピークを有し、発光スペクトルの全体が380nm以上800nm以下の範囲に含まれる光等を用いることができる。
【0029】第2照射部14は、例えば、基板と、その基板に直接実装された複数の青色LEDと、黄色蛍光体粒子を含有する封止部材とからなるCOB(Chip On Board)構造の発光モジュールである。封止部材は、青色LEDを封止する。黄色蛍光体粒子としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体等を用いることができる。なお、第2照射部14は、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよし、リモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。
【0030】なお、第2照射部14は、400nm以上480nm以下の波長範囲及び500nm以上650nm以下の波長範囲にそれぞれ波長ピークを有する光を発するものであれば、どのような態様であってもよい。例えば、青色LED等の青色光を発する発光素子と、緑色LEDや黄色LED等の緑色光や黄色光を発する発光素子とを組み合わせて構成してもよい。或いは、白色光源と分光フィルタとを組み合わせることで、400nm以上480nm以下の波長範囲及び500nm以上650nm以下の波長範囲にそれぞれ波長ピークを有する光を発するような構成としてもよい。
【0031】なお、図1では、第2照射部14を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第2照射部14の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第2照射部14は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第2照射部14は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
【0032】また、第2照射部14は、400nm以上480nm以下の波長範囲及び500nm以上650nm以下の波長範囲に1つずつ波長ピークを有するものに限られない。例えば、青色光を発する発光素子と、緑色蛍光体粒子及び黄色蛍光体粒子とを組み合わせて、400nm以上480nm以下の波長範囲及び500nm以上650nm以下の波長範囲に合計2つ以上の波長ピークを有するような構成としてよもよい。
【0033】なお、第1照射部13と第2照射部14とは、1つの照射部として構成されてもよい。このような照射部は、例えば、COB構造で構成する場合、基板上の遠赤色光LEDと青色LEDとを、黄色蛍光体粒子や緑色蛍光体粒子を含有した封止材で封止するような構成とすることができる。或いは、遠赤色光LEDと、青色LEDと、黄色LEDや緑色LEDとを組み合わせることで構成してもよい。
【0034】また、第2照射部14の発する混合光は、第2ピーク波長が500nm以上550nm以下の波長範囲に存在し、さらに、600nm以上700nm未満の波長範囲に波長ピーク(第4ピーク波長)を有することが、より好ましい。上記構成により、第1照射部13及び第2照射部14の出射光が混ざり合った照射光の演色性が向上することにより、農作物30の視認性が向上するためである。
【0035】この場合、第2照射部14は、COB構造で構成する場合、例えば、基板上の青色LEDと赤色LEDとを、緑色蛍光体粒子を含有する封止部材で封止するような構成とすることができる。或いは、白色光源と分光フィルタを組み合わせて、400nm以上480nm以下の波長範囲、500nm以上550nm以下の波長範囲及び600nm以上700nm未満の波長範囲に、それぞれ波長ピークを有する光を発するような構成としてもよい。
【0036】また、この場合においても、第1照射部13と第2照射部14とは、1つの照射部とし て構成されてもよい。このような照射部は、例えば、COB構造で構成する場合、基板上の遠赤色光LEDと青色LEDと赤色LEDとを、緑色蛍光体粒子を含有する封止部材で封止するように構成することができる。或いは、遠赤色光LEDと、青色LEDと、赤色LEDと、緑色LEDとを組み合わせることで構成してもよい。
【0037】なお、第1照射部13及び第2照射部14の設置位置は、収納部21の上方に限定されない。例えば、第1照射部13と第2照射部14とを、収納部21の側面や底面に設置される構成としてもよい。また、第1照射部13は収納部21の天井面に設置され、第2照射部14は収納部21の側面に設置される、というように、第1照射部13と第2照射部14とは、別々の位置に設置されていてもよい。
【0038】コントローラ12は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、第1照射部13及び第2照射部14を制御するコントローラである。コントローラ12は、例えば、第1照射部13が照射する遠赤色光の強度、及び、第1照射部13が照射する遠赤色光の照射時間を制御する。また、コントローラ12は、例えば、第1照射部13の照射のオン及びオフ、並びに、第2照射部14の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ12は、第2照射部14の照射する混合光の強度を制御してもよい。
【0039】コントローラ12は、具体的には、第1照射部13の照度を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)制御回路(調光回路)、及び、第1照射部13の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ12は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。なお、収納庫100において、コントローラ12は、筐体20の外に配置されているが、コントローラ12の一部又は全部は、筐体20に内蔵されてもよい。
【0040】なお、コントローラ12は必須ではないが、鮮度保持装置10は、コントローラ12を有することが好ましい。また、遠赤色光の強度を制御するコントローラと、遠赤色光の照射時間を制御するコントローラとは、別体のコントローラとして構成されてもよい。また、コントローラ12は、第1照射部13又は第2照射部14と一体として構成されてもよい。コントローラ12の具体的態様は、特に限定されるものではなく、コントローラ12としては、従来の公知のコントローラが用いられるとよい。
【0041】なお、収納庫100は、収納部21内を冷却する冷却装置を備えていてもよい。もちろん、冷却装置は必須の構成ではない。
【0042】また、収納庫100が大きな収容部21を備える場合には、農作物30を移動させるベルトコンベアを備えていてもよい。この場合、ベルトコンベアの移動によって第1照射部13の下方に移動した農作物30が順番に、遠赤色光の照射を受けるような構成とすることができる。
【0043】[鮮度保持装置の動作] 次に、鮮度保持装置10の動作(鮮度保持方法)について説明する。
【0044】鮮度保持装置10は、コントローラ12の制御に基づいて、収穫後の農作物30に照射光を照射する。ここで、照射光とは、400nm以上480nm以下の波長範囲に第1ピーク波長と、500nm以上650nm以下の波長範囲に第2ピーク波長と、700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有する光である。また、この照射光において、第3ピーク波長の強度は、第1ピーク波長の強度の5%以上である。
【0045】実施の形態1において、照射光は、第1照射部13から発せられる遠赤色光と、第2照 射部14から発せられる混合光とが合わさった光である。鮮度保持装置10から発せられる照射光は、白色光である。
【0046】なお、上述の通り、照射光は、第2ピーク波長が500nm以上550nm以下の波長範囲に存在し、さらに、600nm以上700nm未満の波長範囲に第4ピーク波長を有する光であってもよい。この構成により、照射光の演色性が向上し、照射光に照らされた農作物30の視認性が向上する。
【0047】鮮度保持装置10では、第3波長ピークを有する光の強度や照射時間を、他の波長ピークを有する光の強度や照射時間とは別々に制御可能であることが好ましい。農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光と、農作物30の鮮度保持への寄与は小さいが農作物30の視認性向上のために必要な混合光とを別々に制御することができ、用途や設置場所に応じて適切な鮮度保持を実現できるためである。
【0048】ここで、照射光の色温度が、昼光色と呼ばれるような5600K以上7000K以下の高色温度の場合、農作物30の鮮度保持の観点から、照射光の第3ピーク波長の強度は、第1ピーク波長の強度の5%以上であることが好ましい。
【0049】一方、照射光の色温度が、昼白色と呼ばれるような4000K以上5600K未満の色温度である場合、農作物30の鮮度保持の観点から、照射光の第3ピーク波長の強度は、第1ピーク波長の強度の8%以上であることが好ましい。
【0050】また、照射光の色温度が、温白色や電球色と呼ばれるような2000K以上4000K未満の低色温度である場合、農作物30の鮮度保持の観点から、照射光の第3ピーク波長の強度は、第1ピーク波長の強度の10%以上であることが好ましい。
【0051】鮮度保持装置10は、第3ピーク波長を有する光を、1日に5分以上照射することが好ましい。遠赤色光を1日に5分以上照射することで、後述するように、鮮度保持効果を向上することができる。
【0052】農作物30の鮮度保持の観点からは、鮮度保持装置10は、第3ピーク波長を有する光を複数回繰り返し照射することが好ましく、さらに、第3ピーク波長を有する光の照射インターバル時間が第3ピーク波長を有する光の照射時間より長いことがより好ましい。
【0053】また、農作物30の鮮度保持の観点から、照射光の700nm以上750nm以下の範囲の光積算量が、1日当たり30J/m 2 以上であることが好ましい。上述の照射条件については、実施例の項目でより詳細に説明する。
【0054】#4また、第3ピーク波長を有する光である遠赤色光は、農作物30の気孔が多く存在する部分に照射することが好ましい。気孔が多く存在する部分とは、例えば、野菜類の葉部分等であり、特に、葉の裏側等である。遠赤色光の照射によって気孔が閉じる方向に動き、農作物30内部からの水分の蒸発が抑制されると推測されるため、上述のように農作物30の気孔が多く存在する部分に遠赤色光を照射することで、効率よく農作物30の鮮度を保持することができる。
【0055】[効果等] ここで、あらためて、実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100の要点について説明する。また、本発明は鮮度保持方法についても有用であるため、実施の形態に係る鮮度保持方法についても以下で説明する。
【0056】実施の形態に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持方法である。照射光は、400nm以上480nm以下の波長範囲に第1ピーク波長と、500nm以上650nm以下の波長範囲に第2ピーク波長と、700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有する。照射光の前記第3ピーク波長の強度は、前記照射光の前記第1ピーク波長の強度の5%以上である。
【0057】上記構成を有する鮮度保持方法を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0058】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、第2ピーク波長は、500nm以上550nm以下の波長範囲に存在し、照射光は、さらに、600nm以上700nm未満の波長範囲に第4ピーク波長を有することが好ましい。
【0059】上記構成により、照射光の演色性を向上させることができるため、照射光に照らされた農作物30の視認性を向上させることができる。
【0060】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光は、色温度が5600K以上7000K以下であることが好ましい。或いは、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光は、色温度が4000K以上5600K未満であり、照射光の第3ピーク波長の強度は、照射光の第1ピーク波長の強度の8%以上であることも好ましい。或いは、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光は、色温度が2000K以上4000K未満であり、照射光の第3ピーク波長の強度は、照射光の第1ピーク波長の強度の10%以上であることも好ましい。
【0061】上記構成により、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持できると同時に、農作物30の視認性を特に向上させることができる。
【0062】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光において、第3ピーク波長を有する光を、1日に5分以上照射することが好ましい。
【0063】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0064】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光において、第3ピーク波長を有する光を、複数回繰り返し照射することが好ましい。
【0065】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0066】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光において、第3ピーク波長を有する光の照射インターバル時間は、第3ピーク波長を有する光の照射時間より長いことが好ましい。
【0067】上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0068】また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光の700nm以上750nm以下の範囲の光積算量が、1日当たり30J/m 2 以上であることが好ましい。
【0069】#9上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後 の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
【0070】実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持装置である。そして、400nm以上480nm以下の波長範囲に第1ピーク波長と、500nm以上650nm以下の波長範囲に第2ピーク波長と、700nm以上750nm以下の波長範囲に第3ピーク波長とを有する照射光を照射する照射部を備える。そして、照射光の第3ピーク波長の強度は、照射光の第1ピーク波長の強度の5%以上である。
【0071】上記構成を有する鮮度保持装置10を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0072】また、実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、第2ピーク波長は、500nm以上550nm以下の波長範囲に存在し、照射光は、さらに、600nm以上700nm未満の波長範囲に第4ピーク波長を有することが好ましい。
【0073】上記構成により、照射光の演色性を向上させることができるため、照射光に照らされた農作物30の視認性を向上させることができる。
【0074】実施の形態1に係る収納庫100は、鮮度保持装置10と、農作物30を収納する筐体20と、を備える。
【0075】上記構成を有する収納庫100を用いれば、収穫後の農作物30を収納しながら、農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0076】(実施の形態2) 以下では、図3〜6を用いて、本発明の実施の形態2に係る陳列装置200について説明する。図3は、実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図である。図4は、実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図である。図5は、実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図6は、発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図である。
【0077】以下の説明では、実施の形態1での説明との重複部分については、説明を省略或いは簡略化する。また、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明する。
【0078】[構成] 陳列装置200は、収穫後の農作物30が陳列(載置)される複数の棚202を有する陳列装置であって、例えば、農作物30を販売する店舗の売り場等に設置される。陳列装置200は、本体部201と、棚202と、土台部203と、鮮度保持装置210と、を備える。
【0079】本体部201は、農作物30を収容するスペースを形成する。本体部201は、側板、天板、及び、後版、並びに、これらを保持するフレーム等からなり、本体部201の前方は、開放されている。本体部201は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属、及び、樹脂によって形成される。
【0080】棚202は、本体部201によって形成されるスペースを上下方向において区切るとともに、上面に収穫後の農作物30が陳列される板状の部材である。本体部201は、棚202を3つ有する。棚202は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属によって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。
【0081】土台部203は、陳列装置200の土台となる部分であって、後述する鮮度保持装置210が有するコントローラ212が取り付けられる。また、土台部203の内部には、鮮度保持装置210が有する電力変換部211bが収容される。
【0082】鮮度保持装置210は、電力プラグ211と、電力変換部211bと、コントローラ212と、照射部213とを備える。
【0083】電力プラグ211は、受電部の一例であって、コンセントに差し込まれる金属製の端子を有し、その端子から交流電力を受電する。
【0084】電力変換部211bは、電力プラグ211が受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ212、及び、照射部213に直流電力を供給する。電力変換部211bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、陳列装置200においては、電力変換部211bは、土台部203に内蔵されている。
【0085】コントローラ212は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、照射部213を制御する。コントローラ212は、例えば、照射部213が照射する遠赤色光の強度、及び、照射部213が照射する遠赤色光の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ212は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。
【0086】また、コントローラ212は、例えば、照射部213の遠赤色光の照射のオン及びオフ、並びに、照射部213の混合光の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ212は、照射部213の照射する混合光の強度を制御してもよい。
【0087】照射部213は、各棚202の上方に配置され、コントローラ212の制御に基づいて、棚202に陳列された農作物30に照射光を照射する。図4に示すように、照射部213は、基台213eと、LED213bが実装された基板213aである発光モジュール213cと、拡散カバー213dとを有する。
【0088】基台213eは、発光モジュール213cの取り付け台及びヒートシンクであり、且つ、照射部213の棚202への取り付け用部材としても機能する。基台213eは、例えば、アルミダイキャスト等の金属により形成される。
【0089】拡散カバー213dは、発光モジュール213cから発せられる照射光を拡散及び透過し、農作物30に照射光を照射する。
【0090】発光モジュール213cは、LED213bが実装される基板213aである。以下、図6を用いて発光モジュール213cの構造を詳細に説明する。
【0091】図6に示すように、発光モジュール213cは、より詳細には、基板213aと、基板213a上を一列に実装された複数のLED213bと、配線223と、コネクタ224と、コネクタ225とを備える。
【0092】基板213aは、長尺矩形状の基板である。基板213aは、樹脂を基材とするCEM−3(Composite Epoxy Material−3)基板であるが、その他の樹脂基板であってもよいし、メタルベース基板又はセラミック基板であってもよい。その他の樹脂基板としては、FR−4(Flame Retarrdant−4)基板が例示される。セラミック基板としては、酸化アルミニウム(アルミナ)からなるアルミナ基板又は窒化アルミニウムからなる窒化アルミニウム基板等が例示される。また、メタルベ ース基板としては、アルミニウム合金基板、鉄合金基板又は銅合金基板等が例示される。
【0093】LED213bは、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LED213bには、遠赤色光LED、及び、青色LEDや黄色LEDや緑色LEDのLED等が用いられる。LED213bのぞれぞれは、例えば、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって基板213aにダイボンディング実装されている。
【0094】照射部213の構成としては、例えば、遠赤色光を照射するために、LED213bとして遠赤色光LEDを備え、混合光を照射するためにLED213bとして青色LEDと緑色LEDと赤色LEDを備えていてもよい。或いは、照射部213は、遠赤色光を照射するために、LED213bとして遠赤色光LEDを備え、さらに、LED213bとして青色LEDを備え、青色LEDと黄色蛍光体粒子とを組み合わせることで混合光を発する構成としてもよい。
【0095】これら遠赤色光LED、青色LED、及び、黄色LEDや緑色LEDのLED213bは、同種のLED213b同士が隣り合わないように基板213a上に配置される方が好ましい。この構成により、照射光の出射場所による色の偏りを軽減することができ、均一な照射光を得ることができる。
【0096】配線223は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線である。配線223は、複数のLED213b同士を電気的に接続するとともに、LED213bとコネクタ224及びコネクタ225とを電気的に接続するための所定形状にパターン形成されている。
【0097】なお、図6では、配線223は、一列に並んだLED213bを直列に接続しているが、配線223の構成はこれに限定されない。例えば、配線223は、一列に並んだ所定数のLED213bからなるLED素子列を並列に接続するような構成としてもよい。
【0098】また、配線223は、遠赤色光LED、青色LED、及び、黄色LEDや緑色LEDのうち同種のLED213bを直列に繋いだLED素子列とし、そのLED素子列を並列に接続する構成とすることが好ましい。この構成により、それぞれの種類のLED213bの発光強度を個別に制御することができるようになり、農作物30の鮮度保持や視認性の観点から、適切な照射光に調整することができる。
【0099】或いは、配線223は、農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光LEDと、他の種類のLEDとを並列に接続する構成としてもよい。この構成により、農作物30の鮮度保持に主に寄与する遠赤色光の強度や照射時間を調整することができるようになり、農作物30の鮮度をより適切に保持することができる。
【0100】コネクタ224とコネクタ225は、発光モジュール213cに給電を行うためのコネクタである。コネクタ224又はコネクタ225には、コントローラ212から直流電力が供給される。これにより、発光モジュール213cが発光する。
【0101】[効果等] ここで、あらためて、実施の形態2に係る陳列装置200の要点について説明する。
【0102】実施の形態2に係る陳列装置200は、鮮度保持装置210と、農作物30が陳列される棚202と、を備える。
【0103】上記構成を有する陳列装置200を用いれば、収穫後の農作物30を陳列した状態で、 農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
【0104】(実施の形態の補足) まず、農作物について補足する。また、上記実施の形態において、「農作物」とは、農業的手法によって収穫できる作物全般をいう。農作物は、特に限定されないが、農作物には、例えば、通常行われる利用部位に応じた分類(園芸的分類又は人為的分類と呼ばれる)における、野菜類、果実類、又は、花卉類が含まれる。
【0105】野菜類には、例えば、果菜類、葉茎類、根菜類、及び、菌茸類等が含まれる。
【0106】ここで、果菜類には、ナス、ペピーノ、トマト、ミニトマト、タマリロ、タカノツメ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、パプリカ、カラーピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ゴーヤ、トウガン、ハヤトウリ、ヘチマ、ユウガオ、オクラ、イチゴ、スイカ、メロン、マクワウリなどに加えて、トウモロコシなどの穀物類、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマなどのマメ類が含まれる。
【0107】また、葉茎類には、アイスプラント、アシタバ、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、コマツナ、サラダナ、サニーレタス、サイシン、サンチュ、山東菜、シソ、シュンギク、ジュンサイ、シロナ、セリ、セロリ、タアサイ、ダイコンナ(スズシロ)、タカナ、チシャ、チンゲンサイ、ツケナ、菜の花、野沢菜、白菜、パセリ、ハルナ、フダンソウ、ホウレンソウ、ホトケノザ、ミズナ、ミドリハコベ、コハコベ、ウシハコベ、ミブナ、ミツバ、メキャベツ、モロヘイヤ、リーフレタス、ルッコラ、レタス、ワサビナなどの葉菜類、ネギ、細ネギ、アサツキ、ニラ、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ヨウサイ、ネギ、ワケギ、タマネギなどの茎菜類、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、なばな、フキノトウ、ミョウガなどの花菜類、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根などの発芽野菜が含まれる。
【0108】また、根菜類には、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、ワサビ、ホースラディッシュ、ゴボウ、チョロギ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根などに加えて、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ(大和芋)、ヤマノイモ(山芋、自然薯)などのイモ類が含まれる。
【0109】また、菌茸類には、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサタケ、シイタケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギタケ、チチタケ、ナメコ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ブナシメジ、ブナピー、ポルチーニ、ホンシメジ、キシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケ、ヤマブシタケ、ショウロ、トリュフなどが含まれる。
【0110】また、果実類には、例えば、ミカンなど各種柑橘類、リンゴ、モモ、ナシ、西洋ナシ、バナナ、ブドウ、サクランボ、グミ、キイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クワ、ビワ、イチジク、カキ、アケビ、マンゴー、アボカド、ナツメ、ザクロ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、パパイア、アンズ、ウメ、スモモ、モモ、キウイフルーツ、カリン、ヤマモモ、クリ、ミラクルフルーツ、グァバ、スターフルーツ、アセロラなどが含まれる。
【0111】また、花卉類には、例えば、ホリホック、ブーバルジア、ゴデチア、ツキミソウ、ストック、ハボタン、ルナリア、アシダンセラ、イリス、グラジオラス、ハナビシソウ、ペペロミア、カルセオラリア、キンギョソウ、トレニア、サクラソウ、シクラメン、マツバギク、アンスリウム、カラー、カラジウム、ショウブ、シンゴニウム、スパシフィルム、デ ィーフェンバキア、フィロデンドロン、サボテン類、アジュガ、カクトラノオ、サルビア、ベゴニア、クルクマ、スイレン、ポーチュラカ、スミレ、フワイトレースフラワー、セトクレアセア、ムラサキオモト、ムラサキツユクサ、ホウセンカ、ツノナス、ペチュニア、ホオズキ、カーネーション、ナデシコ、セキチク、カスミソウ、宿根カスミソウ、ムシトリナデシコ、グズマニア、ストレリチア、シバザクラ、フロックス、オイランソウ、キョウカノコ、アマクリナム、アマリリス、キク、マーガレット、クンシラン、キルタンサス、スイセン、スノーフレーク、タマスダレ、ネリネ、ハマオモト、ユーチャリス、リコリス、リュウゼツラン、ケイトウ、センニチコウ、アサガオ、エボルブルス、クレオメ、ゼラニウム、カランコエ、スカビオサ、スイートピー、ルピナス、ルリジオ、ワスレナグサ、アスチルベ、ユキノシタ、アガパンサス、アマドコロ、アロエ、オーニソガルム、オモト、オリズルラン、ギボウシ、クロユリ、グロリオーサ、コルチカム、サンセベリア、サンダーソニア、ジャノヒゲ、チューリップ、ツルバキア、ドイツスズラン、ドラセナ、トリテレイア、ナルコユリ、ニューサイラン、バイモ、ヒアシンス、ホトトギス、ヤブカンゾウ、ヤブラン、ユリ、アルストロメリア、ルスカス、アツモリソウ、エビネ、オンシジウム、カトレア、コルマナラ、シラン、シンビジウム、セロジネ、デンドリビウム、ドリテノプシス、ナゴラン、パフィオペディルム、バンダ、ビルステケラ、ファレノプシス、ブラウナウ、ミルトニア、エキザカム、トルコギキョウ、リンドウ、ランタナ、バラ、サクラ、ガーベラなどが挙げられ、さらには葉を鑑賞するために用いられるサカキ、ソテツ、シダ、ドラセナ、ハラン、モンステラ、ポトス、コンパクター、ポリシャス、ジャングルブッシュ、リキュウソウ、ベアグラス、ピトスポラムなどが含まれる。
【0112】#5以上、いくつかの農作物が例示されたが、上記実施の形態の鮮度保持方法は、例示された農作物以外の農作物にも適用可能である。
【0113】次に、鮮度保持について補足する。上記実施の形態において、「鮮度保持」とは、農作物の鮮度を可能な限り長く保持することをいう。農作物に必要とされる鮮度保持効果は、その農作物の種類や商品価値等によって異なる。
【0114】例えば、レタスやホウレンソウ等の葉部又は茎部が主に利用される野菜(葉菜類)においては、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。また、イチゴやトマト等の果実が主に利用される野菜(果菜類)、又は、リンゴ等の果樹類では、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。さらに、花卉類では、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、及びカビ発生防止等が重要となる。
【0115】次に、上記実施の形態の鮮度保持方法の使用場面について補足する。上記実施の形態では、店舗のバックヤードにおける農作物が保管される場面、又は、店舗の売り場において農作物が陳列されている場面において、鮮度保持方法が使用されたが、鮮度保持方法は、その他の場面において使用されてもよい。
【0116】収穫後の農作物は、例えば、農家、農業協同組合、農作物の予冷を行う専用施設等を経て、保冷車によって都市に輸送される。そして、収穫後の農作物は、市場において卸売業者購入された後、スーパーマーケット等のバックヤードに保管され、売り場に陳列される。
【0117】#3上記の経路においては、専用施設、保冷車、スーパーマーケット等のバックヤード、及び、売り場等において鮮度保持方法を使用することができる。
【0118】また、収穫後の農作物は、例えば、農家、第1の宅配営業所を経由した後、宅配車によって、第2の宅配営業所に輸送される。その後、収穫後の農作物は、宅配車によって、購 入者宅(個人宅)に輸送される場合もある。
【0119】上記の経路においては、第1の宅配営業所、宅配車、保冷車、第2の宅配営業所等において鮮度保持方法を使用することができる。
【0120】また、例えば、上記実施の形態の鮮度保持方法は、収穫後の農作物ではなく、収穫前の農作物に使用されてもよい。
【0121】また、遠赤色光は、農作物の収納容器として使われる一般的な材質(例えば、ポリエチレン等)を透過する。このため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、箱詰めされた常態の農作物にも袋詰めされた状態の農作物にも使用することができる。
【0122】また、遠赤色光は、農作物も透過することがあるため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、他の農作物と重ねられた農作物にも使用することができる。
【0123】また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、真っ暗な環境(暗闇)で使用されても良いし、白色LED等により人工的に照明された環境下で使用されてもよい。また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、太陽光の下で使用されてもよい。
【0124】また、遠赤色光が照射された後の農作物は、真っ暗な環境(暗闇)で保管されてもよいし、白色LED等により人工的に照明された環境下で保管されてもよいし、太陽光の下で保管されてもよい。
【0125】#1(その他の実施の形態) 以上、実施の形態1及び2を用いて、本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について説明してきたが、本発明は、実施の形態1及び2に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に限定されるものではない。
【0126】例えば、実施の形態1及び2では、光源としてLEDを用いて説明してきたが、発光素子はLEDのみに限定されない。例えば、光源として、蛍光管、メタルハイライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、ネオン管、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、ケミルミネッセンス(化学発光)、又は、レーザ等を使用してもよい。
【0127】なお、光源が蛍光管等のように、必要な波長域以外の波長域においても発光を有する光源を用いる場合、分光フィルタ等と組み合わせることで、必要な波長域のみを有する光として用いることができる。
【0128】また、遠赤色光の照射態様は、特に限定されない。例えば、遠赤色光をストロボ等のように、非常に大きい光量を瞬間的に照射してもよい。或いは、遠赤色光を、低光量で、且つ、長時間照射してもよい。或いは、遠赤色光を連続的に照射し続けてもよいし、又は、遠赤色光を間欠的に照射してもよい。
【0129】また、本発明に係る鮮度保持装置や、収納庫や、陳列装置は、照度センサを備えていてもよい。照度センサを用いることで、本発明に係る鮮度保持装置や収納庫や陳列装置は、遠赤色光や混合光の照射照度を、周囲環境等に応じて調整することができるようになる。
【0130】また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、コントローラ等)の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよいし、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Centra l Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0131】なお、上述の各実施の形態については、本発明の実施態様の例示に過ぎず、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても好ましいものの例示に過ぎず、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではない。また、上記の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素である。本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。
【0132】以下、本実施の形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。
【0133】以下の説明において、「ピーク数3」とは、400nm以上480nm以下の波長範囲、500nm以上650nm以下の波長範囲、及び、700nm以上750nm以下の波長範囲に、1つずつピークを有することをいう。但し、以下の各表で、遠赤色光波長に数値の記載が無い場合は、「ピーク数3」とは、400nm以上480nm以下の波長範囲、及び、500nm以上650nm以下の波長範囲に、1つずつピークを有することをいう。
【0134】また、「ピーク数4」とは、400nm以上480nm以下の波長範囲、500nm以上550nm以下の波長範囲、600nm以上700nm未満の波長範囲、及び、700nm以上750nm以下の波長範囲に、1つずつピークを有することをいう。但し、以下の各表で、遠赤色光波長に数値の記載が無い場合、「ピーク数4」とは、400nm以上480nm以下の波長範囲、500nm以上550nm以下の波長範囲、及び、600nm以上700nm未満の波長範囲に、1つずつピークを有することをいう。
【0135】また、「ピーク比率」とは、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度をP1とし、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度をP2とした際の、(P2/P1)×100の値である。
【0136】また、「照射時間」とは、700nm以上750nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を、1度の照射において、農作物に照射している時間のことである。
【0137】また、「照射回数」とは、700nm以上750nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を照射した回数のことである。
【0138】また、「インターバル時間」とは、700nm以上750nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を照射してから、次に700nm以上750nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を照射するまでの間の時間のことである。
【0139】また、「光積算量」とは、700nm以上750nm以下の波長範囲の光の1日当たりの積算量のことであり、J/m 2 の単位である。
【0140】また、「色温度」とは、実験で農作物に照射した照射光の色温度のことである。
【0141】また、以下の各表において、「鮮度保持」とは、それぞれの条件において、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い場合の時間の何倍になっているかを表す数値である。ここで、農作物の水 分量は、農作物の重量の初期値からの変化量が、農作物から蒸発した水分の重量であるとして算出する。
【0142】なお、以下に示す結果は、同様の実験を5サンプルで行ったものの平均の結果である。
【0143】(実験1) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。また、ホウレンソウへの遠赤色光の照射は、1日に1回とする。恒温室内の温度は摂氏5度又は摂氏20度であり、また、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。上記条件の下、色温度、ピーク数、ピーク比率、照射時間、温度のパラメータを表1に示す実施例1〜12及び比較例1〜8の数値として、それぞれの条件で実験を行う。
【0144】[ピーク比率の影響について] 色温度6500Kの実施例及び比較例において、ピーク比率の数値のみが異なる実施例1、2及び4と比較例2との鮮度保持の結果を、表2に示す。ここで、比較例1は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表2のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。
【0145】表2に示す通り、ピーク比率が5%以上である実施例1、2及び4では、鮮度保持の値は、1.1倍以上である。一方で、ピーク比率が5%未満である比較例2では、鮮度保持の値は、1.03であり、遠赤色光のピークを有さない比較例1と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、色温度6500Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の5%以上であることが好ましい。
【0146】また、実施例1のようにピーク比率が80%の場合に、鮮度保持の値が1.3と高い数値を示していることから、ピーク比率の上限を80%として、鮮度保持方法を実行してもよい。つまり、色温度6500Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の5%以上80%以下となるように制御して鮮度保持方法を実行してもよい。もちろん、ピーク比率が80%以上の条件で鮮度保持方法を実行することもできる。
【0147】色温度5000Kの実施例及び比較例において、ピーク比率の数値のみが異なる実施例5、6及び8と比較例5との鮮度保持の結果を、表3に示す。ここで、比較例4は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表3のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例4の何倍であるかを示す。
【0148】表3に示す通り、ピーク比率が8%以上である実施例5、6及び8では、鮮度保持の値は、1.1倍以上である。一方で、ピーク比率が8%未満である比較例5では、鮮度保持の値は、1.03であり、遠赤色光のピークを有さない比較例5と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、色温度5000Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の8%以上であることが好ましい。
【0149】また、実施例5のようにピーク比率が50%の場合に、鮮度保持の値が1.3と高い数値を示していることから、ピーク比率の上限を50%として、鮮度保持方法を実行してもよい。つまり、色温度5000Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の8%以上50 %以下となるように制御して鮮度保持方法を実行してもよい。もちろん、ピーク率が50%以上の条件で鮮度保持方法を実行することもできる。
【0150】色温度3500Kの実施例及び比較例において、ピーク比率の数値のみが異なる実施例9、10及び11と比較例8との鮮度保持の結果を、表4に示す。ここで、比較例7は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表4のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例7の何倍であるかを示す。
【0151】表4に示す通り、ピーク比率が10%以上である実施例9、10及び11では、鮮度保持の値は、1.1倍以上である。一方で、ピーク比率が10%未満である比較例8では、鮮度保持の値は、1.03であり、遠赤色光のピークを有さない比較例7と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、色温度3500Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の10%以上であることが好ましい。
【0152】また、実施例9のようにピーク比率が30%の場合に、鮮度保持の値が1.3と高い数値を示していることから、ピーク比率の上限を40%として、鮮度保持方法を実行してもよい。つまり、色温度3500Kにおいては、700nm以上750nm以下の波長範囲のピーク強度は、400nm以上480nm以下の波長範囲のピーク強度の10%以上40%以下となるように制御して鮮度保持方法を実行してもよい。もちろん、ピーク比率が40%以上の条件で鮮度保持方法を実行することもできる。
【0153】[照射時間の影響について] 照射時間の数値のみが異なる実施例5及び7と比較例6との鮮度保持の結果を、表5に示す。ここで、比較例4は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表5のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例4の何倍であるかを示す。
【0154】#7表5に示す通り、照射時間が5分以上である実施例5及び6では、鮮度保持の値は、1 .1倍以上である。一方で、照射時間が5分未満である比較例6では、鮮度保持の値は1.03であり、遠赤色光のピークを有さない比較例4と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、700nm以上750nm以下の波長範囲の光を、1日に5分以上照射することが好ましい。
【0155】[温度の影響について] 温度の数値のみが異なる実施例5及び12の鮮度保持の結果を、表6に示す。ここで、比較例4は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表5のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例4の何倍であるかを示す。また、温度とは、恒温槽の温度のことである。
【0156】表6に示す通り、温度が摂氏5度の実施例5と、温度が摂氏20度である実施例12とは、それぞれ鮮度保持の値が1.3と1.28であり、ほぼ同程度に農作物の鮮度を保持できる。故に、本発明に係る鮮度保持方法は、冷却設備がある場所(5度)及び常温の場所(20度)のどちらでも使用することができる。
【0157】[ピーク数の影響について] ピーク数の数値のみが異なる実施例1及び3の鮮度保持の結果を、表7に示す。ここで、比較例1は実施例1の700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表7の実施例1の鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。ここで、比較例3は実施例3の700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であり、表7の実施例3の鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例3の何倍であるかを示す。
【0158】表7に示す通り、ピーク数3である実施例1とピーク数4である実施例3とは、それぞれ鮮度保持の値が1.3と1.33であり、ほぼ同程度に農作物の鮮度を保持できる。一方、赤色の範囲にピーク数が多い実施例3の方が、実施例1と比べて赤みが綺麗に見え、農作物の視認性の観点では優れている。
【0159】(実験2) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。また、ホウレンソ ウへの光の照射は、1日に1回とする。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数の数値は3、ピーク比率は8%、遠赤色光波長は735nm、及び、色温度は6500Kの条件の下、光積算量のパラメータを表8に示す実施例13、14及び比較例9の数値で、それぞれの条件で実験を行う。
【0160】また、比較例10として、700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い条件でも実験を行う。表8には、各条件における鮮度保持の結果も示す。比較例10は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であるため、表8のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例10の何倍であるかを示す。
【0161】[光積算量の影響について] 表8に示す通り、光積算量が30J/m 2 以上である実施例13及び14では、鮮度保持の値は、1.1倍以上である。一方で、光積算光量が30J/m 2 未満である比較例9では、鮮度保持の値は、1.01であり、遠赤色光のピークを有さない比較例10と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、1日あたりの光積算量は、30J/m 2 以上であることが好ましい。
【0162】(実験3) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数は4、ピーク比率は120%、遠赤色光波長は735nm、照射時間は60分、色温度は3500K、及び、インターバル時間は180分として、照射回数を表9に示す実施例15及び比較例11の数値で、それぞれ実験を行う。
【0163】また、比較例12として、700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い条件でも実験を行う。表9には、各条件における鮮度保持の結果も示す。比較例12は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であるため、表9のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例12の何倍であるかを示す。
【0164】[照射回数の影響について] 表9に示す通り、照射回数4回の実施例15の鮮度保持の値1.42であり、照射回数1回の比較例11の鮮度保持の値1.06よりも、鮮度保持の値が大きい。つまり、700nm以上750nm以下の波長範囲の光は、複数回照射することが好ましい。
【0165】(実験4) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数は3、ピーク比率は120%、遠赤色光波長は735nm、照射時間は60分、及び、色温度は3500Kとして、インターバル時間を表10に示す実施例16、17、18及び比較例13の数値で、それぞれ実験を行う。
【0166】また、比較例14として、700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い条件でも実験を行う。表10には、各条件における鮮度保持の結果も示す。比較例14は700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であるため、表10のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例14の何倍であるかを示す。
【0167】#6[インターバル時間の影響について] 表10に示す通り、インターバル時間が照射時間(60分)より長い実施例16、17及び18では、鮮度保持の値がおおよそ1.1以上である。一方で、インターバル時間が照射時間より短い比較例13では、鮮度保持の値は1.02であり、遠赤色光のピークを有さない比較例14と同程度にしか鮮度を保持できていない。故に、インターバル時間は、照射時間より長いことが好ましい。
【0168】(実験5) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数は3、及び、色温度は5000Kとし、遠赤色光の照射を1日に1回として、表11に示す実施例19、20及び21の数値で、それぞれ実験を行う。
【0169】表11には、各条件における鮮度保持の結果も示す。また、比較例4が700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であるため、表11のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例4の何倍であるかを示す。
【0170】表11に示す通り、遠赤色光波長が720nm、735nm、740nmのそれぞれの波長において、鮮度保持の値は1.1以上である。故に、700nm以上750nm以下の波長範囲の光を照射であれば、農作物の鮮度をより長く保持することができる。
【0171】(実験6) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるホウレンソウを1束入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるようにホウレンソウへの光の照射を行う。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数は3、ピーク比率は120、遠赤色光波長は735nm、照射時間は60分、及び、インターバル時間は480分とし、照射部位を表12の実施例22及び23の条件で、それぞれ実験を行う。また、ホウレンソウの葉部と茎部の間には、照射光を遮光するための衝立を設けて実験を行う。
【0172】表12には、各条件における鮮度保持の結果も示す。また、比較例1が700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例であるため、表12のそれぞれの鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。
【0173】表12に示す通り、実施例22及び23とは、鮮度保持の値が、1.1倍以上であり、ともに良好な鮮度保持の効果を示した。つまり、葉部又は茎部のどちらに遠赤色光を照射した場合でも、鮮度保持の効果を得ることができる。
【0174】ここで、葉部に照射光を照射した実施例22の鮮度保持の値1.38は、茎部に照射光を照射した実施例23の鮮度保持の値1.1よりも大きい。つまり、より気孔の多い葉部に遠赤色光を照射した場合の方が、より良好な鮮度保持の効果を得ることができる。
【0175】#10(実験7) 恒温槽内において、1辺300mmの立方体形状の実験箱内に葉茎類の野菜であるブロッコリー1株又は果実類であるモモ1個を入れ、鮮度保持の実験を行う。実施例及び比較例の全てにおいて、2000lx〜2500lxとなるように光の照射を行う。恒温室内の温度は摂氏5度で、恒温槽内の湿度は80%〜90%で実験を行う。ピーク数は3、ピ ーク比率は80、遠赤色光波長は735nm、照射時間は60分、インターバル時間は420分、及び、色温度は5000Kとし、表13に示す実施例24、25、比較例15、及び16の条件で、実験を行った。
【0176】比較例15及び16は、それぞれ、実施例24及び25の700nm以上750nm以下の波長範囲の光の照射が無い実験例である。そのため、表13の実施例24及び25の鮮度保持の数値は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間がそれぞれ比較例15及び16の何倍であるかを示す。
【0177】表13に示す通り、実施例24及び25では、鮮度保持の値が、それぞれ1.23及び1.11であり、良好な鮮度保持効果を示している。また、外観変化においては、遠赤色光を照射しなかった場合、モモでは表面にしわが発生し、ブロッコリーでは花雷が離れるという変化が生じた。一方で、遠赤色光を照射した場合は、モモとブロッコリーとのどちらにおいても、外観において著しい変化は見られなかった。このように、本発明に係る鮮度保持方法は、さまざまな農作物に適用可能である。
【0178】以上、実施例に沿って本実施の形態の内容を説明したが、本実施の形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0179】10、210 鮮度保持装置 20 筐体 30 農作物 100 収納庫 200 陳列装置 202 棚
ヒントあり冷蔵庫
特開2010-048550 / 出願人: パナソニック株式会社 / 発明者: 田中 通子、松本 卓也 / 出願日: 2009-12-03 / 公開日: 2010-03-04 / 検索2位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 赤色多め弱光を葉菜に照射 野菜室内の葉菜類用収納容器の上方に赤色波長を多く含む弱光照射装置(660nm赤色LED)を置き、光合成速度を高めてクロロフィル低下を抑え緑色を保持する。白色光との併用比率や遠赤色光は扱っていない。
▸ 示唆: 長波長の赤色寄りの光を弱く当てる発想自体は先行しているが、白色光に遠赤色光を数パーセント〜4分の1で重ねる比率規定は見当たらず、差別化点は比率と同時照射に絞られる。
AIが精読したのは全107段落のうち検索が当てた10チャンク(45段落・42%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#1本発明は冷蔵庫に関し、特に緑色葉菜類の保存に関するものである。
【0002】野菜の鮮度低下の影響因子としては、温度、湿度、環境ガス、微生物、光などが上げられる。野菜は生き物であり呼吸と蒸散作用が行われており、鮮度を維持するには呼吸と蒸散作用の抑制が必要となる。低温障害をおこす野菜など一部の野菜を除き、多くの野菜は低温により呼吸が抑制され、高湿により蒸散を防止する事ができる。近年、家庭用冷蔵庫では野菜の保存を目的とし、密閉された野菜専用容器が設けられ、野菜を適正な温度に冷却すると共に、野菜から蒸散する水分により湿度を保つように制御されている。これにより、野菜は栄養成分を保持し、鮮度が維持できるようになる。
【0003】従来は上記のように温度、湿度管理により野菜の鮮度低下の抑制を図っていたが、鮮度低下の影響因子である「光」を利用した野菜の鮮度保持方法が開発されている。光は強光では色の変化や蒸散を促進するなど悪影響を及ぼすが、弱い光は特に、緑色葉菜類の鮮度保持に効果がある事が分かっている。緑色葉野菜は葉部にクロロフィルを含み、このクロロフィル濃度の低下は品質の低下をもたらすとされている。弱い光を照射する事により、クロロフィルの分解が抑制され、ビタミンCの保持にも効果が望めるものである。
【0004】従来の光照射による緑色野菜の保存方法としては、特許文献1に示されているものがある。
【0005】以下図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
【0006】図9は、従来の冷蔵庫の断面図である。図9において1は冷蔵庫本体であり、前面が開口した筺体2を備えており、この筐体2の内部は横方向に沿って配置された仕切り壁2A、2Bによって上下に並んだ3つの室、すなわち、上室3、中室4、下室5に仕切られている。上室3及び中室4の開口側にはそれぞれ開閉扉6、7が取り付けられている。
【0007】また、下室5には主として野菜などが貯蔵される引き出し8が収容されている。引き出し8は開口した略筐体状であり、前面側の前壁9は下室5の開口部より大きく、引き出し8が下室5に収容されたときに、前壁9の側面9A、9B、下面9Cがそれぞれ筐体2の側面2C、2D、下面2Eと同一面に位置するようになっている。この前壁9が当接する筐体2の部位には、引き出し8の開閉を検出するためのスイッチ10が取り付けられている。
【0008】また、中室4と下面5とを仕切る仕切り壁2Bの下面の略中央部には白色蛍光灯11が取り付けられ、仕切り壁2Bの下面の前方側にはランプ12が取り付けられている。
【0009】図10には白色蛍光灯11及びランプ12に電源を供給するための電気回路が示されている。スイッチ10と、白色蛍光灯11及びランプ12に電源を供給する電源供給回路13とは直列に接続され、電源供給回路13から供給される電源を白色蛍光灯11に適した電源に調整するための電源調節回路14及び白色蛍光灯11とランプ12とは並列に接続され、スイッチ10の切替えにより白色蛍光灯11とランプ12が交互にオン・オフされるものである。
【0010】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0011】#4筐体2は、図示しない冷蔵装置又は冷凍装置が取り付けられており、上室3、中室4、下室5はこれらの冷蔵装置又は冷凍装置によりそれぞれ所定の温度に維持されるものである。
【0012】引き出し8内には主として野菜が収納されており、下室5に収容されて密閉されている時は、白色蛍光灯11が点灯し、野菜を照射する。この時、ランプ12は消灯するよう制御される。白色蛍光灯11の光強度は、緑色葉菜類のクロロフィル濃度の低下を低減するのに有効とされる範囲に設定されており、野菜は、光の照射により、クロロフィル濃度の低下が抑制され、鮮度を保持できるものである。また、引き出し8が開放している時は、ランプ12が点灯し、かつ白色蛍光灯11が消灯するよう制御される。
【0013】特開平9−28363号公報
【0014】しかしながら、上記従来の構成は、白色蛍光灯11は下室5が密閉されている時に点灯する制御手段を特徴としており、種々の野菜が混在して保存される家庭用の冷蔵庫の使用状況を考慮されていない欠点がある。
【0015】本発明は従来の課題を解決するもので、保存した野菜に効率よく弱光照射を行い、野菜の鮮度を保持することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0016】本発明は、野菜室内の一画に、主として野菜を収納する収納容器を備え、前記収納容器内の野菜に光を照射する弱光照射装置を配置し、前記弱光照射装置は可視光線領域波長を発光するとともに赤色波長を有したものであり、収納容器内の野菜に可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成のエネルギー効率が高まることで光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。また、赤色光は使用者にも認知されやすく、鮮度保持手段の視認効果が高まる。
【0017】#9以上説明したよう本発明は、光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることができるので、野菜の鮮度保持を効率よく行うことができる。
【0018】本発明による冷蔵庫の実施の形態1の断面図 同実施の形態の冷蔵庫に備えた弱光照射装置の斜視図 本発明による冷蔵庫の実施の形態2の断面図 本発明による冷蔵庫の実施の形態3の断面図 本発明による冷蔵庫の実施の形態4の断面図 本発明による冷蔵庫の実施の形態5の断面図 本発明による冷蔵庫の実施の形態6の断面図 本発明による冷蔵庫の実施の形態7の断面図 従来の冷蔵庫の断面図 従来の冷蔵庫の電気回路図
【0019】本発明は、野菜室内の一画に、主として野菜を収納する収納容器を備え、前記収納容器内の野菜に光を照射する弱光照射装置を配置し、前記弱光照射装置は可視光線領域波長を発光するとともに赤色波長を有したものであり、収納容器内の野菜に可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成のエネルギー効率が高まることで光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。また、赤色光は使用者にも認知されやすく、鮮度保持手段の視認効果が高まる。
【0020】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の上部に、主として葉菜類を収納する第2の収納容器を備え、前記第2の収納容器の上方に弱光照射装置を配置したものであり、種々の野菜が混在して保存する冷蔵庫において、葉菜類とそれ以外の野菜類を分けて保存する事が可能となるとともに、主として葉菜類を収納する第2の収納容器の上方に弱光照射装置を配置する事により、弱光照射効果の現れる葉菜類にのみ効率的に照射する事ができる。また、葉菜類の収納容器は、野菜室の上部に設置し、その上方に弱光照射装置を設置する事により、弱光照射距離が短くなり、照射強度を低下させる事ができ、省エネルギーにつながる。
【0021】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の一画に、主として葉菜類を立てて収納する第2の収納容器を備え、前記第2の収納容器の上方に弱光照射装置を配置したので、葉菜類を立てて収納でき鮮度を保つことができるとともに、その上方に弱光照射装置を設けた事により、上方から野菜に光が照射され、片面だけではなく、全体に光が照射されるようになり、照射のムラが軽減されると共に、野菜を立てて収納できる事により、整理しやすいものとなる。
【0022】また本発明は、第2の収納容器を野菜室内の前部に配置したので、葉菜類の取り出し性が向上すると共に、弱光照射装置が上方に設置される事により、使用者に弱光照射装置が作動している事が認知されやすくなる。
【0023】また本発明は、収納容器を一体に引き出す引き出し式の扉を備えた野菜室にあって、前記収納容器の一画に主として葉菜類を収納する第2の収納容器を設け、前記野菜室の上面を仕切る仕切り板の下面に前記第2の収納容器内を照射する弱光照射装置を設けたので、扉と一体に収納容器を引き出すことができ、野菜室の使い勝手が向上するとともに、第2の収納容器に保存した葉菜類に弱光照射する事ができる。また、仕切り板を野菜室の上面に設け、その下面に弱光照射装置を取り付けているので、野菜室の扉が開閉されても弱光照射装置が邪魔になる事はなく、野菜室の収納スペースが増し、野菜の収納スペースが阻害されることはない。
【0024】また本発明は、仕切り板の下面に調湿手段を設けたので、野菜室内の余分な水分が放出されて、野菜室内は適度な湿度が保たれるようになり、野菜の蒸散が防止されると共に、弱光により葉菜の鮮度低下が抑制され、鮮度保持効果が高まるものである。
【0025】また本発明は、冷蔵室内の一画を仕切り板で区画され、少なくとも野菜を保存するように構成された区画室と、前記区画室内に備えた収納容器と、前記収納容器内を照射する弱光照射装置を前記仕切り板に設けたので、冷蔵室内に設けた野菜収納容器においても、効果のある葉菜類に弱光を照射する事ができる。
【0026】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の上面開口部に調湿手段を備えた蓋体を設け、前記野菜室の上部を仕切る仕切り板の下面に、弱光照射装置を設けると共に、前記蓋体を透光性材料で形成したので、野菜室内の収納容器は調湿手段により容器内の余分な水分を放湿し、適正な湿度を保つ事により野菜の鮮度低下が抑制できるとともに、上方からの弱光照射の光は蓋体を透過し、下方の収納容器に保存した葉菜類の鮮度低下は一層抑制さ れる事となる。さらに弱光照射装置は蓋体の上部にあり、弱光照射装置は高湿条件下にさらされる事がなく結露などの影響を受けないため、弱光照射装置への信頼性が向上するものである。
【0027】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の上面開口部に調湿手段を備えた蓋体を設け、前記蓋体に弱光照射手段を設けたので、野菜と弱光照射装置との距離が短くなり、照射強度を低下する事ができ、省エネルギーにつながる。
【0028】また本発明は、野菜室内に収納容器を備え、弱光照射装置を野菜室内の複数の面に設けたので、上方からだけでなく、下方あるいは側面から照射する事ができ、照射面のバラツキが一層抑制されることとなり、野菜室全体に弱光照射の効果が得られやすくなる。
【0029】また本発明は、弱光照射装置を野菜室内の対面する二面に設けたので、野菜の相対する表面、裏面に弱光照射できる事となり、効率的に弱光照射することができる。
【0030】また本発明は、収納容器を透光性材料としたので、複数面から弱光照射する場合、収納容器の外周面の、いずれの場所にも弱光照射装置を設ける事ができ、収納容器内の葉菜類の鮮度低下を抑制できるとともに、弱光照射装置は高湿条件下にさらされる事がなく、結露などによる装置の信頼性を高める事ができる。
【0031】また本発明は、弱光装置を、可視光線領域波長を発光する半導体発光素子としたので、発熱量を小さく抑えることができ、野菜室内の温度上昇を抑制する事ができる。
【0032】また本発明は、半導体発光素子は約660nmの波長を出力する赤色LEDとしたので、葉菜類の光合成が効率的に行われて鮮度低下が抑制されると共に、発熱量が抑制されて野菜室内の温度上昇が防止できる。さらに、使用者が光照射の有無を容易に認知する事ができるものである。
【0033】また本発明は、冷蔵庫前面部に弱光照射装置の作動を制御するスイッチを設置したので、使用者が野菜の収納状況に応じて弱光照射装置の作動を制御する事ができるようになる。
【0034】以下、本発明による冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1による冷蔵庫の断面図である。図2は、同実施の形態による冷蔵庫の弱光照射装置の斜視図である。
【0036】図1において、15は冷蔵庫本体、16は冷蔵室、17は野菜室であり、17aは野菜室17の冷却風路、18a、18bは冷凍室であり、冷蔵室16、野菜室17は仕切り板19により区画されており、冷凍室18は仕切り板20により区画されている。21は冷蔵室16の扉、22は野菜室17の扉、23、24はそれぞれ、冷凍室の扉である。25は野菜室17内の一画に設けられ、主として葉菜類を収納する収納容器である。26は収納容器25の上方に取り付けられた弱光照射装置であり、可視光線領域の波長を発光する半導体発光装置などから構成されている。また、弱光照射装置26には結露を防止するための保護機能(図示せず)が備えられている。そして、26aは、冷蔵庫15の前面に設けた、弱光照射装置26の点灯を制御する弱光照射スイッチである。弱光照射スイッチ26aはなくてもよく、ない場合は自動的に弱光照射装置26が作動するものである。
【0037】27は圧縮機、28は冷却器であり、29は冷却器28により冷却された冷気を冷蔵室16、冷凍室18内に送風する送風機、30は、冷蔵室16内への冷気量を調節するダンパー装置であり、31は冷却器28により冷却された冷気を冷蔵室16内に導入するための通風路である。
【0038】次に、弱光照射装置26の具体構成について説明する。弱光照射装置26は、実装基板26bと実装基板26bに併設する半導体発光素子26cと半導体発光素子26cを保護する透過性のカバー26dで構成される。
【0039】#3半導体発光素子26cは可視光線領域波長を発光するものであり、赤色波長を多く有するものである。可視光線は最も短い波長の紫色光から、藍、青、緑、黄、橙の各色の光を経て、最も波長の長い赤色光まである。クロロフィルが吸収する割合は青藍色光が最も大きく、ついて赤色光であり、緑、黄などの色光の割合は小さい。一方、光合成のエネルギー効率は赤色光が最も高く、短波長になるほど低くなる。このことより、光合成速度は赤色光>青藍色光>緑色光の順となるものである。したがって、可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。
【0040】また、半導体発光素子26cを約660nmの波長光を出力する赤色LEDとする事により、より一層光合成の速度が高まり、緑色保持効果が増すと共に、LEDを使用する事により、発熱が抑えられ、野菜の温度上昇を防止する事ができ、蒸散作用を抑える事ができるものである。また、赤色光は使用者にも認知されやすく、鮮度保持手段の視認効果が高まる。
【0041】また、高輝度タイプのLEDや拡散タイプのLEDを使用する事により、LEDの個数を減らすことが可能であり、低コストで弱光照射装置26を作る事ができることとなる。
【0042】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
◆ この文献の解決アプローチ
赤色多め弱光を葉菜に照射
文献: 可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。
長波長の赤色寄りの光を弱く当てる発想自体は先行しているが、白色光に遠赤色光を数パーセント〜4分の1で重ねる比率規定は見当たらず、差別化点は比率と同時照射に絞られる。
【0043】#5冷却器29で冷却された冷気は、送風機29により冷凍室18a、18b内に送り込まれ、冷凍室18a、18b内は所定の温度(約−18〜−20℃)に冷却される。一方、冷却器29で冷却された冷気の一部は通風路31に導入され、ダンパー装置31の開閉制御により、冷蔵室16内に送り込まれ、冷蔵室16内は所定の温度(約1〜4℃)に冷却される。冷蔵室16内を循環した冷気は、野菜室17の冷却風路17aに導入され、野菜室17は所定の温度(約2〜5℃)に冷却されるものである。
【0044】野菜室17内には収納容器25が設けられ、野菜室扉22を開け、野菜室17に野菜を収納する場合、主としてホウレンソウなどの緑色葉菜類は収納容器25に収納区分される。野菜室の扉22が閉じると収納された緑色葉菜類は、収納容器25の上方にある弱光照射装置26により照射される事となる。この時、弱光照射装置26の作動は、弱光照射スイッチ26aにより使用者が選択する事ができる。弱光照射スイッチ26aがない場合は、自動的に弱光照射装置の作動を制御されるものである。
【0045】緑色葉菜類の葉は暗黒条件下におかれると、光合成系や葉緑体の崩壊、タンパク質、クロロフィルの分解などが進行する事が知られているが、弱光照射装置26からの照射により、これら老化に伴う種々の変化が抑制されるものである。具体的には葉に含まれるクロロフィルの分解が抑制され、濃度の低下が抑えられる事により緑色が維持されると共に、ビタミンCの減少も抑制されるものである。これにより、野菜の貯蔵性が高まり、栄養成分を保持する事ができる。
【0046】#10弱光照射の効果は緑色葉菜類に認められるとされ、種々雑多な野菜を収納される冷蔵庫 においては、緑色葉菜類を収納容器25内に収納区分する事により、弱光照射装置26の照射範囲を特定する事ができるため、効果のある食品に効率よく弱光照射できものである。
【0047】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、野菜室17内の一画に、主として葉菜類を収納する収納容器25を備え、収納容器の上方に弱光照射装置26を配置したので、野菜室内の葉采類を低温保存した上で、弱光照射効果の葉に含まれるクロロフィルの分解が抑制され、濃度の低下が抑えられる事により緑色が維持されると共に、ビタミンCの減少も抑制されるものである。これにより、野菜の貯蔵性が高まり、栄養成分を保持する事ができる。
【0048】さらに、種々雑多な野菜を収納される冷蔵庫においては、緑色葉菜類を収納容器25内に収納区分する事により収納野菜の整理が可能になるとともに、弱光照射装置26の照射範囲を特定する事ができるため、効果のある食品に効率よく弱光照射できものである。
【0049】なお、弱光照射装置26から照射される光は可視光線領域の波長とし、特に光合成の効率が最も大きい赤色光(660nm)が多く含まれる事が望ましく、照度は、野菜室17の高さ及び収納容器25の高さにより設定される。
【0050】また、弱光照射装置26には結露を防止するための保護機能が備えられ、野菜室17内がドア開閉などにより結露しても弱光照射装置26は結露の影響を受けずに点灯する事ができる。
【0051】#2また、弱光照射装置26の点灯制御時間は扉の開閉や野菜の収納量などにより自由に設計できるものである。例えば野菜室の扉22が閉じている間以外に、開いた時に所定時間照射される制御を設けると、使用者に弱光照射装置26の点灯が認知できるようになり、鮮度保持手段の視覚的効果が得られる。また、野菜室の扉22が閉じている間常時点灯するのではなく、野菜への効果が得られる範囲内で間欠制御する事により従来技術よりも省エネルギーが図れるようになる。
【0052】更に、収納容器25内に野菜が収容されていない時には弱光照射スイッチ26aにより弱光照射装置26の作動を解除すれば過点灯する事を防止でき、省エネルギーにもつながる。
【0053】また収納容器25は、容器形状に限ったものではなく、たとえば、仕切り板や仕切り棒などの仕切部材でも良く、緑色葉菜類を立てて保存する事ができるものであり、野菜室17の前面部に配置する事もできる。立てて保存された緑色葉菜類は、弱光照射装置26により点灯されるが、この時、立てて収納している事により、一方からの照射ではなく、上方から、弱光の効果がある葉全体に照射する事ができる。また、野菜を立てて収納する事により野菜の整理整頓もしやすい。
【0054】更に、収納容器25を前面部に設置する事により、野菜の出し入れがしやすくなる。また上方に弱光照射装置26が配置されるので、弱光照射装置26が消費者に視認されやすくなり、鮮度保持技術の視覚効果が高まる。
【0055】(実施の形態2) 図3は本発明の実施の形態2による冷蔵庫の断面図である。
【0056】図3において32は野菜室であり、33は野菜室32の前面に設けた扉である。34は野菜室32内に設けた収納容器であり、収納容器34の上部には主として葉菜類を収納す る第2の収納容器34aが設けられている。35は、第2の収 納容器34aの上方に配置した弱光照射装置である。
【0057】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0058】野菜室32内の上部には収納容器34aが設けられ、野菜室扉33を開け、野 菜室32に野菜を収納する場合、主としてホウレンソウなどの緑色葉菜類は収納容器34aに収納区分される。野菜室の扉32が閉じると収納された緑色葉菜類 は、収納容器34aの上方にある弱光照射装置35により照射される事となる。
【0059】このとき、弱光照射装置35の照度は収納容器34a内に収納される緑色葉菜 類との距離が影響する。野菜の表面に照射される適性な照度が決まれば、野菜との距離が短いほど弱光照射装置35から発光する光強度を低下する事ができる。したがって、収納容器34aを野菜室の上部に配置する事により、弱光照射装置 35との距離が短くなり、照射効率が向上する。また野菜を横向きに収納する事により、茎部から葉部にかけて全体に照射しやすくなるものである。
【0060】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、野菜室32内に備えた収納容器33の上部に、主として葉菜類を収納する第2の収納容器34aを備え、第2の収納容器34aの上方に弱光照射装置35を配置したので、種々の野菜が混在して保存する冷蔵庫において、葉菜類とそれ以外の野菜類を分けて保存する事が可能となるとともに、主として葉菜類を収納する第2の収納容器34aの上方に弱光照射装置35を配置する事により、弱光照射効果の現れる葉菜類にのみ効率的に照射する事ができる。
【0061】(実施の形態3) 図4は本発明の実施の形態3による冷蔵庫の断面図である。
【0062】図4において、36は野菜室であり、収納容器37を備えている。38は収納容器37を一体に引き出す野菜室の扉である。39は収納容器37内に備えた第2の収納容器であり、主に緑色葉菜類を収納するものである。40は冷蔵室16と野菜室37を仕切る仕切り板であり、41は弱光照射装置であり、仕切り板40の下面で且つ、第2の収納容器39内を照射するように配置している。42は、仕切り板40の下面に取り付けられた調湿手段である。
【0063】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。
【0064】#6野菜室36は、上面部の仕切り板40と収納容器37により密閉されており、野菜からの蒸散により高湿状態となる。この時、収納容器37の蓋体は仕切り板40が兼用する事により、野菜室の収納スペースが向上するものである。野菜室の扉38を引き出すと、野菜室36内の野菜収納容器37が一緒に引き出される。野菜を収納する場合、ホウレンソウなどの緑色葉菜類は収納容器37内にある第2の収納容器39に収納保存する。収納された緑色葉菜類は上方に設置された弱光照射装置41により弱光照射される事となり、クロロフィルの濃度低下が抑制され、野菜の緑色が維持されると共に、ビタミンCなどの栄養成分を保持する事ができる。
【0065】また、野菜室36内は野菜収納容器37の蓋体を仕切り板40で兼用する事により、収納スペースを大きくする事ができるため、仕切り板40の下面に弱光照射装置41をとりつけても野菜の収納スペースを確保する事ができる。また、仕切り板40に弱光照射装置41を取り付ける事により、野菜室の扉38を開閉されても弱光照射装置41は邪魔になる事がない。
【0066】また、仕切り板40の下面に取り付けられた調湿手段42は、飽和湿度以上の水分が付着しても結露する事なく吸水し、湿度が低下すれば放湿する機能を有すため、葉菜類は結露により水腐れする事がなく、且つ高湿に保たれるため、蒸散が抑制されるものである。
【0067】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、収納容器37を一体に引き出す引き出し式の扉38を備えた野菜室36にあって、収納容器37の一画に主として葉菜類を収納する第2の収納容器39を設け、野菜室36の上面を仕切る仕切り板40の下面に第2の収納容器39内を照射する弱光照射装置41を設けたので、扉38と一体に収納容器39を引き出すことができ、野菜室36の使い勝手が向上するとともに、第2の収納容器39に保存した葉菜類に弱光照射する事ができる。また、仕切り板40を野菜室36の上面に設け、その下面に弱光照射装置41を取り付けているので、野菜室36の扉38が開閉されても弱光照射装置41が邪魔になる事はなく、野菜室36の収納スペースが増し、野菜の収納スペースが阻害されることはない。
【0068】さらに、仕切り板40の下面に調湿手段42を設けたので、野菜室36内の余分な水分が放出されて、野菜室36内は適度な湿度が保たれるようになり、野菜の蒸散が防止されると共に、弱光により葉菜の鮮度低下が抑制され、鮮度保持効果が高まるものである。
【0069】(実施の形態4) 図5は本発明の実施の形態4による冷蔵庫の断面図である。
【0070】図5において42aは冷蔵室16内の一画にあり、仕切り板43により区画された野菜室(区画室)である。44は野菜室42a内に備えた収納容器であり、45は収納容器44の上方の仕切り板43の下面に取り付けられ、収納容器44内を照射する弱光照射装置である。
【0071】以上のように構成された冷蔵庫の野菜室(区画室)について以下その動作を説明する。
【0072】#8野菜室(区画室)42aは仕切り板43により区画された密閉空間であり、冷蔵室16内に導入された冷気により間接的に冷却され、所定の温度に制御されるものである。野菜室42a内に野菜を収納すると、室内は野菜の水分により高湿状態となり、野菜の蒸散を抑制する。また、ホウレンソウなどの緑色葉菜類は収納容器44内に収納区分でき、収納された野菜は、上方に設置された弱光照射装置45により弱光照射され、葉に含まれるクロロフィルの濃度低下が抑制される。これにより、緑色が保持されると共に、ビタミンCなどの栄養成分の減少を抑制するものである。
【0073】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、冷蔵室16内の一画を仕切り板43で区画され、少なくとも野菜を保存するように構成された野菜室42aと、野菜室42a内に備えた収納容器44と、収納容器44内を照射する弱光照射装置45を仕切り板43に設けたので、冷蔵室16内の一画に野菜室42aがある形態の冷蔵庫においても、弱光照射を行う事ができるものである。
【0074】(実施の形態5) 図6は本発明の実施の形態5による冷蔵庫の断面図である。
【0075】図6において、46は野菜室であり、収納容器47を備えている。48は収納容器47の上面開口部に設置する蓋体であり、蓋体48には調湿手段49を設けている。また、蓋体48はアクリルなどの透光性材料で形成されている。50は収納容器47の一画に設けた第2の収納容器であり、51は野菜室46の扉、52は野菜室46と冷蔵室16を仕切 る仕切り板。53は仕切り板52の下面に取り付けられた弱光照射装置である。
【0076】以上のように構成された冷蔵庫の野菜室について以下その動作を説明する。
【0077】野菜室46の収納容器47内は上面開口部に設置した蓋体48により密閉される。野菜が収納されると野菜の水分により高湿状態となり、収納された野菜の蒸散を抑制するものである。この時、蓋体48は、飽和湿度以上の水分が付着しても結露する事なく吸水し、湿度が低下すれば放湿する調湿手段49を有するため、葉菜類は結露により水腐れする事がなく、且つ高湿に保たれるため、蒸散が抑制されるものである。野菜を収納する場合、ホウレンソウなどの緑色葉菜類は第2の収納容器50に収納する。仕切り板52の下面に設置されている弱光照射装置53の弱光は、蓋体48を透過し、収納容器50内を照射する事となり、収納された緑色葉菜類の葉に含まれるクロロフィル濃度の低下が抑制され、緑色を保持すると共に、ビタミンCなどの栄養成分が保持されるものである。
【0078】また、弱光照射装置53は仕切り板52に設置する事により、扉51の開閉の妨げにならず、野菜室46内を広くすることができる。さらに、弱光照射装置53は高湿状態にさらされる事がないため、結露防止機能を持たせる必要がなくなる。
【0079】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、野菜室46内に備えた収納容器50の上面開口部に調湿手段を備えた蓋体48を設け、野菜室46の上部を仕切る仕切り板52の下面に、弱光照射装置53を設けると共に、蓋体48を透光性材料で形成したので、野菜室46内の収納容器50は調湿手段49により容器内の余分な水分を放湿し、適正な湿度を保つ事により野菜の鮮度低下が抑制できるとともに、上方からの弱光照射の光は蓋体48を透過し、下方の収納容器50に保存した葉菜類の鮮度低下は一層抑制される事となる。さらに弱光照射装置53は蓋体48の上部にあり、弱光照射装置53は高湿条件下にさらされる事がなく結露などの影響を受けないため、弱光照射装置53への信頼性が向上するものである。
【0080】(実施の形態6) 図7は本発明の実施の形態6による冷蔵庫の断面図である。
【0081】図7において、54は弱光照射手段で、調湿手段49を備えた蓋体48の下面に配置され、収納容器50内を照射する。この時、蓋体48の材料は透過性の有無を問わないものである。
【0082】以上のように構成された冷蔵庫について以下その動作を説明する。
【0083】野菜を収納する場合、ホウレンソウなどの緑色葉菜類は収納容器50に収納される。この時、収納容器50内は、上方に設置された弱光照射装置54により照射され、収納された緑色葉菜類は葉に含まれるクロロフィル濃度の低下が抑制され、緑色が維持されると共に、ビタミンCなどの栄養成分が保持できるものである。この時、野菜室46の収納容器47は高湿に制御されるため、野菜の蒸散も抑制されるものである。更に、収納容器47の上面開口部に設置の蓋体48に弱光照射装置54を設置する事により、仕切り板52に取り付けるよりも、野菜との距離が短いため、照度を低下する事ができ省エネルギーになる。また蓋体48を透過性の材料に変更する必要もなくなるものである。
【0084】以上のように本実施の形態の冷蔵庫は、野菜室46内に備えた収納容器47の上面開口部に調湿手段49を備えた蓋体48を設け、蓋体48に弱光照射手段54を設けたので、野菜と弱光照射装置54との距離が短くなり、照射強度を低下する事ができ、省エネルギーにつながる。
【0085】(実施の形態7) 図8は本発明の実施の形態7による冷蔵庫の断面図である。
【0086】図8において、55は野菜室であり収納容器56を備えている。収納容器56は透過性材料からなるものである。57は収納容器56の上面開口部に設けられた蓋体であり、調湿手段58が設けられている。59は収納容器56の一画に設置する第2の収納容器であり、透過性材料からなるものである。60は蓋体57の下面に設置され、第2の収納容器59内を照射する第1の弱光照射装置であり、61は、冷凍室18a、18bと野菜室55を仕切る仕切り板である。62は第2の弱光照射装置であり、収納容器56の下方にあり、仕切り板61に取り付けられ、第2の収納容器59内を下方から照射する。つまり、第1の弱光照射装置60と第2の弱光照射装置62は対面するように配置している。
【0087】以上のように構成された冷蔵庫の野菜室について以下その動作を説明する。
【0088】野菜室55内に備えた収納容器56は蓋体57により密閉され、野菜の水分により高湿に保たれるものである。この時、蓋体57にとり付けられた調湿手段58により、余分な水分は吸湿、放湿され、収納容器56内は結露することなく、適正な湿度を保つことができ、収納された野菜の蒸散を抑制するものである。また、野菜を収納する場合、緑色葉菜類は第2の収納容器59に収納区分される。収納された野菜は、上方に設置された第1の弱光照射装置60及び下方に設置された第2の弱光照射装置62により照射され、葉に含まれるクロロフィルの濃度低下が抑制され、緑色を維持し、ビタミンCなどの栄養成分を保持するものである。この時、下方に取り付けた第2の弱光照射装置62は、収納容器56及び第2の収納容器59が透過性材料でできている事により、弱光を照射する事ができるものである。
【0089】#7第1及び第2の複数の弱光照射装置60,62を設け、更に、第1の弱光照射装置60と第2の弱光照射装置62を対面するように配置する事により、収納容器59内に収納された野菜は上下から照射される事となり、全体に照射する事ができ、照射バラツキをなくす事ができるものである。
【0090】なお、弱光照射装置は上下に対面するのみならず、左右対面でも良く、また第3、第4の弱光照射装置を設けてもよい。
【0091】以上実施の形態1〜7で説明したように本発明は、野菜室内の一画に、主として野菜を収納する収納容器を備え、前記収納容器内の野菜に光を照射する弱光照射装置を配置し、前記弱光照射装置は可視光線領域波長を発光するとともに赤色波長を有したものであり、収納容器内の野菜に可視光線領域で且つ赤色光を多く発光する事により、光合成のエネルギー効率が高まることで光合成の速度が高まり、緑色保持効果が望めることとなる。また、赤色光は使用者にも認知されやすく、鮮度保持手段の視認効果が高まる。
【0092】また本発明は、野菜室内の一画に主として葉菜類を収納する収納容器を備え、この収納容器の上方に弱光照射装置を配置した事により、種々の野菜が混在している冷蔵庫において、葉菜類を分けて保存する事が可能となり、この上方に弱光照射装置を配置する事により、効果の現れる葉菜類にのみ効率的に弱光照射する事ができる。
【0093】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器内の上部に、主として葉菜類を収納する第2の収納容器を備え、この上方に弱光照射装置を配置したことにより、弱光照射距離が短くなり、照度を低下させる事ができ、省エネルギーにつながることとなる。
【0094】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の一画に主として葉菜類を立てて収納する第2の収納容器を備え、この上方に弱光照射装置を配置する構成において、第2の収納容器を野菜室内の前部に配置させる事により、葉菜類は立てて収納する事ができ、整理しやすくなるものであり、前面部に収納容器が配置される事により、野菜を取り出しやすくなる。
【0095】また本発明は、第2の収納容器を野菜室内の前部に配置したので、葉菜類の取り出し性が向上すると共に、上方から野菜に光が照射され、全体に光が照射されるようになり、照射のムラが軽減されると共に、使用者に弱光照射装置が作動している事を認知されやすくなる。
【0096】また本発明は、収納容器を一体に引き出す引き出し式の扉を備えた野菜室にあって、収納容器の一画に主として葉菜類を収納する第2の収納容器を設け、野菜室の上面を仕切る仕切り板の下面に第2の収納容器内を照射する弱光照射装置を設けたので、野菜室の使い勝手が向上するとともに野菜室の扉が開閉されても弱光照射装置が邪魔にならず、野菜室の収納スペースが増し、弱光照射装置を取り付けても、野菜の収納スペースを確保する事ができる。
【0097】また本発明は、仕切り板の下面に調湿手段を設けたので、野菜室内の余分な水分が放出されて、野菜室内は適度な湿度が保たれるようになり、野菜の蒸散が防止されると共に、弱光により葉菜の鮮度低下が抑制され、鮮度保持効果が高まるものである。
【0098】また本発明は、冷蔵室内の一画を仕切り板で区画され、少なくとも野菜を保存するよう構成された区画室と、この区画室内に備えた収納容器と、この収納容器内を照射する弱光照射装置を仕切り板に設けたことにより、冷蔵室内に設けた野菜収納容器においても効果のある葉菜類に弱光を照射する事ができる。
【0099】また本発明は、野菜室内に備えた収納容器の上面開口部に調湿手段を備えた蓋体を設け、野菜室の上部を仕切る仕切り板下面に弱光照射装置を設け、蓋体を透光性材料で形成したので、適正な湿度を保つ事により野菜の鮮度保持ができ、且つ、上方からの弱光照射により葉菜類の鮮度保持は一層向上できる。さらに弱光照射装置は、高湿条件にさらされる事がないため、結露などによる装置の信頼性が向上するものである。
【0100】また本発明は、調湿手段を備えた蓋体に弱光照射装置を設けたので、野菜と弱光照射の距離が短くなり、照射強度を低下する事ができ、省エネルギーが可能となる。
【0101】また本発明は、弱光照射装置を野菜室内の複数の面に設けたので、上からだけでなく左右、上下から照射する事が可能となり、照射バラツキを抑制する事ができ、野菜全体に弱光の効果が得られやすくなる。
【0102】また本発明は、弱光照射装置を野菜室内の対面する二面に設けたので、野菜の相対する表面、裏面に弱光照射できる事となり、効率的に弱光照射することができる。
【0103】また本発明は、収納容器を透光性材料としたので、収納容器の外周面の、いずれの場所にも弱光照射装置を設ける事ができ、収納容器内の葉菜類の鮮度保持が可能になるとともに、弱光照射装置は高湿条件下にさらされる事がなく、結露などによる装置の信頼性を高める事ができる。
【0104】また本発明は、弱光装置を、可視光線領域波長を発光する半導体発光素子としたので、発熱量を小さく抑えることができ、野菜室内の温度上昇を抑制する事ができる。
【0105】また本発明は、半導体発光素子は約660nmの波長を出力する赤色LEDとしたので、葉菜類の光合成が効率的に行われて鮮度保持が一層向上すると共に、使用者が光照射の有無を容易に認知する事ができる。
【0106】また本発明は、冷蔵庫前面部に弱光照射装置の作動を制御するスイッチを設置したので、使用者が野菜の収納状況に応じて弱光照射装置の作動を制御する事ができる。
【0107】17,32,36,46,55 野菜室 25,37,47,56 収納容器 26,35,41,45,53,54 弱光照射装置 26a 弱光照射スイッチ 26c 赤色LED(半導体発光素子) 32 野菜室 34,39,44,50,59 第2の収納容器 38 野菜室の扉 40,43,52 仕切板 42,49 調湿手段 42a 野菜室(区画室) 48 蓋体 60 第1の弱光照射装置 62 第2の弱光照射装置
ヒントあり冷蔵庫
特開2006-017443 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 美寿見 奈穂、平岡 利枝、荒木 正雄、加藤 睦、八木田 清、前田 剛 / 出願日: 2004-09-16 / 公開日: 2006-01-19 / 検索3位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 黄橙LEDで光合成と庫内照明両立 野菜室の葉菜用収納容器背面に光照射装置を置き、赤色は光合成に最適だが野菜がくすんで見えるため、580〜610nmの黄色〜橙色LEDを採用して光合成効果と庫内照明としての見やすさを両立する。霜取り時に照度を上げる制御も併用する。
▸ 示唆: 赤色光だけだと野菜の見た目が劣化するという視認性の課題への別解であり、白色光を主役にして長波長光を従にするメモの構成と同じ問題意識の参考になる。
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【0001】この発明は、冷蔵庫における野菜類などの食品保存に関する技術のものである。
【0002】従来の冷蔵庫は、上方から赤色LEDで野菜を照射し野菜の鮮度を保持するなど貯蔵性を良くする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、白色蛍光灯を設け、その点灯制御を扉開閉を検知するスイッチで行ない、緑色野菜のクロロフィル低下を低減しようというものもある(例えば、特許文献2参照)。更に0℃以下の食品の未凍結温度に対しLED照射により呼吸作用や低温障害を調査した報告がある(例えば、特許文献3参照)。
【0003】特開2002−267348号公報(0036欄、図1,2など) 特開平9−28363号公報(006欄、図1など) 特開2001−61459号公報(0011欄、0012欄、0069欄など)
【0004】従来の冷蔵庫は、第1に光は赤色LEDを使用するため、野菜の見た目が悪くなる、第2に扉開閉を認知し、点灯時間を制御するので、扉開閉認知手段が必要、第3に上方から光を照射するので下部に配置された収納容器内の食品を照射できない、第4に上方から照射するので、電気部品の配線が困難、第5に上方から照射したり扉が閉まっているときにのみ照射させると、家庭内や店頭にて光が点灯していることを確認しにくい等の問題点があった。家庭用冷蔵庫の場合、保存される野菜の種類は各種各様であるし、あるいは野菜以外の食品など多くの種類の食品を常に入れ替えながら、しかもどこに保存されるかを決めないで空いたところに放り込まれたり、重ねられたり詰め込まれたりするごとく、スペース、期間、状態などさまざまな保存の形態となる。更には冷蔵と冷凍の区分けだけで温度に無関係に保存されるケースもある。このような食品保存に対し要求され、且つ、必要なことは、どのような保存の形態でも光の照射による保存の効果があり、悪影響が無く、電力消費が少なく効率の良い冷蔵庫で、部品寿命が長くメンテナンスがほとんどいらないなどが重要であるが、白色蛍光灯の場合良い影響も悪い影響も分離できないし、赤色や青色などの特定の保存効果に都合の良い波長を選択して理想的な状態で試験をしても都合の悪い条件の保存が存在し必ずしも実用的な冷蔵庫が得られない、などの問題がある。
【0005】この発明は、上記のよう課題を解決するためになされたもので、本発明は野菜などの食品を見た目が悪くならず、各種の保存形態に対して効果的に食品を保存することができる冷蔵庫を得るものである。
【0006】また、本発明は少ない半導体発光素子(LED)を効果的に使用するので、使用寿命が長く効率の良い冷蔵庫を得るものである。
【0007】また、本発明は下部に設置された収納容器内など必要な個所に保存した食品にも光が照射でき、保存性の良い冷蔵庫を得るものである。
【0008】また、本発明は、LEDを維持しやすく、安価で組み立てやすく、無駄なエネルギーの少ない且つリサイクルのし易い冷蔵庫を得るものである。
【0009】また、本発明は、食品に悪影響の無い親しみやすい光を用い食品保存性のみならず庫内照明としても使用して食品保存性能を改善するものである。
【0010】この発明に係る冷蔵庫は、温かみを与える波長の光を照射する複数の光源と、各光源を個別に点灯制御を行う制御装置とを備えるものである。更にこの発明は光源からの光を照射する個所、照射しない個所を有する食品を収納する収納容器を備えたものである。
【0011】この発明の冷蔵庫は、光源を温かみのある光を照射する波長としたので、野菜などの食品の見た目を損なわずに栄養分を増加させ、庫内灯として利用できるという効果を有する。また、この発明の冷蔵庫の光源は、LEDを間欠照射させ、またその点灯をそれぞれのLEDで交互などに制御し、LED寿命を延ばすことができるので効率が良い冷蔵庫が得られると言う効果を有する。
【0012】実施の形態1. 図1はこの発明を実施するための実施の形態1における冷蔵庫の断面図、図2は同実施の形態による野菜室内部の概要図、図3は半導体発光素子であるLEDの波長特性、図4は光照射装置の拡大断面図である。
【0013】図1において、1は冷蔵庫本体で、冷蔵庫1の最上部に開閉ドアを備えて配置される冷蔵室100と冷蔵室100の下方に冷凍温度帯(−18℃)から冷蔵、野菜、チルド、ソフト冷凍(−7℃)などの温度帯に切り替えることの出来る引き出しドアを備える切替室400、切替室と並列に引き出しドアを備える製氷室500があり、最下部に配置される引き出しドアを備えた冷凍室200と切替室、製氷室との間に引き出しドアを備えた野菜室300とからで構成される。冷蔵室100の扉上には各室の温度や設定を調節する操作スイッチと、そのときの各室の温度を表示する液晶などから構成される操作パネル5が設置されている。図1および図2に示すように野菜室300には光透過性の無い材料からなる収納容器30とその上部に設置された光透過性のある材料からなる第2の収納容器31とが設置されており、野菜等の食品を収納することができる。非透過性の材料としては、白色のプラスチックやステンレスやアルミなどの金属を用いる。32は光照射装置であり、図2に示すように第2の収納容器31の背面に設置され、第2の収納容器の中央付近を中心に光を照射できるようになっている。光照射装置32はは図3に示すような590nmをピークにもち、550nmから620nmの範囲の波長を発光するLED34を4灯実装した基板などからなる。
【0014】図1において、10は圧縮機、11は冷却器であり、12は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100、冷凍室500に送風するファン、13は冷蔵室500内への冷気量を調節するダンパー装置であり、14は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100内に導入するための風路である。光照射装置32の点灯や消灯を制御する制御装置の基板22は冷蔵庫背面の電気品室21に収納され基板22にも受けられたマイコンなどで制御が行われる。
【0015】図4において、光照射装置32は実装基板33と実装基板33に併設する光源である半導体発光素子LED34とLED34を保護する透過性のカバー35からなる。LEDの指向性は一般的に高輝度なものほど狭くなる傾向があるので、冷蔵庫の振動によりその照射角度が変動しないように実装基板35とカバー35はネジで固定される。実装基板33の裏面は回路のショートを防止するためにシール36で覆う。また、光照射装置32は野菜室300の奥側の断熱部37の手前に組み込まれ、LED34の光が野菜室300内に照射するように設置されるが、カバー35内への露付きを防止するために、Oリング38を挟み込むことにより密着度を上げ冷気を遮断し、実装基板33の露付きや、水滴による光の乱反射を防止する。また、カバー35は突起部39を持ち、収納容器がカバー表面にぶつかることを阻止する形状をしており、カバー表面の傷つきによる光の乱反射や、実装基板33、LED34の破壊、故障を防止する。このカバー表面の衝突防止は製造途中のカバー35の取り扱い、使用中の収納容器着脱などさまざまな場面を想定して突起部39を設けている。
【0016】また、光照射装置を野菜室である冷蔵庫内の奥側、特に背面に設置することで、ファンやダンパ、その他の電気部品と近づけることができるので、配線しやすく、安価に作ることができる。また庫内を冷気循環させる場合吹出し口や吸い込み口を奥側に設けるので庫内を奥から前側に光の照射する方向と冷気を動かす方向、すなわち冷気を吹出させたり吸い込んだりする方向が一致することになる。収納容器の無い冷蔵室、あるいは収納容器を設ける野菜室など、冷蔵庫では食品を詰め込まれた場合でも冷気を通しやすい構造とすることが多く、この冷気の噴出しや吸い込み方向と一致させることにより光の照射が全体に通しやすくなる。また庫内照明を奥側に配置することでドア開時に庫室の内部が見やすくなる。
【0017】また、ユーザにとって、上方や側面に設置しいているよりも、点灯の様子を確認しやすいので、店頭での商品アピールや、家庭での点灯確認をしやすい。更に背面側の断熱材構造は庫室を仕切る仕切り板より比較的強固でありLEDに加わる振動が小さくより信頼性をあげることができる。
【0018】図5は可視光線の吸収波長とその色を表にしたものである。図6は単位エネルギーあたりの植物の成長の効果を波長別に示したものである。LED34は可視光線領域波長を発光するものであり、可視光線には図5に示すように最も短い波長の紫から青、緑、黄、橙、最も長い波長の赤迄ある。また、植物は基本的には光合成で生育するが、それ以外に種子発芽、花芽分化、開花、子葉の展開、葉緑素合成、筋間伸長などの植物の質的な変化である光形態形成を行い、その際蓄えた養分をエネルギー源とする。その中でも発芽や開花など野菜保存にふさわしくない光形態形成は図6に示すように、470nm近辺の青色光と660nm近辺の赤色光によって促進される傾向にある。また、一般的に葉緑素であるクロロフィルの吸収ピークも同様に青色光と赤色光が最も大きく、緑、黄の光の割合は小さい。一方、図6に示すように、光合成のエネルギー効率は赤が最も高く短波長になるほど低くなる。したがって、可視光線領域において光合成速度に効果的な色は、第一に赤、第2に青であり、その他の色は長波長の方が効果的な傾向にある。しかし、青色光近辺は発芽や開花をも促進させてしまうので、野菜の長期保存を目的とする場合にはふさわしくない。
【0019】#6次に、光合成反応について説明する。光合成反応を化学式で表すと 6CO 2 + 12H 2 O + 688kcal → C 6 H 12 O 6 + 6H 2 O + 6O 2 (CO 2 :二酸化炭素、H 2 O:水、688kcal:光エネルギー、C 6 H 12 O 6 :ブドウ糖) となり、その反応は光エネルギーを利用する明反応と利用しない暗反応とに区分される。明反応は太陽の光エネルギーを化学エネルギーに変える反応であり、この段階では二酸化炭素は利用されず、クロロフィルなどの色素が光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。一方、暗反応では明反応でできた水素と大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する。また、ブドウ糖が増加した野菜はその貯蔵性が良くなったり、ブドウ糖からビタミンCを生成したりする。
【0020】以上より、複数のLEDを使用することで発熱を抑え、野菜等の蒸散を抑えることができ、LED34を赤色LEDとすることで最も効果的に光合成を促進することができる。しかしながら、野菜の寒色系の色は赤色光によってくすんで見え、野菜の劣化がわかりにくかったり、赤色光は警告のイメージを持たせたりしてしまうので庫内の照明としては適さないので、波長ピークが590nm近辺の黄色光や600nm近辺の橙色光などきつい赤色や物の色をくすませる寒色系でなく温かみのある色を採用し白熱灯に近い色で親しみのある効果が得られるLEDとすることで、光合成の効果と照明としての効果を両方得ることができる。更に光合成の食品保存効果が図6のように得られる。図5に示すように黄色から橙色までの波長は580−610nmでありこの範囲をピーク値として採用すれば温かみのある色が得られる。
◆ この文献の解決アプローチ
黄橙LEDで光合成と庫内照明両立
文献: 波長ピークが590nm近辺の黄色光や600nm近辺の橙色光などきつい赤色や物の色をくすませる寒色系でなく温かみのある色を採用し白熱灯に近い色で親しみのある効果が得られるLEDとすることで、光合成の効果と照明としての効果を両方得ることができる。
赤色光だけだと野菜の見た目が劣化するという視認性の課題への別解であり、白色光を主役にして長波長光を従にするメモの構成と同じ問題意識の参考になる。
【0021】また、赤色LEDと青色LEDを組み合わせる様に複数のLEDを利用した光照射装置を構成することにより、クロロフィルの吸収ピークに合わせた光を照射することで、光合成をより効果的に行ってもよい。すなわち複数の色を同時に発光させて温かみのある色を得ると同時に個別に発光を行わせ個別の効果を得ることも可能である。なお単色発光のLEDを組み合わせるだけでなくLEDと蛍光体との組み合わせでも良い。
【0022】また、高輝度タイプのLEDや拡散タイプのLEDを使用することにより、LEDの個数を減らすことができ、光合成の効果、照明としての効果を得ながらも、安価に光照射装置32を構成することができる。
【0023】また、図7は光照射装置の電気回路図を示し、図8はLED34の実装配置図であり、実装基板2個のLED34a、34bを並列にした系統34Aと、LED34c、34dを並列にした系統34Bを2列並列に接続構成している。DC5V〜12Vを印加し、30mA程度の電流を流すことで、LED34a、34b、34c、34dを発光させるものである。電流値は30mA程度と小さく安全である。また、34A、34BのようにLEDを2個で1系統構成し、図8のようにそれぞれの系統を上下に配置し、それぞれをマイコンによりその点灯、消灯を制御することによって、1系統のみ点灯すれば照射範囲内において約100Lx、2系統点灯すれば約300Lxの照度を確保でき、LEDの寿命を延ばすことができるので、扉開閉を検知せずとも十分な寿命を確保することが可能である。また、複数のLEDを系統としてすなわちグループ制御することにより、マイコンのポート数を減らすことができ、基板を簡素化する効果がある。図7に示すようにマイコンから信号を出力してオンオフを制御するトランジスタとLEDに流す電流を設定する電流制限を行う抵抗をLEDに直列に設けLEDの点と上消灯などを制御する。この構成の、実際の基板の実装においては、抵抗を制御基板側に配置すれば、光照射装置32の実装基板33を小型化でき、野菜室内に配置しやすく、また、抵抗の発熱を抑えることができるので野菜の保存性能を向上する。一方、抵抗を光照射装置32の実装基板側に配置すれば、故障などの際に点灯確認や不良箇所を発見しやすいなどの効果がある。なお点灯消灯の制御は2個と4個の組み合わせ例で説明したが最小1個ずつとし、多い方は8個や12個などいくつでも良い。また、使用するLEDの個数や必要な照度によっては印加電圧・電流を適宜選択すればよい。
【0024】保存した野菜のブドウ等の合成を促進することで、貯蔵性を向上し、ビタミンCが増加した栄養成分に富んだ野菜にするには、光合成の暗反応も必要であるから、LEDを常に4灯点灯するのではなく、点灯時間や照度を制限することが必要である。この制限により、LEDの寿命を延ばし、光照射装置を交換不要とする効果もある。これにより無駄なエネルギーを使わずに効果的な食品保存が可能になる。
【0025】以上のように構成された冷蔵庫において、以下その動作を説明する。
【0026】図1の冷却器11で冷却された冷気はファン12により冷凍室200内に送りこまれ、冷凍室は所定の温度約−18℃に冷却される。一方、冷却器11で冷却された一部は風路14を通過し、ダンパ13の開閉により制御され、冷蔵室100、切替室400、製氷室500に送り込まれ、冷蔵室100は所定の約3℃、切替室400は設定に応じた温度、製氷室500は−18℃にそれぞれ冷却される。野菜室300は野菜の蒸散を抑えるため、直接冷気を吹き込まず、野菜室300上部の切替室400及び製氷室500、野菜室300下部の冷凍室200からの輻射を利用して所定の温度約5℃に間接冷却される。なお既に述べてきたように間接冷却でなく冷気を循環させる構造でも良いことは当然である。
【0027】#7図2のように野菜室300内には収納容器30と第2の収納容器31が設置され、野菜室に野菜を収納する場合、主として光合成の効果が望まれるホウレンソウやコマツナなどの野菜は第2の収納容器に32、暗所保存が望ましいジャガイモ、タマネギなどの根菜類は収納容器31に、区分して収納する。第2の収納容器30に収納された野菜類は第2の収納容器31の背面にある光照射装置32により光が照射される。その際、高輝度タイプのLED34を4灯用いれば約300から400Lx、2灯用いれば約100から150Lx程度の光が照射される場所を作り出すことができる。一方、収納容器30に収納した根菜類には光は非透過性材料により遮断されたり、あるいは収納容器31に収納される食品によって妨害され直接光が照射されることはない。
【0028】図9は光照射装置の簡単な制御のフローチャート図、図10は光照射の制御と野菜の光合成のタイムチャート図である。図9において、冷蔵庫本体1の電源投入後、ステップ40にて制御基板のマイコンに記憶させた初期データに応じて、光2灯点灯のデータの場合はステップ41にて光照射装置32のLED34を2灯点灯し、光消灯のデータの場合はステップ42にて光照射装置32のLED34は点灯しない。
【0029】次にステップ43で冷蔵庫が霜取り動作に入った場合、ステップ44にてLED34を4灯点灯し、ステップ45にてLED4灯の照射をはじめて3時間経過後、ステップ46に進み、制御基板のデータを受け、2灯点灯または、消灯する。ステップ46はステップ43霜取りに入る前の状態を記憶し、その状態と同様になるようにする。ステップ43の霜取り動作は一日に1回入る制御になっているので、ステップ43から46の一連の制御を取ることで300Lx以上の光を一日3時間照射する制御となる。
【0030】#4図10において、ステップ43霜取り動作をトリガーに、LED4灯点灯を行うことで、光を照射された野菜は光合成の明反応を起こし、3時間経過後2灯点灯または消灯に切り替えることで、光合成の暗反応を起こす。冷蔵庫における霜取り動作は、庫内を冷却する庫内の冷気が循環するとき冷気に含まれる水分が蒸発器である冷却器11のフィンに固着するのでこの霜を除去する動作である。冷凍サイクルにおける蒸発器は圧縮機10にて循環される冷媒が蒸発する際に熱交換器にて庫内の空気を冷やし、その際に庫内の空気に含まれる水分は冷却器のフィンに霜となって固着する。この霜を除去するために冷却器下部に設置されたヒータを作動させて、霜を蒸発させて除去する。このとき庫内のファン12を停止させ、ダンパを閉じ各室へ冷気を吹き込んでいないが、冷気の吹き込みが遮断され、ヒータの熱漏洩により庫内の温度が上がることになる。0℃以下の様に温度が低い庫室内では温度が高いほど光合成作用が活発に起こるので霜取り動作のときに庫内の光源からの照射強度を高めることが有効である。更に霜取り動作は、一日のうち冷蔵室の扉開閉のパターンを記憶し、扉開閉の少ない時間帯を狙って行われるので、これらのあらかじめ設定された条件に応じて光源からの光の照射をおこなえばよい。更に冷凍室では庫内照明だけでなく紫外線との併用も有効である。なおここでは霜取り動作を光照射を制御する基準として説明したがドアの開閉を記憶させて時間を設定したり、あらかじめ深夜時間帯を設定してその時間帯だけ点灯させそれ以外の時間帯では消灯させることや、あるいは照度をアップするたとえば深夜の時間帯とそれ以外の時眼帯を設けるなどの時間基準を設けても良いことは当然である。この点灯と消灯のサイクルあるいは照度アップと照度ダウンのサイクルは1日1回である必要は無く野菜の栄養増強などの必要性に応じて設定すれば良い。
【0031】次に、冷蔵庫100の扉に設置された操作パネル5の操作スイッチを操作することによって、LEDの点灯と消灯を切り替えることができる。ステップ49にて操作パネルはスイッチ入力を受付け、LEDを点灯する場合は光という表示を点灯し、消灯する場合は光という表示を消灯し、制御基板に状態データを送信する。ステップ50にて信号を受けた制御基板はそのデータに応じてLED34を2灯点灯または消灯する。スイッチ操作でLEDの点灯、消灯を選択できるようにすることで、葉菜をあまり保存しないユーザが消灯させたり、葉菜があまり出回らなくなる冬の間はスイッチ操作で消灯させたりすることができる。
【0032】また、操作パネルは冷蔵庫の外に設置されているものに限らず、庫内に設置されているようなものでも良い。操作パネルから冷蔵庫の庫内照明を操作する指示を携帯電話などからインターネットを通して住居内に設けられているICアダプターにて信号を変換し電灯線などの有線や無線などにて冷蔵庫内の制御装置に指令を伝えることでも良い。
【0033】#2また、ユーザが選択できる光照射の種類は点灯、消灯の2種類だけではなく、4灯点灯、2灯点灯、消灯の3段階制御とすれば、光合成効果を重視する場合は4灯に、扉開放時などの庫内灯としての役割のみを求める場合は2灯に、省エネルギーを重視する場合は消灯に設定すれば良い。また、4灯点灯、2灯点灯、消灯の3段階をそれぞれ野菜室の温度設定の強・中・弱に連動させれば、葉菜に適した温度環境である「強」、通常の野菜室に連続もしくは間欠的にして庫内灯が点灯し保存効果もある「中」、温度設定を高くするとともに証明を行わない省エネルギーの野菜室の「弱」と、野菜室全体で3種類の提案ができ、特別に光照射の設定を操作パネルに設けなくてすむので、操作パネルインターフェースの簡素化にもなる。また、操作パネルで設定できる「省エネモード」や「節電モード」に連動させて、LEDを消灯させても良い。
【0034】最後にステップ53にてコンセントが抜かれたり、停電などにより冷蔵庫1自体の電源がリセットされたときは、そのときの状態を記憶し、再度電源が投入されたときはステップ40に戻り、電源リセット前の状態から開始できるようにする。以上2点灯、4点灯、消灯で説明してきたが、1点灯ずつ増減させたり、3,4点灯などを1つのグループとして行っても良く、弱い照明であれば扉開閉に関係なく連続して照明しておけばよいなど、目的に応じた必要な照明を行えばよい。
【0035】以上のような制御で、4灯点灯時には光合成の明反応効果を得ることができ、2灯点灯時は光合成の暗反応の効果を得ることができる。また、点灯するLEDは複数設けられたうちのそれぞれ交互に行うことで、LEDの寿命を延ばし、冷蔵庫の寿命の間は光照射装置の交換不要となり、更に背面に埋めこむことができるので、露付きを防止するために密閉度を上げることができ、またユーザが不用意に触れることを阻止し、故障し、また安全性を確保できる。また、光照射のタイミングは扉が閉じられているときに行わなくてはならないという考えではなく、以上のような制御を行うことで、扉開閉を認知せずに常時点灯しておけば良いので、扉開閉を認知する手段であるドアスイッチなどの部品を用いなくてすみ、システム自体を安価に、省エネルギーに構成することができる。もちろん扉開放時あるい扉閉鎖時の信号を持ってきて点灯消灯の切り替えや照度レベルの切り替えなどをマイコンの設定により自由に行えることは当然である。
【0036】また、定格値に対して少ない電流値で約100Lxを確保し、約300Lx相当を確保できるよう電流値をあげるようにして、照度を制御してもよい。また、経年変化により、LED34単体の輝度が落ちた場合は同時に点灯するLEDの個数を増やして、照度を確保するような制御を行っても良い。
【0037】また、輻射冷却を利用した野菜室ではなく、他室と同様に冷気を吹き込む形式の冷蔵庫においては、霜取りの際に発生した水分を野菜室に吹き込めば、光合成に不可欠な水分を確保できるので、光合成を更に促進させることができる。冷気の循環と光源からの光照射はまったく無関係に行われる。すなわち冷気の循環は庫内の温度検出に応じてファン動作やダンパー動作に応じて必要なところに必要な冷気が送付される。一方光の照射は光合成としては強さのある照明を間欠的に、扉開放時などは連続的に弱い光源から照射される。更に野菜室などでは収納容器の周囲や上部などへ冷気を循環させているが、食品の方向には循環させる冷気量を少なくしている。この少ない冷気の循環により庫内に存在するニ酸化炭素が供給され光合成の暗反応が有効に行われる。
【0038】図11はコマツナを3日保存したときのブドウ糖とビタミンCの変化量を光の照度と1日における照射時間によって比較した試験結果のグラフである。縦軸は光を3日間照射せず(未照射)に保存したコマツナの3日後の各成分量を基準に、各条件下での各成分量をパーセント表示したものである。つまり、グラフ内の100%のラインは、3日後の各成分量が未照射時と比較しても変わらない、同等であることを示す。図11に示すとおり、結果60は約260Lxの光を一日3時間照射したときの3日後のコマツナの各成分の増加量を未照射時と比較したものであり、還元糖やビタミンが未照射時に比べ多かった。また、結果61は約100Lxでの試験結果であるが、効果が落ちるものの、以上のような構成を取った場合に庫内灯としての役割は十分果たし、暗室において、保存食品の種類や銘柄たとえばペットボトル飲料や調味料、または野菜や果物を識別することは可能である。したがって、光合成の明反応を起こすには約300Lxを一日あたり3時間で十分であり、残りの21時間は、明反応が少なくなる100Lx以下、あるいは消灯により暗反応を起こせば良い。その試験結果が図11結果62である。
【0039】図12はこの発明を実施するための他の野菜室の斜視図、図13はその断面図である。図2では、収納容器30を非透過材料、第2の収納容器31を透過材料で構成したが、図12のように、第2の収納容器31を非透過材料で構成し、その背面の光照射装置32から光が照射する一部のみ透過材料で構成し、光透過窓40を設けてもよい。その際収納容器30の構成材料は透過、非透過は問わない。
【0040】以上のような構成を取ることによって、葉菜類を保存する第2の収納容器31内に照射された光はその容器内の照射された個所で反射され、LEDの持つ光束をロスすることなく、野菜に当てることができ、収納容器30に保存された食品への光の遮断性も更に良くなる。また、第2の収納容器31の表面に凹凸をつければ、容器内で光が乱反射や散乱を起こすので、指向性の強いLEDであっても、より広い範囲において光合成の効果を促すことが可能である。
【0041】図14、図15はこの発明を実施するための別の野菜室内の断面図である。図2では、収納容器30を非透過材料、第2の収納容器31を透過材料で構成したが、図14のように、第2の収納容器31を非透過材料で構成し、収納容器30を透過材料で構成し、光照射装置32もしくは実装基板33に傾斜をつけることによって。収納容器30内に光を照射し、第2の収納容器31内へは光が遮断されるようにしてもよい。
【0042】以上のような構成を取ることによって、一般的にかさの大きい葉菜類を下部の収納容器30に保存し、小さく細かいものが多く、光照射にはあまり適さない根菜類を上部の第2の収納容器31に保存することができるのでより整理性が良くなる。また、図15のように、光が照射する部分のみ透過材料で構成し、光透過窓40を設けても同様の効果が得られる。またその場合は全面反射材料で包囲されるので、照射された光の効果を増大させる効果がある。
【0043】図16はこの発明を実施するための別の野菜室内の斜視図である。図2などにおいては、光照射装置32は第2の収納容器31の平面に設置されていたが、図16のように側面に配置してもよい。あるいは野菜室300の上部の奥側に設け、更にこの光照射装置32を傾けたり、LEDの向きを傾けて照射される光が容器31の内部全体に届くように斜めに照射することで容器表面からの反射や更に容器表面に凹凸を設けたところからの反射により容器内で光が乱反射や散乱を起こすことを利用すると有効である。
【0044】以上のような構成を取ることによって、側面や上面奥側から発光された光は対するプラスチック材料からなる側面に反射するので、光を無駄なく照射し、野菜の保存性においては他の構造の収納容器以上の効果があり、扉を開けているときにも庫外へ光が逃げることがないので、庫内灯としての機能をより効率よく行い、また、店頭でのアピール効果を高めることが出来る。図16では光源を側面であって奥行きに対しては中央部に設けた説明をしているが庫内照明や光合成作用にとっては中央部より奥側が反射させやすく望ましい位置である。
【0045】図17は別の構造の冷蔵庫の外観図、図18はその野菜室の断面図である。図17において、1は冷蔵庫本体で、冷蔵庫1の最上部に中央からそれぞれ左右に開く2枚の開閉ドアを備えて配置される冷蔵室100と、冷蔵室100の下方に開閉ドアを備える製氷室500と、製氷室500の下方に開閉ドアを備えた冷凍室200と、製氷室500と冷凍室200の隣に配置し、開閉ドアを備えた野菜室300とからで構成される。図18のように縦長に設けられた野菜室300の中には引き出し型の収納容器で小さな果物やトマトの大きさに適した31a、31b、葉菜などの中間の大きさの野菜に適した31c、ペットボトルや大きめの野菜の保存に適した31dが上から配置されている。素子32a、32b、32cは光照射装置でそれぞれの収納容器に光を照射することができる。
【0046】#1以上のような構成をとることで、既に説明してきた光源による光照射と同様の効果を得ることができる。また、素子32bだけを使用すれば、葉菜を収納容器31c、光照射に適さない根菜類を収納容器31a、31bに保存すれば、さまざまな種類の野菜保存にも対応できる。また、光照射装置32を複数つける場合は黄色LEDで構成した光照射装置32に加え、赤色LEDで構成した光照射装置32、紫外線LEDで構成した光照射装置32など色の違う光照射装置を設置し、光合成に適した葉菜類を赤色光のもとに、菌の繁殖を抑制したい食品を紫外線光のもとに、どちらともバランスよく効果のほしい食品は黄色光のもとに保存してもよい。このような複数の種類の異なる波長の光照射装置を常に点灯させるようにしても、霜取り時等に照度アップさせるなどの既に説明した制御内容と併用させればドア開放時の照明が可能で且つ視覚に与える悪い影響を抑えることが出来る。また、光照射装置32単体内のLED34を複数種の色のLED34たとえば赤や青など異なった色のものでそれぞれ光照射装置32を構成すれば、光照射装置単体でも複数の波長の光を発光することが可能になるので、野菜がさまざまな光形態形成を行うことを可能とし、光の色は赤色光単色よりも温かみを与えるものとなるので、製品としての見た目、保存した食品の見た目などが良くなる。以上説明してきた光源は実装基板33に複数の光半導体であるLED素子を複数設け構造や配線を簡単化したが、1箇所の基板に1個のLED素子でも良いし、冷蔵庫の庫室に1個のLEDを配置する構成でも良い。すなわち野菜室の庫室奥側に約600nm波長の素子1個を設け、常時弱照度の点灯状態として照明と栄養価の高い野菜保存対策兼用としたり、更に冷蔵室の下部奥側に約600nm波長の素子1個を設け、常時弱照度の点灯としても良い。また霜取り中および霜取り後の所定時間は弱から強へ照度を上げるように印加電圧を制御することで夜間などの照射を増加させ更に還元糖を生成しビタミンなどを増加させる効果が得られる。あるいは紫外線を発光するLED1個を庫室入り口側に配置して紫外線による脱色を嫌うペットボトルの飲み物を収納することの少ない冷凍室に設けても良い。この場合、常に点灯させたり、あるいは扉開放時は消灯させ、扉閉時に点灯させるなど殺菌対策が可能である。いずれにしろ紫外線や赤色光などは扉開時には直接目に受けたり単色で目にすることが無い。更に600nmなど他の波長のLEDと組み合わせれば、自然界の光に近い温かみのある発光にて庫内のチェックができるため冷蔵庫使用者に食品を見たり手にとる際に違和感や心配になることが無く安心感を与えることができる。
【0047】上記までの説明では主として収納容器の構造で光源からの光を遮る遮光部や光を照射する個所しない個所について説明してきた。しかし、収納容器を設けない庫室、例えば棚を設けて食品を仕分けして収納する構造などがある。これらの収納部である各棚の構造に図2や図12−16の構造、例えば遮光部を設けても良い。例えば棚に光を透過する透明や網状の構造や透過しない部材を使用したり、棚の一部に光照射窓を設けたり、棚を光を散乱させるような構造にしても良い。なお図4の構成では光照射装置32を風路14の中に埋め込んで固定したが、図19のように風路14の外側に配置し、断熱部外側からネジ39で固定しても良い。
【0048】以上のような構成をとっても、今までの説明と同様の効果を得ることができ、また、光照射装置32は庫内壁面に取り付けられており交換の際あるいは除去する際に風路14まで解体しなくてすむので、交換が容易にできるという効果があるし断熱部の断熱材と分離が容易で断熱材のリサイクルが簡単である。
【0049】本発明の光照射装置32は野菜室300に設置したが、冷蔵室100、冷凍室200、製氷室400、切替室500に設置してもよい。近年、野菜室の容量が足りなかったり、野菜室よりも温度の低いという理由で冷蔵室に野菜を保存することもあるので、同様の効果が得られる。また、どの室に設置しても庫内灯としての効果があり、また、間欠的で、短時間だけ使用する制御を行う場合、約600nm波長以外のLED、例えば紫外線などのLEDを単独にてどのような室に用いるような場合でもビンやペットボトルのお茶やジュース類の色変化への影響も少ない上に、氷や保存食品の殺菌効果、シイタケなどにおいてはビタミンDを増加する効果がある。
【0050】#10本発明は、異常説明のように野菜室内の一画に、主として野菜類を収納する収納容器を備え、収納容器の背面に光照射部を配置したものである。その収納容器に遮光部を備えることで光を照射する一画と光を照射しない一画を備えることが可能になる。
【0051】また本発明は、光照射部に備えた光源を半導体発光素子とし、波長ピークが約600nm前後の可視光線領域波長を出力するアンバー系のLEDとしたので、食品類への視覚効果が悪くならない。
【0052】また本発明は、光照射部の光源としてLEDを複数個備え、LEDをそれぞれ一定時間ごとに点灯または消灯させたり、LEDをそれぞれ一定時間ごとに点灯または消灯し、冷蔵庫の運転中に全てのLEDが同時に消灯しないように制御したり、数年使用後、LED単体の輝度が低下してきたら、同時に点灯するLEDの個数を増やすことなどが可能で使いやすく、省エネルギー効果が大きい。またLEDを複数のLEDグループに分け、そのLEDグループごとに制御すると構造が簡素化される。
【0053】また本発明は、LEDの点灯する個数を制御することで、1日のうち高照度の光で数時間程度照射する期間を設け、それ以外の期間を弱照度の光で照射することでより保存性、省エネルギーとも大きな効果が得られる。
【0054】また本発明は、冷蔵庫扉に設置した操作パネルやリモコン、冷蔵庫内の操作パネルあるいは通信を介した携帯電話などから冷蔵庫の運転などを操作することによって、例えば光照射機能を停止することができたり、庫室の温度設定と照明を同時に操作することができる。
【0055】また本発明は、霜取り中とその後数時間等のような特別な時間帯に照射する光の照度を強くすることで更に食品保存性能を高めることが可能である。
【0056】またこの発明に係る冷蔵庫は、背面より590nm−600nm程度のピーク波長の光を照射する光照射装置と、照射域を限定するための遮光部と、その点灯制御とを備えるので、温かみのある光のため庫内照明として使用できる。また、収納容器の背面に設置し、あるいは側面や上面などの奥側から斜めに照射するように設置するので光が全体に照射されて野菜の見た目を損なわずに栄養分を増加させる。また、この発明の冷蔵庫の光照射装置は、LEDを間欠照射させたり、または複数設けてその点灯をそれぞれのLEDで交互に行うよう制御し、LED寿命を延ばすことができる。
【0057】本発明は上記で説明してきたように、単色の発光体ダイオードを個別にあるいは組み合わせて複数用いて野菜その他の食品に光を照射し光合成反応などをコントロールして食品保存効果を得たり、還元糖を生成しビタミンCを増やし栄養対策としたり、殺菌などの効果を得ようとするものである。この複数のダイオードを個別にあるいはグループに区分けして電源に並列に接続してそれぞれの発光させるものと発光させないものを設けること等によりエネルギーを多く使わずに、且つ、装置交換を不要とするような寿命の長く、無駄なエネルギーを使わない効率的な装置を得る制御をする構成を述べてきた。次に別の制御回路構成と動作を図20以下で説明する。図20は光照射装置を上記図7などとは別の方法で点灯させる際の電気回路図である。図20のように各LED34a、34b、34c、34dと、LEDに流す電流値を決定する電流制限抵抗を直列に設け電流を数十mAや数mAに抑える。更に直列に設置するトランジスタの入力にLEDのオンオフの周期にあわせてマイコンなどの制御装置から信号を出力することでLEDの点灯と遮断を繰り返す電気回路を構成し、LEDを点灯させる際には、ちらつきを感じさせないような速い周期(例えば4kHz程度)を1周期とし、その間、LEDへの通電/遮断を交互に行うようにしたものである。
【0058】また、トランジスタのオンオフを制御するマイコンなどの制御装置により通電/遮断の割合(通電率)は任意に調整可能とする。図21はこの通電率すなわち1周期の間の通電時間の比率を示す図である。通電率を調整することで、光照射装置全体での照度の調整が可能になる。また、LEDの照度に対する寿命は、その通電時間に依存するが、この方法のように、LEDを点灯させ際にも遮断時間を設ければ、その分、LEDの寿命を延ばすことができる。また、通電/遮断の周期を人の目の感覚よりも速く設定することで、LEDの光がちらついて見えることを防ぐことができる。また、この電気回路にすると、さらに消費電流が小さくなるので、省エネルギー化が一層図れる。このような周期はあらかじめ設定しておき必要に応じて自由に選択する構成とすればよい。
【0059】また、通電時間が増加するにつれて、劣化によりLEDの照度は低下してくるから、通電//遮断時間の割合(通電率)を適宜調整することで、長期間にわたって、LEDの照度を一定に保つことが可能になる。図22は通電率の変更例を示すタイムチャート図である。冷蔵庫の電源を投入すると、まずは初期の通電率60%で点灯させる(ステップ50)。電源投入後の使用時間が1年を経過した場合(ステップ51)、通電率を70%に変更する(ステップ52)。使用時間が5年を経過した場合(ステップ53)通電率を80%に変更する(ステップ54)。通電率・使用時間は使用する発光素子の種類・数量によって照度などの特性が異なるのでデータを把握して数値を選択すれば、常に必要な最低の照度を得られるように調整することが可能である。更に加えで図7で述べたような点灯する個数の変更と組み合わせることにより効率の良い装置が得られるだけでなく、冷蔵庫を使用している期間中に取替えが必要のない装置を得ることも可能である。なお上記図22,23等の説明のように運転時間に合わせて点灯させるLEDの個数増加や通電率アップとする構成を説明してきたが、LEDの劣化にあわせ、すなわち個々のLEDの照度低下にあわせ個数増加や通電率アップをすればよいので、例えば電流制限抵抗の一部を短絡させるスイッチを設けるなどにより照度を検出して変更したりする構成などでも良い。
【0060】図20に記載された各LEDを直列とし早い周期でオンオフされる構成の光源装置を図4のように、透過性のカバー35で一括して保護するものでも良い。これにより、冷蔵庫の振動によりその照射角度が変動しないように固定され、且つ、裏面は回路のショートをシール36で覆い防止されるだけでなく、カバー35内への露付きを防止するために、Oリング38を挟み込むことにより密着度を上げ冷気を遮断し、実装基板33の露付きや、水滴による光の乱反射を防止する。また、図19のようにカバー35は突起部39を持ち、収納容器がカバー表面にぶつかることを阻止する形状をしており、カバー表面の傷つきによる光の乱反射や、実装基板33、LED34の破壊、故障を防止する。
【0061】#3図20に記載された各LEDを直列とし人の目にちらつきを感じさせるより速い周期でオンオフされる構成の光源装置を図18のように野菜室に別々に異なる特定波長のものを配置して一括した直列構成の制御を行っても良い。すなわち図18のように野菜室300の中に引き出し型の収納容器で小さな果物やトマトの大きさに適した31a、31b、葉菜などの中間の大きさの野菜に適した31c、ペットボトルや大きめの野菜の保存に適した31dが上から配置し素子32a、32b、32cは光照射装置でそれぞれの収納容器に異なる種類の特定周波数の光を照射することができる。このような構成をとることで、既に説明してきた光源による光照射と同様の効果を得ることができる。素子32bだけを使用すれば、葉菜を収納容器31c、光照射に適さない根菜類を収納容器31a、31bに保存すれば、さまざまな種類の野菜保存にも対応できる。また、光照射装置32を複数つける場合は黄色LEDで構成した光照射装置32に加え、赤色LEDで構成した光照射装置32、紫外線LEDで構成した光照射装置32など色の違う光照射装置を設置し、光合成に適した葉菜類を赤色光のもとに、菌の繁殖を抑制したい食品を紫外線光のもとに、どちらともバランスよく効果のほしい食品は黄色光のもとに保存してもよい。このような複数の種類の異なる波長の光照射装置を常に点灯させるようにしても、霜取り時等に照度アップさせるなどの既に説明した制御内容と併用させればドア開放時の照明が可能で且つ視覚に与える悪い影響を抑えることが出来る。また、光照射装置32単体内のLED34を複数種の色のLED34たとえば赤や青など異なった色のものでそれぞれ光照射装置32を構成すれば、光照射装置単体でも複数の波長の光を発光することが可能になるので、野菜がさまざまな光形態形成を行うことを可能とし、光の色は赤色光単色よりも温かみを与えるものとなるので、製品としての見た目、保存した食品の見た目などが良くなる。以上説明してきた光源は実装基板33に複数の光半導体であるLED素子を複数設け構造や配線を簡単化したが、1箇所の基板に1個のLED素子でも良いし、冷蔵庫の庫室に1個のLEDを配置する構成でも良い。
【0062】以上のようにこの発明の冷蔵庫は、赤や青を単色で使わないような組み合わせの構成とし、あるいは野菜など食品保存効果のある光源に対し深夜時間帯に照度アップさせる照明装置として、同一の周波数であろうと異なる周波数であろうと複数の特定周波数のLEDを同時にあるいは別々の時間に点灯させたりあるいは消灯させる制御を行うので、無駄なエネルギーを使用させない制御を行うことにより、扉閉時だけでなく扉開時にも点灯させることにより照明として利用することも出来、野菜などの食品の見た目を損なわずに栄養分を増加させ、庫内灯として利用できるという効果を有する。更に、この発明の冷蔵庫の光源は、LEDを間欠照射させ、またその点灯をそれぞれのLEDを瞬時もしくは所定のサイクルで切り替えたに点灯させないものを設けたり交互などに制御するなど省エネルギーできる制御により、LED寿命を延ばすことができるので効率が良い冷蔵庫が得られると言う効果を有する。また複数の種類の異なる特定波長のLEDを収納する食品に応じ、すなわち庫室や棚ごとに準備し冷蔵庫内もしくは冷蔵庫外に設けられた操作手段の操作により、光源である光照射する半導体発光素子を選択し、光の波長を選択するスイッチを切り替えたり、あらかじめ設定された時間により個別にオフさせる事により使い勝手の良い冷蔵庫とすることが出来る。例えば庫内の温度調整パネルにLED選択スイッチを設け、それぞれ波長の違うLED基板を選択して点灯させることや1つのLED基板に波長の異なる複数種類のLEDを搭載してその中から点灯したい種類の波長のLEDを選択して制御させるなど、ビタミンを増強させる栄養アップなどの目的に応じた波長のLEDを選択してあらかじめ設定されている制御内容にて点灯をさせることができる。
【0063】この発明の実施の形態1における冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における野菜室内を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の波長分布図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置のLED波長と色の関係を示す表を示す図である。 この発明の実施の形態1における植物の光反応作用波長特性図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す回路図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置基板を示す実装図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すタイムチャート図である。 この発明の実施の形態1における野菜試験の結果を示すグラフ図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における別の冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における別の冷蔵庫を示す外観図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す回路図である この発明の実施の形態1における通電率を示す図である この発明の実施の形態1における通電率の変更例を示すタイムチャート図である この発明の実施の形態1における通電率の変更例を示すフローチャート図である
【0064】1 冷蔵庫本体、10 圧縮機、11 冷却器、12 ファン、13 ダンパ、14 風路、30 収納容器、31 第2の収納容器、32 光照射装置、33 実装基板、34 LED、35 カバー、36 シール、37 断熱部、38 Oリング、39 突起部、40 光照射窓、100 冷蔵室、200 冷凍室、300 野菜室、400 切替室、500 製氷室。
ヒントあり冷蔵庫、冷蔵庫の制御方法及びプログラム
特開2018-054281 / 出願人: 三星電子株式会社 / 発明者: 辻本 かほる、森 愛子 / 出願日: 2016-11-22 / 公開日: 2018-04-05 / 検索4位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 赤色LEDで低温障害を抑制 保存室の一部に660nm付近の赤色LEDを照射して青果物の表面温度を上げ、低温に弱い青果物の低温障害を抑える。照度レベルを青果物に応じて切り替え、別実施形態では赤色と青色の点灯順や照射日数で熟成を制御する。
▸ 示唆: 長波長の赤色光を弱めに当てて品質劣化を抑える点は近いが、狙いは低温障害や熟成で課題が違うため、照度を対象に合わせて切り替える設計の参考にとどまる。
AIが精読したのは全131段落のうち検索が当てた10チャンク(40段落・31%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本発明は、冷蔵庫、冷蔵庫の制御方法及びプログラムに関する。
【0002】紫外LED光源の照射方向に、紫外光をそのまま透過する透明フィルタ、および紫外光が照射されることで450nm近辺の青色波長を励起する蛍光材料を用いた青色フィルタ、および紫外光が照射されることで650nm近辺の赤色波長を励起する蛍光材料を用いた赤色フィルタを配置して収納室内に複数の波長の光を照射する光照射装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】使用者が所望の味を選択して入力できる入力部と、キムチが保管された保管室を冷却させる冷却装置と、保管室内に光を照射する照射装置とを備え、制御部が、発酵モードと保管モードを行うために冷却装置を制御し、発酵モードまたは保管モード中に保管室内に光を照射するように照射装置を制御するキムチ冷蔵庫も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】冷蔵庫の庫内に配置され、特定収納容器もしくは特定個所に収納されるタンパク質分解酵素が含まれる食品にその食品に含まれる酵素の活性を大きくできる波長の光を直接もしくは透光板を介して照射する単数または複数の光源と、その単数または複数の光源を間隔を置いて点灯消灯する冷蔵庫本体に設けられた制御装置と、を備え、光源からの照射量がほぼ一定以下となる照射を行う点灯時間は、光源を発光させない消灯時間より短くする冷蔵庫も、知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】10℃〜0℃以下の食品の未凍結温度の低温領域での温度制御可能な低温庫又は低温室と当該低温庫又は低温室の適宜の位置にLED照射可能に設置されたLED照射装置とを具備した装置において、LEDを断続照射することによって低温障害である褐変を軽減することは、知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】野菜室内に食品容器として、下段容器と、下段容器内の上方部に配置された上段容器とが備えられた冷蔵庫において、上段容器は光透過性の材料で構成することによって、光源の照射による栄養素向上や静菌作用を得ることができ、上段容器内には下段容器を介して間接的に冷気が流入することで、冷却器からの低温の冷気が直接流入するのを防ぎ、より高湿度を好む青果物を収納することが望ましく、また低温状態においては鮮度が劣化するバナナやナスといった低温に弱い青果物を収納するとこれらの低温障害を防ぐことができ、より鮮度を向上させることが可能となることも、知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0007】特開2008−71509号公報 特開2007−195554号公報 特開2007−46848号公報 特開2001−61459号公報 特開2010−78300号公報
【0008】ここで、冷蔵庫で保存する食品として、熟成が必要な青果物を考える。一般的に、熟成が必要な青果物は、輸送の効率化やシェルフライフ延長のため、流通段階で追熟が行われることを前提に、未熟な状態で収穫される。そのため、消費者が入手した青果物の熟度にはばらつきがあり、未熟である場合、多くの消費者は、常温で青果物の追熟を行う。しかしながら、常温での追熟は、保存環境が外気に依存するため、熟度のコントロールが難しかった。
【0009】また、冷蔵庫で保存する食品として、低温を苦手とする青果物を考える。例えば、熱帯、亜熱帯原産の青果物には常温での保存が適しているものが多く存在する。このような青果物を冷蔵保存すると、褐変、表皮へのピッティング、軟化、栄養価の損失等の低温障害が発生し、品質が劣化する。一般的に、冷蔵室内蔵型の野菜室の温度は、冷蔵室の温度に支配されるため、野菜室も同様に低温環境となる。従って、現状では、低温を苦手とする青果物に対し、不向きな低温保存を強いることになっている。
【0010】本発明の目的は、青果物の熟度のコントロールを容易にすることにある。
【0011】本発明の他の目的は、青果物の表面温度を上昇させて青果物の低温障害を抑制することにある。
【0012】かかる目的のもと、本発明は、青果物を保存する保存室と、少なくとも第1の波長の光と第2の波長の光とを保存室内に照射可能な照射手段と、青果物の熟成又は保存の指示に応じて、第1の波長の光及び第2の波長の光の照射の順序、又は、第1の波長の光もしくは第2の波長の光の照射の照度を可変とするように、照射手段を制御する制御手段とを備える冷蔵庫を提供する。
【0013】ここで、第1の波長の光は、青果物の熟成を促進させる光であってよく、第2の波長の光は、青果物の熟成を抑制する光であってよい。
【0014】また、第1の波長は、600nm以上800nm以下であってよく、第2の波長は、400nm以上500nm以下であってよい。
【0015】また、制御手段は、青果物の熟成が指示された場合に、第1の波長の光を予め定められた期間照射した後、第2の波長の光を照射するように、照射手段を制御し、青果物の保存が指示された場合に、第1の波長の光を照射することなく、第2の波長の光を照射するように、照射手段を制御する、ものであってよい。
【0016】また、制御手段は、青果物の熟成が指示された場合に、保存室の温度に応じて、予め定められた期間を決定する、ものであってよい。特に、制御手段は、青果物の熟成が指示された場合に、保存室の温度が第1の温度であれば、予め定められた期間を第1の期間に決定し、保存室の温度が第1の温度よりも高い第2の温度であれば、予め定められた期間を第1の期間よりも短い第2の期間に決定する、ものであってよい。
【0017】更に、制御手段は、青果物の保存が指示された場合に、保存室の温度に応じて、第2の波長の光を照射する期間に制限を設けるかどうかを決定する、ものであってよい。特に、制御手段は、青果物の保存が指示された場合に、保存室の温度が第1の温度であれば、第2の波長の光を照射する期間に制限を設けないことを決定し、保存室の温度が第1の温度よりも高い第2の温度であれば、第2の波長の光を予め定められた期間照射することを決定する、ものであってよい。
【0018】更にまた、制御手段は、青果物の熟成が指示された場合に、第1の波長の光の照度に更に応じて、予め定められた期間を決定する、ものであってよい。特に、制御手段は、青果物の熟成が指示された場合に、第1の波長の光の照度が第1の照度であれば、予め定められた期間を第1の期間に決定し、第1の波長の光の照度が第1の照度よりも高い第2の照度であれば、予め定められた期間を第1の期間よりも短い第2の期間に決定する、ものであってよい。
【0019】また、本発明は、青果物を保存する保存室と、保存室内に光を照射可能な照射手段とを備え、照射手段は、自身の点灯時に自身から発する放射熱量又は青果物の発熱反応を利用して青果物の表面温度を上昇させることにより、青果物の低温障害を抑制する冷蔵庫を提供する。
【0020】ここで、保存室は、密閉構造又は略密閉構造を有する、ものであってよい。照射手段は、光として可視光を照射可能なものであってよい。
【0021】また、照射手段は、保存室内の一部の領域にのみ光を照射可能なものであってよい。或いは、照射手段は、保存室内の第1の領域に光を照射可能な第1の照射手段と、保存室内の第1の領域とは異なる第2の領域に光を照射可能な第2の照射手段とを含む、ものであってもよい。その場合、第1の照射手段及び第2の照射手段は、独立して光を照射可能なものであってよい。
【0022】また、本発明は、青果物の表面温度を検知する検知手段を更に備え、照射手段は、検知手段により検知された表面温度が、低温障害が抑制される温度として予め定められた温度を維持する強度で、光を照射可能なものであってよい。
【0023】更に、本発明は、青果物の表面温度を検知する検知手段を更に備え、照射手段は、検知手段により検知された表面温度が、低温障害が抑制される温度として予め定められた温度を維持する期間、光を照射可能なものであってもよい。
【0024】更にまた、照射手段は、前記保存室の前面の扉が開かれた際に、消灯又は白色光の照射への切り替えを実行可能なものであってよい。
【0025】また、本発明は、青果物の熟成又は保存の指示を受け付けるステップと、受け付けた指示に応じて、青果物の熟成を促進させる第1の波長の光及び青果物の熟成を抑制する第2の波長の光の照射の順序、又は、第1の波長の光もしくは第2の波長の光の照射の照度を可変とするように、第1の波長の光と第2の波長の光とを青果物を保存する保存室内に照射可能な照射手段を制御するステップとを含む冷蔵庫の制御方法も提供する。
【0026】更に、本発明は、コンピュータに、青果物の熟成又は保存の指示を受け付ける機能と、受け付けた指示に応じて、青果物の熟成を促進させる第1の波長の光及び青果物の熟成を抑制する第2の波長の光の照射の順序、又は、第1の波長の光もしくは第2の波長の光の照射の照度を可変とするように、第1の波長の光と第2の波長の光とを青果物を保存する保存室内に照射可能な照射手段を制御する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
【0027】本発明によれば、青果物の熟度のコントロールが容易になる。
【0028】また、本発明によれば、青果物の表面温度を上昇させて青果物の低温障害を抑制することが可能になる。
【0029】第1の実施の形態における冷蔵庫の断面図である。 第1の実施の形態における光照射装置の断面図である。 第1の実施の形態における光照射装置及びその制御のための構成要素を示した図である。 熟成保存室の設定温度が低温である場合の制御装置の動作例を示したフローチャートである。 熟成保存室の設定温度が高温である場合の制御装置の動作例を示したフローチャートである。 熟成保存室の設定温度を低温及び高温とした場合のそれぞれについて、赤色LEDの照度を3条件に振って、トマトに赤色光を照射したときの外観写真を示した図である。 第5の実施の形態における冷蔵庫の断面図である。 第5の実施の形態における冷蔵庫の正面図である。 第5の実施の形態における保存室の正面図である。 第5の実施の形態における光照射装置の断面図である。 LEDが設置された透明蓋と容器の底に配置されたトマトとの位置関係を示した図である。 照度が測定されるポイントである測定ポイントを示した図である。 トマトの表面温度の測定箇所を示した図である。 保存室内にトマトを配置してLEDを照射したときのトマトの表面温度の変化を示したグラフである。 保存室内にキュウリ及びトマトを配置したときの状態を示した図である。 保存室内にキュウリ及びトマトを配置してキュウリのみにLEDを照射したときのキュウリの表面温度の変化を示したグラフである。 保存室内にキュウリ及びトマトを配置してキュウリのみにLEDを照射したときのトマトの表面温度の変化を示したグラフである。 保存5日目のバナナの外観状態を示した図である。 保存7日目までのバナナの外観の経日変化と7日目のバナナの果実の状態とを示した図である。 第6の実施の形態における保存室の正面図である。 第6の実施の形態における光照射装置の拡大図である。
【0030】以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、青果物に適用可能なものであるが、以下の実施の形態では、青果物の中でも特に果実に適用する場合を例にとって説明する。
【0031】[第1の実施の形態] (冷蔵庫の構成) 図1は、第1の実施の形態における冷蔵庫1の断面図である。図1に示すように、冷蔵庫1は、庫内の上部に形成された冷蔵室10と、庫内の下部に形成された冷凍室20とを含む。或いは、冷凍室20の代わりに、温度可変室を含んでいてもよい。
【0032】そして、冷蔵室10内に、保存室の一例として、引き出し式の熟成保存室30が形成されており、熟成保存室30の天井面には、照射手段の一例として、光照射装置40が設けられている。熟成保存室30に収納される食品としては、例えば、トマト、イチゴ、カキ、マンゴー、モモ、メロン、キウイ、洋ナシ等がある。
【0033】また、冷蔵室10の扉50には、熟成保存室30の温度を設定する操作や、熟成保存室30に対してモード(熟成モード又は保存モード)を開始する操作を行うための操作パネル60が設けられている。更に、冷蔵室10の後壁70には、冷蔵庫1の冷凍サイクルを構成する蒸発器80と、蒸発器80を通過した空気を冷蔵室10内で循環させるための送風ファン90とが設けられている。
【0034】ここで果実の追熟について説明する。未熟な果実が、果皮色の変化、軟化の進行、糖酸度及び香りの変化を伴って、美味しく食べられる状態に変化することを、追熟という。
【0035】果実は、追熟が進むと、赤、紫、橙、黄色等に色付く。この色の変化は、赤や紫色の色素「アントシアニン」や、黄や橙色の色素「カロテン」によるものである。ブドウ、リンゴ、モモ、ナス等の赤や紫色になる果実では、アントシアニン色素が果皮の表面に集まり日光によって発色することで果実本来の色が増す。また、ミカン、カキ等の黄色になる果実では、果皮の中に「カロテン」が集まり、熟成が進むことで葉緑素が分解消失するために、緑から黄色に色付く。
【0036】近年、健康志向や美意識の高まり、またアンチエイジングの観点から、このアントシアニンやカロテン等の抗酸化成分を積極的に摂取したいと思う人が増加している。抗酸化成分とは、老化の原因となる活性酸素を除去してくれる働きを持つ成分のことで、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル等に分類される。果実の熟成が進むことで、これらの成分が増加し、健康増進やアンチエイジングに効果があることが分かっている。未熟な果実よりも完熟した果実を消費した方が、これらの抗酸化成分を有効に摂取できることとなり、美味しさだけではなく栄養価の面からも、完熟果を摂取することが望まれている。
【0037】さて、追熟は、果実に含まれる酵素の活動が呼吸の上昇やエチレン排出等とともに盛んになることで進むことが知られている。酵素の活動量を決める要素の1つが温度であり、追熟に最も適した温度は15℃〜25℃であると言われている。しかし、この温度帯は熟成が進行する温度帯であると同時に、老化や腐敗が進行しやすい温度帯でもある。よって、果実の鮮度を保持するという観点からは、最適な温度帯ではない。一方で、温度が低すぎると酵素等の生理活性が十分に働かず、熟成が進行しないことが考えられる。
【0038】#7そこで、図1の熟成保存室30は、温度を0℃〜10℃の低温に制御することで、果実の鮮度を保持する。そして、更に光を照射することで、酵素等の生理活性を活発にし、鮮度を保持したまま、同時に熟成を進行させる。
【0039】図2は、第1の実施の形態における光照射装置40の断面図である。図2に示すように、光照射装置40は、実装基板41と、赤色光を発光する赤色LED42(42a〜42e)と、青色光を発光する青色LED43(43a〜43e)と、赤色LED42及び青色LED43を保護する透過性のカバー44とを含む。図2では、赤色LED42と青色LED43とを、交互に配置している。また、赤色LED42及び青色LED43を5個ずつ設けたが、赤色LED42及び青色LED43の数はこれには限らない。
【0040】赤色LED42が発光する赤色光は、熟成促進を目的として使用される。赤色光は、光合成のエネルギー効率が最も高く、また果実の熟成を促進させる酵素の働きを活発化する効果がある。よって、赤色光は、果実の熟成促進に有効であると言える。即ち、赤色光は、青果物の熟成を促進させる第1の波長の光の一例であり、第1の波長は、例えば600nm〜800nm(600nm以上800nm以下)とすればよい。
【0041】青色LED43が発光する青色光は、果実の鮮度を保ち、保存性を向上させる目的で使用される。青色光は、照射によって、微生物や菌の増殖を抑える静菌作用が得られる効果が実証されている。生態防御反応に加えて、更に果実表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得られるため、果実の鮮度を保持するのに、青色光の照射は、非常に有効である。即ち、青色光は、青果物の熟成を抑制する第2の波長の光の一例であり、第2の波長は、例えば400nm〜500nm(400nm以上500nm以下)とすればよい。
【0042】また、実験によると、赤色光及び青色光には適正な照度範囲が存在することが分かっている。どちらの波長の光も、照度が低すぎる場合には、熟成促進や鮮度保持の効果が十分に得られなかったり、効果が現れるまでに長い時間がかかったりする。しかし、照度は高ければ高いほど良いというわけではない。
【0043】赤色光は、照度が高すぎると、果実の品質の劣化を促進させることが分かっている。青色光は、強光を長期間照射すると、例えば、トマトのリコピン増加が抑制される弊害や、果皮色が退色して白色化する弊害等が発生することが確認された。よって、赤色光、青色光ともに、適正な照度で果実に照射することが必要である。また、これらの光照射による果実への弊害症状は、保存温度が高いほど顕著に現れる傾向にあることも確認されている。
【0044】上記の関係を踏まえ、果実の熟成を促進させるための熟成モードで用いる赤色LED42の照度は100〜500lx(ルクス)に調光し、熟成した果実を保存するための保存モードで用いる青色LED43の照度は50〜100lxに調光することが望ましい。その際、光の照度は、光源から対象果実までの距離、LED個数の増減、電圧制御等によって調整するとよい。
【0045】図3は、光照射装置40及びその制御のための構成要素を示した図である。図示するように、光照射装置40を制御する構成要素として、制御装置100が設けられている。この制御装置100は、制御手段の一例であり、赤色LED42(42a〜42e)と、青色LED43(43a〜43e)と、操作パネル60と信号線を介して接続されている。
【0046】制御装置100は、図1には示さなかったが、冷蔵庫1内に設けられるものでよい。この場合、制御装置100は、マイコン等によって実現するとよい。或いは、制御装置100は、冷蔵庫1の外部に設けられ、外部から光照射装置40を制御するものでもよい。この場合、制御装置100は、CPU、RAM、ROM等を備えた汎用のPC等によって実現するとよい。
【0047】(冷蔵庫の制御動作) 図4は、熟成保存室30の設定温度が低温である場合の制御装置100の動作例を示したフローチャートである。熟成保存室30に設定可能な0℃〜10℃のうち低い方の如何なる温度を低温としてもよいが、ここでは5℃以下を低温として説明する。
【0048】操作パネル60で熟成保存室30の温度が5℃以下に設定されると、制御装置100は、青色LED43を点灯する(ステップ101)。使用者は、果実を投入する際、未熟であるか、既に食べ頃であるかを判断する。未熟である場合は、操作パネル60から熟成モード開始命令を入力し、既に食べ頃である場合は、そのまま果実を熟成保存室30内に収納する。
【0049】これにより、制御装置100は、操作パネル60から熟成モード開始命令が入力されたかどうかを判定する(ステップ102)。
【0050】その結果、熟成モード開始命令が入力されたと判定すると、制御装置100は、青色LED43を消灯する(ステップ103)。そして、タイマを起動し(ステップ104)、赤色LED42を点灯する(ステップ105)。その後、制御装置100は、赤色LED42の点灯時間Tr1が予め定めた基準時間Trを超えたかどうかを判定する(ステップ106)。点灯時間Tr1が基準時間Trを超えていないと判定すると、制御装置100は、ステップ105に戻り、ステップ106で点灯時間Tr1が基準時間Trを超えたと判定されるまで赤色LED42を点灯し続ける。また、点灯時間Tr1が基準時間Trを超えたと判定すると、制御装置100は、赤色LED42を消灯し(ステップ107)、ステップ101に戻り、青色LED43を再び点灯することで、熟成モードを保存モードに切り替える。
【0051】一方、果実が既に食べ頃であり、ステップ102で熟成モード開始命令が入力されなかったと判定すると、制御装置100は、ステップ101に戻り、青色LED43を点灯し続ける。
【0052】図5は、熟成保存室30の設定温度が高温である場合の制御装置100の動作例を示したフローチャートである。熟成保存室30に設定可能な0℃〜10℃のうち高い方の如何なる温度を高温としてもよいが、ここでは6℃以上を高温として説明する。
【0053】操作パネル60で熟成保存室30の温度が6℃以上に設定されると、熟成保存室30内は消灯モードとなる。使用者は、果実を投入する際、未熟であるか、既に食べ頃であるかを判断する。未熟である場合は、操作パネル60から熟成モード開始命令を入力し、既に食べ頃である場合は、そのまま果実を熟成保存室30内に収納し、操作パネル60から保存モード開始命令を入力する。
【0054】これにより、制御装置100は、操作パネル60から熟成モード開始命令が入力されたかどうかを判定する(ステップ151)。
【0055】その結果、熟成モード開始命令が入力されたと判定すると、制御装置100は、タイマを起動し(ステップ152)、赤色LED42を点灯する(ステップ153)。その後、制御装置100は、赤色LED42の点灯時間Tr1が予め定めた基準時間Trを超えたかどうかを判定する(ステップ154)。点灯時間Tr1が基準時間Trを超えていないと判定すると、制御装置100は、ステップ153に戻り、ステップ154で点灯時間Tr1が基準時間Trを超えたと判定されるまで赤色LED42を点灯し続ける。また、点灯時間Tr1が基準時間Trを超えたと判定すると、制御装置100は、赤色LED42を消灯し(ステップ155)、青色LED43を照射する保存モードに切り替える。
【0056】即ち、制御装置100は、タイマを起動し(ステップ156)、青色LED43を点灯する(ステップ157)。その後、制御装置100は、青色LED43の点灯時間Tb1が予め定めた基準時間Tbを超えたかどうかを判定する(ステップ158)。点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えていないと判定すると、制御装置100は、ステップ157に戻り、ステップ158で点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えたと判定されるまで青色LED43を点灯し続ける。また、点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えたと判定すると、制御装置100は、青色LED43を消灯する(ステップ159)。
【0057】#9一方、熟成モード開始命令が入力されず、保存モード開始命令が入力されたと判定すると、制御装置100は、タイマを起動し(ステップ160)、青色LED43を点灯する(ステップ161)。その後、制御装置100は、青色LED43の点灯時間Tb1が予め定めた基準時間Tbを超えたかどうかを判定する(ステップ162)。点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えていないと判定すると、制御装置100は、ステップ161に戻り、ステップ162で点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えたと判定されるまで青色LED43を点灯し続ける。また、点灯時間Tb1が基準時間Tbを超えたと判定すると、制御装置100は、青色LED43を消灯する(ステップ163)。
【0058】図6は、熟成保存室30の設定温度を低温及び高温とした場合のそれぞれについて、赤色LED42の照度を3条件に振って、トマトに赤色光を照射したときの外観写真を示した図である。ここでは、低温として2℃を、高温として10℃を例にとっている。また、赤色LED42の照度の3条件は、50〜100lx、100〜500lx、500〜1000lxとしている。
【0059】図には、熟成保存室30の設定温度が高いほど、赤色LED42の照度が高いほど、トマトの色付きが早く、短期間で熟成することが示されている。
【0060】まず、熟成保存室30の設定温度を2℃とした場合について詳しく説明する。
【0061】この場合について、図には、赤色LED42の照度を50〜100lxと低照度にすると、トマトが徐々に色付き、熟成は少しずつ進んでいるものの、6〜8日の照射後も緑の部分が残っており、熟成に時間がかかり過ぎていることが示されている。
【0062】#10一方、図には、赤色LED42の照度を100〜500lxや500〜1000lxと中程度又は高程度の照度にすると、6〜8日の照射で食べ頃に色付き、その後保存モードで保存するのに適切な熟成具合になることも示されている。
【0063】即ち、照度が低くても熟成は徐々に進むが、赤色LED42の熟成効果が温度によって抑制されてしまう可能性がある。また、品種や鮮度等の果実の保存前の状態によっては、熟成の効果が十分に現れないこともある。従って、熟成保存室30の設定温度が低温である場合に、低照度の光を照射することは望ましくない。
【0064】次に、熟成保存室30の設定温度を10℃とした場合について詳しく説明する。
【0065】この場合について、図には、赤色LED42の照度を500〜1000lxと高照度にすると、2〜4日の照射で急速に熟成が進んで既に完熟を通り越した過熟状態となっており、美味しく食べられる時期を過ぎて劣化に向かっていることが示されている。こうなると、その後、保存モードで鮮度良く保存することは不可能である。従って、熟成保存室30の設定温度が高温である場合の高照度の光の照射は、不適当であることが分かる。
【0066】一方、図には、赤色LED42の照度を50〜100lxや100〜500lxと低程度又は中程度の照度にすると、2〜4日の照射で食べ頃に色付き、その後保存モードで保存するのに適切な熟成具合になることも示されている。
【0067】尚、ここでは、トマトに赤色光を照射した場合について示したが、イチゴ、カキ、マンゴー、モモ、メロン、キウイ、洋ナシ等の多くの果実で同様の傾向がみられた。
【0068】以上のことから、0℃〜10℃に設定可能である熟成保存室30を使用する際の熟成モード時の赤色LED42の照度は、次のように考えることができる。即ち、果実を保存する際の熟成速度や保存性等の使い勝手、消費電力、コスト等を考慮し、低温設定時にも高温設定時にも適切である中程度の100〜500lxが適切である。これにより、図4及び図5に示した動作例で赤色LED42を点灯する際には、その照度を中程度の100〜500lxとするとよい。
【0069】また、熟成保存室30の設定温度が低温の場合、つまり、図4に示した動作例では、熟成モード時の点灯時間Tr1の上限である基準時間Trは、上記実験結果より、6〜8日のうちの何れかの日数とすればよい。但し、青色LED43の照射時間には上限を設けず、熟成モード時以外は、常時青色LED43が点灯するように制御する。
【0070】一方、熟成保存室30の設定温度が高温の場合、つまり、図5に示した動作例では、熟成モード時の点灯時間Tr1の上限である基準時間Trは、上記実験結果より、2〜4日のうちの何れかの日数とすればよい。そして、この場合は、青色LED43の照射時間にも上限である基準時間Tbを設定し、照射時間を制御する。これは、熟成保存室30の温度が高温の場合は、低温の場合よりも、照射によって果皮色が退色する等の弊害症状が発生する頻度が高い傾向にあり、また、症状が強く現れる傾向にあるためである。よって、熟成保存室30の設定温度が高温の場合の保存モード時に照射される青色LED43の照度は50〜100lxの低照度とし、基準時間Tbは1〜2日の短期間とすることが望ましい。
【0071】尚、上記において、基準時間Trは、第1の波長の光を照射する予め定められた期間の一例であり、基準時間Tbは、第2の波長の光を照射する予め定められた期間の一例である。
【0072】また、上記より、青果物の熟成が指示された場合に、保存室の温度が第1の温度であれば、予め定められた期間を第1の期間に決定し、保存室の温度が第1の温度よりも高い第2の温度であれば、予め定められた期間を第1の期間よりも短い第2の期間に決定する、という構成が導き出される。ここで、上記の例では、第1の温度は2℃であり、第1の期間は6〜8日である。また、第2の温度は10℃であり、第2の期間は2〜4日である。そして、これは、より広く、青果物の熟成が指示された場合に、保存室の温度に応じて、予め定められた期間を決定する、という構成として捉えることもできる。
【0073】更に、上記より、青果物の保存が指示された場合に、保存室の温度が第1の温度であれば、第2の波長の光を照射する期間に制限を設けないことを決定し、保存室の温度が第1の温度よりも高い第2の温度であれば、第2の波長の光を予め定められた期間照射することを決定する、という構成が導き出される。ここで、上記の例では、第1の温度は2℃である。また、第2の温度は10℃であり、予め定められた期間は1〜2日である。そして、これは、より広く、青果物の保存が指示された場合に、保存室の温度に応じて、第2の波長の光を照射する期間に制限を設けるかどうかを決定する、という構成として捉えることもできる。
【0074】#4更にまた、第1の実施の形態では、果実の熟成が指示された場合に、赤色LED42を予め定められた基準時間Tr点灯した後、青色LED43を点灯し、果実の保存が指示された場合に、赤色LED42を点灯することなく、青色LED43を点灯するようにしたが、この限りではない。第1の実施の形態は、果実の熟成又は保存の指示に応じて、赤色LED42及び青色LED43の点灯の順序を可変にする、という構成として捉えてもよい。その場合、赤色LED42a〜42eの少なくとも1つ及び青色LED43a〜43eの少なくとも1つの点灯の順序を可変にするものでもよい。
【0075】[第2の実施の形態] 第1の実施の形態では、コストを考慮し、赤色LED42及び青色LED43の照度を予め固定し、熟成保存室30の設定温度に応じて、照射時間を変更する制御を行った。しかしながら、熟成保存室30内に照度センサを設置して照度を検知可能とし、LEDの点灯数や電圧を制御することで照度を変更するようにしてもよい。このようにすれば、使用者の食べたい時期に合わせて熟成時期をコントロールすることが可能になる。
【0076】また、熟成保存室30の設定温度だけでなく、赤色LED42及び青色LED43の照度にも応じて、照射時間を変更する制御を行ってもよい。
【0077】例えば、第1の実施の形態では、熟成保存室30の設定温度が低温である場合に、赤色LED42の照度が100〜500lx及び500〜1000lxの何れであっても照射日数は6〜8日としたが、赤色LED42の照度が100〜500lxであれば、照射日数を8日とし、赤色LED42の照度が500〜1000lxであれば、照射日数を6日としてもよい。
【0078】#2また、第1の実施の形態では、熟成保存室30の設定温度が高温である場合に、赤色LED42の照度が50〜100lx及び100〜500lxの何れであっても照射日数は2〜4日としたが、赤色LED42の照度が50〜100lxであれば、照射日数を4日とし、赤色LED42の照度が100〜500lxであれば、照射日数を2日としてもよい。
【0079】尚、上記より、青果物の熟成が指示された場合に、第1の波長の光の照度が第1の照度であれば、予め定められた期間を第1の期間に決定し、第1の波長の光の照度が第1の照度よりも高い第2の照度であれば、予め定められた期間を第1の期間よりも短い第2の期間に決定する、という構成が導き出される。ここで、上記の熟成保存室30の設定温度が低温である場合の例では、第1の照度は100〜500lxであり、第1の期間は8日である。また、第2の照度は500〜1000lxであり、第2の期間は6日である。一方、上記の熟成保存室30の設定温度が高温である場合の例では、第1の照度は50〜100lxであり、第1の期間は4日である。また、第2の照度は100〜500lxであり、第2の期間は2日である。そして、これは、より広く、青果物の熟成が指示された場合に、第1の波長の光の照度に更に応じて、予め定められた期間を決定する、という構成として捉えることもできる。
【0080】更にまた、第2の実施の形態は、果実の熟成又は保存の指示に応じて、赤色LED42又は青色LED43の照度を可変にする、という構成として捉えてもよい。その場合、赤色LED42a〜42eの少なくとも1つ又は青色LED43a〜43eの少なくとも1つの照度を可変にするものでもよい。
【0081】[第3の実施の形態] 第1の実施の形態では、赤色LED42と青色LED43とをそれぞれ単独で使用したが、この限りではない。熟成モードでは、赤色LED42及び青色LED43により赤色光及び青色光の両方を照射してもよい。赤色光及び青色光を組み合わせて照射することで、熟成のスピードをやや抑制することができるため、鮮度を保持する期間が延長されることになる。よって、すぐに果実を消費する予定がない場合や、果実の美味しさをより長期間楽しみたい場合には、消費のタイミングを使用者自身がコントロールできる点で有効である。
【0082】[第4の実施の形態] 第1乃至第3の実施の形態では、光照射装置40を熟成保存室30の天井面のみに設けたが、これには限らない。例えば、天井面に加えて又は天井面に代えて、背面、右側面、左側面等の他の箇所に設けてもよい。
【0083】また、第1乃至第3の実施の形態では、赤色LED42及び青色LED43を交互に配置したが、これには限らない。例えば、右側面に赤色LED42を配置し、左側面に青色LED43を配置してもよい。更に、高輝度タイプのLEDや拡散タイプのLEDを使用することにより、LEDの個数を減らすことができ、低コストで光照射装置40を作ることができる。
【0084】更に、第1乃至第3の実施の形態では、赤色LED42が発光する赤色光は、熟成促進を目的として使用し、青色LED43が発光する青色光は、保存性を向上させる目的で使用したが、これには限らない。
【0085】[第1乃至第4の実施の形態の効果] 第1乃至第4の実施の形態では、果実の熟成時と保存時にそれぞれ適切な波長の光を照射するようにした。これにより、果実が完熟するため、果実を購入時よりも美味しく食べることができ、また抗酸化成分等を含む栄養価をより高い状態で摂取することができるようになった。そして、このことは、使用者の食生活を豊かにし、健康増進やアンチエイジングの効果をもたらすことにもなる。更に、美味しい状態を長期間維持したまま果実を保存することが可能になるため、果実の消費期間が延長され、安心してまとめ買いができる等の効果が得られる。
【0086】[プログラム] 第1乃至第4の実施の形態における制御装置100が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0087】即ち、第1乃至第4の実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、青果物の熟成又は保存の指示を受け付ける機能と、受け付けた指示に応じて、青果物の熟成を促進させる第1の波長の光及び青果物の熟成を抑制する第2の波長の光の照射の順序、又は、第1の波長の光もしくは第2の波長の光の照射の照度を可変とするように、第1の波長の光と第2の波長の光とを青果物を保存する保存室内に照射可能な照射手段を制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0088】[第5の実施の形態] (冷蔵庫の構成) 図7は、第5の実施の形態における冷蔵庫1の断面図である。図7に示すように、冷蔵庫1は、庫内の上部に形成された冷蔵室10と、庫内の下部に形成された冷凍室20とを含む。或いは、冷凍室20の代わりに、温度可変室を含んでいてもよい。
【0089】そして、冷蔵室10内には仕切り板11,12,13があり、このうち仕切り板13で仕切られた区画に、引き出し式の保存室31が形成されている。この保存室31は、透明蓋32と容器33とを備えた密閉構造となっており、その内部は高湿に保たれているものとする。或いは、低温障害が緩和される程度にその内部が高湿に保たれるのであれば、略密閉構造となっていてもよい。また、仕切り板13の下面には、照射手段の一例として、光照射装置40が設けられている。更に、冷蔵室10内蔵式である保存室31は、冷蔵室10の設定温度に支配されるので、約1〜2℃に制御される。
【0090】また、冷蔵室10の扉50には、光照射装置40のオン/オフや照度レベルの調整を行うための操作パネル60が設けられている。更に、冷蔵室10の後壁70には、冷蔵庫1の冷凍サイクルを構成する蒸発器80と、蒸発器80を通過した空気を冷蔵室10内で循環させるための送風ファン90とが設けられている。
【0091】図8は、第5の実施の形態における冷蔵庫1の正面図である。図8に示すように、光照射装置40は、仕切り板13の下面の半分に設けられており、この光照射装置40が透明蓋32を介して容器33内の半分の領域に光を照射するようになっている。
【0092】図9は、第5の実施の形態における保存室31の正面図である。この保存室31内の領域は、光照射装置40の下で光が照射される照射領域34と、光が照射されない非照射領域35とに分けられる。保存室31は、青果物を保存するものであるが、特に、照射領域34には、低温に弱い青果物(ナス、バナナ、トマト等)を、非照射領域35には、低温を好む青果物(ブロッコリー、ホウレンソウ、キャベツ等)を、共存させて保存するとよい。尚、仕切り板13の上面には、図示するように、断熱材49を設置するとよい。
【0093】ここで青果物の温度に対する特性について説明する。熱帯、亜熱帯を産地とするトロピカルフルーツ(例えばバナナ、マンゴー、パイナップル等)や熱帯、亜熱帯を原産とする青果物(例えばナス、トマト、キュウリ、カボチャ、ピーマン等)は低温を苦手とし、最適貯蔵温度は7〜10℃である。これらの青果物は低温耐性が低く、冷蔵温度(1〜2℃)で保存すると呼吸障害や代謝異常を引き起こし、褐変や黄化、表皮へのピッティング、果肉の軟化や栄養価の損失等、様々な低温障害が発生し、品質が劣化する。これら青果物の中には高湿環境にすることで低温障害の一部が緩和されるものもあるが大半は高湿下においても低温障害が発生する。
【0094】一方、低温に弱い青果物を、低温障害を嫌って常温で保存した場合、その青果物の食べ頃の期間は非常に短くなる。なぜなら、青果物は呼吸や代謝を活発に行い、カビや細菌等の微生物の増殖も盛んなので、青果物の老化が進行し、味や栄養化の低下、腐敗等の品質劣化の進行が速くなるからである。
【0095】また、低温での保存を好む青果物(例えばブロッコリー、ホウレンソウ、キャベツ等)はその青果物の氷結点に近い1〜2℃での保存が適している。1〜2℃で保存した場合、低温耐性により低温障害は生じず、呼吸活性や代謝が低く、老化の進行が抑えられる。また、カビや細菌等の微生物の増殖も抑えられるため、腐敗も抑制され、結果的に高鮮度、高品位に保存される。
【0096】そこで、第5の実施の形態の保存室31は、温度を1〜2℃の低温に制御することで、青果物の鮮度を保持しつつ、保存室31の半分に光を照射することで、低温を苦手とする青果物を照射下に保存した場合に、その青果物の表面のみを加温し、正常な代謝を維持して低温障害の発生を抑制するようにした。これにより、低温を好む青果物と低温を苦手とする青果物を同時に保存させることを実現させた。即ち、従来は低温を好む青果物及び低温を苦手とする青果物の何れかを犠牲にする環境での保存を強いられていたが、両者を高品位に保存することが可能となった。
【0097】#5図10は、第5の実施の形態における光照射装置40の断面図である。図10に示すように、光照射装置40は、実装基板41と、LED45(45a〜45d)とを含む。第5の実施の形態で使用されるLED45は、赤色光(660nm付近の波長の光)を発光するものとする。但し、LED45は赤色光を発光するものに限定されず、可視光(400〜800nmの波長の光)を発光するものであってもよい。例えば、青色光を発光するもの、橙色光を発行するもの、緑色光を発光するもの等であってよい。また、図10では、LED45を4個設けたが、LED45の数はこれには限らない。保存室31の半分を照射可能な数であれば、如何なる数のLED45が配置されてもよい。
【0098】次に、LED45の照射による青果物の温度変化を確認した試験の結果を示す。試験は下記の条件で行った。即ち、評価対象としてはトマトを用いた。0℃に設定した冷蔵室10に約20L(リットル)の保存室31を配置した。図7乃至図9では、仕切り板13にLED45を設置した構成を示したが、ここでは、保存室31の透明蓋32に15個のLED45を設置した。そして、LED45の波長は赤色光の波長(660nm付近)とした。
【0099】図11は、LED45が設置された透明蓋32と容器33の底に配置されたトマトとの位置関係を示した図である。図示するように、透明蓋32からトマトの上面までの距離は110mmであった。そこで、LED45から距離が110mmの位置で照度が約330lx(ルクス)となるようにした。
【0100】図12は、照度が測定されるポイントである測定ポイント36を示した図である。LED45から110mmの距離の照度が約330lx(ルクス)となるように、保存室31内の透明蓋32から110mmの距離の水平面上に15個の測定ポイント36を設けた。ここで、15個の測定ポイント36間の間隔は、図示するように、縦方向には100mm、横方向には85mmとした。そして、15個の測定ポイント36で測定された照度の平均値を算出し、これをLED45から110mmの距離の照度として用いた。
【0101】そして、低温保存中にLED45を照射し、トマトの表面温度を測定した。トマトの表面温度の測定箇所は図13に示すトマト果皮表面の上面と下面の2箇所とした。尚、トマトは保存室31内中央に1個配置した。
【0102】図14は、このときの温度変化を示したグラフである。尚、グラフには、保存室31内の空気の温度変化も細い実線で示している。トマトの表面温度は、上面においては、太い実線で示すように、LED45の消灯時に約0℃であるのに対し、赤色のLED45の点灯時に約6℃となり、6K昇温している。一方、光が直接あたらない下面においても、太い破線で示すように、LED45の消灯時に約0℃であるのに対し、赤色のLED45の点灯時に約5.5℃となり、5.5Kの昇温が確認された。この結果から、赤色のLED45の照射によるトマトの温度上昇が確認できた。
【0103】また、青色のLED45においても同様の試験を行った結果、トマトの温度上昇は確認できたが、赤色のLED45より照度を上げた条件においても赤色のLED45より温度上昇幅は小さかった。
【0104】次に、LED45をスポット照射した場合の照射された青果物と照射されなかった青果物の温度変化を確認した試験の結果を示す。試験は下記の条件で行った。即ち、LED45を照射する対象としてはキュウリを、LED45を照射しない対象としてはトマトを用いた。そして、図15に示すように、保存室31内の照射領域34にキュウリを、保存室31内の非照射領域35にトマトをそれぞれ配置した。前述の試験と同様の温度設定、保存室31、LED45を用いた。LED45は透明蓋32のキュウリの上の部分に1個配置し、LED45直下でLED45からの距離が110mmの位置での照度が約330lxとなるようにした。青果物の温度の測定箇所は前述の試験と同様に果皮表面の上面と下面の各2箇所とした。
【0105】図16は、このときのキュウリの温度変化を示したグラフである。尚、グラフには、保存室31内の空気の温度変化も細い実線で示している。キュウリの表面温度は、上面においては、太い実線で示すように、LED45の消灯時に約−0.1℃であるのに対し、赤色のLED45の点灯時に約0.6℃となり、0.7K昇温している。一方、光が直接あたらない下面においても、太い破線で示すように、LED45の消灯時に約−0.4℃であるのに対し、赤色のLED45の点灯時に約0.4℃となり、0.8Kの昇温が確認された。つまり、キュウリの上面、下面とも照射にて表面温度は0.7〜0.8K上昇している。
【0106】一方、図17は、このときのトマトの温度変化を示したグラフである。図示するように、光が照射されていないトマトは、LED45の照射時も温度は上昇しなかった。
【0107】#3以上の結果より、LED45を対象の青果物にのみ照射することで、他の共存する青果物の保存温度に影響を及ぼすことなく、対象の青果物のみを昇温可能であることが確認できた。尚、昇温度は、LED45の放射強度で決まるため、対象の青果物に最適な昇温度に応じて、LED45の波長及び輝度の選定とLED45の個数の算出とを行うことが望ましい。
【0108】次に、図7及び図8に示す冷蔵庫1の保存室31にバナナを保存し、低温障害の発生状況を確認した。事前の低温保存試験にて、数種の青果物の中からバナナが一番顕著に低温障害が現れることを確認の上、対象の青果物に選定した。
【0109】図18は、保存5日目のバナナの外観状態を示した図である。図中、保存室31の非照射領域35には、LED45を照射していないバナナの果皮が褐変し、低温障害を発生していることが示されている。また、図中、保存室31の照射領域34には、赤色のLED45を照射したバナナの果皮は褐変が軽減されていることが示されている。
【0110】図19は、保存7日目までのバナナの外観の経日変化と7日目のバナナの果実の状態とを示した図である。図中、左欄には、LED45を照射していないバナナは7日目で果実も黒く変色し、低温障害が果実にまで及んでいることが示されている。一方、図中、右欄には、赤色のLED45を照射したバナナは7日後も果実の変色が見られず、良好な状態を保持していることが示されている。
【0111】#1また、バナナの果皮の表面温度を比較すると、LED45を照射していないバナナに比べて、赤色のLED45を照射したバナナは、図に示すように1.5Kの昇温が見られた。バナナの果皮の表面温度4.0℃は通常低温障害を発生する温度であるが、赤色のLED45を照射したバナナは低温障害が抑制されている。この結果から、赤色のLED45は単に対象の青果物の温度を上昇させる効果だけではなく、対象の青果物の生理反応にも刺激を与え、代謝の正常化に働きかけている可能性がある。
【0112】以上の結果から、1〜2℃の保存室31に部分的に赤色のLED45を照射することで、非照射領域35に保存された青果物の温度に影響を与えることなく、照射領域34に保存された青果物のみの温度を上昇させることができることが分かる。
【0113】また、バナナの低温障害の抑制には、赤色のLED45の照射が有効である。同条件でキュウリやナスの保存試験を行った結果においても、程度に差はあるものの、バナナと同様の傾向が確認できた。
【0114】但し、LED45の照射で、果皮の薄いキュウリやナスは蒸散が促進される傾向が見られた。よって、操作パネル60(図7参照)に照度レベル切り替えボタンを設け、照射する赤色のLED45の照度レベルを、例えばHigh(330lx)、Low(110lx)のように対象の青果物に合わせて切り替えることで、重量を保持しながら低温障害を抑制するとよい。
【0115】更には、操作パネル60に光照射装置40のオン/オフの切り替えスイッチを備えることで、低温を苦手とする青果物を保存しないときは、光照射装置40をオフにして葉物中心の保存室31として使用するようにしてもよい。
【0116】尚、第5の実施の形態では、保存室31の半分に光を照射することとしたが、これには限らない。保存室31内の一部の領域にのみ光を照射するものであれば、その領域の保存室31に対する割合は問わない。
【0117】[第6の実施の形態] 図20は、第6の実施の形態における保存室31の正面図である。この保存室31では、図示するように、仕切り板13の全域に光照射装置40が配置されている。
【0118】図21は、第6の実施の形態における光照射装置40の拡大図である。図21に示すように、光照射装置40は、4つの区画に分けられ、1つ目の区画が、実装基板411と、LED451(451a〜451d)とを含み、2つ目の区画が、実装基板412と、LED452(452a〜452d)とを含み、3つ目の区画が、実装基板413と、LED453(453a〜453d)とを含み、4つ目の区画が、実装基板414と、LED454(454a〜454d)とを含んでいる。そして、LED451〜454は、独立してオン/オフ制御できるようになっている。
【0119】第6の実施の形態で使用されるLED451〜454も、赤色光(660nm付近の波長の光)を発光するものとする。但し、LED451〜454は赤色光を発光するものに限定されず、可視光(400〜800nmの波長の光)を発光するものであってもよい。例えば、青色光を発光するもの、橙色光を発行するもの、緑色光を発光するもの等であってよい。また、保存室の温度は低温(1〜2℃)に制御される。
【0120】#8使用者は、保存室31にバナナ等の低温を苦手とする青果物を投入した後、扉50の操作パネル60にて、LED451〜454のうち、青果物を投入した箇所の上部のLEDをオンにする。これにより、LEDを照射した領域に保存された青果物のみ表面温度を上昇させる。一方、それ以外の領域に保存された青果物は低温に保たれる。その結果、低温に強い青果物と低温に弱い青果物とを同時に高品位に保存することが可能となる。
【0121】また、LEDを照射する領域が固定されず、保存する低温に弱い青果物の量に合わせて変えられるため、保存室31の空間を有効に活用できる。尚、LED451は第1の照射手段の一例であり、その場合、LED451が照射される領域は第1の領域の一例である。また、LED452は第2の領域の一例であり、その場合、LED452が照射される領域は第2の領域の一例である。
【0122】更に、保存室31の容器33の前面を透明にし、保存室31の前面の扉(例えば、冷蔵室10の扉50)を開けたときにもLEDを点灯させるようにしてよい。これにより、保存室31の前面の扉を開けたときに、保存室31内に低温を苦手とする青果物が保存されているかどうか、及びその保存箇所を一目瞭然で確認することができる。
【0123】[第7の実施の形態] 第5及び第6の実施の形態では、光照射装置40を保存室31の上方の仕切り板13のみに設けたが、これには限らない。例えば、保存室31の容器33の高さが高い場合等は、光照射装置40を背面、右側面、左側面等の他の箇所に設けてもよい。これにより、重なって収納される青果物に対して側面から照射することが可能となる。
【0124】#6また、第5及び第6の実施の形態では、単色のLED45,451〜454を配置したが、これには限らない。例えば、複数の波長のLEDを用い、これらを交互に配置したり、波長ごとに独立した基板に配置したりしてもよい。更に、高輝度タイプのLEDや拡散タイプのLEDを使用することにより、LEDの個数を減らすことができ、低コストで光照射装置40を作ることができる。
【0125】また、第5及び第6の実施の形態の構成に加え、保存室31の前面の扉(例えば、冷蔵室10の扉50)を開けたときに、LED45,451〜454を、消灯したり、或いは、庫内照明に合わせて白色光を照射するように切り替えたりしてもよい。これにより、保存室31内の視認性を向上し、保存中の青果物の外観色を確認することが可能となる。
【0126】また、第5及び第6の実施の形態の構成に加え、赤外線センサ等の青果物の表面温度を検知するセンサを設け、検知された表面温度が、低温障害が抑制される温度として予め定められた温度以上の温度を維持するよう、LED45,451〜454の照射強度や照射時間を制御するようにしてもよい。尚、青果物の表面温度を検知するセンサは、検知手段の一例である。
【0127】[第5乃至第7の実施の形態の効果] 第5乃至第7の実施の形態では、低温環境下で保存する低温に弱い青果物に光を照射するようにした。これにより、対象の青果物の表面温度を上昇させ、低温障害の発生を抑制することができるようになった。その結果、通常の家庭用冷蔵庫の野菜室での保存には不向きであった青果物の保存品質が向上し、或いは、冷蔵庫での保存をあきらめていた青果物を新たに冷蔵庫で保存することが可能となり、より多くの品種、品目の青果物を冷蔵庫で高品質に保存することが可能となった。
◆ この文献の解決アプローチ
赤色LEDで低温障害を抑制
文献: 第5乃至第7の実施の形態では、低温環境下で保存する低温に弱い青果物に光を照射するようにした。これにより、対象の青果物の表面温度を上昇させ、低温障害の発生を抑制することができるようになった。
長波長の赤色光を弱めに当てて品質劣化を抑える点は近いが、狙いは低温障害や熟成で課題が違うため、照度を対象に合わせて切り替える設計の参考にとどまる。
【0128】また、第5乃至第7の実施の形態では、対象の青果物の温度を上昇させるためにLEDの光源から発する熱を利用する。そのため、加温のためのヒータや専用ダクト等の複雑な構造が不要であり、結果として、低コスト化が図れる。
【0129】また、LEDは他の光源(蛍光灯や白熱電球等)に比べ、発熱量は非常に少ないため、スポット的な加温を可能とし、近接するその他の青果物の保存温度への影響を少なく抑えることが可能である。その結果、様々な品種や特徴の青果物が混在する家庭用冷蔵庫の野菜室においても、対象の青果物のみを加温することで、低温に弱い青果物と低温を好む青果物を同時に保存することが可能となる。
【0130】また、照射対象が青果物であることから、青果物の光応答反応による発熱も期待でき、低温障害の抑制に加え、追熟果実等は追熟が促進され、ユーザに購入時よりも美味しく、また抗酸化成分等を含む栄養価をより高い状態で摂取可能な食生活を提供することができる。
【0131】1…冷蔵庫、10…冷蔵室、11,12,13…仕切り板、20…冷凍室、30…熟成保存室、31…保存室、32…透明蓋、33…容器、34…照射領域、35…非照射領域、40…光照射装置、41,411,412,413,414…実装基板、42…赤色LED、43…青色LED、44…カバー、45,451,452,453,454…LED、50…扉、60…操作パネル、70…後壁、80…蒸発器、90…送風ファン、100…制御装置
ヒントあり冷蔵庫
特開2023-158682 / 出願人: パナソニックIPマネジメント株式会社 / 発明者: 南部 桂、柿田 健一、平井 剛樹 / 出願日: 2022-04-19 / 公開日: 2023-10-31 / 検索16位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 白色照明+赤・近赤外の気孔制御光 野菜室に白色系の照明光源と、赤色〜近赤外(600〜1000nm)の対食品作用光源を並設し、生理活性の高い野菜の投入を温度で検知した時などに後者を照射して、気孔を閉じ水分蒸散による鮮度劣化を抑える。
▸ 示唆: 白色照明に長波長光を加える構成は近いが、扉閉中の常時同時点灯や明るさ比率ではなく、投入検知トリガと照射時間で制御しており、トリガ型という別の切り口を示す。
AIが精読したのは全98段落のうち検索が当てた10チャンク(55段落・56%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本開示は、食品を保存する冷蔵庫であって、食品の鮮度を維持するための光照射機能を有する冷蔵庫庫に関する。
【0002】特許文献1は、野菜室に近赤外光照射装置を備え、保存中の野菜や果物に近赤外光を照射することによって鮮度を維持するようにしたものである。赤色光を照射することによっても同様の効果が得られることが知られている(特許文献2)。
【0003】特許第6928504号公報 特許第4983900号公報
【0004】本開示は、光照射出力が収納室サイズに比べて小さいために室内の全ての位置で最大の鮮度維持効果を発揮できないことがある。本開示は、限られた光照射出力を最も効率よく照射して鮮度維持効果を発揮する冷蔵庫を提供する。
【0005】本開示における冷蔵庫は、食品を収納する収納室と、食品を冷却する冷却手段と、食品に光を照射する光源とを有し、前記光源は蒸散しやすい前記収納室の開口部の一つまたは複数の辺に沿って配置されたものである。
【0006】本開示における冷蔵庫は、食品鮮度維持に効果のある光を照射することにより、限られた照射出力の光を最も効率よく活用することができる。
【0007】本発明に係る実施の形態1の冷蔵庫の縦断面を示す断面図 赤色光の照射強度と、保存中のホウレンソウの重量減少率との関係を示すグラフ 赤色光の照射なしと照射ありのホウレンソウの4日間保存後の外観写真 実施の形態1の冷蔵庫に設けられた制御部の構成を示すブロック図 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の上からの見取り図 実施の形態1の冷蔵庫における野菜収納ケースの上からの見取り図 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図(バリエーション1) 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図(バリエーション2) 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の上からの見取り図(バリエーション2) 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図(バリエーション3) 図8aの断面A-A図(バリエーション3) 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図(バリエーション4) 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図(バリエーション5) 照射なしの冷蔵庫および照射ありの冷蔵庫で保存されたホウレンソウの気孔の開口幅の変化を示すグラフ 実施の形態1の冷蔵庫に投入された野菜室の温度変化と各種光源の制御を示すタイムチャート 実施の形態1の冷蔵庫における野菜室温度センサを用いた場合のタイムチャート(バリエーション6) 実施の形態1のユーザ行動と冷蔵庫の制御を示すタイムチャート 実施の形態2の冷蔵庫における野菜室の正面からの断面図 実施の形態3の冷蔵庫における野菜室の右側面からの断面図
【0008】(本開示の基礎となった知見等) 図2aは、ホウレンソウを冷蔵庫野菜室に保存中に赤色光を照射した場合の、ピーク波長における照射強度と保存4日後の重量減少率(値が低いほど鮮度良好)との関係を示す。照射強度が0の場合の重量減少率は15.1%であること(±1σを陰で示した)、照射強度を強くすると重量減少率が一次比例的に低下して鮮度は改善するが、照射強度を170mW/m 2 (飽和点と呼ぶ)以上に上げると鮮度改善効果は飽和して矢印a以上の改善効果は得られないことが分かった。
【0009】また、同様の結果はコマツナなど複数の葉野菜について確認された。図2bに、それぞれ0(照射なし)と170mW/m 2 の照射を行った後、4日間保存したホウレン草の外観を示す。照射なしの個体(写真左)は水分蒸散がより多いために萎れて自重で葉や茎が垂れているのに対して、照射をおこなった個体(写真右)は萎れが少ないために葉や茎が自立できていてより高鮮度な状態と言える。
【0010】上記知見に基づくと、限られた照射出力の赤色光を効率よく活用するためには、飽和点を超えない範囲で強い照射強度を与えることが重要であると判断される。
【0011】すなわち、飽和点を超えると鮮度改善効果が飽和して照射出力の一部が無駄になり、飽和点よりも著しく低い照射強度では鮮度改善効果が明瞭に発揮されない。
【0012】特許文献1,2に開示された冷蔵庫に置いては、近赤外あるいは赤色光源が2次元マトリックス状に配置されているために、2次元マトリックス中央部直下の野菜表面における照射強度が飽和点を超えて出力が無駄に使われる一方で、中央部から離れた箇所では鮮度改善効果が発揮されない恐れがある。
【0013】そこで、本開示は、収納室の外側を循環する冷気により水分が蒸散しやすい前記収納室の開口部の一つまたは複数の辺(壁面)に沿って光源を1次元的に適切な間隔をあけて配置することにより、限られた照射出力を効率よく活用して野菜などの鮮度を改善できる冷蔵庫を提供する。
【0014】なお、野菜の鮮度劣化を抑制する他の手段として冷気導入による冷却が一般的である。冷気導入は生理活性を低減させたり気孔を閉鎖させたりするという正の効果と、野菜を乾燥させる(重量減少させる)という負の効果を同時に有するのに対して、対食品作用光の照射には負の効果がない。
【0015】従って、照射出力の効率さえ適切に考慮すれば、対食品作用光は野菜の鮮度維持のために非常に使い勝手の良い手段である。もちろん、冷気導入と対食品作用光の照射を同時に行ったり、タイミングを分けて実施したりして、正の相乗効果を発揮することも可能である。
【0016】以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0017】なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0018】(実施の形態1) 以下、主に図1~図5を用いて、実施の形態1の冷蔵庫を説明する。
【0019】[1-1.構成] 図1において、左側が冷蔵庫10の正面側であり、右側が冷蔵庫10の背面側である。冷蔵庫10は、主に鋼板により形成された外箱1と、ABSなどの樹脂で成形された内箱2と、外箱1と内箱2との間の空間に充填発泡された断熱材(例えば、硬質発泡ウレタン)21とにより形成された断熱箱体で構成されている。
【0020】冷蔵庫10の断熱箱体は複数の収納室を備えており、それぞれの収納室の正面側開口には開閉可能な扉が配設されている。それぞれの収納室は扉の閉成により冷気が漏洩しないように密閉される。
【0021】実施の形態1の冷蔵庫10においては、最上部の収納室が冷蔵室3である。冷蔵室3の直下の両側には、製氷室4と冷凍/解凍室5の2つの収納室が並設されている。更に、製氷室4と冷凍/解凍室5の直下には冷凍室6が設けられており、冷蔵室3内の最下部には野菜室7が設けられている。実施の形態1の冷蔵庫10における各収納室は、上記の構成を有しているが、この構成は一例であり、各収納室の配置構成は仕様などに応じて設計時に適宜変更可能である。
【0022】冷蔵室3は、食品などの保存物を冷蔵保存するために凍らない温度、具体的な温度例としては1℃~5℃の温度帯で維持される。野菜室7は、冷蔵室3と同等もしくは若干高い温度帯、例えば2℃~7℃に維持される。冷凍室6は、冷凍保存のために冷凍温度帯、具体的な温度例としては、例えば-22℃~-15℃に設定される。冷凍/解凍室5は、通常は冷凍室5と同じ冷凍温度帯に維持され、ユーザの解凍指令に応じて、収納されている保存物(冷凍品)を解凍するための解凍処理が行われる。野菜室7の構成、及び動作に関する詳細については後述する。
【0023】冷蔵庫10の上部には、機械室8が設けられている。機械室8には、圧縮機9および冷凍サイクル中の水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルを構成する部品などが収容されている。なお、機械室8の配設位置としては冷蔵庫10の上部に特定されるものではなく、冷凍サイクルの配設位置などに応じて適宜決定されるものであり、冷蔵庫10の下部などの他の領域に配設してもよい。
【0024】冷蔵庫10の下側領域にある冷凍室6の背面側には、冷却室11が設けられている。冷却室11には、冷気を生成する冷凍サイクルの構成部品である冷却器12、および冷却器12が生成した冷気を各収納室(3、4、5、6、7)に送風する冷却ファン13が設けられている。
【0025】冷却器12が生成した冷気は、冷却ファン13により各収納室に繋がる風路18を流れて、各収納室に供給される。それぞれの収納室に繋がる風路18にはダンパー19が設けられており、圧縮機9と冷却ファン13の回転数制御とダンパー19の開閉制御により、それぞれの収納室が所定の温度帯に維持される。
【0026】また、風路18内には脱臭フィルター(図示せず)が設けられて、庫内の空気のにおい成分を吸着する。冷却室11の下部には、冷却器12やその周辺に付着する霜や氷を除霜するための除霜ヒータ14が設けられている。除霜ヒータ14の下部には、ドレンパン15、ドレンチューブ16、蒸発皿17が設けられており、除霜時などに生じる水分を蒸発させる構成を有する。
【0027】実施の形態1の冷蔵庫10には操作部(図示せず)が備えられている。ユーザが操作部において冷蔵庫10に対する各種の指令(例えば、各収納室の温度設定、急冷指令、解凍指令、製氷停止指令など)を行うことができる。
【0028】また、操作部には異常の発生などを報知する表示部20を有している。なお、冷蔵庫10においては、無線通信部を備えて無線LANネットワークに接続して、ユーザの持つ外部端末から各種指令を入力したり、外部端末に表示したりする構成としてもよい。
【0029】[1-2.野菜室の構成] 図3は、本開示の野菜室7の制御に関する各種センサおよびアクチュエータの入出力関係を示したブロック図である。
【0030】図4aは、第一の実施形態の冷蔵庫の野菜室7の上からの見取り図である。野菜室7は冷蔵室3内に設けられた収納室で、野菜収納ケース7-1が引出し扉方式で設けられている。
【0031】#1野菜室7の背面側には冷気吐出口28と冷気戻り口29が設けられる。野菜室7の天面には、デバイス基板7-2が設けられ、デバイス基板7-2の長手方向は鉛直投影面で、野菜収納ケース7-1内に入るように、野菜室7の左右幅方向に延びて配置している。デバイス基板7-2には、野菜の表面温度を測定するサーモパイル型の野菜温度センサ23、白色光~昼色光を照射する複数の照明光源25、野菜の気孔に作用して水分蒸散を抑制する複数の対食品作用光源26が配置される。実施例の場合、照明光源25と対食品作用光源26はLEDを光源としている。
【0032】照明光源25としては、400~500nmのピーク波長を有する光源と蛍光材により500~650nmの蛍光を発する光源や、約450nm、550nm、650nmの三つのピーク波長を有する光源を用いる。
【0033】対食品作用光源26としては、ピーク波長が600~625nm、または635~655nm、または670~800nmなどの赤色光、ピーク波長が800~1000nmなどの近赤外光が有効である。
【0034】対食品作用光源26のバリエーションとして、UV-A~Cを用いると微生物繁殖を抑制し、UV-Aを用いると特定の野菜や果物に含まれる機能性成分を増加し、UV-Bを用いるとキノコや生鮮肉に含まれるプロビタミンDをビタミンDに変換することも可能である。
【0035】照明光源25が三つのピーク波長を有し、対食品作用光源26として600~700nmの赤色光を用いる場合は、照明光源25の赤色波長のみを点灯可能な構成とすることにより、両光源を兼用することも可能である。
◆ この文献の解決アプローチ
白色照明+赤・近赤外の気孔制御光
文献: 対食品作用光源26としては、ピーク波長が600~625nm、または635~655nm、または670~800nmなどの赤色光、ピーク波長が800~1000nmなどの近赤外光が有効である。
白色照明に長波長光を加える構成は近いが、扉閉中の常時同時点灯や明るさ比率ではなく、投入検知トリガと照射時間で制御しており、トリガ型という別の切り口を示す。
【0036】#7本実施形態の野菜室7は、図4aで示される面に開口している。デバイス基板7-2は、前面開口部7-9の近傍に設けられ、この場合の近傍とは、図4aのように野菜室7の前面開口部7-9を基点とし、デバイス基板7-2に実装された対食品作用光源26までの寸法b、野菜収納ケース7-1内の背面までの寸法cとした時に、寸法比b/cが概ね1/3~1/6である。
【0037】本実施の形態の野菜室7は、野菜収納ケース7-1内の絶対湿度は同じ湿度であるが、冷却部である冷気吐出口28が野菜室7の背面側に設けられるため、前面開口部7-9側が比較的高温、背面側が比較的低温という温度差が生じる。そのため、野菜収納ケース7-1内の相対湿度は前面側で比較的低く、野菜の水分が蒸散しやすい。
【0038】したがって、限られた照射出力の対食品作用光源26は前面側の野菜を狙って照射することが最も効率的である。
【0039】図4bに示すように、対食品作用光源26間の間隔dは、想定する保存野菜30-1、2、・・・、nの左右寸法e1、e2、・・・enとの比較により設けられる。
【0040】emを想定する対象野菜の左右寸法の平均値とすると、寸法比d/emを、概ね1.0(0.5~1.5)とすると野菜の個々の株や束に対して効率よく照射できるために適切である。
【0041】また、デバイス基板7-2の長手方向の両端に位置する対食品作用光源26は野菜収納ケース7-1の内側面から距離f離して設置されるが、距離fは概ねem/2~emに設けるとなおよい。保存野菜30ははだかでも良く、透明な包材で包装されていても構わない。
【0042】#4図5に示すように、対食品作用光源26の照射光軸gは鉛直下方になるようにデバイス基板7-2に設けられている。野菜収納ケース7-1に保存された保存野菜30の葉に対して略90度に照射する構成が、照射強度が最も大きくなるため最も好ましい。
【0043】また、対食品作用光源26の照射光軸gに対する指向性による照射角度が比較的大きい場合には、野菜収納ケース7-1の前方に照射された光は野菜に当たらないことがある。その場合は、野菜室扉7-3の内面側に反射率の高い白色塗装や金属鏡面部材など反射部材を設けると、反射光が野菜収納ケース7-1内の野菜に照射されて照射効率を向上することができる。あるいは野菜室扉7-3を透明部材で作成して、相対する冷蔵室扉20の内表面を反射率の高い部材で設けても同様の効果を発揮できる。
【0044】以下、実施の形態1のバリエーションとして、冷却部から最も離れた開口部の一辺に沿って対食品作用光源26を配置する他の構成例を示す。
【0045】図6の野菜ケース7-1は前面(図の左側)が透明に設けられ、照明光源25と対食品作用光源26を備えたデバイス基板7-2は野菜室7の外部に設けられる。照射光軸gは水平面に対して、45~80度程度に設けられる。
【0046】図4の構成例に比べると、ユーザが視認する角度に近い角度で照射するため、照明光に影が生じず野菜を視認しやすいメリットと視認する方向を向いた葉の鮮度が対食品作用光により維持されて視覚的な鮮度を良くできるというメリットを発揮できる。
【0047】#10図7a,bの野菜室は、野菜を縦置きするための仕切り板7-4を奥行き方向に複数有し、野菜室扉7-3が透明部材で回転軸を底面に形成したスイーベル(回転)方式で設けられ、複数の照明光源25と複数の対食品作用光源26を備えたデバイス基板7-2が冷蔵室扉20の内側で野菜室扉7-3と対向して設けられ、複数の対食品作用光源26がデバイス基板7-2に水平方向に並んで、野菜室扉7-3の投影面内に配置している。本構成の開口部は、前面側である。
【0048】図4、5の構成例に比べると、開口部を小面積に設けられるため野菜室を密閉して室内の湿度を逃がしにくいというメリットが発揮できる。
【0049】また、上記のように光源26を配置することで、光軸gを収納ケース7―1内の前面開口部7-9の近傍を照射するようにしたので、蒸散しやすい前面開口部7-9の近傍に収納された投入野菜の気孔を制御して鮮度劣化を抑制することができる。
【0050】図8a、bは、上段収納ケース7-5と下段収納ケース7-6を有し、下段収納ケース7-6は仕切り板7-4により前部と後部に分けられた構成において、下段収納ケース7-6後部に収納された野菜に対して、光照射する構成を示す。対食品作用光源26が野菜室の側面壁前方に設けられ、照射光軸gは水平面に対して斜め下方に設けられる。
【0051】下段収納ケース7-6の後部の前方方に収納された野菜がまんべんなく照射されるように、対食品光源26のそれぞれが異なる角度の照射光軸gを持つように配置されている。
【0052】#8このような構成にすることにより、上段収納ケース7-5に食品が収納されている場合でも下段収納ケース7-6の内部に照射することができる。なお、上段収納ケース7-5に収納される野菜に照射する場合は、図4,5と同様の構成を用いる。
【0053】図9は、図8と同様に下段収納ケース7-6の前方に対食品作用光を照射する構成である。上段収納ケース7-5の底面7-7は導光板加工されていて、野菜室7の背面壁にデバイス基板7-2を設置し、対食品作用光源26が導光板加工した底面7-7と対向する位置で、背面側から前方に向かって照射されることによって、底面7-7の前方から鉛直下方に照射される。図8の構成に比べて、冷蔵庫の側面を凹加工する必要がないため壁厚を大きく設けて断熱性能を高めることができる。
【0054】図10は、野菜室内に野菜を斜め後方に立てかけて収納できる野菜置き台7-8を設け、対食品作用光源26は照射光軸gを野菜置き台7-8の立てかけ面に対して垂直に設けた構成を示す。図6の構成と同様に視覚的な鮮度を良くできるというメリットがある。
【0055】なお、図示しないが野菜収納ケース7-1の開口部のいずれかの辺に比較的大きな開口部が存在する場合は、湿度が低下しがちなその辺に沿って対食品作用光源26を設けるとよい。
【0056】[1-3.動作] 図4,5のように構成された野菜室7について、以下その動作、作用を説明する。本実施例の野菜室7は、購入後や一時取出し後などで生理的活性が冷却後の保存時と比べて明瞭に高い状態の野菜が投入されたことを検知して、対食品作用光を照射して投入野菜の鮮度劣化を抑制するものである。
【0057】#5図11は購入後の野菜を通常の(対食品作用光を照射しない)野菜室と、照射のある野菜室に投入した後の、ホウレンソウの気孔の開口幅の平均値の変化を比較して示したものである。投入直後は生理活性が高いために盛んに呼吸をおこなうため気孔が比較的開いていたが、いずれの野菜室に保存しても冷暗環境下で気孔は閉じる。
【0058】しかし、気孔の平均開口幅が7μmまで閉鎖される時間を比較すると、照射なしでは約3.5時間要したのに対して、照射ありでは約0.75時間と1/4以下の時間に短縮された。図11の実験結果から分かることは、適切な照射タイミングは野菜が冷却完了する前であること、照射時間は約2時間以下で効果発揮する気孔の大部分が閉じることである。
【0059】図12aは、野菜温度センサ23で検知される野菜の温度と、照明光源25、食品収納検知光源27、対食品作用光源26の点灯状態を示すタイムチャートである。食品収納検知光源は照度センサ24とセットで用いることによって照度に基づいて食品の収納量を判定するためのものであり、照明光源25または対食品作用光源26で代用することもできる。
【0060】時間T1は冷蔵室扉20が開けられたタイミング、T2は野菜収納ケース7-1が開けられたタイミング、T3は野菜収納ケース7-1、冷蔵室扉20共に閉められたタイミング、T4は野菜の投入判定のタイミングでT3から所定時間(例えば1分)経過後に設定される。
【0061】T5は対食品作用光源26をOFFするタイミングで、T4から所定時間(例えば1時間)経過後に設定される。温度閾値aは生理活性の高い野菜の投入を検知するための閾値(例えば18℃)である。温度閾値bは対食品作用光源26を所定時間よりも短縮してOFFするための閾値(例えば10℃)である。
【0062】#2以下、図12aに基づいて時系列で本実施の形態の冷蔵庫の制御を説明する。ユーザが冷蔵室扉20を開ける(T1)と照明光源25を点灯し、ユーザの庫内視認を助ける。また、制御部(図示せず)は投入判定の待機モードになる。
【0063】ユーザが野菜収納ケース7-1を開けて(T2)、常温で生理活性の高い野菜を投入した場合、野菜温度センサ23により検知される温度は急上昇する。ユーザが野菜収納ケース7-1と冷蔵室扉20を共に閉めたら(T3)、食品収納検知光源27を短時間点灯させて野菜収納ケース7-1内の反射散乱光を照度センサ24で受光することにより野菜の収納量が増えたことを検知する。
【0064】所定時間後(T4)、食品温度センサ23検知値は閾値aを上回ったので対食品作用光源26がONされ、時間T5まで所定の累計時間照射された。対食品作用光源26の照射開始の判定は、食品温度のみでおこなってもよいし、収納量検知結果を加味しても構わない。
【0065】図12aには示していないが、照射は一時停止されることもある。例えば、照射中に冷蔵庫扉20が開けられた場合、ユーザが庫内を視認するためには赤色の対食品作用光源26が点灯したままでは野菜本来の色を確認するうえで不都合であるため消灯する。
【0066】また、冷却ダンパー19などのデバイスが作動するタイミングでは電源容量超過を防ぐために、一時消灯しても構わない。いずれの一時消灯の場合でも、累積照射時間が所定時間(T5-T4)を超えることによって照射完了する。
【0067】#3T3以降、野菜の表面は冷却されるために徐々に温度が低下して生理活性が低減する。 野菜の温度が閾値bを下回った時点がT5よりも早ければ対食品作用光源26の照射を短縮して完了しても構わない(図12aは短縮できない例である)。照射短縮によって冷蔵庫の消費エネルギーを節約することができる。
【0068】なお、野菜温度センサ23としてサーモパイル型の温度センサを使う代わりに、野菜室温度センサ21や湿度センサ、CO2センサを用いて間接的に比較的生理活性の高い野菜の投入を検知して制御することも可能である。
【0069】野菜室温度センサ21を用いた場合の制御例を図12bに示す。ユーザが野菜収納ケース7-1を開けると(T2)、検知温度は上昇を始め、検知温度が閾値cを上回ることにより野菜収納ケース7-1の開放と判定する。
【0070】野菜室温度センサ21の設置位置によって開放判定のタイミングがT2よりも遅れるが、その遅延を考慮してT2を推定する。T2から所定時間(例えば10分)経過後のT4における検知温度が閾値aを上回っている場合は、対食品作用光源26の照射を開始する。
【0071】なお、ユーザが野菜収納ケース7-1を開けるが冷却済みの野菜を投入したり、開けただけで何も投入しなかったりした場合には、投入熱負荷が比較的小さいためにT4における検知温度は閾値aを下回って対食品作用光源26の照射はおこなわれない。
【0072】図13は、様々な照射開始パターンを説明するために、数日オーダーでの制御を示すタイムチャートである。T11時点でユーザが比較的生理活性の高い野菜を新規に投入したことにより、検知温度が上昇して閾値aを超えるために対食品作用光源26が照射される。
【0073】#9T12時点で、冷蔵庫のデフロスト(霜取り)運転が行われたことによって、在庫野菜が温められ野菜の生理活性が一時上昇する可能性があるため、デフロスト信号をトリガーにして対食品作用光源26が照射される。
【0074】T13時点で、ユーザが調理などのために野菜を一時取出しして室温で温められた野菜を再度保存した。検知温度が上昇して閾値aを超えるために対食品作用光源26が照射される。対食品作用光源26は、非照射時間がh時間以上継続した場合には、再度照射されるものとする。
【0075】T14時点で照射後、h時間後のT15時点では検知温度やデフロスト信号の有無に関わらず照射を開始する。これは冷蔵庫内での様々な環境変化、例えばエチレン濃度の上昇など検知対象ではない要因によっても野菜が刺激を受けて生理活性が高まる可能性に対応するためである。
【0076】上記以外にも、例えば野菜収納ケース7-1内の湿度が所定値よりも上昇した際には対食品作用光を照射して、野菜の気孔を閉鎖して結露を抑制する使い方も可能である。
【0077】また、デバイス基板7-2には波長の異なる照明光源25と対食品作用光源26が並列されて同一方向を照射するので、両光源の一部を同時に点灯することにより照明色の色調を変化することが可能である。
【0078】例えば、次のようにして赤色の野菜が保存されている箇所を検知して、開扉時の照明色を赤色野菜の近傍だけ赤色味の強い照明とすることにより視覚的な高鮮度を演出することが可能である。
【0079】図12aのタイムチャートでT3以降に食品収納検知をおこなう際に、赤色の対食品作用光源26を1つずつ点灯して照度センサ24の検知をおこなうことにより、左右方向のどの位置に赤色食品が収納されているかが判定できる。
【0080】#6また、別の使用例として、時間帯により、例えば朝~昼間は昼光色で照明し、夕方~夜はより色温度の低い光で照明することによって、ユーザの視認性をよくしたりリラックスさせたりする効果を発揮することもできる。
【0081】[1-4.効果等] 以上のように、本実施の形態において、冷蔵庫10は、複数の対食品作用光源26を開口部の冷却部から離れた前方の1辺に沿って配置し照射することにより、野菜収納ケース7-1内で相対湿度が低い環境に曝露される野菜を中心に光照射して鮮度改善効果を発揮することができるので、限られた照射出力を効率よく活用することができる。
【0082】加えて、対食品作用光源26が適切な間隔をあけて配置されることにより、野菜の受光面での照射強度を飽和させることなく、かつ前方全体に限られた照射出力の光を均等に照射して効率的に鮮度劣化を改善することができる。
【0083】(実施の形態2) 以下、図14を用いて実施の形態2を説明する。実施の形態1と共通の点が多いため、異なる部分に絞って説明する。
【0084】[2-1.構成] 図14は、本実施の形態の冷蔵庫野菜室7の前面からの断面図である。野菜室7天面の中央部には結露を吸収し毛管作用により広範囲に広げて湿度を放出する調湿材31が配置される。野菜室7天面の左右両端部に複数の対食品作用光源26が前後方向(図の奥行き方向)に並べて配置される。対食品作用光源26の光軸gは底面に対して垂直に設けられる。
【0085】[2-2.効果等] 野菜収納ケース7-1内の中央部に収納された野菜は調湿材31に近いために、調湿材から湿度を供給されて水分蒸散による鮮度劣化を抑制することができる。
【0086】一方、野菜収納ケース7-1内の左右両側に収納された野菜は、開口部の周辺に近く調湿材31からも比較的遠いために、相対的に湿度の低い環境に曝露される。
【0087】本実施の形態において、冷蔵庫10は、対食品作用光源26が主に左右両側の低湿度環境に置かれた野菜に対して光照射による鮮度改善効果を発揮することができるので、限られた照射出力を効率よく活用することができる。
【0088】実施の形態1と比較すると調湿材31による湿度維持効果も合わせて発揮されるため、より確実に野菜の乾燥を防ぎ鮮度をより高いレベルで維持できるというメリットがある。
【0089】(実施の形態3) 以下、図15を用いて実施の形態3を説明する。
【0090】[3-1.構成] 図15は、本実施の形態の冷蔵庫野菜室7の右側面からの断面図である。野菜室7の内側背面には複数の対食品作用光源26が冷蔵庫左右方向(図の奥行き方向)に並べて配置される。また、野菜室7天面の、対食品作用光源26と近接する前方位置に導光板32が配置される。導光板32は背面から照射された光を前方に導光し、野菜収納ケース7-1内の後方で鉛直下方に光を屈折して光軸gで、野菜収納ケース7-1内へ照射する。
【0091】また、図示しないがバリエーション例として、上下の野菜収納ケースの分割隙間に沿って対食品作用光源26を配置して、ケース隙間から内部を照射してもよい。
【0092】[3-2.効果等] 以上のように、本実施の形態において、野菜収納ケース7-1内部の背面側は冷気吐出口28に近いため、保存野菜30の蒸散水分により結露しやすい。野菜収納ケース7-1内の背面側に収納された野菜は、結露によって濡れやすくそのため微生物が繁殖しやすいという潜在課題にさらされる。
【0093】また、保存野菜30が比較的低温に弱い種類の野菜である場合は、低温障害という潜在課題にさらされる。
【0094】本実施の形態において、冷蔵庫10は、対食品作用光源26が主に背面側に置かれた野菜に対して光照射して微生物の繁殖抑制や水分蒸散抑制による低温障害防止などの鮮度改善効果を発揮することができるので、限られた照射出力を効率よく活用することができる。
【0095】実施の形態1と比較すると、ユーザが視認しにくい位置にあるために長期間保存されがちな背面側の野菜に対して鮮度維持効果を発揮するというメリットがある。一方、実施の形態1はユーザが視認しやすい位置の野菜を特に鮮度良く保つことができるので、冷蔵庫内の食材を見栄えよく保つことができるというメリットがある。
【0096】なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0097】本発明の冷蔵庫においては野菜室を有する家庭用冷凍冷蔵庫への応用を念頭に説明したが、それ以外にも、業務用冷蔵庫、販売店舗用の野菜冷蔵ショーケースや花卉のショーケース、農業用選果ライン、植物工場、家畜や動物の自動給餌装置、仏壇の供花照明に対しても有用性を発揮するものと考える。
【0098】1 外箱 2 内箱 3 冷蔵室 4 製氷室 5 冷凍/解凍室 6 冷凍室 7 野菜室 7-1 野菜収納ケース 7-2 デバイス基板 7-3 野菜室扉 7-4 仕切り板 7-5 上段収納ケース 7-6 下段収納ケース 7-7 導光板加工された底面 7-8 野菜置き台 8 機械室 9 圧縮機 10 冷蔵庫 11 冷却室 12 冷却器 13 冷却ファン 14 除霜ヒータ 15 ドレンパン 16 ドレンチューブ 17 蒸発皿 18 風路 19 冷却ダンパー 20 冷蔵室扉 21 野菜室温度センサ 22 扉開閉センサ 23 野菜温度センサ 24 照度センサ 25 照明光源 26 対食品作用光源 27 食品収納検知光源 28 冷気吐出口 29 冷気戻り口 30 保存野菜 31 調湿材 32 導光板
ヒントあり鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫、及び、陳列装置
特開2017-046629 / 出願人: パナソニックIPマネジメント株式会社 / 発明者: 太田 高志、原田 和樹、青木 慎一、山田 真 / 出願日: 2015-09-01 / 公開日: 2017-03-09 / 検索20位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 青色光とミスト散布後の赤外・赤色光照射 収穫後の農作物に青色光を短時間照射しつつ水のミストを散布し、その後に赤外光または赤色光を照射して気孔を介した水分蒸散を抑え、冷蔵なしで鮮度を保つ。白色光下でも実施できる。
▸ 示唆: 赤外・赤色光で蒸散を抑える点は転用のヒントになるが、白色光との同時照射や比率ではなく、青色光+ミスト後の逐次照射である。
AIが精読したのは全153段落のうち検索が当てた10チャンク(58段落・38%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#5本発明は、収穫後の農作物の鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫、及び、陳列装置に関する。
【0002】収穫後の農作物の鮮度の保持は、商品価値に大きく影響するため極めて重要である。農作物の鮮度は、重量減少量(水分蒸散量)などによって評価することができる。農作物の鮮度を保持する技術として、従来、冷蔵が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】特開2002―267348号公報
【0004】しかしながら、農作物の冷蔵はコストがかかる上に、輸送中などにおいては冷蔵が十分にできない場合がある。
【0005】本発明は、冷蔵とは異なる方法で農作物の鮮度を保持することができる鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫、及び、陳列装置を提供する。
【0006】本発明の一態様に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物の鮮度保持方法であって、前記農作物に青色光を照射し、前記青色光の照射中に、前記農作物に水のミストを散布する。
【0007】本発明の一態様に係る鮮度保持装置は、収穫後の農作物の鮮度保持装置であって、前記農作物に青色光を照射する第一照射部と、前記青色光の照射中に、前記農作物に水のミストを散布する噴霧部とを備える。
【0008】本発明の一態様に係る収納庫は、前記鮮度保持装置と、前記農作物を収納する筐体とを備える。
【0009】本発明の一態様に係る陳列装置は、前記鮮度保持装置と、前記農作物が陳列される棚とを備える。
【0010】本発明によれば、冷蔵とは異なる方法で農作物の鮮度を保持することができる。
【0011】図1は、実施の形態1に係る収納庫の外観斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る鮮度保持装置の動作1のフローチャートである。 図4は、ピーク波長が450nmの青色光の発光スペクトルを示す図である。 図5は、実験1の結果を示す図である。 図6は、実験2の結果を示す図である。 図7は、実施の形態1に係る鮮度保持装置の動作2のフローチャートである。 図8は、実験3の結果を示す図である。 図9は、実験4の結果を示す図である。 図10は、農作物に赤色光を照射したときの水分保持率の変化を示す図である。 図11は、実施の形態2に係る陳列装置の外観斜視図である。 図12は、実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模式断面図である。 図13は、実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成を示すブロック図である。 図14は、発光モジュールの詳細な構成を示す図である。 図15は、別の形態の陳列装置を示す模式図である。
【0012】以下、実施の形態に係る鮮度保持装置等について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】(実施の形態1) [収納庫の構成] まず、実施の形態1に係る収納庫の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る収納庫の外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成を示すブロック図である。
【0015】図1に示される収納庫100は、収穫後の農作物30を収納(保管)する収納庫であって、例えば、農作物30を販売する店舗のバックヤードに設置される。収納庫100は、筐体20と、扉22と、鮮度保持装置10とを備える。
【0016】筐体20は、外形が略直方体状であり、筐体20の内部の空間である直方体状の収納部21(収納スペース)に前方から農作物30が出し入れされる。筐体20は、例えば、アルミニウムなどの金属により形成されるが、樹脂により形成されてもよい。なお、筐体20の形状、及び、筐体20の材質などは、一例であり、特に限定されない。
【0017】収納部21の前方には開閉自在な扉22(カバー)が設けられる。扉22を閉めて第一照射部13、第二照射部14、及び、第三照射部15をオフすると、収納部21内は暗闇(0ルクスの環境)になる。
【0018】鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30の鮮度保持するための装置である。図1及び図2に示されるように、鮮度保持装置10は、電力プラグ11と、コントローラ12と、第一照射部13と、第二照射部14と、第三照射部15と、噴霧部16とを備える。
【0019】電力プラグ11は、受電部の一例であって、端子部11aと、電力変換部11bとを有する。電力プラグ11は、いわゆるACアダプタである。
【0020】端子部11aは、コンセントに差し込まれる金属製の端子からなる。端子部11aの形状及び材質などは特に限定されない。
【0021】電力変換部11bは、端子部11aが受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ12、第一照射部13、第二照射部14、第三照射部15、及び噴霧部16に直流電力を供給する。電力変換部11bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、収納庫100においては、電力変換部11bは、筐体20の外に配置されるが、電力変換部11bは、筐体20に内蔵されてもよい。
【0022】第一照射部13は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に常温環境下で青色光を照射する。ここで、青色光は、例えば、430nm以上470nm以下の範囲に発光ピーク(発光の中心波長)を有し、発光スペクトルの全体が350nm以上550nm未満の範囲に含まれる光である。第一照射部13は、具体的には、基板と、当該基板に実装された複数の青色LEDとからなる発光モジュールであるが、青色光を発することができるのであれば、どのような態様であってもよい。なお、図1では、第一照射部13は模式的に図示されており、第一照射部13の形状を正確に示しているわけではない。
【0023】なお、第一照射部13が照射する青色光(青色光の発光スペクトル)は、典型的には1つのピークを有するが、波長が互いに異なる2以上のピークを有してもよい。例えば、後述する実験においては、第一照射部13は、ピーク波長が450nmの青色の単色光を照射する。
【0024】第二照射部14は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に常温環境下で赤外光を照射する。ここで、赤外光は、例えば、700nm以上2500nm以下の範囲に発光ピーク(発光の中心波長)を有する近赤外光であるが、特に限定されない。第二照射部14は、具体的には、基板と、当該基板に実装された複数の赤外LEDとからなる発光モジュールであるが、赤外光を発することができるのであれば、どのような態様であってもよい。なお、図1では、第二照射部14は模式的に図示されており、第二照射部14の形状を正確に示しているわけではない。
【0025】第二照射部14が照射する赤外光(赤外光の発光スペクトル)は、典型的には1つのピークを有するが、波長が互いに異なる2以上のピークを有してもよい。
【0026】なお、第二照射部14は、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に常温環境下で赤色光を照射してもよい。赤色光は、例えば、610nm以上670nm以下の範囲に発光ピーク(発光の中心波長)を有し、発光スペクトルの全体が400nm以上700nm未満の範囲に含まれる光である。赤色光を発する第二照射部14は、具体的には、基板と、当該基板に実装された複数の赤色LEDとからなる発光モジュールである。
【0027】第三照射部15は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に白色光を照射する。第三照射部15は、具体的には、第一照射部13による青色光の照射中に、農作物30に白色光を照射する。白色光は、例えば、発光スペクトルの全体が350nm以上700nm未満の範囲に含まれる光である。
【0028】第三照射部15は、例えば、基板と、当該基板に直接実装された複数の青色LEDと、当該複数の青色LEDを封止する、黄色蛍光体粒子を含有する封止部材とからなるCOB(Chip On Board)構造の発光モジュールである。なお、第三照射部15は、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよいし、リモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。第三照射部15は、白色光を発することができるのであれば、どのような態様であってもよい。なお、図1では、第三照射部15は模式的に図示されており、第三照射部15の形状を正確に示しているわけではない。
【0029】なお、第一照射部13、第二照射部14、及び第三照射部15は、一つの照射部として構成されてもよい。このような照射部は、例えば、白色光を発するLED素子と青色LEDと赤外LEDとの3種類の発光素子が実装された基板を有する発光モジュールある。また、このような照射部は、白色光を発する発光モジュールであって、白色光の青色成分を有意に増加させ、かつ、赤外光の成分が加えられた発光モジュールであってもよい。
【0030】噴霧部16は、第一照射部13による青色光の照射中に、農作物30に水のミストを散布する。噴霧部16は、具体的には、二流体方式の噴霧装置である。二流体方式は、圧縮空気の高速気流により水を粉砕することによって微細化し、粒径数μmのミストを発生させる方式である。なお、噴霧部16は、高圧一流体式の噴霧装置であってもよいし、超音波式の噴霧装置であってもよい。なお、詳細については図示されないが、噴霧部16へは、給水タンク23から水が供給される。
【0031】水のミストは、農作物30が有する気孔を通じて当該農作物30に水分を供給するために行われる。したがって、噴霧部16が散布する水のミストは、気孔よりも小さい微細な水の粒子からなることが好ましく、具体的には、粒径10μm以下の微細な水の粒子からなるとよい。噴霧部16が散布する水のミストは、粒径5μm以下の水の粒子からなるとさらによい。水の粒子の粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば、1μm以上である。
【0032】#7コントローラ12は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、第一照射部13、第二照射部14、第三照射部15、及び噴霧部16を制御するコントローラである。コントローラ12は、例えば、第一照射部13が照射する青色光の強度、及び、第一照射部13が照射する青色光の照射時間を制御する。また、コントローラ12は、例えば、第一照射部13、第二照射部14、第三照射部15、及び、噴霧部16のそれぞれのオン及びオフを制御する。コントローラ12は、第二照射部14が照射する白色光の強度を制御してもよい。
【0033】コントローラ12は、具体的には、第一照射部13の照度を制御するためのPWM制御回路(調光回路)、及び、第一照射部13の照射時間を制御するためのタイマ回路、噴霧部16のオン及びオフを制御する制御回路などから構成される。コントローラ12は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって構成されてもよい。なお、収納庫100においては、コントローラ12は、筐体20の外に配置されるが、コントローラ12の一部または全部は、筐体20に内蔵されてもよい。
【0034】なお、コントローラ12は必須ではないが、鮮度保持装置10は、コントローラ12を有することが好ましい。青色光の強度を制御するコントローラと、青色光の照射時間を制御するコントローラとは、別体のコントローラとされてもよい。第一照射部13、第二照射部14、及び、第三照射部15を制御するコントローラと、噴霧部16を制御するコントローラとが別体のコントローラとされてもよい。また、コントローラ12は、第一照射部13、第二照射部14、第三照射部15、及び噴霧部16のいずれかと一体として構成されてもよい。コントローラ12の具体的な態様は、特に限定されるものではなく、コントローラ12としては、従来の公知のコントローラが用いられるとよい。
【0035】#2なお、収納庫100は、収納部21内を冷却する冷却装置を備えてもよい。つまり、収納庫100は、冷蔵庫であってもよいが、実施の形態1に係る収納庫100は、冷却装置を備えない。言い換えれば、収納庫100は、収納部21内の(農作物30の周辺の)環境温度の制御を行わない。
【0036】また、収納庫100が大きな収納部21を備える場合には、農作物30がベルトコンベアに載置され、ベルトコンベアの移動により、第一照射部13の直下に位置する農作物30が順番に光の照射及び水のミストの散布を受けてもよい。つまり、農作物30は、ベルトコンベアの上で搬送方向に移送されながら光の照射及び水のミストの散布を受けてもよい。
【0037】[鮮度保持装置の動作1] 次に、鮮度保持装置10の動作1(鮮度保持方法)について説明する。図3は、鮮度保持装置10の動作のフローチャートである。
【0038】収納部21に収穫後の農作物30が収納された状態において、第三照射部15は、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に白色光を照射する(S11)。言い換えれば、鮮度保持装置10のコントローラ12は、第三照射部15に白色光を照射させる。なお、白色光の照射は、必須ではない。
【0039】次に、第一照射部13は、第二照射部14によって白色光が照射されている状態で、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に青色光を照射する(S12)。言い換えれば、鮮度保持装置10のコントローラ12は、第一照射部13に青色光を照射させる。青色光の照射は、例えば、30分以下の期間行われた後、停止される。
【0040】噴霧部16は、コントローラ12の制御に基づいて、第一照射部13による青色光の照射中に、農作物30に水のミストを散布する(S13)。言い換えれば、鮮度保持装置10のコントローラ12は、噴霧部16に水のミストを散布させる。噴霧部16は、例えば、青色光が照射されている期間は常に水のミストを散布してもよいし、青色光が照射されている期間の一部のみ、水のミストを散布してもよい。
【0041】[実験1] 上記動作1で述べたように、鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30に青色光を照射し、かつ、青色光の照射中に水のミストを農作物30に散布する。これにより、鮮度保持装置10は、農作物30の鮮度の低下を抑制することができる。以下、鮮度保持装置10を用いて行った実験について説明する。
【0042】実験1では、農作物30として、ホウレンソウが使用された。実験1においては、第三照射部15によりホウレンソウに白色光を照射した800ルクス環境下で、以下の3つの条件のいずれかの処置がされたホウレンソウを放置して水分保持率の変化を測定した。
【0043】条件(1)ピーク波長が450nmの青色の単色光を30分間照射し、かつ、この30分間、水のミストを散布 条件(2)ピーク波長が450nmの青色の単色光を10分間照射し、かつ、この10分間、水のミストを散布 条件(3)青色の単色光の照射、及び、水のミストの散布なし
【0044】なお、ピーク波長が450nmの青色の単色光(以下、単に450nmの青色光と記載する)の発光スペクトルは、図4に図示されている。図4は、ピーク波長が450nmの青色の単色光の発光スペクトルを示す図である。なお、このような青色光のピーク波長は一例であり、青色光のピーク波長は、特に限定されない。
【0045】実験1は、より詳細には、温度20℃以下、湿度80%以下、青色光の光量子束密度(照射強度)0.5μ・mol・m −2 ・s −1 の条件で行われた。噴霧部16によって散布される水のミストは、粒径が数μm程度(粒径10μm以下)の微細な水の粒子からなる。
【0046】水分保持率は、以下の式で算出される。
【0047】水分保持率[%]= (保管期間経過後の重量/光照射及びミスト散布前の重量)×100
【0048】なお、実験1では、各条件において、ホウレンソウの数n=2〜3について水分保持率を算出し、算出した水分保持率の平均値が図5でプロットされている。
【0049】図5は、実験1の結果を示す図である。図5に示されるように、処置が行われてから1日経過後、及び、2日経過後のいずれにおいても、条件(2)、条件(1)、条件(3)の順に水分保持率が高い。つまり、青色光の照射及び水のミストの散布により、水分保持率(鮮度)の低下が抑制されるという結果が得られた。また、青色光の照射及び水のミストの散布は、10分間行われるほうが、30分間行われるよりも水分保持率の低下をより抑制することができるという結果が得られた。
【0050】なお、青色光の照射及び水のミストの散布により、農作物30の水分保持率の低下を抑制できる理由は、はっきりしていない。ここで、農作物30は、青色光が照射されると気孔が開くことが知られており、青色光の照射中に水のミストの散布を行うことによって、農作物30に気孔を通じて水分補給されることが一因ではないかと推測される。
【0051】[実験2] 実験2では、農作物30として、イチゴが使用された。その他の条件は、実験1と同一である。図6は、実験2の結果を示す図である。
【0052】図6に示されるように、処置が行われてから4日経過後において、条件(1)、条件(2)、条件(3)の順に水分保持率が高い。つまり、青色光の照射及び水のミストの散布により、水分保持率(鮮度)の低下が抑制されるという結果が得られた。また、青色光の照射及び水のミストの散布は、30分間行われるほうが、10分間行われるよりも水分保持率の低下をより抑制することができるという結果が得られた。
【0053】[鮮度保持装置の動作2] 次に、鮮度保持装置10の動作2(鮮度保持方法)について説明する。図7は、鮮度保持装置10の動作のフローチャートである。
【0054】図7に示されるように、動作2のフローチャートにおいては、青色光の照射及び水のミストの散布の後に、第二照射部14によって赤外光の照射が行われる(S14)。これにより、以下の実験結果に示されるように、農作物30の水分保持率の低下をさらに抑制する効果が得られる。
【0055】[実験3] 実験3では、農作物30として、イチゴが使用される。実験3においては、第三照射部15によりイチゴに白色光を照射した800ルクス環境下で、以下の2つの条件のいずれかの処置がされたイチゴを放置して水分保持率の変化を測定した。
【0056】条件(1)ピーク波長が450nmの青色の単色光を10分間照射し、かつ、この10分間、水のミストを散布。その後、赤外光の照射は行わない。
【0057】条件(2)ピーク波長が450nmの青色の単色光を10分間照射し、かつ、この10分間、水のミストを散布。その後、ピーク波長が735nmの赤外光を60分間照射。
【0058】実験3は、より詳細には、温度20℃以下、湿度80%以下の条件で行われた。なお、実験3では、各条件において、イチゴの数n=2〜3について上記の式に基づいて水分保持率を算出し、算出した水分保持率の平均値が図8でプロットされている。図8は、実験3の結果を示す図である。
【0059】図8に示されるように、処置が行われてから3日経過後、及び、4日経過後のいずれにおいても、条件(2)、条件(1)の順に水分保持率が高い。つまり、青色光の照射及び水のミストの散布後、赤外光がさらに照射されることにより、水分保持率の低下がさらに抑制されるという結果が得られた。
【0060】なお、青色光の照射及び水のミストの散布後、赤外光がさらに照射されることにより、農作物30の水分保持率の低下を抑制できる理由は、はっきりしていない。ここで、上述のように農作物30は、青色光が照射されると気孔が開くことが知られているが、その後赤外光がさらに照射されることにより、気孔の間隔が狭められ、蒸散が抑制されているのではないかと推測される。
【0061】[実験4] 実験4は、第三照射部15によりイチゴに白色光を照射した400ルクス環境下で行われた。その他の条件は、実験3と同一である。図9は、実験4の結果を示す図である。
【0062】図9に示されるように、処置が行われてから3日経過後、及び、4日経過後のいずれにおいても、条件(2)、条件(1)の順に水分保持率が高い。つまり、青色光の照射及び水のミストの散布後、赤外光がさらに照射されることにより、水分保持率の低下がさらに抑制されるという結果が得られた。
【0063】#1[実験の補足] 上記の実験1〜4では、青色光の光量子束密度は、0.5μ・mol・m −2 ・s −1 であったが、青色光の光量子束密度が0.1μmol・m −2 ・s −1 以上10μmol・m −2 ・s −1 以下であれば、水分保持率の低下を抑制する効果が得られる。また、青色光の光量子束密度が0.1μmol・m −2 ・s −1 未満、または、10μmol・m −2 ・s −1 よりも大きい場合であっても、青色光の照射及び水のミストの散布を行わない場合に比べれば一定の鮮度保持効果は得られる。
【0064】また、上記実験1〜4では、青色光の照射時間は、10分間または30分間であったが、青色光の照射時間は、30分以下であれば水分保持率の低下を抑制する効果が得られる。青色光の照射時間は、1分以上30分以下であるとよい。また、青色光の照射時間が30分よりも長い場合であっても、青色光の照射を行わない場合に比べれば一定の鮮度保持効果は得られる。
【0065】また、上記実験1〜4では、青色光のピーク波長は、450nmであったが、青色光のピーク波長が445nm以上455nm以下であれば、青色光のピーク波長が450nmのときの実験結果に近い鮮度保持効果が得られる。
【0066】また、上記実験3及び4では、上記実験3及び4では、赤外光の照射時間は、60分間であったが、赤外光の照射時間は、60分よりも短くてもよいし、60分より長くても、よい。
【0067】また、上記実験3及び4では、赤外光のピーク波長は、735nmであったが、赤外光のピーク波長が730nm以上740nm以下であれば、赤外光のピーク波長が735nmのときの実験結果に近い鮮度保持効果が得られる。
【0068】#6なお、上記実験3及び4では、青色光の照射及び水のミストの散布の後に、農作物30に赤外光の照射が行われたが、第二照射部14は、赤外光に代えて赤色光を農作物30に照射してもよい。図10に示されるように、800ルクス環境下で農作物30(具体的には、イチゴ)に660nmの赤色光の照射のみを行っても(図10の条件(1))、赤色光が照射されないとき(図10の条件(2))に比べて当該農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。図10は、農作物に赤色光を照射したときの水分保持率の変化を示す図であり、図10のグラフの元となった実験では、青色光の照射及び水のミストの散布は行われていない。
【0069】図10に示される結果が得られる理由は、はっきりしていないが、赤色光の照射によって農作物30の気孔の間隔が狭められ、蒸散が抑制されるのではと推測される。この推測に基づけば、青色光の照射及び水のミストの散布の後に、赤外光に代えて赤色光が農作物30に照射されても、農作物30の水分保持率の低下を抑制する効果が得られると考えられる。
【0070】[効果等] 以上説明したように、収納庫100または鮮度保持装置10によって行われる鮮度保持方法は、収穫後の農作物30の鮮度保持方法であって、農作物30に青色光を照射し、青色光の照射中に、前記農作物に水のミストを散布する。
【0071】このような鮮度保持方法は、上記実験結果に示されるように、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。つまり、冷蔵とは異なる方法で農作物30の鮮度を保持することができる。
【0072】#8また、上記鮮度保持方法においては、常温環境下において、1つの農作物30に対して1回、青色光の照射及び水のミストの散布が行われれば、その後に特別な処置を行う必要はない。つまり、鮮度保持装置10、収納庫100、及び鮮度保持方法によれば、当該農作物30の水分保持率の低下を簡単に抑制することができる。
【0073】また、上記鮮度保持方法においては、さらに、青色光の照射及び水のミストの散布の終了後、農作物30に赤外光または赤色光を照射してもよい。
【0074】これにより、上記実験結果に示されるように、農作物30の水分保持率の低下をさらに抑制することができる。
【0075】また、上記鮮度保持方法においては、さらに、青色光の照射中に、農作物30に白色光を照射してもよい。
【0076】このように、上記鮮度保持方法は、白色光によって照明されている環境下においても、青色光の照射及び水のミストの散布により、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0077】また、青色光の光量子束密度は、0.1μmol・m −2 ・s −1 以上10μmol・m −2 ・s −1 以下であってもよい。
【0078】このように、上記鮮度保持方法は、0.1μmol・m −2 ・s −1 以上10μmol・m −2 ・s −1 以下の光量子束密度で青色光を照射することにより、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0079】また、青色光の照射時間は、30分以下であってもよい。
【0080】このように、上記鮮度保持方法は、30分以下の期間、青色光を照射することにより、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0081】また、青色光の発光スペクトルは、350nm以上550nm以下の範囲に含まれてもよい。
◆ この文献の解決アプローチ
青色光とミスト散布後の赤外・赤色光照射
文献: さらに、青色光の照射及び水のミストの散布の終了後、農作物30に赤外光または赤色光を照射してもよい。
赤外・赤色光で蒸散を抑える点は転用のヒントになるが、白色光との同時照射や比率ではなく、青色光+ミスト後の逐次照射である。
【0082】#10このように、上記鮮度保持方法は、発光スペクトルが350nm以上550nm未満の範囲に含まれる青色光の照射により、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0083】また、水のミストは、粒径10μm以下の水の粒子からなってもよい。
【0084】これにより、農作物30の気孔に水分が入りやすくなるため、上記鮮度保持方法は、農作物30の水分保持率の低下をさらに抑制することができる。
【0085】また、農作物30は、野菜類、果実類、または、花卉類に属してもよい。
【0086】このように、上記鮮度保持方法は、野菜類、果実類、または、花卉類に属する農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。つまり、上記鮮度保持方法は、このように多種多様な農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0087】また、鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30の鮮度保持装置10であって、農作物30に青色光を照射する第一照射部13と、青色光の照射中に、農作物30に水のミストを散布する噴霧部16とを備える。
【0088】これにより、鮮度保持装置10は、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。つまり、冷蔵とは異なる方法で農作物30の鮮度を保持することができる。
【0089】また、鮮度保持装置10は、さらに、第一照射部13が照射する青色光の強度、及び、第一照射部13が照射する青色光の照射時間の少なくとも一方を制御するコントローラ12を備えてもよい。コントローラ12は、制御部の一例である。
【0090】これにより、鮮度保持装置10は、第一照射部13が照射する青色光の強度、及び、第一照射部13が照射する青色光の照射時間の少なくとも一方を制御することができる。
【0091】また、鮮度保持装置10は、さらに、青色光の照射及び水のミストの散布の終了後、農作物30に赤外光または赤色光を照射する第二照射部14を備えてもよい。
【0092】これにより、鮮度保持装置10は、上記実験結果に示されるように、農作物30の水分保持率の低下をさらに抑制することができる。
【0093】また、鮮度保持装置10は、さらに、青色光の照射中に、農作物30に白色光を照射する第三照射部15を備えてもよい。
【0094】これにより、鮮度保持装置10は、農作物30に白色光(照明光)を照射することができる。
【0095】また、収納庫100は、鮮度保持装置10と、農作物30を収納する筐体20とを備える。
【0096】これにより、収納庫100は、農作物30を収納し、かつ、農作物30の水分保持率の低下を抑制することができる。
【0097】(実施の形態2) [構成] 以下、実施の形態2として、鮮度保持装置を有する陳列装置について説明する。図11は、実施の形態2に係る陳列装置の外観斜視図である。図12は、実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模式断面図である外観斜視図である。図13は、実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置(以下、実施の形態2に係る鮮度保持装置とも記載する)の機能構成を示すブロック図である。
【0098】図11及び図12に示される陳列装置200は、収穫後の農作物30が陳列(載置)される複数の棚202を有する陳列装置200であって、例えば、農作物30を販売する店舗の売り場に設置される。陳列装置200は、本体部201と、棚202と、土台部203と、鮮度保持装置210とを備える。
【0099】本体部201は、農作物30を収容するスペースを形成する。本体部201は、側板、天板、及び、後板、並びに、これらを保持するフレームなどからなり、本体部201の前方は、開放されている。本体部201は、具体的には、アルミニウムまたは鉄などの金属及び、樹脂によって形成される。
【0100】棚202は、本体部201によって形成されるスペースを上下方向において区切るとともに、上面に収穫後の農作物が陳列される板状の部材である。本体部201は、棚202を3つ有する。棚202は、具体的には、アルミニウムまたは鉄などの金属により形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。
【0101】土台部203は、陳列装置200の土台となる部分であって、後述する鮮度保持装置210が有するコントローラ212が取り付けられる。また、土台部203の内部には、鮮度保持装置210が有する電力変換部211bが収容される。
【0102】次に、図11及び図12に加えて、図13を用いて鮮度保持装置210について説明する。
【0103】図11〜図13に示されるように、鮮度保持装置210は、電力プラグ211と、電力変換部211bと、コントローラ212と、照射装置213と、噴霧部216とを備える。
【0104】電力プラグ211は、受電部の一例であって、コンセントに差し込まれる金属製の端子を有し、当該端子から交流電力を受電する。
【0105】電力変換部211bは、電力プラグ211が受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ212、及び、照射装置213に直流電力を供給する。電力変換部211bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、陳列装置200においては、電力変換部211bは、土台部203に内蔵されている。
【0106】コントローラ212は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、照射装置213を制御する。コントローラ212は、例えば、照射装置213が照射する青色光の強度、及び、照射装置213が照射する青色光の照射時間を制御する。また、コントローラ212は、例えば、照射装置213の照射のオン及びオフを制御する。
【0107】コントローラ212は、具体的には、照射装置213の照度を制御するためのPWM制御回路(調光回路)、及び、照射装置213の照射時間を制御するためのタイマ回路などから構成される。コントローラ212は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって構成されてもよい。
【0108】照射装置213は、各棚202の上方に配置され、コントローラ212の制御に基づいて、棚202に陳列された農作物30に青色光及び赤外光を照射することができる。つまり、照射装置213は、第一照射部としても、第二照射部としても機能する。図12に示されるように、照射装置213は、基台213eと、青色LED213b及び赤外LED213fが実装された基板213aである発光モジュール213cと、拡散カバー213dとを有する。
【0109】基台213eは、発光モジュール213cの取り付け台及びヒートシンクであり、かつ、照射装置213の棚202への取り付け用部材としても機能する。基台213eは、例えば、アルミダイキャストなどの金属により形成される。
【0110】拡散カバー213dは、発光モジュール213cから発せられる青色光及び赤外光を拡散及び透過し、農作物30に青色光及び赤外光を照射する。
【0111】発光モジュール213cは、青色LED213b及び赤外LED213fが実装された基板213aである。以下、図14を用いて発光モジュール213cの構造を詳細に説明する。図14は、発光モジュールの詳細な構成を示す図である。
【0112】図14に示されるように、発光モジュール213cは、より詳細には、基板213aと、基板213a上に一列に実装された複数の青色LED213bと、基板213a上に一列に実装された複数の赤外LED213fと、配線223と、コネクタ224と、コネクタ225とを備える。
【0113】基板213aは、長尺矩形状の基板である。基板213aは、樹脂を基材とするCEM−3(Composite Epoxy Material−3)基板であるが、その他の樹脂基板であってもよいし、メタルベース基板またはセラミック基板であってもよい。その他の樹脂基板としては、FR−4(Flame Retardant−4)基板が例示される。セラミック基板としては、酸化アルミニウム(アルミナ)からなるアルミナ基板または窒化アルミニウムからなる窒化アルミニウム基板等が例示される。また、メタルベース基板としては、アルミニウム合金基板、鉄合金基板または銅合金基板等が例示される。
【0114】青色LED213bは、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。青色LED213bとしては、例えば、AlGaInP系の材料によって構成された青色LEDが採用される。青色LED213bは、例えば、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって基板213aにダイボンディング実装されている。
【0115】赤外LED213fは、発光素子の一例であって、赤外光を発するベアチップである。赤外LED213fとしては、例えば、AlGaInP系の材料によって構成された赤外LEDが採用される。赤外LED213fは、例えば、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって基板213aにダイボンディング実装されている。
【0116】配線223は、タングステン(W)または銅(Cu)等からなる金属配線である。配線223は、複数の青色LED213b同士を電気的に接続するとともに青色LED213bとコネクタ224及びコネクタ225とを電気的に接続するために所定形状にパターン形成されている。同様に、配線223は、複数の赤外LED213f同士を電気的に接続するとともに赤外LED213fとコネクタ224及びコネクタ225とを電気的に接続するために所定形状にパターン形成されている。また、配線223は、複数の青色LED213bと、複数の赤外LED213fとを独立して制御できるようにパターン形成されている。
【0117】なお、図14では、配線223は、一列に並んだ複数の青色LED213bと、一列に並んだ複数の赤外LED213fとをそれぞれ直列接続する。しかしながら、一列に並んだ複数の青色LED213bは、電気的には、各々が直列接続された所定数の青色LED213bからなる複数の素子列であって、並列に接続された複数の素子列から構成されてもよい。つまり、一列に並んだ複数の青色LED213bは、配線223によってこのように電気的に接続されてもよい。一列に並んだ赤外LED213fについても同様である。
【0118】コネクタ224及びコネクタ225は、発光モジュール213cに給電を行うためのコネクタである。コネクタ224またはコネクタ225には、コントローラ212から直流電力が供給される。これにより、発光モジュール213cが発光する。
【0119】噴霧部216は、照射装置による青色光の照射中に、農作物30に水のミストを散布する。噴霧部216は、具体的には、噴霧部16と同様に、二流体方式の噴霧装置、高圧一流体式の噴霧装置、または、超音波式の噴霧装置などである。なお、噴霧部216へは、土台部203内の給水タンク222から水が供給される。
【0120】[効果等] 以上説明したように、陳列装置200は、鮮度保持装置210と、農作物30が陳列される棚202とを備える。
【0121】陳列装置200は、収穫後の農作物30に青色光の照射及び水のミストの散布を行うことにより、農作物30の鮮度の低下を抑制することができる。陳列装置200は、青色光の照射及び水のミストの散布の後、赤外光または赤色光の照射を行うことにより、農作物30の鮮度の低下をさらに抑制することができる。また、陳列装置200は、農作物30を陳列しながら水分保持率の低下を抑制することができる。
【0122】なお、陳列装置200は、上述のように店舗の売り場に設置されることが想定される。言い換えれば、陳列装置200は、白色の照明光の下で使用されるため、鮮度保持装置210は、白色光を発する第三照射部を有しない。しかしながら、鮮度保持装置210は、第三照射部を有してもよい。
【0123】なお、陳列装置200は、一例である。本発明は、例えば、図15に示される陳列装置300として実現されてもよい。図15は、別の形態の陳列装置300を示す模式図である。
【0124】陳列装置300が備える照射装置313(鮮度保持装置)は、棚302に陳列された農作物30に青色光を照射する。照射装置313は、照射装置213とほぼ同様の構成である。また、陳列装置300が備える噴霧部316は、棚302に陳列された農作物30に水のミストを散布する。噴霧部316は、噴霧部216とほぼ同様の構成である。
【0125】陳列装置300は、農作物30への青色光の照射及び水のミストの散布により、農作物30の鮮度の低下を抑制することができる。陳列装置300は、青色光の照射及び水のミストの散布の後、赤外光または赤色光の照射を行うことにより、農作物30の鮮度の低下を抑制することができる。また、陳列装置300は、農作物30を陳列しながら水分保持率の低下を抑制することができる。
【0126】(実施の形態の補足) まず、農作物について補足する。また、上記実施の形態において、「農作物」とは、農業的手法によって収穫できる作物全般をいう。農作物は、特に限定されないが、農作物には、例えば、通常行われている利用部位に応じた分類(園芸的分類または人為的分類と呼ばれる)における、野菜類、果実類、または花卉類が含まれる。
【0127】野菜類には、例えば、果菜類、葉茎類、根菜類、および、菌茸類などが含まれる。
【0128】ここで、果菜類には、ナス、ペピーノ、トマト、ミニトマト、タマリロ、タカノツメ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、パプリカ、カラーピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ゴーヤ、トウガン、ハヤトウリ、ヘチマ、ユウガオ、オクラ、イチゴ、スイカ、メロン、マクワウリなどに加えて、トウモロコシなどの穀物類、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマなどのマメ類が含まれる。
【0129】また、葉茎類には、アイスプラント、アシタバ、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、コマツナ、サラダナ、サニーレタス、サイシン、サンチュ、山東菜、シソ、シュンギク、ジュンサイ、シロナ、セリ、セロリ、タアサイ、ダイコンナ(スズシロ)、タカナ、チシャ、チンゲンサイ、ツケナ、菜の花、野沢菜、白菜、パセリ、ハルナ、フダンソウ、ホウレンソウ、ホトケノザ、ミズナ、ミドリハコベ、コハコベ、ウシハコベ、ミブナ、ミツバ、メキャベツ、モロヘイヤ、リーフレタス、ルッコラ、レタス、ワサビナなどの葉菜類、ネギ、細ネギ、アサツキ、ニラ、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ヨウサイ、ネギ、ワケギ、タマネギなどの茎菜類、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、なばな、フキノトウ、ミョウガなどの花菜類、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根などの発芽野菜が含まれる。
【0130】また、根菜類には、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、ワサビ、ホースラディッシュ、ゴボウ、チョロギ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根などに加えて、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ(大和芋)、ヤマノイモ(山芋、自然薯)などのイモ類が含まれる。
【0131】また、菌茸類には、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサタケ、シイタケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギタケ、チチタケ、ナメコ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ブナシメジ、ブナピー、ポルチーニ、ホンシメジ、キシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケ、ヤマブシタケ、ショウロ、トリュフなどが含まれる。
【0132】また、果実類には、例えば、ミカンなど各種柑橘類、リンゴ、モモ、ナシ、西洋ナシ、バナナ、ブドウ、サクランボ、グミ、キイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クワ、ビワ、イチジク、カキ、アケビ、マンゴー、アボカド、ナツメ、ザクロ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、パパイア、アンズ、ウメ、スモモ、モモ、キウイフルーツ、カリン、ヤマモモ、クリ、ミラクルフルーツ、グァバ、スターフルーツ、アセロラなどが含まれる。
【0133】また、花卉類には、例えば、ホリホック、ブーバルジア、ゴデチア、ツキミソウ、ストック、ハボタン、ルナリア、アシダンセラ、イリス、グラジオラス、ハナビシソウ、ペペロミア、カルセオラリア、キンギョソウ、トレニア、サクラソウ、シクラメン、マツバギク、アンスリウム、カラー、カラジウム、ショウブ、シンゴニウム、スパシフィルム、ディーフェンバキア、フィロデンドロン、サボテン類、アジュガ、カクトラノオ、サルビア、ベゴニア、クルクマ、スイレン、ポーチュラカ、スミレ、フワイトレースフラワー、セトクレアセア、ムラサキオモト、ムラサキツユクサ、ホウセンカ、ツノナス、ペチュニア、ホオズキ、カーネーション、ナデシコ、セキチク、カスミソウ、宿根カスミソウ、ムシトリナデシコ、グズマニア、ストレリチア、シバザクラ、フロックス、オイランソウ、キョウカノコ、アマクリナム、アマリリス、キク、マーガレット、クンシラン、キルタンサス、スイセン、スノーフレーク、タマスダレ、ネリネ、ハマオモト、ユーチャリス、リコリス、リュウゼツラン、ケイトウ、センニチコウ、アサガオ、エボルブルス、クレオメ、ゼラニウム、カランコエ、スカビオサ、スイートピー、ルピナス、ルリジオ、ワスレナグサ、アスチルベ、ユキノシタ、アガパンサス、アマドコロ、アロエ、オーニソガルム、オモト、オリズルラン、ギボウシ、クロユリ、グロリオーサ、コルチカム、サンセベリア、サンダーソニア、ジャノヒゲ、チューリップ、ツルバキア、ドイツスズラン、ドラセナ、トリテレイア、ナルコユリ、ニューサイラン、バイモ、ヒアシンス、ホトトギス、ヤブカンゾウ、ヤブラン、ユリ、アルストロメリア、ルスカス、アツモリソウ、エビネ、オンシジウム、カトレア、コルマナラ、シラン、シンビジウム、セロジネ、デンドリビウム、ドリテノプシス、ナゴラン、パフィオペディルム、バンダ、ビルステケラ、ファレノプシス、ブラウナウ、ミルトニア、エキザカム、トルコギキョウ、リンドウ、ランタナ、バラ、サクラ、ガーベラなどが挙げられ、さらには葉を鑑賞するために用いられるサカキ、ソテツ、シダ、ドラセナ、ハラン、モンステラ、ポトス、コンパクター、ポリシャス、ジャングルブッシュ、リキュウソウ、ベアグラス、ピトスポラムなどが含まれる。
【0134】以上、いくつかの農作物が例示されたが、上記実施の形態の鮮度保持方法は、例示された農作物以外の農作物にも適用可能である。
【0135】次に、鮮度保持について補足する。上記実施の形態において、「鮮度保持」とは、農作物の鮮度を可能な限り長く保持することをいう。農作物に必要とされる鮮度保持効果は、当該農作物の種類および商品価値によって異なる。
【0136】例えば、レタスやホウレンソウなどの葉部または茎部が主に利用される野菜(葉菜類)においては、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化及び褐変など)防止、軟化防止、及び、カビ発生防止が重要となる。また、イチゴ及びトマトなどの果実が主に利用される野菜(果菜類)、または、リンゴなどの果樹類においては、変色(黄化及び褐変など)防止、軟化防止、カビ発生防止が重要となる。さらに、花卉類では、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化及び褐変など)防止、カビ発生防止が重要となる。
【0137】次に、上記実施の形態の鮮度保持方法の使用場面について補足する。上記実施の形態では、店舗のバックヤードにおける農作物が保管される場面、または、店舗の売り場において農作物が陳列されている場面において、鮮度保持方法が使用されたが、鮮度保持方法は、その他の場面において使用されてもよい。
【0138】収穫後の農作物は、例えば、農家、農業協同組合、農作物の予冷を行う専用施設を経て、保冷車にって都市に輸送される。そして、収穫後の農作物は、市場において卸売業者に購入された後、スーパーマーケットのバックヤードに保管され、売り場に陳列される。
【0139】#3上記の経路においては、専用施設、保冷車、スーパーマーケットのバックヤード、及び、売り場において鮮度保持方法を使用することができる。
【0140】また、収穫後の農作物は、例えば、農家、第一の宅配営業所を経由した後、宅配車によって輸送され、第二の宅配営業所に輸送される。その後、収穫後の農作物は、宅配車によって再度輸送された後、購入者宅(個人宅)に輸送される。
【0141】上記の経路においては、第一の宅配営業所、宅配車、保冷車、第二の宅配営業所において鮮度保持方法を使用することができる。
【0142】また、例えば、上記実施の形態の鮮度保持方法は、収穫後の農作物ではなく、収穫前の農作物に使用されてもよい。
【0143】また、青色光は、農作物の収納容器に使われる一般的な材質(例えば、ポリエチレンなど)を透過する。このため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、箱詰めされた状態の農作物にも、袋詰めされた状態の農作物にも使用することができる。
【0144】また、青色光は、農作物も透過するため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、他の農作物と重ねられた農作物にも使用することができる。
【0145】また、上記実施の形態に係る鮮度保持方法は、真っ暗な環境(暗闇)で使用されてもよいし、白色LED等により人工的に照明された環境下で使用されてもよい。また、上記実施の形態に係る鮮度保持方法は、太陽光の下で使用されてもよい。
【0146】また、青色光が照射された後の農作物は、真っ暗な環境(暗闇)で保管されてもよいし、白色LED等により人工的に照明された環境下で保管されてもよいし、太陽光の下で保管されてもよい。
【0147】#9(その他の実施の形態) 以上、実施の形態に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫、及び、陳列装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されない。
【0148】例えば、上記実施の形態において、第一照射部、第二照射部、及び第三照射部には、LEDが使用されたが、第一照射部、第二照射部、及び第三照射部は、LEDが使用される構成に限定されない。例えば、第一照射部及び第二照射部には、蛍光管、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、ネオン管、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、ケミルミネッセンス(化学発光)、または、レーザー等が使用されてもよい。なお、第一照射部に、蛍光灯のように、青色光以外の光を含む光源が使用される場合は、青色光の波長のみを透過する分光フィルター等が用いられるとよい。第一照射部、第二照射部、及び第三照射部のそれぞれに複数の種類の光源が使用されてもよいし、第一照射部、第二照射部、及び第三照射部に、それぞれ種類の異なる光源が使用されてもよい。
【0149】また、第一照射部の青色光の照射態様は、特に限定されない。第一照射部は、例えば、ストロボ等のように、非常に大きい光量を瞬間的に照射してもよい。また、第一照射部は、低光量で、かつ、長時間青色光を照射してもよい。第二照射部についても同様である。
【0150】また、第一照射部は、青色光を連続照射してもよいし、青色光を間欠照射してもよい。連続照射とは、青色光を連続して所定時間(例えば、5分間)照射することである。間欠照射とは、10秒間の照射と10秒間の非照射とが、照射時間が合計5分間になるよう30回ずつ繰り返されることである。
【0151】また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、コントローラ)の全部または一部は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0152】その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0153】10、210 鮮度保持装置 13 第一照射部 14 第二照射部 15 第三照射部 16、216、316 噴霧部 20 筐体 30 農作物 100 収納庫 200、300 陳列装置 202、302 棚
ヒントあり冷蔵庫
特開2015-075276 / 出願人: 日立アプライアンス株式会社 / 発明者: 船山 敦子、國分 真子 / 出願日: 2013-10-09 / 公開日: 2015-04-20 / 検索28位 / 赤〜近赤外の補助光派
アプローチ: 扉閉鎖時に赤色光照射で根菜の芽抑制 野菜室の背面断熱部に620〜2500nmの光源を設け、扉が閉じている間に根菜類へ赤色光を照射して根・芽の成長を抑え保存性を高める。8時間で消灯するなど時間管理も行う。
▸ 示唆: 扉閉鎖中に長波長の赤色光を当てて品質低下を抑える点は近いが、対象が根菜の発芽抑制で、白色光との併用や比率規定はない。
AIが精読したのは全75段落のうち検索が当てた10チャンク(46段落・61%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本発明は食品や飲料水等を冷蔵或いは冷凍して貯留する冷蔵庫に係り、特に野菜室を備えた冷蔵庫に関するものである。
【0002】最近の冷蔵庫では、冷蔵庫を構成する箱体内部の上部に冷蔵室、中間部に冷凍室、下部に野菜室を配置し、それぞれの貯蔵室同士は熱の移動が少ないように断熱仕切壁により区画されている。つまり、冷凍室と隣接する冷蔵室や野菜室に冷凍室の冷熱が流入しないように、冷凍室と隣接する冷蔵室や野菜室は真空断熱材やポリウレタンフォームが配置された断熱仕切壁によって区画されている。
【0003】冷蔵庫として一般的に主流である間冷式冷蔵庫(冷却器で冷やされた冷気を、送風ファンによって冷凍室、冷蔵室、野菜室に吹き出す冷気強制循環方式の冷蔵庫)では、冷蔵庫内部に冷気を生成する冷凍サイクルを備え、この冷凍サイクルの冷却器で生成された冷気を送風機により各貯蔵室に循環させて貯蔵物の冷却を行っている。
【0004】ところで、近年、安価で且つ長寿命のLEDランプを用いて、植物を人工的に栽培する方法が増加する傾向にある。そして、その技術を冷蔵庫に応用して葉物野菜の上方から青色LEDランプで時間的にパルス状の光を照射し、葉物野菜に刺激を与えて葉物野菜のビタミンCのような栄養成分を増加することが提案されている。このような技術は、特開2010-78300号公報(特許文献1)等で詳しく紹介されている。
【0005】特開2010-78300号公報
【0006】上記した特許文献1では葉物野菜の栄養成分を増加するため、葉物野菜の上方から青色光や緑色光を照射して光合成を促進するものであり、相応の効果があることが知られている。
【0007】#9ところで、葉物野菜と違ってジャガイモ、にんじん、タマネギ、大根などの根菜類は1個買いより袋買いのほうが購買上の観点から有利である。この結果、購入された根菜類は数日に亘って保存されるようになる。この根菜類の保存は葉物野菜と違ってなるべく成長作用を抑えることが必要であり、従来では家屋の室温が低い冷暗所に保存されていた。
【0008】しかしながら、最近では高気密、高断熱の住宅が増加して家屋の室温が高くなっていることや、有職主婦が増加していることによって根菜類の買い置きが増加する傾向にあり、これに伴って根菜類の根、葉、芽が成長しやすい環境に変わってきている。根菜類の根、葉、芽は外部より肥料、水分を供給していないので、自身の栄養成分や水分を消費して成長していることになり、これにより根菜類の栄養成分が減少していることになる。
【0009】また、最近ではリビングダイニングやラウンドキッチンの増加により、貯蔵している根菜類を片づけて台所をすっきりして見栄えを良くしたいという要請が強くなり、台所の位置付けが周囲から良く見える場所に変わってきている。
【0010】そこで、台所をすっきりさせて見栄えを良くするために根菜類を片づけると共に、根菜類の根、葉、芽の成長を抑制するため、根菜類を冷蔵庫で保存することが提案されるようになってきた。しかしながら、特許文献1にあるようなLEDランプは、葉物野菜の光合成を促進させるものであって、ジャガイモ、にんじん、タマネギ、大根等の根菜類の保存についてはなんら検討されていないのが現状である。
【0011】本発明の目的は、根菜類の根、葉、芽等の成長を抑制して根菜類の保存性を高めることができる新規な冷蔵庫を提供することにある。
【0012】#6本発明の特徴は、620nm〜2500nmの範囲の波長の光を照射する光源を野菜室の背面、或いは側面に位置する断熱部に設け、野菜室の開閉扉の閉鎖時に光源を点灯させて根菜類貯蔵容器に収納した根菜類を620nm〜2500nmの範囲の波長の光で照射するようにした、ところにある。
【0013】本発明によれば、620nm〜2500nmの範囲の波長の光を根菜類に照射して根菜類の成長を抑制することができるので、根菜類の保存性を高めることが可能となる。
【0014】本発明が適用される冷蔵庫を正面から見た正面図である。 図1に示す冷蔵庫のA−A断面を示す断面図である。 図1に示す冷蔵庫を背面から見た背面図である。 本発明の一つの実施形態に野菜室の要部拡大断面図である。 図4に示す野菜室を正面から見た断面を示す要部拡大断面図である。 図4に示す照明ランプの制御フローを示す制御フローチャート図である。 照明ランプの挙動を説明するための説明図である。 照明ランプの効果を説明する説明図である。
【0015】以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
【0016】本発明の具体的な実施例を説明する前に、本発明が適用される間冷式冷蔵庫(以下、単に冷蔵庫という)の構成を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0017】図1は冷蔵庫の正面図であり、図2は図1の縦断面を示す断面図である。尚、図2においては製氷室の断面は示されていない。
【0018】図1、及び図2において、冷蔵庫1は、上方から冷蔵室2、製氷室3及び上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6を有する。ここで、製氷室3と上部冷凍室4は、冷蔵室2と下部冷凍室5との間に左右に並べて設けている。一例として、冷蔵室2はおよそ+3℃、野菜室6はおよそ+3℃〜+7℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3、上部冷凍室4及び下部冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
◆ この文献の解決アプローチ
扉閉鎖時に赤色光照射で根菜の芽抑制
文献: 野菜室の開閉扉の閉鎖時に光源を点灯させて根菜類貯蔵容器に収納した根菜類を620nm〜2500nmの範囲の波長の光で照射するようにした
扉閉鎖中に長波長の赤色光を当てて品質低下を抑える点は近いが、対象が根菜の発芽抑制で、白色光との併用や比率規定はない。
【0019】冷蔵室2は前方側に、左右に分割された観音開き(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉2a、2bを備えている。製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6は夫々引き出し式の製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。
【0020】また、各扉の貯蔵室側の面には、各扉の外縁に沿うように磁石が内蔵されたパッキン(図示せず)を設けており、各扉の閉鎖時、鉄板で形成された冷蔵庫外箱のフランジや後述の各仕切り鉄板に密着し貯蔵室内への外気の侵入、及び貯蔵室からの冷気の漏れを抑制する構成とされている。
【0021】ここで、図2に示すように冷蔵庫本体10の下部には機械室11が形成され、この中に圧縮機12が内蔵されている。冷却器収納室13と機械室11には水抜き通路14によって連通され、凝縮水が排出出来るようになっている。
【0022】図2に示すように、冷蔵庫本体10の庫外と庫内は、内箱と外箱との間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体15により隔てられている。また冷蔵庫本体10の断熱箱体15は複数の真空断熱材16を実装している。冷蔵庫本体10は、上側断熱仕切壁17により冷蔵室2と上部冷凍室4及び製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示されていない)とが区画され、下側断熱仕切壁18により下部冷凍室5と野菜室6とが区画されている。
【0023】また、下部冷凍室5の上部には横仕切部を設けている。横仕切部は、製氷室3及び上部冷凍室4と下部冷凍室5とを上下方向に仕切っている。また、横仕切部の上部には、製氷室3と上部冷凍室4との間を左右方向に仕切る縦仕切部を設けている。
【0024】横仕切部は、下側断熱仕切壁18の前面及び左右側壁前面と共に、下部冷凍室扉5aの貯蔵室側の面に設けたパッキン(図示せず)と接触する。製氷室扉3aと上部冷凍室扉4aの貯蔵室側の面に設けたパッキン(図示せず)は、横仕切部、縦仕切部、上側断熱仕切壁51及び冷蔵庫本体1の左右側壁前面と接することで、各貯蔵室と各扉との間での冷気の移動をそれぞれ抑制している。
【0025】図2に示すように、上部冷凍室4、下部冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの貯蔵室の前方に備えられた扉4a、5a、6aが取り付けられている。また、上部冷凍室4には上部冷凍貯蔵容器41が収納、配置され、下部冷凍室5には上段冷凍貯蔵容器61、下段冷凍貯蔵容器62が収納、配置されている。更に、野菜室6には上段野菜貯蔵容器71、下段野菜貯蔵容器72が収納、配置されている。
【0026】そして、製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a及び野菜室扉6aは、それぞれ図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、製氷貯蔵容器3b(図示せず)、上部冷凍貯蔵容器41、下段冷凍貯蔵容器62、下段野菜貯蔵容器72が引き出せるようになっている。
【0027】詳しくは、下段冷凍貯蔵容器62は冷凍室扉内箱に取り付けられた支持アーム5dに下段冷凍貯蔵容器62の側面上部のフランジ部が懸架されており、冷凍室扉5aを引き出すと同時に下段冷凍貯蔵容器62のみが引き出される。上段冷凍貯蔵容器61は冷凍室5の側面壁に形成された凹凸部(図示しない)に載置されており前後方向にスライド可能になっている。
【0028】下段野菜貯蔵容器72も同様にフランジ部が野菜室扉6aの内箱に取り付けられた支持アーム6dに懸架され、上段野菜貯蔵容器71は野菜室側面壁の凹凸部に載置されている。また、この野菜室6には断熱箱体15に固定された電熱ヒータ6Cが設けられており、この電熱ヒータ6Cによって野菜室6の温度が冷やし過ぎにならないように、野菜の貯蔵に適した温度になるようにしている。尚、この電熱ヒータ6Cは必要に応じて設けられれば良いものであるが、本実施例では野菜の貯蔵がより上手く行えるように電熱ヒータ6Cを設けるようにしている。
【0029】次に本実施形態の冷蔵庫の冷却方法について説明する。冷蔵庫本体1には冷却器収納室13が形成され、この中に冷却手段として冷却器19を備えている。冷却器19(一例として、フィンチューブ熱交換器)は、下部冷凍室5の背部に備えられた冷却器収納室13内に設けられている。また、冷却器収納室13内であって冷却器19の上方には送風手段として送風機20(一例として、プロペラファン)が設けられている。
【0030】冷却器19で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器19で熱交換した低温の空気を「冷気」と称する)は、送風機20によって冷蔵室送風ダクト21、冷凍室送風ダクト22、及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6の各貯蔵室へそれぞれ送られる。
【0031】各貯蔵室への送風は、冷蔵温度帯の冷蔵室2への送風量を制御する第一の送風制御手段(以下、冷蔵室ダンパ23という)と、冷凍温度帯の冷凍室4、5への送風量を制御する第二の送風量制御手段(以下、冷凍室ダンパ24という)とにより制御される。ちなみに、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、及び野菜室6への各送風ダクトは、図3に破線で示すように冷蔵庫本体1の各貯蔵室の背面側に設けられている。具体的には、冷蔵室ダンパ23が開状態、冷凍室ダンパ24が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室送風ダクト21を経て多段に設けられた吹き出し口25から冷蔵室2に送られる。
【0032】また、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた冷蔵室戻り口26から冷蔵室−野菜室連通ダクト27を経て、下側断熱仕切壁18の下部右奥側に設けた野菜室吹き出し口28から野菜室6へ送風される。野菜室6からの戻り冷気は、下側断熱仕切壁18の下部前方に設けられた野菜室戻りダクト入口29から野菜室戻りダクト30を経て、野菜室戻りダクト出口から冷却器収納室13の下部に戻る。
【0033】尚、別の構成として冷蔵室−野菜室連通ダクト27を野菜室6へ連通せずに、図3において冷却器収納室12の上面から見て、右側下部に戻す構成としてもよい。この場合の一例として、冷蔵室−野菜室連通ダクト27の前方投影位置に野菜室送風ダクトを配置して、冷却器19で熱交換した冷気を、野菜室吹き出し口28から野菜室6へ直接送風するようになる。
【0034】図2、図3に示すように、冷却器収納室13の前方には、各貯蔵室と冷却器収納室12との間を仕切る仕切部材31が設けられている。仕切部材31には、図3にあるように上下に一対の吹き出し口32a、32b、33a、33bが形成されており、冷凍室ダンパ24が開状態のとき、冷却器19で熱交換された冷気が送風機20により図示を省略した製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクト34を経て吹き出し口32a、32bからそれぞれ製氷室3、上部冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクト35を経て吹き出し口、33a、33bから下部冷凍室5へ送風される。尚、下部冷凍室5には必要に応じて吹き出し口を増設しても良いものである。
【0035】以上のような構成の冷蔵庫において、次に本発明の実施形態について図4、図5を用いて説明する。
【0036】下段野菜貯蔵室72には根菜類専用の根菜類貯蔵容器73が備えられており、この根菜類貯蔵容器73は取り出し可能で、かつ所定の位置に載置されるようになっている。このために、下段野菜貯蔵容器72には根菜類貯蔵容器73の底面壁の形状に合わせた載置用突条部74が形成されている。したがって、根菜類貯蔵容器73を取り出して根菜類を収納した後に下段野菜貯蔵容器72に戻した時に所定の位置に載置することが可能となる。このように所定の位置に載置させる理由は、後述する照明ランプで発光された光が根菜類に正確に照射できるようにするためである。また、この根菜類貯蔵容器73は透明な合成樹脂材料で作られており、照明ランプからの光が有効に根菜類に照射されるようになっている。更に、根菜類貯蔵容器73は取り出し可能になっているので、根菜類に付着した泥等を水によって洗浄するのに便利である。
【0037】この根菜類貯蔵容器73の底面積は、下段野菜貯蔵容器72の底面積に対して1/4程度に設定してあり、一週間程度の間に消費する量の根菜類を貯蔵するようになっている。このような大きさに設定することで、買い置きの間隔に合わせて根菜類を貯蔵することができる。
【0038】また、下段野菜貯蔵容器72に根菜類貯蔵容器73を設ける理由は、上段野菜貯蔵容器71では深さが足りないことであり、また、重い根菜類を下側に収納して冷蔵庫の重心を出来るだけ下側に移動させるためである。
【0039】#8下段野菜貯蔵容器72は不透明な合成樹脂で作られており、その一部に透明な合成樹脂、或いは透明なガラスによって作られた照射窓75を備えている。照明窓75は野菜室6の奥行き方向の背面側に対向する位置の下段野菜貯蔵容器72の壁面に設けられている。下段野菜貯蔵容器72を不透明な合成樹脂で作る理由は、下段野菜貯蔵容器72が透明であると野菜室6の底部の構成部品等が使用者に見えるので、これを避けるために不透明としているものである。
【0040】このように、下段野菜貯蔵容器72を不透明な合成樹脂で作ると照明ランプから発光された光を根菜類貯蔵容器73に導くことができなくなる。このため、根菜類貯蔵容器73が位置している下段野菜貯蔵容器72の壁面に透明な合成樹脂、或いは透明なガラスによって作られた矩形状の照射窓75を備えるようにしている。この照明窓75の大きさは根菜類貯蔵容器73の形状の大きさによって適切に決められるものである。尚、照明窓75の材料は透明な合成樹脂、或いは透明なガラスを使用しているが、この他に光拡散機能を備えた導光板を使用することもできるものである。要は、照明ランプの光を有効に根菜類に照射できる機能を備えていれば良いものである。
【0041】この照明窓75が設けられた下段野菜貯蔵容器72の壁面が対向する、野菜室6の背面側を形成する断熱箱体15には成長抑制用光源装置76が組み込まれている。この成長抑制用光源装置76の設置位置は根菜類貯蔵容器73に光を照射できる位置であれば良いが、好ましくは斜め上方から根菜類貯蔵容器73に光を照射できる位置であるのが良いものである。本実施例では、下段野菜貯蔵容器72の上端壁面付近に対向するように設置されている。
【0042】成長抑制用光源装置76は横に並べられた2個のLEDランプ77A、77Bを備えており、このLEDランプ77A、77Bは成長抑制用光源装置76に組み込まれた駆動回路(図示せず)によって点灯、或いは消灯されるものである。この駆動回路の制御は別に設けた制御装置によって行われており、マイクロコンピュータを使用して制御しているものである。またLEDランプ77A、77Bは時間的にパルス状の光を発生するものである。この駆動回路によるLEDランプ77A、77Bの制御については後述する。LEDランプ77A、77Bの個数や配列方向は任意であって、根菜類貯蔵容器73の大きさや、照射する強度によって適切に選択されれば良いものである。
【0043】また、LEDランプ77A、77Bは照明窓75を介して根菜類貯蔵容器73に向けて斜め下方に指向されており、光が有効に根菜類に照射されるようになっている。このように、LEDランプ77A、77Bの向きを傾けて照射される光が根菜類貯蔵容器73の内部全体に届くように斜めに照射することで、根菜類貯蔵容器73の表面からの反射によって根菜類に光を照射することができる、更に、好ましくは根菜類貯蔵容器73の表面に凹凸を設けることで、根菜類貯蔵容器73内で光が乱反射や散乱を起こすようにするも可能である。
【0044】LEDランプ77A、77Bによって照射される光の波長は620nm〜2500nmの範囲であり、特許文献1にあるような葉物野菜の光合成を促進するのに適した波長ではなく、根菜類の成長を抑制する機能がある波長領域を使用している。本実施例では650nmの赤色LEDランプを使用している。このような赤色LEDランプを使用すると安価であるので、根菜類の成長抑制機能の付加という新たな機能追加による生産コストの上昇を低く抑えることができる。
【0045】#5尚、以上に説明した本実施例では、成長抑制用光源装置76、及び照明窓75は野菜室6の奥行方向の背面側に設けるようにしているが、野菜室6の側面の断熱箱体15に成長抑制用光源装置76を設け、これに対応した位置の下段野菜貯蔵容器72の壁面に照明窓75を形成するようにしても良いものである。
【0046】次に、このLEDランプ77A、77Bの制御方法について説明するが、この根菜類の成長抑制機能を動作させるために本実施例では新たなモード設定ボタンを設定している。
【0047】図1に示すように、冷蔵室扉2aの一部には操作部や表示部を備えた操作表示部78が設けられているが、本実施例では新たに根菜類の成長抑制機能モードを選択する根菜類貯蔵ボタン79を備えている。使用者が根菜類を貯蔵するために根菜類貯蔵ボタン79を押すと根菜類の成長抑制機能モードが起動され、LEDランプ77A、77Bの制御が実行されることになる。
【0048】以下、このLEDランプ77A、77Bの制御フローを説明するが、この制御フローは所定時間毎の起動タイミングの到来によって起動されるものであり、以下処理ステップ毎にその機能を説明する。
【0049】≪ステップ100≫ この制御フローを実行するに際し、ステップ100はまず現在の成長抑制用光源装置76の点灯状態を判断している。この点灯状態を判断しないと次にどのような点灯状態に制御するかその出発点が不明となるからである。この判断は前の起動周期で実行された点灯状態フラグを監視することで判断できる。
【0050】したがって、ステップ100で点灯状態フラグが点灯を示すフラグであると、現在の状態が野菜室扉6aが閉じられている状態と判断することができる。ステップ100で点灯状態と判断されるとステップ101に進み、点灯状態でないと判断するとステップ106に進むことになる。
【0051】#2≪ステップ101≫ ステップ100で点灯状態と判断されると、ステップ101では野菜室扉6aが開かれたかどうかの判断を実行する。この判断は野菜室扉スイッチの信号が例えば『オン』状態から『オフ』状態に切り替わったかどうかのスイッチ信号の到来で判断できる。このスイッチ信号が到来しなければ野菜室扉6aは閉じられたままと判断されてステップ102に進み、スイッチ信号が到来して野菜室扉6aが開かれたと判断するとステップ103に進むことになる。
【0052】≪ステップ102≫、≪ステップ104≫ ステップ101で野菜室扉6aは閉じられたままと判断されると、ステップ102では野菜室扉6aが閉じられてから所定時間、ここでは8時間が経過したかどうかの判断が行われる。このステップで8時間が経過していないと判断されると照明状態を点灯の状態に維持して根菜類にLEDランプ77A、77Bによって赤色光を時間的にパルス状に発生して根菜類に照射し、これによって根菜類の成長抑制を行うようにする。この処理が終わるとエンドに抜けてこの処理を終了して次の起動周期を待つものである。尚、この場合では照明状態フラグは点灯状態のままで変更されないものである。また、ステップ102で野菜室扉6aが閉じられてから8時間が経過したと判断されるとステップ103に進むことになる。
【0053】ここで、野菜室扉6aが閉じられてから8時間が経過したかどうかの判断が行われているが、この時間はこれに限定されるものではなく、より適切な時間に設定することが可能である。
【0054】≪ステップ103≫ ステップ101でスイッチ信号が到来して野菜室扉6aが開かれたと判断されると、ステップ103では照明状態を消灯の状態に変更する。このように消灯状態になると、成長抑制用光源装置76の照射は停止され、これによって、使用者は下段野菜貯蔵容器72や根菜類貯蔵容器73を通常の状態で視認することができるようになる。
【0055】#7また、ステップ102の判断で8時間が経過したと判断されると、野菜室扉6aが閉じられていてもステップ103では照明状態を消灯の状態に変更する。このように消灯状態にすることによって根菜類の成長抑制を行うと共に、無駄な電力消費を抑制するようにしている。この消灯状態を継続しながら次のステップ105に進む。
【0056】≪ステップ105≫ ステップ105では、今まで点灯状態であったことを示す照明状態フラグは消灯状態を示す照明状態フラグに変更される。この処理が終わるとエンドに抜けてこの処理を終了して次の起動周期を待つものである。
【0057】そして、次の起動周期が到来すると再びステップ100が実行されることになる。すなわち、先に説明したステップ100では、先の起動周期のステップ105で照明状態フラグは消灯状態を示す照明状態フラグに変更されているので、現在の状態が野菜室扉6aが開かれている、或いは野菜室扉6aが閉じられてから所定時間が経過したと判断することができる。
【0058】ステップ100で消灯状態と判断されるとステップ106に進み、点灯状態と判断すると再びステップ101に進むことになる。ステップ101以降のステップはすでに説明したので省略する。
【0059】≪ステップ106≫ ステップ100で消灯状態と判断されると、ステップ106では野菜室扉6aが閉じられたかどうかの判断を実行する。この判断は野菜室扉スイッチの信号が例えば『オフ』状態から『オン』状態に切り替わったかどうかのスイッチ信号の到来で判断できる。このスイッチ信号が到来しなければ野菜室扉6aは開かれたままと判断されてステップ107に進み、スイッチ信号が到来して野菜室扉6aが閉じられたと判断されてステップ108に進むことになる。
【0060】#3ここで、野菜室扉6aが閉じられてから8時間が経過したと判断された時は野菜室扉6aが閉じられたままで消灯状態になっている。この場合はステップ102で8時間の時間管理を行っている内部カウンタのオーバーフローリセットによる消灯なので、このオーバーフローリセットが実行された場合は、野菜室扉6aが一度開かれた後に再び閉じられる時に野菜室扉6aが閉じられたと判断してステップ108に進むことになる。この場合、野菜室扉6aが開かれている間は消灯状態を維持している。
【0061】≪ステップ107≫ ステップ106で野菜室扉6aは開かれたままと判断されると、ステップ107では照明状態を消灯の状態に維持して成長抑制用光源装置76の照射は停止されている。この処理が終わるとエンドに抜けてこの処理を終了して次の起動周期を待つものである。尚、この場合も照明状態フラグは消灯状態で変更されないものである。
【0062】≪ステップ108≫ ステップ106でスイッチ信号が到来して野菜室扉6aが閉じられたと判断されると、ステップ107では照明状態を点灯の状態に変更する。このように点灯状態になると、成長抑制用光源装置76のLEDランプ77A、77Bによって赤色光を根菜類に照射して根菜類の成長抑制を行うようにする。この点灯状態を継続しながら次のステップ109に進む。
【0063】≪ステップ109≫ ステップ109では、今まで消灯状態であったことを示す照明状態フラグは点灯状態を示す照明状態フラグに変更される。この処理が終わるとエンドに抜けてこの処理を終了して次の起動周期を待つものである。
【0064】#4そして、この繰り返しによって上述した処理ステップが実行され、野菜室扉6aが閉じられているときは、成長抑制用光源装置76は根菜類に向けて成長抑制のための赤色光を照射するように制御され、野菜室扉6aが開かれているときは、成長抑制用光源装置76は消灯されて通常の状態に復帰するように制御されるようになる。
【0065】また、野菜室扉6aが閉じられていても所定時間に亘って照射を行っている場合は、この所定時間を過ぎると照明状態を消灯の状態に変更する。このように消灯状態にすることによって根菜類の成長抑制を行うと共に、無駄な電力消費を抑制するようになる。
【0066】以上のような制御フローに対して実際のLEDランプ77A、77Bの照射動作を図7を用いて説明する。
【0067】図7において、例えば野菜室扉6aが時刻A1で閉じられると、LEDランプ77A、77Bはこれに同期して時刻C1で点灯状態とされている。一方、マイクロコンピュータに内蔵されている内部タイマーと内部カウンタを使用して、時刻B1でカウンタがカウントアップされて時間が積算されていくようになる。この内部タイマーと内部カウンタは図6に示すステップ102を実行するために使用されるものであり、8時間を経過するとリセットされるものである。また、この内部カウンタは上述したリセットとは別に、野菜室扉6aの閉じ動作に連動してリセットされるように構成されている。
【0068】時刻A1から時間が経過して時刻A2で野菜室扉6aが開かれると、LEDランプ77A、77Bはこれに同期して時刻C2で消灯状態とされている。食品が出し入れされた後に再び時刻A3で野菜室扉6aが閉じられると、内部カウンタはこれに同期して時刻B2でリセットされる。更に、LEDランプ77A、77Bはこれに同期して時刻C3で再び点灯状態とされている。
【0069】#1時刻A3から時間が経過して野菜室扉6aが閉じられた状態が継続して8時間を過ぎて時刻B3に達すると内部カウンタがオーバーフローしてリセットされることになる。このリセットに同期してLEDランプ77A、77Bは時刻C4で消灯状態とされている。このオーバーフローリセットによる消灯が継続している状態で、時刻A4で野菜室扉6aが開かれても、既にLEDランプ77A、77Bは消灯状態であるため、あらためてLEDランプ77A、77Bを消灯状態にする動作を行わない。
【0070】そして、食品が出し入れされた後に再び時刻A5野菜室扉6aが閉じられると、内部カウンタはこれに同期して時刻B4でカウントを開始する。これと同時に、LEDランプ77A、77Bは時刻C5で再び点灯状態とされる。
【0071】このようにして、成長抑制用光源装置76のLEDランプ77A、77Bはその点灯状態と消灯状態が制御されるものである。
【0072】次に620nm〜2500nmの範囲の波長の光照射による根菜類の保存性について説明する。本実験においてはジャガイモ(種イモ)の芽を少し成長させた後に、650nmの赤色LEDランプを使用して光を照射した場合と、通常の冷蔵庫を使用した状態の場合の3週間経過した時の芽の成長度合いを観察した。
【0073】図8に示すように赤色LEDを照射した場合では、検討開始時の写真と3週間後の写真から見てわかるように、芽はそれほど成長していない。一方、図8に示すように赤色LEDを照射しない通常の状態の場合では、検討開始時の写真と3週間後の写真から見てわかるように、芽は大きく成長している。このように、本実施例によれば明らかに芽の成長が抑制されることが見て取れるものである。
【0074】#10このように、本発明によれば620nm〜2500nmの範囲の波長の光を照射する光源を野菜室の背面、或いは側面に位置する断熱部に設け、野菜室の開閉扉の閉鎖時に光源を点灯させて根菜類貯蔵容器に収納した根菜類を620nm〜2500nmの範囲の波長の光で照射するようにしたものである。これによって、620nm〜2500nmの範囲の波長の光を根菜類に照射して根菜類の成長を抑制することができるので、根菜類の保存性を高めることが可能となるものである。
【0075】10…冷蔵庫本体、2…冷蔵室、3…製氷室、4…上部冷凍室、5…下部冷凍室、6…野菜室、19…冷却器、12…冷却器収納室、18…断熱仕切壁、20…送風機、60a、60b…断熱側面壁、61…上段冷凍貯蔵容器、62…下段冷凍貯蔵容器、71…上段野菜貯蔵容器、72…下段野菜貯蔵容器、73…根菜類貯蔵容器、74…載置用突条部、75…照明窓、76…成長抑制用光源装置、77A、77B…LEDランプ、79…根菜類貯蔵ボタン。
ヒントあり冷蔵庫
特開2010-078300 / 出願人: パナソニック株式会社 / 発明者: 辻本 かほる、上迫 豊志、高瀬 恵一 / 出願日: 2008-10-16 / 公開日: 2010-04-08 / 検索8位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 青緑2色の照度比で表面と内部に照射 青果物の表面に浸透する青色光と内部まで浸透する緑色光を組み合わせて庫内に照射し、緑色光の照度を青色光の3〜10倍に設定、フラッシング照射でビタミンC生成を促進する。
▸ 示唆: 複数波長の照度比率を規定して効果を出す設計思想はメモと共通するが、波長の組み合わせと目的(ビタミンC増加)が違い、比率規定の根拠づけ方の参考になる。
AIが精読したのは全344段落のうち検索が当てた10チャンク(50段落・15%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#5本発明は、冷蔵庫における、野菜類などの食品保存に関するものである。
【0002】近年、安価で且つ長寿命のLEDを用いて、植物を人工的に栽培する植物工場も増加の傾向で、その技術を冷蔵庫に応用し、背面上方から赤色、青色LEDや紫外線LEDで野菜を照射し、野菜の鮮度を保持する、あるいは保存中に栄養成分量を増加させるなど貯蔵性をよくする技術が知られている。一方では、近年、お客様の多様化したニーズを満たすため、食品の保存性を向上させるのみでなく、人間工学的な観点から3原色LEDや3原色LCDを庫内灯として使用し、扉を開けた時の庫内温度を庫内灯の色によって表示させ、使い勝手性を進化させるものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】図20は特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の各貯蔵室の基準温度と基準色の関係を説明するための説明図である。図21は同従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を示すフローチャートである。
【0004】図20に示すように、温度が低いほど寒色度の強い色を割り当て、高いほど暖色度の強い色を割り当てることによって、温度を視覚的に認識することが可能となる。
【0005】次に、図21を参照しながら、従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を説明する。
【0006】まず冷蔵室の扉が開いたか否かを判定し、開いたときは3原色LED(発光ダイオード)からなる色光源をもつ庫内灯を点灯させる。そして、庫内灯を点灯させた後は、反復記号Iを0に設定して、それを1つインクリメントする度に冷蔵室に設けたサーミスタからなる温度センサーで検知した温度Tsに応じて、庫内灯の色を制御し、I=10になるまでこれを繰り返す。冷蔵室の場合であるので、色の制御は温度Tsが0℃<Ts<10℃の範囲において複数の温度帯を予め区画しておき、各温度帯に特定の色を割り当てる。このとき、特定の温度帯の色には明暗の区別も行なう。また、高い温度帯には暖色系の色を、低い温度帯には寒色系の色を割り当てる。
【0007】I=10になった時点で、扉の開いている時間が1分以上2分未満のときは、そのとき特定の色で表示している庫内灯の明るさを暗く(減灯)し、再度反復記号Iを0に設定して、I=10になるまで温度センサーで検知した温度Tsに応じて、庫内灯の色を制御する。扉の開いている時間が2分以上になったときは庫内灯を点滅させる。
【0008】庫内灯では、赤、青、緑の3原色の光の組み合わせにより、1つの色を表現する。この3原色を組み合わせると、多数の色を表すことができる。また、庫内灯の取り付位置は、冷蔵室の冷気ダクト吐出口近傍の壁面、他の壁面、天井等とし、その場所に埋没させる。
【0009】このような構成をとることにより、温度センサーが検知した温度によって、色を変化させる3原色LEDや3原色LCDを庫内灯の色光源に使用するので、扉を開けたときの庫内温度を庫内灯の色によって表示することができ、且つ温度センサーが検知した温度と色表示との関係を任意に設定することができるので扉を開けている時の温度変化をユーザに強力にアピールすることができる。
【0010】このように特許文献1では、庫内温度に合わせて庫内灯の色を任意に設定し、使い勝手を向上したものである。 特開2004−286333号公報
【0011】従来の冷蔵庫では、3原色の光を用いて、扉を開けたときに庫内灯の色を庫内温度に応じて変化させ、数値で庫内温度を表示するよりもユーザが漠然と持つ色彩の感情効果に強い印象を与え感覚的に容易に温度上昇を認識でき使い勝手は向上するが、感覚的な色調と食品に有効な色調は一致しておらず、暗所保存が適している肉、魚等には可視光の照射は品質上好ましくなく、一方特定の光波長を照射することで保存性を向上できる野菜に対してもユーザが感覚的に好む色調を点灯し使い勝手の向上は図ったものの、保存性向上も図ることができていないという問題を有していた。
【0012】本発明は、上記従来の課題を解決するもので、野菜室をイメージしやすい色調で且つ、野菜の保存性を向上させる特有の波長の光を照射することを目的とする。
【0013】上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫の庫内の青果物を収納する貯蔵室と、前記貯蔵室内の空間へ光の照射を行なう複数の光源とを有し、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを組み合わせて照射するのである。
【0014】#8これにより、青果物の表面に光を浸透させることと、青果物の内部へ光を浸透させることを同時に実現することが可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させ、野菜全体でのビタミンC生合成をおこなうことが可能となり、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0015】本発明の冷蔵庫は、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることで、より品質の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0016】本発明の請求項1に記載の発明は、冷蔵庫の庫内の青果物を収納する貯蔵室と、前記貯蔵室内の空間へ光の照射を行なう複数の光源とを有し、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを組み合わせて照射するものである。
【0017】これにより、青果物の表面に光を浸透させることと、青果物の内部へ光を浸透させることを同時に実現すること可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させることができる。
【0018】例えば、青果物の表面に光を浸透させる波長として青色光を用いた場合は、野菜表面で吸収されビタミンC生成を促し、青果物の内部へ光を浸透させる波長として緑色光を用いた場合は、野菜の内部まで浸透し、野菜内部でのビタミンC生成を促すことができる。
【0019】#10また、色調としては、明るいグリーン系であることから、ユーザも庫内灯の照明にて野菜をイメージでき、かつクリーンなイメージを与えることのできる色調なので、照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0020】請求項2に記載の発明は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光を青色光とするものである。
【0021】これによって、青色光による青果物の光合成及び生態防御反応によって抗酸化物質であるビタミンCが生成されるのを利用して、青果物の栄養素を上手く増加させることが可能であるためであり、冷蔵庫内においてもこの生態防御反応を上手に励起して栄養素を増加させることができるものである。
【0022】さらに、青色光は照射によって微生物の菌の増殖を抑える静菌作用が得られるといった効果も実証されているため、青果物の表面における生態防御反応を加えてさらに野菜表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得られるため非常に有効である。
【0023】さらに、視覚的に青色光は人間に対して清涼感を与える色であるため、よりクリーンで鮮度の高い野菜が保存されていることを官能的に使用者が体感することができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光を緑色光とするものである。
【0025】これによって、野菜内部に光受容体をもつ緑色光を照射することで野菜内部まで光を浸透させ、内部での生態防御反応を促すことができる。
【0026】また、緑色光は可視光の中で特に青果物への副作用が少ない波長であるため、内部での光合成を促す程度の比較的強い照度で照射しても青果物の品質を劣化させることなくビタミン量を増加させることができ有効である。
【0027】このように、緑色光は野菜の生長に影響を及ぼさない光であるから、ビタミン増加に見合う強い照度の光を照射しても活発に光合成が行われることによる野菜内の水分の蒸散といった青果物の品質劣化は生じず、品質は暗所に保存した場合と同じである。また、他の波長域の光が野菜表面で反射されるのに対し、緑色は野菜内部まで浸透することから、パプリカなどの肉厚の青果物に緑色光を照射すると、内部での光合成によるビタミンC生成が促進される。
【0028】請求項4に記載の発明は、前記光源が、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを同時に照射し、前記光源の前記青果物に対する照度が5〜500Lxであるものである。
【0029】これによって、野菜はビタミンC生成に必要な照度を確保した上で、強光での野菜の蒸散や屈光性による品質劣化を防ぐことができる。
【0030】請求項5に記載の発明は、前記光源の前記青果物に対する照度は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光よりも前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光の方が明るいものである。
【0031】これによって、野菜の表面で作用し、且つ光吸収体が野菜に多く存在している青色光に対して、野菜内部で作用し、光吸収体が野菜の内部に存在する緑色光の照度を高くすることで、野菜表面および内部にて効率よくビタミンCの生成を行なうことができる。
【0032】請求項6に記載の発明は、前記光源が、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを間欠照射するものである。
【0033】これによって、連続点灯照射よりも間欠照射の方が野菜に対する刺激量が多く、光合成によるビタミンC生成に加え、野菜の防御反応でのビタミンC生成を促すことができる。
【0034】請求項7に記載の発明は、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光のいずれもが照射されない消灯間隔を有する間欠照射である。
【0035】これによって、全く光が照射されず、暗い状態を維持する消灯間隔があれば、その消灯間隔の後の光の照射によってより確実に生態防御反応を励起することが可能となるので、消灯間隔があればこの消灯間隔が終了した後に単色で照射を行う場合であっても、光源の照射によって野菜に対する光の明暗を確実に有することができ、生態防御反応を促すことができる。
【0036】請求項8に記載の発明は、前記光源が、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを前記青果物に直接照射するよう配置されているものである。
【0037】これによって、介在物を介することによる野菜のビタミンC生成に効果のある特定波長の変化や照度低下を防ぎ、直接野菜に照射して、ビタミンCの生合成を促すことができる。
【0038】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0039】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫を左右に縦に切断した場合の断面を示す縦断面図であり、図2Aは同実施の形態の冷蔵庫におけるパプリカの保存中におけるビタミンC量の変化を説明するための説明図であり、図2Bは光源の照射の制御フロー図である。
【0040】図1において、本体1はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24は、たとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
【0041】また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の璧厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25の貼付け面に全面塗布されている。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
【0042】本体1は複数の断熱区画に区分されており、上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切り替え室6および製氷室5、引出し式の野菜室4、引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切り替え室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
【0043】冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚が設けられてある。また冷蔵室2の最下部には貯蔵ケース35が設けてある。
【0044】冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定とする場合もある。
【0045】また、貯蔵ケース35は、肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度、たとえば−3〜1℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
【0046】切り替え室6はユーザの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所定の温度設定にすることができ、冷蔵室回転式扉7上のスイッチ14を操作することにより、切り替え室内の温度調節が行われ、切り替え室6内の温度は検知手段17により検知されている。また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
【0047】冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
【0048】本体1は背面下部を窪ませた機械室12を設けてある。また機械室12の上方背壁面に第二の機械室36を設けた。
【0049】冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを環状に接続して構成されている。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
【0050】また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
【0051】冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
【0052】また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
【0053】なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
【0054】切り替え室6内の天面には光源13が、点灯時に切り替え室6内部を照らすよう設置されている。食品の出し入れに際して、引き出し式扉8の開閉時に使用者が引き出し式扉8を開けると、光源13から照射される光が室外に漏れるので、冷蔵庫の使用者が光やその光の色調を認識することが可能である。また、本実施の形態では、光源13には複数個の発光源を備えており、これら発光源の各々が異なる色調の光を発するとともに、それら発光源の点灯や消灯の動作は制御基盤37を通じて行われる。
【0055】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0056】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
【0057】冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパーなどで分配することで各室の冷却を行う。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却が行われる。
【0058】#2切り替え室6では、使用者の目的や好みに応じて冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで、数段階に切り替えが可能である。本実施の形態では、切り替え室6の温度区分を4〜7℃の野菜室温度、1℃〜3℃の冷蔵温度、−15℃〜20℃の冷凍温度、その中間温度である−2℃〜−5℃のパーシャル温度、0℃のチルド温度に切り換えることができ、使用者が操作パネル14より温度切り替えを行うと、同時に光源13より温度帯毎に予め設定されていた色調の光が発光源13より照射されるように設定されている。
【0059】また、本実施の形態では光源13を主に青果物に対する有効な機能を発揮することを目的として設置するために、0℃以下のマイナス温度帯では一般的に青果物を活性化する効果が得られないため、0℃以下のマイナス温度帯では光源13が点灯しないようにし、貯蔵室の温度帯に応じて光源13の強制停止を行うような強制停止手段を備えるものとした。
【0060】発光源13にはLED素子を用い、緑色、青色、UV−Aのそれぞれの波長領域の光を放射する素子を同一基盤に設置し、それらの点灯を制御することにより数色の切り替えが可能となる。
【0061】また、本実施の形態では、野菜や果物を保存する際に青果物の表面に光を浸透させる波長として中心波長が470nmの青色光を用い、青果物の内部へ光を浸透させる波長として中心波長が520nmの緑色光を用いた。また、青色光は青色LED、緑色光は緑色LEDを用いた。このときの被対象物(青果物)に照射する青色LED,緑色LEDを備えた発光源13からの照射強度は5〜500Lxの範囲とするのが適切である。
【0062】#3この照射強度については、照射強度が5Lxに満たない場合は、光照射でのビタミンの増加は生じにくい。また、それに加えて、照射強度が5Lxに満たない程度に弱い場合には、消費者である使用者が扉開閉時に点灯を認識しにくい照度となるので、実際に冷蔵庫に搭載した場合における商品的な効果アピールといった訴求効果や、実際に使用した場合に実用的に視覚を通して認識するビタミン増加等の体感的な効果が得られにくい。
【0063】一方、500Lxを超える場合は光量が強すぎて、逆に青果物の蒸散が促進されて鮮度が低下する可能性があり、また照射した光が場合によっては屈曲したり変色したりするといった機能上の品質劣化が生じやすい。また、扉開閉時においても、光量が強すぎると消費者である使用者が冷蔵庫としての清涼感を抱きにくい傾向となる。
【0064】これらを踏まえると、光源13の光量としては20〜100Lxの照度範囲が、機能面においてはビタミン増加を図れるとともに、青果物の蒸散を促進しない有効な範囲となり、かつ官能的には扉開閉時に使用者が光源からの光の照射による機能効果を体感できるとともに、清涼感を抱ける照度範囲としてより好ましい。
【0065】また、緑色光の照射強度の方が青色光の照射強度よりも強い方が望ましく、本実施の形態では緑色LEDの照度は青色LEDに対する照度比率が約3〜10倍程度になるように構成した。
◆ この文献の解決アプローチ
青緑2色の照度比で表面と内部に照射
文献: また、緑色光の照射強度の方が青色光の照射強度よりも強い方が望ましく、本実施の形態では緑色LEDの照度は青色LEDに対する照度比率が約3〜10倍程度になるように構成した。
複数波長の照度比率を規定して効果を出す設計思想はメモと共通するが、波長の組み合わせと目的(ビタミンC増加)が違い、比率規定の根拠づけ方の参考になる。
【0066】なお、実際の製品において、この照射比率の強弱を確認する際には照度計によって収納空間そのものの照度の強弱を確認することができる。具体的には、同時に2色の照射を行う場合には、制御基板等の切り替えを変えて1色ずつ照射するようにしてそれぞれの照度を測ると各波長すなわち各色における照度の強弱を確認することができる。
【0067】これは、緑色光は青果物への副作用が少ない波長の光のため、青果物でのビタミン量を増加させるためには青果物内部に浸透させる緑色光の照度を強くすると青果物の品質を劣化させることなくビタミン量を増加させることができ有効である。実験によると、光の照度は緑色光が青色光の3倍から10倍程度の範囲に設定すると効果的であることが判明した。すなわち、3倍に満たない程度では青果物内部でのビタミン量増加の効果が十分でなく、10倍を超えるレベルでは青果物表面でのビタミン量増加の効果が期待しにくく、いずれにしても総合的なビタミン量増加の効果が得られにくいものとなる。
【0068】また点灯は緑色LED、青色LEDを同時に20〜50Hzの範囲の中のいずれかの周波数でフラッシング照射(間欠照射)するよう、制御基盤37にて制御したものであり、具体的には40Hz前後の35〜45Hzで点滅すなわちフラッシングを行うものである。
【0069】これは、間欠照射であるフラッシングを20Hz以下のゆっくりとした点滅によってはっきりと目視で使用者が確認できるようにした場合には、使用者に対してピカピカと点滅することでよく目立つために注意喚起としては有効な手段であるが、一般的に光が点滅していると何らかの異常を知らせるといった警告のように感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりするといった問題が生じる。
【0070】一方で、野菜に対しては、連続点灯照射よりも間欠照射の方が野菜に対する刺激量が多く、光合成によるビタミンC生成に加え、野菜の防御反応でのビタミンC生成を促すことができる。これについては実際の実験結果を踏まえて説明を行う。
【0071】このように20〜50Hzでフラッシング照射すなわち間欠照射した場合には、速い速度での点滅であるため、20H以下のはっきりと異常を知らせるような警告に感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりすることを抑えることができ、特に40Hz以上の速度では家庭用のはっきりと確認使用者である人間の肉眼では光源13からの間欠照射を目視で確認することはできず、連続照射しているように見える。
【0072】よって、本実施の形態では間欠照射を目視ではっきりと確認することはできない範囲のフラッシング間隔である20〜50Hzとした上で、青果物に対してはより刺激が強く有効な50Hz以下望ましくは40Hz以下の間欠照射を行うことで、使用者には心理的にストレスを与えずむしろ清涼感を与えるような照射を実現した上で、青果物に対しては十分に刺激を与えることで生態防御反応を刺激して栄養素を増加させるといった有効な効果が得られるものとした。
【0073】例えば、本実施の形態のように上記の20Hz〜50Hzの中心波長である40Hzで点滅照射し、人間が目視で確認した場合には、チラチラと光が揺れている程度の点滅は確認できるものの、例えば20Hz以下の周波数のようなはっきりとした点滅ではないため、使用者は点滅光による警告のような感じを受けたり、心理的な圧迫感を受けたりすることが非常に少ないため、使用者への心理的なストレスを与えることなく、青果物に対しては十分な刺激を与えることが可能となる。
【0074】このような20Hz〜50Hzの周波数は、言い換えると日本や、中国や欧州各国といった諸外国においての電源周波数である50Hz以下の周波数で点滅照射を行うこととなる。
【0075】よって、電源周波数以下の周波数を用いることで、一般的に普及している電源周波数で使用する照明装置やLEDを用いた上で、それらよりも低い周波数で点滅照射を行うことで、光源13の信頼性を高めることが可能である。
【0076】上記のような、フラッシング照射の青果物に対する有効な効果について以下に説明を行う。
【0077】図2Aは本実施の形態の冷蔵庫の切り替え室6に保存したパプリカのビタミンC量の変化を説明するための説明図である。
【0078】このときの切り換え室の設定は野菜室設定(約5℃)で、照度約20LxのLED照射タイミングを20Hz,30Hz,40Hz、連続点灯下及び非照射(暗所)下で5日間保存したパプリカの保存前のビタミンC量に対する変化量を求めた。
【0079】その結果、暗所は初期よりもやや保持率が低下するが、光照射下で保存したものは連続照射、フラッシング照射のいずれの場合においてもビタミンC量が増加していた。また、連続照射よりも、フラッシング照射(間欠照射)下での保存の方がビタミンC保持率高い傾向にあった。
【0080】これは、青果物の光合成及び生態防御反応によって抗酸化物質であるビタミンCが生成されるのを利用して、青果物の栄養素を上手く増加させることが可能であるためであり、本実験で実際の冷蔵庫内においてもこの生態防御反応を上手に励起して栄養素を増加させることができたことを実証するものである。
【0081】また、青果物の光合成には赤色光と青色光が有効であることが知られているが、一方では、これら波長域の光は黄化や屈光という品質劣化も誘引するため、悪影響を及ぼさない照度でのビタミンC量の増加は微増であるが、本実施の形態では青果物の表面に光を浸透させる波長として青色光を用いた。
【0082】これは、青色光は、照射によって微生物の菌の増殖を抑える静菌作用が得られるといった効果も実証されているため、生態防御反応に加えてさらに野菜表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得られるため非常に有効である。
【0083】さらに、視覚的に青色光は人間に対して清涼感を与える色であるため、よりクリーンで鮮度の高い野菜が保存されていることを官能的に使用者が体感することができる。
【0084】それに比べ、緑色光は野菜の生長に影響を及ぼさない光であるから、ビタミン増加に見合う強い照度の光を照射しても活発に光合成が行われることによる野菜内の水分の蒸散といった青果物の品質劣化は生じず、品質は暗所に保存した場合と同じである。また、他の波長域の光が野菜表面で反射されるのに対し、緑色は野菜内部まで浸透することから、パプリカなどの肉厚の青果物に緑色光を照射すると、内部での光合成によるビタミンC生成が促進されることとなる。
【0085】このように、本実施の形態では野菜表面で吸収されやすい青色の波長で野菜表面付近のビタミンC生成を促し、さらに野菜表面の静菌効果を得ることでより鮮度を高めた上で、青果物の内部へ光を浸透させやすい緑色の波長で、野菜の内部まで光を浸透させ、野菜内部での生態防御反応を促進してビタミンC生成を促すことが可能となる。
【0086】さらには、これらの光源13をフラッシング照射することで、野菜に与えるストレスが増加し、生態防御反応の励起を強め、結果抗酸化物質であるビタミンC量の生成がさらに促進されることとなる。
【0087】また、ビタミンCと同様に生態防御反応で生成される抗酸化物質である、ビタミンA、ポリフェノール、カロチン、ユピキノン等に対しても同様の効果が期待できる。
【0088】また、照射装置である光源13として青色LEDと緑色LEDとを同時にフラッシング照射することで、野菜に対して光の明暗が明確になることによって、より確実に生態防御反応を励起を強めることが可能となる。
【0089】また、青色LED、緑色LEDを照射すると、色調としては明るいグリーン系であることから、ユーザも庫内灯の照明にて野菜をイメージできかつクリーンなイメージを与えることのできる色調なので照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0090】このように、本実施の形態では、異なる2つの波長を同時に照射する場合に、色の3原色である赤・青・黄の中の少なくとも1色を同じ色を使用した色の波長を用いている。すなわち青色LEDでは色の3原色のうちの青色を使用しており、緑色LEDでは色の3原色のうちの青色と黄色を混ぜてできる緑色を使用しているので、どちらも同じ青色を使用していることで、これらの異なる2つの波長を同時に照射することで目視においては色が混ざりあって見える場合でも、より同系色の色を照射することで統一感があり、使用者に違和感のない印象を与えることが可能である。
【0091】言い換えると、異なる2つの波長を同時に照射する場合に、色の3原色である赤・青・黄のすべてを使用せず、これらの中の2色を基に生成できる色調を使用することが好ましい。
【0092】#1こういった組合わせの際に、内部への浸透力が高い緑色の周波数を1色は使うことが望ましく、もう1色の組み合わせとして青色にくわえ、野菜外部に刺激を与えるといった目的では赤色や橙色もしくは無色の紫外光といった組み合わせでも効果を発揮するが、上記記載のように青と緑の清涼感を使用者に与える際には、緑色に赤色やオレンジ色を組合わせると使用者への清涼感を与えるのは官能的に難しくなるので、本実施の形態においては有色の組み合わせとしては緑色と青色の組み合わせとした。
【0093】このように、光によって青果物に対して栄養素を増加するといった機能的な効果を奏するとともに、色調のイメージによって、使用者に対して清潔感や効果的に冷却されているような好ましい印象を感じることができ、冷蔵庫に対して使用者の満足度を高めることができる。
【0094】なお、光の波長については特に限定するものではないが、紫外光を含む光を放射する光源13を使用した場合には、紫外光が貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内に浮遊または壁面や食品表面に付着している微生物の遺伝子に対して働きかけ、微生物の増殖機能を不活性化させることができる。これにより貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内部の衛生性が保たれるとともに、食品については微生物によって生じる変色や腐敗臭、食品表面のネト発生を遅らせることが可能となる。このように紫外光を含む光源13を設けることにより、食品の保存性を高めた衛生的な保存が行える。
【0095】さらに、きのこ類や魚類には、ビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへ変換される。よって、紫外光を含む光源13を貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内に設けることで、貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内の特定の食品のビタミンD含有量を高めながら保存することができる。
【0096】また、光源13の種類については豆電球や発光ダイオード、蛍光ランプ、紫外ランプ等が挙げられるが、特に指定するものではなく、如何なる光源13でも適用可能である。中でも発光ダイオードはランプ自身による発熱が殆どなく、ランニングコストや耐久性の面においても優れており、汎用性が高い。
【0097】また、同一貯蔵室内における複数の光源13の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源13が同一貯蔵室内の異なる場所に設置されていても構わないものであり、この場合には使用者が複数の異なる色を体感することができるため、より使用者が光源からの光の照射による有効な効果を体感することを促すことができる。
【0098】なお、本実施の形態の冷蔵庫では、切り替え室6の扉8開放による温度上昇時に通常と異なる色調の光を放射させて使用者に注意喚起を図ることも可能である。この場合には、フラッシング照射の間隔を目視できるような範囲として使用者に注意喚起を図ることが望ましい。これは一般に扉開放が長時間に渡り行われ、貯蔵室内の温度が上昇した場合、貯蔵室内部の食品に悪影響を及ぼしやすくなる。特に、マイナス温度では、扉の長期開放による雰囲気温度の上昇により凍結された食品中の水分が気化し、それらが再び冷却された際に食品周囲へ着霜が生じることがあり、その場合食品の品質において外観、風味、食感などの面で低下がみられる。扉が長期に渡り開放される場合としては、食品の搬入や搬出時、または閉め忘れた場合などが挙げられ、特に閉め忘れられた場合には開放時間が長期に及ぶことが多い。
【0099】貯蔵室内の温度上昇時に光源13の放射する色調を特定のものに切り替えるかもしくはフラッシング照射の間隔を目視できるような範囲として使用者に注意喚起を図ることにより、扉の長期開放を使用者に認識させるもので、貯蔵室内の食品または氷等の品質を守ることができる。又、扉の長期開放後の温度復帰にかかる電力消費の増大を未然に防止することが可能となるため、消費エネルギー量の低減効果が得られる。
【0100】なお、使用者に貯蔵室内の温度上昇を認識させる光源13の色については特に指定するものではないが、色彩工学的には赤色系統が注意や警告、危険な印象を与えるとともに、多くの使用者の目にはっきりと認識されやすい色であることから好ましいと考える。
【0101】また、光源13の色を黄色系統とした場合、目立つ色彩であるため認識されやすくなるとともに、黄色は健常者、色覚障害者ともに同一の色として認識することができるため、両者が同じように使うことのできる、使い勝手の良好な冷蔵庫を提供することができる。
【0102】また、このような光源13の入力は、検知手段17の反応によりおこなわれる。検知手段17には、温度センサーを用い、一定温度の検知後に入力をおこなうものとしたが、たとえば検知手段17がドアスイッチである場合は、扉開放を検知したのちの一定時間後に入力をおこなうとしてもよく、特に指定するものではない。
【0103】本実施の形態では、図2Bに示すように、まず野菜室温度が弱設定であるかどうかを確認し、弱設定(2〜4℃)の場合には40Hzの周波数にて光源の点滅照射を行い、弱設定(2〜4℃)以外の例えばより低温の設定である強設定(0℃〜2℃)といった場合には光源の照射を行わない。
【0104】次に、野菜室の温度設定が変更された場合には、どの温度帯の設定であるかどうかを確認し、同様に弱設定(2〜4℃)の場合には40Hzの周波数にて光源の点滅照射を継続して行い、弱設定(2〜4℃)以外の例えばより低温の設定である強設定(0℃〜2℃)といった場合には光源の照射を行わないといった制御を行う。
【0105】これによって、野菜室4内の温度設定の中でより高温の弱設定(2〜4℃)の場合には、一般的な野菜の保存に最適でありかつ生態防御反応を励起しやすいため、このような生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものである。これによって、野菜室内の温度設定がより低温の0℃〜2℃といった強設定の場合には比較的低温であるために、野菜の細胞の動きが鈍く生態防御反応を励起しにくいために光源13の照射を停止することで、より効果が得られる温度帯に焦点をあてて効率よく光源13の点灯照射を行うことができ、生態防御反応の特性を利用してより効果的な温度帯に焦点をあてて栄養素を増加させることが可能である。
【0106】本実施の形態の冷蔵庫において、切り替え室6は、冷蔵室2の下方に位置するとともに、野菜室4と冷凍室3の上方に位置しているものである。このようなレイアウトにすることにより、平均身長の女性が腰をかがめずに切り替え室6の扉8の開閉を行うことができ、また食品の出し入れについても腰をかがめず、楽な姿勢で行うことができるので、使い勝手性が向上する。また、使用頻度の高い野菜室4についても、平均身長の女性が腰をかがめずに扉10開閉を行うことができるとともに、重量感のある野菜についてもしゃがまずに出し入れを行うことができるので、従来の使い勝手性を損なうことがない。また、このように楽な姿勢での使用が可能なレイアウトにすることにより、使用者の肉体的な負担を軽減することができる。
【0107】なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室2については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
【0108】なお、本実施の形態では、照射装置である光源13として青色LEDと緑色LEDとを同時にフラッシング照射するものとしたが、これらの異なる色調の光がそれぞれ独立して間欠照射するものであってもよい。すなわち光源13は、青果物の表面に光を浸透させる波長の光と青果物の内部へ光を浸透させる波長の光のいずれもが照射されない消灯間隔を有する間欠照射であればよい。これは、野菜に対して光の明暗が明確にするために、すくなくともどちらも同時に照射していないタイミングである光源13の消灯間隔があれば、この消灯間隔が終了した後に単色で照射を行う場合であっても、光源の照射によって野菜に対する光の明暗を確実に有することができ、言い換えると全く光が照射されず、暗い状態を維持する消灯間隔があれば、その消灯間隔の後の光の照射によってより確実に生態防御反応を励起することが可能となる。
【0109】こういった異なる色調の光がそれぞれ独立して間欠照射する場合には、例えば同じ周波数でどちらも同時に照射していないタイミングである光源13の消灯間隔を経て交互に照射するものでもよく、色調によって異なる周波数で点滅するものでもよい。特に色調によって異なる周波数で間欠照射する場合にはより強い効果を得たい側の光の周波数を高めることでより有効な効果を得ることが可能である。
【0110】このように、本実施の形態におけるフラッシング照射は生態防御反応を励起することが目的であるため、一定の間隔で明暗をつければ良く、少なくとも光源13から光が照射されない消灯間隔を有していれば、照射の間隔に大きく左右されずフラッシングによる生態防御反応が得られるものである。
【0111】#6また、本実施の形態のように連続照射ではなくフラッシング照射することによって光源13の消費するエネルギーをより低減することができ、省エネルギーの冷蔵庫を実現することが可能となる。
【0112】また、消灯間隔は有さないが複数の色調の光が交互に点灯する構成や、一つの色調の光が連続点灯であった上で、他の色調の光が間欠照射をする構成など、要するに上記の保存性,栄養価増強の目的に叶う複数の光源を用いて総合的な色調や照度の断続変化で何らかのフラッシング状態を再現できるような照射制御であれば、ベストモードには至らなくても本実施の形態における一定の効果を奏することができる選択肢となり得る。
【0113】以上のように、本実施の形態の冷蔵庫の切り替え室6では、青色光で表面に、緑色光で内部へ光を浸透させることが可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させ、野菜全体でのビタミンCの増加をおこなうことが可能となり、照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができ、より品質の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0114】また、本実施の形態では、冷蔵から冷凍までなどの幅広い温度帯の切替機能を有する切り替え室6内を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば野菜室4内などに設けて、青果物の鮮度を向上させながら栄養素を増加させることももちろん可能である。
【0115】また、本実施の形態では、光源13の詳細な構造については説明していないが、光源からの光が透過する光透過部材からなるカバーを備えることが望ましく、低温で密閉された冷蔵庫内に生じやすい結露が直接光源13に付着することを防ぎ、光源13の劣化や故障を防止することができる。
【0116】また、本実施の形態では、光源13を貯蔵室の天面側に配置するものとしたが、光源からの光が透過する光透過部材からなる収納容器であれば例えば背面側や底面,側面などに光源13を配置して光透過部材からなる収納容器を介して照射することも可能であり、この場合には貯蔵室内の貯蔵空間である収納容器外に光源13が位置するので、貯蔵空間内の野菜などの食品収納に起因する高湿度の雰囲気に曝されず、より光源付近に付着する結露を防止することができるとともに、使用者が光源に触れることを防止することができるので、より故障を防止し安全性を高めることが可能である。
【0117】また、光源13をたとえば反射板などの部材で拡散反射させて、照射方向や照射範囲の選択,調整が可能となるような構成をとれば、効果の最適化を図る設計上の自由度が増し、光源13の取り付け位置やLEDの取り付け,照射方向を選択できる。光源13に透光性のカバーを用いて、このカバー自体で光の方向や拡散をコントロールすることも有効である。
【0118】なお、本実施の形態では生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものとしたが、例えば栄養素アップのボタンを扉表面に備え、野菜室4の温度設定に関らず使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射を行うことも可能であり、この場合には、例えば扉表面に栄養素アップを示すボタンが備えられていることで、より使用者が栄養素アップの機能を認識することが可能であるとともに、使用者の必要に合わせた任意のタイミングで光源13の点灯照射によって栄養素の増加を行うことが可能であるので、より使用者の使い勝手を向上させることが可能である。
【0119】また、本実施の形態では生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものに、さらに使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射を行うといった構成を組合せることも可能であり、この場合には、通常は生態防御反応を励起しやすい温度設定に焦点を絞って光源13の照射を行うことに加え、使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射によって栄養素の増加を行うことが可能となり、さらに使用者の使い勝手を向上させた高機能の冷蔵庫を提供することが可能となる。
【0120】(実施の形態2) 図3は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫を示す正面図であり、図4は本発明の実施の形態2の冷蔵庫の縦断面図である。
【0121】なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0122】図に示すように、冷蔵庫100は、3つの扉111a,111b,111cを備える冷蔵庫であり、貯蔵箱170により形成される貯蔵室は、三つに区画されている。
【0123】冷蔵庫100は、区画された貯蔵室として、上部より冷蔵室110と、野菜室120と、冷凍室130とを備えている。同図において、矩形の破線がそれぞれの貯蔵室の開口を表しており、貯蔵の対象である食品は、棚状に区画された貯蔵箱170内に前方より搬入され、また、搬出されるものとなっている。
【0124】また、冷蔵庫100は、貯蔵箱170を密閉可能、かつ、開閉可能な扉111を備えている。具体的には、冷蔵庫100は、冷蔵室110を開閉可能な扉111a、および野菜室120を開閉可能な扉111bと、冷凍室130を開閉可能な扉111cとを備えており、扉111a,111b,111cは、ヒンジにより開閉可能に貯蔵箱170に取り付けられている。
【0125】貯蔵箱170は、外方と内方とを断熱する機能を備えており、同図楕円内に示すように、ABSなどの樹脂で真空成型された内箱171と、プリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱172と、内箱171と外箱172との間に配置される断熱材173で構成されている。また、扉111も同様に内板と外板と断熱材173とで構成されている。
【0126】図に示すように、冷蔵庫100は、光源200と、光源200のカバー部材である透過性の材料からなる仕切手段210と、抗菌装置220とを備えている。また、冷蔵庫100は、食品容器121と、蓋122とを野菜室120の内方に備えている。
【0127】抗菌装置220は野菜室120内の空気からオゾンを発生させるオゾン発生装置であり、主に青果物の表面に付着した菌の増殖を抑制することで、野菜室内に収納された青果物の鮮度をより向上させるものである。
【0128】光源200は、点灯時に食品容器121内部を照らすよう設置されている。食品の出し入れに際して、扉の開閉時に使用者が扉を開けると、光源200から照射される光が室外に漏れるので、冷蔵庫の使用者が光やその光の色調を認識することが可能である。また、本実施の形態では、光源200には複数個の発光源を備えており、各々が異なる色調の光を発するとともに、それら発光源の点灯や消灯の動作は制御基盤を通じて行われ、光源200は間欠照射であるフラッシング照射を行うものである。
【0129】この光源200の照射方法や色調については実施の形態1で説明した技術内容と同様のものであり、点灯は緑色LED、青色LEDを20〜60Hzでフラッシング照射(間欠照射)するよう制御基盤にて制御している。
【0130】また、抗菌装置220は一定時間毎に動作するものであり、扉が開いている場合には抗菌装置220は停止させるものとする。
【0131】また、場合によっては抗菌装置220は使用者が任意のタイミングで動作させることが可能となるように抗菌ボタンを扉表面に備えることで、より抗菌装置を備えた冷蔵庫であることが使用者にアピールできることに加え、必要な時にのみ抗菌機能を発揮させることが可能となるので、より使い勝手のよい冷蔵庫を提供することが可能となる。
【0132】このように、本実施の形態では、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させる目的で光源200を備えるとともに、野菜室120内に収納された青果物の鮮度を向上させる目的で抗菌装置220を備えたものである。
【0133】また光源200は、冷蔵室110と野菜室120とを仕切る断熱壁115の下面側に野菜室120の内方側に埋設されている。
【0134】#9このように光源を断熱壁115に埋設することで、食品容器121を取り出す際に食品が光源200に接触することを抑制し、スムーズな開閉動作を実現することが可能となる。
【0135】また、光源200を貯蔵室外から冷気が流入するために低温度となる冷気吐出口213近傍に備えることで、光源200に結露水が付着した場合でも、吐出口213からの通風経路上に光源200が位置することで、効率よく結露を消滅させることが可能となる。また、光源200が点灯した場合に多少の温度上昇があった場合でも、吐出口213からの冷気によって光源200周辺の温度上昇を抑制することができ、野菜等への温度影響を抑えて、より保鮮性を向上させることが可能となる。
【0136】また、光源200を青色LED、緑色LEDを照射する。
【0137】これによって、青色LEDから照射する青色光によって、青果物の表面に光を浸透させ、さらに青色光の照射によって微生物の菌の増殖を抑える静菌作用が得られるといった効果も得られるため、野菜表面の生態防御反応により栄養素増加に加えてさらに野菜表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得ることができる。
【0138】さらに、視覚的に青色光は人間に対して清涼感を与える色であるため、よりクリーンで鮮度の高い野菜が保存されていることを官能的に使用者が体感することができる。
【0139】#7また、緑色LEDから照射される緑色光は、野菜の生長に影響を及ぼさない光であるから、ビタミン増加に見合う強い照度の光を照射しても活発に光合成が行われることによる野菜内の水分の蒸散といった青果物の品質劣化は生じず、品質は暗所に保存した場合と同じである。また、他の波長域の光が野菜表面で反射されるのに対し、緑色は野菜内部まで浸透することから、パプリカなどの肉厚の青果物に緑色光を照射すると、内部での光合成によるビタミンC生成が促進されることとなる。
【0140】このように、本実施の形態では野菜表面で吸収されやすい青色の波長で野菜表面付近のビタミンC生成を促し、さらに野菜表面の静菌効果を得ることでより鮮度を高めた上で、青果物の内部へ光を浸透させやすい緑色の波長で、野菜の内部まで光を浸透させ、野菜内部での生態防御反応を促進してビタミンC生成を促すことが可能となる。
【0141】さらに、光源200を青色LED、緑色LEDを同時に照射ことによって、色調としては明るいグリーン系となることから、ユーザも庫内灯の照明にて野菜をイメージできかつクリーンなイメージを与えることのできる色調なので照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0142】このように本実施の形態では、光源200として発光ダイオードであるLEDを用いたので、一般的なランプと比較してより省エネルギでさらに温度上昇を抑えることができる。
【0143】また、光源200をフラッシング照射(間欠照射)させることでさらに点灯時間が短くなるために、より省エネルギでかつ温度上昇の少ない光源200を備えることが可能となる。
【0144】なお、本実施の形態では、光源200として発光ダイオードであるLEDを用いたが、特にこれに限定されるわけではなく、異なる波長の光を放出することが可能な光源を複合的に備えるものを光源であればかまわないが、発熱量が多い光源を備える場合には、本実施の形態のように光源200を貯蔵室外から冷気が流入するために低温度となる冷気吐出口213近傍に備えるといった構成等によって貯蔵室への温度影響を低減する手段を搭載することが望ましい。
【0145】さらに、冷蔵庫100は、冷却手段である冷却器を備えている。本実施の形態の場合、冷却手段は、2つの冷却器を備える冷却サイクルで構成されている。具体的には、冷蔵室110の奥面部の裏側に第一の冷却器112を備えている。冷蔵室110の奥面部は冷却器112からの熱伝導によって冷却される。冷蔵室110内の空気は、この冷却された奥面部により冷却される。
【0146】また、第二の冷却器112は、冷凍室130の奥面の裏側に備えられている。冷凍室130内は、第二の冷却器112を強制的に通過されて冷やされた冷気によって冷却されるようになっており、食品などを冷却した冷気は再び第二の冷却器112に戻るものとなっている。
【0147】第二の冷却器112から放出される冷気は、冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給される。野菜室120は、ダンパーの開閉制御により供給される冷気の量が制御され、冷蔵室110の温度帯と冷凍室130の温度帯との間の温度帯に維持される。具体的には4℃以下0℃以上の範囲内の温度に維持されるように制御される。
【0148】また、野菜室120の背面の上方部に備えられた冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給された冷気は野菜室120の背面の底面部に備えられた冷気吸入口214を介して第二の冷却器112へと戻っていく。
【0149】このように、野菜室120に流入する冷気は他の貯蔵室を通過した冷気ではなく、冷却器112から直接流入する冷気であるため、例えば冷蔵室のような比較的温度が高く雑菌の繁殖しやすい貯蔵室の冷気風路とは独立していることで、よりクレーンで抗菌性の高い冷気が野菜室内に流入することになる。
【0150】さらに、このように、野菜室120の冷気が底面部に備えられた冷気吸入口214から排出されていくため、空気よりも重いために下方側に溜まり易いオゾンを速やかに排出することが可能となり、野菜室120内のオゾン濃度の増加を抑制することができる。
【0151】さらに、空気よりも重いために下方側に溜まり易いオゾンを含む冷気が冷気吸入口214から排出されることで、冷却器112が背面に備えられた冷凍室130の冷気にも抗菌効果の高いオゾンが循環するため、冷凍室の抗菌性も高めることが可能となる。
【0152】このように、冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給された冷気は冷気吸入口214を介して第二の冷却器112へと戻っていく野菜室120内の風路内において、抗菌装置220は上流側に位置している。言い換えると、抗菌装置220は冷気吸入口214よりも冷気吐出口213に近い側に備えられている。
【0153】これによって、野菜室120内の風路におけるより上流側に抗菌装置220が配置されていることで、抗菌装置220であるオゾン発生装置から噴霧されたオゾンを野菜室内120に流入した冷気に乗せて均一に野菜室120内に拡散させることが可能となり、より収納された青果物の鮮度を向上させることが可能となる。
【0154】また、抗菌装置220であるオゾン発生装置から噴霧されたオゾンは噴霧開口部211,212を介して野菜室内に噴霧されるため、噴霧開口部211,212を複数備えることでよりオゾンの拡散性を高めることができる。また、噴霧開口部211,212は図4に示すように少なくとも野菜室120の前後方向に対する中心に対しての両側である前方側と後方側とに離れて配置されていることで、さらに抗菌機能を有するオゾンの拡散性を向上させている。よって、こういった噴霧開口部211,212を複数備えるといった構成は抗菌材料の拡散手段として機能するものである。
【0155】さらに、抗菌材料の拡散手段として、野菜室120の左右方向の中心線に対しての両側である右側と左側とに離れて抗菌材料の噴霧開口部を配置すると、抗菌材料であるオゾンの拡散性を向上させることが可能となる。
【0156】また、噴霧開口部211,212が天面側に配置されて下方側に開口しているとともに冷気吐出口213は野菜室120の天面側に配置されて水平方向側に開口していることで、空気より重いために下方へ向かう傾向があるオゾンを冷気吐出口213からほぼ水平方向に噴出される冷気に乗せて水平方向へ拡散させることができ、その後オゾンは自重によって下方向へと拡散していくので、オゾン濃度の偏りを防止してより均一に分布させることができるので、野菜室120内の抗菌性をより高めることが可能となる。
【0157】よって、このように抗菌装置220からの抗菌材料であるオゾンが噴霧される噴霧開口部211,212の噴霧方向と貯蔵室内に吐出される冷気の開口部である冷気吐出口213の噴霧方向を同じ方向とせずに交差する方向とすることも、抗菌材料の拡散手段として機能するものであって、抗菌材料の拡散性を高めることができる。またこの噴霧開口部211,212の噴霧方向と貯蔵室内に吐出される冷気の開口部である冷気吐出口213の噴霧方向とが交差する方向は直角である90°を含んで±30°程度までの所定の角度とすることが望ましい。別の表現をすると、冷気吐出口213から噴霧された冷気が直接霧開口部211,212へと流れるように冷気吐出口213を備えると拡散手段として有効に機能するものである。
【0158】食品容器121は、貯蔵室である野菜室120内に配置され引き出し可能で上方に開口する開口部127を有する箱体である。
【0159】蓋122は、食品容器121の開口部127を閉塞する板状の部材であり、通過孔124と、調整孔125とを備えている。また、蓋122は、光源200が放出する光の内、必要な波長の光を十分に透過できる材質で構成されている。蓋122は、食品容器121内の湿度を調節する機能を備えるものであり、具体的には、食品容器121内に貯蔵される野菜から蒸散される湿気をある程度食品容器121内に維持しながら、食品容器121内で前記湿気が結露しない程度に湿度を調節する。
【0160】以上のように、本願発明にかかる冷蔵庫100は、光源200から発光する光の力で貯蔵する食品の保鮮性を高めることができるため、人体への害のないより安全な方法で食品を長期保存することが可能となる。
【0161】さらに、光源200をフラッシング照射すなわち間欠照射する場合に、使用者である人間の肉眼では光源200からの間欠照射を目視で確認することはできず、連続照射しているように見えるような間欠照射を行うことで、一般的に光が点滅していると何らかの異常を知らせるといった警告のように感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりするといった問題が生じることなく、人体への心理的な害のない安全な照射方法を実現した上で、フラッシング照射により野菜に与えるストレスを増加させ、生態防御反応の励起を強め、結果抗酸化物質であるビタミンC量の生成がさらに促進されることが可能となる。
【0162】以上のように、本実施の形態では、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させる目的で光源200を備えるとともに、野菜室120内に収納された青果物の鮮度を向上させる目的で抗菌装置220を備えたものであり、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させた上でさらにその鮮度を高めることが可能となり、野菜室の機能を格段に高めることができるといった格段の効果を奏するものである。
【0163】なお、本実施の形態では野菜室120には食品容器121を備えているが、本願発明はこれに限定されるわけではなく、食品容器121やその蓋がない野菜室120に直接食品を保存するものでもかまわない。
【0164】また、貯蔵室170を固定的な断熱壁115により区画したが、特に断熱壁で区画する必要がない場合には、断熱材に限定しない仕切壁で区画しても良い。
【0165】(実施の形態3) 図5は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の正面図であり、図6は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の縦断面図であり、図7は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の斜視図である。
【0166】本実施の形態では、上記実施の形態2で示した冷蔵庫100の野菜室120内における構造に関する別の形態を開示しているものであり、実施の形態1および2で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0167】図において、光源200は、冷蔵室110と野菜室120とを仕切る断熱壁115の下面側に野菜室120の内方側に埋設されており、野菜室の横方向(左右方向)における中心線AA´状に配置されており、野菜室の前後方向においては、中心よりも後方側に配置されている。
【0168】また、野菜室120内には食品容器121として、下段容器121aと、下段容器121a内の上方部に配置された上段容器121bとが備えられており、下段容器121aおよび上段容器121bが収納された状態においては蓋141が閉塞されており、容器内からの水分の蒸散を防いでおり、下段容器121aおよび上段容器121bが引き出された状態では蓋141は下段容器121aおよび上段容器121bの上方には位置せず冷蔵庫100の本体側に残っているため、蓋141が食品の出し入れの際に邪魔になることはない。
【0169】#4また、光源200は上段容器121bの直上部には配置されておらず、下段容器121aへ直接届くように下段容器121aの開口部の直上部に配置されている。すなわち、下段容器121a内に収納された青果物に対しては光源200からの光が介在物を介さずに直接照射され、上段容器121bに収納された青果物については光透過性の材料からなる上段容器121bを介して間接的に光が照射されることとなる。
【0170】また、光源200の点灯は緑色LED、青色LEDを同時にフラッシング照射(間欠照射)するものである。
【0171】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0172】これまで説明した実施の形態での効果に加え、本実施の形態では、光源200を照射する空間を使い分けて、下段容器121aと上段容器121bによって区画するものである。
【0173】光源200からの照射によって下段容器121aに収納された青果物は光合成及び生態防御反応によって抗酸化物質であるビタミンCが生成されるので、青果物の栄養素を上手く増加させることが可能である。
【0174】また、上段容器121bは扉を閉めた状態では上方側に備えられた蓋140で閉塞されており、下段容器121aと比較して高湿空間に維持することが可能であるので、より高湿度で鮮度が向上するフルーツや葉野菜等を収納するといった方法で、野菜室120の収納空間を使い分けしてより使い勝手のよい冷蔵庫を実現することが可能である。
【0175】また、この上段容器121bは光透過性の材料で構成することによって、光源200の照射による栄養素向上や静菌作用を得ることができる。また、この上段容器121b内には下段容器121aを介して間接的に冷気が流入することで、冷却器からの低温の冷気が直接流入するのを防ぎ、より高湿度を好む青果物を収納することが望ましく、また低温状態においては鮮度が劣化するバナナやナスといった低温に弱い青果物を収納するとこれらの低温障害を防ぐことができ、より鮮度を向上させることが可能となる。
【0176】よって、下段容器121a内の貯蔵空間には冷気吐出口13から流入した冷気が直接流入するとともに光源200からの光も直接照射される環境となり、一方上段容器121b内の貯蔵空間には下段容器121a内を介した高湿の冷気が流入するとともに光源200からの光も上段容器121bを介して間接的に照射される環境となるので、これらの貯蔵空間は異なった貯蔵環境となる。
【0177】このように、流入する冷気のタイプや光からの照射強度の異なる複数の容器を備えることで、野菜室120内を上手に使い分けてその区画に適した収納物を収納することが可能となり、より効果的に野菜室内の青果物の栄養素を増加させかつ鮮度を向上させることが可能となる。
【0178】また、光源を断熱壁115に埋設することで、引き出し式扉の開閉の際に食品が光源200に接触することを抑制し、スムーズな開閉動作を実現することが可能となる。
【0179】なお、本実施の形態では図7(a)に示すように上段容器121bがLEDと対向しない位置に配置したものとしたが、図7(b)に示すように、上段容器121b内に直接LEDが照射されるような構成とすることも可能である。
【0180】この場合には、上段容器121bは光源200の直接照射によってより効果的に栄養素向上や静菌作用を得ることができることに加え、この上段容器121b内には下段容器121aを介して間接的に冷気が流入することで、冷却器からの低温の冷気が直接流入するのを防ぎ、より高湿度を好む青果物を収納することが望ましく、また低温状態においては鮮度が劣化するバナナやナスといった低温に弱い青果物を収納するとこれらの低温障害を防ぐことができ、より鮮度を向上させることが可能となる。
【0181】よって、上段容器121b内の青果物に焦点をあてて栄養素の向上を行うことができる。
【0182】また、この場合にも下段容器121aおよび上段容器121bが収納された状態においては蓋141が閉塞されており、容器内からの水分の蒸散を防いでおり、下段容器121aおよび上段容器121bが引き出された状態では蓋141は下段容器121aおよび上段容器121bの上方には位置せず冷蔵庫100の本体側に残っているため、蓋141が食品の出し入れの際に邪魔になることはない。
【0183】(実施の形態4) 図8は本発明の実施の形態4における冷蔵庫の水収集手段近傍の縦断面図である。図9は本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機能ブロック図であり、図10は静電霧化装置214で発生されたミストでの除菌イメージ図である。
【0184】本実施の形態では実施の形態1から3で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0185】図において野菜室天面の仕切り部472に、霧化装置411と霧化装置411に水分を供給する水収集板と青色光と緑色光を庫内に照射させるための光源437と光を庫内全体に拡散させるための拡散板438があり、野菜室405の中に、野菜室温度検知手段239と、野菜室湿度検知手段440が構成されている。
【0186】抗菌装置は野菜室に備えられた霧化装置411であり、主にラジカルを含むミストが青果物に付着することによって、青果物の表面に付着した菌の増殖を抑制することで、野菜室内に収納された青果物の鮮度をより向上させるものである。
【0187】また、本実施の形態では抗菌装置である霧化装置411を外部から水を補給することなく貯蔵室内の水分を結露させる部材に結露した水分を用いてミストを発生させる霧化装置411を備えた。
【0188】水分を結露させる部材である水収集板423は、冷蔵庫の冷却手段を用いて露点以下になるように冷却することで、庫内温度との温度差が生じ庫内の水分が水収集板に結露させるものであるなる。また、制御手段442は、水収集板温度検知手段430と野菜室温度検知手段439と野菜室湿度検知手段440とドア開閉検知手段441の各検知結果に基づき霧化装置である静電霧化装置414と加熱手段424と冷却手段443と送風手段425を制御する。
【0189】以上のように構成された本実施の形態の冷蔵庫について、以下その動作・作用を説明する。
【0190】まず、野菜室温度検知手段439と野菜室湿度検知手段440により野菜室405の露点温度を予測することができる。そこで、水収集板表面温度を露点温度以下になるように調整する。例えば、(表1)のように水収集板表面温度を調整する。
【0192】例えば、野菜室温度が5℃で野菜室の湿度が90%なら、露点温度は3.5℃であり、この温度以下なら水収集板423に庫内の水蒸気は結露する。結露した水は、水収集板423もしくはカバー432に沿って霧化装置411(静電霧化装置414)の静電霧化部に送水される。
【0193】次に静電霧化装置414により噴霧されたミストが、野菜が収納されている容器433内に噴霧される。噴霧されたミストはオゾンやOHラジカルなどを保持しており、プラスに帯電した野菜や果物表面に付着し、ミストが野菜表面を抗菌、除菌、殺菌することができると同時に野菜表面に付着する有害物質を酸化分解することができる。またミストの水分が野菜や果物の微細な孔にミストが入りこみ、野菜に吸水されることとなる。
【0194】発生されたミストには、オゾンやOHラジカルなどを保持しており、これは強い酸化力を保持している。これらオゾンやラジカルによって細菌の組織の中でも細菌細胞膜タンパクの一部が酸化分解され溶菌されることで、結果細菌は不活化する。このように細菌自体を瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、細菌細胞膜を破壊することで、結果的に細菌の不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲で細菌の不活性化を行うことができる。そのため、発生したミストが野菜室内や野菜表面を抗菌、除菌、殺菌することができると同時に野菜表面に付着する有害物質を酸化分解することができる。
【0195】よって、本実施の形態においては、霧化装置は微細な水分を供給するミスト噴霧装置であると同時に、細菌やウイルスの増殖を抑制する抗菌装置として機能しているものである。
【0196】図10は静電霧化装置214で発生されたミストでの除菌イメージ図であり、図11は、冷蔵庫の野菜室を想定したBOXにて細菌の代表菌種である大腸菌の除菌効果を確認した結果を示す。
【0197】試験条件はBOX容量を約70L、BOX内温度約5℃、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態の静電霧化装置をBOX内に設置し稼働率30分ON−30分OFFで稼動させた。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、上記BOX条件より静電霧化装置の代わりに超音波霧化装置にてミストを噴霧したもので同一試験を行った。
【0198】図に示すように、本実施の形態においては超音波霧化装置では除菌率30%未満あるのに対し、静電霧化装置にて霧化した場合、3日で95%以上、7日では99%以上の高い抗菌効果を有していることが判明した。
【0199】次に図12は静電霧化装置で発生されたラジカルを含んだミストでのカビ抑制のイメージ図である。カビは通常胞子が発芽し菌糸を伸ばして成長する。図に示すように発生されたミストに含まれるオゾンやラジカルにて発芽した菌糸が除去されるため、カビがそれ以上菌糸を伸長できず不活化され、結果カビは成長を抑制される。このようにカビそのものを瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、カビの菌糸を破壊することで結果的に細菌の不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲でカビの成長を抑制することができる。
【0200】次に図13に冷蔵庫の野菜室を想定したBOXにてカビ代表菌種であるクロカビの除菌効果を確認した結果を示す。
【0201】試験条件はBOX容量を約70L、BOX内温度約5℃、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態2の静電霧化装置214をBOX内に設置した。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、静電霧化装置214を除いたもので同一試験を行った。尚、供試カビは初発浮遊カビ数が1000個以上/100L・Airになるように噴霧した。菌数の測定はエアーサンプラー吸引法にて測定した。
【0202】図に示すように、本実施の形態の静電霧化装置を60分稼動後対照条件に対し99%除菌効果が得られており、野菜や庫内表面だけでなく、冷蔵庫庫内に浮遊する菌に対しても除菌効果が確認できた。
【0203】次に図14は静電霧化装置で発生されたミストでの抗ウイルスのイメージ図である。通常ウイルスはウイルス表面に存在するスパイクというタンパク質が唾などの栄養分に寄生し繁殖する。図に示すように発生されたラジカルを含む超微細なミストがウイルスの周りに取り付きスパイク(タンパク質)を分解するため、ウイルスが栄養素に寄生することができず、不活化され繁殖を抑制する。このようにウイルスそのものを瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、ウイルスの表面のタンパク質を破壊することで結果的にウイルスの不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲でカビの成長を抑制することができる。
【0204】次に図15に本実施の形態の静電霧化装置の抗ウイルス効果をBOX試験にて確認した結果を示す。
【0205】試験条件はBOX容量を約30L、BOX内温度は室温、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態2の静電霧化装置をBOX内に設置し稼働率30分ON−30分OFFで稼動させた。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、静電霧化装置214を除いたもので同一試験を行った。ウイルスの不活化は50%組織培養感染量(TCID50)の対数値で比較した。TCID50の対数値が小さいほどウイルス不活化率は高く、LogTCID50値は2以上の差があれば有意差があるといえる。
【0206】本試験結果から、本実施の形態2の静電霧化装置を2時間稼動させた場合、初期および対照(ブランク)に対しLogTCID50/mlで2以上の差があることから、ウイルス不活化効果があることが確認できた。
【0207】また、図示はしないが、乾燥に強く冷蔵庫庫内にも人の手を介して生息する黄色ブドウ球菌に対しても大腸菌と同様の除菌効果が得られている。また、O−157やMRSA、インフルエンザウイルスなどの病原菌にたいしても同様に高い除菌効果が得られていることから細菌、カビ、ウイルスなど幅広い菌種に対して高い除菌効果を有することが明らかとなった。
【0208】以上のように、本実施の形態においては、静電霧化装置により野菜室にミストとして確実に野菜表面に付着させることにより野菜に保湿性を高め、保鮮性を向上させることができる。また、ミスト発生時に同時に発生するオゾンやOHラジカルにより庫内および食品表面および庫内空気中のカビ、細菌、酵母、ウイルスなどの除菌、庫内の脱臭、食品表面の有害物質除去、防汚などの効果を高めることができる。
【0209】さらに、水道水ではなく結露水を用いるためミネラル成分や不純物がないため、保水材の劣化や目詰まりによる保水性の劣化を防ぐことができる。
【0210】一方、光源437は野菜室405に保存されている野菜や果物にフラッシング照射される。光源437とは、中心波長が470nmの青色光を含む光と中心波長が520nmの緑色光を含む光の2波長の光を同時照射する例えば青色LED,緑色LEDなどで、十分である。この時照射される照度は野菜などの対象物表面で20〜100Lxの照度とすることが、ビタミン増加および扉開閉時に消費者が清涼感を抱ける照度となって好ましい。また、フラッシングタイミングは20〜40Hzが好ましい。
【0211】ミストを吸水した野菜や果物に青色光と緑色光をフラッシング照射(間欠照射)すると、野菜や果物は、吸水した水と光を利用して光合成を行い、ビタミンCの生成が促進される。
【0212】また、光のフラッシング及び静電霧化によって発生するOHラジカルは野菜や果物のストレスとなり、生態防御反応を誘引する。その結果、抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンA、カロチン、ポリフェノール、ユピキノンなどの栄養素の生成が促進され、栄養価の高い野菜や果物となる。
【0213】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので水収集板等の水分供給装置を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となる。
【0214】よって、実施の形態2で具体的に説明したオゾン発生装置の別形態の装置として置き換えて設置することが可能である。その場合には、水収集板を必要とせず、もちろん水収集板を冷却する必要もないので、抗菌装置としての静電霧化装置は庫内の任意の箇所に取り付けることが可能であることはいうまでもない。
【0215】以上のように、本実施の形態では、容器433の保存中の野菜や果物に対し、静電霧化装置414にて微細ミストを適量噴霧し、さらに光源437が青色光と緑色光をフラッシング照射することにより、野菜や果物の正常な光合成を促進させると共に、野菜や果物の生態防御反応を励起させることで、保存中の野菜や果物を萎れさせることなく、ビタミンなどの栄養素を増加させ、栄養価が高く品質のよい保存ができる。
【0216】(実施の形態5) 図16は本発明の実施の形態5における冷蔵庫を左右に切断した場合の断面を示す縦断面図である。図17は本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室の奥面を示す要部正面図である。図18は本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室に備えた静電霧化装置の周辺部を図17のA−A線で切断し切断面を矢印方向から見た断面図である。
【0217】本実施の形態では実施の形態1から4で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0218】特に、本実施の形態5では上記実施の形態4の抗菌装置である霧化装置の別の形態を中心に説明するものであって、光源等については説明を行わないが、実施の形態1から4で説明した光源等と同様の技術を適用することができる。
【0219】図において、冷蔵庫500の冷蔵庫本体である断熱箱体501は、主に鋼板を用いた外箱502と、ABSなどの樹脂で成型された内箱503と、外箱502と内箱503との間の空間に発泡充填される硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材とで構成され、周囲と断熱され、仕切り壁によって複数の貯蔵室に断熱区画されている。最上部に第一の貯蔵室としての冷蔵室504、その冷蔵室504の下部に第四の貯蔵室としての切換室505と第五の貯蔵室としての製氷室506が横並びに設けられ、その切換室505と製氷室506の下部に第二の貯蔵室としての野菜室507、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室508が配置される構成となっている。
【0220】冷蔵室504は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、野菜室507は冷蔵室504と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。冷凍室508は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
【0221】切換室505は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室505は製氷室506に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
【0222】なお、本実施の形態では、切換室505を、冷蔵と冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室504と野菜室507、冷凍は冷凍室508に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切り換えに特化した貯蔵室としても構わない。また、特定の温度帯に固定された貯蔵室でも構わない。
【0223】製氷室506は、冷蔵室504内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
【0224】断熱箱体501の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室501aを形成して、機械室501aに、圧縮機509、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。すなわち、圧縮機509を配設する機械室501aは、冷蔵室104内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
【0225】手が届きにくくデッドスペースとなっていた断熱箱体501の最上部の貯蔵室後方領域に機械室501aを設けて圧縮機509を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使いやすい断熱箱体501の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
【0226】なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった断熱箱体501の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて圧縮機509を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
【0227】野菜室507と冷凍室508の背面には冷気を生成する冷却室510が設けられ、風路541と区画されており、その間には、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路541と、各貯蔵室と断熱区画するために構成された奥面仕切り壁511が構成されている。また、冷凍室吐出風路541と冷却室510とを隔離するための仕切り板561を備えている。冷却室510内には、冷却器512が配設されており、冷却器512の上部空間には強制対流方式により冷却器512で冷却した冷気を冷蔵室504、切換室505、製氷室506、野菜室507、冷凍室508に送風する冷却ファン513が配置される。
【0228】また、冷却器512の下部空間には冷却時に冷却器512やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ514が設けられ、さらにその下部には除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン515、その最深部から庫外に貫通したドレンチューブ516が構成され、その下流側の庫外に蒸発皿517が構成されている。
【0229】野菜室507には、野菜室507の引き出し扉518に取り付けられたフレームに載置された下段収納容器519と、下段収納容器519に載置された上段収納容器520が配置されている。
【0230】引き出し扉518が閉ざされた状態で主に上段収納容器520を略密閉するための蓋体522が野菜室上部の第一の仕切壁523及び内箱503に保持されている。引き出し扉518が閉ざされた状態で蓋体522と上段収納容器520の上面の左右辺、奥辺が密接し、上面の前辺は略密接している。さらに、上段収納容器520の背面の左右下辺と下段収納容器519の境界部は、上段収納容器520が稼働する上で接触しない範囲で食品収納部の湿気が逃げないよう隙を詰めている。
【0231】蓋体522と第一の仕切り壁523の間には、奥面仕切り壁511に構成された野菜室用吐出口524から吐出された冷気の風路が設けられている。また、下段収納容器519と第二の仕切り壁525との間にも空間が設けられ冷気風路を構成している。野菜室107の背面の奥面仕切り壁511の下部には、野菜室507内を冷却し熱交換された冷気が冷却器512に戻るための野菜室用吸込み口526が設けられている。
【0232】なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった扉に取り付けられたフレームと内箱に設けられたレールにより開閉するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
【0233】奥面仕切り壁511は、ABSなどの樹脂で構成された奥面仕切り壁表面551と、風路541や冷却室510を隔離し、貯蔵室の断熱性を確保するための発泡スチロールなどで構成された断熱材552で構成されている。ここで、奥面仕切り壁511の貯蔵室内側の壁面の一部に他の箇所より低温になるように凹部511aを設け、その箇所に抗菌装置である静電霧化装置531が設置されている。
【0234】静電霧化装置531は、主に霧化部539、電圧印加部533、外郭ケース537で構成され、外郭ケース537の一部には、噴霧口532と湿度供給口538が構成されている。霧化部539は、霧化先端部である霧化電極535が設置され、霧化電極535はアルミニウムやステンレスなどの良熱伝導部材からなる伝熱冷却部材である冷却ピン534に固定されて接続している。
【0235】霧化部539は、霧化電極535が設置され、霧化電極535はアルミニウムやステンレス、真鍮などの良熱伝導部材からなる電極接続部材であり、霧化電極535は冷却ピン534の一端のほぼ中心部に固定され、電気的にも電圧印加部533から配線されている一端を含め接続している。
【0236】この電極接続部材である冷却ピン534は、例えば、直径10mm程度、長さが15mm程度の円柱形状で構成されており、直径1mm程度、長さが5mm程度であり、霧化電極535に比べて50倍以上1000倍以下、好ましくは100倍以上500倍以下の大きな熱容量を有するものである。このように、冷却ピン534の熱容量は霧化電極535の熱容量に対して50倍以上好ましくは100倍以上の熱容量を有することで、冷却手段の温度変化が霧化電極に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。また、この熱容量の上限値として、冷却ピン534の熱容量は霧化電極535の熱容量に対して500倍以下好ましくは1000倍以下の熱容量を有することとしている。この上限値については、熱容量が大きすぎると冷却ピン534を冷やすために大きなエネルギを要することとなり、省エネルギで冷却ピンの冷却を行うことが困難となるが、このような上限値内に抑えることで、冷却手段からの熱変動負荷が変わった場合に霧化電極に大きな影響を緩和した上で、省エネルギで安定して霧化電極の冷却を行うことが可能となる。さらに、上記のような上限値内に抑えることで、冷却ピン534を介して霧化電極が冷却されるのに要するタイムラグを適正な範囲内に収めることができ、霧化電極の冷却すなわち霧化装置への水分供給を行う際の立ち上がりが遅くなることを防止し、安定した霧化電極の冷却を行うことが可能となる。
【0237】また、素材はアルミや銅などの高熱伝導部材が好ましく、冷却ピン534の一端からもう一端に冷熱を熱伝導で効率よく伝導させるため、その周囲は断熱材552で覆われていることが望ましい。
【0238】また、長期的に霧化電極535と冷却ピン534の熱伝導の維持も必要であるので、接続部に湿度等の侵入を防止するためにエポキシ部材などを流しこみ、熱抵抗を抑え、さらに、霧化電極535と冷却ピン534を固定する。また、熱抵抗を低下させるために霧化電極535を冷却ピン534に圧入等により固定してもよい。
【0239】さらに、冷却ピン534は、貯蔵室と冷却器512もしくは風路を断熱するための断熱材552内で冷温を熱伝導させる必要があるので、その長さは5mm以上好ましくは10mm以上確保することが望ましい。ただし、冷却ピン534の長さは5mm以上好ましくは10mm以上確保することが望ましい。ただし、その長さを30mm以上にした場合は、その効果は低下する。
【0240】なお、貯蔵室(野菜室507)に設置された静電霧化装置531が高湿環境下にあり、その湿度が冷却ピン534に影響する可能性があるので、冷却ピン534は耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行った材料を選択した方が好ましい。
【0241】また、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534の形状を円柱としたので、断熱材552の凹部511aに嵌め込む際に、少し嵌め合い寸法がきつくても静電霧化装531を回転させながら圧入し取り付けることができるので、より隙間無く冷却ピン534を取り付けることができる。また、冷却ピン534の形状は直方体や正多角形体でもよく、これらの多角形の場合は、円柱と比較して位置決めがしやすく、正確な位置に静電霧化装置531を備えることができる。
【0242】さらに、冷却ピン534の中心軸上に霧化先端部である霧化電極535を取り付けることにより、冷却ピン534を取り付ける時、回転させても対向電極536と霧化電極535の距離を一定に保つことができ、安定した放電距離を確保できる。
【0243】伝熱冷却部材である冷却ピン534が外郭ケース537に固定され、冷却ピン534自体は外郭から突起した凸部534aを有して構成されている。この冷却ピン534は霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状で、凸部534aが奥面仕切り壁511の凹部511aよりもさらに深い最深凹部511bに嵌めあわされている。
【0244】よって、伝熱冷却部材である冷却ピン534の背面側には凹部511aよりもさらに深い最深凹部511bが備えられており、断熱材552の冷却室510側、すなわち風路541側は断熱材552が野菜室507の背面側の奥面仕切り壁511における他の部分よりも薄くなっており、この薄い断熱材552を熱緩和部材として、背面から冷却室510の冷気が熱緩和部材である断熱材552を介して冷却ピン534を冷却するように設置されている。
【0245】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の冷却は、冷却室510で生成された冷気を用いており、冷却ピン534は熱伝導性のよい金属片で形成したので、冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導だけで霧化先端部である霧化電極535の結露に必要な冷却を行うことができ、結露生成を行うことが可能となる。
【0246】このように簡単な構造でミストを噴霧する抗菌装置を構成することができるので、故障が少なく信頼性が高い霧化を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の冷却を行うことができるので、省エネルギで霧化を行うことができる。
【0247】また、この時、本実施の形態の伝熱冷却部材である冷却ピン534は霧化先端部である霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状をしているので、霧化部539の中で凸部534a側の端部534bが冷却手段に最も近接するため、冷却ピン534の中でも霧化電極535から最も遠い端部534b側から冷却手段である冷気によって冷却されることとなる。
【0248】また、霧化電極535に対向している位置で貯蔵室(野菜室507)側にドーナツ円盤状の対向電極536が、霧化電極535の先端と一定距離を保つように取付けられ、その延長上に噴霧口532が構成されている。
【0249】さらに、霧化部539の近傍に電圧印加部533が構成され、高電圧を発生する電圧印加部533の負電位側が霧化電極535と、正電位側が対向電極536とそれぞれ電気的に接続されている。
【0250】霧化電極535近傍では、ミスト噴霧のため、常に放電が起こるため、霧化電極535先端では、磨耗を生じる可能性がある。冷蔵庫500は、一般に10年以上の長期間に渡って運転することになるので、霧化電極535の表面は、強靭な表面処理が必要であり、例えば、ニッケルメッキ、および金メッキや白金メッキを用いることが望ましい。
【0251】対向電極536は、例えば、ステンレスで構成されていて、また、その長期信頼性を確保する必要があり、特に異物付着防止、汚れ防止するため、例えば白金メッキなどの表面処理をすることが望ましい。
【0252】電圧印加部533は、冷蔵庫本体の制御手段546と通信、制御され、冷蔵庫500もしくは静電霧化装置531からの入力信号で高圧のON/OFFを行う。
【0253】本実施の形態では、電圧印加部533を静電霧化装置531内に設置しており、貯蔵室(野菜室507)内の低温高湿雰囲気なるため、電圧印加部533の基板表面上には、防湿のためのボールド材やコーティング材を塗布している。
【0254】ただし、電圧印加部533を貯蔵室外の高温部に設置した場合には、コーティングを行わなくてもよい。
【0255】なお、静電霧化装置531を固定している奥面仕切り壁表面551には、貯蔵室(野菜室507)の温度調節をする、もしくは表面の結露を防止するためヒータ等の加熱手段554が奥面仕切り壁表面551と断熱材552の間に設置されている。
【0256】以上のように構成された本実施の形態の冷蔵庫500について、以下その動作、作用を説明する。
【0257】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機509の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)である程度凝縮液化し、さらに冷蔵庫本体(断熱箱体501)の側面や背面、また冷蔵庫本体(断熱箱体501)の前面間口に配設された冷媒配管(図示せず)などを経由し冷蔵庫本体(断熱箱体501)の結露を防止しながら凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機509への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器512に至る。
【0258】ここで、低温低圧の液冷媒は、冷却ファン513の動作により搬送する冷凍室吐出風路541などの各貯蔵室内の空気と熱交換され、冷却器512内の冷媒は蒸発気化する。この時、冷却室510内で各貯蔵室を冷却するための冷気を生成する。低温の冷気は冷却ファン513から冷蔵室504、切換室505、製氷室506、野菜室507、冷凍室508に冷気を風路やダンパを用いて分流させ、それぞれの目的温度帯に冷却する。特に、野菜室507は、冷気の配分や加熱手段554などのON/OFF運転により2℃から7℃になるように調整され、一般的には庫内温度検知手段を持たないものが多い。
【0259】野菜室507は、冷蔵室504を冷却した後、その空気を冷却器512に循環させるための冷蔵室戻り風路540の途中に構成された野菜室用吐出口524から野菜室507に吐出し、上段収納容器520や下段収納容器519の外周に流し間接的に冷却し、その後、野菜室用吸込み口526から再び冷却器512に戻る。
【0260】奥面仕切り壁511の比較的高湿度環境である箇所の一部について、断熱材552が、他の箇所より壁厚が薄く、特に、冷却ピン534の後方は最深凹部511bがあり、断熱材の厚みは例えば2mm〜10mm程度で構成されている。本実施の形態の冷蔵庫500においては、この程度の厚みが冷却ピン534と冷却手段との間に位置する熱緩和部材として適切なものとなる。これにより、奥面仕切り壁511は凹部511aが構成され、この凹部511aの最背面の最深凹部511bに冷却ピン534の凸部534aが突出した形状の静電霧化装置531が嵌めこまれて、取り付けられている。
【0261】冷却ピン534背面にある冷凍室吐出風路541には、冷却システムの運転により冷却器512で生成し、冷却ファン513により−15〜−25℃程度の冷気が流れ、風路表面からの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却ピン534が例えば0〜−10℃程度に冷却される。このとき、冷却ピン534は、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却ピン534を介して霧化先端部である霧化電極535も0〜−10℃程度に間接的に冷却される。
【0262】ここで、野菜室507の温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、霧化先端部である霧化電極535は露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極535には水が生成し、水滴が付着する。
【0263】水滴が付着した霧化先端部である霧化電極535に負電圧、対向電極536を正電圧側として、電圧印加部533によりこの電極間に高電圧(例えば4〜10kV)を印加させる。このとき電極間でコロナ放電が起こり、霧化先端部である霧化電極535の先端の水滴が、静電エネルギにより微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカルなどが発生する。電極間に印加する電圧は、4〜10kVと非常に高電圧であるが、そのときの放電電流値は数μAレベルであり、入力としては0.5〜1.5Wと非常に低入力である。
【0264】具体的には、霧化電極535を基準電位側(0V)、対向電極536を高電圧側(+7kV)とすると、霧化電極535先端に付着した結露水は、霧化電極535と対向電極536間の空気絶縁層が破壊され、静電気力で放電が起こる。このとき結露水は帯電し、微細な粒子となる。さらに対向電極536がプラス側のため帯電した微細ミストは引き寄せられ、液滴がさらに微粒化され、ラジカルを含んだ数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストが対向電極536に引き寄せられ、その慣性力により、貯蔵室(野菜室507)に向けて、微細ミストが噴霧される。
【0265】なお、霧化電極535に水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極535と対向電極536間に電流が流れない。
【0266】また、霧化先端部である霧化電極535を直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却することで間接的に霧化電極535を冷却することができ、伝熱冷却部材である冷却ピン534が霧化電極535よりも大きな熱容量を有するようにすることで、霧化先端部である霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化電極535を冷却することができ、また、蓄冷の役割を果たすことにより霧化電極535の急激な温度変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0267】このように霧化先端部である霧化電極535を直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却することで間接的に霧化電極535を冷却することができ、伝熱冷却部材が霧化電極535よりも大きな熱容量を有するようにすることで、冷却手段の温度変化が霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化先端部である霧化電極535を冷却することができ、霧化電極535の負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0268】このように、霧化電極535に対向する位置に対向電極536を備え、霧化電極535と対向電極536間に高圧電位差を発生させる電圧印加部533を有することで、霧化電極535近傍の電界が安定に構築できることによって微粒化現象、噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内に噴霧する微細ミストの精度をより高めることができ、霧化部539の精度を向上させることができ、信頼性の高い静電霧化装置531を提供することができる。
【0269】さらに、伝熱冷却部材である冷却ピン534は熱緩和部材(断熱材552)を介して冷却されるので、上記のように霧化電極535を冷却ピン534で間接的に冷却するものにさらに、熱緩和部材である断熱材552を介して二重構造で間接的に冷却することができ、霧化先端部である霧化電極535が極度に冷却されることを防ぐことができる。
【0270】霧化電極535の温度が1K下がれば、その先端の水生成スピードは約10%程度上昇する。しかし、霧化電極535が極度に冷却されると結露スピードが急激になり、それに伴い結露量が多大となり霧化部539の負荷の増大による静電霧化装置531への入力の増大および霧化部539の凍結、霧化不良が懸念されるが、こういった霧化部539の負荷増大による不具合を防ぐことができ、適切な結露量を確保することができ、低入力で安定的なミスト噴霧を実現することができる。
【0271】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の形状は、組み立て性を考慮すると円柱状が望ましい。正確には、直方体や正多角形体でもよいが、円柱の方が断熱材552の凹部511aに嵌め込むとき、静電霧化装置531を傾けながら取り付けることができる。逆に、多角形の場合は、円柱より位置決めがしやすい。
【0272】さらに、冷却ピン534の中心軸上に霧化電極535を取り付けることより、冷却ピン534を取り付ける時、回転させても対向電極536と霧化電極535の距離を一定に保つことができ、安定した放電距離を確保できる。
【0273】また、霧化先端部である霧化電極535を伝熱冷却部材(冷却ピン534)と熱緩和部材(断熱材552)とを介して二重構造で間接的に冷却することで、冷却手段の温度変化が霧化先端部である霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和することができるので、霧化電極535の負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0274】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の冷却は、冷却室510で生成された冷気を用いており、冷却ピン534を熱伝導性のよい金属片で形成したので、冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導だけで必要な冷却を行うことができる。
【0275】また、この時、本実施の形態の伝熱冷却部材である冷却ピン534は、霧化先端部である霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状をしているので、霧化部539の中で凸部534a側の端部534bが冷却手段に最も近接するため、伝熱冷却部材である冷却ピン534の中でも霧化先端部である霧化電極535から最も遠い端部534b側から冷却手段である冷気によって冷却されることとなる。
【0276】このように簡単な構造で冷却手段を構成することができるので、故障が少なく信頼性が高い霧化部539を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の冷却を行うことができるので、省エネルギで霧化を行うことができる。
【0277】このように冷却手段によって冷却する際に、伝熱冷却部材である冷却ピン534の霧化先端部である霧化電極535から最も距離の離れた遠い部分である端部534bから冷却することで、冷却ピン534の大きな熱容量を冷却した上で、冷却ピン534によって霧化電極535が冷却されることで、冷却手段の温度変化が霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。
【0278】また、霧化部539が取り付けられている奥面仕切り壁511は、貯蔵室(野菜室507)側の一部に凹部511aがあり、この凹部511aに凸部534aを有した霧化部539が挿入されることによって、熱緩和部材として貯蔵室(野菜室507)の奥面仕切り壁511を構成する断熱材552を用いることができ、特別な熱緩和部材を備えることなく断熱材552の厚みを調整することで、霧化先端部である霧化電極535が適度に冷却されるような熱緩和部材を備えることができ、霧化部539をより簡単な構成にすることができる。
【0279】また、凹部511aに冷却ピン534からなる凸部534aを有した霧化部539を挿入することで、霧化部539をガタツキなく確実に仕切り壁に取り付けることができると共に、貯蔵室である野菜室507側への出っ張りを抑えることができ、人の手にも触れにくいので安全性を向上させることができる。
【0280】また、貯蔵室である野菜室507の奥面仕切り壁511を挟んだ外側に霧化部539が出っ張らないので、冷凍室吐出風路541の風路断面積に影響を与えず、風路抵抗を増加させることによる冷却量の低下を防ぐことができる。
【0281】また、野菜室507の一部に凹部511aがあり、そこに霧化部539が挿入されていることにより、青果物や食品などを収納する収納量に影響することがなく、また、伝熱冷却部材である冷却ピン534を確実に冷やすとともに、それ以外の部分については、断熱性が確保できる壁厚が確保できるので、外郭ケース537内の結露を防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0282】また、電極接続部材である冷却ピン534は、ある程度の熱容量を確保できており、冷却風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導の応答を緩和することができるので、霧化先端部である霧化電極535の温度変動を抑制することができ、また蓄冷部材としての働きを有することになるので、霧化先端部である霧化電極535の結露発生の時間を確保し、凍結も防止することができる。
【0283】さらに、良熱伝導性の冷却ピン534と断熱材552を組み合わせることにより、損失なく良好に冷熱を伝導することができ、さらに冷却ピン534と霧化電極535の接合部の熱抵抗を抑えているので、霧化電極535と冷却ピン534の温度変動が良好に追従する。また、接合に関しても湿度が侵入することができないので、長期的に熱接合性が維持される。
【0284】また、貯蔵室(野菜室507)が高湿環境下にあり、その湿度が伝熱冷却部材である冷却ピン534に影響する可能性があるので、冷却ピン534は耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行っているので、さび等が発生せず、表面熱抵抗の増加が抑制され、安定した熱伝導が確保できる。
【0285】さらに、霧化先端部である霧化電極535表面がニッケルメッキや金メッキや白金メッキを用いているので、霧化電極535先端の放電による磨耗が抑制され、これにより、霧化電極535先端の形状が維持できるので、長期に噴霧することが可能となり、また、その先端の液滴形状も安定する。
【0286】霧化電極535から微細ミストが噴霧されるとき、イオン風が発生する。このとき、外郭ケース537に設けられた湿度供給口538より、新たに高湿な空気が外郭ケース537内の霧化電極535部に流入するため、連続して噴霧することができる。
【0287】霧化電極535で発生した微細ミストは、主に下段収納容器519内に噴霧されるが、非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、上段収納容器520にも微細ミストは到達する。噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びている。一方、野菜室507内には青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散あるいは保存中の蒸散によってより萎れやすいものである。野菜室内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、プラスの電荷をもつ。よって、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
【0288】また、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、OHラジカルと微量ではあるがオゾンなどを多く含んでおり、殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促す。
【0289】ここで、霧化電極535に水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極535と対向電極536間に電流が流れない。この現象を冷蔵庫500の制御手段546で検知することにより電圧印加部533の高圧をON/OFFすることもできる。
【0290】また、本実施の形態において、電圧印加部533は貯蔵室(野菜室507)内の比較的低温で高湿の位置に設置されており、電圧印加部533はポッチング材やコーティング材による防湿・防水構造をとることにより回路の保護を行っている。
【0291】なお、電圧印加部533を貯蔵室外に設置し場合は、上記対応を行わなくてもよい。
【0292】以上のように、本実施の形態においては、断熱区画された貯蔵室(野菜室507等)と、貯蔵室(野菜室507)内にミストを噴霧させる静電霧化装置531(霧化部539)を備え、静電霧化装置531の霧化部539は、高電圧を発生する電圧印加部533に電気的に接続されミストが噴霧される霧化先端部(霧化電極535)と、霧化電極535に対向する位置に配された対向電極536と、霧化先端部(霧化電極535)に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)と、霧化電極535を空気中の水分が結露する温度である露点以下にするため伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却する冷却手段を有し、冷却手段が伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却することで間接的に霧化先端部(霧化電極535)を露点以下に冷却し、霧化先端部(霧化電極535)に空気中の水分を結露させて貯蔵室(野菜室507)にミストとして噴霧することにより、貯蔵室(野菜室507)内の余剰な水蒸気から容易に、確実に霧化先端部(霧化電極535)に結露させることができ、対向電極136との間の高電圧のコロナ放電によってナノレベルの微細ミストが生成され、霧化されて噴霧された微細ミストが野菜等の青果物の表面に均一に付着し、青果物からの蒸散を抑制し、保鮮性を向上させることができる。また、青果物表面の細胞間隙や気孔等から、組織内に浸透し、萎んだ細胞内に水分が供給され、シャキッとした状態に復帰させることができる。
【0293】また、霧化電極535と対向電極536と間で放電させるので、電界が安定に構築できることによって噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内に微細ミストをより精度良く噴霧することができる。
【0294】また、ミスト発生時に同時に発生するオゾンやOHラジカルにより脱臭、食品表面の有害物質除去、防汚などの効果を高めることができる。
【0295】また、噴霧されたミストは直接、野菜室507の収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内の食品に噴霧することができ、ミストと野菜の電位を利用して野菜表面にミストを付着させることができるので、より野菜等の青果物表面に対する抗菌性を向上させることが可能となる。
【0296】さらに、霧化電極535に貯蔵室(野菜室507)内の余剰な水蒸気を結露させ、水滴を付着させ、ミストを噴霧することからミスト噴霧用の水を供給するための除霜ホースや浄化フィルター、もしくは水道直結の水供給経路、貯水タンクなどが不要であり、また、ポンプなどの送水手段等も使用しておらず、複雑な構成を要することなく、簡単な構成で貯蔵室(野菜室507)へ微細ミストを供給することができる。
【0297】このように簡単な構成で安定的に貯蔵室(野菜室507)へ微細ミストを供給することができるので、冷蔵庫500の故障の可能性を大幅に低減することができ、信頼性をより高めた上で冷蔵庫500の品質を向上させることができる。
【0298】さらに、水道水ではなく結露水を用いるためミネラル成分や不純物がないため、保水材を用いたときの劣化や目詰まりによる保水性の劣化を防ぐことができる。
【0299】さらに、超音波振動による超音波霧化ではないので、超音波の周波数発信に伴う共振等の騒音、振動に対する考慮をしなくてもよい。
【0300】さらに、貯水タンクが不必要であるので、貯水タンクを使用した場合に必要な欠水による超音波素子破壊の対応のための水位センサなどを設けなくてよく、より簡単な構成で冷蔵庫に霧化装置を備えることが可能となる。
【0301】さらに、電圧印加部533が収納されている部分についても奥面仕切り壁511に埋め込まれて、冷却されているので基板の温度上昇を抑えることができる。これにより、貯蔵室(野菜室507)内の温度影響を少なくすることができる。
【0302】また、本実施の形態では、各貯蔵室504,505,506,507,508を冷却するための冷却器512と、冷却器512を備えた冷却室510と貯蔵室(野菜室507)を断熱区画するための奥面仕切り壁511を備え、静電霧化装置531を奥面仕切り壁511に取り付けたことにより、貯蔵室(野菜室507)内の間隙に設置することで収納容積を減少することがなく、また、奥面に取り付けられていることで容易に人の手に触れることができないので安全性も向上する。
【0303】また、本実施の形態では、静電霧化装置531の霧化先端部である霧化電極535に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)は、熱伝導性のよい金属片であって、伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却する冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導を用いることにより、熱緩和部材である奥面仕切り壁511の断熱材552の壁厚を調整することにより伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の温度を簡単に設定することができ、また、熱緩和部材である断熱材552を挟むことにより冷温冷気の漏れがないので外郭ケース537などの着霜や結露などの信頼性低下を防止することができる。
【0304】また、本実施の形態では、静電霧化装置531(の霧化部539)が取り付けられている奥面仕切り壁511は、貯蔵室(野菜室507)側の一部に凹部511aがあり、そこに静電霧化装置531の霧化先端部である霧化電極535に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)が挿入されていることにより、青果物や食品などを収納する収納量に影響することがなく、また、伝熱冷却部材(冷却ピン534)を確実に冷やすとともに、静電霧化装置531におけるそれ以外の部分については、断熱性が確保できる壁厚が確保できるので外郭ケース537内の結露を防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0305】なお、本実施の形態における静電霧化装置531は、霧化先端部である霧化電極535と対向電極536との間に高電圧を印加するため、微細ミスト発生時にオゾンも発生するが、静電霧化装置531のON・OFF運転により、貯蔵室(野菜室507)内のオゾン濃度を調整することが出来る。オゾン濃度を適度に調整することにより、オゾン過多による野菜の黄化などの劣化を防止し、かつ、野菜表面の殺菌、抗菌作用を高めることが出来る。
【0306】なお、本実施の形態では、霧化電極535を基準電位側(0V)とし、対向電極536に正電位(+7kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させたが、対向電極536を基準電位側(0V)とし、霧化電極535に負電位(−7kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させてもよい。この場合、貯蔵室(野菜室107)に近い対向電極535が基準電位側になるので、冷蔵庫の使用者の手が対向電極536に近づいても感電等を起こさない。また、霧化電極535を−7kVの負電位にした場合、貯蔵室(野菜室507)側を基準電位側とすれば、特に対向電極536を設けなくてもよい場合もある。
【0307】この場合は、例えば、断熱された貯蔵室(野菜室507)の中に導電性の収納容器を備え、その導電性の収納容器が収納容器の保持部材(導電性)と電気的に接続され、且つ保持部材と脱着可能な構成とし、保持部材を基準電位部と接続しアース(0V)にするのである。
【0308】これにより、霧化部539と収納容器および保持部材が常に電位差を保つため安定的な電界が構成されることにより、安定的に霧化部539から噴霧でき、また、収納容器全体が基準電位になっているので、噴霧されるミストを収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
【0309】このように、特に対向電極536を設けなくても、貯蔵室(野菜室507)側の一部にアースされた保持部材を備えることで、霧化電極535と電位差を発生させて、ミスト噴霧を行うことができ、より簡単な構成で安定的な電界が構成されることにより安定的に霧化部から噴霧できる。
【0310】また、収納容器側に保持部材を取り付けると、収納容器全体が基準電位になっているので噴霧されるミストが収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
【0311】なお、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却するための風路を、冷凍室吐出風路541としたが、製氷室506の吐出風路や、冷凍室戻り風路などの低温風路でも構わない。これにより、静電霧化装置531の設置可能場所が拡大する。
【0312】なお、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却する冷却手段は、冷蔵庫500の冷凍サイクルで生成された冷却源を用いて冷却された冷気としたが、冷蔵庫500の冷却源からの冷気もしくは冷温を用いた冷却管からの熱伝達を用いるものであってもよい。これにより、この冷却管の温度を調節することで、伝熱冷却部材である冷却ピン534を任意の温度に冷却することができ、霧化電極535を冷却する際の温度管理を行いやすくなる。
【0313】なお、本実施の形態では、静電霧化装置531の霧化電極535周囲には、保水材を設けなかったが、保水材を配設してもよい。これにより、霧化電極135近傍で生成された結露水を霧化電極135周囲に保持することができるので、霧化電極135に適時に供給することができる。
【0314】なお、本実施の形態において、静電霧化装置531(の霧化部539)でミストが噴霧される貯蔵室を野菜室507としたが、冷蔵室504や切換室505などの他の温度帯の貯蔵室でもよく、この場合、様々な用途に展開が可能となる。
【0315】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので冷却ピン534を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となる。
【0316】このようにミストを噴霧せずオゾン発生装置もしくはマイナスイオン発生装置として静電霧化装置を利用する場合には、実施の形態2で具体的に説明したオゾン発生装置の別形態の装置として置き換えて設置することが可能である。その場合には、冷却ピンを必要とせず、もちろん冷却ピンを冷却する必要もないので、抗菌装置としての静電霧化装置は庫内の任意の箇所に取り付けることが可能であることはいうまでもなく、また冷却ピンを備えた場合であっても、冷却ピンを霧化電極として利用するのではなく霧化装置の位置決めとして利用するのも有効であり、この場合には適切な任意の庫内壁に取り付けることが可能となり、断熱壁に取り付ける場合のガタがすくなく高い精度で庫内壁に取り付けることが可能となり、ミストを噴霧する冷蔵庫と同じ霧化装置を共用することが可能となる。
【0317】(実施の形態6) 図19は本発明の実施の形態6における冷蔵庫の断面図である。
【0318】本実施の形態では、実施の形態1から5で詳細に説明した構成と異なる部分についてのみ詳細な説明を行い、実施の形態1から5で詳細に説明した構成と同じ部分もしくは、同じ技術思想が適用できる部分については、説明を省略する。
【0319】特に、本実施の形態6では上記実施の形態5の抗菌装置である霧化装置の別の形態を中心に説明するものであって、光源等については説明を行わないが、実施の形態1から4で説明した光源等と同様の技術を適用することができる。
【0320】図に示すように、本発明の実施の形態は、冷蔵庫600の最上部には第一の貯蔵室としての冷蔵室604、その冷蔵室604の下部に5℃前後の野菜室温度にも可変できる変温室701が構成され、変温室701のさらに下部に冷凍室608が構成されている。
【0321】変温室701は、冷蔵室604と変温室701の温度帯を区切るための仕切り板621と、変温室701の温度帯を区切るために断熱性を確保した第二の仕切り壁と、変温室701の奥面の仕切り板321と、扉618で区画され、仕切り板721の一部に変温室吐出口725が設けられている。
【0322】冷蔵室604と変温室701の奥面には冷蔵室仕切り板723が備えられ、この仕切りは変温室701奥面まで構成され、隔てて冷蔵室風路724が構成され、その一端には変温室吸込口726を構成されている。その中に高温側蒸発器704が備えられ、高温側蒸発器704の上方には冷蔵室用ファン722が設置され、冷蔵室に冷気を送付している。
【0323】また、変温室701の奥面の仕切り板721の一部には変温室701に抗菌装置である静電霧化装置631が構成されている。
【0324】変温室701の背面の仕切り板621は、主にABSなどの樹脂と発砲スチロールなどの断熱材で構成され、その内箱の一部に霧化装置である静電霧化装置631が設置されている。
【0325】静電霧化装置631を固定している仕切り板721には、静電霧化装置631に備えられた伝熱接続部材である冷却ピン634の温度調整と、霧化先端部である霧化電極635を含めた周辺部の過剰結露を防止するための冷却ピンヒータ658が霧化部639近傍に設置されている。
【0326】この伝熱接続部材である冷却ピン634が外郭ケース637に固定され、冷却ピン634自体は外郭から突起した凸部634aを有して構成されている。この冷却ピン634は霧化電極635と逆側に凸部634aを有する形状で、凸部634aが仕切り板721の一部に凹部が構成され、嵌めあわされている。
【0327】このとき、伝熱接続部材である冷却ピン634の背面側は、高温側蒸発器704に近接した配置となっている。
【0328】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0329】三方弁が高温側キャピラリ710へ流路が開の時、冷蔵室604と変温室701の冷却を行う。このとき、冷蔵室604もしくは変温室701内に設置された温度検知手段により、三方弁の開閉、冷蔵室用722ファンの動作が決定されており、これにより冷蔵室604、変温室701の温度を一定に保っている。
【0330】ここで、変温室701は任意の温度が設定できる部屋であり、−2℃程度のパーシャル温度帯から5℃程度の野菜室および12℃前後のワイン室まで切り替えることが可能である。よって、青果物などの保存するための野菜室として使用される場合がある。
【0331】そこで、変温室701の温度設定が野菜保存温度程度、例えば、2℃以上の設定になっている場合、静電霧化装置631を動作させ、収納物の保鮮度を向上させる。
【0332】ここで変温室701の奥面の仕切り板721の比較的高湿度環境である箇所の一部に静電霧化装置631が設置されており、特に、冷却ピン634の後方は高温側蒸発器704と近接している。
【0333】冷却ピン634背面にある高温側蒸発器704には、冷却システムの運転によりその冷媒管もしくはフィンなどの熱伝導部材は−15〜−25℃程度の温度となり、それらからの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却ピン634が例えば0〜−10℃程度に冷却される。このとき、冷却ピン634は、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却ピン634を介して霧化先端部である霧化電極135も0〜−10℃程度に間接的に冷却される。
【0334】ここで、三方弁708が高温側キャピラリの流路を開の状態になるように設定された場合、冷蔵室604と変温室701が冷却モードとなり変温室は低湿状態になる。また、三方弁708が高温側キャピラリの流路を閉の状態になるように設定された場合、変温室は比較的高湿になるとともに、冷蔵室用ファン722を動作させ、高温側蒸発器に付着した霜を融解、除霜することが可能であり、そのとき、変温室701は比較的高湿空間になる。
【0335】よって、冷却ピン634の背面の高温側蒸発器704の温度が上昇しても霧化することが可能となる。
【0336】ここで、変温室701の温度設定が野菜室設定の場合、温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、静電霧化装置631の霧化先端部である霧化電極635は露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極635には水が生成し、水滴が付着し、高圧印加によりラジカルを有した微細ミストを発生することが可能となる。
【0337】この微細ミストは、静電霧化装置631の外郭ケース637に構成されている噴霧口632を通過し、変温室701に噴霧されるが非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、変温室701全体微細ミストは到達する。噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びているので、変温室701にはプラスの電荷をもつ青果物である野菜が収納されているので、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
【0338】ただし、噴霧可能であれば、上記温度に限定されることはない。例えば、変温室が−2℃程度のパーシャル温度や、0℃程度の氷温、1℃前後のチルド温度帯に設定されていても、静電霧化装置631が噴霧可能と判定できれば、噴霧することにより、生鮮食料品表面に微細ミストが付着することにより除菌性が向上するのでより長期間保存することが可能になる。
【0339】また、冷蔵室用ファン322の動作と静電霧化装置631の動作を連動させることにより効率のよいミスト噴霧を実現できる。
【0340】また、静電霧化装置631の冷却ピン634近傍に温度調整用のヒータを配置することにより、霧化電極の温度制御、霧化先端部の水量調整を可能にするのでより安定した霧化状態を実現できる。
【0341】以上のように、本実施の形態は、抗菌装置として静電霧化装置631を備え、ラジカルを含んだミストを噴霧することで菌の増殖を防ぐものであるが、このような抗菌機能を有するのは高圧印加により発生するラジカルであるので、脱臭装置としてはミストが必須条件ではないが、ラジカルを含んだミストを抗菌装置とすることで、一般的には耐久時間が非常に短く消滅しやすいラジカルがミストに覆われて浮遊するために、ラジカルが存在する耐久時間が大幅に長くなることが大きな特徴である。また、ミストの場合には気体とは違って液体であるミスト粒子が野菜表面に付着することで、より除菌効果を高めることが可能である。
【0342】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので冷却ピン534を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となることは実施の形態5において説明した通りである。
【0343】本発明の冷蔵庫は、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることで、より品質の高い冷蔵庫を提供できるので、特に青果物を長期にわたって保存するための冷蔵庫に適している。
【0344】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態1の冷蔵庫におけるパプリカの保存中におけるビタミンC量の変化を説明するための説明図 本発明の実施の形態1の冷蔵庫における光源の照射の制御フロー図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫を示す正面図 本発明の実施の形態2の冷蔵庫の縦断面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の正面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の縦断面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の斜視図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の水収集手段近傍の断面図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機能ブロック図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の除菌イメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでの細菌の除菌効果を示した図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫のカビ抑制イメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでのカビの除菌効果を示した図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の抗ウイルスイメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでの抗ウイルス効果を示した図 本発明の実施の形態5における冷蔵庫を左右に切断した場合の断面を示す縦断面図 本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室の奥面を示す要部正面図 本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室に備えた静電霧化装置の周辺部を図17のA−A線で切断し切断面を矢印方向から見た断面図 本発明の実施の形態6における冷蔵庫の断面図 従来の冷蔵庫の各貯蔵室の基準温度と基準色の関係を説明するための説明図 同従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を示すフローチャート
【0345】1 本体 6 切り替え室 13 光源 237 光源
ヒントあり冷蔵庫
特開2013-231596 / 出願人: パナソニック株式会社 / 発明者: 辻本 かほる、上迫 豊志、高瀬 恵一 / 出願日: 2013-08-23 / 公開日: 2013-11-14 / 検索9位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 青緑LEDの照度比とフラッシング照射 冷蔵庫の貯蔵室で青色LEDと緑色LEDを同時に20〜50Hzで間欠照射し、緑色光の照度を青色光の3〜10倍にして生態防御反応を励起し、ビタミンC等の栄養素を増加させる。
▸ 示唆: 二波長の照度比に効果の最適範囲があることを実験で示す点がメモの比率規定と似ており、狙いは栄養増加で波長も異なるが、比率の臨界性を主張する際の論じ方の参考になる。
AIが精読したのは全329段落のうち検索が当てた10チャンク(47段落・14%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#4本発明は、冷蔵庫における、野菜類などの食品保存に関するものである。
【0002】近年、安価で且つ長寿命のLEDを用いて、植物を人工的に栽培する植物工場も増加の傾向で、その技術を冷蔵庫に応用し、背面上方から赤色、青色LEDや紫外線LEDで野菜を照射し、野菜の鮮度を保持する、あるいは保存中に栄養成分量を増加させるなど貯蔵性をよくする技術が知られている。一方では、近年、お客様の多様化したニーズを満たすため、食品の保存性を向上させるのみでなく、人間工学的な観点から3原色LEDや3原色LCDを庫内灯として使用し、扉を開けた時の庫内温度を庫内灯の色によって表示させ、使い勝手性を進化させるものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】図20は特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の各貯蔵室の基準温度と基準色の関係を説明するための説明図である。図21は同従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を示すフローチャートである。
【0004】図20に示すように、温度が低いほど寒色度の強い色を割り当て、高いほど暖色度の強い色を割り当てることによって、温度を視覚的に認識することが可能となる。
【0005】次に、図21を参照しながら、従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を説明する。
【0006】まず冷蔵室の扉が開いたか否かを判定し、開いたときは3原色LED(発光ダイオード)からなる色光源をもつ庫内灯を点灯させる。そして、庫内灯を点灯させた後は、反復記号Iを0に設定して、それを1つインクリメントする度に冷蔵室に設けたサーミスタからなる温度センサーで検知した温度Tsに応じて、庫内灯の色を制御し、I=10になるまでこれを繰り返す。冷蔵室の場合であるので、色の制御は温度Tsが0℃<Ts<10℃の範囲において複数の温度帯を予め区画しておき、各温度帯に特定の色を割り当てる。このとき、特定の温度帯の色には明暗の区別も行なう。また、高い温度帯には暖色系の色を、低い温度帯には寒色系の色を割り当てる。
【0007】I=10になった時点で、扉の開いている時間が1分以上2分未満のときは、そのとき特定の色で表示している庫内灯の明るさを暗く(減灯)し、再度反復記号Iを0に設定して、I=10になるまで温度センサーで検知した温度Tsに応じて、庫内灯の色を制御する。扉の開いている時間が2分以上になったときは庫内灯を点滅させる。
【0008】庫内灯では、赤、青、緑の3原色の光の組み合わせにより、1つの色を表現する。この3原色を組み合わせると、多数の色を表すことができる。また、庫内灯の取り付位置は、冷蔵室の冷気ダクト吐出口近傍の壁面、他の壁面、天井等とし、その場所に埋没させる。
【0009】このような構成をとることにより、温度センサーが検知した温度によって、色を変化させる3原色LEDや3原色LCDを庫内灯の色光源に使用するので、扉を開けたときの庫内温度を庫内灯の色によって表示することができ、且つ温度センサーが検知した温度と色表示との関係を任意に設定することができるので扉を開けている時の温度変化をユーザに強力にアピールすることができる。
【0010】このように特許文献1では、庫内温度に合わせて庫内灯の色を任意に設定し、使い勝手を向上したものである。
【0011】特開2004−286333号公報
【0012】従来の冷蔵庫では、3原色の光を用いて、扉を開けたときに庫内灯の色を庫内温度に応じて変化させ、数値で庫内温度を表示するよりもユーザが漠然と持つ色彩の感情効果に強い印象を与え感覚的に容易に温度上昇を認識でき使い勝手は向上するが、感覚的な色調と食品に有効な色調は一致しておらず、暗所保存が適している肉、魚等には可視光の照射は品質上好ましくなく、一方特定の光波長を照射することで保存性を向上できる野菜に対してもユーザが感覚的に好む色調を点灯し使い勝手の向上は図ったものの、保存性向上も図ることができていないという問題を有していた。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決するもので、野菜室をイメージしやすい色調で且つ、野菜の保存性を向上させる特有の波長の光を照射することを目的とする。
【0014】上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫の庫内の青果物を収納する貯蔵室と、前記貯蔵室内の空間へ光の照射を行なう複数の光源とを有し、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを組み合わせて照射するものにおいて、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光を青色光とし、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光を緑色光とするもので、前記光源を20Hz〜50Hzの周波数で点滅照射するものである。
【0015】これにより、青果物の表面に光を浸透させることと、青果物の内部へ光を浸透させることを同時に実現することが可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させ、野菜全体でのビタミンC生合成をおこなうことが可能となり、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0016】本発明の冷蔵庫は、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることで、より品質の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0017】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態1の冷蔵庫におけるパプリカの保存中におけるビタミンC量の変化を説明するための説明図 本発明の実施の形態1の冷蔵庫における光源の照射の制御フロー図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫を示す正面図 本発明の実施の形態2の冷蔵庫の縦断面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の正面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の縦断面図 実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の斜視図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の水収集手段近傍の断面図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機能ブロック図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の除菌イメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでの細菌の除菌効果を示した図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫のカビ抑制イメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでのカビの除菌効果を示した図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の抗ウイルスイメージ図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫を想定したBOXでの抗ウイルス効果を示した図 本発明の実施の形態5における冷蔵庫を左右に切断した場合の断面を示す縦断面図 本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室の奥面を示す要部正面図 本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室に備えた静電霧化装置の周辺部を図17のA−A線で切断し切断面を矢印方向から見た断面図 本発明の実施の形態6における冷蔵庫の断面図 従来の冷蔵庫の各貯蔵室の基準温度と基準色の関係を説明するための説明図 同従来の冷蔵庫の冷蔵室の庫内灯の制御を示すフローチャート
【0018】請求項1に記載の発明は、冷蔵庫の庫内の青果物を収納する貯蔵室と、前記貯蔵室内の空間へ光の照射を行なう複数の光源とを有し、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを組み合わせて照射するものにおいて、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光を青色光とし、前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光を緑色光とするもので、前記光源を20Hz〜50Hzの周波数で点滅照射するものである。
【0019】これにより、青果物の表面に光を浸透させることと、青果物の内部へ光を浸透させることを同時に実現すること可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させることができる。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを同時に照射し、前記光源の前記青果物に対する照度が5〜500Lxとしたものである。
【0021】これにより、野菜はビタミンC生成に必要な照度を確保した上で、強光での野菜の蒸散や屈光性による品質劣化を防ぐことができる。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記光源は、前記青果物の表面に光を浸透させる波長の光と前記青果物の内部へ光を浸透させる波長の光とを前記青果物に直接照射するよう配置されているものである。
【0023】これにより、介在物を介することによる野菜のビタミンC生成に効果のある特定波長の変化や照度低下を防ぎ、直接野菜に照射して、ビタミンCの生合成を促すことができる。
【0024】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0025】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫を左右に縦に切断した場合の断面を示す縦断面図であり、図2Aは同実施の形態の冷蔵庫におけるパプリカの保存中におけるビタ ミンC量の変化を説明するための説明図であり、図2Bは光源の照射の制御フロー図である。
【0026】図1において、本体1はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24は、たとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
【0027】また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の璧厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25の貼付け面に全面塗布されている。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
【0028】本体1は複数の断熱区画に区分されており、上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切り替え室6および製氷室5、引出し式の野菜室4、引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切り替え室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
【0029】冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚が設けられてある。また冷蔵室2の最下部には貯蔵ケース35が設けてある。
【0030】冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定とする場合もある。
【0031】また、貯蔵ケース35は、肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度、たとえば−3〜1℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
【0032】切り替え室6はユーザの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所定の温度設定にすることができ、冷蔵室回転式扉7上のスイッチ14を操作することにより、切り替え室内の温度調節が行われ、切り替え室6内の温度は検知手段17により検知されている。また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
【0033】冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
【0034】本体1は背面下部を窪ませた機械室12を設けてある。また機械室12の上方背壁面に第二の機械室36を設けた。
【0035】冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを環状に接続して構成されている。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
【0036】また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
【0037】冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
【0038】また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
【0039】なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
【0040】切り替え室6内の天面には光源13が、点灯時に切り替え室6内部を照らすよう設置されている。食品の出し入れに際して、引き出し式扉8の開閉時に使用者が引き出し式扉8を開けると、光源13から照射される光が室外に漏れるので、冷蔵庫の使用者が光やその光の色調を認識することが可能である。また、本実施の形態では、光源13には複数個の発光源を備えており、これら発光源の各々が異なる色調の光を発するとともに、それら発光源の点灯や消灯の動作は制御基盤37を通じて行われる。
【0041】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0042】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
【0043】#3冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパーなどで分配することで各室の冷却を行う。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却が行われる。
【0044】切り替え室6では、使用者の目的や好みに応じて冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで、数段階に切り替えが可能である。本実施の形態では、切り替え室6の温度区分を4〜7℃の野菜室温度、1℃〜3℃の冷蔵温度、−15℃〜20℃の冷凍温度、その中間温度である−2℃〜−5℃のパーシャル温度、0℃のチルド温度に切り換えることができ、使用者が操作パネル14より温度切り替えを行うと、同時に光源13より温度帯毎に予め設定されていた色調の光が発光源13より照射されるように設定されている。
【0045】また、本実施の形態では光源13を主に青果物に対する有効な機能を発揮することを目的として設置するために、0℃以下のマイナス温度帯では一般的に青果物を活性化する効 果が得られないため、0℃以下のマイナス温度帯では光源13が点灯しないようにし、貯蔵室の温度帯に応じて光源13の強制停止を行うような強制停止手段を備えるものとした。
【0046】発光源13にはLED素子を用い、緑色、青色、UV−Aのそれぞれの波長領域の光を放射する素子を同一基盤に設置し、それらの点灯を制御することにより数色の切り替えが可能となる。
【0047】#2また、本実施の形態では、野菜や果物を保存する際に青果物の表面に光を浸透させる波長として中心波長が470nmの青色光を用い、青果物の内部へ光を浸透させる波長として中心波長が520nmの緑色光を用いた。また、青色光は青色LED、緑色光は緑色LEDを用いた。このときの被対象物(青果物)に照射する青色LED,緑色LEDを備えた発光源13からの照射強度は5〜500Lxの範囲とするのが適切である。
【0048】この照射強度については、照射強度が5Lxに満たない場合は、光照射でのビタミンの増加は生じにくい。また、それに加えて、照射強度が5Lxに満たない程度に弱い場合には、消費者である使用者が扉開閉時に点灯を認識しにくい照度となるので、実際に冷蔵庫に搭載した場合における商品的な効果アピールといった訴求効果や、実際に使用した場合に実用的に視覚を通して認識するビタミン増加等の体感的な効果が得られにくい。
【0049】一方、500Lxを超える場合は光量が強すぎて、逆に青果物の蒸散が促進されて鮮度が低下する可能性があり、また照射した光が場合によっては屈曲したり変色したりするといった機能上の品質劣化が生じやすい。また、扉開閉時においても、光量が強すぎると消費者である使用者が冷蔵庫としての清涼感を抱きにくい傾向となる。
【0050】これらを踏まえると、光源13の光量としては20〜100Lxの照度範囲が、機能面においてはビタミン増加を図れるとともに、青果物の蒸散を促進しない有効な範囲となり、かつ官能的には扉開閉時に使用者が光源からの光の照射による機能効果を体感できるとともに、清涼感を抱ける照度範囲としてより好ましい。
【0051】#5また、緑色光の照射強度の方が青色光の照射強度よりも強い方が望ましく、本実施の形態では緑色LEDの照度は青色LEDに対する照度比率が約3〜10倍程度になるように構成した。
【0052】なお、実際の製品において、この照射比率の強弱を確認する際には照度計によって収納空間そのものの照度の強弱を確認することができる。具体的には、同時に2色の照射を行う場合には、制御基板等の切り替えを変えて1色ずつ照射するようにしてそれぞれの照度を測ると各波長すなわち各色における照度の強弱を確認することができる。
【0053】これは、緑色光は青果物への副作用が少ない波長の光のため、青果物でのビタミン量を増加させるためには青果物内部に浸透させる緑色光の照度を強くすると青果物の品質を劣化させることなくビタミン量を増加させることができ有効である。実験によると、光の照度は緑色光が青色光の3倍から10倍程度の範囲に設定すると効果的であることが判明した。すなわち、3倍に満たない程度では青果物内部でのビタミン量増加の効果が十分でなく、10倍を超えるレベルでは青果物表面でのビタミン量増加の効果が期待しにくく、いずれにしても総合的なビタミン量増加の効果が得られにくいものとなる。
【0054】また点灯は緑色LED、青色LEDを同時に20〜50Hzの範囲の中のいずれかの周波数でフラッシング照射(間欠照射)するよう、制御基盤37にて制御したものであり、具体的には40Hz前後の35〜45Hzで点滅すなわちフラッシングを行うものである 。
◆ この文献の解決アプローチ
青緑LEDの照度比とフラッシング照射
文献: 実験によると、光の照度は緑色光が青色光の3倍から10倍程度の範囲に設定すると効果的であることが判明した。
二波長の照度比に効果の最適範囲があることを実験で示す点がメモの比率規定と似ており、狙いは栄養増加で波長も異なるが、比率の臨界性を主張する際の論じ方の参考になる。
【0055】これは、間欠照射であるフラッシングを20Hz以下のゆっくりとした点滅によってはっきりと目視で使用者が確認できるようにした場合には、使用者に対してピカピカと点滅することでよく目立つために注意喚起としては有効な手段であるが、一般的に光が点滅していると何らかの異常を知らせるといった警告のように感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりするといった問題が生じる。
【0056】一方で、野菜に対しては、連続点灯照射よりも間欠照射の方が野菜に対する刺激量が多く、光合成によるビタミンC生成に加え、野菜の防御反応でのビタミンC生成を促すことができる。これについては実際の実験結果を踏まえて説明を行う。
【0057】このように20〜50Hzでフラッシング照射すなわち間欠照射した場合には、速い速度での点滅であるため、20H以下のはっきりと異常を知らせるような警告に感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりすることを抑えることができ、特に40Hz以上の速度では家庭用のはっきりと確認使用者である人間の肉眼では光源13からの間欠照射を目視で確認することはできず、連続照射しているように見える。
【0058】よって、本実施の形態では間欠照射を目視ではっきりと確認することはできない範囲のフラッシング間隔である20〜50Hzとした上で、青果物に対してはより刺激が強く有効な50Hz以下望ましくは40Hz以下の間欠照射を行うことで、使用者には心理的にストレスを与えずむしろ清涼感を与えるような照射を実現した上で、青果物に対しては十分に刺激を与えることで生態防御反応を刺激して栄養素を増加させるといった有効な効果が得られるものとした。
【0059】例えば、本実施の形態のように上記の20Hz〜50Hzの中心波長である40Hzで点滅照射し、人間が目視で確認した場合には、チラチラと光が揺れている程度の点滅は確認できるものの、例えば20Hz以下の周波数のようなはっきりとした点滅ではないため、使用者は点滅光による警告のような感じを受けたり、心理的な圧迫感を受けたりすることが非常に少ないため、使用者への心理的なストレスを与えることなく、青果物に対しては十分な刺激を与えることが可能となる。
【0060】このような20Hz〜50Hzの周波数は、言い換えると日本や、中国や欧州各国といった諸外国においての電源周波数である50Hz以下の周波数で点滅照射を行うこととなる。
【0061】よって、電源周波数以下の周波数を用いることで、一般的に普及している電源周波数で使用する照明装置やLEDを用いた上で、それらよりも低い周波数で点滅照射を行うことで、光源13の信頼性を高めることが可能である。
【0062】上記のような、フラッシング照射の青果物に対する有効な効果について以下に説明を行う。
【0063】図2Aは本実施の形態の冷蔵庫の切り替え室6に保存したパプリカのビタミンC量の変化を説明するための説明図である。
【0064】このときの切り換え室の設定は野菜室設定(約5℃)で、照度約20LxのLED照射タイミングを20Hz,30Hz,40Hz、連続点灯下及び非照射(暗所)下で5日間 保存したパプリカの保存前のビタミンC量に対する変化量を求めた。
【0065】その結果、暗所は初期よりもやや保持率が低下するが、光照射下で保存したものは連続照射、フラッシング照射のいずれの場合においてもビタミンC量が増加していた。また、連続照射よりも、フラッシング照射(間欠照射)下での保存の方がビタミンC保持率高い傾向にあった。
【0066】これは、青果物の光合成及び生態防御反応によって抗酸化物質であるビタミンCが生成されるのを利用して、青果物の栄養素を上手く増加させることが可能であるためであり、本実験で実際の冷蔵庫内においてもこの生態防御反応を上手に励起して栄養素を増加させることができたことを実証するものである。
【0067】また、青果物の光合成には赤色光と青色光が有効であることが知られているが、一方では、これら波長域の光は黄化や屈光という品質劣化も誘引するため、悪影響を及ぼさない照度でのビタミンC量の増加は微増であるが、本実施の形態では青果物の表面に光を浸透させる波長として青色光を用いた。
【0068】これは、青色光は、照射によって微生物の菌の増殖を抑える静菌作用が得られるといった効果も実証されているため、生態防御反応に加えてさらに野菜表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得られるため非常に有効である。
【0069】さらに、視覚的に青色光は人間に対して清涼感を与える色であるため、よりクリーンで鮮度の高い野菜が保存されていることを官能的に使用者が体感することができる。
【0070】それに比べ、緑色光は野菜の生長に影響を及ぼさない光であるから、ビタミン増加に見合う強い照度の光を照射しても活発に光合成が行われることによる野菜内の水分の蒸散といった青果物の品質劣化は生じず、品質は暗所に保存した場合と同じである。また、他の波長域の光が野菜表面で反射されるのに対し、緑色は野菜内部まで浸透することから、パプリカなどの肉厚の青果物に緑色光を照射すると、内部での光合成によるビタミンC生成が促進されることとなる。
【0071】#10このように、本実施の形態では野菜表面で吸収されやすい青色の波長で野菜表面付近のビタミンC生成を促し、さらに野菜表面の静菌効果を得ることでより鮮度を高めた上で、青果物の内部へ光を浸透させやすい緑色の波長で、野菜の内部まで光を浸透させ、野菜内部での生態防御反応を促進してビタミンC生成を促すことが可能となる。
【0072】さらには、これらの光源13をフラッシング照射することで、野菜に与えるストレスが増加し、生態防御反応の励起を強め、結果抗酸化物質であるビタミンC量の生成がさらに促進されることとなる。
【0073】また、ビタミンCと同様に生態防御反応で生成される抗酸化物質である、ビタミンA、ポリフェノール、カロチン、ユピキノン等に対しても同様の効果が期待できる。
【0074】また、照射装置である光源13として青色LEDと緑色LEDとを同時にフラッシング照射することで、野菜に対して光の明暗が明確になることによって、より確実に生態防御反応を励起を強めることが可能となる。
【0075】また、青色LED、緑色LEDを照射すると、色調としては明るいグリーン系であることから、ユーザも庫内灯の照明にて野菜をイメージできかつクリーンなイメージを与えることのできる色調なので照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行ってい ることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0076】#1このように、本実施の形態では、異なる2つの波長を同時に照射する場合に、色の3原色である赤・青・黄の中の少なくとも1色を同じ色を使用した色の波長を用いている。すなわち青色LEDでは色の3原色のうちの青色を使用しており、緑色LEDでは色の3原色のうちの青色と黄色を混ぜてできる緑色を使用しているので、どちらも同じ青色を使用していることで、これらの異なる2つの波長を同時に照射することで目視においては色が混ざりあって見える場合でも、より同系色の色を照射することで統一感があり、使用者に違和感のない印象を与えることが可能である。
【0077】言い換えると、異なる2つの波長を同時に照射する場合に、色の3原色である赤・青・黄のすべてを使用せず、これらの中の2色を基に生成できる色調を使用することが好ましい。
【0078】こういった組合わせの際に、内部への浸透力が高い緑色の周波数を1色は使うことが望ましく、もう1色の組み合わせとして青色にくわえ、野菜外部に刺激を与えるといった目的では赤色や橙色もしくは無色の紫外光といった組み合わせでも効果を発揮するが、上記記載のように青と緑の清涼感を使用者に与える際には、緑色に赤色やオレンジ色を組合わせると使用者への清涼感を与えるのは官能的に難しくなるので、本実施の形態においては有色の組み合わせとしては緑色と青色の組み合わせとした。
【0079】このように、光によって青果物に対して栄養素を増加するといった機能的な効果を奏するとともに、色調のイメージによって、使用者に対して清潔感や効果的に冷却されているような好ましい印象を感じることができ、冷蔵庫に対して使用者の満足度を高めることができる。
【0080】なお、光の波長については特に限定するものではないが、紫外光を含む光を放射する光源13を使用した場合には、紫外光が貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内に浮遊または壁面や食品表面に付着している微生物の遺伝子に対して働きかけ、微生物の増殖機能を不活性化させることができる。これにより貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内部の衛生性が保たれるとともに、食品については微生物によって生じる変色や腐敗臭、食品表面のネト発生を遅らせることが可能となる。このように紫外光を含む光源13を設けることにより、食品の保存性を高めた衛生的な保存が行える。
【0081】さらに、きのこ類や魚類には、ビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへ変換される。よって、紫外光を含む光源13を貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内に設けることで、貯蔵室(本実施の形態では切り替え室6)内の特定の食品のビタミンD含有量を高めながら保存することができる。
【0082】また、光源13の種類については豆電球や発光ダイオード、蛍光ランプ、紫外ランプ等が挙げられるが、特に指定するものではなく、如何なる光源13でも適用可能である。中でも発光ダイオードはランプ自身による発熱が殆どなく、ランニングコストや耐久性の面においても優れており、汎用性が高い。
【0083】また、同一貯蔵室内における複数の光源13の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源13が同一貯蔵室内の異なる場所に設置されていても構わないものであり、この場合には使用者が複数の異なる色を体感することができるため、より使用者が光源からの光の照射による有効な効果を体感することを促すことができる。
【0084】なお、本実施の形態の冷蔵庫では、切り替え室6の扉8開放による温度上昇時に通常と異なる色調の光を放射させて使用者に注意喚起を図ることも可能である。この場合には、フラッシング照射の間隔を目視できるような範囲として使用者に注意喚起を図ることが望ましい。これは一般に扉開放が長時間に渡り行われ、貯蔵室内の温度が上昇した場合、貯蔵室内部の食品に悪影響を及ぼしやすくなる。特に、マイナス温度では、扉の長期開放による雰囲気温度の上昇により凍結された食品中の水分が気化し、それらが再び冷却された際に食品周囲へ着霜が生じることがあり、その場合食品の品質において外観、風味、食感などの面で低下がみられる。扉が長期に渡り開放される場合としては、食品の搬入や搬出時、または閉め忘れた場合などが挙げられ、特に閉め忘れられた場合には開放時間が長期に及ぶことが多い。
【0085】貯蔵室内の温度上昇時に光源13の放射する色調を特定のものに切り替えるかもしくはフラッシング照射の間隔を目視できるような範囲として使用者に注意喚起を図ることにより、扉の長期開放を使用者に認識させるもので、貯蔵室内の食品または氷等の品質を守ることができる。又、扉の長期開放後の温度復帰にかかる電力消費の増大を未然に防止することが可能となるため、消費エネルギー量の低減効果が得られる。
【0086】なお、使用者に貯蔵室内の温度上昇を認識させる光源13の色については特に指定するものではないが、色彩工学的には赤色系統が注意や警告、危険な印象を与えるとともに、多くの使用者の目にはっきりと認識されやすい色であることから好ましいと考える。
【0087】また、光源13の色を黄色系統とした場合、目立つ色彩であるため認識されやすくなるとともに、黄色は健常者、色覚障害者ともに同一の色として認識することができるため、両者が同じように使うことのできる、使い勝手の良好な冷蔵庫を提供することができる。
【0088】また、このような光源13の入力は、検知手段17の反応によりおこなわれる。検知手段17には、温度センサーを用い、一定温度の検知後に入力をおこなうものとしたが、たとえば検知手段17がドアスイッチである場合は、扉開放を検知したのちの一定時間後に入力をおこなうとしてもよく、特に指定するものではない。
【0089】本実施の形態では、図2Bに示すように、まず野菜室温度が弱設定であるかどうかを確認し、弱設定(2〜4℃)の場合には40Hzの周波数にて光源の点滅照射を行い、弱設定(2〜4℃)以外の例えばより低温の設定である強設定(0℃〜2℃)といった場合には光源の照射を行わない。
【0090】次に、野菜室の温度設定が変更された場合には、どの温度帯の設定であるかどうかを確認し、同様に弱設定(2〜4℃)の場合には40Hzの周波数にて光源の点滅照射を継続して行い、弱設定(2〜4℃)以外の例えばより低温の設定である強設定(0℃〜2℃)といった場合には光源の照射を行わないといった制御を行う。
【0091】これによって、野菜室4内の温度設定の中でより高温の弱設定(2〜4℃)の場合には、一般的な野菜の保存に最適でありかつ生態防御反応を励起しやすいため、このような生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものである。これによって、野菜室内の温度設定がより低温の0℃〜2℃といった強設定の場合には比較的低温であるために、野菜の細胞の動きが鈍く生態防御反応を励起しにくいために光源13の照射を停止することで、より効果が得られる温度帯に焦点をあてて効率よく光源13の点灯照射を行うことができ、生態防御反応の特性を利用してより効果的な温度帯に焦点をあてて栄養素を増加させることが可能である。
【0092】本実施の形態の冷蔵庫において、切り替え室6は、冷蔵室2の下方に位置するとともに 、野菜室4と冷凍室3の上方に位置しているものである。このようなレイアウトにすることにより、平均身長の女性が腰をかがめずに切り替え室6の扉8の開閉を行うことができ、また食品の出し入れについても腰をかがめず、楽な姿勢で行うことができるので、使い勝手性が向上する。また、使用頻度の高い野菜室4についても、平均身長の女性が腰をかがめずに扉10開閉を行うことができるとともに、重量感のある野菜についてもしゃがまずに出し入れを行うことができるので、従来の使い勝手性を損なうことがない。また、このように楽な姿勢での使用が可能なレイアウトにすることにより、使用者の肉体的な負担を軽減することができる。
【0093】なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室2については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
【0094】なお、本実施の形態では、照射装置である光源13として青色LEDと緑色LEDとを同時にフラッシング照射するものとしたが、これらの異なる色調の光がそれぞれ独立して間欠照射するものであってもよい。すなわち光源13は、青果物の表面に光を浸透させる波長の光と青果物の内部へ光を浸透させる波長の光のいずれもが照射されない消灯間隔を有する間欠照射であればよい。これは、野菜に対して光の明暗が明確にするために、すくなくともどちらも同時に照射していないタイミングである光源13の消灯間隔があれば、この消灯間隔が終了した後に単色で照射を行う場合であっても、光源の照射によって野菜に対する光の明暗を確実に有することができ、言い換えると全く光が照射されず、暗い状態を維持する消灯間隔があれば、その消灯間隔の後の光の照射によってより確実に生態防御反応を励起することが可能となる。
【0095】こういった異なる色調の光がそれぞれ独立して間欠照射する場合には、例えば同じ周波数でどちらも同時に照射していないタイミングである光源13の消灯間隔を経て交互に照射するものでもよく、色調によって異なる周波数で点滅するものでもよい。特に色調によって異なる周波数で間欠照射する場合にはより強い効果を得たい側の光の周波数を高めることでより有効な効果を得ることが可能である。
【0096】このように、本実施の形態におけるフラッシング照射は生態防御反応を励起することが目的であるため、一定の間隔で明暗をつければ良く、少なくとも光源13から光が照射されない消灯間隔を有していれば、照射の間隔に大きく左右されずフラッシングによる生態防御反応が得られるものである。
【0097】#7また、本実施の形態のように連続照射ではなくフラッシング照射することによって光源13の消費するエネルギーをより低減することができ、省エネルギーの冷蔵庫を実現することが可能となる。
【0098】また、消灯間隔は有さないが複数の色調の光が交互に点灯する構成や、一つの色調の光が連続点灯であった上で、他の色調の光が間欠照射をする構成など、要するに上記の保存性,栄養価増強の目的に叶う複数の光源を用いて総合的な色調や照度の断続変化で何らかのフラッシング状態を再現できるような照射制御であれば、ベストモードには至らなくても本実施の形態における一定の効果を奏することができる選択肢となり得る。
【0099】以上のように、本実施の形態の冷蔵庫の切り替え室6では、青色光で表面に、緑色光で内部へ光を浸透させることが可能となり、従来の野菜表面への照射に加え、内部まで光を浸透させ、野菜全体でのビタミンCの増加をおこなうことが可能となり、照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができ、より品質の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0100】また、本実施の形態では、冷蔵から冷凍までなどの幅広い温度帯の切替機能を有する切り替え室6内を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば野菜室4内などに設けて、青果物の鮮度を向上させながら栄養素を増加させることももちろん可能である。
【0101】また、本実施の形態では、光源13の詳細な構造については説明していないが、光源からの光が透過する光透過部材からなるカバーを備えることが望ましく、低温で密閉された冷蔵庫内に生じやすい結露が直接光源13に付着することを防ぎ、光源13の劣化や故障を防止することができる。
【0102】また、本実施の形態では、光源13を貯蔵室の天面側に配置するものとしたが、光源からの光が透過する光透過部材からなる収納容器であれば例えば背面側や底面,側面などに光源13を配置して光透過部材からなる収納容器を介して照射することも可能であり、この場合には貯蔵室内の貯蔵空間である収納容器外に光源13が位置するので、貯蔵空間内の野菜などの食品収納に起因する高湿度の雰囲気に曝されず、より光源付近に付着する結露を防止することができるとともに、使用者が光源に触れることを防止することができるので、より故障を防止し安全性を高めることが可能である。
【0103】また、光源13をたとえば反射板などの部材で拡散反射させて、照射方向や照射範囲の選択,調整が可能となるような構成をとれば、効果の最適化を図る設計上の自由度が増し、光源13の取り付け位置やLEDの取り付け,照射方向を選択できる。光源13に透光性のカバーを用いて、このカバー自体で光の方向や拡散をコントロールすることも有効である。
【0104】なお、本実施の形態では生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものとしたが、例えば栄養素アップのボタンを扉表面に備え、野菜室4の温度設定に関らず使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射を行うことも可能であり、この場合には、例えば扉表面に栄養素アップを示すボタンが備えられていることで、より使用者が栄養素アップの機能を認識することが可能であるとともに、使用者の必要に合わせた任意のタイミングで光源13の点灯照射によって栄養素の増加を行うことが可能であるので、より使用者の使い勝手を向上させることが可能である。
【0105】また、本実施の形態では生態防御反応を励起しやすい温度設定の場合にのみ光源13の点灯照射を行うものに、さらに使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射を行うといった構成を組合せることも可能であり、この場合には、通常は生態防御反応を励起しやすい温度設定に焦点を絞って光源13の照射を行うことに加え、使用者の任意のタイミングで光源13の点灯照射によって栄養素の増加を行うことが可能となり、さらに使用者の使い勝手を向上させた高機能の冷蔵庫を提供することが可能となる。
【0106】(実施の形態2) 図3は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫を示す正面図であり、図4は本発明の実施の形態2の冷蔵庫の縦断面図である。
【0107】なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0108】図に示すように、冷蔵庫100は、3つの扉111a,111b,111cを備える冷 蔵庫であり、貯蔵箱170により形成される貯蔵室は、三つに区画されている。
【0109】冷蔵庫100は、区画された貯蔵室として、上部より冷蔵室110と、野菜室120と、冷凍室130とを備えている。同図において、矩形の破線がそれぞれの貯蔵室の開口を表しており、貯蔵の対象である食品は、棚状に区画された貯蔵箱170内に前方より搬入され、また、搬出されるものとなっている。
【0110】また、冷蔵庫100は、貯蔵箱170を密閉可能、かつ、開閉可能な扉111を備えている。具体的には、冷蔵庫100は、冷蔵室110を開閉可能な扉111a、および野菜室120を開閉可能な扉111bと、冷凍室130を開閉可能な扉111cとを備えており、扉111a,111b,111cは、ヒンジにより開閉可能に貯蔵箱170に取り付けられている。
【0111】貯蔵箱170は、外方と内方とを断熱する機能を備えており、同図楕円内に示すように、ABSなどの樹脂で真空成型された内箱171と、プリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱172と、内箱171と外箱172との間に配置される断熱材173で構成されている。また、扉111も同様に内板と外板と断熱材173とで構成されている。
【0112】図に示すように、冷蔵庫100は、光源200と、光源200のカバー部材である透過性の材料からなる仕切手段210と、抗菌装置220とを備えている。また、冷蔵庫100は、食品容器121と、蓋122とを野菜室120の内方に備えている。
【0113】抗菌装置220は野菜室120内の空気からオゾンを発生させるオゾン発生装置であり、主に青果物の表面に付着した菌の増殖を抑制することで、野菜室内に収納された青果物の鮮度をより向上させるものである。
【0114】光源200は、点灯時に食品容器121内部を照らすよう設置されている。食品の出し入れに際して、扉の開閉時に使用者が扉を開けると、光源200から照射される光が室外に漏れるので、冷蔵庫の使用者が光やその光の色調を認識することが可能である。また、本実施の形態では、光源200には複数個の発光源を備えており、各々が異なる色調の光を発するとともに、それら発光源の点灯や消灯の動作は制御基盤を通じて行われ、光源200は間欠照射であるフラッシング照射を行うものである。
【0115】この光源200の照射方法や色調については実施の形態1で説明した技術内容と同様のものであり、点灯は緑色LED、青色LEDを20〜60Hzでフラッシング照射(間欠照射)するよう制御基盤にて制御している。
【0116】また、抗菌装置220は一定時間毎に動作するものであり、扉が開いている場合には抗菌装置220は停止させるものとする。
【0117】また、場合によっては抗菌装置220は使用者が任意のタイミングで動作させることが可能となるように抗菌ボタンを扉表面に備えることで、より抗菌装置を備えた冷蔵庫であることが使用者にアピールできることに加え、必要な時にのみ抗菌機能を発揮させることが可能となるので、より使い勝手のよい冷蔵庫を提供することが可能となる。
【0118】このように、本実施の形態では、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させる目的で光源200を備えるとともに、野菜室120内に収納された青果物の鮮度を向上させる目的で抗菌装置220を備えたものである。
【0119】また光源200は、冷蔵室110と野菜室120とを仕切る断熱壁115の下面側に野 菜室120の内方側に埋設されている。
【0120】#9このように光源を断熱壁115に埋設することで、食品容器121を取り出す際に食品が光源200に接触することを抑制し、スムーズな開閉動作を実現することが可能となる。
【0121】また、光源200を貯蔵室外から冷気が流入するために低温度となる冷気吐出口213近傍に備えることで、光源200に結露水が付着した場合でも、吐出口213からの通風経路上に光源200が位置することで、効率よく結露を消滅させることが可能となる。また、光源200が点灯した場合に多少の温度上昇があった場合でも、吐出口213からの冷気によって光源200周辺の温度上昇を抑制することができ、野菜等への温度影響を抑えて、より保鮮性を向上させることが可能となる。
【0122】また、光源200を青色LED、緑色LEDを照射する。
【0123】これによって、青色LEDから照射する青色光によって、青果物の表面に光を浸透させ、さらに青色光の照射によって微生物の菌の増殖を抑える静菌作用が得られるといった効果も得られるため、野菜表面の生態防御反応により栄養素増加に加えてさらに野菜表面の菌の増殖を抑える静菌効果も得ることができる。
【0124】さらに、視覚的に青色光は人間に対して清涼感を与える色であるため、よりクリーンで鮮度の高い野菜が保存されていることを官能的に使用者が体感することができる。
【0125】#8また、緑色LEDから照射される緑色光は、野菜の生長に影響を及ぼさない光であるから、ビタミン増加に見合う強い照度の光を照射しても活発に光合成が行われることによる野菜内の水分の蒸散といった青果物の品質劣化は生じず、品質は暗所に保存した場合と同じである。また、他の波長域の光が野菜表面で反射されるのに対し、緑色は野菜内部まで浸透することから、パプリカなどの肉厚の青果物に緑色光を照射すると、内部での光合成によるビタミンC生成が促進されることとなる。
【0126】このように、本実施の形態では野菜表面で吸収されやすい青色の波長で野菜表面付近のビタミンC生成を促し、さらに野菜表面の静菌効果を得ることでより鮮度を高めた上で、青果物の内部へ光を浸透させやすい緑色の波長で、野菜の内部まで光を浸透させ、野菜内部での生態防御反応を促進してビタミンC生成を促すことが可能となる。
【0127】さらに、光源200を青色LED、緑色LEDを同時に照射ことによって、色調としては明るいグリーン系となることから、ユーザも庫内灯の照明にて野菜をイメージできかつクリーンなイメージを与えることのできる色調なので照射による保存性の向上を行うと共に、保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることができる。
【0128】このように本実施の形態では、光源200として発光ダイオードであるLEDを用いたので、一般的なランプと比較してより省エネルギでさらに温度上昇を抑えることができる。
【0129】また、光源200をフラッシング照射(間欠照射)させることでさらに点灯時間が短くなるために、より省エネルギでかつ温度上昇の少ない光源200を備えることが可能となる。
【0130】なお、本実施の形態では、光源200として発光ダイオードであるLEDを用いたが、 特にこれに限定されるわけではなく、異なる波長の光を放出することが可能な光源を複合的に備えるものを光源であればかまわないが、発熱量が多い光源を備える場合には、本実施の形態のように光源200を貯蔵室外から冷気が流入するために低温度となる冷気吐出口213近傍に備えるといった構成等によって貯蔵室への温度影響を低減する手段を搭載することが望ましい。
【0131】さらに、冷蔵庫100は、冷却手段である冷却器を備えている。本実施の形態の場合、冷却手段は、2つの冷却器を備える冷却サイクルで構成されている。具体的には、冷蔵室110の奥面部の裏側に第一の冷却器112を備えている。冷蔵室110の奥面部は冷却器112からの熱伝導によって冷却される。冷蔵室110内の空気は、この冷却された奥面部により冷却される。
【0132】また、第二の冷却器112は、冷凍室130の奥面の裏側に備えられている。冷凍室130内は、第二の冷却器112を強制的に通過されて冷やされた冷気によって冷却されるようになっており、食品などを冷却した冷気は再び第二の冷却器112に戻るものとなっている。
【0133】第二の冷却器112から放出される冷気は、冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給される。野菜室120は、ダンパーの開閉制御により供給される冷気の量が制御され、冷蔵室110の温度帯と冷凍室130の温度帯との間の温度帯に維持される。具体的には4℃以下0℃以上の範囲内の温度に維持されるように制御される。
【0134】また、野菜室120の背面の上方部に備えられた冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給された冷気は野菜室120の背面の底面部に備えられた冷気吸入口214を介して第二の冷却器112へと戻っていく。
【0135】このように、野菜室120に流入する冷気は他の貯蔵室を通過した冷気ではなく、冷却器112から直接流入する冷気であるため、例えば冷蔵室のような比較的温度が高く雑菌の繁殖しやすい貯蔵室の冷気風路とは独立していることで、よりクレーンで抗菌性の高い冷気が野菜室内に流入することになる。
【0136】さらに、このように、野菜室120の冷気が底面部に備えられた冷気吸入口214から排出されていくため、空気よりも重いために下方側に溜まり易いオゾンを速やかに排出することが可能となり、野菜室120内のオゾン濃度の増加を抑制することができる。
【0137】さらに、空気よりも重いために下方側に溜まり易いオゾンを含む冷気が冷気吸入口214から排出されることで、冷却器112が背面に備えられた冷凍室130の冷気にも抗菌効果の高いオゾンが循環するため、冷凍室の抗菌性も高めることが可能となる。
【0138】このように、冷気吐出口213を介し野菜室120にも供給された冷気は冷気吸入口214を介して第二の冷却器112へと戻っていく野菜室120内の風路内において、抗菌装置220は上流側に位置している。言い換えると、抗菌装置220は冷気吸入口214よりも冷気吐出口213に近い側に備えられている。
【0139】これによって、野菜室120内の風路におけるより上流側に抗菌装置220が配置されていることで、抗菌装置220であるオゾン発生装置から噴霧されたオゾンを野菜室内120に流入した冷気に乗せて均一に野菜室120内に拡散させることが可能となり、より収納された青果物の鮮度を向上させることが可能となる。
【0140】また、抗菌装置220であるオゾン発生装置から噴霧されたオゾンは噴霧開口部211 ,212を介して野菜室内に噴霧されるため、噴霧開口部211,212を複数備えることでよりオゾンの拡散性を高めることができる。また、噴霧開口部211,212は図4に示すように少なくとも野菜室120の前後方向に対する中心に対しての両側である前方側と後方側とに離れて配置されていることで、さらに抗菌機能を有するオゾンの拡散性を向上させている。よって、こういった噴霧開口部211,212を複数備えるといった構成は抗菌材料の拡散手段として機能するものである。
【0141】さらに、抗菌材料の拡散手段として、野菜室120の左右方向の中心線に対しての両側である右側と左側とに離れて抗菌材料の噴霧開口部を配置すると、抗菌材料であるオゾンの拡散性を向上させることが可能となる。
【0142】また、噴霧開口部211,212が天面側に配置されて下方側に開口しているとともに冷気吐出口213は野菜室120の天面側に配置されて水平方向側に開口していることで、空気より重いために下方へ向かう傾向があるオゾンを冷気吐出口213からほぼ水平方向に噴出される冷気に乗せて水平方向へ拡散させることができ、その後オゾンは自重によって下方向へと拡散していくので、オゾン濃度の偏りを防止してより均一に分布させることができるので、野菜室120内の抗菌性をより高めることが可能となる。
【0143】よって、このように抗菌装置220からの抗菌材料であるオゾンが噴霧される噴霧開口部211,212の噴霧方向と貯蔵室内に吐出される冷気の開口部である冷気吐出口213の噴霧方向を同じ方向とせずに交差する方向とすることも、抗菌材料の拡散手段として機能するものであって、抗菌材料の拡散性を高めることができる。またこの噴霧開口部211,212の噴霧方向と貯蔵室内に吐出される冷気の開口部である冷気吐出口213の噴霧方向とが交差する方向は直角である90°を含んで±30°程度までの所定の角度とすることが望ましい。別の表現をすると、冷気吐出口213から噴霧された冷気が直接霧開口部211,212へと流れるように冷気吐出口213を備えると拡散手段として有効に機能するものである。
【0144】食品容器121は、貯蔵室である野菜室120内に配置され引き出し可能で上方に開口する開口部127を有する箱体である。
【0145】蓋122は、食品容器121の開口部127を閉塞する板状の部材であり、通過孔124と、調整孔125とを備えている。また、蓋122は、光源200が放出する光の内、必要な波長の光を十分に透過できる材質で構成されている。蓋122は、食品容器121内の湿度を調節する機能を備えるものであり、具体的には、食品容器121内に貯蔵される野菜から蒸散される湿気をある程度食品容器121内に維持しながら、食品容器121内で前記湿気が結露しない程度に湿度を調節する。
【0146】以上のように、本願発明にかかる冷蔵庫100は、光源200から発光する光の力で貯蔵する食品の保鮮性を高めることができるため、人体への害のないより安全な方法で食品を長期保存することが可能となる。
【0147】さらに、光源200をフラッシング照射すなわち間欠照射する場合に、使用者である人間の肉眼では光源200からの間欠照射を目視で確認することはできず、連続照射しているように見えるような間欠照射を行うことで、一般的に光が点滅していると何らかの異常を知らせるといった警告のように感じたり、点滅を見続けることによって心理的な圧迫感を与えたり、視覚的な刺激からイライラするといった怒りを誘発したりするといった問題が生じることなく、人体への心理的な害のない安全な照射方法を実現した上で、フラッシング照射により野菜に与えるストレスを増加させ、生態防御反応の励起を強め、結果抗酸化物質であるビタミンC量の生成がさらに促進されることが可能となる。
【0148】以上のように、本実施の形態では、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させる目的で光源200を備えるとともに、野菜室120内に収納された青果物の鮮度を向上させる目的で抗菌装置220を備えたものであり、野菜室120内に収納された青果物の栄養素を増加させた上でさらにその鮮度を高めることが可能となり、野菜室の機能を格段に高めることができるといった格段の効果を奏するものである。
【0149】なお、本実施の形態では野菜室120には食品容器121を備えているが、本願発明はこれに限定されるわけではなく、食品容器121やその蓋がない野菜室120に直接食品を保存するものでもかまわない。
【0150】また、貯蔵室170を固定的な断熱壁115により区画したが、特に断熱壁で区画する必要がない場合には、断熱材に限定しない仕切壁で区画しても良い。
【0151】(実施の形態3) 図5は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の正面図であり、図6は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の縦断面図であり、図7は実施の形態3における冷蔵庫の野菜室の斜視図である。
【0152】本実施の形態では、上記実施の形態2で示した冷蔵庫100の野菜室120内における構造に関する別の形態を開示しているものであり、実施の形態1および2で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0153】図において、光源200は、冷蔵室110と野菜室120とを仕切る断熱壁115の下面側に野菜室120の内方側に埋設されており、野菜室の横方向(左右方向)における中心線AA´状に配置されており、野菜室の前後方向においては、中心よりも後方側に配置されている。
【0154】また、野菜室120内には食品容器121として、下段容器121aと、下段容器121a内の上方部に配置された上段容器121bとが備えられており、下段容器121aおよび上段容器121bが収納された状態においては蓋141が閉塞されており、容器内からの水分の蒸散を防いでおり、下段容器121aおよび上段容器121bが引き出された状態では蓋141は下段容器121aおよび上段容器121bの上方には位置せず冷蔵庫100の本体側に残っているため、蓋141が食品の出し入れの際に邪魔になることはない。
【0155】#6また、光源200は上段容器121bの直上部には配置されておらず、下段容器121aへ直接届くように下段容器121aの開口部の直上部に配置されている。すなわち、下段容器121a内に収納された青果物に対しては光源200からの光が介在物を介さずに直接照射され、上段容器121bに収納された青果物については光透過性の材料からなる上段容器121bを介して間接的に光が照射されることとなる。
【0156】また、光源200の点灯は緑色LED、青色LEDを同時にフラッシング照射(間欠照射)するものである。
【0157】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0158】これまで説明した実施の形態での効果に加え、本実施の形態では、光源200を照射す る空間を使い分けて、下段容器121aと上段容器121bによって区画するものである。
【0159】光源200からの照射によって下段容器121aに収納された青果物は光合成及び生態防御反応によって抗酸化物質であるビタミンCが生成されるので、青果物の栄養素を上手く増加させることが可能である。
【0160】また、上段容器121bは扉を閉めた状態では上方側に備えられた蓋140で閉塞されており、下段容器121aと比較して高湿空間に維持することが可能であるので、より高湿度で鮮度が向上するフルーツや葉野菜等を収納するといった方法で、野菜室120の収納空間を使い分けしてより使い勝手のよい冷蔵庫を実現することが可能である。
【0161】また、この上段容器121bは光透過性の材料で構成することによって、光源200の照射による栄養素向上や静菌作用を得ることができる。また、この上段容器121b内には下段容器121aを介して間接的に冷気が流入することで、冷却器からの低温の冷気が直接流入するのを防ぎ、より高湿度を好む青果物を収納することが望ましく、また低温状態においては鮮度が劣化するバナナやナスといった低温に弱い青果物を収納するとこれらの低温障害を防ぐことができ、より鮮度を向上させることが可能となる。
【0162】よって、下段容器121a内の貯蔵空間には冷気吐出口13から流入した冷気が直接流入するとともに光源200からの光も直接照射される環境となり、一方上段容器121b内の貯蔵空間には下段容器121a内を介した高湿の冷気が流入するとともに光源200からの光も上段容器121bを介して間接的に照射される環境となるので、これらの貯蔵空間は異なった貯蔵環境となる。
【0163】このように、流入する冷気のタイプや光からの照射強度の異なる複数の容器を備えることで、野菜室120内を上手に使い分けてその区画に適した収納物を収納することが可能となり、より効果的に野菜室内の青果物の栄養素を増加させかつ鮮度を向上させることが可能となる。
【0164】また、光源を断熱壁115に埋設することで、引き出し式扉の開閉の際に食品が光源200に接触することを抑制し、スムーズな開閉動作を実現することが可能となる。
【0165】なお、本実施の形態では図7(a)に示すように上段容器121bがLEDと対向しない位置に配置したものとしたが、図7(b)に示すように、上段容器121b内に直接LEDが照射されるような構成とすることも可能である。
【0166】この場合には、上段容器121bは光源200の直接照射によってより効果的に栄養素向上や静菌作用を得ることができることに加え、この上段容器121b内には下段容器121aを介して間接的に冷気が流入することで、冷却器からの低温の冷気が直接流入するのを防ぎ、より高湿度を好む青果物を収納することが望ましく、また低温状態においては鮮度が劣化するバナナやナスといった低温に弱い青果物を収納するとこれらの低温障害を防ぐことができ、より鮮度を向上させることが可能となる。
【0167】よって、上段容器121b内の青果物に焦点をあてて栄養素の向上を行うことができる。
【0168】また、この場合にも下段容器121aおよび上段容器121bが収納された状態においては蓋141が閉塞されており、容器内からの水分の蒸散を防いでおり、下段容器121aおよび上段容器121bが引き出された状態では蓋141は下段容器121aおよび上 段容器121bの上方には位置せず冷蔵庫100の本体側に残っているため、蓋141が食品の出し入れの際に邪魔になることはない。
【0169】(実施の形態4) 図8は本発明の実施の形態4における冷蔵庫の水収集手段近傍の縦断面図である。図9は本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機能ブロック図であり、図10は静電霧化装置214で発生されたミストでの除菌イメージ図である。
【0170】本実施の形態では実施の形態1から3で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0171】図において野菜室天面の仕切り部472に、霧化装置411と霧化装置411に水分を供給する水収集板と青色光と緑色光を庫内に照射させるための光源437と光を庫内全体に拡散させるための拡散板438があり、野菜室405の中に、野菜室温度検知手段239と、野菜室湿度検知手段440が構成されている。
【0172】抗菌装置は野菜室に備えられた霧化装置411であり、主にラジカルを含むミストが青果物に付着することによって、青果物の表面に付着した菌の増殖を抑制することで、野菜室内に収納された青果物の鮮度をより向上させるものである。
【0173】また、本実施の形態では抗菌装置である霧化装置411を外部から水を補給することなく貯蔵室内の水分を結露させる部材に結露した水分を用いてミストを発生させる霧化装置411を備えた。
【0174】水分を結露させる部材である水収集板423は、冷蔵庫の冷却手段を用いて露点以下になるように冷却することで、庫内温度との温度差が生じ庫内の水分が水収集板に結露させるものであるなる。また、制御手段442は、水収集板温度検知手段430と野菜室温度検知手段439と野菜室湿度検知手段440とドア開閉検知手段441の各検知結果に基づき霧化装置である静電霧化装置414と加熱手段424と冷却手段443と送風手段425を制御する。
【0175】以上のように構成された本実施の形態の冷蔵庫について、以下その動作・作用を説明する。
【0176】まず、野菜室温度検知手段439と野菜室湿度検知手段440により野菜室405の露点温度を予測することができる。そこで、水収集板表面温度を露点温度以下になるように調整する。例えば、(表1)のように水収集板表面温度を調整する。
【0178】例えば、野菜室温度が5℃で野菜室の湿度が90%なら、露点温度は3.5℃であり、この温度以下なら水収集板423に庫内の水蒸気は結露する。結露した水は、水収集板423もしくはカバー432に沿って霧化装置411(静電霧化装置414)の静電霧化部に送水される。
【0179】次に静電霧化装置414により噴霧されたミストが、野菜が収納されている容器433内に噴霧される。噴霧されたミストはオゾンやOHラジカルなどを保持しており、プラスに帯電した野菜や果物表面に付着し、ミストが野菜表面を抗菌、除菌、殺菌することができると同時に野菜表面に付着する有害物質を酸化分解することができる。またミストの水分が野菜や果物の微細な孔にミストが入りこみ、野菜に吸水されることとなる。
【0180】発生されたミストには、オゾンやOHラジカルなどを保持しており、これは強い酸化力を保持している。これらオゾンやラジカルによって細菌の組織の中でも細菌細胞膜タンパクの一部が酸化分解され溶菌されることで、結果細菌は不活化する。このように細菌自体を瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、細菌細胞膜を破壊することで、結果的に細菌の不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲で細菌の不活性化を行うことができる。そのため、発生したミストが野菜室内や野菜表面を抗菌、除菌、殺菌することができると同時に野菜表面に付着する有害物質を酸化分解することができる。
【0181】よって、本実施の形態においては、霧化装置は微細な水分を供給するミスト噴霧装置であると同時に、細菌やウイルスの増殖を抑制する抗菌装置として機能しているものである。
【0182】図10は静電霧化装置214で発生されたミストでの除菌イメージ図であり、図11は、冷蔵庫の野菜室を想定したBOXにて細菌の代表菌種である大腸菌の除菌効果を確認した結果を示す。
【0183】試験条件はBOX容量を約70L、BOX内温度約5℃、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態の静電霧化装置をBOX内に設置し稼働率30分ON−30分OFFで稼動させた。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、上記BOX条件より静電霧化装置の代わりに超音波霧化装置にてミストを噴霧したもので同一試験を行った。
【0184】図に示すように、本実施の形態においては超音波霧化装置では除菌率30%未満あるのに対し、静電霧化装置にて霧化した場合、3日で95%以上、7日では99%以上の高い抗菌効果を有していることが判明した。
【0185】次に図12は静電霧化装置で発生されたラジカルを含んだミストでのカビ抑制のイメージ図である。カビは通常胞子が発芽し菌糸を伸ばして成長する。図に示すように発生されたミストに含まれるオゾンやラジカルにて発芽した菌糸が除去されるため、カビがそれ以上菌糸を伸長できず不活化され、結果カビは成長を抑制される。このようにカビそのものを瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、カビの菌糸を破壊することで結果的に細菌の不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲でカビの成長を抑制することができる。
【0186】次に図13に冷蔵庫の野菜室を想定したBOXにてカビ代表菌種であるクロカビの除菌効果を確認した結果を示す。
【0187】試験条件はBOX容量を約70L、BOX内温度約5℃、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態2の静電霧化装置214をBOX内に設置した。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、静電霧化装置214を除いたもので同一試験を行った。尚、供試カビは初発浮遊カビ数が1000個以上/100L・Airになるように噴霧した。菌数の測定はエアーサンプラー吸引法にて測定した。
【0188】図に示すように、本実施の形態の静電霧化装置を60分稼動後対照条件に対し99%除菌効果が得られており、野菜や庫内表面だけでなく、冷蔵庫庫内に浮遊する菌に対しても除菌効果が確認できた。
【0189】次に図14は静電霧化装置で発生されたミストでの抗ウイルスのイメージ図である。通常ウイルスはウイルス表面に存在するスパイクというタンパク質が唾などの栄養分に寄生し繁殖する。図に示すように発生されたラジカルを含む超微細なミストがウイルスの周りに取り付きスパイク(タンパク質)を分解するため、ウイルスが栄養素に寄生することができず、不活化され繁殖を抑制する。このようにウイルスそのものを瞬時に死滅させる程度まで強力なオゾンやOHラジカル量ではなく、ウイルスの表面のタンパク質を破壊することで結果的にウイルスの不活性化すなわち死滅を促す程度のオゾンやOHラジカル量を用いることで、上記のような野菜の保鮮性に対しては影響のない範囲でカビの成長を抑制することができる。
【0190】次に図15に本実施の形態の静電霧化装置の抗ウイルス効果をBOX試験にて確認した結果を示す。
【0191】試験条件はBOX容量を約30L、BOX内温度は室温、BOX内相対湿度は90%R.H以上と設定したうえで、本実機の形態2の静電霧化装置をBOX内に設置し稼働率30分ON−30分OFFで稼動させた。尚、対照としては従来の野菜室を想定し、静電霧化装置214を除いたもので同一試験を行った。ウイルスの不活化は50%組織培養感染量(TCID50)の対数値で比較した。TCID50の対数値が小さいほどウイルス不活化率は高く、LogTCID50値は2以上の差があれば有意差があるといえる。
【0192】本試験結果から、本実施の形態2の静電霧化装置を2時間稼動させた場合、初期および対照(ブランク)に対しLogTCID50/mlで2以上の差があることから、ウイルス不活化効果があることが確認できた。
【0193】また、図示はしないが、乾燥に強く冷蔵庫庫内にも人の手を介して生息する黄色ブドウ球菌に対しても大腸菌と同様の除菌効果が得られている。また、O−157やMRSA、インフルエンザウイルスなどの病原菌にたいしても同様に高い除菌効果が得られていることから細菌、カビ、ウイルスなど幅広い菌種に対して高い除菌効果を有することが明らかとなった。
【0194】以上のように、本実施の形態においては、静電霧化装置により野菜室にミストとして確実に野菜表面に付着させることにより野菜に保湿性を高め、保鮮性を向上させることができる。また、ミスト発生時に同時に発生するオゾンやOHラジカルにより庫内および食品表面および庫内空気中のカビ、細菌、酵母、ウイルスなどの除菌、庫内の脱臭、食品表面の有害物質除去、防汚などの効果を高めることができる。
【0195】さらに、水道水ではなく結露水を用いるためミネラル成分や不純物がないため、保水材の劣化や目詰まりによる保水性の劣化を防ぐことができる。
【0196】一方、光源437は野菜室405に保存されている野菜や果物にフラッシング照射され る。光源437とは、中心波長が470nmの青色光を含む光と中心波長が520nmの緑色光を含む光の2波長の光を同時照射する例えば青色LED,緑色LEDなどで、十分である。この時照射される照度は野菜などの対象物表面で20〜100Lxの照度とすることが、ビタミン増加および扉開閉時に消費者が清涼感を抱ける照度となって好ましい。また、フラッシングタイミングは20〜40Hzが好ましい。
【0197】ミストを吸水した野菜や果物に青色光と緑色光をフラッシング照射(間欠照射)すると、野菜や果物は、吸水した水と光を利用して光合成を行い、ビタミンCの生成が促進される。
【0198】また、光のフラッシング及び静電霧化によって発生するOHラジカルは野菜や果物のストレスとなり、生態防御反応を誘引する。その結果、抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンA、カロチン、ポリフェノール、ユピキノンなどの栄養素の生成が促進され、栄養価の高い野菜や果物となる。
【0199】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので水収集板等の水分供給装置を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となる。
【0200】よって、実施の形態2で具体的に説明したオゾン発生装置の別形態の装置として置き換えて設置することが可能である。その場合には、水収集板を必要とせず、もちろん水収集板を冷却する必要もないので、抗菌装置としての静電霧化装置は庫内の任意の箇所に取り付けることが可能であることはいうまでもない。
【0201】以上のように、本実施の形態では、容器433の保存中の野菜や果物に対し、静電霧化装置414にて微細ミストを適量噴霧し、さらに光源437が青色光と緑色光をフラッシング照射することにより、野菜や果物の正常な光合成を促進させると共に、野菜や果物の生態防御反応を励起させることで、保存中の野菜や果物を萎れさせることなく、ビタミンなどの栄養素を増加させ、栄養価が高く品質のよい保存ができる。
【0202】(実施の形態5) 図16は本発明の実施の形態5における冷蔵庫を左右に切断した場合の断面を示す縦断面図である。図17は本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室の奥面を示す要部正面図である。図18は本発明の実施の形態5の冷蔵庫における野菜室に備えた静電霧化装置の周辺部を図17のA−A線で切断し切断面を矢印方向から見た断面図である。
【0203】本実施の形態では実施の形態1から4で説明した構成および技術思想と同一の部分については詳細な説明を省略し、上記実施の形態で記載した内容と同様の技術思想が適用できる構成については上記実施の形態で記載した技術内容および構成と組合せた構成を実現することが可能である。
【0204】特に、本実施の形態5では上記実施の形態4の抗菌装置である霧化装置の別の形態を中心に説明するものであって、光源等については説明を行わないが、実施の形態1から4で説明した光源等と同様の技術を適用することができる。
【0205】図において、冷蔵庫500の冷蔵庫本体である断熱箱体501は、主に鋼板を用いた外箱502と、ABSなどの樹脂で成型された内箱503と、外箱502と内箱503との間の空間に発泡充填される硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材とで構成され、周囲と断熱され、仕切り壁によって複数の貯蔵室に断熱区画されている。最上部に第一の貯蔵室とし ての冷蔵室504、その冷蔵室504の下部に第四の貯蔵室としての切換室505と第五の貯蔵室としての製氷室506が横並びに設けられ、その切換室505と製氷室506の下部に第二の貯蔵室としての野菜室507、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室508が配置される構成となっている。
【0206】冷蔵室504は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、野菜室507は冷蔵室504と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。冷凍室508は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
【0207】切換室505は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室505は製氷室506に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
【0208】なお、本実施の形態では、切換室505を、冷蔵と冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室504と野菜室507、冷凍は冷凍室508に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切り換えに特化した貯蔵室としても構わない。また、特定の温度帯に固定された貯蔵室でも構わない。
【0209】製氷室506は、冷蔵室504内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
【0210】断熱箱体501の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室501aを形成して、機械室501aに、圧縮機509、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。すなわち、圧縮機509を配設する機械室501aは、冷蔵室104内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
【0211】手が届きにくくデッドスペースとなっていた断熱箱体501の最上部の貯蔵室後方領域に機械室501aを設けて圧縮機509を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使いやすい断熱箱体501の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
【0212】なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった断熱箱体501の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて圧縮機509を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
【0213】野菜室507と冷凍室508の背面には冷気を生成する冷却室510が設けられ、風路541と区画されており、その間には、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路541と、各貯蔵室と断熱区画するために構成された奥面仕切り壁511が構成されている。また、冷凍室吐出風路541と冷却室510とを隔離するための仕切り板561を備えている。冷却室510内には、冷却器512が配設されており、冷却器512の上部空間には強制対流方式により冷却器512で冷却した冷気を冷蔵室504、切換室505、製氷室506、野菜室507、冷凍室508に送風する冷却ファン513が配置される。
【0214】また、冷却器512の下部空間には冷却時に冷却器512やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ514が設けられ、さらにその下部には 除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン515、その最深部から庫外に貫通したドレンチューブ516が構成され、その下流側の庫外に蒸発皿517が構成されている。
【0215】野菜室507には、野菜室507の引き出し扉518に取り付けられたフレームに載置された下段収納容器519と、下段収納容器519に載置された上段収納容器520が配置されている。
【0216】引き出し扉518が閉ざされた状態で主に上段収納容器520を略密閉するための蓋体522が野菜室上部の第一の仕切壁523及び内箱503に保持されている。引き出し扉518が閉ざされた状態で蓋体522と上段収納容器520の上面の左右辺、奥辺が密接し、上面の前辺は略密接している。さらに、上段収納容器520の背面の左右下辺と下段収納容器519の境界部は、上段収納容器520が稼働する上で接触しない範囲で食品収納部の湿気が逃げないよう隙を詰めている。
【0217】蓋体522と第一の仕切り壁523の間には、奥面仕切り壁511に構成された野菜室用吐出口524から吐出された冷気の風路が設けられている。また、下段収納容器519と第二の仕切り壁525との間にも空間が設けられ冷気風路を構成している。野菜室107の背面の奥面仕切り壁511の下部には、野菜室507内を冷却し熱交換された冷気が冷却器512に戻るための野菜室用吸込み口526が設けられている。
【0218】なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった扉に取り付けられたフレームと内箱に設けられたレールにより開閉するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
【0219】奥面仕切り壁511は、ABSなどの樹脂で構成された奥面仕切り壁表面551と、風路541や冷却室510を隔離し、貯蔵室の断熱性を確保するための発泡スチロールなどで構成された断熱材552で構成されている。ここで、奥面仕切り壁511の貯蔵室内側の壁面の一部に他の箇所より低温になるように凹部511aを設け、その箇所に抗菌装置である静電霧化装置531が設置されている。
【0220】静電霧化装置531は、主に霧化部539、電圧印加部533、外郭ケース537で構成され、外郭ケース537の一部には、噴霧口532と湿度供給口538が構成されている。霧化部539は、霧化先端部である霧化電極535が設置され、霧化電極535はアルミニウムやステンレスなどの良熱伝導部材からなる伝熱冷却部材である冷却ピン534に固定されて接続している。
【0221】霧化部539は、霧化電極535が設置され、霧化電極535はアルミニウムやステンレス、真鍮などの良熱伝導部材からなる電極接続部材であり、霧化電極535は冷却ピン534の一端のほぼ中心部に固定され、電気的にも電圧印加部533から配線されている一端を含め接続している。
【0222】この電極接続部材である冷却ピン534は、例えば、直径10mm程度、長さが15mm程度の円柱形状で構成されており、直径1mm程度、長さが5mm程度であり、霧化電極535に比べて50倍以上1000倍以下、好ましくは100倍以上500倍以下の大きな熱容量を有するものである。このように、冷却ピン534の熱容量は霧化電極535の熱容量に対して50倍以上好ましくは100倍以上の熱容量を有することで、冷却手段の温度変化が霧化電極に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。また、この熱容量の上限値として、冷却ピン534の熱容量は霧化電極535の熱容量に対して500倍以下好ましくは1000倍以下の熱容量を有することとしている。この上限値については、熱容量が大きす ぎると冷却ピン534を冷やすために大きなエネルギを要することとなり、省エネルギで冷却ピンの冷却を行うことが困難となるが、このような上限値内に抑えることで、冷却手段からの熱変動負荷が変わった場合に霧化電極に大きな影響を緩和した上で、省エネルギで安定して霧化電極の冷却を行うことが可能となる。さらに、上記のような上限値内に抑えることで、冷却ピン534を介して霧化電極が冷却されるのに要するタイムラグを適正な範囲内に収めることができ、霧化電極の冷却すなわち霧化装置への水分供給を行う際の立ち上がりが遅くなることを防止し、安定した霧化電極の冷却を行うことが可能となる。
【0223】また、素材はアルミや銅などの高熱伝導部材が好ましく、冷却ピン534の一端からもう一端に冷熱を熱伝導で効率よく伝導させるため、その周囲は断熱材552で覆われていることが望ましい。
【0224】また、長期的に霧化電極535と冷却ピン534の熱伝導の維持も必要であるので、接続部に湿度等の侵入を防止するためにエポキシ部材などを流しこみ、熱抵抗を抑え、さらに、霧化電極535と冷却ピン534を固定する。また、熱抵抗を低下させるために霧化電極535を冷却ピン534に圧入等により固定してもよい。
【0225】さらに、冷却ピン534は、貯蔵室と冷却器512もしくは風路を断熱するための断熱材552内で冷温を熱伝導させる必要があるので、その長さは5mm以上好ましくは10mm以上確保することが望ましい。ただし、冷却ピン534の長さは5mm以上好ましくは10mm以上確保することが望ましい。ただし、その長さを30mm以上にした場合は、その効果は低下する。
【0226】なお、貯蔵室(野菜室507)に設置された静電霧化装置531が高湿環境下にあり、その湿度が冷却ピン534に影響する可能性があるので、冷却ピン534は耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行った材料を選択した方が好ましい。
【0227】また、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534の形状を円柱としたので、断熱材552の凹部511aに嵌め込む際に、少し嵌め合い寸法がきつくても静電霧化装531を回転させながら圧入し取り付けることができるので、より隙間無く冷却ピン534を取り付けることができる。また、冷却ピン534の形状は直方体や正多角形体でもよく、これらの多角形の場合は、円柱と比較して位置決めがしやすく、正確な位置に静電霧化装置531を備えることができる。
【0228】さらに、冷却ピン534の中心軸上に霧化先端部である霧化電極535を取り付けることにより、冷却ピン534を取り付ける時、回転させても対向電極536と霧化電極535の距離を一定に保つことができ、安定した放電距離を確保できる。
【0229】伝熱冷却部材である冷却ピン534が外郭ケース537に固定され、冷却ピン534自体は外郭から突起した凸部534aを有して構成されている。この冷却ピン534は霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状で、凸部534aが奥面仕切り壁511の凹部511aよりもさらに深い最深凹部511bに嵌めあわされている。
【0230】よって、伝熱冷却部材である冷却ピン534の背面側には凹部511aよりもさらに深い最深凹部511bが備えられており、断熱材552の冷却室510側、すなわち風路541側は断熱材552が野菜室507の背面側の奥面仕切り壁511における他の部分よりも薄くなっており、この薄い断熱材552を熱緩和部材として、背面から冷却室510の冷気が熱緩和部材である断熱材552を介して冷却ピン534を冷却するように設置されている。
【0231】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の冷却は、冷却室510で生成された冷気を用いており、冷却ピン534は熱伝導性のよい金属片で形成したので、冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導だけで霧化先端部である霧化電極535の結露に必要な冷却を行うことができ、結露生成を行うことが可能となる。
【0232】このように簡単な構造でミストを噴霧する抗菌装置を構成することができるので、故障が少なく信頼性が高い霧化を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の冷却を行うことができるので、省エネルギで霧化を行うことができる。
【0233】また、この時、本実施の形態の伝熱冷却部材である冷却ピン534は霧化先端部である霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状をしているので、霧化部539の中で凸部534a側の端部534bが冷却手段に最も近接するため、冷却ピン534の中でも霧化電極535から最も遠い端部534b側から冷却手段である冷気によって冷却されることとなる。
【0234】また、霧化電極535に対向している位置で貯蔵室(野菜室507)側にドーナツ円盤状の対向電極536が、霧化電極535の先端と一定距離を保つように取付けられ、その延長上に噴霧口532が構成されている。
【0235】さらに、霧化部539の近傍に電圧印加部533が構成され、高電圧を発生する電圧印加部533の負電位側が霧化電極535と、正電位側が対向電極536とそれぞれ電気的に接続されている。
【0236】霧化電極535近傍では、ミスト噴霧のため、常に放電が起こるため、霧化電極535先端では、磨耗を生じる可能性がある。冷蔵庫500は、一般に10年以上の長期間に渡って運転することになるので、霧化電極535の表面は、強靭な表面処理が必要であり、例えば、ニッケルメッキ、および金メッキや白金メッキを用いることが望ましい。
【0237】対向電極536は、例えば、ステンレスで構成されていて、また、その長期信頼性を確保する必要があり、特に異物付着防止、汚れ防止するため、例えば白金メッキなどの表面処理をすることが望ましい。
【0238】電圧印加部533は、冷蔵庫本体の制御手段546と通信、制御され、冷蔵庫500もしくは静電霧化装置531からの入力信号で高圧のON/OFFを行う。
【0239】本実施の形態では、電圧印加部533を静電霧化装置531内に設置しており、貯蔵室(野菜室507)内の低温高湿雰囲気なるため、電圧印加部533の基板表面上には、防湿のためのボールド材やコーティング材を塗布している。
【0240】ただし、電圧印加部533を貯蔵室外の高温部に設置した場合には、コーティングを行わなくてもよい。
【0241】なお、静電霧化装置531を固定している奥面仕切り壁表面551には、貯蔵室(野菜室507)の温度調節をする、もしくは表面の結露を防止するためヒータ等の加熱手段554が奥面仕切り壁表面551と断熱材552の間に設置されている。
【0242】以上のように構成された本実施の形態の冷蔵庫500について、以下その動作、作用を 説明する。
【0243】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機509の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)である程度凝縮液化し、さらに冷蔵庫本体(断熱箱体501)の側面や背面、また冷蔵庫本体(断熱箱体501)の前面間口に配設された冷媒配管(図示せず)などを経由し冷蔵庫本体(断熱箱体501)の結露を防止しながら凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機509への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器512に至る。
【0244】ここで、低温低圧の液冷媒は、冷却ファン513の動作により搬送する冷凍室吐出風路541などの各貯蔵室内の空気と熱交換され、冷却器512内の冷媒は蒸発気化する。この時、冷却室510内で各貯蔵室を冷却するための冷気を生成する。低温の冷気は冷却ファン513から冷蔵室504、切換室505、製氷室506、野菜室507、冷凍室508に冷気を風路やダンパを用いて分流させ、それぞれの目的温度帯に冷却する。特に、野菜室507は、冷気の配分や加熱手段554などのON/OFF運転により2℃から7℃になるように調整され、一般的には庫内温度検知手段を持たないものが多い。
【0245】野菜室507は、冷蔵室504を冷却した後、その空気を冷却器512に循環させるための冷蔵室戻り風路540の途中に構成された野菜室用吐出口524から野菜室507に吐出し、上段収納容器520や下段収納容器519の外周に流し間接的に冷却し、その後、野菜室用吸込み口526から再び冷却器512に戻る。
【0246】奥面仕切り壁511の比較的高湿度環境である箇所の一部について、断熱材552が、他の箇所より壁厚が薄く、特に、冷却ピン534の後方は最深凹部511bがあり、断熱材の厚みは例えば2mm〜10mm程度で構成されている。本実施の形態の冷蔵庫500においては、この程度の厚みが冷却ピン534と冷却手段との間に位置する熱緩和部材として適切なものとなる。これにより、奥面仕切り壁511は凹部511aが構成され、この凹部511aの最背面の最深凹部511bに冷却ピン534の凸部534aが突出した形状の静電霧化装置531が嵌めこまれて、取り付けられている。
【0247】冷却ピン534背面にある冷凍室吐出風路541には、冷却システムの運転により冷却器512で生成し、冷却ファン513により−15〜−25℃程度の冷気が流れ、風路表面からの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却ピン534が例えば0〜−10℃程度に冷却される。このとき、冷却ピン534は、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却ピン534を介して霧化先端部である霧化電極535も0〜−10℃程度に間接的に冷却される。
【0248】ここで、野菜室507の温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、霧化先端部である霧化電極535は露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極535には水が生成し、水滴が付着する。
【0249】水滴が付着した霧化先端部である霧化電極535に負電圧、対向電極536を正電圧側として、電圧印加部533によりこの電極間に高電圧(例えば4〜10kV)を印加させる。このとき電極間でコロナ放電が起こり、霧化先端部である霧化電極535の先端の水滴が、静電エネルギにより微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカルなどが発生する。電極間に印加する電圧は、4〜10kVと非常に高電圧であるが、そのときの放電電流値は数μAレベルであり、入力としては0.5〜1 .5Wと非常に低入力である。
【0250】具体的には、霧化電極535を基準電位側(0V)、対向電極536を高電圧側(+7kV)とすると、霧化電極535先端に付着した結露水は、霧化電極535と対向電極536間の空気絶縁層が破壊され、静電気力で放電が起こる。このとき結露水は帯電し、微細な粒子となる。さらに対向電極536がプラス側のため帯電した微細ミストは引き寄せられ、液滴がさらに微粒化され、ラジカルを含んだ数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストが対向電極536に引き寄せられ、その慣性力により、貯蔵室(野菜室507)に向けて、微細ミストが噴霧される。
【0251】なお、霧化電極535に水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極535と対向電極536間に電流が流れない。
【0252】また、霧化先端部である霧化電極535を直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却することで間接的に霧化電極535を冷却することができ、伝熱冷却部材である冷却ピン534が霧化電極535よりも大きな熱容量を有するようにすることで、霧化先端部である霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化電極535を冷却することができ、また、蓄冷の役割を果たすことにより霧化電極535の急激な温度変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0253】このように霧化先端部である霧化電極535を直接冷却することなく、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却することで間接的に霧化電極535を冷却することができ、伝熱冷却部材が霧化電極535よりも大きな熱容量を有するようにすることで、冷却手段の温度変化が霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることを緩和し、霧化先端部である霧化電極535を冷却することができ、霧化電極535の負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0254】このように、霧化電極535に対向する位置に対向電極536を備え、霧化電極535と対向電極536間に高圧電位差を発生させる電圧印加部533を有することで、霧化電極535近傍の電界が安定に構築できることによって微粒化現象、噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内に噴霧する微細ミストの精度をより高めることができ、霧化部539の精度を向上させることができ、信頼性の高い静電霧化装置531を提供することができる。
【0255】さらに、伝熱冷却部材である冷却ピン534は熱緩和部材(断熱材552)を介して冷却されるので、上記のように霧化電極535を冷却ピン534で間接的に冷却するものにさらに、熱緩和部材である断熱材552を介して二重構造で間接的に冷却することができ、霧化先端部である霧化電極535が極度に冷却されることを防ぐことができる。
【0256】霧化電極535の温度が1K下がれば、その先端の水生成スピードは約10%程度上昇する。しかし、霧化電極535が極度に冷却されると結露スピードが急激になり、それに伴い結露量が多大となり霧化部539の負荷の増大による静電霧化装置531への入力の増大および霧化部539の凍結、霧化不良が懸念されるが、こういった霧化部539の負荷増大による不具合を防ぐことができ、適切な結露量を確保することができ、低入力で安定的なミスト噴霧を実現することができる。
【0257】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の形状は、組み立て性を考慮すると円柱状が望ましい。正確には、直方体や正多角形体でもよいが、円柱の方が断熱材552の凹部511aに嵌め込むとき、静電霧化装置531を傾けながら取り付けることができる。逆に 、多角形の場合は、円柱より位置決めがしやすい。
【0258】さらに、冷却ピン534の中心軸上に霧化電極535を取り付けることより、冷却ピン534を取り付ける時、回転させても対向電極536と霧化電極535の距離を一定に保つことができ、安定した放電距離を確保できる。
【0259】また、霧化先端部である霧化電極535を伝熱冷却部材(冷却ピン534)と熱緩和部材(断熱材552)とを介して二重構造で間接的に冷却することで、冷却手段の温度変化が霧化先端部である霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和することができるので、霧化電極535の負荷変動を抑え、安定した噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
【0260】また、伝熱冷却部材である冷却ピン534の冷却は、冷却室510で生成された冷気を用いており、冷却ピン534を熱伝導性のよい金属片で形成したので、冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導だけで必要な冷却を行うことができる。
【0261】また、この時、本実施の形態の伝熱冷却部材である冷却ピン534は、霧化先端部である霧化電極535と逆側に凸部534aを有する形状をしているので、霧化部539の中で凸部534a側の端部534bが冷却手段に最も近接するため、伝熱冷却部材である冷却ピン534の中でも霧化先端部である霧化電極535から最も遠い端部534b側から冷却手段である冷気によって冷却されることとなる。
【0262】このように簡単な構造で冷却手段を構成することができるので、故障が少なく信頼性が高い霧化部539を実現することができる。また、冷凍サイクルの冷却源を利用して伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の冷却を行うことができるので、省エネルギで霧化を行うことができる。
【0263】このように冷却手段によって冷却する際に、伝熱冷却部材である冷却ピン534の霧化先端部である霧化電極535から最も距離の離れた遠い部分である端部534bから冷却することで、冷却ピン534の大きな熱容量を冷却した上で、冷却ピン534によって霧化電極535が冷却されることで、冷却手段の温度変化が霧化電極535に直接的に大きな影響を与えることをさらに緩和し、より変動負荷の小さく安定的なミスト噴霧を実現することができる。
【0264】また、霧化部539が取り付けられている奥面仕切り壁511は、貯蔵室(野菜室507)側の一部に凹部511aがあり、この凹部511aに凸部534aを有した霧化部539が挿入されることによって、熱緩和部材として貯蔵室(野菜室507)の奥面仕切り壁511を構成する断熱材552を用いることができ、特別な熱緩和部材を備えることなく断熱材552の厚みを調整することで、霧化先端部である霧化電極535が適度に冷却されるような熱緩和部材を備えることができ、霧化部539をより簡単な構成にすることができる。
【0265】また、凹部511aに冷却ピン534からなる凸部534aを有した霧化部539を挿入することで、霧化部539をガタツキなく確実に仕切り壁に取り付けることができると共に、貯蔵室である野菜室507側への出っ張りを抑えることができ、人の手にも触れにくいので安全性を向上させることができる。
【0266】また、貯蔵室である野菜室507の奥面仕切り壁511を挟んだ外側に霧化部539が出っ張らないので、冷凍室吐出風路541の風路断面積に影響を与えず、風路抵抗を増加 させることによる冷却量の低下を防ぐことができる。
【0267】また、野菜室507の一部に凹部511aがあり、そこに霧化部539が挿入されていることにより、青果物や食品などを収納する収納量に影響することがなく、また、伝熱冷却部材である冷却ピン534を確実に冷やすとともに、それ以外の部分については、断熱性が確保できる壁厚が確保できるので、外郭ケース537内の結露を防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0268】また、電極接続部材である冷却ピン534は、ある程度の熱容量を確保できており、冷却風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導の応答を緩和することができるので、霧化先端部である霧化電極535の温度変動を抑制することができ、また蓄冷部材としての働きを有することになるので、霧化先端部である霧化電極535の結露発生の時間を確保し、凍結も防止することができる。
【0269】さらに、良熱伝導性の冷却ピン534と断熱材552を組み合わせることにより、損失なく良好に冷熱を伝導することができ、さらに冷却ピン534と霧化電極535の接合部の熱抵抗を抑えているので、霧化電極535と冷却ピン534の温度変動が良好に追従する。また、接合に関しても湿度が侵入することができないので、長期的に熱接合性が維持される。
【0270】また、貯蔵室(野菜室507)が高湿環境下にあり、その湿度が伝熱冷却部材である冷却ピン534に影響する可能性があるので、冷却ピン534は耐腐食性、耐錆性の性能を持った金属材料、もしくはアルマイト処理などの表面処理、コーティングを行っているので、さび等が発生せず、表面熱抵抗の増加が抑制され、安定した熱伝導が確保できる。
【0271】さらに、霧化先端部である霧化電極535表面がニッケルメッキや金メッキや白金メッキを用いているので、霧化電極535先端の放電による磨耗が抑制され、これにより、霧化電極535先端の形状が維持できるので、長期に噴霧することが可能となり、また、その先端の液滴形状も安定する。
【0272】霧化電極535から微細ミストが噴霧されるとき、イオン風が発生する。このとき、外郭ケース537に設けられた湿度供給口538より、新たに高湿な空気が外郭ケース537内の霧化電極535部に流入するため、連続して噴霧することができる。
【0273】霧化電極535で発生した微細ミストは、主に下段収納容器519内に噴霧されるが、非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、上段収納容器520にも微細ミストは到達する。噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びている。一方、野菜室507内には青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散あるいは保存中の蒸散によってより萎れやすいものである。野菜室内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、プラスの電荷をもつ。よって、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
【0274】また、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、OHラジカルと微量ではあるがオゾンなどを多く含んでおり、殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促す。
【0275】ここで、霧化電極535に水がないときは、放電距離が離れ、空気の絶縁層を破壊することができず、放電現象が起こらない。これにより霧化電極535と対向電極536間に電流が流れない。この現象を冷蔵庫500の制御手段546で検知することにより電圧印 加部533の高圧をON/OFFすることもできる。
【0276】また、本実施の形態において、電圧印加部533は貯蔵室(野菜室507)内の比較的低温で高湿の位置に設置されており、電圧印加部533はポッチング材やコーティング材による防湿・防水構造をとることにより回路の保護を行っている。
【0277】なお、電圧印加部533を貯蔵室外に設置し場合は、上記対応を行わなくてもよい。
【0278】以上のように、本実施の形態においては、断熱区画された貯蔵室(野菜室507等)と、貯蔵室(野菜室507)内にミストを噴霧させる静電霧化装置531(霧化部539)を備え、静電霧化装置531の霧化部539は、高電圧を発生する電圧印加部533に電気的に接続されミストが噴霧される霧化先端部(霧化電極535)と、霧化電極535に対向する位置に配された対向電極536と、霧化先端部(霧化電極535)に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)と、霧化電極535を空気中の水分が結露する温度である露点以下にするため伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却する冷却手段を有し、冷却手段が伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却することで間接的に霧化先端部(霧化電極535)を露点以下に冷却し、霧化先端部(霧化電極535)に空気中の水分を結露させて貯蔵室(野菜室507)にミストとして噴霧することにより、貯蔵室(野菜室507)内の余剰な水蒸気から容易に、確実に霧化先端部(霧化電極535)に結露させることができ、対向電極136との間の高電圧のコロナ放電によってナノレベルの微細ミストが生成され、霧化されて噴霧された微細ミストが野菜等の青果物の表面に均一に付着し、青果物からの蒸散を抑制し、保鮮性を向上させることができる。また、青果物表面の細胞間隙や気孔等から、組織内に浸透し、萎んだ細胞内に水分が供給され、シャキッとした状態に復帰させることができる。
【0279】また、霧化電極535と対向電極536と間で放電させるので、電界が安定に構築できることによって噴霧方向が定まり、収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内に微細ミストをより精度良く噴霧することができる。
【0280】また、ミスト発生時に同時に発生するオゾンやOHラジカルにより脱臭、食品表面の有害物質除去、防汚などの効果を高めることができる。
【0281】また、噴霧されたミストは直接、野菜室507の収納容器(下段収納容器519、上段収納容器520)内の食品に噴霧することができ、ミストと野菜の電位を利用して野菜表面にミストを付着させることができるので、より野菜等の青果物表面に対する抗菌性を向上させることが可能となる。
【0282】さらに、霧化電極535に貯蔵室(野菜室507)内の余剰な水蒸気を結露させ、水滴を付着させ、ミストを噴霧することからミスト噴霧用の水を供給するための除霜ホースや浄化フィルター、もしくは水道直結の水供給経路、貯水タンクなどが不要であり、また、ポンプなどの送水手段等も使用しておらず、複雑な構成を要することなく、簡単な構成で貯蔵室(野菜室507)へ微細ミストを供給することができる。
【0283】このように簡単な構成で安定的に貯蔵室(野菜室507)へ微細ミストを供給することができるので、冷蔵庫500の故障の可能性を大幅に低減することができ、信頼性をより高めた上で冷蔵庫500の品質を向上させることができる。
【0284】さらに、水道水ではなく結露水を用いるためミネラル成分や不純物がないため、保水材を用いたときの劣化や目詰まりによる保水性の劣化を防ぐことができる。
【0285】さらに、超音波振動による超音波霧化ではないので、超音波の周波数発信に伴う共振等の騒音、振動に対する考慮をしなくてもよい。
【0286】さらに、貯水タンクが不必要であるので、貯水タンクを使用した場合に必要な欠水による超音波素子破壊の対応のための水位センサなどを設けなくてよく、より簡単な構成で冷蔵庫に霧化装置を備えることが可能となる。
【0287】さらに、電圧印加部533が収納されている部分についても奥面仕切り壁511に埋め込まれて、冷却されているので基板の温度上昇を抑えることができる。これにより、貯蔵室(野菜室507)内の温度影響を少なくすることができる。
【0288】また、本実施の形態では、各貯蔵室504,505,506,507,508を冷却するための冷却器512と、冷却器512を備えた冷却室510と貯蔵室(野菜室507)を断熱区画するための奥面仕切り壁511を備え、静電霧化装置531を奥面仕切り壁511に取り付けたことにより、貯蔵室(野菜室507)内の間隙に設置することで収納容積を減少することがなく、また、奥面に取り付けられていることで容易に人の手に触れることができないので安全性も向上する。
【0289】また、本実施の形態では、静電霧化装置531の霧化先端部である霧化電極535に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)は、熱伝導性のよい金属片であって、伝熱冷却部材(冷却ピン534)を冷却する冷却手段は、冷却器512で生成された冷気が流れる風路(冷凍室吐出風路541)からの熱伝導を用いることにより、熱緩和部材である奥面仕切り壁511の断熱材552の壁厚を調整することにより伝熱冷却部材である冷却ピン534および霧化先端部である霧化電極535の温度を簡単に設定することができ、また、熱緩和部材である断熱材552を挟むことにより冷温冷気の漏れがないので外郭ケース537などの着霜や結露などの信頼性低下を防止することができる。
【0290】また、本実施の形態では、静電霧化装置531(の霧化部539)が取り付けられている奥面仕切り壁511は、貯蔵室(野菜室507)側の一部に凹部511aがあり、そこに静電霧化装置531の霧化先端部である霧化電極535に接続された伝熱冷却部材(冷却ピン534)が挿入されていることにより、青果物や食品などを収納する収納量に影響することがなく、また、伝熱冷却部材(冷却ピン534)を確実に冷やすとともに、静電霧化装置531におけるそれ以外の部分については、断熱性が確保できる壁厚が確保できるので外郭ケース537内の結露を防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0291】なお、本実施の形態における静電霧化装置531は、霧化先端部である霧化電極535と対向電極536との間に高電圧を印加するため、微細ミスト発生時にオゾンも発生するが、静電霧化装置531のON・OFF運転により、貯蔵室(野菜室507)内のオゾン濃度を調整することが出来る。オゾン濃度を適度に調整することにより、オゾン過多による野菜の黄化などの劣化を防止し、かつ、野菜表面の殺菌、抗菌作用を高めることが出来る。
【0292】なお、本実施の形態では、霧化電極535を基準電位側(0V)とし、対向電極536に正電位(+7kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させたが、対向電極536を基準電位側(0V)とし、霧化電極535に負電位(−7kV)を印加して、両電極間に高圧電位差を発生させてもよい。この場合、貯蔵室(野菜室107)に近い対向電極535が基準電位側になるので、冷蔵庫の使用者の手が対向電極536に近づいても感電等を起こさない。また、霧化電極535を−7kVの負電位にした場合、貯蔵室(野菜室507)側を基準電位側とすれば、特に対向電極536を設けなくてもよい場合もある。
【0293】この場合は、例えば、断熱された貯蔵室(野菜室507)の中に導電性の収納容器を備え、その導電性の収納容器が収納容器の保持部材(導電性)と電気的に接続され、且つ保持部材と脱着可能な構成とし、保持部材を基準電位部と接続しアース(0V)にするのである。
【0294】これにより、霧化部539と収納容器および保持部材が常に電位差を保つため安定的な電界が構成されることにより、安定的に霧化部539から噴霧でき、また、収納容器全体が基準電位になっているので、噴霧されるミストを収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
【0295】このように、特に対向電極536を設けなくても、貯蔵室(野菜室507)側の一部にアースされた保持部材を備えることで、霧化電極535と電位差を発生させて、ミスト噴霧を行うことができ、より簡単な構成で安定的な電界が構成されることにより安定的に霧化部から噴霧できる。
【0296】また、収納容器側に保持部材を取り付けると、収納容器全体が基準電位になっているので噴霧されるミストが収納容器全体に拡散することができる。さらに、周辺の物体への帯電も防止することができる。
【0297】なお、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却するための風路を、冷凍室吐出風路541としたが、製氷室506の吐出風路や、冷凍室戻り風路などの低温風路でも構わない。これにより、静電霧化装置531の設置可能場所が拡大する。
【0298】なお、本実施の形態では、伝熱冷却部材である冷却ピン534を冷却する冷却手段は、冷蔵庫500の冷凍サイクルで生成された冷却源を用いて冷却された冷気としたが、冷蔵庫500の冷却源からの冷気もしくは冷温を用いた冷却管からの熱伝達を用いるものであってもよい。これにより、この冷却管の温度を調節することで、伝熱冷却部材である冷却ピン534を任意の温度に冷却することができ、霧化電極535を冷却する際の温度管理を行いやすくなる。
【0299】なお、本実施の形態では、静電霧化装置531の霧化電極535周囲には、保水材を設けなかったが、保水材を配設してもよい。これにより、霧化電極135近傍で生成された結露水を霧化電極135周囲に保持することができるので、霧化電極135に適時に供給することができる。
【0300】なお、本実施の形態において、静電霧化装置531(の霧化部539)でミストが噴霧される貯蔵室を野菜室507としたが、冷蔵室504や切換室505などの他の温度帯の貯蔵室でもよく、この場合、様々な用途に展開が可能となる。
【0301】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので冷却ピン534を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となる。
【0302】このようにミストを噴霧せずオゾン発生装置もしくはマイナスイオン発生装置として静電霧化装置を利用する場合には、実施の形態2で具体的に説明したオゾン発生装置の別形態の装置として置き換えて設置することが可能である。その場合には、冷却ピンを必要とせず、もちろん冷却ピンを冷却する必要もないので、抗菌装置としての静電霧化装置は庫内の任意の箇所に取り付けることが可能であることはいうまでもなく、また冷却ピンを備 えた場合であっても、冷却ピンを霧化電極として利用するのではなく霧化装置の位置決めとして利用するのも有効であり、この場合には適切な任意の庫内壁に取り付けることが可能となり、断熱壁に取り付ける場合のガタがすくなく高い精度で庫内壁に取り付けることが可能となり、ミストを噴霧する冷蔵庫と同じ霧化装置を共用することが可能となる。
【0303】(実施の形態6) 図19は本発明の実施の形態6における冷蔵庫の断面図である。
【0304】本実施の形態では、実施の形態1から5で詳細に説明した構成と異なる部分についてのみ詳細な説明を行い、実施の形態1から5で詳細に説明した構成と同じ部分もしくは、同じ技術思想が適用できる部分については、説明を省略する。
【0305】特に、本実施の形態6では上記実施の形態5の抗菌装置である霧化装置の別の形態を中心に説明するものであって、光源等については説明を行わないが、実施の形態1から4で説明した光源等と同様の技術を適用することができる。
【0306】図に示すように、本発明の実施の形態は、冷蔵庫600の最上部には第一の貯蔵室としての冷蔵室604、その冷蔵室604の下部に5℃前後の野菜室温度にも可変できる変温室701が構成され、変温室701のさらに下部に冷凍室608が構成されている。
【0307】変温室701は、冷蔵室604と変温室701の温度帯を区切るための仕切り板621と、変温室701の温度帯を区切るために断熱性を確保した第二の仕切り壁と、変温室701の奥面の仕切り板321と、扉618で区画され、仕切り板721の一部に変温室吐出口725が設けられている。
【0308】冷蔵室604と変温室701の奥面には冷蔵室仕切り板723が備えられ、この仕切りは変温室701奥面まで構成され、隔てて冷蔵室風路724が構成され、その一端には変温室吸込口726を構成されている。その中に高温側蒸発器704が備えられ、高温側蒸発器704の上方には冷蔵室用ファン722が設置され、冷蔵室に冷気を送付している。
【0309】また、変温室701の奥面の仕切り板721の一部には変温室701に抗菌装置である静電霧化装置631が構成されている。
【0310】変温室701の背面の仕切り板621は、主にABSなどの樹脂と発砲スチロールなどの断熱材で構成され、その内箱の一部に霧化装置である静電霧化装置631が設置されている。
【0311】静電霧化装置631を固定している仕切り板721には、静電霧化装置631に備えられた伝熱接続部材である冷却ピン634の温度調整と、霧化先端部である霧化電極635を含めた周辺部の過剰結露を防止するための冷却ピンヒータ658が霧化部639近傍に設置されている。
【0312】この伝熱接続部材である冷却ピン634が外郭ケース637に固定され、冷却ピン634自体は外郭から突起した凸部634aを有して構成されている。この冷却ピン634は霧化電極635と逆側に凸部634aを有する形状で、凸部634aが仕切り板721の一部に凹部が構成され、嵌めあわされている。
【0313】このとき、伝熱接続部材である冷却ピン634の背面側は、高温側蒸発器704に近接した配置となっている。
【0314】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0315】三方弁が高温側キャピラリ710へ流路が開の時、冷蔵室604と変温室701の冷却を行う。このとき、冷蔵室604もしくは変温室701内に設置された温度検知手段により、三方弁の開閉、冷蔵室用722ファンの動作が決定されており、これにより冷蔵室604、変温室701の温度を一定に保っている。
【0316】ここで、変温室701は任意の温度が設定できる部屋であり、−2℃程度のパーシャル温度帯から5℃程度の野菜室および12℃前後のワイン室まで切り替えることが可能である。よって、青果物などの保存するための野菜室として使用される場合がある。
【0317】そこで、変温室701の温度設定が野菜保存温度程度、例えば、2℃以上の設定になっている場合、静電霧化装置631を動作させ、収納物の保鮮度を向上させる。
【0318】ここで変温室701の奥面の仕切り板721の比較的高湿度環境である箇所の一部に静電霧化装置631が設置されており、特に、冷却ピン634の後方は高温側蒸発器704と近接している。
【0319】冷却ピン634背面にある高温側蒸発器704には、冷却システムの運転によりその冷媒管もしくはフィンなどの熱伝導部材は−15〜−25℃程度の温度となり、それらからの熱伝導で伝熱冷却部材である冷却ピン634が例えば0〜−10℃程度に冷却される。このとき、冷却ピン634は、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、冷却ピン634を介して霧化先端部である霧化電極135も0〜−10℃程度に間接的に冷却される。
【0320】ここで、三方弁708が高温側キャピラリの流路を開の状態になるように設定された場合、冷蔵室604と変温室701が冷却モードとなり変温室は低湿状態になる。また、三方弁708が高温側キャピラリの流路を閉の状態になるように設定された場合、変温室は比較的高湿になるとともに、冷蔵室用ファン722を動作させ、高温側蒸発器に付着した霜を融解、除霜することが可能であり、そのとき、変温室701は比較的高湿空間になる。
【0321】よって、冷却ピン634の背面の高温側蒸発器704の温度が上昇しても霧化することが可能となる。
【0322】ここで、変温室701の温度設定が野菜室設定の場合、温度は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、静電霧化装置631の霧化先端部である霧化電極635は露点温度以下となれば、先端を含め、霧化電極635には水が生成し、水滴が付着し、高圧印加によりラジカルを有した微細ミストを発生することが可能となる。
【0323】この微細ミストは、静電霧化装置631の外郭ケース637に構成されている噴霧口632を通過し、変温室701に噴霧されるが非常に小さい微粒子のため拡散性が強く、変温室701全体微細ミストは到達する。噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びているので、変温室701にはプラスの電荷をもつ青果物である野菜が収納されているので、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
【0324】ただし、噴霧可能であれば、上記温度に限定されることはない。例えば、変温室が−2℃程度のパーシャル温度や、0℃程度の氷温、1℃前後のチルド温度帯に設定されていて も、静電霧化装置631が噴霧可能と判定できれば、噴霧することにより、生鮮食料品表面に微細ミストが付着することにより除菌性が向上するのでより長期間保存することが可能になる。
【0325】また、冷蔵室用ファン322の動作と静電霧化装置631の動作を連動させることにより効率のよいミスト噴霧を実現できる。
【0326】また、静電霧化装置631の冷却ピン634近傍に温度調整用のヒータを配置することにより、霧化電極の温度制御、霧化先端部の水量調整を可能にするのでより安定した霧化状態を実現できる。
【0327】以上のように、本実施の形態は、抗菌装置として静電霧化装置631を備え、ラジカルを含んだミストを噴霧することで菌の増殖を防ぐものであるが、このような抗菌機能を有するのは高圧印加により発生するラジカルであるので、脱臭装置としてはミストが必須条件ではないが、ラジカルを含んだミストを抗菌装置とすることで、一般的には耐久時間が非常に短く消滅しやすいラジカルがミストに覆われて浮遊するために、ラジカルが存在する耐久時間が大幅に長くなることが大きな特徴である。また、ミストの場合には気体とは違って液体であるミスト粒子が野菜表面に付着することで、より除菌効果を高めることが可能である。
【0328】なお、本実施の形態では、抗菌装置としてミストを噴霧する霧化装置を備えたものとしたが、本実施の形態と同じ静電霧化装置を備えたもので冷却ピン534を備えずに放電した場合には、静電霧化装置は液体であるミストは噴霧せず、気体であるオゾンおよびマイナスイオンを発生させることができる抗菌装置となることは実施の形態5において説明した通りである。
【0329】本発明の冷蔵庫は、青果物への光の照射による青果物の保存性の向上を行うと共に、青果物の保存性の向上を行っていることをユーザへ視覚的に示すことで使い勝手の向上も図ることで、より品質の高い冷蔵庫を提供できるので、特に青果物を長期にわたって保存するための冷蔵庫に適している。
【0330】1 本体 6 切り替え室 13 光源 237 光源
ヒントあり冷蔵庫
特開2017-146020 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 柴田 舞子、永田 滋之、松本 真理子、内田 毅、伊藤 敬 / 出願日: 2016-02-17 / 公開日: 2017-08-24 / 検索11位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 赤緑2光源の同時照射と強度比設定 野菜室に波長の異なる2光源(赤と緑など)を同時に点灯し、放射強度に差(例 2:1、5:6)を付けることで、少ないエネルギーで光合成を促し栄養素生成と貯蔵性を高める。
▸ 示唆: 複数波長の同時照射と強度比の規定という骨格は同じだが、遠赤色ではなく赤と緑の組合せで白色光主体でもないため、比率設定の根拠付けの参考になる。
AIが精読したのは全114段落のうち検索が当てた10チャンク(27段落・24%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】この発明は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】従来における冷蔵庫においては、冷蔵庫の野菜室に、赤・青・緑の3色の発光ダイオード素子を複数配置した照射板を設け、この照射板を複数のエリアに区分し、エリアごとに照射する発光ダイオード素子の発光色の組合せを変更するための選択手段を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】特開2005−065622号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に示された従来の冷蔵庫では、植物の光合成における赤・青・緑の各色の光、すなわち、光の波長毎に有する特性を考慮していない。したがって、一定の光合成を起こさせるために必要以上の光放射エネルギーの光を照射していたり、光放射エネルギーの一部が熱に転換されて無駄なエネルギーを消費していたりする。
【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、余分なエネルギーを消費することなく光放射エネルギーを効率的に活用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができる冷蔵庫を得るものである。
【0006】この発明に係る冷蔵庫においては、食品を保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の内部に可視光を照射可能な発光部と、を備え、前記発光部は、可視光領域の第1の波長を中心波長とする光を照射する第1の光源と、前記第1の波長より短い可視光領域の第2の波長を中心波長とする光を照射する第2の光源と、を備え、光を照射する照射工程において、前記第1の光源から第1の放射強度で光を照射し、同時に、前記第2の光源から前記第1の放射強度と異なる第2の放射強度で光を照射する構成とする。
【0007】#1この発明に係る冷蔵庫においては、余分なエネルギーを消費することなく光放射エネルギーを効率的に活用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができるという効果を奏する。
【0008】#2この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の野菜室部分を拡大して示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 光合成光量子密度と3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量変化率との関係の一例を示す図である。 等しい光量子束密度となる緑色光と赤色光のエネルギー量の一例を示す図である。 緑色光と赤色光の放射エネルギー比R/Gと、緑色光と赤色光の合計エネルギーとの関係を示す図である。 緑色光と赤色光のエネルギー量比を1:2とした場合に図7と等しい合計光量子束密度となるエネルギー量の一例を示す図である。 複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。
【0009】この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0010】実施の形態1. 図1から図13は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の野菜室部分を拡大して示した図、図4は冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図、図5は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図6は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャート、図7は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図、図8は光合成光量子密度と3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量変化率との関係の一例を示す図、図9は等しい光量子束密度となる緑色光と赤色光のエネルギー量の一例を示す図、図10は緑色光と赤色光の放射エネルギー比R/Gと、緑色光と赤色光の合計エネルギーとの関係を示す図、図11は緑色光と赤色光のエネルギー量比を1:2とした場合に図9と等しい合計光量子束密度となるエネルギー量の一例を示す図、図12は複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図、図13は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。
【0011】なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0012】(冷蔵庫の構成) この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
【0013】図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0015】冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
【0016】冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉7が設けられている。ここでは、冷蔵室扉7は両開き式(観音開き式)であり、右扉7a及び左扉7bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の冷蔵室扉7(例えば、左扉7b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部6a及び表示部6bを備えている。操作部6aは、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、操作部6aと表示部6bを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。
【0017】冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
【0018】また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる上段収納ケース11及び下段収納ケース10が引き出し自在に格納されている。
【0019】(冷却機構) 冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0020】冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
【0021】送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
【0022】風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することに調節することができる。
【0023】以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
【0024】冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置8が収容されている。制御装置8には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置8が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置8は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ(図示せず)等により検知することができる。
【0025】(野菜室の構成) 図3は、冷蔵庫1が備える野菜室500部分の断面図である。野菜室500は、食品、特に野菜を保存する貯蔵室である。下段収納ケース10は、野菜室扉9のフレーム(図示せず)によって支持されている。下段収納ケース10の上側には、上段収納ケース11が載置されている。野菜室扉9を前方へと引き出すと、下段収納ケース10及び上段収納ケース11が野菜室扉9と一体となって前方へと引き出される。野菜室扉9を引き出した状態で、上段収納ケース11だけを後方へスライドすると、下段収納ケース10だけが引き出された状態となる。下段収納ケース10だけが引き出された状態では、下段収納ケース10に食品を出し入れすることができる。
【0026】野菜室500の内部には、扉開閉検知スイッチ12、サーミスタ13及び発光部14が設けられている。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室扉9の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室500の前面開口の縁部における野菜室扉9と対向する位置に設けられている。
【0027】野菜室500内の背面部には、サーミスタ13及び発光部14が取り付けられている。サーミスタ13は、野菜室500内の温度を検知する。発光部14は、貯蔵室である野菜室500の内部に可視光を照射可能である。ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、発光部14は、この開口部15を通して下段収納ケース10の内部に可視光を照射できるようになっている。なお、下段収納ケース10の少なくとも開口部15に相当する部分に発光部14から照射される可視光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0028】(発光部の構成) 次に、図4を参照しながら発光部14の構成についてさらに説明する。図4に示すように、発光部14は、第1の光源16a及び第2の光源16bの2種の光源を備えている。前述したように、発光部14は可視光を照射可能である。このため、発光部14は、可視光を照射する可視光源を備えている。第1の光源16a及び第2の光源16bは、可視光源である。これらの第1の光源16a及び第2の光源16bは、それぞれが独立して、点灯及び消灯することができるように構成されている。
【0029】第1の光源16aは、第1の波長を中心波長とする光を照射する。第2の光源16bは、第2の波長を中心波長とする光を照射する。第1の波長及び第2の波長は、いずれも可視光領域に属する。ただし、第2の波長は、第1の波長とは異なっている。
【0030】具体的には、第1の光源16aの中心波長である第1の波長は、500nm以上700nm以下、好ましくは600nm以上700nm以下である。すなわち、第1の光源16aから照射される光は赤色である。第1の光源16aとして具体的に例えば、赤色LEDを用いることができる。
【0031】また、第2の光源16bの中心波長である第2の波長は、500nm以上560nm以下である。すなわち、第2の光源16bから照射される光は緑色である。第2の光源16bとして具体的に例えば、緑色LEDを用いることができる。すなわち、第2の波長は、可視光領域であって第1の波長より短い波長である。
【0032】第1の光源16aは第1の放射強度で光を照射する。第2の光源16bは第2の放射強度で光を照射する。第2の放射強度は、第1の放射強度と異なる強度である。ここでは、第2の放射強度は、第1の放射強度より低い。具体的には、第1の放射強度と第2の放射強度との比が2:1になっている。
【0033】発光部14に設けられる第1の光源16a及び第2の光源16bを構成する各素子の光量及び個数は、第1の光源16a及び第2の光源16bの放射強度が上述したように関係を満たすことができるように選定されている。具体的にここでは、発光部14には、第1の光源16aを構成する素子が2個設けられ、第2の光源16bを構成する素子が1個設けられている。
【0034】(冷蔵庫の制御系統) 図5は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。この図5には、特に野菜室500の制御に関係する部分が示されている。制御装置8は、例えばマイクロコンピュータを備えており、プロセッサ8a及びメモリ8bを備えている。制御装置8は、メモリ8bに記憶されたプログラムをプロセッサ8aが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0035】制御装置8には、サーミスタ13から野菜室500の内部の温度の検知信号が入力される。また、制御装置8には、操作パネル6の操作部6aからの操作信号も入力される。さらに、制御装置8には、扉開閉検知スイッチ12からの検知信号も入力される。
【0036】制御装置8は、入力された信号に基づいて、野菜室500の内部が設定された温度に維持されるように、圧縮機2及び送風ファン4等の動作を制御する処理を実行する。また、制御装置8は、操作パネル6の表示部6bに表示信号を出力する。
【0037】さらに、制御装置8は、発光部14へと制御信号を出力して発光部14の発光動作についても制御する。前述したように、発光部14は、第1の光源16a及び第2の光源16bを備えている。そして、制御装置8は、発光部14が備える第1の光源16a及び第2の光源16bのそれぞれの点灯及び消灯の状態を制御することが可能である。
【0038】(発光部の制御) 次に、図6を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8は、発光部14から可視光を含む光を照射させる照射工程と、発光部14から可視光を含む光を照射させない非照射工程とを交互に繰り返すように発光部14の動作を制御する。すなわち、制御装置8による制御により発光部14は、光を照射する照射工程と、光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返す。
【0039】照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bの両方が点灯される。非照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bのいずれも点灯されない。各工程の継続時間は予め設定されている。これらについてはそれぞれ、照射工程の継続時間はΔT1、非照射工程の継続時間はΔT2とする。
【0040】このように、制御装置8は、照射工程、非照射工程の順で実施するように発光部14を制御する。そして、非照射工程の終了後は再び照射工程から前述の順で各工程を繰り返して実施する。したがって、それぞれの工程を順に1回ずつ行う1周期にかかる時間ΔTは、ΔT1及びΔT2の合計となる。
【0041】制御装置8は、照射工程と非照射工程とが、24時間以下の周期で交互に繰り返されるように発光部14を制御する。すなわち、ΔTは24時間以下となるように設定される。そして、発光部14は、照射工程と非照射工程とを、24時間以下の周期で交互に繰り返す。
【0042】また、非照射工程の継続時間ΔT2は、照射工程の継続時間ΔT1以下となるように設定される。以上のような条件を満たす各工程の継続時間の一例として、具体的には、ΔT1を12時間、ΔT2を12時間に設定する。この場合のΔTは24時間となる。
【0043】以上のように構成された冷蔵庫1が備える野菜室500の発光部14の制御に係る一連の流れについて、図7のフロー図を参照しながら説明する。冷蔵庫1の電源が投入されると、まず、ステップS101において、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a及び第2の光源16bを点灯させる。続くステップS102において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0044】そして、続くステップS103において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT1になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT1になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT1になるまでステップS103の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT1となれば、ステップS104へと進む。以上のステップS101からS103までが照射工程である。
【0045】ステップS104においては、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a及び第2の光源16bを消灯させる。そして、ステップS105へと進み、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0046】続くステップS106において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT2になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT2になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT2になるまでステップS106の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT2となれば、ステップS101へと戻り、以上のステップを繰り返し実行する。以上のステップS104からS106までが非照射工程となる。
【0047】(光照射による作用) 次に、以上のような発光部14での光照射により期待される作用について説明する。まず、植物の光合成反応について説明する。光合成反応は次の(1)式で表すことができる。
【0048】6CO2+12H2O+688kcal→C6H12O6+6H2O+6O2 ・・・ (1)
【0049】この(1)式において、CO2:二酸化炭素、H2O:水、688kcal:光エネルギー、C6H12O6:ブドウ糖である。
【0050】この(1)式の光合成反応により、植物は、光エネルギーを利用して大気中の二酸化炭素と植物のもつ水とから酸素と糖を生成する。この反応は二段階に分かれている。一段階目は葉などに含まれるクロロフィル等の色素により吸収された光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。二段階目は、電子、水素イオン及び大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する。ブドウ糖が増加した野菜はその貯蔵性が良くなったり、ブドウ糖からビタミンCを生成したりする。
【0051】光合成を活発に行わせるためには、野菜室500内に照射する光を光合成に有効なものとする必要がある。クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)に二つの光吸収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効であることが知られている。
【0052】また、緑色(500〜600nm)は、クロロフィルによる吸収率は低いが、葉の内部で光が散乱してクロロフィルとの遭遇頻度が高くなり、葉全体での吸収率は高くなる。したがって、吸収スペクトルに一致する赤色光と補助光としての緑色光の両方の光を照射することで、葉の全体のクロロフィルを活性化させることができ、効率的に光合成を行わせることができる。
【0053】ここで、光合成に利用できる光の量は、光合成光量子束密度(単位:μmol/(m^2・s))で測ることができる。光合成光量子束密度とは、クロロフィルが吸収できる400nmから700nmまでの波長領域における、1秒あたり、1平方メートルあたりの光量子の数を表すものである。
【0054】図8に示すのは、光合成光量子束密度に対する野菜室で3日間保存し光合成させた野菜のビタミンC量の変化率を測定した結果のグラフである。この図8のグラフから、光合成光量子束密度が大きいほど、光合成が促進され、野菜に含まれるビタミンCが増加する傾向にあることがわかる。
【0055】ここで、照射される光に含まれる光量子数n[mol]と光の放射エネルギーQ[J]との間には、次の(2)式に示す一定の関係があることが知られている。
【0057】なお、この(2)式において、e:光量子1個のエネルギー[J]、Na:アボガドロ定数(=6.02×10^23)、λ:波長[nm]、h:プランク定数(=6.63×10^−34)[Js]、C:光速(=3.00×10^8)[m/s]である。
【0058】この(2)式から分かるように、照射される光の波長が長いほど、光に含まれている光量子の数がより多くなる。
【0059】図9は、緑色光と赤色光とが同じ光量子束密度となるときに、必要なエネルギー量を示した一例である。緑色光よりも赤色光の方が低い放射エネルギーで同じ光量子束密度を得ることができる。また、図10は、緑色光と赤色光の光量子束密度の合計を任意の一定値としたときにおける、緑色光と赤色光の放射エネルギー比R/Gと、緑色光と赤色光の合計エネルギーとの関係を示すものである。光量子束密度の合計が一定であるという条件の下では、緑色光に対する赤色光の放射エネルギー比R/Gが大きいほど、合計エネルギーは小さくなる。
【0060】すなわち、緑色光よりも赤色光の比率が高い方が、より小さい合計エネルギーで同等の合計光量子束密度を得ることができる。また、この図10を見ると、放射エネルギー比R/Gが2以上において、十分小さい合計エネルギーで同等の合計光量子束密度を得られることが分かる。
【0061】そこで、図11に示すのは、緑色光と赤色光の放射エネルギー比を1:2とした場合に図9と等しい合計光量子束密度となるエネルギー量の一例である。このように、緑色光と赤色光の放射エネルギー比を1:2とした場合、図9の例と同じく合計光量子束密度は35+85=120[μmol/(m^2・s)]であるが、放射エネルギーの合計は、8+16=24[W/m^2]で、図9の例の26[W/m^2]よりも小さくなる。
【0062】前述したように、この発明の実施の形態1においては、第1の光源16aは、赤色光を第1の放射強度で照射する。また、第2の光源16bは、緑色光を第2の放射強度で照射する。第2の放射強度は第1の放射強度と異なる強度であり、ここでは、第2の放射強度は第1の放射強度より低く、具体的には、第1の放射強度と第2の放射強度との比が2:1になっている。
【0063】そして、光を照射する照射工程において、発光部14は、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第2の放射強度で光を照射する。したがって、より小さい合計放射エネルギーでもって、より多くの光量子束密度を得ることができ、光を照射した野菜類の光合成を効率的に促進することが可能である。
【0064】なお、以上においては、第1の光源16a及び第2の光源16bから照射される光の放射エネルギー量は固定されており、前述したような放射エネルギー量の関係を満たすように第1の光源16a及び第2の光源16bを構成する素子を予め発光部14に設けておく場合について説明した。この点については、これに限られず、例えば、第1の光源16a及び第2の光源16bとして光量を変化させることができるものを用いて、制御装置8が第1の光源16a及び第2の光源16bの光量を調節して、前述の放射エネルギー量の関係を満たすようにしてもよい。
【0065】次に、植物の概日リズムは、光の明暗周期等の時間情報が与えられない条件下においても、自律的に約24時間周期を継続する。しかし、光を照射しない暗環境下で野菜類等の青果物を保存した場合には、光合成を行わないので貯蔵性向上又は栄養素増量等の効果を得ることはできない。一方、連続的に光を照射した明環境下で青果物を保存した場合には、光合成は行うが、栄養素の生成が十分にできなかったり、光合成速度や光合成能力が低下したりする等の障害を誘発することがある。
【0066】#3そこで、この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を照射する照射工程と可視光を含む光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返して実施する。
【0067】このため、下段収納ケース10内は、可視光が照射されて明環境となる明期と可視光が照射されず暗環境となる暗期とに時間経過とともに変わる。すなわち、下段収納ケース10内では、朝に日が昇り夜に日が沈むことによる自然界での光量変化を模擬した環境が実現される。したがって、下段収納ケース10に投入された青果物等の植物に対して、概日リズムに従った光合成等の活動を促すことができる。
【0068】また、植物の概日リズムは、朝から夜を経てまた朝になる時間に対応した約24時間周期である。しかし、植物の概日リズムは、環境光の影響を受けてそのリズムの位相が変化するという特徴がある。例えば、暗環境において光を照射して明環境とすると、リズム位相は朝側にずれる。このような特徴を利用し、非照射工程の時間を可視光照射工程よりも短くし、すなわち光を照射しない暗期を、光を照射する明期よりも短縮して光照射の周期を24時間以下とすることで、下段収納ケース10内の青果物が保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることができる。そして、保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることで、青果物の糖及びビタミンC等の栄養素の生成効率を向上させることができる。
【0069】#8ここで、図12を参照しながら、以上で説明したような複数の異なる光照射条件下で青果物を保存した場合に、青果物に含まれる栄養素(ビタミンC)の量にどのような差異が生じるのかについて、具体的な比較例を挙げて説明する。この図12は、複数の異なる光照射条件下でキャベツを3日間保存した後のビタミンC量を比較したグラフである。ビタミンC量は、保存前の初期のビタミンC量を100として変化の割合で表している。光照射の条件については、光強度を同等とし、照射する光に含まれる色及び1日あたりの照射時間を変えている。
【0070】1日中全く光を照射しない非照射では、保存後のビタミンC量は初期よりも減少している(図12の最も左側のグラフ)。これに対し、光を照射した条件ではいずれも、保存後のビタミンC量は初期よりも増加した。1日中連続的に光を照射した場合(図12の中央のグラフ)と比較して、光を照射しない時間すなわち暗期を設け、概日リズムに対応した光照射を行うと、より保存後のビタミンCの増加量が多くなる結果となった(図12の最も右側のグラフ)。
【0071】このように、青果物の概日リズムに応じて適切な波長の光を照射することにより、光合成及び栄養素の生成の効率をよく行わせることができ、保存中の野菜の貯蔵性向上及び栄養素増量の効果を得ることが可能である。すなわち、この発明に係る冷蔵庫1によれば、自然界の光の動きを模擬した光の照射を行うことで、青果物の概日リズムを利用し、青果物の光合成などの活動をコントロールすることができ、光合成による栄養素の生成を促進したり、余分な蒸散を抑制したりして、野菜を高品質に保存することができる。
【0072】(発光部の制御の別例) 以上で説明した発光部14の制御では、1日のうちのどの時間帯に照射工程及び非照射工程を実施するのかについては特に言及しなかった。ここでは、発光部14の制御の他の例として、非照射工程を実施する時間帯等の発光部14の制御を野菜室扉9の開閉状態の検知結果に応じて行うようした例について図13を参照しながら説明する。
【0073】前述したように野菜室扉9は、貯蔵室である野菜室500を開閉可能な扉である。また、扉開閉検知スイッチ12は、この野菜室扉9の開閉を検知する検知手段である。制御装置8は、一定時間当たりの、すなわち、予め設定された基準時間当たりの、扉開閉検知スイッチ12により検知された野菜室扉9の開閉回数を計数している。この際の基準時間は、例えば非照射工程の継続時間ΔT2とする。そして、制御装置8は、一定時間当たり野菜室扉9が開閉された回数が予め設定された回数以下である時間帯に、非照射工程を実施するように発光部14を制御する。
【0074】冷蔵庫1の扉は、食事の準備又は買い物前後等に開閉が多くなり、使用者が寝ている間又は外出中等には開閉されない。そのため、日常生活において扉開閉回数の変化は1日の中でパターン化され、予測することができる。そこで、制御装置8は、野菜室扉9の開閉回数を計数し、一定時間当たりの扉開閉回数の少ない時間帯を、図示しない記憶部等に記憶する。そして、次の日以降における記憶した時間帯、あるいは、時間帯を記憶した24時間後に非照射工程を開始することで、開閉回数の少ない時間帯に非照射工程を実施することができる。
【0075】#6非照射工程の途中で野菜室扉9が開閉されると、冷蔵庫1の外の光の影響により保存している青果物の概日リズムの位相が変化してしまう可能性がある。そこで、野菜室扉9の開閉回数が少ない時間帯に非照射工程を実施することで、下段収納ケース10内の青果物に光が照射されない暗期を確保することができ、概日リズムにあった光照射制御を効率的に行うことができる。
【0076】なお、冷蔵室扉7に設置された操作パネル6の操作部6aを操作することによって、使用者が、発光部14からの光照射制御の実施と停止(発光部14を常に消灯する)とを切り替えることができるようにしてもよい。操作パネル6により使用者が発光部14を点灯させる制御を実施するか否かを選択できるようにすることで、青果物をあまり保存しないとき又は長期間使用しないとき等に、停止を選択し発光部14を常に消灯させ、エネルギー消費量の低減を図るとともに通常の冷蔵庫1と同様の使い勝手を提供することができる。
【0077】また、光照射制御の実施中には、操作パネル6の表示部6bに「光照射中」等の表示を行うようにしてもよい。さらに、表示部6bに、可視光照射工程中(明期)に「点灯中」、非照射工程中(暗期)に「消灯中」等の表示を表示部6bにしてもよい。さらに、庫内(野菜室500内)の光の状態を、自然界の光の1日に置き換えた表示を表示部6bしてもよい。具体的に例えば、光照射制御で実施中の工程に合わせて、照射工程中に「昼」、非照射工程中に「夜」等の表示を表示部6bにしてもよい。このようにすることで、使用者に庫内の光の状態を報知することができ、利便性、満足感を向上させることができる。加えて、非照射工程実施中に不要な扉の開閉をしない等の注意を使用者に促すこともできる。
【0078】なお、操作パネル6は、冷蔵庫1の外側に設置するのに限らず、庫内(貯蔵室内)に設置されていてもよい。また、冷蔵庫1に通信手段を設け、電気通信回線等を介して、携帯情報端末(スマートフォンを含む携帯電話、タブレット端末等)により、冷蔵庫1の制御装置8に指令を伝えたり、冷蔵庫1の情報を受信して表示したりしてもよい。すなわち、携帯情報端末に操作パネル6の操作部6a及び表示部6bの機能の一方又は両方を備えるようにしてもよい。
【0079】#5以上のように構成された冷蔵庫は、食品を保存する貯蔵室である野菜室500と、貯蔵室の内部に可視光を照射可能な発光部14と、を備えている。また、発光部14は、可視光領域の第1の波長を中心波長とする光を照射する第1の光源16aと、第1の波長より短い可視光領域の第2の波長を中心波長とする光を照射する第2の光源16bと、を備えている。そして、発光部14は、光を照射する照射工程において、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第1の放射強度と異なる第2の放射強度で光を照射する。
【0080】ここでは、特に、第2の放射強度は第1の放射強度より低く、具体的には、第1の放射強度と第2の放射強度との比が2:1である。このため、より少ない光放射エネルギー量で一定の光合成を起こさせることができ、余分なエネルギーを消費することなく光放射エネルギーを効率的に活用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進し、栄養素の生成を促進したり、貯蔵性を向上させたりすることができる。
【0081】実施の形態2. 図14から図17は、この発明の実施の形態2に係るもので、図14は冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図、図15は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャート、図16は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図、図17は複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図である。
◆ この文献の解決アプローチ
赤緑2光源の同時照射と強度比設定
文献: 発光部14は、光を照射する照射工程において、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第1の放射強度と異なる第2の放射強度で光を照射する。
複数波長の同時照射と強度比の規定という骨格は同じだが、遠赤色ではなく赤と緑の組合せで白色光主体でもないため、比率設定の根拠付けの参考になる。
【0082】ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成に加えて、発光部14に第3の光源16cを設けるようにしたものである。そして、照射工程において、第1の光源16aから第3の光源16cの全てを点灯する第1の照射工程と、第3の光源16cを消灯して第1の光源16a及び第2の光源16bだけを点灯する第2の照射工程の2つの工程を含むようにしたものである。
【0083】以下、この実施の形態2に係る冷蔵庫について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。 すなわち、図14に示すように、発光部14は、第1の光源16a及び第2の光源16bに加えて、第3の光源16cをさらに備えている。第3の光源16cは、第1の光源16a及び第2の光源16bと同じく可視光源である。これら3種の光源は、それぞれ独立して点灯及び消灯することができる。
【0084】第3の光源16cは、第3の波長を中心波長とする光を照射する。第3の波長は可視光領域に属する。第3の波長は、第1の波長及び第2の波長のいずれとも異なっている。ここでは、第3の波長は第2の波長より短い(したがって、当然に第1の波長より短い)。具体的には、第3の光源16cの中心波長である第3の波長は、400nm以上500nm以下である。すなわち、第3の光源16cから照射される光は青色である。第3の光源16cとして具体的に例えば、青色LEDを用いることができる。
【0085】第3の光源16cは第3の放射強度で光を照射する。第3の放射強度は、第1の放射強度及び第2の放射強度のいずれとも異なる強度である。ここでは、第3の放射強度は、第1の放射強度及び第2の放射強度のいずれよりも低い。具体的には、第1の放射強度と第3の放射強度との比が5:1になっている。第1の放射強度と第2の放射強度との比は、実施の形態1と同じく2:1である。したがって、第1の放射強度、第2の放射強度と第3の放射強度の比は、10:5:2になっている。
【0086】発光部14に設けられる第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cを構成する各素子の光量及び個数は、第1の光源16aから第3の光源16cの放射強度が上述したように関係を満たすことができるように選定されている。具体的にここでは、発光部14には、第1の光源16aを構成する素子が2個設けられ、第2の光源16b、第3の光源16cを構成する素子がそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0087】次に、図15を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8は、発光部14から可視光を含む光を照射させる照射工程と、発光部14から可視光を含む光を照射させない非照射工程とを交互に繰り返すように発光部14の動作を制御する。照射工程では、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cの少なくともいずれかが点灯される。非照射工程では、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cのいずれも点灯されない。
【0088】照射工程は、さらに2つの工程に分けられる。照射工程では、まず第1の照射工程が実施され、次に第2の照射工程が実施される。すなわち、制御装置8は、照射工程において、第1の照射工程と第2の照射工程とを実施するように発光部14を制御する。第1の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cの全てから光を照射させる。すなわち、赤色光と緑色光と青色光とが照射される。第2の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16a及び第2の光源16bから光を照射させ、第3の光源16cは消灯される。すなわち、赤色光及び緑色光が照射され、青色光は照射されない。
【0089】各工程の継続時間は予め設定されている。これらについてはそれぞれ、第1の照射工程の継続時間はΔT1、第2の照射工程の継続時間はΔT2、非照射工程の継続時間はΔT3とする。
【0090】このように、制御装置8は、第1の照射工程、第2の照射工程、非照射工程の順で実施するように発光部14を制御する。そして、非照射工程の終了後は再び可視光照射工程すなわち第1の照射工程から前述の順で各工程を繰り返して実施する。したがって、それぞれの工程を順に1回ずつ行う1周期にかかる時間ΔTは、ΔT1、ΔT2及びΔT3の合計となる。また、可視光照射工程の継続時間は、ΔT1及びΔT2の合計となる。
【0091】制御装置8は、可視光照射工程と非照射工程とが、24時間以下の周期で交互に繰り返されるように発光部14を制御する。すなわち、ΔTは24時間以下となるように設定される。また、非照射工程の継続時間ΔT3は、可視光照射工程の継続時間以下となるように設定される。すなわち、非照射工程の継続時間ΔT3は、第1の照射工程の継続時間ΔT1と第2の照射工程の継続時間ΔT2との合計時間以下となるように設定される。さらに、第1の照射工程の継続時間ΔT1は、第2の照射工程の継続時間ΔT2以下となるように設定される。以上のような条件を満たす各工程の継続時間の一例として、具体的には、ΔT1を2時間、ΔT2を10時間、そして、ΔT3を12時間に設定する。この場合のΔTは24時間となる。
【0092】以上のように構成された冷蔵庫1が備える野菜室500の発光部14の制御に係る一連の流れについて、図16のフロー図を参照しながら説明する。冷蔵庫1の電源が投入されると、まず、ステップS201において、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cを点灯させる。続くステップS202において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0093】そして、続くステップS203において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT1になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT1になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT1になるまでステップS203の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT1となれば、ステップS204へと進む。以上のステップS201からS203までが第1の照射工程である。
【0094】ステップS204においては、制御装置8は、発光部14の第3の光源16cを消灯させる。したがって、第1の光源16a及び第2の光源16bだけが点灯した状態となる。続くステップS205において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0095】そして、続くステップS206において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT2になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT2になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT2になるまでステップS206の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT2となれば、ステップS207へと進む。以上のステップS204からS206までが第2の照射工程である。
【0096】ステップS207においては、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a及び第2の光源16bを消灯させる。したがって、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cの全てが消灯した状態となる。そして、ステップS208へと進み、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0097】続くステップS209において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT3になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT3になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT3になるまでステップS209の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT3となれば、ステップS201へと戻り、以上のステップを繰り返し実行する。以上のステップS207からS209までが非照射工程となる。 なお、他の構成及び動作については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
【0098】次に、以上のような発光部14での光照射により期待される作用について説明する。まず、この発明の実施の形態2においては、第1の光源16aは、赤色光を第1の放射強度で照射する。また、第2の光源16bは、緑色光を第2の放射強度で光を照射する。そして、第3の光源16cは、青色光を第3の放射強度で照射する。ここでは、第3の放射強度は第1及び第2の放射強度より低く、具体的には、第1、第2及び第3の放射強度の比は10:5:2になっている。
【0099】そして、光を照射する照射工程において、発光部14は、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第2の放射強度で光を照射し、さらに同時に、第3の光源16cから第3の放射強度で光を照射する。実施の形態1で説明したように、照射される光の波長が長いほど、光に含まれている光量子の数がより多くなる。したがって、より小さい合計放射エネルギーでもって、より多くの光量子束密度を得ることができ、光を照射した野菜類の光合成を効率的に促進することが可能である。
【0100】#9また、前述したように、クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色(660nm近辺)の他に青色(450nm近辺)にも光吸収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効である。また、青色光には、植物の気孔を開く作用がある。そこで、光を照射する明期の初期段階において青色を含む光を照射することで、青果物の気孔を開くことができる。そして、青果物の気孔を開いてから明期を継続することで、青果物は空気中の二酸化炭素を十分に取り込むことができ、効率的に光合成を行うことができる。一方で、青色光には、発芽及び開花も促進させてしまう作用もある。このため、青果物の長期保存を目的とする場合には青色光を照射する時間はなるべく短くした方がよい。
【0101】そこで、光合成を促進する可視光照射工程において、まず第1の照射工程で第3の光源16cを点灯して青色を含む光を照射した後、第2の照射工程で第3の光源16cを消灯して青色を含まない光を照射するようにすることで、下段収納ケース10内の青果物の気孔を開口した後に光合成を行わせることができ、下段収納ケース10内の青果物の光合成をより促進することが可能である。また、この際に、青色を含む光を照射する第1の照射工程を、青色を含まない光を照射する第2の照射工程より短くすることで、発芽及び開花をなるべく促進することなく、かつ、十分な気孔の開口作用を得ることができる。
【0102】#4ここで、図17を参照しながら、以上で説明したような複数の異なる光照射条件下で青果物を保存した場合に、青果物に含まれる栄養素(ビタミンC)の量にどのような差異が生じるのかについて、具体的な比較例を挙げて説明する。この図17は、複数の異なる光照射条件下でキャベツを3日間保存した後のビタミンC量を比較したグラフである。ビタミンC量の表現方法、光照射の条件、及び、非照射時の結果については、図12と同じであるため説明を省略する。
【0103】光を照射する時間すなわち明期と光を照射しない時間すなわち暗期とを設け、概日リズムに対応した光照射を行った場合、保存後のビタミンCは増加している。そして、12時間の明期において赤色光と緑色とを照射した場合(図17の中央のグラフ)に比較して、12時間の明期の初期の2時間にさらに青色光を照射した場合(図17の最も右のグラフ)の方が、保存後のビタミンCの増加量が多くなる結果となることが分かる。
【0104】以上のように構成された冷蔵庫においては、実施の形態1と同様の効果を奏することができるのに加えて、発芽及び開花をなるべく促進することなく、かつ、十分な気孔の開口作用を得ることができ、さらに効率的に光合成による栄養素の生成を促進したり、余分な蒸散を抑制したりして、野菜を高品質に保存することができる。
【0105】実施の形態3. 図18は、この発明の実施の形態3に係るもので、冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、第2の放射強度すなわち緑色光の放射強度を、第1の放射強度すなわち赤色光の放射強度より高くしたものである。
【0106】#7以下、この実施の形態3に係る冷蔵庫について、実施の形態2の構成を基にして、実施の形態2との相違点を中心に説明する。 すなわち、図18に示すように、発光部14は、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cを備えている。これら3種の光源は、いずれも可視光源であり、それぞれ独立して点灯及び消灯することができる。
【0107】第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cは、第1の波長、第2の波長及び第3の波長をそれぞれ中心波長とする光を照射する。具体的には、第1の波長は500nm以上700nm以下(好ましくは600nm以上700nm以下)、第2の波長は500nm以上560nm以下、第3の波長は400nm以上500nm以下である。したがって、第1の光源16aから照射される光は赤色、第2の光源16bから照射される光は緑色、第3の光源16cから照射される光は青色である。
【0108】第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cは、それぞれ第1の放射強度、第2の放射強度及び第3の放射強度で光を照射する。ここでは、実施の形態1及び実施の形態2とは異なり、第2の放射強度は第1の放射強度より高い。具体的に例えば、第1の放射強度と第2の放射強度との比は5:6になっている。また、第3の放射強度が、第1の放射強度及び第2の放射強度のいずれよりも低い点は実施の形態2と同様である。具体的には、第1の放射強度と第3の放射強度との比は、実施の形態2と同じく5:1になっている。したがって、第1の放射強度、第2の放射強度と第3の放射強度の比は、5:6:1になっている。
【0109】発光部14に設けられる第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cを構成する各素子の光量及び個数は、第1の光源16aから第3の光源16cの放射強度が上述したように関係を満たすことができるように選定されている。具体的にここでは、発光部14には、第2の光源16bを構成する素子が2個設けられ、第1の光源16a、第3の光源16cを構成する素子がそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0110】光を照射工程において、発光部14は、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第2の放射強度で光を照射し、さらに同時に、第3の光源16cから第3の放射強度で光を照射する。 なお、他の構成及び動作については実施の形態1又は実施の形態2と同様であって、その詳細説明は省略する。
【0111】ここで、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cは、高強度の光を照射するものである。この場合、光を受けた青果物(野菜類)は、葉の表面側のクロロフィルでは光合成が光飽和し、内部・裏面側のクロロフィルは光飽和していない状態になりやすい。この状態で、第1の光源16a(赤色)の放射エネルギーを高くすると、赤色は葉での吸収率が比較的高いため、表面側のクロロフィルで吸収される。しかし、葉の表面側では光合成が光飽和しているため、赤色光のエネルギーのほとんどは熱として放散されてしまう。
【0112】#10一方、光源16b(緑色LED)は、葉での吸収率が比較的低く、光飽和していない葉の内部及び裏側のクロロフィルを活性化させることができ、光合成を促進することが可能である。そこで、第2の放射強度は第1の放射強度より高くし、すなわち、第2の光源16b(緑色)の放射エネルギーを高くすることで、光源からの放射エネルギーを無駄にすることなく、効率的に光合成を行わせることができる。
【0113】以上のように構成された冷蔵庫も、食品を保存する貯蔵室である野菜室500と、貯蔵室の内部に可視光を照射可能な発光部14と、を備えている。また、発光部14は、可視光領域の第1の波長を中心波長とする光を照射する第1の光源16aと、第1の波長より短い可視光領域の第2の波長を中心波長とする光を照射する第2の光源16bと、を備えている。そして、発光部14は、光を照射する照射工程において、第1の光源16aから第1の放射強度で光を照射し、同時に、第2の光源16bから第1の放射強度と異なる第2の放射強度で光を照射する。
【0114】ここでは、特に、第2の放射強度は第1の放射強度より高く、具体的には、第1の放射強度と第2の放射強度との比が5:6である。このため、熱に転換されてしまう無駄な光放射エネルギー量を抑制し、余分なエネルギーを消費することなく光放射エネルギーを効率的に活用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進し、栄養素の生成を促進したり、貯蔵性を向上させたりすることができる。
【0115】1 冷蔵庫 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風ファン 5 風路 6 操作パネル 7 冷蔵室扉 7a 右扉 7b 左扉 8 制御装置 8a プロセッサ(CPU) 8b メモリ 9 野菜室扉 10 下段収納ケース 11 上段収納ケース 12 扉開閉検知スイッチ 13 サーミスタ 14 発光部 15 開口部 16a 第1の光源 16b 第2の光源 16c 第3の光源 90 断熱箱体 100 冷蔵室 200 切替室 300 製氷室 400 冷凍室 500 野菜室 201 切替室収納ケース 401 冷凍室収納ケース
ヒントあり冷蔵庫
特開2017-083122 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、内田 毅、柴田 舞子、伊藤 敬 / 出願日: 2015-10-30 / 公開日: 2017-05-18 / 検索12位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 概日リズム点滅とB光を少量混ぜるRGB制御 野菜室のRGB LEDを野菜の概日リズムに合わせて昼夜モードで点滅させ、昼は青色光をG光・R光の1/5〜1/10に抑えて混ぜる。撮影時は白色光に切り替える。
▸ 示唆: 補助的な色光を主光に対し小さい比率で混ぜるという考え方がメモと同型だが、混ぜる色は青で、遠赤色ではない。
AIが精読したのは全66段落のうち検索が当てた10チャンク(36段落・55%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#8この発明は、冷蔵庫に関する。
【0002】特許文献1に、冷蔵庫が記載されている。特許文献1に記載された冷蔵庫は、カメラ及びライトを備える。特許文献1に記載された冷蔵庫では、カメラによって庫内を撮影する際にライトが点灯される。
【0003】国際公開第2014/142119号
【0004】近年、野菜に光を当てることによって野菜の劣化を遅らせる冷蔵庫が提案されている。例えば、緑色の葉物野菜に光を当てることにより、クロロフィルを活性化させてビタミンCの生成を促進させる冷蔵庫がある。このような冷蔵庫に用いられる光源は、用途に応じた特定の波長の光を照射する。このため、野菜に光を照射するための光源を撮影用の光源として使用すると、野菜室のきれいな画像を取得することができなかった。
【0005】この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、野菜室に入れられた野菜に光を照射するためのLEDを利用して、野菜室のきれいな画像を取得できる冷蔵庫を提供することである。
【0006】この発明に係る冷蔵庫は、第1波長帯の光を野菜室に照射する第1LEDと、第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を野菜室に照射する第2LEDと、野菜室の画像を取得する画像取得装置と、第1LED及び第2LEDを野菜の概日リズムに合わせて制御する制御装置と、を備える。制御装置は、画像取得装置によって画像を取得する場合は、白色光が野菜室に照射されるように第1LED及び第2LEDを制御する。
【0007】この発明に係る冷蔵庫は、第1波長帯の光を野菜室に照射する第1LEDと、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を前記野菜室に照射する第2LEDと、前記野菜室の画像を取得する画像取得装置と、前記画像取得手段によって取得された画像を補正する補正手段と、前記第1LED及び前記第2LEDを野菜の概日リズムに合わせて制御する制御手段と、を備える。
【0008】この発明に係る冷蔵庫は、第1LED、第2LED、画像取得装置及び制御装置を備える。制御装置は、第1LED及び第2LEDを野菜の概日リズムに合わせて制御する。また、制御装置は、画像取得装置によって画像を取得する場合は、白色光が野菜室に照射されるように第1LED及び第2LEDを制御する。この発明に係る冷蔵庫であれば、野菜室に入れられた野菜に光を照射するためのLEDを利用して、野菜室のきれいな画像を取得することができる。
【0009】この発明の実施の形態1における冷蔵庫の断面を示す図である。 冷蔵庫に備えられた機器の電気的な接続を示す図である。 この発明の実施の形態1における冷蔵庫の動作を示すフローチャートである。 冷蔵庫が図3に示す動作を行う時のタイミングチャートを示す図である。
【0010】添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0011】実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1における冷蔵庫1の断面を示す図である。図2は、冷蔵庫1に備えられた機器の電気的な接続を示す図である。先ず、図1及び図2を参照し、冷蔵庫1の全体構成について説明する。冷蔵庫1は、例えば本体2、扉8〜11、操作パネル12、制御装置15、開閉センサ16、圧縮機17、冷却器18、送風機19、発光装置20及びカメラ24を備える。
【0012】本体2に、食材等を入れるための複数の部屋が形成される。例えば、本体2に、冷蔵室3、切替室4、製氷室(図示せず)、冷凍室5及び野菜室6が形成される。本体2に形成された各部屋は、発泡ウレタン等の断熱材によって仕切られる。本体2に形成される部屋の数、種類及び配置は、図1に示す例に限定されない。
【0013】冷蔵室3は、例えば容量が一番大きい部屋である。冷蔵室3の中に、チルド室7を備えても良い。チルド室7は、肉及び魚を入れるための部屋である。冷蔵室3は、扉8によって開閉される。
【0014】操作パネル12は、例えば扉8の前面に設けられる。操作パネル12を他の扉或いは本体2に設けても良い。操作パネル12は、例えば入力部13と報知部14とを備える。使用者は、入力部13を操作して情報を入力する。例えば、使用者は、入力部13を操作して、各部屋の温度を設定する。報知部14からは、使用者に対する報知が行われる。例えば、ディスプレイ及びスピーカが報知部14として操作パネル12に備えられる。操作パネル12は、制御装置15に電気的に接続される。
【0015】切替室4は、温度の切り替えが可能な部屋である。例えば、制御装置15に、切替室4の設定温度として複数の温度が予め登録される。使用者は、例えば操作パネル12の入力部13を操作して、切替室4の設定温度を選択する。切替室4は、扉9によって開閉される。製氷室は、氷を作り、保存する部屋である。製氷室は、切替室4の隣りに配置される。
【0016】冷凍室5は、食材等を冷凍するための部屋である。冷凍室5の温度は、例えば氷点下に保たれる。冷凍室5は、扉10によって開閉される。
【0017】野菜室6は、野菜等を入れるための部屋である。野菜室6に、大型の飲料用の容器を入れても良い。例えば、野菜室6に、2Lのペットボトルを入れても良い。野菜室6は、扉11によって開閉される。
【0018】扉8〜11のそれぞれに開閉センサが設けられる。例えば、開閉センサ16は、野菜室6の扉11に設けられる。開閉センサ16は、扉11が開いていること或いは閉まっていることを検出する。開閉センサ16が検出した結果は、制御装置15に入力される。制御装置15は、開閉センサ16が検出した結果に基づいて、扉11が開いている時間をカウントする。制御装置15は、扉11が閉まっている時間をカウントしても良い。制御装置15は、上記カウントした時間を制御パラメータとして種々の制御に利用する。例えば、制御装置15は、扉11が第1基準時間以上開いていることを判定すると、操作パネル12の報知部14から報知を行う。例えば、制御装置15は、報知部14として備えられたブザー或いはチャイムを鳴らす。これにより、使用者に注意を促す。
【0019】圧縮機17及び冷却器18は、冷蔵庫1に備えられた冷凍サイクルの一部を構成する。圧縮機17、冷却器18及び送風機19は、制御装置15に電気的に接続される。送風機19が動作すると、冷蔵庫1の内部に気流が発生する。これにより、冷却器18によって冷やされた空気が送風ダクトを通り、各部屋に送られる。各部屋には、冷気を取り込むための吹出口が形成される。部屋に収納された食材等は、吹出口から部屋に取り込まれた冷気によって冷却される。各部屋で食材等を冷却することによって暖められた空気は、吸込口から戻りダクトに入る。戻りダクトを通過した空気は冷却器18に至り、冷却器18を通過することによって再び冷却される。
【0020】#3圧縮機17、冷却器18及び送風機19の各動作は、制御装置15によって制御される。例えば、本体2に形成された各部屋に温度センサ(図示せず)が設けられる。温度センサは、例えば温度検知用のサーミスタからなる。温度センサが検知した温度の情報は、制御装置15に入力される。制御装置15は、例えば温度センサから入力された情報及び操作パネル12から入力された情報に基づいて、圧縮機17、冷却器18及び送風機19の各動作を制御する。また、制御装置15は、風路を開閉するダンパ(図示せず)の動作を制御する。
【0021】制御装置15は、外部機器との間で情報の送受信を行っても良い。例えば、制御装置15は、設定温度を変更するための信号を外部機器から受信する。制御装置15は、庫内の状況を確認するための信号を外部機器から受信しても良い。外部機器には、例えばスマートフォンが含まれる。
【0022】発光装置20は、野菜室6に光を照射する。発光装置20は、例えば野菜室6に設けられる。発光装置20は、野菜室6を形成する壁面のうち、奥側の壁面に設けられる。発光装置20は、制御装置15に電気的に接続される。発光装置20は、制御装置15によって制御される。発光装置20は、例えば、LED21、LED22及びLED23を備える。LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
【0023】LED21は、青色光を放つ。以下においては、青色光のことを「B光」ともいう。例えば、LED21から放たれるB光の波長は430〜500nmである。LED21からのB光は野菜室6に照射される。
【0024】LED22は、緑色光を放つ。以下においては、緑色光のことを「G光」ともいう。例えば、LED22から放たれるG光の波長は500〜550nmである。LED22からのG光は野菜室6に照射される。
【0025】#2LED23は、赤色光を放つ。以下においては、赤色光のことを「R光」ともいう。例えば、LED23から放たれるR光の波長は600〜780nmである。LED23からのR光は野菜室6に照射される。
【0026】LED21、LED22及びLED23は、制御装置15によって個別に制御可能である。LED21、LED22及びLED23の全てが同時に且つ定格で点灯すると、発光装置20からは白色光が放たれる。発光装置20は、LED21、LED22及びLED23を1つのパッケージとして構成しても良い。例えば、発光装置20として3色LEDを採用しても良い。また、LED21、LED22及びLED23のそれぞれを1つのパッケージとして構成しても良い。
【0027】カメラ24は、野菜室6を撮影する。カメラ24は、野菜室6の画像を取得する画像取得装置の一例である。画像取得装置は、カメラ24に限定されない。カメラ24は、例えば野菜室6に設けられる。カメラ24は、野菜室6を形成する壁面のうち、奥側の壁面に設けられる。カメラ24は、制御装置15に電気的に接続される。カメラ24は、制御装置15によって制御される。カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の情報は、制御装置15に入力される。
【0028】次に、野菜と光の関係について説明する。 生物は、概日リズムを持つ。即ち、生物は、昼夜があることを正常な状態として生きているものが多い。植物も例外ではない。野菜は収穫後も生きているため、冷蔵庫1で保存する野菜に対しても、昼夜がある環境を提供することが理に適っている。つまり、収穫される前と同様に、光が照射される時間帯と光が照射されない時間帯とが交互に訪れることが良い。
【0029】#10このような理由から、冷蔵庫1では、発光装置20の点灯と消灯とが一定のリズムで繰り返される。発光装置20が点灯している時間と発光装置20が消灯している時間とは同じであることが好ましい。また、発光装置20が点灯している時間と発光装置20が消灯している時間とは、それぞれが5時間以上であることが好ましい。例えば、発光装置20が点灯している時間として、5〜15時間が好適である。発光装置20が消灯している時間として、5〜15時間が好適である。これは、点灯及び消灯を短いサイクルで繰り返すと、野菜の生合成機能が活性化する前に暗くなってしまうからである。点灯及び消灯のサイクルが短いと、光を照射しないのと同じ結果になってしまう。
【0030】植物にとって光が当たり始めた合図となる波長の光はB光である。B光が植物に当たると、植物は、気孔を開いて生合成に必要な二酸化炭素を空気中から取り込む。したがって、野菜に光を照射する場合は、照射開始時にB光が含まれていることが重要である。G光及びR光は、クロロフィルの活性化と生合成機能による糖及びビタミンC等の合成とを促す。このため、B光を野菜に照射する際に、G光及びR光も野菜に照射することが良い。
【0031】B光の量は、G光の量及びR光の量より少ない方が効果的である。例えば、B光の量は、G光の量及びR光の量の1/4以下で良い。望ましくは、B光の量は、G光の量及びR光の量の1/5〜1/10が良い。光が当たり始めたと植物が認識した後であれば、植物にB光を照射しなくても良い。全体として十分な光量が確保できれば、B光の量を少なくしても良い。この場合、発光装置20から放たれる光は白色にならない。発光装置20から放たれる光はセピア色或いは橙色になる。
◆ この文献の解決アプローチ
概日リズム点滅とB光を少量混ぜるRGB制御
文献: B光の量は、G光の量及びR光の量の1/4以下で良い。望ましくは、B光の量は、G光の量及びR光の量の1/5〜1/10が良い。
補助的な色光を主光に対し小さい比率で混ぜるという考え方がメモと同型だが、混ぜる色は青で、遠赤色ではない。
【0032】野菜室6に保存されている野菜の概日リズムだけを考慮する場合の制御例は以下の通りである。例えば、制御装置15は、発光装置20を点灯させると、点灯が開始されてからの経過時間をカウントする。制御装置15は、点灯が開始されてから一定時間が経過すると、発光装置20を消灯させる。制御装置15は、発光装置20を消灯させると、消灯させてからの経過時間をカウントする。制御装置15は、発光装置20の消灯時間が発光装置20を点灯させていた時間と同じ時間になると、発光装置20を再び点灯させる。制御装置15は、上記制御を繰り返す。
【0033】制御装置15は、カメラ24によって野菜室6を撮影する場合、発光装置20から照射される光を撮影用に調整する。以下に、図3及び図4も参照し、カメラ24による撮影も考慮した場合の制御例について詳しく説明する。図3は、この発明の実施の形態1における冷蔵庫1の動作を示すフローチャートである。図4は、冷蔵庫1が図3に示す動作を行う時のタイミングチャートを示す図である。
【0034】冷蔵庫1の電源が入れられると(S1)、制御装置15は、各部屋を冷却するための運転を開始する。次に、制御装置15は、開始条件が成立したか否かを判定する(S2)。開始条件は、野菜の概日リズムに合わせた制御を開始するための条件である。例えば、使用者が操作パネル12の入力部13に対して特定の操作を行うと、開始条件が成立する。他の条件を開始条件として採用しても良い。制御装置15は、開始条件が成立すると、野菜の概日リズムに合わせた制御を開始する。
【0035】制御装置15には、野菜の概日リズムに合わせた制御として、例えば昼モードと夜モードとを交互に繰り返す制御が予め登録されている。昼モードでは、LED22を流れる電流の値がA 22 になるように制御される。これにより、時刻t 0 から時刻t 4 までの間、LED22からG光が放たれる。時刻t 0 は昼モードが開始される時刻である。時刻t 4 は昼モードが終了する時刻である。なお、図4に示す時刻t 3 、t 4 及びt 7 は、時刻t 0 が決まることによって決まる時刻である。また、昼モードでは、LED23を流れる電流の値がA 32 になるように制御される。これにより、時刻t 0 から時刻t 4 までの間、LED23からR光が放たれる。
【0036】LED21に対しては、昼モードの開始から時刻t 3 になるまで、電流値がA 11 になるように制御される。これにより、時刻t 0 から時刻t 3 までの間、LED21からB光が放たれる。時刻t 3 は、時刻t 4 より早い時刻である。時刻t 3 は、例えば、野菜の気孔が開くまでの時間に基づいて設定される。時刻t 3 は、例えば時刻t 0 の10分後の時刻に設定される。LED21に対しては、時刻t 3 から昼モードが終了するまで、電流値が0になるように制御される。これにより、時刻t 3 から時刻t 4 までの間、LED21は消灯される。昼モードでは、時刻t 0 から時刻t 3 までの間、発光装置20の各LEDから光が照射される。
【0037】一方、夜モードでは、LED21、LED22及びLED23を流れる電流の値が0になるように制御される。即ち、夜モードでは、LED21、LED22及びLED23の全てが消灯される。
【0038】#5制御装置15は、S2で開始条件が成立すると、発光装置20の各LEDを野菜の概日リズムに合わせて制御する。具体的に、制御装置15は、昼モードによるLEDの点灯制御を開始する(S3)。昼モードによる制御が開始されると、野菜室に保存されている野菜に対して、G光及びR光とともにB光が照射される。これにより、野菜の気孔が開き、生合成に必要な二酸化炭素が野菜に取り込まれる。
【0039】制御装置15は、昼モードによる点灯制御を開始すると、昼モードによる制御が開始されてからの経過時間をカウントする(S4)。例えば、制御装置15は、次式に基づいて昼モードによる制御が開始されてからの経過時間を算出する。 time_A=time_A+dt ・・・(1) ここで、 time_A:発光装置20の点灯積算時間[sec] dt :時間幅[sec] である。式1によって算出されたtime_Aは、昼モードによる制御が開始されてからの経過時間に相当する。
【0040】また、制御装置15は、昼モードによる点灯制御を開始すると、野菜室6の画像を取得する要求があるか否かを判定する(S5)。例えば、制御装置15は、野菜室6の扉11が開いた後に閉じると、上記要求があると判定する。制御装置15は、庫内の状況を確認するための信号を外部機器から受信した場合に、上記要求があると判定しても良い。上記要求があると制御装置15が判定する条件は、上記例に限定されない。本実施の形態では、扉11が開いた後に時刻t 1 で扉11が閉じた例を示す。制御装置15は、時刻t 1 で野菜室6の画像を取得する要求があると判定する。
【0041】制御装置15は、S5で野菜室6の画像を取得する要求があると判定すると、野菜の概日リズムに合わせた制御を一旦中断し、撮影モードによる制御を開始する(S6)。昼モードによる制御が行われている時の発光装置20の点灯状態は、カメラ24によって野菜室6を撮影するのに適した状態とはいえない。制御装置15は、S5で野菜室6の画像を取得する要求があると判定すると、発光装置20の点灯状態がカメラ24による撮影に適した状態になるように制御する。
【0042】撮影モードでは、LED22を流れる電流の値がA 21 になるように制御される。電流値A 21 は、電流値A 22 より小さい値である。昼モードから撮影モードに移行する際、LED22を流れる電流の値は小さくなる。即ち、LED22から照射されるG光は弱くなる。同様に、撮影モードでは、LED23を流れる電流の値がA 31 になるように制御される。電流値A 31 は、電流値A 32 より小さい値である。昼モードから撮影モードに移行する際、LED23を流れる電流の値は小さくなる。即ち、LED23から照射されるR光は弱くなる。
【0043】撮影モードでは、LED21を流れる電流の値がA 12 になるように制御される。図4は、時刻t 0 から時刻t 3 までの間にカメラ24による撮影が行われる例を示す。時刻t 0 から時刻t 1 までの間、LED21を流れる電流の値はA 11 である。電流値A 12 は、電流値A 11 より大きい値である。このため、時刻t 0 から時刻t 3 までの間で昼モードから撮影モードに移行すると、LED21を流れる電流の値は大きくなる。即ち、LED21から照射されるB光は強くなる。制御装置15は、カメラ24によって野菜室6を撮影する場合は、白色光が野菜室6に照射されるように発光装置20の各LEDを制御する。
【0044】#9昼モードによる制御では、野菜室6に照射されるG光及びR光はより強い方が好ましい。このため、本実施の形態に示す例では、カメラ24による撮影を行う際に、G光及びR光が弱くなるように電流値を調整している。また、上述したように、B光の量はG光の量及びR光の量の1/5〜1/10が好ましい。このため、本実施の形態に示す例では、B光が照射されている時にカメラ24による撮影を行う場合は、B光が強くなるように電流値を調整している。なお、昼モードでは、時刻t 3 から時刻t 4 までの間、LED21からB光は照射されない。この時にカメラ24による撮影を行う場合は、LED21を流れる電流の値が0からA 12 に上げられる。
【0045】制御装置15は、発光装置20の各LEDを流れる電流値を撮影用の値に調整した後、カメラ24によって野菜室6を撮影する。カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の情報は、制御装置15に入力される。制御装置15は、報知部14として備えられたディスプレイに、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像を表示させても良い。制御装置15は、外部機器に、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の情報を転送しても良い。制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の情報を保存し、使用者が後で画像を確認できるようにしても良い。制御装置15は、カメラ24による撮影が終了すると、撮影モードによる制御を終了し、野菜の概日リズムに合わせた制御を再開する。
【0046】また、制御装置15は、昼モードによる点灯制御を開始すると、昼モードによる制御が開始されてからの経過時間が予め設定された第2基準時間を超えたか否かを判定する(S7)。例えば、制御装置15は、次式が成立するか否かに基づいてS7の判定を行う。 time_A>time_A_Max ・・・(2) ここで、 time_A_Max:発光装置20の点灯上限時間[sec] である。time_A_Maxは、上記第2基準時間に相当する。
【0047】制御装置15は、昼モードによる制御が開始されてからの経過時間が第2基準時間を超えたことを判定するまで、S3からS6に示す一連の処理を行う。制御装置15は、昼モードによる制御が開始されてからの経過時間が第2基準時間を超えたことを判定すると、昼モードによる制御を終了して夜モードによる制御を開始する(S8)。
【0048】夜モードでは、LED21、LED22及びLED23の全てが消灯される。即ち、制御装置15は、昼モードから夜モードに移行する際に、LED21に流れる電流値を0のままにする。同様に、制御装置15は、LED22に流れる電流値をA 22 から0にする。制御装置15は、LED23に流れる電流値をA 32 から0にする。
【0049】制御装置15は、夜モードによる制御を開始すると、夜モードによる制御が開始されてからの経過時間をカウントする(S9)。例えば、制御装置15は、次式に基づいて夜モードによる制御が開始されてからの経過時間を算出する。 time_B=time_B+dt ・・・(3) ここで、 time_B:発光装置20の消灯積算時間[sec] dt :時間幅[sec] である。式3によって算出されたtime_Bは、夜モードによる制御が開始されてからの経過時間に相当する。
【0050】#7また、制御装置15は、夜モードによる制御を開始すると、野菜室6の画像を取得する要求があるか否かを判定する(S10)。制御装置15は、S10で野菜室6の画像を取得する要求があると判定すると、野菜の概日リズムに合わせた制御を一旦中断し、撮影モードによる制御を開始する(S11)。
【0051】夜モードでは、LED21、LED22及びLED23の全てが消灯されている。制御装置15は、S10で野菜室6の画像を取得する要求があると判定すると、発光装置20の各LEDの電流値を撮影用の値に調整する。即ち、制御装置15は、LED21を流れる電流の値がA 12 になるように制御する。制御装置15は、LED22を流れる電流の値がA 21 になるように制御する。制御装置15は、LED23を流れる電流の値がA 31 になるように制御する。これにより、発光装置20から野菜室6に白色光が照射される。
【0052】制御装置15は、発光装置20の各LEDを流れる電流値を撮影用の値に調整した後、カメラ24によって野菜室6を撮影する。制御装置15は、カメラ24による撮影が終了すると、撮影モードによる制御を終了し、野菜の概日リズムに合わせた制御を再開する。
【0053】なお、撮影モードによる制御が開始されると、野菜室6の野菜にB光が照射される。上述したように、B光は、植物にとって光が当たり始めた合図となる光である。野菜室6の野菜にB光が長時間照射されると、野菜の概日リズムが狂ってしまう可能性がある。このため、夜モードを一旦中断してカメラ24による撮影を行う場合は、野菜にB光が照射される時間が第3基準時間以下になるようにする。第3基準時間は、例えば、野菜の気孔が開くまでの時間に基づいて設定される。第3基準時間は、例えば10分に設定される。
【0054】#6また、制御装置15は、夜モードによる制御を開始すると、夜モードによる制御が開始されてからの経過時間が予め設定された第4基準時間を超えたか否かを判定する(S12)。例えば、制御装置15は、次式が成立するか否かに基づいてS12の判定を行う。 time_B>time_B_Max ・・・(4) ここで、 time_B_Max:発光装置20の消灯上限時間[sec] である。time_B_Maxは、上記第4基準時間に相当する。
【0055】制御装置15は、夜モードによる制御が開始されてからの経過時間が第4基準時間を超えたことを判定するまで、S8からS11に示す一連の処理を行う。制御装置15は、夜モードによる制御が開始されてからの経過時間が第4基準時間を超えたことを判定すると、夜モードによる制御を終了して昼モードによる制御を再開する。
【0056】上記構成を有する冷蔵庫1であれば、野菜室6に入れられた野菜に光を照射するためのLEDを利用して、野菜室6のきれいな画像を取得することができる。即ち、制御装置15は、発光装置20の各LEDを野菜の概日リズムに合わせて制御する。このため、野菜の劣化を遅らせることができる。また、制御装置15は、カメラ24による撮影を行う場合は、白色光が野菜室6に照射されるように発光装置20の各LEDを制御する。このため、野菜室6のきれいな画像を取得することができる。
【0057】#1本実施の形態で開示した制御内容は一例である。野菜室6に保存する野菜の種類に合わせて、昼モードの制御内容を変えても良い。例えば、果菜類、根菜類及び紫キャベツといった野菜は、気孔がない或いは気孔が少ない。このような野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、カメラ24による撮影時以外はB光を野菜室6に照射しなくても良い。ほうれん草及び小松菜といった薄い葉物野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、葉の表面での吸収率が高いR光の量を多くしても良い。キャベツ及び白菜といった結球している野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、G光の量を多くしても良い。これにより、野菜の内部まで光を到達させることができる。野菜室6に入れられている野菜に応じて昼モードの制御内容を変えることにより、野菜の劣化を更に抑制できる。また、不要なLEDを点灯させなければ、消費電力を抑制できる。
【0058】本実施の形態では、LED21、LED22及びLED23がそれぞれ異なる波長帯の光(単色光)を照射する例について説明した。LED21、LED22及びLED23が照射する光の例は、上記例に限定されない。なお、LED21が第1波長帯の光を照射し、LED22が第2波長帯の光を照射する場合、第1波長帯の一部と第2波長帯の一部が同じでも、第1波長帯の全部と第2波長帯の全部が同じでなければ、第1波長帯と第2波長帯は異なる波長帯である。
【0059】上述したように、G光及びR光は、クロロフィルの活性化と生合成機能による糖及びビタミンC等の合成とを促す。B光は、アントシアニン系の栄養素を増量させる効果もある。また、紫外線は、ポリフェノールを増量させる効果がある。目的に応じて追加するLEDを選択しても良い。
【0060】#4また、LED21として、青色LEDチップ及び黄色蛍光体を備えたLEDを用いても良い。かかる場合、LED21からは白色光が照射される。このようなLED21を採用した場合、制御装置15は、カメラ24によって野菜室6を撮影する際に、LED21のみを点灯させ、他のLEDを消灯させる。カメラ24による撮影時にLED21のみを点灯させるため、消費電力を抑制できる。また、野菜に照射するB光が不足することもない。
【0061】制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像を補正する機能を備えても良い。例えば、夜モードでは、発光装置20の全てのLEDが消灯されている。このため、夜モードから撮影モードに移行する場合は、本実施の形態で開示した内容と同様の内容でカメラ24による撮影を行う。即ち、発光装置20から白色光を照射し、カメラ24による撮影を行う。
【0062】一方、昼モードでは発光装置20が点灯している。しかし、発光装置20から照射される光は白色光ではない。かかる場合、制御装置15は、発光装置20の点灯状態を変えずにカメラ24による撮影を行う。制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像を補正機能によって色補正する。即ち、制御装置15は、カメラ24による撮影時に白色光が野菜室6に照射されるように各LEDを制御していれば、補正機能による色補正を行わない。白色光が野菜室6に照射されていない状態でカメラ24による撮影が行われると、制御装置15は補正機能による色補正を実施する。
【0063】補正機能を備えた制御装置15を本実施の形態に示す具体例に適用した場合、夜モードから撮影モードに移行したのであれば色補正は行われない。昼モードから撮影モードに移行した場合に色補正は行われる。このような構成であれば、撮影時にG光及びR光が弱くなることを防止できる。また、波長が短い青色光は、LEDに用いられている樹脂の劣化に寄与する。補正機能を用いることにより、撮影時にLED21に流れる電流を低く抑えることができる。これにより、LED21の寿命を延ばすことができる。
【0064】本実施の形態では、発光装置20が3つのLEDを備える例について説明した。これは一例である。発光装置20に備えられるLEDは2つでも良い。発光装置20は、4つ以上のLEDを備えても良い。
【0065】制御装置15は、ハードウェア資源として、例えば入出力インターフェース25とプロセッサ26とメモリ27とを含む処理回路を備える。制御装置15は、メモリ27に記憶されたプログラムをプロセッサ26によって実行することにより、上述した各機能を実現する。制御装置15が有する各機能の一部又は全部をハードウェアによって実現しても良い。
【0066】1 冷蔵庫、 2 本体、 3 冷蔵室、 4 切替室、 5 冷凍室、 6 野菜室、 7 チルド室、 8〜11 扉、 12 操作パネル、 13 入力部、 14 報知部、 15 制御装置、 16 開閉センサ、 17 圧縮機、 18 冷却器、 19 送風機、 20 発光装置、 21〜23 LED、 24 カメラ、 25 入出力インターフェース、 26 プロセッサ、 27 メモリ
ヒントあり光照射装置および光照射装置を具備した貯蔵装置
特開2008-071509 / 出願人: 松下電器産業株式会社 / 発明者: 森 貴代志、柿田 健一、小嶋 淑子、豆本 壽章、金津 成登 / 出願日: 2006-09-12 / 公開日: 2008-03-27 / 検索18位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 光源+フィルタで青赤の面積比を設定 一つのUV/白色LEDと波長変換フィルタ(透明・青・赤)の面積比や透過率で各波長の光強度割合を調整し、青と赤を同時に当ててビタミンCと新鮮味のバランスを取る。
▸ 示唆: 複数波長を同時に当て、その強度割合に最適値があるという知見はメモの比率設定の裏付けに使えるが、対象は青と赤で遠赤色ではない。
AIが精読したのは全91段落のうち検索が当てた10チャンク(66段落・73%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#5本発明は、様々な波長の光を、例えば食品に照射することにより、前記食品の保存性を高める光照射装置およびそれを具備した冷蔵庫等の貯蔵装置に関するものである。
【0002】近年では、様々な波長を持つ光の照射によって、殺菌や食品の保存性向上を図っている。例えば、紫外領域を含む波長は殺菌効果を有し、収納室内の壁面に付着している微生物の増殖機能を不活性化することで、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせる効果がある。
【0003】また、650nm近辺の光波長は、葉緑素を持つ野菜を保存している場合、葉の表面にある色素を用いて光合成を行う際に植物が使う色素の吸収スペクトルを持つため、クロロフィルの増量等の効果が得られることが知られている。
【0004】しかし、野菜の種類によって最も適した光の波長は異なり、1種類の光源だけでは様々な野菜類に最適な波長を照射することはできない。
【0005】この課題を解決する為に、赤・青・緑の3色のLEDを設け、これらの発光色や光強度の組合せを変更することで、野菜の種類に応じて照射する波長を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】図8は、上記特許文献1に記載された野菜保存用照射装置を示すものである。
【0007】図8に示すように、冷蔵庫101には、収納室102が備え付けられている。この収納室102は、引出し状に構成され、食品の出し入れを可能にしている。
【0008】収納室102の上方には、照射板103が設置されている。この照射板103は、3つのエリア104a、104b、104cに区分されている。
【0009】また、収納室102は、仕切り板105によって3つのエリア102a、102b、102cに区画されており、これらのエリア102a、102b、102cを、照射板3のエリア104a、104b、104cに対応させている。
【0010】#6照射板103には、赤・青・緑の3種類のLEDが交互に複数配置されている。このそれぞれのLEDの発光・非発光、または光強度の調整により、様々な波長の光を照射する。 特開2005−65622号公報
【0011】しかしながら、従来の特許文献1に記載の野菜保存用照射装置は、複数種の波長のLEDを用いて様々な波長の光を供給することができる反面、それぞれのLEDの発光強度を調整する機能が必要である。このような制御装置は一般的に非常に複雑なものとなり実用性に欠ける。
【0012】また、食品の入れ替え毎に光の波長の変更が必要で、使用者には食品の保存性と光の波長の関係についての特別な知識が求められ、使い勝手の良いものではない。しかも、数多くの食品において、前記光の波長による栄養素の増加については、未だ原理を解明されていないものも含めて非常に多数あり、一種一様である。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決するもので、より簡潔な構成として簡単に操作でき、特別な知識を必要とせず、食品等の保存性を高める効果を持つ多種多様の波長の光が照射できる光照射装置を提供することを目的とする。
【0014】上記従来の課題を解決するために、本発明の光照射装置は、一つの光源を複数種のフィルタを通すことで、それぞれのフィルタに応じた複数の波長の光を照射することを可能とするものである。
【0015】したがって、照射対象物が食品の場合は、食品の保存性を向上する波長の光を収納室内に照射することで、複雑な設定をせずとも多くの食品に対応することができる。
【0016】したがって、本発明によれば、ひとつの光源、および簡易な構成で、対象物に多種多様の光を照射することができ、その対象物が食品であれば、食品の保存性を高める効果を持つ波長の光を照射することができる。
【0017】さらには、光の照射対象物を動植物とすることにより、動植物の活動代謝を助長、活性化することができる。
【0018】請求項1に記載の発明は、光源と、前記光源から放出された光の波長を変化させる複数のフィルタを備え、前記光源から放出された光を、前記フィルタを透過して複数の波長で対象物に照射するものである。
【0019】かかる構成とすることにより、ひとつの光源により、複数の波長の光が生成できるため、紫外光による殺菌効果の他に、400から800nmの波長による野菜の光合成効果等、複数の観点からの保存性の向上あるいは活動のための代謝向上等の効果を得ることができる。
【0020】つまり、様々な食品の栄養素の増加を促進する様々な波長の光を照射することで、複雑な設定をせずとも多種多様の食品の保存性向上あるいは、動植物の活動代謝の助長、向上に対応できる。
【0021】請求項2に記載の発明は、前記光源と前記各フィルタに、相対的に移動関係をもたらす移動手段を設けたものである。
【0022】かかる構成とすることにより、前記各フィルタに光源の光を順次照射することができ、その結果、対象物に照射する光の波長を経時的に変化させ、様々な波長の光を供給することができる。
【0023】請求項3に記載の発明は、前記各フィルタによる光の照射量を制御する制御手段を設けたもので、対象物に適応した光照射が可能となるものである。
【0024】請求項4に記載の発明は、前記制御手段を、比率が異なる前記各フィルタの面積としたもので、かかる構成によれば、移動手段を一様の移動速度で運転することにより、異なる波長の光の照射量が所定の比率で得られるため、移動手段の制御を簡潔なものとすることができる。
【0025】請求項5に記載の発明は、前記制御手段を、前記移動手段による移動速度としたもので、かかる構成によれば、前記各フィルタの面積を対象物に応じて設定する必要が無く、所定の光を得る波長のフィルタを照射するときに移動速度を制御すればよいため、フィルタの構成が簡略化でき、また様々な対象物に対応できるため、汎用性が増すものである。
【0026】請求項6に記載の発明は、前記制御手段を、前記光源による照射時間としたもので、かかる構成によれば、フィルタ面積あるいは、前記フィルタ移動速度が一定または間欠動作であっても、光源の照射時間を制御することによって対象物に応じた波長の光をその対象物に適した量で照射することができる。
【0027】請求項7に記載の発明は、前記光源による光を、280から400nmの範囲の波長を有する紫外光としたものである。
【0028】かかる構成とすることにより、様々な波長の光に変換する蛍光材料を前記フィルタに適用することで、紫外光に限らず多種多様の波長の光を照射することができる。
【0029】請求項8に記載の発明は、前記光源による光を、複数の光の波長成分によって生成された白色光としたものである。
【0030】かかる構成とすることにより、前記白色光内に含まれる波長のうち、必要な波長だけを前記フィルタを通すことにより、白色以外にも、多種、多様な波長の光を照射することができる。
【0031】請求項9に記載の発明は、前記各フィルタに、通過光を拡散させる拡散性をもたせたもので、所定の領域に満遍なく光を照射することができる。したがって、照射斑による弊害を改善することができる。
【0032】請求項10に記載の発明は、前記各フィルタに、通過光を直進させる直進性をもたせたもので、広域にわたって照射する光の波長の種類を区画することができ、局部的に特定波長の光を照射するときに有用である。
【0033】#10請求項11に記載の発明は、前記光源、および前記フィルタによって生成された光によって照明を行うもので、照明専用の光源、あるいは補助照明として利用でき、用途展開が可能となる。
【0034】請求項12に記載の発明は、上記光照射装置を具備した貯蔵装置とするもので、貯蔵装置の殺菌、あるいは貯蔵物の活動代謝の活性化、さらには品質維持等に適用でき、貯蔵装置の付加価値を高めることができるものである。
【0035】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0036】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における光照射装置を具備した冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0037】図1において、冷蔵庫本体1は、ABS等の樹脂体を真空成型した内箱と、プリコート鋼板等の金属材料を用いた外箱とで構成された空間に、発泡断熱体を注入してなる断熱壁を備えた筐体構造である。
【0038】冷蔵庫本体1は、内部が複数の断熱区画に区分されており、各断熱区画空間を収納室としている。各収納室は、上から冷蔵室2、切替え室3、野菜室4、そして最下部の冷凍室5とされ、冷蔵室2は、回転式扉2aによって開閉され、切替え室3、野菜室4、冷凍室5は、引出し式の扉3a、4a、5aによって開閉される構成となっている。
【0039】冷蔵室2は、冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃の範囲で設定されているが、収納物によって、ユーザーが自由に温度設定を切り替えることができる構成である。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定とする場合もある。
【0040】#3また、冷蔵室2内に設けた貯蔵ケース6は、肉魚や肉魚類加工食品、乳製品等の保鮮性向上のために、比較的低めの温度、例えば−3〜1℃の範囲で設定される。
【0041】切替え室3は、ユーザーの設定により温度設定が変更できる構成であり、冷凍室温度帯から微凍結温度帯であるパーシャルフリージング、冷蔵温度帯まで所定の温度範囲に設定にすることができる。
【0042】野菜室4は、冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃の範囲とすることが多い。この野菜室4において、低温高湿にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能となる。
【0043】冷凍室5は、冷凍保存のために通常−22〜−18℃の範囲で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
【0044】本実施の形態1では、冷蔵室2、切替え室3、および野菜室4の天面にそれぞれ、照射装置7a、7b、7cを設けている。この照射装置7a、7b、7cの光源は、280から400nmの範囲の波長を有する紫外LED、または複数色のLED、または蛍光体の組合せによって構成された白色LEDであり、この照射方向に光の波長を変えるフィルタが複数設けられている。
【0045】次に、図2により照射装置7a、7b、7cの構成について説明する。ここでは、以降の説明の便宜上、冷蔵室2、切替え室3、野菜室4を総称して収納室11とし、説明を進める。
【0046】図2は、本発明の実施の形態1における照射装置を設けた収納室の側面概要図である。
【0047】図2において、収納室11の天面には、適宜手段にて取付けられた紫外LED光源12が設けられている。紫外LED光源12はひとつの紫外LEDでも構成しているが、さらなる光量が必要であれば複数の紫外LEDで構成してもよい。
【0048】#4紫外LED光源12の照射方向には、紫外光をそのまま透過する透明フィルタ13と、前記紫外光が照射されることで450nm近辺の青色波長を励起する蛍光材料を用いた青色フィルタ14、および前記紫外光が照射されることで650nm近辺の赤色波長を励起する蛍光材料を用いた赤色フィルタ15が図2のように交互に配置されている。このように3種類のフィルタ13、14、15を配置することで、収納室11内に3種類の波長の光を照射することができる。
【0049】前記照射される3種類の波長光は、それぞれ直進性を有しているため、各光を区画して照射することができる。
【0050】さらに、各フィルタ13、14、15に偏光機能を付随し、収納室11への光の拡散性を高めることで、収納室11内を満遍なく照射することが可能となる。
【0051】ここで、それぞれの波長の光が食品にもたらす効果を例に挙げて説明する。
【0052】まず、紫外領域の波長は、収納室11内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化する。その結果、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となり、収納室11内部の衛生性を保つ効果が得られる。
【0053】また、きのこ類や魚類には、骨や歯の成長に欠かせないビタミンとしてよく知られているビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらを保存する場合には紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を収納室11内に照射することで、収納室11内の特定の食品、例えばしらす干しであれば、保存前と比較してビタミンDの含有量を高めることができる。
【0054】#1また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青紫蘇、ブロッコリ、なす、紫芋等に多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、5℃から10℃程度の比較的低温下で290nmから320nmの範囲にある波長の紫外光を照射することで生成が促進される。なお、アントシアニンは、ポリフェノールの一種であり、目に良いという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用等の効果が検証されており、非常に体に良いとされている物質で、かかる波長の紫外光を照射することにより、保存中に栄養価を高めることが可能となる。
【0055】例えば、収納室11を、野菜の保存に適した温度に設定し、葉緑素を持つ野菜を保存している場合、紫外光とともに可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有する光を同時に照射することで、太陽光線に類似した光を照射することが可能となる。
【0056】前記400nmから800nmの範囲の波長は、植物が葉の表面にある色素を用いて光合成を行う際に使う色素の吸収スペクトルで、クロロフィルの増量等の効果が得られる。特に葉緑素を持つ野菜は、450nm付近の青色波長と、650nm付近の赤色波長を同時に照射すると効果が高い。
【0057】また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青紫蘇、ブロッコリ、なす、紫芋等に多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、収納室11内の温度を、野菜の保存に適した温度に設定し、紫外光とともに、赤色光である650nm付近の波長の光を照射することで最も生成が促進される。
【0058】また、特に、450nm付近の青色の波長を有するLEDを照射することで、カビの増殖を抑制することが可能であり、収納室11をより清潔に保つことができ、保存性が向上する。
【0059】以上のように、様々な光の波長によって収納室11内の食品に保存性を高める様々な効果を与えることができる。
【0060】#7本実施の形態1では、3種類(3色)のフィルタ13、14、15により、3波長の光を照射しているが、食品に効果を与える波長の光であれば、この3種類に限らず他の波長の光でも良く、またさらに数多くの波長の光をつくるフィルタを設けても良い。
【0061】また、紫外LED光源の代わりに、複数の光の波長成分によって生成された白色LED光源を用いても良い。この場合は、フィルタ13、14、15を白色LED光源の照射光から特定の波長を通過する材料で構成することにより、白色LED光源から様々な波長の光を取り出すことができる。
【0062】図3および図4は本発明の実施の形態1におけるフィルタの配置構成の一例を示す上面図である。
【0063】図3、図4に示すようにフィルタ13、14、15の配置は任意であり、収納室11内を全ての波長の光が照射できるように工夫を行っている。
【0064】図3に示す構成は、帯状のフィルタ13、14、15の3種類を並設して1ブロックとし、このブロックを2個並設した構成である。
【0065】図4に示す構成は、矩形状のフィルタ13、14、15の3種類を所定のパターンで格子状に配置したものである。
【0066】上記図3、図4の構成は、いずれも収納室11内に広範囲に亘って所定の波長成分を照射することができる。また、必要に応じて光拡散型のレンズあるいはカバー(いずれも図示せず)を用いてフィルタ13、14、15の波長成分をさらに広範囲に照射できるようにしてもよい。
【0067】さらに、図3に示すように各フィルタ13、14、15のそれぞれの面積を異なる大きさとし、対象とする食品に特に大きく作用する波長成分を主体に照射する構成とすることもできる。
【0068】#9例えば、光の照射によって葉緑素を持つ野菜のビタミンCの増加を図る際に、青色波長400〜500nmと赤色波長600〜700nmを同時に照射する。この場合、青色波長の光強度の割合が80%程度で最もビタミンCの含有量が多くなり、逆に赤色波長の光強度の割合が15%程度のときに最も新鮮味が増す。
【0069】上記青色波長、赤色波長の特性から、ビタミンCの含有量と新鮮味のバランスを考慮する場合、青色波長の光強度の割合(面積割合)は、37〜70%が最適と考えられる。この最適な割合を実現するために、フィルタ13、14、15の面積比を調節すればよい。
【0070】上記の如く対象物に応じた特定の波長を制御する手段として、各フィルタ13、14、15の光の透過率をそれぞれ変化させ、結果として光照射の割合を調節しても良い。
【0071】また、照射装置7a、7b、7cを照明として使用することで、例えば冷蔵室2あるいは野菜室4等の収納室に専用の庫内灯を設ける必要が無くなり、コストダウンをはかることができる。
【0072】以上のように、本実施の形態1の光照射装置は、ひとつの紫外LED光源12とこの光源12の波長を変換するフィルタ13、14、15によって、簡易な構成で、多くの食品に適応できる様々な波長の光を得ることができ、食品の特性、栄養素等を引出す光照射を行うことができるものである。
【0073】なお、必要に応じて、光源をそれぞれのフィルタに対応して設けることもできる。かかる構成とすれば、各光源の独立した制御で、さらに異なる光照射が得られる。
【0074】(実施の形態2) 図5は、本発明の実施の形態2における照射装置の側面図である。図6は、本発明の実施の形態2における照射装置の上面図である。
◆ この文献の解決アプローチ
光源+フィルタで青赤の面積比を設定
文献: 青色波長の光強度の割合が80%程度で最もビタミンCの含有量が多くなり、逆に赤色波長の光強度の割合が15%程度のときに最も新鮮味が増す。
複数波長を同時に当て、その強度割合に最適値があるという知見はメモの比率設定の裏付けに使えるが、対象は青と赤で遠赤色ではない。
【0075】図5、図6において、収納室21の上面には、紫外LED光源22と、この紫外LED光源22の照射側と収納室21の間に位置する円板状あるいは多角形板状のフィルタ23が設けられている。フィルタ23の中心には、軸24が設けられており、この軸24はパルスモータ(以下、単にモータと称す)25の回転軸を構成している。モータ25は、紫外LED光源22とフィルタ23との間において、相対的に移動関係をもたらす移動手段である。したがって、フィルタ23は、モータ25によって回転する。モータ25および紫外LED光源22は、制御装置30によってその回転(連続回転、間欠回転)あるいは光照射のための通電が制御される。
【0076】フィルタ23は、図6に示す如く、紫外LED光源22の紫外光をそのまま透過する透明フィルタ、および紫外光が照射されることで450nm近辺の青色波長を励起する蛍光材料を用いた青色フィルタ27、および紫外光が照射されることで650nm近辺の赤色波長を励起する蛍光材料を用いた赤色フィルタ28を具備し、各フィルタ26、27、28は軸24を中心に放射状に広がる形状であり、その面積は所定の割合に設定され、3種類が連続しないように配置されている。
【0077】本実施の形態2においては、前述の3種類のフィルタ26、27、28を1ブロックとして2ブロックが図6に示す如く配置されている。
【0078】フィルタ26、27、28は全て拡散性を持ち、収納室21内を満遍なく照射することができるように構成されている。
【0079】次に、本発明の実施の形態2における照射装置の動作について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2におけるフィルタの回転に伴い変化する照射波長の状態を示す特性図である。
【0080】紫外LED光源22が点灯すると、モータ25が動作し、このモータ25に軸24を介して連結されたフィルタ23が回転する。したがって、フィルタ23を構成する透明フィルタ26、および青色フィルタ27、および赤色フィルタ28は、フィルタ23が1回転するとその全てが紫外LED22の照射側を通過する。
【0081】例えば、各色のフィルタ26、17、28の通過順が、赤色フィルタ28、青色フィルタ27、透明フィルタ26a、赤色フィルタ28b、青色フィルタ27b、透明フィルタ26bの順に紫外LED22の照射側を通過するように配置すると、図7に示すように、照射される光の波長は経時的に変化する。また、本実施の形態2では一つ当りの赤色フィルタ26の面積を、他のフィルタ27、28の一つ当り面積の2倍としているので、モータ25の回転速度が一定の場合、赤色波長の照射時間も他の照射時間の2倍となる。この照射時間の設定は、透明、青色についても同様に設定できる。
【0082】かかる照射時間の設定は、前述の如く各フィルタ26、27、28の各面積を一定にして、モータ25の回転を制御し、該当する波長のフィルタ照射時は、その回転速度を遅くあるいは停止する等し、停止時間の長さを制御して紫外LED22による照射時間を制御する構成としても同様の効果が期待できるものである。
【0083】それぞれの波長の光が食品にもたらす効果については、先の実施の形態1で説明した通りである。
【0084】さらに加えれば、紫外光の波長、及び青色波長には、ある間隔で点滅照射することで殺菌効果を増加させることも知られている。本実施の形態2では、経時的に照射される波長が変化するため、点滅照射と同様の効果が得られることも考えられる。また、フィルタ26、27、28の一部に如何なる波長も通さない遮光板を挿入することで、意図的に点滅効果を作り出すこともできる。
【0085】#2本実施の形態2ではフィルタ26、27、28の3種類により、3波長の光を照射しているが、食品に効果を与える波長の光であれば、この3種に限らず他の波長の光でも良く、またさらに数多くの波長の光をつくるフィルタを設けても良い。
【0086】また、紫外LED光源22の代わりに、複数の光の波長成分によって生成された白色LED光源を用いても良い。この場合は、各フィルタ26、27、28を白色LED光源の照射光から特定の波長を通過する材料で構成することにより、白色LED光源からは様々な波長の光を取り出すことができる。
【0087】また、図1に示す照射装置7a、7b、7cを照明として使用することで、専用の庫内灯を設ける必要が無くなり、コストダウンにも繋がる。特に、本実施の形態2では、経時的に照射色が変化するため、イルミネーションの効果も有り、冷蔵庫の訴求性を高めることができる。
【0088】以上のように、本実施の形態2の光照射装置では、ひとつの光源とこの光源の波長を変換するフィルタを回転動作することによって、簡易な構成で、多種、多様の食品に適応した様々な波長の光を経時的に変化させながら照射することができる。
【0089】#8以上の様に、本発明にかかる光照射装置は、波長が長く比較的安全な紫外A領域および紫外B領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つ紫外LED、あるいは複数の光の波長成分によって生成された白色LEDを光源とし、この光源から照射された光の波長を400nm以上の様々な可視領域の波長へと変化させるもので、動植物の活動代謝の助長、活性化、あるいは収納室内の抗菌性を高め、さらには、食品を対象とする場合は、しらす干等の如くビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDを増大させる等の機能性を高め、収納室の保存性能を向上させることができるものである。よって、保存性能を高めることを目的とする機器において適用することができ、例えばショーケースやクーラーボックス、業務用冷蔵庫等の保存性の向上に対して利用することができることに加え、動植物の育成環境の改善等に広く適用できるものである。
【0090】本発明の実施の形態1における光照射装置を具備した冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態1における照射装置を設けた収納室の側面概要図 本発明の実施の形態1におけるフィルタ配置一例を示す上面図 本発明の実施の形態1におけるフィルタ配置一例を示す上面図 本発明の実施の形態2における照射装置の側面図 本発明の実施の形態2における照射装置の上面図 本発明の実施の形態2におけるフィルタの回転に伴い変化する照射波長の状態を示す特性図 従来例を示す冷蔵庫の野菜保存用照射装置の取付け状態を示す斜視図
【0091】1 冷蔵庫本体 2 冷蔵室 3 切替え室 4 野菜室 5 冷凍室 6 収納ケース 7a 照射装置 7b 照射装置 7c 照射装置 11 収納室 12 紫外LED光源 13 透明フィルタ 14 青色フィルタ 15 赤色フィルタ 21 収納室 22 紫外LED光源 23 フィルタ 24 軸 25 モータ 26 透明フィルタ 27 青色フィルタ 28 赤色フィルタ 30 制御装置
ヒントあり食品保持部を備えた装置
特開2018-186045 / 出願人: シャープ株式会社 / 発明者: 芦江 美沙音、白市 幸茂 / 出願日: 2017-04-27 / 公開日: 2018-11-22 / 検索25位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 庫内灯と有色LEDの照度バランス制御 白色の庫内灯とは別の有色LED(クロスモダリティLED)を設け、時間経過に応じて両者の照度バランスを変え、野菜が新鮮・おいしく見えるようにする。目的は知覚上の鮮度であり、実際の品質低下の抑制ではない。
▸ 示唆: 白色の庫内灯に別光源を重ねて照度比を設計する発想は転用できるが、効果は見た目の鮮度感で、保存中の劣化抑制ではない。
AIが精読したのは全159段落のうち検索が当てた10チャンク(36段落・23%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本発明は、食品を保持する食品保持部を備えた装置に関するもので、業務用あるいは家庭用の冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、電子レンジなどのキッチン用電化製品や食品陳列用のショーケースなどを含む。
【0002】冷蔵庫内部の視認性を高める技術として、特許文献1〜2に記載の技術がある。
【0003】特許文献1には、複数色発光ダイオードを備え、時間帯に応じて照明色を調節することができる冷蔵庫が開示されている。これにより、冷蔵庫内部の収納物を見やすくする、または、照明色をインテリアとマッチさせることができる。
【0004】特許文献2には、引き出し式の収容容器の上側の仕切りに照明装置を配置した冷蔵庫が開示されている。これにより、引き出し式の収容容器の内部の視認性を高めることができる。
【0005】特開2007−017068号公報 特開2012−037074号公報
【0006】しかしながら、上述のような従来技術では、単に冷蔵庫内の視認性を高めるだけで、クロスモダリティ効果を発現させることはできない。すなわち、上述のような従来技術では、食品または冷蔵庫から受ける本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えることはできない。
【0007】例えば、食品に関するクロスモダリティ効果を利用することにより、食欲を制御することが考えられる。また、例えば、冷蔵庫に関するクロスモダリティ効果を利用することにより、家事負担を軽減することが考えられる。
【0008】本発明の一態様は、クロスモダリティ効果を発現させて、食品保持部に保持されている食品または当該装置から受ける本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えることができる食品保持部を備えた装置を実現することを目的とする。
【0009】上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る食品保持部を備えた装置は、本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えるように、発光色を変化させることができるクロスモダリティ光源を備えることを特徴とする。
【0010】本発明の一態様によれば、クロスモダリティ効果を発現させて、食品保持部に保持されている食品または当該装置から受ける本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えることができる食品保持部を備えた装置を提供できるといった効果を奏する。
【0011】クロスモダリティ効果を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る食品保存機の全体構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る食品保存庫の発光制御部を含む要部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る食品保存機における発光特性の一例を示す図である。 第1実施形態〜第4実施形態に係る食品保存機および比較例1〜4の効果を調査した結果を示す図である。 比較例1の食品保存機における発光特性を示す図である。 第1実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、発光部および庫内灯の配置位置を示す概略図である。 第2実施形態に係る食品保存機における発光特性の一例を示す図である。 比較例2の食品保存機における発光特性を示す図である。 第2実施形態に係る食品保存機における発光特性の別の一例を示す図である。 比較例3の食品保存機における発光特性を示す図である。 第3実施形態に係る食品保存機における発光特性の一例を示す図である。 比較例4の食品保存機における発光特性を示す図である。 第4実施形態に係る食品保存機の発光パワーバランスを模式的に示す図である。 第4実施形態に係る食品保存機における、クロスモダリティLEDの切り替えパターンとクロスモダリティ効果との関係を示す図である。 第5実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第5実施形態〜第14実施形態に係る食品保存機および比較例5〜8の効果を調査した結果を示す図である。 第5実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第5実施形態に係る別の変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第6実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第6実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第7実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第8実施形態に係る食品保存機の上面構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第9実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第10実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第11実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第11実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第12実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第12実施形態に係る食品保存機における発光特性の一例を示す図である。 比較例7の食品保存機における発光特性を示す図である。 第12実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第12実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第13実施形態に係る食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第13実施形態に係る変形例の食品保存機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 第14実施形態に係る食品加熱機の全体構成と、クロスモダリティLEDの発光域を示す概略図である。 対象物の表色および照射色の色相角度の差と、食品への味覚的印象との関係を調べた結果を示す図であり、対象物の表色として赤色系、橙色〜黄色系、緑色系、青色系、および茶色系のそれぞれについて示す。 赤色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。 橙色〜黄色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。 緑色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。 青色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。 茶色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。 白色系の対象物に対する照射色と味覚的印象との関係を調べた結果を示す図である。
【0012】以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。説明の便宜上、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。各図に示された構成部材間の寸法比も、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0013】[クロスモダリティ効果の概要] まず、クロスモダリティ効果について説明する。クロスモダリティ効果とは、複数の感覚器官で得られた情報が脳に入り、脳が入ってきた情報と脳の中にある情報とを統合して判断する際に、複数の感覚器官の中の少なくとも1つが、通常とは異なる別の情報を取得することで、脳がこの別の情報をも統合し、別の情報が統合されなかった場合とは異なる判断を行うことである。通常とは異なる別の情報は、ユーザーに本来とは異なる感覚を与え、これが判断を異ならせる。
【0014】図1は、クロスモダリティ効果を説明する図であり、(a)は、クロスモダリティ効果が発現していない場合を示し、(b)は、クロスモダリティ効果が発現している場合を示す。
【0015】図1の(a)に示すように、「未完熟のいちご」に対して、複数の感覚器官が、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚、温度感覚等の情報を得る。触れたり、食べたりできない状況では、「未完熟のいちご」より得られる情報は、視覚情報、嗅覚情報となる。脳は、得られた「未完熟のいちご」の視覚情報と嗅覚情報を脳の中の情報と統合して、「硬くて酸っぱそうないちご」と判断する。
【0016】一方、図1の(b)に示すように、複数の感覚器官の中の少なくとも1つに別の情報を取得させた場合、例えば、「未完熟のいちご」に対して白色の光を照射し、視覚情報に「つやつやした光沢」の情報をプラスで取得させると、その場合、同じ「未完熟のいちご」であっても、脳は、「瑞々しくておいしそうないちご」と、異なる判断をする。このとき、ユーザーに本来とは異なる「つやつやした感じ」が与えられ、これが判断を異ならせる。
【0017】また、例えば、「甘い匂い」を足して、嗅覚情報に「甘い匂い」の情報をプラスで取得させると、同じ「未完熟のいちご」であっても、脳は「甘くておいしそうないちご」と、異なる判断をする。このとき、ユーザーに本来とは異なる「甘い匂い」が与えられ、これが判断を異ならせる。
【0018】なお、図1では、クロスモダリティ効果により、食べ物の「味のイメージ」が変わる場合を例示したが、「味のイメージ」に限定されるものではなく、クロスモダリティ効果により、「重さのイメージ」や「作業のイメージ」等を変えることもできる。
【0019】このように、複数の感覚器官の中の少なくとも1つに通常とは違う情報をプラスで取得させて、クロスモダリティ効果を発現させることで、脳が判断する「イメージ」を変えることができる。
【0020】[第1実施形態] <食品保存機1の概要構成> 第1実施形態に係る、食品保持部を備えた装置として食品保存機1の概要について、図を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係る食品保存機1の全体構成を示す概略図である。図2に示すように、食品保存機1は、食材(食品)を保存し、陳列する本体部2を有し、本体部2の正面には、本体部2を塞ぐ扉3が設けられている。本体部2の上部には、扉3が開かれることで開放される保存室(食品保持部)4が設けられ、本体部2の下部には、引き出し式の保存室(食品保持部、引き出し)8が設けられている。扉3の外面には、ユーザーが食品保存機1を操作するための操作部7が設けられている。なお、操作部7は、スイッチ式でもタッチパネル式でもよい。以下、説明の便宜上、「食材」「食品」の両方のタームを使用するが両タームは同意である。
【0021】保存室4には、庫内灯(内部灯)6とクロスモダリティLED(クロスモダリティ光源)5とが設置されている。庫内灯6は、庫内(室内)の明るさを確保し視認性を高めるための光源であり、白色の光を照射する。クロスモダリティLED5は、前述したクロスモダリティ効果を発現させるための光源である。クロスモダリティLED5は、RGBフルカラーLED光源を有し、多様な色を再現することができる。また、クロスモダリティLED5の点灯時間(発光時間)、点滅パターン(発光パターン)、照度等も任意に変化させることができる。庫内灯6についても、点灯時間、照度を任意に変化させることができる。図2の例では、庫内灯6は保存室4の奥壁に設置され、クロスモダリティLED5は保存室4の側壁に設置されている。
【0022】庫内灯6およびクロスモダリティLED5の動作は、図3に示す発光制御部10にて制御される。図3は、食品保存機1の発光制御部10を含む要部の構成を示すブロック図である。なお、図3では、1つの発光制御部10にて庫内灯6およびクロスモダリティLED5の両方を制御する構成を例示するが、それぞれに単独の制御部にて制御される構成であってもよい。
【0023】図3に示すように、食品保存機1は、記憶部12を備えている。該記憶部12には、発光制御部10が用いる、クロスモダリティLED5を適切な色(光源の色)で発光させるための情報が格納されている。適切な色は、クロスモダリティLED5の光を照射する食品の色とクロスモダリティ効果を発現させて得たい感覚とによって決まる。クロスモダリティLED5の適切な色は、色相、明度、彩度等で、予め設定されており、ユーザーによって光源の色を変更することもできる。発光制御部10は、クロスモダリティ効果を発現させることで、ユーザーに認知させたい本来の感覚と異なる感覚、を与え得るように、クロスモダリティLED5の光源の色を決定する。
【0024】検出部11は、保存室4内に保管した食品を認識するものである。発光制御部10は、検出部11による認識結果に基づいて、食品の色を判断し、クロスモダリティLED5の光源の色(発光色)を決定する。なお、検出部11に代えて、操作部7等より、保存室4内に保管した食品(食材)の情報を入力して記憶部12に登録する構成としてもよい。その場合、発光制御部10は、登録された情報に基づいて、クロスモダリティLED5の光源の色を決定する。
【0025】記憶部12には、発光制御部10がクロスモダリティLED5および庫内灯6を発光(点灯)させる際に使用する各種の情報も格納されている。第1実施形態に係る食品保存機1においては、発光制御部10は、クロスモダリティLED5の光による庫内の照度が、時刻に応じて変わるように、クロスモダリティLED5の光の強度を変化させる。例えば、食事または食事準備の時間帯と、他の時間帯とで、庫内の照度が変わるように、クロスモダリティLED5光の強度を異ならせる。さらに、ここでは、庫内灯6とクロスモダリティLED5とを連動させており、発光制御部10は、クロスモダリティLED5と庫内灯6との庫内照度の発光バランスを変化させる。これにより、庫内灯6とクロスモダリティLED5との両方で庫内全体を照らしたり、クロスモダリティLED5の光のみで、照射対象の食品を照らしたりする。以下、「光の強度」を「光の照度」として説明する。
【0026】<食品保存機1の動作> 図4は、第1実施形態に係る食品保存機1における発光特性の一例を示す図である。(a)は、時間軸に対するクロスモダリティLED5および庫内灯6の照度を示し、(b)は、時間軸に対するクロスモダリティLED5および庫内灯6を合わせたトータルの照度を示し、(c)は、(a)の四角で囲った、7時以降の特定の時間帯における、時間軸に対するクロスモダリティLED5および庫内灯6の照度を示す。クロスモダリティLED5の点灯は、扉3が透明である場合は、常時、図4に示す発光特性で点灯することが有効である。扉3が不透明な場合は、扉3を開けた時のみ図4の発光特性で点灯させる構成とすればよい。
【0027】#5図4の(a)に示すように、食品保存機1が設置されている空間(室内)の照度に合わせて、朝日が昇っている7時頃に、クロスモダリティLED5の照度が1日の中で一番高くなる。この時間帯、庫内灯6は反対に1日の中で照度が最も低くなり、ほぼクロスモダリティLED5のみで照射している。
【0028】7時を過ぎると、クロスモダリティLED5の照度は低下し、庫内灯6の照度が高くなり、逆転する(図4の(c)参照)。クロスモダリティLED5の照度は、その後、12時と18時に再びピークを有し、18時をすぎて日が暮れ、夜になるにつれてだんだんと低くなる。18時のピークは12時のピークよりも低い。一方、庫内灯6の照度は、クロスモダリティLED5の照度を補うように、クロスモダリティLED5のピークとピークの間にあたる10時と15時にピークを向かえる。15時のピークは10時のピークよりも低い。
【0029】クロスモダリティLED5および庫内灯6を合わせた庫内全体の照度は、図4の(b)に示すように、7時が最も高くなり、18時から翌朝の7時までが最も低く一定となる。
【0030】#7図4に示す発光特性にてクロスモダリティLED5および庫内灯6の動作を制御することで、朝食時、昼食時、夕食時に相当する7時、12時、18時の時間帯において、クロスモダリティ効果を発現させることができる。そして、新たな光源となるクロスモダリティLED5を設けた構成であっても、クロスモダリティLED5の照度に連動させて、庫内灯6の照度を調整し、庫内全体として、外環境と庫内の照度の差を縮めながら視認性を確保しているので、省電力に貢献する発光が実現する。なお、朝食、昼食、夕食の時間帯は、前記の例に固定されるものではなく、ユーザーの生活スタイルに合わせて設定することができる。
【0031】クロスモダリティLED5の発光色は、前述したように、検出部11にて検出された食品の情報、あるいは記憶部12に登録された食品の情報をもとに選択され、該当食品が最もおいしい、新鮮、甘く感じる条件により色が決定される。
【0032】例えば、青野菜の場合、通常であれば、苦く渋そうに見えるが、クロスモダリティLED5よりオレンジ色の光を照射することで、甘く、柔らかい味がし、よりおいしい味を感じることができる。これは、青野菜の色の視覚・味覚情報に加え、オレンジ色の光の情報が脳で統合され、クロスモダリティ効果が発現し、味覚としておいしいと認知することができるためである。庫内灯6とクロスモダリティLED5の動作を連動させることにより、常に一定の照度を保ちながら、食事準備どきは、クロスモダリティの効果を享受することが可能となる。
【0033】<食品保存機1の効果> 図5に、第1実施形態に係る食品保存機1のクロスモダリティ効果を調査した結果を示す。なお、図5には、後述する第2実施形態〜第4実施形態に係る食品保存機1の効果および比較例1〜4の結果も併せて示す。
【0034】調査実験においては、健康上大きな問題を持っておらず、視覚、触覚、温度感覚が正常で、5つの味覚感覚を識別できる男性3名、女性3名を被験者として選定し、各実施形態に係る食品保存機1および比較例の官能評価を行った。評価手法は、9段階のスケールのアンケート用紙を用い、適切な統計処理を行った。各被験者は、他者の干渉を防ぐため個別に官能評価を行い、提示順はランダムにして順番による影響を無くした。
【0035】調査の項目は、「意識の程度」「マイルドさ」「嫌悪感」「嗜好性」「鮮度」「やわらかさ」「おいしさ」「カムフラージュ(識別不能変化率)」「満腹感」「食欲」「表面体感温度」「食材体感温度」「軽さ」「負担」「清潔感」とした。全実施形態および全比較例において、全項目の調査を行ったわけではなく、必要な項目を選択的に行った。
【0036】図5においては、「意識の程度」〜「清潔感」までの調査結果に基づいて、「クロスモダリティ効果の有無」「食品特化性クロスモダリティ効果の有無」を記載している。なお、食品特化性クロスモダリティ効果とは、食欲単体以外のクロスモダリティ効果を指す。 また、「庫内視認性」「庫内の照度の安定性」の判定結果、並びに、「時間帯毎の発光違いの有無」「発光バランスの有無」等の発光条件も併せて記載している。なお、図5において、特定の時間帯に照度を高める制御を行った場合を、「発光タイミング」と称し、時間軸に応じて照度を徐々に高めるあるいは弱める制御を行った場合を、「発光時間」と称している。
【0037】比較例1として、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第1実施形態と同様の構成を有する食品保存機を、図6に示す発光特性にて庫内灯6のみを発光させた。なお、庫内灯6のみ備える構成では、庫内全体の照度は、庫内灯6の照射時のものと同じとなる。
【0038】図5に示すように、調査実験の結果、第1実施形態に係る食品保存機1では、食品保存機1を使用する動作の中で、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果を得られることを確認した。具体的には、「嫌悪感」が解消され、「マイルドさ」「嗜好性」「鮮度」「やわらかさ」「おいしさ」が向上した。また、庫内の照度も安定であることを確認した。
【0039】これに対し、比較例1の構成では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られず、「マイルドさ」「嫌悪感」「嗜好性」「鮮度」「やわらかさ」「おいしさ」に一切変化しなかった。また、庫内灯6のみで照射の強を変更しているため、庫内の照度が不安定となった。
【0040】ここでは、照度(光の強度)を変更しているが、庫内灯6とクロスモダリティLED5との発光バランスは、照度だけでなく、色相、彩度、輝度等を変更することでも変化させることができる。
【0041】また、ユーザーにクロスモダリティ効果が与えられる構成であれば、図7に示すように、庫内灯6とクロスモダリティLED5とが1ユニットにて構成されていてもよい。
【0042】#3[第2実施形態] 第2実施形態に係る食品保存機1と第1実施形態に係る食品保存機1との違いは、発光特性にある。第2実施形態に係る食品保存機1においては、クロスモダリティLED5の光源の色(発光色)を時刻に応じて変化させる。つまり、特定の時間帯においてクロスモダリティLED5による照射を高め、かつ、照射の高い状態で照射する色も変える。なお、ここでは、庫内灯6との発光バランスについては記載しないが、庫内灯6を第1実施形態と同様に、クロスモダリティLED5の照度に合わせて変更する構成とすることが望ましい。
【0043】図8は、第2実施形態に係る食品保存機1における発光特性の一例を示す図である。時間軸に対するクロスモダリティLED5による照度を、照射する色と共に示す。図8の例では、クロスモダリティLED5の発光色を、各々の時間帯の食事でよく食べられる食品に適した色に設定している。
【0044】朝食の時間帯は、朝食でよく食べられる(青野菜、牛乳)に適した色の光を、照度を高めて照射する。例えば、牛乳にはよりコクを感じることができるピンク色を、青野菜にはおいしさと甘さを強調させるオレンジ色を照射する。これにより、クロスモダリティ効果が発現し、脳でコクとおいしさ、甘さを認知し、味を感じることができる。昼食の時間帯は、昼食でよく食べられる(パスタ、うどん)に適した色の光を、照度を高めて照射する。夕食の時間帯は、夕食でよく食べられる(刺身、肉、スープ)に適した色の光を、照度を高めて照射する。
【0045】#10図5に、図8に示す発光特性でクロスモダリティLED5を動作させた場合の効果を調査した結果を、比較例2と共に示す。比較例2として、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第2実施形態と同様の構成を有する食品保存機を、図9に示す発光特性にて、庫内灯6のみを規定の色(庫内の照度と色相で規定)で発光させた。
【0046】具体的には、第2実施形態に係る食品保存機1において、「青野菜」にオレンジ色を照射し、「うどん」に黄色を、「魚」に淡いさくら様の色を照射した。一方、比較例2においては、「青野菜」に白色(R:100%、G:100%、B:100%)を照射し、「うどん」に通常色(R:70%、G:50%、B:25%)、「魚」に暖色(R:82%、G:70%、B:25%)を照射した。被験者は第2実施形態の検証のための食材と比較例の食材とを食べ、それぞれアンケート用紙に回答した。
【0047】図5に示すように、第2実施形態に係る食品保存機1においては、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。つまり、朝食、昼食、夕食で、食欲が向上した。これに対し、比較例2では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0048】このように、図8に示す発光特性とすることで、クロスモダリティ効果により、ユーザーが食事でよく食べる食品を魅力的に見せることができる。これにより、ユーザーは意識せずに日々の食事を楽しむことができる。
【0049】#9図10は、第2実施形態に係る食品保存機1における発光特性の別の例を示す図である。時間軸に対するクロスモダリティLED5による照度を、照射する色と共に示す。図10の例では、クロスモダリティLED5の発光色を、朝食と夕食で、要求される機能に合った食品に適した色とし、間食の時間帯では、食欲を抑制し得る色に設定している。
【0050】朝食の時間帯は、朝食をしっかり食べられるように、栄養価が高い食品(オレンジ、肉、魚)に適した色の光を照射する。夕食の時間帯は、夜は、控えめにするため、薄味の食材(こんにゃく、豆腐)に適した色の光を照射する。また、午前中と午後の間食の時間帯、および就寝前は、間食予防のために、高カロリーなもの(ショートケーキ、チョコレート)ほど、まずく感じる色、物理的に重く感じる色、あるいは硬そうに感じる色の光を照射する。
【0051】図5に、図10に示す発光特性でクロスモダリティLED5を動作させた場合の効果を調査した結果を、比較例3と共に示す。比較例3として、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第2実施形態と同様の構成とし、図11に示す発光特性で、庫内灯6のみを規定の色(庫内の照度と色相で規定)で発光させた。
【0052】具体的には、第2実施形態に係る食品保存機1において、オレンジに食欲促進目的の黄色を照射し、ショートケーキには食欲抑制目的の青色を、こんにゃくには食欲促進目的の白色を照射した。一方、比較例3においては、オレンジに白色(R:100%、G:100%、B:100%)を照射し、ショートケーキに通常色(R:70%、G:50%、B:25%)、こんにゃくに暖色(R:82%、G:70%、B:25%)を照射した。被験者は第2実施形態の検証のための食材と比較例の食材とを食べ、それぞれアンケート用紙に回答した。
【0053】図5に示すように、第2実施形態に係る食品保存機1においては、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例3では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0054】このように、図10に示す発光特性とすることで、クロスモダリティ効果により、ユーザーが食べるべき食品を魅力的に見せ、不必要な食品についてはおいしさ感等を低下させ、食欲を減少させることができる。これにより、ユーザーは意識せずに必要な栄養素が取れ、かつ、不必要なものには嫌悪感を抱くことができ、自然な減量効果が期待できる。
【0055】#1[第3実施形態] 第3実施形態に係る食品保存機1と第1実施形態に係る食品保存機1との違いは、発光特性にある。第3実施形態に係る食品保存機1においては、発光バランスを、食品が保管されてからの時間の経過に応じて変化させる。食品が保管されてからの時間が経過するにつれて、クロスモダリティLED5の照度(光の強度)を高くし、庫内灯6の照度(光の強度)を低くする。なお、庫内灯6とクロスモダリティLED5の関係は、照度だけでなく、色相、彩度、輝度等によっても連動して互いに変化することができる。
【0056】図12の(a)は、第3実施形態に係る食品保存機1における発光特性の一例を示す図である。時間軸に対するクロスモダリティLED5および庫内灯6の照度を示す。図12の(a)の例では、食品保存機1に食品が保管されてから日数(時間)が経過する伴い、クロスモダリティLED5の照度を高め、庫内灯6については照度を低める。例えば、ユーザーが買い物し、その食品を庫内に入れた日を、横軸左の0日目とする。クロスモダリティLED5は、食品の鮮度を上げる色を庫内に照射する。日数が経るごとに、クロスモダリティLED5は、葉物野菜に鮮度を高く見せることができる白色の照度を高める。これにより、クロスモダリティ効果が発現し、庫内灯6だけでは、しおれてまずそうに見えた野菜も、一定の鮮度を保ったまま保管できているように見え、食べても新鮮な葉物と認識することができる。
◆ この文献の解決アプローチ
庫内灯と有色LEDの照度バランス制御
文献: 食品が保管されてからの時間が経過するにつれて、クロスモダリティLED5の照度(光の強度)を高くし、庫内灯6の照度(光の強度)を低くする。
白色の庫内灯に別光源を重ねて照度比を設計する発想は転用できるが、効果は見た目の鮮度感で、保存中の劣化抑制ではない。
【0057】また、検出部11にて、庫内の食品の内容量を検出させ、内容量に基づいて食品が保管されてからの時間の経過を判断する構成としてもよい。つまり、検出部11にて、庫内の食品の内容量を検出し、一定数を下回ると、発光制御部10は、前回買い物から一定の時間が経ったとみなし、保管されている食品を新鮮に見せるべく、同様の動作をする。これによっても、同様のクロスモダリティ効果が得られる。
【0058】図12の(b)は、第3実施形態に係る食品保存機1における発光特性の一例を示す図である。食品保存機1が、保管している食品を加熱する構成である場合は、図12の(b)に示すように、加熱時間の増加に伴って、上記と同様に、クロスモダリティLED5の照度を高め、庫内灯6の照度を低める。この場合のクロスモダリティLED5の色は、保管されている食品に対して温かみに関わるクロスモダリティ効果を発現できる色とする。これにより、取り出した食品を食べた際に、十分な温かみを感じつつも、口腔内を火傷するようなことがない。換言すると、口腔内を火傷することなく、十分な温かみを感じることができる。
【0059】図5に、図12の(a)(b)に示す発光特性でクロスモダリティLED5を動作させた場合の効果を調査した結果を、比較例4と共に示す。比較例4として、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第3実施形態と同様の構成とし、図12の(a)(b)に示す発光特性で、庫内灯6の照度のみを、保存してからの時間経過あるいは加熱時間の増加に伴って高めた。
【0060】#2具体的には、第3実施形態に係る食品保存機1において、鮮度を調査する青野菜には黄色かかった白色を照射し、温度感を調査するミネストローネには、赤白色を照射した。一方、比較例4においては、青野菜およびミネストローネ共に、オレンジかかった白色を照射した。何れの実験にも、被験者は時系列官能評価装置を用い、9段階のアンケートを実施した。
【0061】図5に示すように、第3実施形態に係る食品保存機1においては、鮮度においても、温度感においても、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例4では、鮮度においても、温度感においても、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0062】[第4実施形態] 第4実施形態に係る食品保存機1と第1実施形態に係る食品保存機1との違いは、発光特性にある。第4実施形態に係る食品保存機1においては、クロスモダリティLED5および庫内灯6の発光パワーバランスを変更することができる。
【0063】図14は、第4実施形態に係る食品保存機1の発光パワーバランスを模式的に示す図である。(a)は、庫内灯6とクロスモダリティLED5の照度が同程度の場合、(b)は、庫内灯6の照度がクロスモダリティLED5の照度を上回る場合、(c)は、クロスモダリティLED5の照度が庫内灯6の照度を上回る場合を示す。
【0064】図14の(a)に示す、庫内灯6とクロスモダリティLED5の照度が同程度の場合、視認性も十分に保ちながら、クロスモダリティ効果も得られるバランス型となる。一見視認性の方が強いが、ユーザーが気にならない程度のクロスモダリティ効果が得られ、刷り込み効果、普段使い等が可能となる。この場合、清潔感に関するクロスモダリティ効果が適している。
【0065】図14の(b)に示す、庫内灯6の照度の方が高い場合、視認性に関する部分が大きく影響するため、クロスモダリティの効果は低めとなる。しかしながら、ほんのりとした緩やかな効果を得たい場合に効果的である。例えば、温度に関するものである。若干の温かさであれば、好まれるものでも、極端な熱さと認識してしまうと、食品を避けることに繋がるからである。
【0066】図14の(c)に示す、クロスモダリティLED5の照度の方が高い場合は、クロスモダリティ効果に関する色情報の方が多く目に入る。このため、クロスモダリティ効果が強烈に発揮される。この発光パワーバランスの場合、強い効果が必要な味覚に関する影響、または、短時間でも強い効果が期待できるため、扉3を開けたり、保存室8を引き出したりするような短時間の動作時の軽さに関わる認知に影響を与えることができる。
【0067】図5に、図14の(c)に示す発光パワーバランスでクロスモダリティLED5と庫内灯6とを動作させた場合の効果を調査した結果を示す。図5に示すように、第4実施形態に係る食品保存機1においては、扉3を開けたり、保存室8を引き出したりする操作が軽く感じられ、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。
【0068】図15に、第4実施形態に係る食品保存機1における、クロスモダリティLED5の切り替えパターンとクロスモダリティ効果との関係を示す。クロスモダリティLED5が消灯している時は、庫内灯6の点灯、消灯に関わらずクロスモダリティの効果はない。クロスモダリティLED5が点灯しているときは、庫内灯6点灯でクロスモダリティ効果は弱くなり、庫内灯6の消灯時はクロスモダリティ効果が強くなる。
【0069】なお、庫内灯6とクロスモダリティLED5のパワーバランス、およびこれらの切り換えパターンは、照度だけでなく、色相、彩度、輝度等によっても連動して互いに変化することができる。
【0070】[第5実施形態] 図16は、第5実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図16に示すように、第5実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、扉3を開ける際に用いる取っ手30を照射するように設置されている。これにより、クロスモダリティLED5の光源により適切な色で取っ手30が照らされ、ユーザーは、適切な色で照らされている取っ手30を用いて扉3を開閉する。
【0071】この一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。取っ手30のもともとの色に、クロスモダリティLED5の光源の色を加えることで、脳での情報処理の際、クロスモダリティ効果により、視覚情報とその他の感覚情報が統合され、実際とは異なる感覚を認知することができる。例えば、取っ手30のもともとの色のままでは、明度が低いため重そうに思える場合でも、クロスモダリティLED5より白色の光を照射することで、明度が高く軽く見え、必要以上の筋力を使わずに扉3を開けようとする。これにより、実際に扉3を軽く感じることができる。
【0072】第5実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を図17に示す。図17には、後述する第6実施形態〜第14実施形態に係る食品保存機1の効果および比較例5〜8の結果も併せて示す。なお、調査実験の条件や内容は、図5と同じである。
【0073】図17に示すように、第5実施形態に係る食品保存機1においては、扉3が軽く感じられ、作業の負担も軽減され、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。
【0074】なお、図16では、クロスモダリティLED5を扉3の取っ手30に設置しているが、図18に示すように、扉3の側面、あるいは、図19に示すように、扉3の内側に設置しても同様の効果が得られる。
【0075】[第6実施形態] 図20は、第6実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図20に示すように、第6実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、引き出し式の保存室8の開ける際に用いる取っ手31を照射するように設置されている。これにより、クロスモダリティLED5の光源により適切な色で取っ手31が照らされ、ユーザーは、適切な色で照らされている取っ手31を用いて保存室8を開閉する。
【0076】この一連の動作の中で、第5実施形態で扉3を開けるときと同様のクロスモダリティ効果が発現する。つまり、例えば、クロスモダリティLED5より白色の光を照射することで、取っ手31のもともとの色のままでは明度が低いため重そうに思える場合でも、明度が高く軽く見え、必要以上の筋力を使わずに引き出しを開けようとする結果、実際に保存室8の引き出し操作を軽く感じることができる。図17に、第6実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を示す。
【0077】なお、図20では、クロスモダリティLED5を保存室8の取っ手31に設置しているが、図21に示すように、保存室8の側面に設置しても同様の効果が得られる。
【0078】[第7実施形態] 図22は、第7実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図22に示すように、第7実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、引き出し式の保存室8のへり8aに設置されている。これにより、ユーザーは、保存室8を開閉して、内部に食品を入れたり内部から出したりする時、ヘリ8aに設置されたクロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0079】保存室8を引き出し、その中から食品を取り出す一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。引き出し式の保存室8のヘリ8aにクロスモダリティLED5を設置すると、保存室8内の食品の手前にクロスモダリティLED5の光源の色が来るため、光源の色が食品の色をカバーする。クロスモダリティLED5の光源の色として、白色などのユーザーが軽いと思える光源色を使用することにより、脳での情報処理の際、クロスモダリティ効果により、視覚情報とその他の感覚情報が統合され、実際とは異なる感覚を認知することができる。
【0080】例えば、クロスモダリティLED5が設置されていない構成では、明度が低く、保存室8内に食品が多く入っていると重そうに思えるが、クロスモダリティLED5より白色の光を照射することで明度が高くなり、食品が多く入っていても保存室8の内部が軽そうに見える。これにより、必要以上の筋力を使わずに引き出し式保存室8を開けようとし、結果的に、実際に保存室8の開閉動作を軽く感じることができる。図17に、第7実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を示す。
【0081】#8[第8実施形態] 図23は、第8実施形態に係る食品保存機1の上面構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図23に示すように、第8実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、引き出し式の保存室8の内部底面に設置されている。クロスモダリティLED5は、保存室8の底面から、内部の食品や、ユーザーに対して光を照射する。ユーザーは、保存室8に食品を並べ、適宜、必要な食品を選択し取り出す際に、底面に設置されたクロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0082】保存室8を引き出し、その中から食品を取り出す一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。保存室8の底にクロスモダリティLED5を設置すると、保存室8の内側全体がほんのりと照らされる。ほんのりと柔らかい光で空間を照らすことで、光源をぼかすことができ、食品全体に柔らかみのある光の効果を付加することができる。例えば、視覚的に柔らかな印象を与えることで、マイルドさ、おいしさ、温かみといった味に関するクロスモダリティ効果が期待できる。図17に、第8実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を示す。
【0083】[第9実施形態] 図24は、第9実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図24に示すように、第9実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、引き出し式の保存室8の上部に取り付けられ、併せて庫内灯6も上部に設置されている。クロスモダリティLED5および庫内灯6は、保存室8の上部から、内部の食品や、ユーザーに対して光を照射する。ユーザーは、保存室8に食品を並べ、適宜、必要な食品を選択し取り出す際に、クロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0084】#4保存室8を引き出し、その中に食品を並べたり、選択して取り出したりする一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。保存室8の上部にクロスモダリティLED5を設置すると、保存室8内の食品の手前にクロスモダリティLED5の光源の色が来るため、光源の色が食品の色をカバーする。これにより、ユーザーが嫌いもしくは苦手と感じている食品であっても、おいしい、飲みたいと思える光源色を使用することにより、食材の色をカムフラージュすることができる。そして、嗜好性に関わるクロスモダリティ効果が期待でき、食卓をより豊かにすることができる。また、光源色によっては、鮮度、引き出しの軽さ感、引き出し動作時の負担感を改善することも可能である。
【0085】なお、ここで、ユーザーにクロスモダリティ効果が与えられる構成であれば、庫内灯6とクロスモダリティLED5とが1ユニットにて構成されていてもよい(図7参照)。
【0086】図17に、第9実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を、比較例5の結果と共に示す。比較例5としては、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第15実施形態と同様の構成とし、保存室8の上部に設置した庫内灯6のみを規定の色(庫内の照度と色相で規定)で発光させた。
【0087】具体的には、第9実施形態に係る食品保存機1において、青野菜に対し、白色の庫内灯6と、クロスモダリティLED55からはオレンジ色の光を照射し、比較例5では、庫内灯より白色の光を照射した。
【0088】図17に示すように、第9実施形態の構成では、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例5では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0089】#6[第10実施形態] 図25は、第10実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図25に示すように、第10実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、保存室4のへり4aに取り付けられている。クロスモダリティLED5は、保存室8のへり4aから、内部の食品を取り出すユーザーに対して光を照射する。ユーザーは、保存室8に食品を並べ、適宜、必要な食品を選択し取り出す際に、クロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0090】保存室4に対して、食品を並べたり、選択して取り出したりする一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。保存室4のへり4aにクロスモダリティLED5を設置すると、保存室4内の食品の手前にクロスモダリティLED5の光源の色が来るため、光源の色が食品の色をカバーする。これにより、ユーザーが嫌いもしくは苦手と感じている食品であっても、おいしい、飲みたいと思える光源色を使用することにより、食材の色をカムフラージュすることができる。そして、嗜好性に関わるクロスモダリティ効果が期待でき、食卓をより豊かにすることができる。クロスモダリティLED5は、ユーザーがいる空間だけでなく、保存室4の庫内の食品に向けられ、食材の色をカムフラージュできる状態であればよい。
【0091】図17に、第10実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を、比較例6の結果と共に示す。比較例6としては、クロスモダリティLED5に変えて保存室4のへり4aに庫内灯6を設置した以外は第10実施形態と同様の構成とした。
【0092】具体的には、第10実施形態に係る食品保存機1において、青野菜に対し、白色の庫内灯6と、クロスモダリティLED55からはオレンジ色の光を照射し、比較例6では、庫内灯より白色の光を照射した。
【0093】図17に示すように、第10実施形態の構成では、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例6では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0094】[第11実施形態] 図26は、第11実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図26に示すように、第11実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、保存室4の内部底面に取り付けられている。クロスモダリティLED5は、保存室8の内部底面から、内部の食品や、ユーザーに対して光を照射する。ユーザーは、保存室8に食品を並べ、適宜、必要な食品を選択し取り出す際に、クロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0095】保存室4に対して、食品を並べたり、選択して取り出したりする一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。保存室4の底面にクロスモダリティLED5を設置すると、保存室4の内側全体がほんのりと照らされる。ほんのりと柔らかい光で空間を照らすことで、光源をぼかすことができ、食品全体に柔らかみのある光の効果を付加することができる。例えば、視覚的に柔らかな印象を与えることで、マイルドさ、おいしさ、温かみといった味に関するクロスモダリティ効果が期待できる。図17に、第11実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を示す。
【0096】図27は、第11実施形態に係る食品保存機1の変形例を示すものである。図27に示すように、保存室4内に仕切り板34が設置されている場合は、仕切り板34の底面にクロスモダリティLED5を設置することで、同様の効果が得られる。
【0097】[第12実施形態] 図28は、第12実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図28に示すように、第12実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、保存室4の側壁に設置され、保存室4の奥壁に庫内灯6が設置されている。保存室4の側壁に設置されたクロスモダリティLED5は、保存室4の側面から適切な色で食品を照らすことができる。また、保存室4内部が、奥壁に設置された庫内灯6にて照射される。ユーザーは、保存室4に食品を並べ、適宜、必要な食品を選択し取り出す際に、クロスモダリティLED5の影響を受ける。
【0098】図29は、第12実施形態に関わる食品保存機1における発光特性を示す図である。横軸が扉3の開放経過時間、縦軸が照度を表す。なお、この縦軸は照度のみならず、色相、彩度、明度などでもよい。
【0099】扉3の開放直後は、クロスモダリティLED5が点灯し、クロスモダリティ効果が主に得られる。扉3の開放時間が経過するにつれて、クロスモダリティLED5の照度が低下し、一方、庫内灯6の照度が上昇する。そして、扉3の開放経過時間が10秒を超えるとクロスモダリティLED5は消灯し、庫内灯6のみ点灯し、視認性を高める。
【0100】この一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。例えば、食品に対し、鮮度を与えるクロスモダリティ効果を発現させる場合、扉3の開放直後から4秒まで、強いクロスモダリティ効果を得ることができ、その後は、クロスモダリティLED5の照度が低下するにつれてクロスモダリティ効果は低下する。扉3の開放後10秒ほどで庫内灯6の照度が最大になり、クロスモダリティ効果は発現しなくなる。この発光バランスの制御により、視認性を確保しつつも、食品に対する鮮度感のクロスモダリティ効果を得られ、食品を保存室4から選択する1つの基準となる。
【0101】図17に、第12実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を、比較例7の結果と共に示す。比較例7としては、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第2実施形態と同様の構成を有する食品保存機を、図30に示す発光特性にて、庫内灯6のみを規定の色(庫内の照度と色相で規定)で発光させた。
【0102】図17に示すように、第12実施形態に係る食品保存機1においては、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例7では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0103】なお、ここで、ユーザーにクロスモダリティ効果が与えられる構成であれば、庫内灯6とクロスモダリティLED5とが1ユニットにて構成されていてもよい(図7参照)。
【0104】また、クロスモダリティLED5と庫内灯6の設置場所は、保存室4の側面と奥壁のみならず、図31に示すように、クロスモダリティLED5を保存室4の側面に設置し、庫内灯6を保存室4の底面に設置してもよい。あるいは、図32に示すように、保存室4の側壁に庫内灯6を設置し、保存室4の内部上面(天面)にクロスモダリティLED5を設置してもよい。要は、保存室4中に庫内灯6、クロスモダリティLED5の役割をする発光部がそれぞれ1つ以上あればよい。発光バランスも扉3の開放直後に庫内灯照度による視認性を高め、のちにクロスモダリティLED照度を優位にする動作も有効である。
【0105】[第13実施形態] 図33は、第13実施形態に係る食品保存機1の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図33に示すように、第13実施形態に係る食品保存機1において、クロスモダリティLED5は、食品保存機1の上面に設置され、食品保存機1の上面より、ユーザーやユーザーの居る空間を照らす。ユーザーは、食品保存機1に近づいた際、クロスモダリティLED5の光源により適切な色で照らされる。
【0106】この一連の動作で、クロスモダリティ効果は発現する。食品保存機1の上面にクロスモダリティLED5を設置すると、比較的表面積が広い上部全体が光ることで、無意識のうちにクロスモダリティLED5からの視覚情報を取り込むことができ、クロスモダリティ効果により、消化管などの臓器機能が調節され、満腹感、もしくは食欲減退感が得られ、食欲をコントロールすることが可能である。図17に、第13実施形態に係る食品保存機1の効果を調査した結果を示す。
【0107】また、クロスモダリティLED5は食品保存機1の上面に限らず、図34に示すように、面積の広い食品保存機1の側面に設置した場合でも、同様の効果が得られる。
【0108】[変形例] 第1実施形態〜第13実施形態においては、食品保存を目的とした食品保存機1について説明したが、食品を加熱もしくは冷却する食品調理機器等においても適応できる。つまり、保存室4,8に代えて、加熱処理室、食品冷却室がこれに相当する。
【0109】[第14実施形態] 図35は、第14施形態に係る食品加熱機50の全体構成と、クロスモダリティLED5の発光域を示す概略図である。図35に示すように、第14実施形態に係る食品加熱機50は、食材(食品)を加熱する本体部51を有し、本体部51の正面には、本体部51を塞ぐ扉52が設けられている。本体部51の内部には、扉52が開かれることで開放される加熱室(食品保持部)53が設けられている。本体部51の正面には、ユーザーが食品加熱機50を操作するための操作部57が設けられている。なお、操作部57は、スイッチ式でもタッチパネル式でもよい。
【0110】操作部57には、庫内灯6と同等の白色の光を照射する白色灯56と、クロスモダリティLED(クロスモダリティ光源)5とが、操作部57に光を照射できるように設置されている。クロスモダリティLED5は、ユーザーやユーザーの居る空間を照らす。ユーザーは、食品保存機1に近づいた際、クロスモダリティLED5の光源により適切な色で照らされる。
【0111】この一連の動作の中で、クロスモダリティ効果が発現する。ユーザーが操作に際して直接触れる操作部57にクロスモダリティLED5を設置すると、食品加熱機50の表面温度を感じることができる。
【0112】この時、クロスモダリティLED5の光源の色が暖色の場合、クロスモダリティLED5の光源の影響により操作部57に触れると温かいと感じるクロスモダリティ効果を付加できる。そして、この食品加熱機50に保持されている食品を摂食することによる味覚情報と、先ほどのクロスモダリティLED5の光源、表面温度による視覚と触覚情報とが脳で統合され、そのクロスモダリティ効果により、食品も温かいと認知することができる。
【0113】一方、食品を冷却する食品冷却機の場合は、クロスモダリティLEDの光源の色が寒色の場合、クロスモダリティLED5の光源の影響により操作部57に触れると冷たいと感じるクロスモダリティ効果を付加できる。そして、食品冷却機に保持されている食品を摂食することによる味覚情報と、先ほどのクロスモダリティLED5の光源、表面温度による視覚と触覚情報とが脳で統合され、そのクロスモダリティ効果により、食品も冷たいと認知することができる。食品冷却機は、加熱室(食品保持部)53に代えて食品冷却室を有する構成であり、その他は、食品加熱機50と同様の構成を有する。
【0114】図14に、第14実施形態に係る食品加熱機50、食品冷却機の効果を調査した結果を、比較例8の結果と共に示す。比較例8としては、クロスモダリティLED5が設置されていない以外は第14実施形態と同様の構成を有する食品加熱機50、食品冷却機を用い、白色灯56のみを白色で発光させた。
【0115】具体的には、第14実施形態に係る食品加熱機50の操作部57を、白色灯56と暖色のクロスモダリティLED5で発光させた。比較例8においては、操作部57を白色灯56のみで発光させた。一方、第14実施形態に係る食品冷却機においては、操作部57を、白色灯56と寒色のクロスモダリティLED5で発光させた。比較例8においては、操作部57を白色灯56のみで発光させた。被験者は実施形態と比較例を触り比べ、それぞれアンケート用紙に回答した。
【0116】図17に示すように、第14実施形態に係る食品加熱機50、食品冷却機においては、クロスモダリティ効果、食品特化性クロスモダリティ効果が得られることを確認した。これに対し、比較例8では、クロスモダリティ効果も、食品特化性クロスモダリティ効果も得られなかった。
【0117】[第15実施形態] 本実施形態においては、第1実施形態〜第14実施形態にて説明した食品保持部を備えた装置における発光部5の光源の色について説明する。前述したように、発光部5の色は、食品や食材であれば、クロスモダリティ効果が発現させて、おいしいと感じさせる色、食欲を抑えるまずいと感じるような色が選択される。なお、おいしいと感じさせる色や、まずいと感じる色は、食品や食材の全体的な色に応じて決まるので、食品や食材に対して、スポットライト的に照射されることが有効である。また、空間に向かって照射される場合は、クロスモダリティ効果が発現させて、食欲抑制などの得たい効果に応じて色が選択される。また、扉3の開閉操作の負担を軽減する色としては、照射色の明度が90以上(上限100)の場合は白色の光が有効であることを確認している。
【0118】図36に、発光部5の光を照射する対象物の食品(食材)として、表色の異なる5種の飲料を選び、各々の対象物の表色の色相角度(h)とこれに照射する照射色の色相角度との差(色相差)と、その際の飲み物(食品)への味覚的印象についての関係を調べた結果を示す。飲料としては、 ・赤色系の代表としてトマトジュース ・橙色または黄色系の代表としてコーンスープ ・緑色系の代表としてグリーンジュース ・青色系の代表としてぶどうジュース ・茶色系の代表としてコーヒー の5種について調べた。
【0119】ここでの調査実験は、被験者12名に主観評価を行ったものである。色相以外の明度、彩度に関しては対象物の表色と照射色では同条件としている。
【0120】また、上記5種の飲料については、同じ種類であっても、原材料の違い等で異なる表色に違いを網羅するべく、同色系でありながら表色の異なるいくつかのものについて実施している。上記5種類の飲料の表色の分布範囲は、概ね、L * C * h表色系において、 ・トマトジュースの表色の分布範囲:明度(L * )30以上60以下,彩度(C * )40以上60以下、色相角度(h)−20度以上30度未満 ・コーンスープの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度30度以上110度未満 ・グリーンジュースの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度110度以上200度未満 ・ぶどうジュースの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度200度以上340度未満 ・コーヒーの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度10以上40以下,色相角度30度以上110度未満 とした。
【0121】図36に示すように、前記5種の飲料についてのいずれの場合についても、色相角度の差が10度を超えたころから味覚の印象に差が表れる。例えば、トマトジュースの場合は、10度を超えたころからやや甘みを感じる。コーンスープの場合は、10度を超えたころからやや深みを感じ、16度を超えると深みを感じる。グリーンジュースの場合は、10度を超えたころから、ややさっぱりさを感じ、16度を超えるとやわらかさを感じる。ぶどうジュースの場合は、10度を超えたころからやや甘みを感じる。コーヒーの場合は、10度を超えたころからやや酸味を感じる。
【0122】これらのことから、概ねどの色相の食品(食材)であっても、色相角度の差が10度を超えるとその対象物とは異なる味覚の印象を与えることがわかる。つまり、対象物の表色における色相と照射色の色相との差である色相差が、少なくとも10度以上異なるように、発光部5における照射色を決定することで、味覚的効果を付与することができる。
【0123】<赤色系の表色に対する照射色> 図37に、前述の調査実験にて、トマトジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。図37において、味覚的印象として「×」を示したものは好意的な味覚を示さなかったものであり、「○」を示したものは何らかの好意的な味覚を示したものである。「○」については、どのような味覚的印象かについて、その概要についても図中に記載している。
【0124】図37に示すように、照射色の明度が90以上(上限100)の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として新鮮感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、新鮮感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内であれば、トマトジュースらしさを味覚的に強調して感じる。また、それ以外については、概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。色相角度が110度以上200度未満の範囲内では腐敗感増し、色相角度が200度以上340度未満の範囲内ではまずさ感が増す。
【0125】以上のように、赤色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、新鮮感のより一層の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、色相角度が110度以上200度未満の範囲の光や、色相角度が200度以上340度未満の範囲内の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0126】<橙色〜黄色系の表色に対する照射色> 図38に、前述の調査実験にて、コーンスープに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。なお、この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図37と同じである。
【0127】図38に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象としてコク感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、コク感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内であれば、濃さや深みなどを強調して感じる。彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、コーンスープらしさを味覚的に強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。色相角度が200度以上340度未満の範囲内ではまずさ感が増す。
【0128】以上のように、橙色〜黄色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、コク感のより一層の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができることがわかる。また、照射色の明度が50以上90以下、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内となる光を照射することで、濃さ感や深み感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、200度以上340度未満の範囲内の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0129】<緑色系の表色に対する照射色> 図39に、前述の調査実験にて、グリーンジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図37と同じである。
【0130】図39に示すように、照射色の明度が90以上の場合においては、照射色の色相によらず味覚的印象としてさっぱり感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、さっぱり感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、やわらか感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。色相角度が−20度以上30度未満の範囲内ではまずさ感が増し、色相角度が110度以上200度未満の範囲内では硬さ感が増す。さらに、色相角度が200度以上340度未満の範囲内では重さ感が増す。
【0131】以上のように、緑色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、さっぱり感のより一層の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90度未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、やわらか感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内の光や、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の光、色相角度が200度以上340度未満の範囲内の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0132】<青色系の表色に対する照射色> 図40に、前述の調査実験にて、ぶどうジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図37と同じである。
【0133】図40に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として軽さ感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、軽さ感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内であれば、甘さ感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、やわらか感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。色相角度が110度以上200度未満の範囲内ではまずさ感が増し、色相角度が200度以上340度未満の範囲内では重さ感が増す。
【0134】以上のように、青色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、軽さ感のより一層の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる光を照射することで、甘さ感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90度未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、やわらか感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の光や、色相角度が200度以上340度未満の範囲内の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0135】<茶色系の表色に対する照射色> 図41に、前述の調査実験にて、コーヒーに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図37と同じである。
【0136】図41に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として旨み感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、旨み感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内であれば、酸味感を強調して感じる。
【0137】また、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、甘さ感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内であれば、深み感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。色相角度が110度以上200度未満の範囲内では未熟成感が増す。
【0138】以上のように、茶色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が10以上40以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、旨み感のより一層の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる光を照射することで、酸味感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、甘さ感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで、深み感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0139】<白色系の表色に対する照射色> 前述の調査実験と同様の調査実験を、白色系の代表としての牛乳について実施した。前述の調査実験同様、牛乳についても表色の異なるいくつかのものについて実施しており、それらは概ね明度が90以上の範囲内に分布している。図42に、牛乳に対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図37と同じである。
【0140】図42に示すように、照射色の明度が90以上の場合においては、照射色の色相によらず味覚的印象としてコク感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、コク感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内であればコク感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上340度未満の範囲内であれば爽やかさ感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。彩度が0度以上10度未満の範囲内ではまずさ感が向上する。彩度が10度以上30度未満の場合、色相角度30度以上110度未満で重さ感が向上し、色相角度110度以上200度未満で腐敗感が向上し、色相角度200度以上340度未満で硬さ感が向上する。
【0141】以上のように、白色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が90以上の範囲内の表色である食品や食材に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射する、あるいは、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、コク感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで、爽やか感の向上といった当該食品や食材らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、彩度が0度以上10度未満の範囲内の光や、彩度が10度以上30度未満で、色相角度30度以上110度未満の範囲あるいは色相角度110度以上200度未満の範囲の光を照射することで、食欲を抑制させることができる。
【0142】〔まとめ〕 本発明の態様1に係る食品保持部を備えた装置(食品保存機1、食品加熱機50)は、食品を保持する食品保持部(保存室4,保存室8,加熱室53)を備えた装置であって、本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えるように、発光色を変化させることができるクロスモダリティ光源(クロスモダリティLED5)を備えることを特徴とする。
【0143】上記構成によれば、本来の感覚とは異なる感覚をユーザーに与えるように、発光色を変化させることができるクロスモダリティ光源を備えることで、当該装置を使用するユーザーに対して、クロスモダリティ効果を発現させて、ユーザーが得る感覚を変えることができる。例えば、保持されている食品に関するクロスモダリティ効果を利用することにより、食欲を制御することができきる。また、例えば、当該装置に関するクロスモダリティ効果を利用することにより、家事負担を軽減することができる。
【0144】本発明の態様2に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記クロスモダリティ光源は、前記食品保持部の内部に光を照射し、前記食品保持部の内部を照明する内部灯(庫内灯6)を備え、時刻に応じて前記クロスモダリティ光源が照射する光の強度と、前記内部灯が照射する光の強度とのバランスを変化させる構成である。
【0145】上記構成によれば、内部灯とクロスモダリティ光源の光の強度のバランスを変化させて、それらの照度のバランスを変えることで、視認性を確保しつつ、クロスモダリティ効果を得ることができる。
【0146】本発明の態様3に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記クロスモダリティ光源は、時刻に応じて発光色または照射する光の強度を変化させる構成である。
【0147】上記構成によれば、時刻に応じて、クロスモダリティ効果によってユーザーが得る感覚あるいはクロスモダリティ効果の強さを変えることができる。これにより、例えば、クロスモダリティ効果にて食欲を制御する場合、食事の時間帯や、空腹を感じる時間帯に合わせてクロスモダリティ効果を発現させることで、より効果的に食欲を制御することができる。
【0148】本発明の態様4に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記クロスモダリティ光源は、予め設定された食事または食事準備の時間帯と、他の時間帯とで発光色または照射する光の強度を異ならせる構成である。
【0149】上記構成によれば、食事や食事準備の時間帯と、他の時間帯とで、クロスモダリティ効果にて得られる感覚を変えることができるので、食欲を制御する場合に、より効果的に食欲を制御することができる。
【0150】本発明の態様5に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記クロスモダリティ光源は、前記他の時間帯において、食欲を抑制する色で発光する構成である。
【0151】上記構成によれば、食事や食事準備の時間帯以外で、食欲を抑制する色で発光するので、間食を減らすことができ、減量効果が期待できる。
【0152】本発明の態様6に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記クロスモダリティ光源は、前記食品保持部の内部に光を照射し、前記食品保持部の内部を照明する内部灯を備え、前記食品保持部が開けられてから経過した時間に応じて前記クロスモダリティ光源が照射する光の強度と、前記内部灯が照射する光の強度とのバランスを変化させる構成である。
【0153】上記構成によれば、食品保持部が開けられてから経過した時間に応じて、ユーザーに発現させるクロスモダリティ効果の強弱を変えることができる。これにより、視認性を確保しつつも、例えば、食品に対する鮮度感のクロスモダリティ効果を効果的に与え得るなどの効果を奏する。
【0154】本発明の態様7に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記食品保持部を開閉時に用いる取っ手を備え、前記クロスモダリティ光源は、前記取っ手を照明する構成である。
【0155】上記構成によれば、クロスモダリティ効果により、例えば、扉や引き出しの開閉を軽く感じることばできるといった効果を奏する。
【0156】本発明の態様8に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、ユーザーが操作する操作部を備え、前記クロスモダリティ光源は、前記操作部に配置されている構成である。
【0157】上記構成によれば、直接、触れる操作部にクロスモダリティ光源を配置することで、当該装置の表面温度を感じさせることができる。例えば、クロスモダリティ光源を暖色とすることで、食品を温かいと感じるクロスモダリティ効果を発現させることがでる。一方、クロスモダリティ光源を寒色とすることで、食品を冷たいと感じるクロスモダリティ効果を発現させることがでる。
【0158】本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0159】1 食品保存機(食品保持部を備えた装置) 2、51、本体部 4、8 保存室(食品保持部) 5 クロスモダリティLED(クロスモダリティ光源) 6 庫内灯(内部灯) 7、57 操作部 10 発光制御部 11 検出部 12 記憶部 50 食品加熱機(食品保持部を備えた装置) 53 加熱室(食品保持部) 56 白色灯
ヒントあり野菜保存用照射装置
特開2005-065622 / 出願人: 株式会社エムビーアール / 発明者: 守谷 正平、中村 富茂夫、粕谷 周史 / 出願日: 2003-08-26 / 公開日: 2005-03-17 / 検索26位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 野菜種別に赤青緑LEDの色組合せを選択 野菜室に赤・青・緑のLED照射板をエリア分割して設け、収納する野菜の種類に応じてエリアごとの発光色の組合せを選び、光強度も制御して鮮度を保つ。
▸ 示唆: 光の色の組合せを野菜に合わせて変える発想は参考になるが、遠赤色や白色光との照度比は扱わず、メモの幹とは方向が異なる。
AIが精読したのは全33段落のうち検索が当てた8チャンク(33段落・100%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#6この発明は、野菜の種類に応じて適切な波長の光を照射することのできる野菜保存用照射装置に関する。
【0002】植物というのは、特定の波長の光があればその栽培や育成が可能である、と言われている。また、上記特定の波長の光を照射することによって、植物の鮮度も維持することができる、と言われている。この性質を利用して、冷蔵庫内に収納した葉菜類の鮮度を保持する冷蔵庫として、例えば、特開2002−267348号公報に記載された発明が従来から知られている。この従来の冷蔵庫では、冷蔵庫内の緑色葉菜類の鮮度を保持するために、葉菜類の収納容器に、特定の波長の光を照射する弱光照射装置を配置している。 上記弱光照射部は、葉菜類の鮮度保存に適した約660nmの波長の光を出力する赤色光発光ダイオード素子(以下「LED」という)によって構成されている。野菜室に収納した葉菜類に、弱光照射部によって約660nmの波長の光を照射することで、葉菜類の鮮度を高く保持するものである。 特開2002−267348号公報
【0003】上記従来の冷蔵庫では、弱光照射部を構成するLEDは、赤色LEDだけであるため、弱光照射部は、常に一定の波長の光を照射する。 この一定の波長の光は、葉菜類には適しているが、葉菜類以外の野菜に対して、必ずしも適しているわけではない。
【0004】そこで、野菜室内に、葉菜類と異なる種類の野菜を収納した場合には、葉菜類以外の野菜の鮮度を必ずしも高く保持することができないという問題があった。 この発明の目的は、野菜室に収納した野菜の種類に適した波長の光を照射することができる野菜保存用照射装置を提供することである。
【0005】#7第1の発明は、冷蔵庫の野菜室に、赤・青・緑の3色の発光ダイオード素子を複数配置した照射板を設け、この照射板を複数のエリアに区分し、エリアごとに照射する発光ダイオード素子の発光色の組合せを変更するための選択手段を設けたことを特徴とする。
【0006】第2の発明は、第1の発明において、光強度制御部を備え、この光強度制御部によって、発光ダイオード素子のオンオフや照射する光強度を制御することを特徴とする。
【0007】第1の発明によれば、照射板が照射する光の波長を、エリアごとに変更できるので、種類の異なる野菜を混在して野菜室に収納した場合に、野菜の種類に適した波長の光を照射することができる。 このように野菜の種類に適した波長の光を照射すれば、種類の異なる野菜を野菜室に収納した場合であっても、全ての野菜の鮮度を高く保つことができる。
【0008】第2の発明によれば、光強度制御部によって断続的に、LEDをオンオフしたり、照射する光強度を変えたりすることができる。このようにすれば、LEDの焦点にあたる野菜の部分が光焼けすることを防止できる。
【0009】図1〜図4は、この発明の野菜保存用照射装置の実施形態を示したものである。 冷蔵庫1には野菜室2が備えつけられている。この野菜室2は、引出し状に構成され、野菜の出し入れを可能にしている。野菜室2の上方には、照射板3が設置されている。この照射板3は、3つのエリア4a,4b,4cに区分されている。 また、野菜室2は、仕切り板5によって3つのエリア2a,2b,2cに区画されていて、これらエリア2a,2b,2cを、上記照射板3のエリア4a,4b,4cに対応させている。
◆ この文献の解決アプローチ
野菜種別に赤青緑LEDの色組合せを選択
文献: 冷蔵庫の野菜室に、赤・青・緑の3色の発光ダイオード素子を複数配置した照射板を設け、この照射板を複数のエリアに区分し、エリアごとに照射する発光ダイオード素子の発光色の組合せを変更するための選択手段を設けたことを特徴とする。
光の色の組合せを野菜に合わせて変える発想は参考になるが、遠赤色や白色光との照度比は扱わず、メモの幹とは方向が異なる。
【0010】#5照射板3は、図3に示すように、エリア4a,4b,4cごとに、操作部6と、基板7とを備えている。 上記基盤7の片面7aには、複数のLED9を配置している。これらLEDは、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDの3種類のLEDによって構成されている。そして、これらLED9を配置した面7aが、野菜室2内の野菜に対向するようにしている。
【0011】図3において、Rは赤色LED、Gは緑色LED、Bは青色LEDを表している。そして、赤色LEDと緑色LEDを交互に一列に配置し、その隣に、青色LEDのみの列を配置している。この青色LEDのみの列の隣に、緑色LEDと赤色LEDを交互に一列に配置し、さらに隣には青色LEDのみの列を配置している。各列の個々のLEDは、隣合う列の個々のLEDと互い違いに配置するようにしている。 なお、図3に示したLEDの配列は、一例であって、いずれの色のLEDも基板7の面7a全体に片寄りなく配置されていれば、どのような配置でもよい。
【0012】上記操作部5は、何色のLED9をオンにするかを選択する選択手段8からなり、この選択手段8は、八つのボタンを備えている。すなわち、この選択手段8は、赤色単色を選択するボタンと、青色単色を選択するボタンと、緑色単色単色を選択するボタンと、赤色と青色の混合を選択するボタンと、赤色と緑色の混合を選択するボタンと、青色と緑色の混合を選択するボタンと、赤色と青色と緑色の3色混合を選択するボタンと、全部のLED9をオフにするボタンとから成る。
【0013】#1上記選択手段8の八種類のボタンは、次のようにして選択する。 例えば、葉緑素が光を吸収するピークは赤色660nm付近であるため、赤色は光合成に最も寄与し、植物が好むといわれている。そこで、赤色だけで育つと言われるリーフレタスや小松菜などを保存するときは、赤色単色を選択するボタンをオンにする。
【0014】また、450nm付近の青色の光は、植物の形態形成に必要であるといわれており、赤色の光と青色の光を混合すると切花長が伸びる等の効果がある。 そこで、カット野菜のみずみずしさを保持しつつ、保存期間を延ばそうとするときは、赤色と青色の混合を選択するボタンをオンにする。
【0015】一方、光を当てないほうがよい野菜もある。このような野菜を保存するときは、全部のLED9をオフにするボタンをONにする。
【0016】なお、発光体としてLED9を使用するのは、そのピーク波長が植物の光合成に適しているからであるが、他に次のような理由もある。すなわち、LED9の光照射によって発生する熱は極めて小さい。そのため、仮に野菜室2に大量の野菜が収納され、野菜が照射板3に直接触れたとしても、野菜類が焼ける心配はないということである。
【0017】一方、図4に示すように、上記基板7の他の面7b、つまりLED9を配置した側と反対側の面には、LED9をオン、オフするための制御手段20が実装されている。この制御手段20は、どのLED9をオンにするのかを記憶したICや、タイマなどを備えている。
【0018】また、基板7の片面7bには、特に図示していないが光強度制御部を備えている。この光強度制御部は、タイマーと、一定の時間間隔ごとにLEDの入力電流の大きさを制御し、光強度を調整するためのプログラムが記憶されたICなどから構成される。
【0019】#3なお、上記基板7の基板材料は、金属でも樹脂でも何でもよいが、光反射効率が優れたNiなどの金属を使用すると、基板表面自体を反射板として活用できる。あるいは、樹脂製の基板を使うならば、各LED9にレンズを形成することで反射板11を構成し、反射効率を改善してもよい。
【0020】次に、この実施形態の使用の仕方を説明する。 野菜室2には、野菜の種類、たとえば、果菜類、葉茎菜類、根菜類等の種類ごとに収納する。その際、野菜室2は、仕切り板5で3つのエリア2a、2b、2cに区分されているので、エリアごとに同じ種類の野菜を整理して収納する。そして、この野菜室2の区分に対応した照射板3のエリア4に設けられた操作部6の選択手段8のうち、収納した野菜に適したボタンを選択する。選択手段8のボタンを選択すると、ICに記憶されているボタンに対応したLED9だけをオンにする。このようにして、野菜の種類に応じて、適切な波長のLEDの光を照射すれば、各野菜の鮮度を保持することができる。
【0021】この実施形態では、単色あるいは2色または3色のLEDを組合せたボタンを選択手段8に設けたが、それ以外のボタンを選択手段8に設けてもよい。 例えば、緑色葉菜類に最適なLED9をオンにするボタンや、ナスやマメのような果菜類に最適なLED9をオンにするボタンというように、収納する野菜の種類に適したボタンを選択手段8に設けてもよい。この場合、ボタンの表面に対象となる野菜の種類が絵で表示されているとよい。このようにすれば、利用者にとって使い勝手が良い。
【0022】#4なお、流通している野菜の種類は150くらいあるといわれるほど多種類でる。 また、同じ根菜であってもジャガイモに光をあてると有害物質が増えるので光を当てるべきではないのに対し、植物の根に当るサツマイモは、光をあてることはさしつかえない、といった違いもある。
【0023】このように野菜の種類に、最適なLED9の組合せを対応させようとすると、何通りもの組合せがあり、オンにするための選択手段8の種類が多くなりすぎることが考えられる。 そこで、この実施形態では、LEDの色の組合せに応じ、計8通りだけのボタンを設けた。
【0024】ところで、上記したように、特定のLED9をオンにした状態が続くと、そのLED9の光を照射された部分が光焼けする場合がある。 そこで、光強度制御部によって断続的に、LED9をオフにしたり、光強度を変えたりするとよい。 たとえば、適当な時間間隔をおいてLED9への入力電流を制御すれば、野菜類へ照射する光強度が調節できる。
【0025】また、この実施形態では、照射板3の各エリア4a,4b,4cの直下に収納されている野菜の種類に応じて、何色のLED9をオンにするかをエリア毎に適宜変更できる。
【0026】例えば、図5に示すように、野菜室2のエリア2aにはジャガイモが収納され、エリア4bに対応した野菜室2のエリア2bには、リーフレタスが収納され、エリア4cに対応した野菜室2のエリア2cには、ほうれん草が収納されているとする。
【0027】#2この場合、エリア4aでは、全てのLED9をオフにするボタンを操作部6から選択すればよい。ジャガイモは光をあてないほうがよいからである。エリア4bでは、操作部6から、赤色単色のLED9をオンにするボタンを選択すればよい。リーフレタスは赤色の光だけでも育つと言われているからである。エリア4cでは、操作部6から、赤色と青色のLED9をオンにするボタンを選択すればよい。
【0028】このように、オンにするLED9の種類を、照射板3のエリア4a,4b,cごとに変更できるので、種類の異なる野菜を野菜室2に一度に収納した場合であっても、野菜の種類に応じた適切な波長の光をその野菜に照射することができる。 また、エリア4ごとにLED9をオンにしたりオフにしたりすることができるので、光を照射しないエリアも野菜室2内に設けることができる。
【0029】ところで、上記の実施形態では、照射板3を、野菜室2の上方に設置しているが、このように照射板3を上方に設置したのは、野菜の出し入れ等のために野菜室2を引き出すときにも、障害にならないので便利だからである。また、このように上方から照射する構成にすると、照射板3自体を野菜室2の蓋としても利用することができるからである。 さらに、上記照射板3は、野菜室2の側面に設置してく、野菜室2の底面に設置してもよい。
【0030】上記の実施形態では、冷蔵庫1内の野菜室2に照射板3を設置することを前提としているが、この照射板3は、冷蔵庫1内の野菜室2以外にも用いることができる。例えば、台所の流し台の下等に収納しておく野菜保存容器にこの照射板3を設けてもよい。
【0031】#8ところで、光の強度というのは、野菜の鮮度に大きな影響を与えるものであり、強すぎると、その鮮度に悪影響を及ぼす場合がある。そこで、上記の実施形態に、光強度の初期値を設定できる手段を追加して、この設定手段により、野菜種類に応じたLEDへの入力電流の最大値を予め設定するようにしてもよい。このように光強度を野菜の種類に応じて可変にすれば、野菜へ照射される光によって野菜の鮮度に悪影響を与えるといった問題を回避できる。
【0032】実施形態の冷蔵庫内の野菜室を示す斜視図である。 実施形態の野菜室と照射板を示す斜視図である。 実施形態の照射板の構成を示す斜視図である。 実施形態の照射板の断面図である。 実施形態の野菜室に野菜を収容した状態を示す概念図である。
【0033】1 冷蔵庫 2 野菜室 3 照射板 4 (照射板の)エリア 8 選択手段 9 LED
ヒントあり野菜ボックスを有する冷蔵庫
特表2009-537792 / 出願人: デーウー・エレクトロニクス・コーポレイション / 発明者: 鄭丁碩 / 出願日: 2007-03-29 / 公開日: 2009-10-29 / 検索29位 / 複数色の強度比で絞る派
アプローチ: 野菜ボックスLEDで葉緑素分解を抑制 野菜ボックスに450〜700nmのLEDを設け、透明な貯蔵部を導光体として光を均等に供給し、葉緑素やビタミンCの分解を抑えて鮮度を保つ。扉センサに応じて点灯を制御する。
▸ 示唆: 光で葉緑素の分解を抑え鮮度を保つという課題意識は同じだが、光の波長・比率の設計はなく、均一照射のための導光構造に重心がある。
AIが精読したのは全83段落のうち検索が当てた10チャンク(61段落・73%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#1本発明は、野菜の光合成の促進が可能な野菜ボックスを有する冷蔵庫に関し、さらに詳しくは、冷蔵庫の野菜ボックスに貯蔵されている野菜に対して光合成に必要な光を照射することにより前記野菜の新鮮度を保つようにした、野菜の光合成の促進が可能な野菜ボックスを有する冷蔵庫に関する。
【0002】一般に、冷蔵庫は、冷却サイクルを行うための圧縮器、凝縮器、膨脹装置及び蒸発器を備えており、冷却サイクルで生成された冷気によって食料品の新鮮度を長期間保つように構成されている。
【0003】このような冷蔵庫は、その外観をなす本体の内部に、食料品を冷凍貯蔵する冷凍室と、食料品を冷蔵貯蔵する冷蔵室とが画成されており、食料品をその貯蔵温度に応じて冷蔵室又は冷凍室のいずれかに貯蔵することができる。
【0004】図1は、従来の冷蔵庫10の構成を示す図である。冷蔵庫10の冷蔵室は、大量の食料品(例えば野菜や果物など)を別々に貯蔵するために、複数の棚11と、野菜室12とを備えている。
【0005】このような冷蔵庫は、単に前記冷気を調節するだけで、貯蔵されている野菜を低温状態に維持し、それによって、野菜の新鮮度を一定期間保つことができる。しかし、野菜を長期間貯蔵する場合は、野菜の新鮮度を保つことができない。
【0006】野菜は植物であるため、冷蔵庫内に貯蔵している間でも、呼吸及び蒸散作用を行う。そのため、野菜の新鮮度を保つためには、前記呼吸及び蒸散作用を抑制する必要がある。
【0007】#9そこで、従来の冷蔵庫は、呼吸作用を抑制するために低温で、かつ蒸散を防止するために高湿で野菜を貯蔵することによって、ある程度の新鮮度を保つようにしていた。しかし、従来の冷蔵庫は、野菜に含まれている葉緑素の分解を防止することはできないので、一定期間経過後は、野菜に含まれている葉緑素の濃度の低下に起因して、新鮮度を維持することができないという問題があった。
【0008】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、冷蔵庫に貯蔵されている野菜の新鮮度を保つために前記野菜に含まれている葉緑素の分解を防止することができる、野菜の光合成の促進が可能な野菜ボックスを有する冷蔵庫を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、貯蔵されている野菜に対して光合成に必要な光を均等かつ効率的に供給することができる、野菜ボックスを有する冷蔵庫を提供することにある。
【0010】また、本発明のさらなる別の目的は、冷蔵庫の扉の開閉状態に応じて、貯蔵されている野菜に対して光合成を促進するための光を放射することができる、野菜ボックスを有する冷蔵庫を提供することにある。
【0011】前記目的を達成するために、本発明の一様態によれば、前記冷蔵庫の扉の開状態及び閉状態を検出する扉センサを有する本体部と、野菜を収容する空間を提供するために前記本体部内に設置された、前記野菜をその中に貯蔵するための貯蔵部及び前記貯蔵部の内側に前記野菜の光合成に必要な光を放射するための光合成促進部を含む野菜ボックスと、前記扉センサの検出結果に応じて前記光合成促進部を駆動させるための制御信号を出力する制御部とを備える冷蔵庫が提供される。
【0012】#8また、本発明の他の様態によれば、冷蔵庫に用いられる、野菜の光合成の促進が可能な野菜ボックスであって、野菜を収納する空間を提供する、上部が開放された貯蔵部と、前記貯蔵部を光伝搬媒体として利用して前記野菜の光合成に必要な光を伝搬させるべく前記貯蔵部の側壁の上面に設置された光合成促進部とを備える野菜ボックスが提供される。
【0013】また、本発明のさらなる別の様態によれば、野菜の光合成の促進が可能な冷蔵庫の野菜ボックスであって、野菜を収納する空間を提供する、上部が開放された貯蔵部と、前記貯蔵部の上部を開閉できるように前記貯蔵部の前記上部に回動自在に連結されたカバー部と、前記貯蔵部を光伝搬媒体として利用して前記野菜の光合成に必要な光を伝搬させるべく前記カバー部の底面に設置された光合成促進部とを備える野菜ボックスが提供される。
【0014】本発明によれば、冷蔵庫の棚に貯蔵されている野菜の光合成に必要な光を十分に供給することができる。したがって、前記野菜の葉緑素の分解を防止することができるので、冷蔵庫の棚に貯蔵されている野菜の新鮮度を保つことができるという効果を奏する。
【0015】以下、添付した図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。
【0016】(第1実施形態)
【0017】図2は、本発明による野菜の光合成の促進が可能な野菜ボックスを有する冷蔵庫を示す図であり、図3〜図7は、本発明の第1実施形態による野菜ボックスを示す図である。
【0018】#6図2に示すように、本発明による冷蔵庫は、本体部200の内部下段に、野菜や果物などを貯蔵するための空間を提供する野菜ボックス100を備える。野菜ボックス100は、前記野菜の光合成を促進する働きをする光の放射に必要な電力を供給するための配線(図示せず)を有する。また、野菜ボックス100は、冷蔵庫扉210の開閉状態を検出する扉開閉センサ(扉センサ)211の出力信号に応じて野菜ボックス100の光放射を制御するための信号を出力する制御部220(図7参照)を有する。
【0019】また、図3及び図4に示すように、野菜ボックス100は、野菜に対して光合成に必要な光を放射する光合成促進部110と、光合成促進部110から放射された光を分散させるレンズ部120と、前記野菜を収容するために上部が開放された直方体状の貯蔵部130と、光合成促進部110から放射された光を貯蔵部130の内側に向けて反射する反射部140とを有する。
【0020】光合成促進部110は、冷蔵庫200から供給される電源によって駆動され、制御部220の制御信号によって制御される。光合成促進部110は、印刷回路基板と、野菜の光合成に必要な光を放射する光放射部111とから構成されることが好ましい。光放射部111は、前記印刷回路基板上に1列以上で配置される。
【0021】発光ダイオード、チップLED、白色蛍光灯、白熱電灯などの発光素子を、光放射部111として用いることができる。これらの発光素子のうちでは、チップLEDが最も好ましい。
【0022】また、光放射部111は、450〜700nmの範囲の波長の光を放射することが好ましい。この範囲の波長は、野菜の新鮮度を低下させる生物学的又は化学的プロセスを抑制することができる。
【0023】#2具体的に言うと、野菜の葉に含まれている葉緑素の分解が抑制される。したがって、葉緑素濃度の減少が抑制されるので、野菜の色が緑色に保たれる。さらに、野菜に含まれているビタミンCの量の減少が抑制される。したがって、野菜に含まれている栄養成分を損うことなく、長期間に渡って野菜の新鮮度を保つことができる。
【0024】一方、光合成促進部110は野菜ボックス100の上側部分の底面に配置され、好ましくは、光放射部111から放射された光が貯蔵部130の側壁131の上面131aに照射されるようにする。したがって、光放射部111から放射された光は、貯蔵部130を光伝搬媒体として通って、貯蔵部130の内側に伝搬される。
【0025】光合成促進部110は、上部が開放された直方体状の貯蔵部130の側壁131の壁厚と同じ厚さの幅を有するように形成される。さらに、光合成促進部110に1列以上で配置される光放射部111は、貯蔵部130の側壁上面131aと対応するように設置される。
【0026】図8は、光合成促進部の変形例110aを示す図である。野菜ボックス100の上側部分の底面に設置される光合成促進部110aは、矩形状の印刷回路基板(図示せず)と、前記印刷回路基板上に所定の間隔で行列状に配置された光放射部111aとから構成される。さらに、野菜ボックス100は、貯蔵部130の開放された上部から、光が照射されるように構成され得る。
【0027】図4〜図6を参照して、レンズ部120は、光合成促進部110と貯蔵部130との間に設置され、光合成促進部110から照射された光を屈折させて分散させる。このことにより、光放射部111から放射された光は、十分に分散された状態で、貯蔵部130の側壁上面131aに到達する。
【0028】#7また、光放射部111から放射された光を十分に分散させるために、レンズ部120は、光合成促進部110に設置された光放射部111と対応する位置に1つ以上の凹レンズ121を有する。
【0029】さらに、レンズ部120は、野菜ボックス100の上側部分の底面に設置された光合成促進部110と密着するように配置することもできる。また、レンズ部120は、貯蔵部130の側壁の上面131aに設置することもできる。
【0030】野菜ボックス100に設置された貯蔵部130は、その中に様々な種類の野菜や果物などを貯蔵するために、上部が開放された直方体状に構成されている。貯蔵部130は、例えばアクリルや強化プラスチックなどの、光伝搬が容易な透明材料から作成され、好ましくは、アクリル材料から作成される。
【0031】光放射部111から放射された光が貯蔵部130の上面を通って貯蔵部130へ伝搬されるように野菜ボックス100を構成することにより、透明材料からなる貯蔵部130を光伝搬媒質として前記光を貯蔵部130の全ての構成面に伝搬させることができる。したがって、貯蔵部130に貯蔵されている野菜に対して、光合成に必要な光を均等に供給することができる。
【0032】野菜の光合成に必要な光が、空気のみを光伝搬媒媒体として野菜へ伝搬される場合、光源から遠く離れた位置にある野菜や他の野菜の陰に隠れた野菜には光が届かない。本実施形態では、貯蔵部130を光伝搬媒体として使用することによって、この問題を解決することができる。
【0033】また、図4〜図6に示すように、貯蔵部130を光伝搬媒媒体として伝搬された光を貯蔵部130の内側に向けて反射するために、貯蔵部130の外面に反射部140が設置されている。
【0034】この構造により、反射部140は、光放射部111から放射された光が貯蔵部130の外部に伝搬するのを防止することができ、その結果、より多くの光を貯蔵部130の内側に伝搬させることができる。
【0035】そのため、より多くの光を貯蔵部130の内側に向けて屈折させることができるように、反射部140は、1つ以上の凸ミラーを含むことが好ましい。
【0036】扉開閉センサ211は、図2に示すように、本体部200と扉210との間に設置され、扉210の開閉状態を検出し、扉開信号及び扉閉信号を制御部220へ送信する。扉開閉センサ211としては、従来の扉開閉センサが使用される。
【0037】制御部220が扉開閉センサ211から扉開信号を受信した場合は、制御部220は、光合成促進部110の駆動を停止させるために、光合成促進部110の駆動を停止させる制御信号を光合成促進部110へ出力する。一方、制御部220が扉開閉センサ211から扉閉信号を受信した場合は、制御部220は、光合成促進部110から光を放射させるために、光合成促進部110の駆動を再開させる制御信号を出力する。
【0038】本発明の第1実施形態では、光合成促進部110は、冷蔵庫の野菜ボックス100の上側部分の底面に設置されると説明した。しかし、光合成促進部110を野菜ボックス100の下側部分の上面に設置し、野菜ボックス100の下部から貯蔵部130の側壁の底面へ向かって光を上向きに放射して、貯蔵部130の内側に光を伝搬させるように構成することも可能である。
【0039】この場合、貯蔵部130の外面に設置される反射部140は、貯蔵部130の底面を除く貯蔵部130の外面全体に設置される。
【0040】このようにして、冷蔵庫の野菜ボックス100に貯蔵されている野菜の新鮮度を保つことができる。
【0041】(第2実施形態)
【0042】#4図9〜図11は、本発明の第2実施形態による、野菜の光合成の促進が可能な冷蔵庫の野菜ボックス300を示す図である。以下、添付した図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。
【0043】図9に示すように、野菜ボックス300は、野菜ボックス300に貯蔵されている野菜に対して光合成に必要な光を放射する光合成促進部320と、野菜を貯蔵するための直方体状の貯蔵部130とを含む。
【0044】また、光合成促進部320は、貯蔵部330の枠部(peripheral portion)の上面に適合する形状を有する印刷回路基板(図示せず)と、前記印刷回路基板上に1列以上で配置され、野菜の光合成に必要な光を放射する光放射部321と、光放射部321を駆動させるための電力の供給を受けるために、外部装置と電気的に接続する接続部322とからなる。
【0045】発光ダイオード、チップLED、白色蛍光灯、白熱電灯などの発光素子を、光放射部321として用いることができる。これらの発光素子のうちでは、チップLEDが最も好ましい。
【0046】光放射部321としてチップLEDが好ましい理由は、表面実装技術を用いることにより、光放射部321の製造時間及びコストを効率良く削減することができることと、光合成促進部320のサイズを小さくすることができることである。
【0047】また、光放射部321は、450〜700nmの範囲の波長の光を放射することが好ましい。この範囲の波長は、野菜の新鮮度を低下させる生物学的又は化学的プロセスを抑制することができる。
【0048】具体的に言うと、野菜の葉に含まれている葉緑素の分解が抑制される。したがって、葉緑素濃度の減少が抑制されるので、野菜の色が緑色に保たれる。さらに、野菜に含まれているビタミンCの量の減少が抑制される。したがって、野菜に含まれている栄養成分を損うことなく、長期間に渡って野菜の新鮮度を保つことができる。
◆ この文献の解決アプローチ
野菜ボックスLEDで葉緑素分解を抑制
文献: 光放射部321は、450〜700nmの範囲の波長の光を放射することが好ましい。この範囲の波長は、野菜の新鮮度を低下させる生物学的又は化学的プロセスを抑制することができる。
光で葉緑素の分解を抑え鮮度を保つという課題意識は同じだが、光の波長・比率の設計はなく、均一照射のための導光構造に重心がある。
【0049】#5一方、光合成促進部320は貯蔵部330の枠部の上面に設置されるので、光合成促進部310に1列以上の列で配置された光放射部321から放射された光は、貯蔵部330の枠部の上面に照射される。
【0050】このとき、光放射部321から放射された光は、貯蔵部130を光伝搬媒体として貯蔵部330の全ての構成面に伝搬される。その結果、前記光は、貯蔵部330の内面及び外面を通って、貯蔵部330内に照射される。
【0051】接続部322は、冷蔵庫又は外部電源と電気的に接続するように、光合成促進部320の一側に設置される。したがって、光合成促進部320の駆動に必要な電力は、冷蔵庫又は外部電源から供給される。接続部322は、コネクタであることが好ましい。
【0052】貯蔵部330は、その中に様々な種類の野菜や果物などを貯蔵するために、上部が開放された直方体状に構成されている。貯蔵部130は、例えばアクリルや強化プラスチックなどの、光伝搬が容易な透明材料から作成され、好ましくは、アクリル材料から作成される。
【0053】また、貯蔵部330の枠部の上面には、光放射部321を挿入可能な挿入凹部331が形成される。この構造により、光放射部321から放射された光は、貯蔵部330を通って伝搬される。
【0054】光放射部321から放射された光が貯蔵部330の枠部の上面を通って貯蔵部330へ伝搬されるように野菜ボックス300を構成することにより、透明材料からなる貯蔵部130を光伝搬媒質として前記光を貯蔵部330の全ての構成面に伝搬させることができる。したがって、貯蔵部330に貯蔵されている野菜に対して、光合成に必要な光を均等に供給することができる。
【0055】#10野菜の光合成に必要な光が、空気のみを光伝搬媒媒体として野菜へ伝搬される場合、光源から遠く離れた位置にある野菜や他の野菜の陰に隠れた野菜には光が届かない。本実施形態では、貯蔵部330を光伝搬媒体として使用することによって、この問題を解決することができる
【0056】また、貯蔵部330を光伝搬媒媒体として伝搬された光を貯蔵部130の内側に向けて反射するために、反射部140が貯蔵部330の外面に設置されている。
【0057】この構造により、反射部340は、光放射部321から放射された光が貯蔵部130の外部に伝搬されるのを防止することができ、その結果、より多くの光を貯蔵部130の内部に照射させることができる。
【0058】そのため、大量の光を貯蔵部330の内側に向けて屈折させることができるように、反射部340は、1つ以上の凸ミラーを含むことが好ましい。
【0059】さらに、光合成促進部320と貯蔵部330とをより強固に結合させるために、及び光合成促進部320が外部に露出するのを防止するために、保護カバー310が光合成促進部320の上部に設置される。
【0060】(第3実施形態)
【0061】図12〜図15は、本発明の第3実施形態による野菜の光合成の促進が可能な冷蔵庫の野菜ボックス500を示す図である。以下、添付した図面を参照しつつ、本発明の第3実施形態について説明する。
【0062】図12に示すように、野菜ボックス500は、光を放射する発光装置を有する、野菜ボックス500の上部を開閉するためのカバー部510と、その内部に野菜を貯蔵するための直方体状の貯蔵部520と、カバー部510を貯蔵部520と回動自在に連結する回転軸530と、カバー部510の前記発光装置から放射された光を貯蔵部510の内側に向けて反射する反射部540とを備える。反射部540は、貯蔵部520の外面に設置される。
【0063】この構造により、反射部540は、前記発光装置から放射された光が貯蔵部520の外部に伝搬されるのを防止することができ、その結果、より多くの光を貯蔵部130の内側に伝搬させることができる。
【0064】そのために、より多くの光を貯蔵部520の内側に向けて屈折させることができるように、反射部540は、1つ以上の凸ミラーを含むことが好ましい。
【0065】図13及び図14に示すように、カバー部510は、貯蔵部520の上部を覆うカバーフレーム511と、貯蔵部520に収納されている野菜に光を放射するための光放射部513を含む光合成促進部512と、光合成促進部512及び光放射部513を保護するための、透明材料から成る光放射部保護カバー514と、光放射部513を駆動させるための電力の供給を受けるために外部装置と電気的に接続する接続部550とを備える。
【0066】カバーフレーム511の底面には、光合成促進部512を収容するための凹部が形成される。カバーフレーム511の一側端部は、回転軸530によって貯蔵部520と回動自在に連結される。
【0067】発光ダイオード、チップLED、白色蛍光灯、白熱電灯などの発光素子を、光放射部513として用いることができる。これらの発光素子のうちでは、チップLEDが最も好ましい。
【0068】また、光放射部513は、450〜700nmの範囲の波長の光を放射することが好ましい。この範囲の波長は、野菜の新鮮度を低下させる生物学的又は化学的プロセスを抑制することができる。
【0069】さらに、光放射部513は、450〜700nmの範囲の波長を有する光を放射することが好ましい。
【0070】光放射部保護カバー514は、透明材料から作成され、光合成促進部512の印刷回路基板に適合する形状を有する。また、図13に示すように、光放射部保護カバー514の一方の面には、光放射部513を収容するための収容凹部515が形成される。したがって、光放射部513から放射された光は、収容凹部515を通って伝搬される。
【0071】図15に示すように、光放射部保護カバー514の代わりに、光放射部513から放射された光を屈折させて散乱させるためのレンズ部516を光放射部513の正面に設置することもできる。
【0072】光放射部513から放射された光は、光源から直進的に伝搬されるので、光の大部分は光放射部513の正面に位置する野菜へ伝搬される。そのため、貯蔵部520の他の位置に貯蔵されている野菜に対しては、十分な量の光を供給することができない。
【0073】この欠点を解決するために、光放射部513から放射された光を屈折させて、貯蔵部520の位置の全ての位置に、特に光放射部513の正面以外の位置に、十分に伝搬されるように、光放射部513と対応するレンズ部516に凹レンズ517が形成される。
【0074】光合成促進部512の一側に設置された接続部550は、光合成促進部320の駆動に必要な電力を冷蔵庫又は外部電源から供給することができるように、冷蔵庫又は外部電源と電気的に接続される。接続部550は、コネクタであることが好ましい。
【0075】この構造により、カバー部510の光合成促進部512に設置された光放射部513から放射された光は、光放射部保護カバー514を経て、貯蔵部520に伝搬される。
【0076】#3また、上述したように、光放射部保護カバー514の代わりに、凹レンズ517を有するレンズ部516を設置することができる。この場合、光放射部513から放射された光をより広範囲に分散させて貯蔵部520の内側に伝搬させることができる。
【0077】貯蔵部520は、その中に様々な種類の野菜や果物などを貯蔵するために、上部が開放された直方体状に構成されている。貯蔵部130は、例えばアクリルや強化プラスチックなどの、光伝搬が容易な透明材料から作成され、好ましくは、アクリル材料から作成される。
【0078】また、貯蔵部520の上部から放射された光を貯蔵部520の内側に向けて反射するために、貯蔵部520の外面に反射部540が設置される。
【0079】反射部540は、光放射部513から放射された光が貯蔵部520の外部に伝搬されるのを防止することができ、その結果、より多くの光を貯蔵部530の内側に伝搬させることができる。
【0080】そのために、より多くの光が貯蔵部130の内部に向けて屈折させることができるように、反射部540が1つ以上の凸ミラーを含むことが好ましい。
【0081】上述した複数の実施形態では冷蔵庫に用いられる野菜ボックスについて説明したが、接続部550を介して光放射部513に十分な電力が供給される限り、この野菜ボックスは、その中に貯蔵されている野菜の光合成を促進するのにも使用することができる。
【0082】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想の範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更及び変形が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属することを了解されたい。
【0083】従来の冷蔵庫を示す斜視図である。 本発明による野菜ボックスを有する冷蔵庫の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による野菜ボックスの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による野菜ボックスの組み立て前の状態を示す側断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例による野菜ボックスの組み立て前の状態を示す側断面図である。 本発明の第1実施形態による野菜ボックスの組み立てた状態を示す正断面図である。 本発明の第1実施形態による野菜の光合成を制御するための構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の変形例による野菜ボックスの光合成促進部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態による野菜ボックスの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態による野菜ボックスの組み立てた状態を示す側断面図である。 本発明の第2実施形態による野菜ボックスの組み立てた状態を示す正断面図である。 本発明の第3実施形態による野菜ボックスの構成を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態による野菜ボックスに設置された光合成促進部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第3実施形態による野菜ボックスの組み立てた状態を示す側断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例による野菜ボックスの組み立てた状態を示す側断面図である。
ヒントあり冷蔵庫
特開2018-040539 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 柴田 舞子、松本 真理子、内田 毅、伊藤 敬 / 出願日: 2016-09-07 / 公開日: 2018-03-15 / 検索1位 / 明暗周期でリズム制御派
アプローチ: 葉物検知で明暗周期照射 野菜室内の葉物野菜を検知した場合に赤・緑・青LEDの光照射工程と光非照射工程を24時間以下の周期で繰り返し、常時点灯より省電力で鮮度を保つ。遠赤色光や白色との照度比ではなく時間的な明暗制御で解決する。
▸ 示唆: 同じ野菜室の光による鮮度保持だが手段は時間方向の明暗制御で、波長の混合比ではなく照射スケジュールという別軸の先行例として参照できる。
AIが精読したのは全83段落のうち検索が当てた10チャンク(29段落・35%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#4本発明は、貯蔵されている食品に光を照射する機能を備えた冷蔵庫に関する。
【0002】野菜等の青果物は、収穫後も生きているため、光を照射することで鮮度を長く保持することが可能である。このような青果物の性質を利用して、光照射により青果物の鮮度を長く保持する冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1は、青果物である葉菜類を収納する収納容器内の上方に赤色LED(Light Emitting Diode)を有する弱光照射装置を配置し、赤色LEDで葉菜類に光照射する冷蔵庫を提案している。また、特許文献2は、青果物である野菜が貯蔵される野菜室を複数のエリアに区分し、複数のエリアの各々に、赤、青、緑の3色の発光ダイオード素子を含む複数の発光ダイオード素子が配置された光照射板を設け、エリアごとに光照射板の発光ダイオード素子の発光色の組合せを選択する冷蔵庫を提案している。
【0003】特開2002−267348号公報 特開2005−65622号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に記載の冷蔵庫では、弱光照射装置は常に同じ波長の光を照射するので、光の波長が貯蔵されている青果物の保存に有効な波長でない場合があり、この場合には、光の照射は電力の無駄な消費になり、また、青果物の鮮度が低下するという問題がある。
【0005】また、特許文献2に記載の冷蔵庫は、光照射板の発光ダイオード素子の発光色の組合せを選択できるが、貯蔵されている青果物に適した発光色を選択するためには、ユーザに専門的な知識が必要であり、また、ユーザには発光色の組合せを選択する作業が強いられるので、ユーザの負担は大きく利便性が低いという問題がある。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、利便性を損なうことなく、電力消費を抑制し、収納されている食品の鮮度を長く保持することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0007】本発明に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納されている食品の種類を判別可能にする判別情報を前記貯蔵室内から取得する判別情報取得部と、前記貯蔵室内に収納されている前記食品に光を照射する光照射部と、前記判別情報取得部によって取得された判別情報から前記食品の種類を判別し、判別された前記食品の種類に応じて前記光照射部による前記光の照射を制御する制御装置とを備えたものである。
【0008】本発明によれば、利便性を損なうことなく、電力消費を抑制することができ、収納されている食品の鮮度を長く保持することができるという効果がある。
【0009】#3本発明の実施の形態1から3に係る冷蔵庫の外観を概略的に示す正面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の構造(図1におけるII−II線断面)を概略的に示す縦断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の野菜室の構造(図1におけるIII−III線断面)を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射部の光源の配置例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射部の光源の光照射と光非照射の期間を示すタイムチャートである。 実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射部の光源の光照射制御工程を示すフローチャートである。 キャベツを3日間保存した場合のビタミンC量の変化を複数の光照射条件について測定した結果を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の野菜室の構造を概略的に示す縦断面図である。 実施の形態2に係る冷蔵庫の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態2に係る冷蔵庫の光照射部の光源の配置例を示す図である。 野菜室内に葉物野菜を保存した場合と根菜類を保存した場合における二酸化炭素濃度の経時変化を測定した結果を示すグラフである。 実施の形態2に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の野菜室の構造を概略的に示す縦断面図である。 実施の形態3に係る冷蔵庫の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態3に係る冷蔵庫の光照射部の光源の配置例を示す図である。 野菜室内に葉物野菜を保存した場合と根菜類を保存した場合における湿度の経時変化を測定した結果を示すグラフである。 実施の形態3に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフローチャートである。
【0010】以下に本発明の実施の形態を、添付図を参照しながら説明する。以下の実施の形態及び添付図は、本発明が適用された冷蔵庫の例示に過ぎず、実際の冷蔵庫と異なる場合がある。また、本発明は、実施の形態及び添付図に示される部材の形状、部材の寸法比、その他の構造等によって限定されるものではなく、種々の変更が可能である。また、実施の形態及び添付図に示される部材同士の位置関係(例えば、上下の位置関係等)は、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0011】《1》実施の形態1 《1−1》冷蔵庫1 図1は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1の外観を概略的に示す正面図である。図2は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の構造を示す縦断面図である。図2は、図1の冷蔵庫1をII−II線で切る断面構造を示している。
【0012】図1及び図2に示されるように、冷蔵庫1は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成された断熱性の箱体2を有している。箱体2は、例えば、鋼鉄製の外箱と、樹脂製の内箱と、外箱と内箱との間の空間に充填された断熱材とを有している。箱体2の内側に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を保存するための複数の貯蔵室に区画されている。冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、最上段に配置された冷蔵室10と、冷蔵室10の下方に配置された切替室20と、切替室20の側方に隣接して切替室20と並列に配置された製氷室30と、切替室20及び製氷室30の下方に配置された冷凍室40と、冷凍室40の下方に配置された最下段の野菜室50とを備えている。切替室20は、保冷温度帯を、予め設定された複数の温度帯の内のいずれかに切り替えることができる貯蔵室である。ユーザは、切替室20の保冷温度帯を、冷凍温度帯(設定温度−18℃程度)、冷蔵温度帯(設定温度3℃程度)、チルド温度帯(設定温度0℃程度)、及びソフト冷凍温度帯(設定温度−7℃程度)等の内のいずれかに切り替えることができる。なお、切替室20の切替温度帯の種類、数、及び設定温度は、上記例に限定されない。
【0013】冷蔵室10の箱体2の前面(図2における箱体2の左側)に形成された前面開口部には、支軸を中心に回転して前面開口部を開閉する冷蔵室扉11が設けられている。冷蔵室扉11は、例えば、両開き式(観音開き式)であり、右扉11a及び左扉11bを有している。冷蔵庫1の前面部となる冷蔵室扉11(例えば、左扉11b)の外側表面には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、複数の貯蔵室の各々の保冷温度等を設定するための操作部である操作スイッチ4aと、複数の貯蔵室の各々の内部温度などを表示する表示部である液晶表示装置4bとを備えている。また、操作パネル4は、操作部4aと表示部4bを兼ねるタッチパネルであってもよい。
【0014】切替室20の前面開口部、製氷室30の前面開口部、冷凍室40の前面開口部、及び野菜室50の前面開口部は、それぞれ前面側に引出し自在な引出し式の切替室扉21、製氷室扉31、冷凍室扉41、及び野菜室扉51によって開閉可能に構成されている。切替室扉21、製氷室扉31、冷凍室扉41、及び野菜室扉51は、切替室扉21、製氷室扉31、冷凍室扉41、及び野菜室扉51に固定して設けられたフレームを、切替室20、製氷室30、冷凍室40、及び野菜室50の左右の内壁面に水平に設けられたレールに沿ってスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に移動して前面開口部を開閉できるように構成されている。また、冷凍室40には、収納ケース42が引出し自在に格納されている。収納ケース42は、扉41のフレームによって支持されており、扉41の開閉に連動して前後方向にスライドするように構成されている。また、切替室20には、食品等を内部に収納できる収納ケース22が引出し自在に格納されている。また、野菜室50には、下段収納ケース52a及び上段収納ケース52bが、それぞれ引出し自在に格納されている。以上に説明した冷蔵庫1の構造は例示に過ぎず、貯蔵室の数、配置、及び構造、貯蔵室の大きさ、扉の数及び構造、並びに、収納ケースの数及び構造は、変更が可能である。
【0015】《1−2》冷却機構 冷蔵庫1は、その背面側に、複数の貯蔵室を冷却するための冷却機構として、圧縮機5と、冷却器6と、送風ファン7と、風路8とを備えている。冷却機構を含む冷蔵庫1の動作は、制御装置91によって制御される。制御装置91は、例えば、動作プログラムを格納した半導体メモリ等の記憶部91aと、記憶部91aに記憶された動作プログラムを実行するCPUなどの情報処理部とを備えたプログラム実行部によって構成されている。なお、制御装置91は、制御回路によって構成されてもよく、又は、制御回路とプログラム実行部との組み合わせによって構成されてもよい。また、記憶部91aは、制御装置91の外部に設けられてもよい。
【0016】圧縮機5及び冷却器6により冷却された空気(冷気)は、送風ファン7によって送風され、背面の風路8を通って、冷凍室40、切替室20、製氷室30、及び冷蔵室10に送風され、各貯蔵室内の食品を冷却する。野菜室50には、冷蔵室10の戻り冷気が冷蔵室用の帰還風路より循環される。そして、野菜室用の帰還風路より野菜室50を冷却した冷気は、冷却器6に戻される(帰還風路は、図示せず)。貯蔵室の温度は、貯蔵室内に設置されたサーミスタ(野菜室50内以外のサーミスタは図示せず)により測定され、サーミスタの測定温度に基づいて、貯蔵室毎に予め設定された温度になるように、風路8に設置されたダンパ(図示せず)の開度、圧縮機5の出力、及び送風ファン7の送風量を調整することで制御される。
【0017】《1−3》野菜室 図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の野菜室50の構造を示す縦断面図である。図3は、図1の冷蔵庫1をIII−III線で切る断面構造を示している。野菜室50の前面開口部には、野菜室扉51が設けられている。野菜室50の内部では、野菜室扉51のフレーム(図示せず)によって、下段収納ケース52aが支持されている。下段収納ケース52aの上段には、上段収納ケース52bが載置されている。野菜室扉51を前方へ引き出すと、下段収納ケース52a及び上段収納ケース52bは、一体となって前方へと引き出される。野菜室扉51を引き出した状態で、上段収納ケース52bを後方へスライドすると、下段収納ケース52aだけが引き出された状態となり、下段収納ケース52aへ食品を出し入れすることができる状態になる。野菜室50には、野菜室扉51の開閉状態を検知する扉開閉検知部53と、野菜室50の温度を測定するサーミスタ54が備えられている。扉開閉検知部53は、例えば、野菜室扉51の開閉に応じてON又はOFFになるスイッチを備えたセンサである。野菜室50の背面には、光照射部(発光部)55が設けられ、下段収納ケース52aに設けた開口部56を介して、下段収納ケース52a内を光照射する。また、撮影装置としての庫内カメラ57が野菜室50の背面に設けられ、開口部56を介して、下段収納ケース52a内に収納された食品を撮影する。なお、庫内カメラ57の台数は、複数台であってもよい。
【0018】《1−4》制御系 図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。図4において、図1から図3に示される構成要素と同一の構成要素には、図1から図3における符号と同じ符号が付される。図4に示されるように、制御装置91は、野菜室50内のサーミスタ54が検出した温度を取得し、野菜室50内が、設定温度に維持されるように、制御装置91内の記憶部91aに予め記憶された動作プログラムに従って、圧縮機5及び送風ファン7等の運転状態を制御する。また、制御装置91は、操作パネル4の操作部4aからユーザによって入力された操作信号を受け取るとともに、操作パネル4の表示部4bに表示信号を出力する。また、制御装置91は、野菜室扉51の開閉を扉開閉検知部53により検知し、光照射部55と庫内カメラ57の動作を制御する。制御装置91は、野菜室扉51が開かれたことを検知した後、再び、閉じられたことを検知すると、光照射部55を点灯するとともに、庫内カメラ57を起動させて撮影を行う。制御装置91は、庫内カメラ57により撮影された画像を取得して画像演算処理し、画像演算処理の結果に基づいて、記憶部91aに予め記憶された動作プログラムに従って、光照射部55の光源の点灯及び消灯を制御する。
【0019】《1−5》光照射部55 図5は、光照射部55の光源55r、55g、55b、55wの配置例を示す図である。光源55r、55g、55b、55wは、それぞれ異なる波長を含む光(例えば、可視光)を照射する。光源55rは、赤色LED(出射光の波長帯域は600nm〜700nm)を備えた赤色光源であり、光源55gは、緑色LED(出射光の波長帯域は500nm〜560nm)を備えた緑色光源であり、光源55bは、青色LED(出射光の波長帯域は400nm〜500nm)を備えた青色光源であり、光源55wは、白色LED(出射光の波長帯域は400nm〜700nmの範囲内の複数の波長を含む)を備えた白色光源である。制御装置91は、光源55r、光源55g、光源55b、光源55wの点灯及び消灯を、それぞれ独立して制御することができる。
【0020】庫内カメラ57により撮影を行うときには、光照射部55の光源55w(白色LED)を点灯させる。これにより、下段収納ケース52a内に収納された食品を、色の再現性高く撮影することができる。
【0021】《1−6》食品の判別 制御装置91は、下段収納ケース52a内に収納物がない初期状態における庫内カメラ57の撮影によって取得された初期撮影画像(画像データ)を記憶部91aに格納している。制御装置91は、野菜室50内に食品としての青果物があるときに庫内カメラ57の撮影によって取得された撮影画像(画像データ)と、初期撮影画像との差分を計算することにより、下段収納ケース52a内の収納状況を求める。撮影画像について、画素単位に分割し、画素の位置を表す画素座標(x,y)を与える。ここで、xは、水平方向の画素位置を示すx座標を示し、yは、垂直方向の画素位置を示すy座標を示す。撮影画像と初期撮影画像との間の、同一座標(x,y)の画素同士における、例えば、輝度L(x,y)を比較し、その差分が予め設定した閾値以上である場合、野菜室50内の収納状況に変化がある(すなわち、収納物がある)と判断し、差分が閾値未満である場合、野菜室50の収納状況に変化がない(すなわち、収納物がない)と判断する。収納物があると判断された場合、制御装置91は、庫内カメラ57の撮影によって取得された撮影画像を演算処理し、収納された食品の種類を判別する。制御装置91は、例えば、収納された食品の種類が、葉物野菜であるか否かを判断する。制御装置91は、収納状況に変化ありと判断した画素について、赤(R)画素値、緑(G)画素値、青(B)画素値からなるRGB画素値を取得する。制御装置91は、RGB画素値において、R画素値及びB画素値よりもG画素値の値が大きくなる画素数、つまり、緑色となる画素数を検出する。制御装置91は、緑色となる画素数が、予め設定した閾値以上であれば、収納物は、葉物野菜であると判断し、予め設定した前記閾値未満であれば、収納物は、葉物野菜以外であると判断する。
【0022】#6《1−7》光照射部55 野菜室50に収納物があると判断され、収納物が葉物野菜であると判断された場合、制御装置91は、光照射部55による光照射制御工程(図7の工程)を行い、光源55r(赤色LED)、光源55g(緑色LED)、光源55b(青色LED)を用いた光照射を実施させ、葉物野菜の光合成を促進する。野菜室50に収納物があると判断され、収納物が葉物野菜以外であると判断された場合、又は、野菜室50に収納物がないと判断された場合は、制御装置91は、光照射部55を消灯させ、いずれの光源からも光照射しない。
【0023】図6は、収納物があると判断され、収納物が葉物野菜である場合に実施する光源55r(赤色LED)、光源55g(緑色LED)、光源55b(青色LED)の光照射制御工程(図7の工程)のタイムチャートである。光源55r、55g、55bの制御では、制御装置91は、光照射部55から可視光を含む光を照射させる光照射工程と、光照射部55から可視光を含む光を照射させない光非照射工程とを交互に繰り返すように光照射部55の動作を制御する。光照射工程では、光源55r、光源55g、光源55bの内の少なくとも一つが点灯される。光非照射工程では、光源55r、光源55g、光源55bのいずれも点灯されない。
【0024】光照射工程は、さらに2つの工程に分けられる。光照射工程では、まず第1の光照射工程が実施され、次に第2の光照射工程が実施される。第1の光照射工程では、光源55r、光源55g、光源55bの全てを点灯させて、赤色光、緑色光、青色光を照射させる。第2の光照射工程では、制御装置91は、第1の光源55r、光源55gの2つから光を照射させ、光源55bは、消灯される。すなわち、赤色光と緑色光が照射され、青色光は、照射されない。
【0025】各工程の継続時間は、予め設定されている。これらについてはそれぞれ、第1の光照射工程の継続時間は、ΔT1、第2の光照射工程の継続時間は、ΔT2、光非照射工程の継続時間は、ΔT3とする。
【0026】このように、制御装置91は、第1の光照射工程、第2の光照射工程、光非照射工程の順で実施するように光照射部55を制御する。そして、光非照射工程の終了後は、再び可視光照射工程すなわち第1の光照射工程から前述の順で各工程を繰り返して実施する。したがって、それぞれの工程を順に1回ずつ行う1周期にかかる時間ΔTは、ΔT1、ΔT2及びΔT3の合計となる。また、光照射工程の継続時間は、ΔT1及びΔT2の合計となる。
【0027】制御装置91は、光照射工程と光非照射工程とが、24時間以下の周期で交互に繰り返されるように光照射部55を制御する。すなわち、ΔTは、24時間以下となるように設定される。また、光非照射工程の継続時間ΔT3は、光照射工程の継続時間以下となるように設定される。すなわち、光非照射工程の継続時間ΔT3は、第1の光照射工程の継続時間ΔT1と第2の光照射工程の継続時間ΔT2との合計時間以下となるように設定される。さらに、第1の光照射工程の継続時間ΔT1は、第2の光照射工程の継続時間ΔT2以下となるように設定される。以上のような条件を満たす各工程の継続時間の一例として、具体的には、ΔT1を2時間、ΔT2を10時間、そして、ΔT3を12時間に設定する。この場合のΔTは、24時間となる。
【0028】図7は、光照射部55の光源55r、55g、55bの光照射制御工程(図7の工程)の一例を示すフローチャートである。制御装置91は、光照射制御工程(図7の工程)を開始すると、光源55r、55g、光源55bを点灯させる(ステップS1)と共に、制御装置91に内蔵されている時間計測手段としてのタイマーにおける時刻tを0に設定(t=0)して、タイマーによる時間計測を開始して(ステップS2)第1の光照射工程を開始する。制御装置91は、予め決められた基準時間ΔT1(例えば、2時間)が経過したならば(ステップS3におけるYES)、第1の光照射工程を終了する。
【0029】次に、制御装置91は、光源55bを消灯し(ステップS4)、タイマーにおける時刻tを0にリセット(t=0)し(ステップS5)、第2の光照射工程を開始する。制御装置91は、予め決められた基準時間ΔT2(例えば、10時間)が経過したならば(ステップS6におけるYES)、第2の光照射工程を終了する。
【0030】次に、制御装置91は、光源55r及び55gを消灯し(ステップS7)、タイマーにおける時刻tを0にリセット(t=0)し(ステップS8)、光非照射工程を開始する。制御装置91は、予め決められた基準時間ΔT3(例えば、12時間)が経過したならば(ステップS9におけるYES)、処理を第1の光照射工程のステップS1に戻す。
【0031】このような光照射制御工程(図7の工程)を行うことで、時間経過に伴って光が照射される明環境(明期)と光が照射されない暗環境(暗期)とが繰り返され、「朝、日が昇り、夜、日が沈む」といった自然界の光の動きを模擬した光照射を行うができる。これにより、下段収納ケース52aに収納されている野菜類は、概日リズムに従って光合成などの活動を行うことができる。
【0032】ここで、植物の光合成反応について説明する。光合成反応は、次式で表すことができる。 6CO 2 +12H 2 O+688kcal→C 6 H 12 O 6 +6H 2 O+6O 2 ここで、CO 2 は二酸化炭素であり、H 2 Oは水であり、688kcalは光エネルギーであり、C 6 H 12 O 6 はブドウ糖である。 植物は、光エネルギーを利用し、大気中の二酸化炭素と植物の持つ水とから酸素と糖を生成する。この反応は、2段階のプロセスに分かれる。1段階目のプロセスでは、葉などに含まれるクロロフィルなどの色素により吸収された光エネルギーを使って、水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで、葉などに化学エネルギーが蓄えられる。2段階目のプロセスでは、電子と水素イオン、及び大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖が合成される。ブドウ糖が増加した野菜は、その貯蔵性が良好になり、また、ブドウ糖からビタミンCが生成される。
【0033】野菜室50内に照射する光は、光合成に有効な光を照射する必要がある。クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色光(波長660nm近辺)と青色光(波長450nm近辺)に2つの光吸収ピークがあり、これらの波長が光合成に特に有効であることが知られている。また、緑色光(波長500nm〜600nm)は、クロロフィルによる吸収率は低いが、葉の内部で光が散乱することにより、クロロフィルとの遭遇頻度が高くなり、葉での吸収率は上昇する。
【0034】また、青色光には、植物の気孔を開く作用がある。光が照射される明期において、初めに青色を含む光を照射することで、野菜類の気孔を開くことができるので、大気中の二酸化炭素を十分に取り込むことができ、効率的に光合成を行うことができる。一方、青色光には、発芽又は開花を促進させる効果があるため、野菜の長期保存を目的とする場合には、青色光の照射は望ましくない。そのため、気孔の開口作用を得られるのに十分な時間のみ光照射し、その後は、光合成に有用な赤色光又は緑色光を照射することが望ましい。このように、光を効率的に利用するには、赤色と青色、又は緑色と青色、又は赤色、青色、緑色の波長を含む光を照射する光源を用いることが効果的である。
【0035】植物の概日リズムは、朝から夜までの期間に対応した約24時間周期であるが、植物は、光の影響を受けて概日リズムの位相が変化するという特徴を持つ。例えば、暗環境において、光を照射して明環境とすると、概日リズムの位相は変化する。このような性質を利用して、光が照射される明期よりも、光を照射しない暗期を短縮して、光照射の周期を24時間以下とすることで、保存中の植物(野菜)が光合成を行う時間の比率を上げることで、糖又はビタミンCなどの栄養素の生成効率を向上させることができる。
【0036】#10植物の概日リズムは、光の明暗周期などの時間情報がない条件においても、自律的に約24時間周期を継続する。しかし、光を照射しない暗環境下で野菜類を保存した場合には、光合成を行わないため、貯蔵性向上又は栄養素増量の効果を得ることはできない。連続的に光を照射した明環境下で野菜類を保存した場合には、光合成は行うが、栄養素の生成が十分になされず、光合成速度又は光合成能力が低下するなどの状況が発生することがある。
【0037】図8は、各光照射条件下でキャベツを3日間(72時間)保存した後のビタミンC量を比較したグラフである。ビタミンC量は、保存前の初期のビタミンC量を100%として変化割合で表したものである。日中全く光を照射しない非照射では、保存後のビタミンC量は、初期のビタミンC量よりも減少している。これに対し、光を照射した条件では、保存後のビタミンC量は、初期のビタミンC量よりも増加している。
【0038】また、光を照射した条件を比較すると、連続光照射した条件よりも、光非照射工程がある条件の方がビタミンC量の増加量は、多くなった。赤色光と緑色光と青色光の3つの光照射工程と光非照射工程の条件が、最も増加量は、多くなることが実験から確認できた。したがって、収納物があると判断され、収納物が葉物野菜である場合には、このような光照射制御工程(図7の工程)を実施することで、葉物野菜に光合成又は栄養素の生成の効率をよく行わせ、保存中の野菜の貯蔵性向上又は栄養素増量の効果を得ることができる。
◆ この文献の解決アプローチ
葉物検知で明暗周期照射
文献: 連続光照射した条件よりも、光非照射工程がある条件の方がビタミンC量の増加量は、多くなった。赤色光と緑色光と青色光の3つの光照射工程と光非照射工程の条件が、最も増加量は、多くなることが実験から確認できた。
同じ野菜室の光による鮮度保持だが手段は時間方向の明暗制御で、波長の混合比ではなく照射スケジュールという別軸の先行例として参照できる。
【0039】収納物があると判断され、収納物が葉物野菜以外である場合、収納物は、例えば、じゃがいも、たまねぎ、にんじんなどの根菜類又は、ペットボトルなどの飲料などである。これらは、光合成を行わないため、光照射は必要ではない。収納物がないと判断された場合においても、光照射は必要ではない。これらの場合には、光照射部55は消灯し、いずれの光も照射しない。このような制御により、不必要な光照射を行うことがないため、省エネルギーとなる。
【0040】食品が袋又はフィルムなどで包装されていても、包装が光を透過する透明な素材であれば、庫内カメラ57の撮影画像を用いることにより、食品の判別をすることができ、光照射を阻害することもないので、十分に効果を得ることができる。
【0041】《1−8》冷蔵庫1の動作 図9は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の動作の一例を示すフローチャートである。制御装置91は、扉開閉検知部53によって野菜室扉51が開けられたことが検知されると(ステップS101におけるYES)、光照射制御工程(図7の工程)を実施中の場合(ステップS102におけるYES)は、光照射制御工程(図7の工程)を中断して光照射部55の全ての光源を消灯する(ステップS103)。
【0042】制御装置91は、野菜室扉51が閉じられたことを検知すると(ステップS104におけるYES)、光照射部55の光源55wを点灯し(ステップS105)、庫内カメラ57をONにして、下段収納ケース52a内を撮影させる(ステップS106)。制御装置91は、撮影完了後、庫内カメラ57をOFFする(ステップS107)と共に、光源55wを消灯する(ステップS108)。
【0043】制御装置91は、庫内カメラ57で撮影された画像をもとに、画像演算処理を行い、収納状況を判断する(ステップS109)。制御装置91は、野菜室50内に収納物なしと判断した場合(ステップS110におけるNO)、光照射制御工程(図7の工程)を終了し、光照射部55の全ての光源を消灯する(ステップS116)。制御装置91は、野菜室50内に収納物ありと判断した場合(ステップS110におけるYES)、さらに画像演算処理を行い、食品判別を実施する(ステップS111)。制御装置91は、収納物が葉物野菜と判断された場合(ステップS112におけるYES)、光照射制御工程(図7の工程)が中断中であれば(ステップS113におけるYES)、光照射制御工程(図7の工程)を中断した処理ステップから再開し(ステップS115)、中断中でない場合は、光照射制御工程(図7の工程)を開始する(ステップS114)。制御装置91は、食品判別で葉物野菜ではないと判断された場合(ステップS112におけるNO)は、光照射制御工程(図7の工程)を終了し、全ての光源を消灯する(ステップS116)。
【0044】光照射制御工程(図7の工程)の実施中に、野菜室扉51が開かれた場合、野菜室扉51が開かれている間は、光照射制御工程(図7の工程)を継続して実施し、野菜室扉51が閉じられた際に、光照射制御工程(図7の工程)を中断してもよい。光照射制御工程(図7の工程)を中断した状態で、収納物あり、収納物が葉物野菜であると判断した場合に、光照射制御工程(図7の工程)を中断した工程から再開することにより、光照射工程と光非照射工程の時間の比率を維持することができ、光照射制御工程(図7の工程)の効果を十分に得ることができる。
【0045】#1《1−9》効果 実施の形態1に係る冷蔵庫1によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、光照射部55によって図7に示される光照射制御工程を実行し、葉物野菜が収納されていない場合には、光照射制御工程を中断するので、電力消費を抑制することができる。
【0046】実施の形態1に係る冷蔵庫1によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、図7に示される光照射制御工程を、24時間の周期又はそれより短い周期で繰り返すので、光照射部を常時点灯させる場合に比べ、電力消費を減らすことができ、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0047】実施の形態1に係る冷蔵庫1によれば、ユーザが光照射部55による照射光の波長を設定する必要がないので、ユーザに作業の負担を与えることなく、また、ユーザに照射光の波長に関する専門知識がなくても、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0048】《1−10》実施の形態1の変形例 実施の形態1に係る冷蔵庫1によれば、収納物があると判断され、収納物が葉物野菜である場合、光照射制御工程(図7の工程)を実行するとともに、野菜室50内の温度設定を変更し、野菜室50内をより低温にしてもよい。葉物野菜は、低温保存した場合の方が、蒸散作用が抑制されるため、より低温に変更することで葉物野菜のみずみずしさが保持され、光照射制御工程(図7の工程)による効果と合わせて、より一層、良好な鮮度を保つことができる。
【0049】#8また、光照射制御工程(図7の工程)の実施中には、操作パネル4の表示部4bに、「光照射中」などの光照射制御工程の内容を表示してもよい。例えば、表示部4bに、光を照射する明期に「点灯中」、光を照射しない暗期に「消灯中」などの表示をしてもよい。また、光照射制御工程(図7の工程)で実施中の工程に合わせて、第1の光照射工程で「朝」、第2の光照射工程で「昼」、光非照射工程で「夜」など、庫内の光の状態を、自然界の光の1日に置き換えた表示をしてもよい。これにより、ユーザに、野菜室50内の光の状態を報知することができ、野菜室50内の状態が適切であることを知ることによる安心感及び満足感が向上する。
【0050】また、食品判別結果を操作パネル4の表示部4bに表示をしてもよい。これにより、野菜室扉51を開けずに、収納物の有無又は葉物野菜の有無などの簡易的な在庫確認を行うことができる。
【0051】さらに、制御装置91は、庫内カメラ57により撮影された画像と撮影日時、食品の判断結果を記憶し、在庫情報として活用してもよい。これにより、より詳細な在庫管理を簡単に行うことができる。
【0052】冷蔵庫1に、電気通信回線に接続可能な通信手段を設けることで、制御装置91が、電気通信回線を介して、タブレット端末又は携帯電話などの携帯情報端末にデータを送信できるように構成してもよい。このような通信手段により、光照射制御工程(図7の工程)の実施中の報知又は在庫情報などを、操作パネル4の表示部4b以外だけでなく、携帯情報端末に表示することができ、利便性が向上する。
【0053】また、光照射部55は、野菜室50内に複数設けられてもよく、食品の種類を判別する画像処理を実施する際に、葉物野菜と判断したRGB画素値の画素の座標から、野菜室50内における葉物野菜の位置を検出し、検出された葉物野菜の位置に最も効率的に光照射をすることができる光源を点灯するように構成してもよい。
【0054】また、光照射部55を野菜室50の左右方向に光照射部55の光照射角度(光照射方向)を変更するための駆動部を設け、RGB画素値の画素の座標から検出された葉物野菜の位置に向けて光照射が効率的に行われるように、光照射部55の光照射角度を変更するように駆動部を動作させるよう構成してもよい。この場合には、庫内カメラ57による画像を用いることにより、野菜室50内の食品の種類、食品が葉物野菜であるか否かを判別すると同時に、葉物野菜の位置に応じて光照射部55を光照射することができるので、光照射した光エネルギーを効率的に使用することができる。
【0055】《2》実施の形態2 《2−1》冷蔵庫2 上記実施の形態1においては、野菜室50内の撮影画像に基づいて光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する冷蔵庫1を説明した。これに対し、実施の形態2においては、野菜室50内の二酸化炭素(CO 2 )濃度に基づいて光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する冷蔵庫2を説明する。この点以外については、実施の形態2は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態2に係る冷蔵庫2において、実施の形態1に係る冷蔵庫1の構成要素と同じ又は対応する構成要素には、実施の形態1における符号と同じ符号が付される。以下の説明では実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、実施の形態2の説明に際しては、図1、図2、図6及び図7をも参照する。
【0056】《2−2》野菜室50 図10は、実施の形態2に係る冷蔵庫2の野菜室50の構造を概略的に示す縦断面図である。図10は、図1の冷蔵庫2をIII−III線で切る断面構造を示している。図10に示されるように、実施の形態2に係る冷蔵庫2においては、野菜室50内の背面内壁に、サーミスタ54と、光照射部55と、CO 2 濃度を検知する判別情報取得部としての二酸化炭素(CO 2 )センサ67とが設けられている。CO 2 センサ67は、野菜室50内のCO 2 濃度を測定(検知)して、CO 2 濃度に応じたCO 2 測定信号を出力する。図10の例では、CO 2 センサ67は、下段収納ケース52aの開口部56の近傍に配置されているので、野菜室50における下段収納ケース52a内のCO 2 濃度を測定する。ただし、CO 2 センサ67の取り付け位置及び個数は、図示の例に限定されない。
【0057】《2−3》制御系 図11は、実施の形態2に係る冷蔵庫2の制御系の構成を示す機能ブロック図である。制御装置92は、上記実施の形態1における制御装置91と同様の構成を有するが、記憶部92aに予め記憶されている動作プログラムは、実施の形態1における記憶部91aに予め記憶されている動作プログラムと異なる。制御装置92は、CO 2 センサ67によって測定されたCO 2 濃度に基づいて、光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する。
【0058】#2《2−4》光照射部55 図12は、実施の形態2に係る冷蔵庫2の光照射部55の光源55r、55g、55bの配置例を示す図である。実施の形態2における光照射部55は、光源55r、55g、55bを有する。実施の形態2における光照射部55は、光源55wを必要としないが、庫内照明用として光源55wを有してもよい。光源55rは、赤色LED(出射光の波長帯域は600nm〜700nm)を備えた赤色光源であり、光源55gは、緑色LED(出射光の波長帯域は500nm〜560nm)を備えた緑色光源であり、光源55bは、青色LED(出射光の波長帯域は400nm〜500nm)を備えた青色光源である。制御装置92は、光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を独立して制御することができる。制御装置92は、光照射部55から可視光を含む光を照射させる光照射工程と、光照射部55から光を照射させない光非照射工程とを交互に繰り返すように光照射部55の動作を制御する。制御装置92は、「朝、日が昇り、夜、日が沈む」という自然界の1日の光の変化を模擬した光照射をことができる。制御装置92は、葉物野菜が収納されているときに、例えば、図7に示されるような光照射制御工程を行うことができる。
【0059】《2−5》食品の判別 図13は、野菜室50に葉物野菜を保存した場合と根菜類を保存した場合におけるCO 2 濃度の経時変化を測定した結果を示すグラフである。葉物野菜のCO 2 排出量と、根菜類等の葉物野菜以外の野菜のCO 2 排出量とは大きく異なる。一般に、葉物野菜のCO 2 排出量は、根菜類のCO 2 排出量より多いことが知られている。例えば、保存温度10℃において、根菜類のCO 2 排出量は、約10[mg/kg/hr]以下であり、葉物野菜のCO 2 排出量は、約30[mg/kg/hr]〜100[mg/kg/hr]である。野菜室50の前面開口部は、野菜室扉51により閉鎖され、略密閉状態であるため、下段収納ケース52a内のCO 2 濃度の変化は、収納された食品から排出されたCO 2 に依存していると考えられる。したがって、制御装置92は、CO 2 センサ67により測定されたCO 2 濃度の、予め決められた基準時間Δt2での変化量を検出することにより、収納されている食品が葉物野菜であるか否かを判断することができる。
【0060】《2−6》冷蔵庫2の動作 図14は、実施の形態2に係る冷蔵庫2の動作の一例を示すフローチャートである。制御装置92は、扉開閉検知部53によって野菜室扉51が開けられたことが検知され(ステップS201におけるYES)、次に扉開閉検知部53によって野菜室扉51が閉じられたことを検知すると(ステップS202におけるYES)、制御装置92に内蔵されている時間計測手段としてのタイマーにおける時刻tを0に設定(t=0)して、タイマーによる時間計測を開始する(ステップS203)と共に、CO 2 センサ67からt=0時におけるCO 2 濃度の初期値Y0を取得する(ステップS204)。
【0061】#9制御装置92は、t=0時から基準時間Δt2(例えば、60分)が経過したときに(ステップS205におけるYES)、CO 2 センサ67からCO 2 濃度Y1を取得する(ステップS206)。制御装置92は、基準時間Δt2経過後におけるCO 2 濃度の変化量、すなわち、(Y1−Y0)が予め設定された閾値ΔY(例えば、30ppm)以上であれば(ステップS207におけるYES)、葉物野菜が下段収納ケース52a内にあると判断する(ステップS208)。このとき、光照射工程を含む予め決められた光照射制御工程(図7の工程)が実施中であれば(ステップS209におけるYES)、制御装置92は、そのまま光照射制御工程(図7の工程)を継続し、光照射制御工程(図7の工程)の実施中でない場合は(ステップS209におけるNO)、光照射制御工程(図7の工程)を開始する(ステップS210)。一方、制御装置92は、基準時間Δt2におけるCO 2 濃度の変化量、すなわち、(Y1−Y0)が予め設定された閾値ΔY(例えば、30ppm)未満であれば(ステップS207におけるNO)、葉物野菜が下段収納ケース52a内に収納されていないと判断し(ステップS211)、光照射制御工程(図7の工程)を終了し、光源55r、55g、55bの全てを消灯する(ステップS212)。なお、光照射生後工程は、図7に示されるものに限定されない。
【0062】《2−7》効果 実施の形態2に係る冷蔵庫2によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、光照射部55によって図7に示される光照射制御工程を実行し、葉物野菜が収納されていない場合には、光照射制御工程を中断するので、電力消費を抑制することができる。
【0063】実施の形態2に係る冷蔵庫2によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、図7に示される光照射制御工程を、24時間の周期又はそれより短い周期で繰り返すので、光照射部を常時点灯させる場合に比べ、電力消費を減らすことができ、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0064】実施の形態2に係る冷蔵庫2によれば、ユーザが光照射部55による照射光の波長を設定する必要がないので、ユーザに作業の負担を与えることなく、また、ユーザに照射光の波長に関する専門知識がなくても、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0065】実施の形態2に係る冷蔵庫2によれば、食品の種類を判別する判別情報取得部としてのCO 2 センサ67を用い、CO 2 センサ67によって測定されたCO 2 濃度の変化量に基づいて野菜室50に収納されている食品の種類を判別するので、判別情報取得部の設置スペースを小さくすることができ、野菜室50の使用可能な容積を増やすことができる。
【0066】《3》実施の形態3 《3−1》冷蔵庫3 上記実施の形態1においては、野菜室50内の撮影画像に基づいて光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する冷蔵庫1を説明した。これに対し、実施の形態3においては、野菜室50内の湿度に基づいて光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する冷蔵庫3を説明する。この点以外については、実施の形態3は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態3に係る冷蔵庫3において、実施の形態1に係る冷蔵庫1の構成要素と同じ又は対応する構成要素には、実施の形態1における符号と同じ符号が付される。以下の説明では実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、実施の形態3の説明に際しては、図1、図2、図6及び図7をも参照する。
【0067】《3−2》野菜室50 図15は、実施の形態3に係る冷蔵庫3の野菜室50の構造を概略的に示す縦断面図である。図15は、図1の冷蔵庫3をIII−III線で切る断面構造を示している。図15に示されるように、実施の形態3に係る冷蔵庫3においては、野菜室50内の背面内壁に、サーミスタ54と、光照射部55と、湿度を測定する判別情報取得部としての湿度センサ77とが設けられている。湿度センサ77は、野菜室50内の湿度を測定(検知)して、検知された湿度に応じた湿度測定信号を出力する。図15の例では、湿度センサ77は、下段収納ケース52aの開口部56の近傍に配置されているので、野菜室50における下段収納ケース52a内の湿度を測定する。ただし、湿度センサ77の取り付け位置及び個数は、図示の例に限定されない。
【0068】《3−3》制御系 図16は、実施の形態3に係る冷蔵庫3の制御系の構成を示す機能ブロック図である。制御装置93は、上記実施の形態1及び2における制御装置91及び92と同様の構成を有するが、記憶部93aに予め記憶されている動作プログラムは、実施の形態1及び2における記憶部91a及び92aに予め記憶されている動作プログラムと異なる。制御装置93は、湿度センサ77によって測定された湿度濃度に基づいて、光照射部55の光源55r、55g、55bの点灯及び消灯を制御する。
【0069】《3−4》光照射部55 図17は、実施の形態3に係る冷蔵庫3の光照射部55の光源55r、55g、55bの配置例を示す図である。実施の形態3に係る光照射部55は、実施の形態2におけるものと同じである。ただし、実施の形態3に係る光照射部55は、実施の形態1におけるものと同じにしてもよい。この場合には、白色光源55wを、庫内照明の光源として使用できる。
【0070】《3−5》食品の判別 図18は、野菜室50内に葉物野菜を保存した場合と根菜類を保存した場合における湿度の経時変化を測定した結果を示すグラフである。葉物野菜の蒸散量と、根菜類等の葉物野菜以外の野菜の蒸散量とは大きく異なる。葉物野菜の蒸散量は、根菜類等の蒸散量より多いことが知られている。葉物野菜が収納されると、野菜室50内の湿度は、すみやかに上昇し、その後も湿度が高い状態が保持される。葉物野菜以外の野菜、例えば、根菜が収納された場合は、外気流入による影響で、一時的な湿度上昇はあるが、その後は、比較的低い湿度状態となる。野菜室50の前面開口部は、野菜室扉51により閉鎖され、略密閉状態であるため、下段収納ケース52a内の湿度の変化は、収納された食品(例えば、青果物)から排出された蒸散された水分に依存していると考えられる。したがって、制御装置93は、湿度センサ77により測定された湿度の、基準時間Δt3での変化量を検出することにより、収納されている食品が葉物野菜であるか否かを判断することができる。
【0071】《3−6》冷蔵庫3の動作 図19は、実施の形態3に係る冷蔵庫3の処理の一例を示すフローチャートである。制御装置93は、扉開閉検知部53によって野菜室扉51が開けられたことが検知され(ステップS301におけるYES)、扉開閉検知部53によって野菜室扉51が閉じられたことを検知すると(ステップS302におけるYES)、制御装置93に内蔵されている時間計測手段としてのタイマーにおける時刻tを0(t=0)に設定して、タイマーによる時間計測を開始する(ステップS303)。
【0072】#5制御装置93は、基準時間Δt3(例えば、15分)が経過したときに(ステップS304におけるYES)、湿度センサ77により庫内湿度Zを検出する(ステップS305)。制御装置93は、庫内湿度Zが予め設定された閾値ΔZ(例えば、70%)以上であれば(ステップS306におけるYES)、葉物野菜が下段収納ケース52a内にあると判断する(ステップS307)。このとき、光照射工程を含む規定の光照射制御工程(図7の工程)が実施中であれば(ステップS308におけるYES)、制御装置93は、そのまま規定の光照射制御工程(図7の工程)を継続し、規定の光照射制御工程(図7の工程)の実施中でない場合は(ステップS308におけるNO)、光照射制御工程(図7の工程)を開始する(ステップS309)。一方、制御装置93は、基準時間Δt3における湿度Zが予め設定された閾値ΔZ(例えば、70%)未満であれば(ステップS306におけるNO)、葉物野菜が下段収納ケース52a内にないと判断し(ステップS310)、光照射制御工程(図7の工程)を終了し、全ての光源を消灯する(ステップS311)。なお、光照射生後工程は、図7に示されるものに限定されない。
【0073】《3−7》効果 実施の形態3に係る冷蔵庫3によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、光照射部55によって図7に示される光照射制御工程を実行し、葉物野菜が収納されていない場合には、光照射制御工程を中断するので、電力消費を抑制することができる。
【0074】#7実施の形態3に係る冷蔵庫3によれば、野菜室50に収納されている青果物が葉物野菜である場合に、図7に示される光照射制御工程を、24時間の周期又はそれより短い周期で繰り返すので、光照射部を常時点灯させる場合に比べ、電力消費を減らすことができ、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0075】実施の形態3に係る冷蔵庫3によれば、ユーザが光照射部55による照射光の波長を設定する必要がないので、ユーザに作業の負担を与えることなく、また、ユーザに照射光の波長に関する専門知識がなくても、収納されている葉物野菜の鮮度を長く保持することができる。
【0076】実施の形態3に係る冷蔵庫3によれば、食品を判別する判別情報取得部としての湿度センサ77を備え、湿度センサ77によって測定された湿度に基づいて野菜室50に収納されている食品の種類を判別するので、判別情報取得部の設置スペースを小さくすることができ、野菜室50の使用可能な容積を増やすことができる。
【0077】《4》変形例 上記実施の形態1から3においては、操作パネル4は、冷蔵庫1,2,3の外側に設置されているが、操作パネル4は、他の位置に備え付けられてもよい。
【0078】また、冷蔵庫1,2,3に、電気通信回線を介して携帯電話(スマートフォンを含む)又はタブレット端末などの携帯情報端末と通信可能にする通信手段を備えることによって、冷蔵庫1,2,3の操作パネル4の操作部4a及び表示部4bとしての機能を、携帯情報端末に持たせてもよい。
【0079】また、冷蔵庫1,2,3の判別情報取得部では、撮影画像、CO 2 濃度、及び湿度に基づいて収納物の種類を判別する場合を説明したが、収納物にバーコード又はICタグ(無線タグ)を備え、冷蔵庫1,2,3にバーコード又はICタグ読み取り可能なリーダーを設け、収納される食品の種類をリーダーによって読み取らせ、その結果に基づいて、光照射部55の光制御を行うことも可能である。
【0080】また、食品判別結果より、光照射制御工程(図7の工程)を実施する場合においても、ユーザが操作パネル又は携帯情報端末を操作することにより、光照射制御工程(図7の工程)を実施するか否かを選択すること、又は、光照射制御工程を中止することができるように構成してもよい。
【0081】また、上記実施の形態1から3において、制御装置91,92,93は、判別情報取得部から受け取った判別情報に基づく制御を実行しない動作モードを選択可能に構成してもよい。
【0082】さらに、上記実施の形態1における撮影画像に基づく光照射部55の制御方式、上記実施の形態2におけるCO 2 センサ67の検出値に基づく光照射部55の制御方式、及び上記実施の形態3における湿度センサ77の検出値に基づく光照射部55の制御方式の内の2つ以上の制御方式を組み合わせることが可能である。2つ以上の制御方式を組み合わせることによって、収納されている葉物野菜の量、位置、種類をより正確に判別でき、より適切な制御が可能になる。
【0083】1,2,3 冷蔵庫、 1a 箱体、 4 操作パネル、 4a 操作部、 4b 表示部、 5 圧縮機、 6 冷却器、 7 送風ファン、 8 風路、 10 冷蔵室、 11 冷蔵室扉、 11a 右扉、 11b 左扉、 20 切替室、 21 切替室扉、 22 収納ケース、 30 製氷室、 31 製氷室扉、 40 冷凍室、 41 冷凍室扉、 42 収納ケース、 50 野菜室、 51 野菜室扉、 52a 下段収納ケース、 52b 上段収納ケース、 53 扉開閉検知部、 54 サーミスタ、 55 光照射部(発光部)、 55r,55g,55b,55w 光源、 56 開口部、 57 庫内カメラ(撮影部、判別情報取得部)、 67 CO 2 センサ(判別情報取得部)、 77 湿度センサ(判別情報取得部)、 91,92,93 制御装置、 91a,92a,93a 記憶部。
ヒントあり冷蔵庫
特開2018-013299 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、内田 毅、柴田 舞子、伊藤 敬 / 出願日: 2016-07-21 / 公開日: 2018-01-25 / 検索5位 / 明暗周期でリズム制御派
アプローチ: 昼夜模擬の光量と温度の連動制御 野菜室で白色LED(RGB)の光量と庫内温度を、高放射強度・高温の昼モードと低放射強度・低温の夜モードで交互に切り替え、自然環境の昼夜を模擬して光合成による栄養素生成を促し蒸散を抑える。
▸ 示唆: 光を使った鮮度保持という課題は共通だが、解決は時間帯ごとの光量と温度の切替で、遠赤色光の混合比という軸とは別のため併用や回避の検討材料になる。
AIが精読したのは全84段落のうち検索が当てた10チャンク(33段落・39%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】この発明は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】従来における冷蔵庫においては、冷蔵庫の庫内に配置され主として紫外線を特定収納容器もしくは特定個所に収納される収納物に直接もしくは透光板を介して所定の照射を行う単数または複数の光源と、単数または複数の光源を間隔を置いて点灯消灯する冷蔵庫本体に設けられた制御装置と、を備え、点灯する時間より消灯する時間を長くしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】また、冷蔵庫本体を複数の区画に仕切られた1つの区画からなる野菜室と、野菜室に設けられる光透過性のない材料からなる野菜室ケースと、野菜室ケースの底面の一部に設けられた開口部と、開口部を塞ぐように設置された光透過性のある材料からなる蓋部と、野菜室の床面に設けられ、光を照射する光源を有した光照射装置と、を備え、野菜室ケースが野菜室に収納された状態で、野菜室ケースの下方から蓋部を透過して野菜室ケース内に光を照射するものであって、光源として半導体発光素子を複数個備え、半導体発光素子は予め設定された時間ごとに点灯又は消灯する冷蔵庫も、従来において知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】特開2006−329614号公報 特開2007−046840号公報
【0005】しかしながら、これらの特許文献1、2に示されるような従来の冷蔵庫においては、野菜室内に光を照射する光源を点灯している時と消灯している時のそれぞれにおける野菜室内の温度については全く考慮されていない。このため、光源を点灯して野菜室内の野菜の光合成を促進している際における野菜室内の温度が光合成に必ずしも適切でなく、光合成を促進する効果が薄れてしまう可能性がある。また、同様に、光源を消灯している際における野菜室内の温度環境についても、野菜からの水分蒸散を抑えるのに適切でない場合がある。
【0006】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、保存中の野菜類等(青果物)の光合成による栄養素の生成を促進することができるとともに、光合成で得た糖の無駄な消費及び余分な蒸散を抑制することができ、貯蔵室内の青果物を鮮度よく高品質に保存することが可能である冷蔵庫を得るものである。
【0007】この発明に係る冷蔵庫においては、食品を保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の内部を冷却する冷却手段と、前記貯蔵室の内部に可視光を照射可能な発光部と、を備え、前記発光部は、第1の放射強度で光を照射する第1の工程を第1の継続時間実施するとともに、前記第1の放射強度より低い第2の放射強度で光を照射する第2の工程を第2の継続時間実施し、前記冷却手段は、前記発光部が前記第1の工程を実施中に前記貯蔵室の内部を第1の温度にし、前記発光部が前記第2の工程を実施中に前記貯蔵室の内部を前記第1の温度より低い第2の温度にする構成とする。
【0008】#9この発明に係る冷蔵庫においては、保存中の野菜類等(青果物)の光合成による栄養素の生成を促進することができるとともに、光合成で得た糖の無駄な消費及び余分な蒸散を抑制することができ、貯蔵室内の青果物を鮮度よく高品質に保存することが可能であるという効果を奏する。
【0009】この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の野菜室部分を拡大して示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 図4の制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御及び温度制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御及び温度制御の流れを示すフロー図である。
【0010】この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0011】実施の形態1. 図1から図6は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の野菜室部分を拡大して示した図、図4は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図5は図4の制御装置の構成を示すブロック図、図6は冷蔵庫の光照射制御及び温度制御のタイムチャート、図7は冷蔵庫の光照射制御及び温度制御の流れを示すフロー図である。
【0012】なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0013】(冷蔵庫の構成) この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
【0014】図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0015】冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0016】冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
【0017】冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉7が設けられている。ここでは、冷蔵室扉7は両開き式(観音開き式)であり、右扉7a及び左扉7bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の冷蔵室扉7(例えば、左扉7b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部6a及び表示部6bを備えている。操作部6aは、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、操作部6aと表示部6bを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。
【0018】冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
【0019】また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる上段収納ケース11及び下段収納ケース10が引き出し自在に格納されている。
【0020】(冷却機構) 冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0021】冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
【0022】送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
【0023】風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することに調節することができる。
【0024】以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
【0025】冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置8が収容されている。制御装置8には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置8が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置8は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ等により検知することができる。
【0026】(野菜室の構成) 図3は、冷蔵庫1が備える野菜室500部分の断面図である。野菜室500は、食品、特に野菜を保存する貯蔵室である。下段収納ケース10は、野菜室扉9のフレーム(図示せず)によって支持されている。下段収納ケース10の上側には、上段収納ケース11が載置されている。野菜室扉9を前方へと引き出すと、下段収納ケース10及び上段収納ケース11が野菜室扉9と一体となって前方へと引き出される。野菜室扉9を引き出した状態で、上段収納ケース11だけを後方へスライドすると、下段収納ケース10だけが引き出された状態となる。下段収納ケース10だけが引き出された状態では、下段収納ケース10に食品を出し入れすることができる。
【0027】野菜室500の内部には、扉開閉検知スイッチ12、サーミスタ13及び発光部14が設けられている。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室扉9の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室500の前面開口の縁部における野菜室扉9と対向する位置に設けられている。
【0028】野菜室500内の背面部には、サーミスタ13及び発光部14が取り付けられている。サーミスタ13は、野菜室500内の温度を検知する。発光部14は、貯蔵室である野菜室500の内部に可視光を照射可能である。ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、発光部14は、この開口部15を通して下段収納ケース10の内部に可視光を照射できるようになっている。なお、下段収納ケース10の少なくとも開口部15に相当する部分に発光部14から照射される可視光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0029】#3(発光部の構成) 発光部14は、前述したように可視光を照射可能であり、ここでは、例えば、3種類の発光素子を備えた白色LEDであるとする。発光部14が備える3種類の発光素子は、例えば、光の三原色、すなわち、赤色、緑色、青色の光をそれぞれ発する。赤色の光を発する発光素子は、具体的に例えば、中心波長が600nm以上780nm以下である光を発する。緑色の光を発する発光素子は、具体的に例えば、中心波長が500nm以上550nm以下である光を発する。青色の光を発する発光素子は、具体的に例えば、中心波長が430nm以上500nm以下である光を発する。そして、これら三原色の発光素子の全てが定格出力で同時点灯した際に、発光部14が白色の光を発するように構成されているなお、ここでは、発光部14が備えるこれら三原色の発光素子は、それぞれが独立して、点灯及び消灯することができるように構成されている。
【0030】(冷蔵庫の制御系統) 図4は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。この図4には、特に野菜室500の制御に関係する部分が示されている。制御装置8は、例えばマイクロコンピュータを備えており、CPU8a及びメモリ8bを備えている。制御装置8は、メモリ8bに記憶されたプログラムをCPU8aが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0031】制御装置8には、サーミスタ13から野菜室500の内部の温度の検知信号が入力される。また、制御装置8には、操作パネル6の操作部6aからの操作信号も入力される。さらに、制御装置8には、扉開閉検知スイッチ12からの検知信号も入力される。
【0032】#7制御装置8は、入力された信号に基づいて、野菜室500の内部が設定された温度に維持されるように、圧縮機2及び送風ファン4等の動作を制御する処理を実行する。また、制御装置8は、発光部14へと制御信号を出力して発光部14の発光動作についても制御する。さらに、制御装置8は、操作パネル6の表示部6bに表示信号を出力して、表示部6bの表示動作も制御する。
【0033】(制御装置の構成) 次に、図5を参照しながら、制御装置8の構成について説明する。この図5に示すように、制御装置8は、発光制御部21、温度制御部22、記憶部23、計時部24及び季節特定部25を備えている。発光制御部21は、前述した制御装置8による各種制御のうち、特に発光部14の発光動作制御を担う。前述したように、発光部14は、三原色の発光素子を備えている。そして、発光制御部21は、発光部14が備える三原色の発光素子の点灯及び消灯を、それぞれの素子について個別に制御することが可能である。
【0034】温度制御部22は、前述した制御装置8による各種制御のうち、特に、圧縮機2及び送風ファン4等の冷却手段の制御を担う。温度制御部22は、貯蔵室である野菜室500の内部の温度が設定された温度となるように、冷却手段を制御する。
【0035】記憶部23には、発光制御部21及び温度制御部22による制御に必要なパラメータ等の各種の情報が予め記憶されている。計時部24は、発光制御部21及び温度制御部22による制御の際に、特定時点からの経過時間の計測等を行う。計時部24は、現在の時刻を計時する時計機能及び現在の月日を特定するカレンダー機能を備えていてもよい。
【0036】季節特定部25は、現在の季節を特定する。季節特定部25は、例えば、計時部24により特定された現在の月日に基づいて、現在の季節を特定する。他に例えば、冷蔵庫1の外部の温度を検出する図示しない庫外温度センサの検出結果に基づいて、現在の季節を特定してもよい。又は、季節特定部25は、使用者が操作パネル6の操作部6aを操作して、現在の季節を入力することができるようにしてもよい。また、この際、季節特定部25は、冷蔵庫1が設置された国の情報、設置場所の緯度及び経度の情報等も利用して、使用する場所に適合した季節を特定するようにしてもよい。国、緯度及び経度等の情報は、例えば、使用者が操作パネル6から入力できるようにすることが考えられる。
【0037】(光照射及び温度制御) 次に、図6を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御及び野菜室500内の温度制御(冷却手段の動作制御)について説明する。発光制御部21は、発光部14から第1の放射強度で光を照射される第1の工程を実施させる。すなわち、発光制御部21の制御により、発光部14は、第1の放射強度で光を照射する第1の工程を実施する。また、発光制御部21は、発光部14から第2の放射強度で光を照射される第2の工程を実施させる。すなわち、発光制御部21の制御により、発光部14は、第2の放射強度で光を照射する第2の工程を実施する。
【0038】第2の工程における第2の放射強度は、第1の工程における第1の放射強度より低い。ここでは、例えば、第1の放射強度は、発光部14が定格で点灯した状態の放射強度とし、第2の放射強度は、発光部14から光を照射しない状態での放射強度すなわち「0」とする。
【0039】#5また、第1の工程は、第1の継続時間だけ実施される。そして、第2の工程は、第2の継続時間だけ実施される。第1の継続時間及び第2の継続時間の具体的な値は、記憶部23に予め記憶されている。例えば、第1の継続時間及び第2の継続時間のそれぞれが5時間以上、望ましくは5時間以上15時間以下程度にするとよい。
【0040】また、発光制御部21は、発光部14が第1の工程と第2の工程とを交互に繰り返して実施するように制御する。すなわち、発光制御部21の制御により、発光部14は、第1の工程と第2の工程とを交互に実施する。この際、第1の継続時間と第2の継続時間との合計が24時間以下となるようにすることが望ましい。
【0041】発光制御部21が発光部14に第1の工程を実施させるように制御している時には、温度制御部22は、野菜室500の内部が第1の温度になるように冷却手段を制御する。すなわち、温度制御部22の制御により、冷却手段は、発光部14が第1の工程を実施中に野菜室500の内部を第1の温度にする。また、発光制御部21が発光部14に第2の工程を実施させるように制御している時には、温度制御部22は、野菜室500の内部が第2の温度になるように冷却手段を制御する。すなわち、温度制御部22の制御により、冷却手段は、発光部14が第2の工程を実施中に野菜室500の内部を第2の温度にする。
【0042】#4第2の温度は、第1の温度より低い温度である。第1の温度及び第2の温度の具体的な値は、記憶部23に予め記憶されている。第1の温度及び第2の温度は、野菜の凍結点から冷暗所レベルの温度、具体的に例えば−1℃以上15℃以下の範囲とする。そして、例えば、第1の温度は5℃以上15℃以下の範囲で、第2の温度は−1℃以上10℃以下の範囲で、かつ、第1の温度より第2の温度が低くなるように設定される。図6では、第1の温度を6℃にし、第2の温度を0℃にした場合を示している。
【0043】以上のように、第1の工程においては、発光部14は比較的に高い第1の放射強度で光を照射し、冷却手段により野菜室500の内部の温度が比較的に高い第1の温度にされる。そして、第2の工程においては、発光部14は比較的に低い第2の放射強度で光を照射し、冷却手段により野菜室500の内部の温度が比較的に低い第2の温度にされる。この第1の工程は、自然環境における昼の状態を模擬したものであり、以降において「昼モード」と呼ぶ。一方、第2の工程は、自然環境における夜の状態を模擬したものであり、以降において「夜モード」と呼ぶ。
◆ この文献の解決アプローチ
昼夜模擬の光量と温度の連動制御
文献: 第1の工程においては、発光部14は比較的に高い第1の放射強度で光を照射し、冷却手段により野菜室500の内部の温度が比較的に高い第1の温度にされる。
光を使った鮮度保持という課題は共通だが、解決は時間帯ごとの光量と温度の切替で、遠赤色光の混合比という軸とは別のため併用や回避の検討材料になる。
【0044】ここで、第1の工程の第1の継続時間及び第2の工程の第2の継続時間を、季節に応じて設定するようにしてもよい。すなわち、この場合には、記憶部23には、季節毎の第1の継続時間及び第2の継続時間の値が予め記憶されている。そして、発光制御部21は、季節特定部25により特定された現在の季節に対応する第1の継続時間及び第2の継続時間の値を記憶部23から取得し、この取得した第1の継続時間及び第2の継続時間の値に従って、発光部14に第1の工程及び第2の工程を実施させる。この際、冷蔵庫1が設置された国又は緯度の情報が利用できる場合には、さらに、緯度の高さに応じた昼及び夜の時間に合わせて、第1の継続時間及び第2の継続時間の値を設定してもよい。
【0045】また、第1の工程中の第1の温度及び第2の工程中の第2の温度も、季節に応じて設定するようにしてもよい。すなわち、この場合には、記憶部23には、季節毎の第1の温度及び第2の温度の値が予め記憶されている。そして、温度制御部22は、季節特定部25により特定された現在の季節に対応する第1の温度及び第2の温度の値を記憶部23から取得し、この取得した第1の温度及び第2の温度の値を第1の工程中及び第2の工程中の野菜室500の内部温度の目標値として、冷却手段を制御する。この際、冷蔵庫1が設置された国又は緯度及び経度の情報が利用できる場合には、さらに、国又は緯度及び経度に応じた気候に合わせて、第1の温度及び第2の温度の値を設定してもよい。
【0046】以上のように構成された冷蔵庫1が備える発光部14及び野菜室500の内部温度の制御に係る一連の流れについて、図7のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS1で冷蔵庫1の電源が投入されると、ステップS2において、制御装置8は、計時部24により計時されている現在時刻が、昼モード時間帯に属しているか否かを判定する。
【0047】この際、例えば、6〜18時を昼モード時間帯とし、それ以外(18〜6時)を夜モード時間帯とすると予め設定しておく。なお、昼モード時間帯及び夜モード時間帯を、季節特定部25により季節に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、夏至の頃に昼モード時間帯が最も長く、冬至の頃に昼モード時間帯が最も短くなるように設定してもよい。
【0048】ステップS2において、現在時刻が、昼モード時間帯に属している場合には、ステップS3へと進む。ステップS3においては、発光制御部21は、発光部14を点灯させる。すなわち、発光部14は、第1の放射強度で光を照射する。続くステップS4において、温度制御部22は、野菜室500の設定温度を第1の温度とし、野菜室500の内部温度が第1の温度となるように冷却手段を制御する。
【0049】ステップS4の次はステップS5へと進む。ステップS5においては、計時部24は、経過時間を計測するタイマーの値を0にリセットし、タイマーによる経過時間の計測を開始する。そして、続くステップS6において、制御装置8は、計時部24のタイマーの経過時間が第1の継続時間になったか否かを確認する。タイマーの経過時間が第1の継続時間になっていなければ、ステップS3へと戻る。
【0050】一方、ステップS6でタイマーの経過時間が第1の継続時間になった場合にはステップS7へと進む。また、ステップS2において、現在時刻が、昼モード時間帯に属していない場合には、ステップS3からS6を経由せずにステップS2から直接にステップS7へと進む。以上のステップS3からS6までが第1の工程すなわち昼モードである。
【0051】ステップS7においては、発光制御部21は、発光部14を消灯させる。すなわち、発光部14は、第2の放射強度で光を照射する。続くステップS8において、温度制御部22は、野菜室500の設定温度を第2の温度とし、野菜室500の内部温度が第2の温度となるように冷却手段を制御する。
【0052】ステップS8の次はステップS9へと進む。ステップS9においては、計時部24は、経過時間を計測するタイマーの値を0にリセットし、タイマーによる経過時間の計測を開始する。そして、続くステップS10において、制御装置8は、計時部24のタイマーの経過時間が第2の継続時間になったか否かを確認する。タイマーの経過時間が第2の継続時間になっていなければ、ステップS7へと戻る。
【0053】一方、ステップS10でタイマーの経過時間が第1の継続時間になった場合にはステップS3へと戻り、以上のステップを繰り返し実行する。以上のステップS7からS10までが第2の工程すなわち夜モードである。
【0054】(光照射及び温度制御による作用) 次に、以上のような発光部14の光照射及び野菜室500の温度制御により期待される作用について説明する。まず、植物の光合成反応について説明する。光合成反応は次の(1)式で表すことができる。
【0055】6CO 2 +12H 2 O+688kcal→C 6 H 12 O 6 +6H 2 O+6O 2 ・・・ (1)
【0056】この(1)式において、CO 2 :二酸化炭素、H 2 O:水、688kcal:光エネルギー、C 6 H 12 O 6 :ブドウ糖である。
【0057】この(1)式の光合成反応により、植物は、光エネルギーを利用して大気中の二酸化炭素と植物のもつ水とから酸素と糖を生成する。この反応は二段階に分かれている。一段階目は葉などに含まれるクロロフィル等の色素により吸収された光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。二段階目は、電子、水素イオン及び大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する。ブドウ糖が増加した野菜はその貯蔵性が良くなったり、ブドウ糖からビタミンCを生成したりする。
【0058】ここで、植物の概日リズムは、光の明暗周期等の時間情報が与えられない条件下においても、自律的に約24時間周期を継続する。しかし、光を照射しない暗環境下で野菜類(特に青果物)を保存した場合には、光合成を行わないので貯蔵性向上又は栄養素増量等の効果を得ることはできない。一方、連続的に同一の放射強度の光を照射した明環境下で青果物を保存した場合には、光合成は行うが、栄養素の生成が十分にできなかったり、光合成速度や光合成能力が低下したりする等の障害を誘発することがある。
【0059】そこで、この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を、比較的高い第1の放射強度で照射する第1の工程と、比較的低い第2の放射強度で照射する第2の工程とを交互に繰り返して実施する。
【0060】このため、下段収納ケース10内は、比較的に高い強度で可視光が照射されて明環境となる明期と、比較的に低い強度で可視光が照射されず暗環境となる暗期とに時間経過とともに変わる。すなわち、下段収納ケース10内では、朝に日が昇り夜に日が沈むことによる自然界での光量変化を模擬した環境が実現される。したがって、下段収納ケース10に投入された青果物等の植物に対して、概日リズムに従った光合成等の活動を促すことができる。
【0061】ここで、光合成は光を必要とする反応であり、温度が高い方が効率がよい。一方、光合成で生成した糖を無駄に消費しないためには、温度は低い方がよい。この発明に係る冷蔵庫1では、前述したように、比較的高い第1の放射強度で光を照射する第1の工程中では、野菜室500の内部温度を比較的高い第1の温度にし、比較的低い第2の放射強度で光を照射する第2の工程中では、野菜室500の内部温度を比較的低い第2の温度にする。
【0062】したがって、光の放射強度が高く、野菜室500の下段収納ケース10に投入された青果物等の植物の光合成を促している第1の工程中に、野菜室500内の温度を高くして、光合成の効率を向上し、さらに光合成を促進することができる。また、光の放射強度が低く、上段収納ケース11の青果物等の光合成を抑制して糖を保存されやすくする第2の工程中に、野菜室500内の温度を低くして、さらに糖の保存性を向上することができる。
【0063】このように、青果物の概日リズムに応じて光の照射と貯蔵室内の温度とを連動させて制御することで、光合成及び栄養素の生成と生成した栄養素の保存とを両立して効率よく行わせることができ、保存中の野菜の貯蔵性向上及び栄養素増量の効果を得ることが可能である。すなわち、この発明に係る冷蔵庫1によれば、自然界の光の動きを模擬した光の照射を行うことで、青果物の概日リズムを利用し、青果物の光合成等の活動をコントロールすることができ、光合成による栄養素の生成を促進し、かつ、光合成で得た糖の無駄な消費及び余分な蒸散を抑制することができ、野菜を高品質に保存することが可能である。
【0064】なお、野菜は凍結点に近い温度になると、高分子で貯蔵していた分子を低分子化し、自身の体液の凍結点を下げて自身が凍らないようにする。そこで、第2の工程中における第2の温度を凍結点に近い−1以上0℃以下程度にしておけば、畑等で栽培されていた時にでんぷんなどの高分子の形で貯蔵された多糖類が単糖類、すなわち光合成で生成されるブドウ糖に分解されるため、野菜室500に収納されてから生成したブドウ糖と合わせてビタミンC等の合成に利用することができ、保存中の野菜の栄養素増量をさらに図ることができる。
【0065】また、前述したように、第1の継続時間及び第2の継続時間を季節に応じて設定し、具体的に例えば、夏至の頃に第1の継続時間が最も長くかつ第2の継続時間が最も短く、冬至の頃に第1の継続時間が最も短くかつ第2の継続時間が最も長くなるように設定してもよい。このようにすることで、明暗の周期がより自然に近くなり、保存中の野菜の栄養成分増量を促進することができる。
【0066】さらに、前述したように、第1の温度及び第2の温度を季節に応じて設定してもよい。具体的に例えば、夏場は比較的高い温度帯、第1の温度を10℃以上15℃以下、第2の温度を5℃以上10℃以下の範囲で設定するとよい。このようにすることで、夏場に多いナス、キュウリ等の低温障害が起きやすい野菜に低温障害が起きることを抑制することができる。また、具体的に例えば、冬場は比較的低い温度帯、第1の温度を5℃以上10℃以下、第2の温度を−1℃以上5℃以下の範囲で設定するとよい。このようにすることで、冬場に多いホウレンソウ、小松菜等の高温ではしおれやすい葉物野菜の蒸散を抑制し、葉物野菜がしおれてしまうことを抑制することができる。
【0067】ここで、植物の概日リズムは、環境光の影響を受けてそのリズムの位相が変化するという特徴がある。例えば、暗環境において光を照射して明環境とすると、リズム位相は朝側にずれる。このような特徴を利用し、第2の工程の時間を第1の工程よりも短くし、すなわち暗期を明期よりも短縮して光照射の周期を24時間以下とすることで、下段収納ケース10内の青果物が保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることができる。そして、保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることで、青果物の糖及びビタミンC等の栄養素の生成効率を向上させることができる。
【0068】#6また、ここで、青色光には、植物の気孔を開く作用がある。そこで、図6に示すように、第1の工程の初期段階において青色を含む光を照射することで、青果物の気孔を開くことができる。そして、青果物の気孔を開いてから明期を継続することで、青果物は空気中の二酸化炭素を十分に取り込むことができ、効率的に光合成を行うことができる。一方で、青色光には、発芽及び開花を促進させてしまう作用もある。このため、青果物の長期保存を目的とする場合には青色光を照射する時間はなるべく短くした方がよい。
【0069】そこで、光合成を促進する第1の工程において、まず、例えば10分以上青色を含む光を照射した後、青色の発光素子を消灯して青色を含まない光を照射するようにすることで、下段収納ケース10内の青果物の気孔を開口した後に光合成を行わせることができ、下段収納ケース10内の青果物の光合成をより促進することが可能である。
【0070】なお、赤色光及び緑色光は、野菜のクロロフィル活性化、生合成機能によるブドウ糖の生成とそれを用いるビタミンC等の合成を促すことができる。このため、青色光の放射強度は、赤色光及び緑色光の放射強度よりも低い方が効率的である。具体的に例えば、青色光の放射強度は、赤色光及び緑色光の放射強度の1/4以下、望ましくは1/10以上1/5以下程度とするのがよい。
【0071】(夜モード時間帯特定の別例) なお、昼モード(第1の工程)及び夜モード(第2の工程)を実施する時間帯については、前述したように季節に応じて予め設定するようにしてもよいが、次のようにして、野菜室500の開閉状況に応じて決定するようにしてもよい。
【0072】#8前述したように野菜室扉9は、貯蔵室である野菜室500を開閉可能な扉である。また、扉開閉検知スイッチ12は、この野菜室扉9の開閉を検知する検知手段である。制御装置8は、一定時間当たりの、すなわち、予め設定された基準時間当たりの、扉開閉検知スイッチ12により検知された野菜室扉9の開閉回数を計数している。この際の基準時間は、例えば第2の工程(夜モード)の継続時間である第2の継続時間とする。
【0073】そして、発光制御部21は、一定時間当たり野菜室扉9が開閉された回数が予め設定された回数以下である時間帯に、第2の工程(夜モード)を実施するように発光部14を制御する。また、温度制御部22は第2の工程中、すなわち、一定時間当たり野菜室扉9が開閉された回数が予め設定された回数以下である時間帯に野菜室500の内部温度を第2の温度とするよう冷却手段を制御する。
【0074】冷蔵庫1の扉は、食事の準備又は買い物前後等開閉が多くなり、使用者が寝ている間又は外出中等には開閉されない。そのため、日常生活において扉開閉回数の変化は1日の中でパターン化され、予測することができる。そこで、制御装置8は、野菜室扉9の開閉回数を計数し、一定時間当たりの扉開閉回数の少ない時間帯を、例えば記憶部23等に記憶する。そして、次の日以降における記憶した時間帯、あるいは、時間帯を記憶した24時間後に第2の工程を開始することで、開閉回数の少ない時間帯に第2の工程を実施することができる。
【0075】#10第2の工程の途中で野菜室扉9が開閉されると、冷蔵庫1の外の光の影響により保存している青果物の概日リズムの位相が変化してしまう可能性がある。そこで、野菜室扉9の開閉回数が少ない時間帯に第2の工程を実施することで、下段収納ケース10内の青果物に光が照射されない暗期を確保することができ、概日リズムにあった光照射制御を効率的に行うことができる。また、第2の工程中に野菜室扉9が開閉されて外気が野菜室500内に侵入することを抑制し、低温を保つことができる。
【0076】なお、冷蔵室扉7に設置された操作パネル6の操作部6aを操作することによって、使用者が、発光部14からの光照射制御の実施と停止(発光部14を常に消灯する)とを切り替えることができるようにしてもよい。操作パネル6により使用者が発光部14を点灯させる制御を実施するか否かを選択できるようにすることで、青果物をあまり保存しないとき又は長期間使用しないとき等に、停止を選択し発光部14を常に消灯させ、エネルギー消費量の低減を図るとともに通常の冷蔵庫1と同様の使い勝手を提供することができる。温度制御部22による冷却手段の制御についても同様である。
【0077】#2また、光照射制御の実施中には、操作パネル6の表示部6bに「光照射中」等の表示を行うようにしてもよい。さらに、表示部6bに、第1の工程中(明期)に「点灯中」、第2の工程中(暗期)に「消灯中」等の表示を表示部6bにしてもよい。さらに、庫内(野菜室500内)の光の状態を自然界の光の1日に置き換えた表示を表示部6bにしてもよい。具体的に例えば、光照射制御で実施中の工程に合わせて、第1の工程中に「昼」、第2の工程中に「夜」等の表示を表示部6bにしてもよい。このようにすることで、使用者に庫内の光の状態を報知することができ、利便性、満足感を向上させることができる。加えて、第2の工程実施中に不要な扉の開閉をしない等の注意を使用者に促すこともできる。
【0078】なお、操作パネル6は、冷蔵庫1の外側に設置するのに限らず、庫内(貯蔵室内)に設置されていてもよい。また、冷蔵庫1に通信手段を設け、電気通信回線等を介して、携帯情報端末(スマートフォンを含む携帯電話、タブレット端末等)により、冷蔵庫1の制御装置8に指令を伝えたり、冷蔵庫1の情報を受信して表示したりしてもよい。すなわち、携帯情報端末に操作パネル6の操作部6a及び表示部6bの機能の一方又は両方を備えるようにしてもよい。
【0079】なお、以上においては発光部14をRGB型白色LEDとした場合について説明したが、単色光のLEDを組み合わせたものとしてもよい。例えばクロロフィル活性化、糖及びビタミンC増量に効果のある赤色LED及び緑色LED、ポリフェノール増量のために紫外線照射タイプのLED、アントシアニン系の栄養素増量のために青色光のLED等、目的に使用するLEDを選択してもよい。
【0080】#1また、青色LEDに黄色蛍光体を付与した青色光の割合が多いLEDを用いてもよい。これにより、野菜に照射する青色光を不足させることなく白色光を追加できるので、野菜室500内の視認性を向上させることができる。
【0081】発光部14からの放射強度(光量)は、徐々に又は段階的に変化するよう調光してもよい。例えば、夜明け相当の時間帯には、放射強度を低くし、正午前後相当の時間帯にかけて放射強度を高くし、夕方相当の時間帯にかけて放射強度を低くしてもよい。このようにすることで、光量がより自然に近くなり、栄養成分増量を促進することができる。
【0082】また、夜モードの放射強度(光量)である第2の放射強度は0でなくともよく、昼モードの放射強度(光量)である第1の放射強度に比べて十分に暗くすればよく、例えば、月明かりのような、わずかな光量で点灯させてもよい。また、わずかな光量を徐々に又は段階的に調光してもよい。このようにすることで、光量がより自然に近くなり、栄養成分増量を促進することができる。
【0083】さらに、野菜室500内の温度は、徐々に又は段階的に変更してもよい。例えば、夜明け相当の時間帯には、温度を低くし、正午前後相当又は一般的に最高気温になる午後2時頃相当の時間帯にかけて温度を高くし、夕方相当の時間帯にかけて温度を低くしてもよい。また、夕方相当の時間帯から温度を徐々にまたは段階的に低くし、早朝相当の時間帯の温度が最も低くなるようにしてもよい。このようにすることで、温度がより自然に近くなり、栄養成分増量を促進することができる。
【0084】1 冷蔵庫 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風ファン 5 風路 6 操作パネル 6a 操作部 6b 表示部 7 冷蔵室扉 7a 右扉 7b 左扉 8 制御装置 8a CPU 8b メモリ 9 野菜室扉 10 下段収納ケース 11 上段収納ケース 12 扉開閉検知スイッチ 13 サーミスタ 14 発光部 15 開口部 21 発光制御部 22 温度制御部 23 記憶部 24 計時部 25 季節特定部 90 断熱箱体 100 冷蔵室 200 切替室 300 製氷室 400 冷凍室 500 野菜室 201 切替室収納ケース 401 冷凍室収納ケース
ヒントあり冷蔵庫
特開2017-106721 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 柴田 舞子、松本 真理子、内田 毅、伊藤 敬 / 出願日: 2017-03-23 / 公開日: 2017-06-15 / 検索10位 / 明暗周期でリズム制御派
アプローチ: 概日リズムに合わせた明暗と赤外光 野菜室で可視光照射工程と非照射工程を交互に繰り返して概日リズムを利用し光合成を促進し、暗期の前に赤外光(780〜2000nm)を当てて気孔を閉じ余分な蒸散を抑える。非照射は扉開閉の少ない時間帯に行う。
▸ 示唆: 長波長の赤外側の光を蒸散抑制に使う点は示唆的だが、暗期直前に限る時間制御であり、白色光と遠赤色光を常時同時に重ねるメモの構成とは異なる。
AIが精読したのは全77段落のうち検索が当てた10チャンク(33段落・43%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#1この発明は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】従来における冷蔵庫においては、野菜室内の一画に、主として葉菜類を収納する収納容器を備え、収納容器の上方に弱光照射装置を配置し、弱光装置を、可視光線領域波長を発光する半導体発光素子とし、半導体発光素子は約660nmの波長を出力する赤色LEDとしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】特開2002−267348号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に示された従来における冷蔵庫においては、葉菜類(野菜類)等の青果物には1日24時間連続的に光が照射されている。一方、野菜類等の植物は、約24時間周期で光合成等の活動を行っている。この周期的な活動は概日リズムといわれる。太陽エネルギーを利用する光合成においては、光の明暗が概日リズムに大きな影響を与える。そのため、連続的に光が照射されている状態では、葉菜類(野菜類)等の青果物は照射される光のエネルギーを効率的に利用できていなかった。具体的には、光合成を効率的に行うことができず、また、気孔が開き続けてしまうため、気孔から余分な蒸散が行われて青果物の水分が失われてしまい、貯蔵室に保存される青果物を鮮度が維持できない場合がある。
【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、植物の概日リズムを利用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができるとともに、保存中の青果物からの余分な蒸散を抑制して青果物の水分を維持することができ、貯蔵室に保存される青果物を鮮度よく保つことが可能な冷蔵庫を得るものである。
【0006】この発明に係る冷蔵庫は、食品を保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の内部に可視光及び赤外光を照射可能な発光部と、前記発光部が予め設定された工程を周期的に繰り返すように前記発光部の動作を制御する制御部と、を備え、前記発光部は、可視光領域の第1の波長を中心波長とする光を照射する第1の光源と、可視光領域の前記第1の波長とは異なる第2の波長を中心波長とする光を照射する第2の光源と、赤外光を照射する赤外光源と、を備え、前記第1の波長は、500nm以上700nm以下であり、前記第2の波長は、400nm以上500nm以下であり、前記制御部は、前記予め設定された工程において、前記第1の光源と前記第2の光源の両方から光を照射させる第1の照射工程を実施し、前記第1の照射工程より後に前記第1の光源のみから光を照射させる第2の照射工程を実施し、前記第2の照射工程より後に前記発光部から可視光を含む光を照射させない非照射工程を実施するように前記発光部を制御するとともに、前記非照射工程の開始前に前記赤外光源から赤外光を照射させる赤外光照射工程を実施するように前記発光部を制御する。
【0007】この発明に係る冷蔵庫においては、植物の概日リズムを利用して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができるとともに、保存中の青果物からの余分な蒸散を抑制して青果物の水分を維持することができ、貯蔵室に保存される青果物を鮮度よく保つことが可能であるという効果を奏する。
【0008】この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の野菜室部分を拡大して示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。
【0009】#3この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0010】実施の形態1. 図1から図9は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の野菜室部分を拡大して示した図、図4は冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図、図5は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図6は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャート、図7は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図、図8は複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図、図9は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。
【0011】なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0012】(冷蔵庫の構成) この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
【0013】図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0015】冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
【0016】冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉7が設けられている。ここでは、冷蔵室扉7は両開き式(観音開き式)であり、右扉7a及び左扉7bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の冷蔵室扉7(例えば、左扉7b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部6a及び表示部6bを備えている。操作部6aは、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、操作部6aと表示部6bを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。
【0017】冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
【0018】また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる上段収納ケース11及び下段収納ケース10が引き出し自在に格納されている。
【0019】(冷却機構) 冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0020】冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
【0021】送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
【0022】風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することで調節することができる。
【0023】以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
【0024】冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置8が収容されている。制御装置8には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置8が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置8は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ(図示せず)等により検知することができる。
【0025】(野菜室の構成) 図3は、冷蔵庫1が備える野菜室500部分の断面図である。野菜室500は、食品、特に野菜を保存する貯蔵室である。下段収納ケース10は、野菜室扉9のフレーム(図示せず)によって支持されている。下段収納ケース10の上側には、上段収納ケース11が載置されている。野菜室扉9を前方へと引き出すと、下段収納ケース10及び上段収納ケース11が野菜室扉9と一体となって前方へと引き出される。野菜室扉9を引き出した状態で、上段収納ケース11だけを後方へスライドすると、下段収納ケース10だけが引き出された状態となる。下段収納ケース10だけが引き出された状態では、下段収納ケース10に食品を出し入れすることができる。
【0026】野菜室500の内部には、扉開閉検知スイッチ12、サーミスタ13及び発光部14が設けられている。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室扉9の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室500の前面開口の縁部における野菜室扉9と対向する位置に設けられている。
【0027】野菜室500内の背面部には、サーミスタ13及び発光部14が取り付けられている。サーミスタ13は、野菜室500内の温度を検知する。発光部14は、貯蔵室である野菜室500の内部に可視光及び赤外光を照射可能である。ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、発光部14は、この開口部15を通して下段収納ケース10の内部に可視光及び赤外光を照射できるようになっている。なお、下段収納ケース10の少なくとも開口部15に相当する部分に発光部14から照射される可視光及び赤外光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0028】(発光部の構成) 次に、図4を参照しながら発光部14の構成についてさらに説明する。図4に示すように、発光部14は、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cの3種の光源を備えている。前述したように、発光部14は、可視光及び赤外光を照射可能である。このため、発光部14は、可視光を照射する可視光源と、赤外光を照射する赤外光源とを備えている。第1の光源16a及び第2の光源16bは、可視光源である。第3の光源16cは、赤外光源である。
【0029】第1の光源16aは、第1の波長を中心波長とする光を照射する。第2の光源16bは、第2の波長を中心波長とする光を照射する。第1の波長及び第2の波長は、いずれも可視光領域に属する。ただし、第2の波長は、第1の波長とは異なっている。
【0030】具体的には、第1の光源16aの中心波長である第1の波長は、500nm以上700nm以下、好ましくは600nm以上700nm以下である。すなわち、第1の光源16aから照射される光は赤色である。第1の光源16aとして具体的に例えば、赤色LEDを用いることができる。
【0031】また、第2の光源16bの中心波長である第2の波長は、400nm以上500nm以下である。すなわち、第2の光源16bから照射される光は青色である。第2の光源16bとして具体的に例えば、青色LEDを用いることができる。
【0032】赤外光源である第3の光源16cは、780nm以上2000nm以下の赤外線領域に属する中心波長の光を照射する。第3の光源16cとして具体的に例えば、赤外線LEDを用いることができる。
【0033】これらの第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cは、それぞれが独立して、点灯及び消灯することができるように構成されている。
【0034】(冷蔵庫の制御系統) 図5は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。この図5には、特に野菜室500の制御に関係する部分が示されている。制御装置8は、例えばマイクロコンピュータを備えており、プロセッサ8a及びメモリ8bを備えている。制御装置8は、メモリ8bに記憶されたプログラムをプロセッサ8aが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0035】制御装置8には、サーミスタ13から野菜室500の内部の温度の検知信号が入力される。また、制御装置8には、操作パネル6の操作部6aからの操作信号も入力される。さらに、制御装置8には、扉開閉検知スイッチ12からの検知信号も入力される。
【0036】制御装置8は、入力された信号に基づいて、野菜室500の内部が設定された温度に維持されるように、圧縮機2及び送風ファン4等の動作を制御する処理を実行する。また、制御装置8は、操作パネル6の表示部6bに表示信号を出力する。
【0037】さらに、制御装置8は、発光部14のへと制御信号を出力して発光部14の発光動作についても制御する。前述したように、発光部14は、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cを備えている。これら3種の光源は、それぞれ独立して点灯及び消灯することができる。そして、制御装置8は、発光部14が備える第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cのそれぞれの点灯及び消灯の状態を、それぞれ独立して制御することが可能である。
【0038】(発光部の制御) 次に、図6を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8は、発光部14から可視光を含む光を照射させる可視光照射工程と、発光部14から可視光を含む光を照射させない非照射工程とを交互に繰り返すように発光部14の動作を制御する。可視光照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bの少なくとも一方が点灯される。非照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bのいずれも点灯されない。
【0039】可視光照射工程は、さらに2つの工程に分けられる。可視光照射工程では、まず第1の照射工程が実施され、次に第2の照射工程が実施される。すなわち、制御装置8は、可視光照射工程において、第1の照射工程と第2の照射工程とを実施するように発光部14を制御する。第1の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16aと第2の光源16bの両方から光を照射させる。すなわち、赤色光と青色光の両方が照射される。第2の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16aのみから光を照射させ、第2の光源16bは消灯される。すなわち、赤色光のみが照射され、青色光は照射されない。
【0040】さらに、制御装置8は、非照射工程の開始前に予め設定された一定時間の間、赤外光源である第3の光源16cから赤外光を照射させる赤外光照射工程を実施するように発光部14を制御する。なお、赤外光源である第3の光源16cは、赤外光照射工程でのみ点灯され、可視光照射工程(第1の照射工程、第2の照射工程)及び非照射工程では消灯される。すなわち、赤外光照射工程では赤外光のみが照射され、非照射工程では赤色光、青色光及び赤外光のいずれの光も照射されない。
【0041】赤外光照射工程が実施される予め設定された一定時間は、図6においてΔT3で示す時間である。なお、赤外光照射工程に限らず、各工程の継続時間は予め設定されている。これらについてはそれぞれ、第1の照射工程の継続時間はΔT1、第2の照射工程の継続時間はΔT2、非照射工程の継続時間はΔT4とする。
【0042】このように、制御装置8は、第1の照射工程、第2の照射工程、赤外光照射工程、非照射工程の順で実施するように発光部14を制御する。そして、非照射工程の終了後は再び可視光照射工程すなわち第1の照射工程から前述の順で各工程を繰り返して実施する。したがって、それぞれの工程を順に1回ずつ行う1周期にかかる時間ΔTは、ΔT1、ΔT2、ΔT3及びΔT4の合計となる。また、可視光照射工程の継続時間は、ΔT1及びΔT2の合計となる。
【0043】制御装置8は、可視光照射工程と非照射工程とが、24時間以下の周期で交互に繰り返されるように発光部14を制御する。すなわち、ΔTは24時間以下となるように設定される。また、非照射工程の継続時間ΔT4は、可視光照射工程の継続時間以下となるように設定される。すなわち、非照射工程の継続時間ΔT4は、第1の照射工程の継続時間ΔT1と第2の照射工程の継続時間ΔT2との合計時間以下となるように設定される。さらに、第1の照射工程の継続時間ΔT1は、第2の照射工程の継続時間ΔT2以下となるように設定される。以上のような条件を満たす各工程の継続時間の一例として、具体的には、ΔT1を2時間、ΔT2を10時間、ΔT3を30分、そして、ΔT4を8時間に設定する。この場合のΔTは20時間30分となる。
【0044】以上のように構成された冷蔵庫1が備える野菜室500の発光部14の制御に係る一連の流れについて、図7のフロー図を参照しながら説明する。冷蔵庫1の電源が投入されると、まず、ステップS101において、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a及び第2の光源16bを点灯させる。続くステップS102において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0045】そして、続くステップS103において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT1になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT1になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT1になるまでステップS103の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT1となれば、ステップS104へと進む。以上のステップS101からS103までが第1の照射工程である。
【0046】ステップS104においては、制御装置8は、発光部14の第2の光源16bを消灯させる。したがって、第1の光源16aだけが点灯した状態となる。続くステップS105において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0047】そして、続くステップS106において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT2になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT2になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT2になるまでステップS106の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT2となれば、ステップS107へと進む。以上のステップS104からS106までが第2の照射工程である。
【0048】ステップS107においては、制御装置8は、発光部14の第1の光源16aを消灯させる。したがって、第3の光源16cだけが点灯した状態となる。続くステップS108において、制御装置8は、発光部14の第3の光源16cを点灯させる。そして、ステップS109へと進み、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0049】続くステップS110において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT3になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT3になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT3になるまでステップS110の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT3となれば、ステップS111へと進む。以上のステップS107からS111までが赤外光照射工程である。
【0050】ステップS111においては、制御装置8は、発光部14の第3の光源16cを消灯させる。したがって、第1の光源16a、第2の光源16b及び第3の光源16cの全てが消灯した状態となる。続くステップS112において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0051】そして、続くステップS113において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT4になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT4になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT4になるまでステップS113の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT4となれば、ステップS101へと戻り、以上のステップを繰り返し実行する。以上のステップS111からS113までが非照射工程となる。
【0052】#5(光照射制御による作用) 次に、以上のような発光部14での光照射制御により期待される作用について説明する。まず、植物の概日リズムは、光の明暗周期等の時間情報が与えられない条件下においても、自律的に約24時間周期を継続する。しかし、光を照射しない暗環境下で野菜類(特に青果物)等の青果物を保存した場合には、光合成を行わないので貯蔵性向上又は栄養素増量等の効果を得ることはできない。一方、連続的に光を照射した明環境下で青果物を保存した場合には、光合成は行うが、栄養素の生成が十分にできなかったり、光合成速度や光合成能力が低下したりする等の障害を誘発することがある。
【0053】そこで、この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を照射する可視光照射工程と可視光を含む光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返して実施する。
【0054】このため、下段収納ケース10内は、可視光が照射されて明環境となる明期と可視光が照射されず暗環境となる暗期とに時間経過とともに変わる。すなわち、下段収納ケース10内では、朝に日が昇り夜に日が沈むことによる自然界での光量変化を模擬した環境が実現される。したがって、下段収納ケース10に投入された青果物等の植物に対して、概日リズムに従った光合成等の活動を促すことができる。
【0055】ここで、植物の光合成反応について説明する。光合成反応は次の(1)式で表すことができる。
【0056】6CO 2 +12H 2 O+688kcal→C 6 H 12 O 6 +6H 2 O+6O 2 ・・・ (1)
【0057】この(1)式において、CO 2 :二酸化炭素、H 2 O:水、688kcal:光エネルギー、C 6 H 12 O 6 :ブドウ糖である。
◆ この文献の解決アプローチ
概日リズムに合わせた明暗と赤外光
文献: この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を照射する可視光照射工程と可視光を含む光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返して実施する。
長波長の赤外側の光を蒸散抑制に使う点は示唆的だが、暗期直前に限る時間制御であり、白色光と遠赤色光を常時同時に重ねるメモの構成とは異なる。
【0058】#2この(1)式の光合成反応により、植物は、光エネルギーを利用して大気中の二酸化炭素と植物のもつ水とから酸素と糖を生成する。この反応は二段階に分かれている。一段階目は葉などに含まれるクロロフィル等の色素により吸収された光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。二段階目は、電子、水素イオン及び大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する。ブドウ糖が増加した野菜はその貯蔵性が良くなったり、ブドウ糖からビタミンCを生成したりする。
【0059】光合成を活発に行わせるためには、野菜室500内に照射する光を光合成に有効なものとする必要がある。クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)に二つの光吸収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効であることが知られている。また、緑色(500〜600nm)は、クロロフィルによる吸収率は低いが、葉の内部で光が散乱してクロロフィルとの遭遇頻度が高くなり、葉全体での吸収率は高くなる。
【0060】また、青色光には、植物の気孔を開く作用がある。そこで、光を照射する明期の初期段階において青色を含む光を照射することで、青果物の気孔を開くことができる。そして、青果物の気孔を開いてから明期を継続することで、青果物は空気中の二酸化炭素を十分に取り込むことができ、効率的に光合成を行うことができる。一方で、青色光には、発芽及び開花も促進させてしまう作用もある。このため、青果物の長期保存を目的とする場合には青色光を照射する時間はなるべく短くした方がよい。
【0061】#7そこで、光合成を促進する可視光照射工程において、まず第1の照射工程で第2の光源16bを点灯して青色を含む光を照射した後、第2の照射工程で第2の光源16bを消灯して青色を含まない光を照射するようにすることで、下段収納ケース10内の青果物の気孔を開口した後に光合成を行わせることができ、下段収納ケース10内の青果物の光合成をより促進することが可能である。また、この際に、青色を含む光を照射する第1の照射工程を、青色を含まない光を照射する第2の照射工程より短くすることで、発芽及び開花をなるべく促進することなく、かつ、十分な気孔の開口作用を得ることができる。
【0062】一方、赤外光(波長780〜2000nm)には、植物の気孔を閉じる作用がある。そこで、可視光を照射しない非照射工程(暗期)に入る前に、赤外光照射工程を実施して第3の光源16cから赤外光を照射することにより、暗期に入る前に下段収納ケース10内の青果物について気孔の閉鎖を促進することができる。したがって、青果物の気孔がより閉鎖された状態で暗期に移行することができ、暗期における気孔からの余分な蒸散を抑制して青果物の水分を維持することができ、ブドウ糖の合成及びビタミンC等の栄養素の生成を促進することができる。
【0063】#8植物の概日リズムは、朝から夜を経てまた朝になる時間に対応した約24時間周期である。しかし、植物の概日リズムは、環境光の影響を受けてそのリズムの位相が変化するという特徴がある。例えば、暗環境において光を照射して明環境とすると、リズム位相は朝側にずれる。このような特徴を利用し、非照射工程の時間を可視光照射工程よりも短くし、すなわち光を照射しない暗期を、光を照射する明期よりも短縮して光照射の周期を24時間以下とすることで、下段収納ケース10内の青果物が保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることができる。そして、保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることで、青果物の糖及びビタミンC等の栄養素の生成効率を向上させることができる。
【0064】ここで、図8を参照しながら、以上で説明したような複数の異なる光照射条件下で青果物を保存した場合に、青果物に含まれる栄養素(ビタミンC)の量にどのような差異が生じるのかについて、具体的な比較例を挙げて説明する。この図8は、複数の異なる光照射条件下でキャベツを3日間保存した後のビタミンC量を比較したグラフである。ビタミンC量は、保存前の初期のビタミンC量を100として変化の割合で表している。光照射の条件については、光強度を同等とし、照射する光に含まれる色及び1日あたりの照射時間を変えている。
【0065】#41日中全く光を照射しない非照射では、保存後のビタミンC量は初期よりも減少している(図8の最も左側のグラフ)。これに対し、光を照射した条件ではいずれも、保存後のビタミンC量は初期よりも増加した。1日中連続的に光を照射した条件同士で比較した場合、赤色光のみを照射する(図8の左から2番目)よりも、赤色光と青色光と組み合わせた方(図8の左から3番目)が保存後のビタミンCの増加量は多くなった。
【0066】さらに、光を照射しない時間すなわち暗期を設け、概日リズムに対応した光照射を行うと、より保存後のビタミンCの増加量が多くなる結果となった(図8の最も右側のグラフ)。このように、青果物の概日リズムに応じて適切な波長の光を照射することにより、光合成及び栄養素の生成を効率よく行わせることができ、保存中の野菜の貯蔵性向上及び栄養素増量の効果を得ることが可能である。すなわち、この発明に係る冷蔵庫1によれば、自然界の光の動きを模擬した光の照射を行うことで、青果物の概日リズムを利用し、青果物の光合成などの活動をコントロールすることができ、光合成による栄養素の生成を促進したり、余分な蒸散を抑制したりして、野菜を高品質に保存することができる。
【0067】(発光部の制御の別例) 以上で説明した発光部14の制御では、1日のうちのどの時間帯に可視光照射工程、非照射工程等を実施するのかについては特に言及しなかった。ここでは、発光部14の制御の他の例として、非照射工程を実施する時間帯等の発光部14の制御を野菜室扉9の開閉状態の検知結果に応じて行うようした例について図9を参照しながら説明する。
【0068】#6前述したように野菜室扉9は、貯蔵室である野菜室500を開閉可能な扉である。また、扉開閉検知スイッチ12は、この野菜室扉9の開閉を検知する検知手段である。制御装置8は、一定時間当たりの、すなわち、予め設定された基準時間当たりの、扉開閉検知スイッチ12により検知された野菜室扉9の開閉回数を計数している。この際の基準時間は、例えば非照射工程の継続時間ΔT4とする。そして、制御装置8は、一定時間当たり野菜室扉9が開閉された回数が予め設定された回数以下である時間帯に、非照射工程を実施するように発光部14を制御する。
【0069】冷蔵庫1の扉は、食事の準備又は買い物前後等開閉が多くなり、使用者が寝ている間又は外出中等には開閉されない。そのため、日常生活において扉開閉回数の変化は1日の中でパターン化され、予測することができる。そこで、制御装置8は、野菜室扉9の開閉回数を計数し、一定時間当たりの扉開閉回数の少ない時間帯を、図示しない記憶部等に記憶する。そして、次の日以降における記憶した時間帯、あるいは、時間帯を記憶した24時間後に非照射工程を開始することで、開閉回数の少ない時間帯に非照射工程を実施することができる。
【0070】非照射工程の途中で野菜室扉9が開閉されると、冷蔵庫1の外の光の影響により保存している青果物の概日リズムの位相が変化してしまう可能性がある。そこで、野菜室扉9の開閉回数が少ない時間帯に非照射工程を実施することで、下段収納ケース10内の青果物に光が照射されない暗期を確保することができ、概日リズムにあった光照射制御を効率的に行うことができる。
【0071】#9また、非照射工程を実施中に野菜室扉9が一定時間以上開かれた場合には、野菜室扉9が閉じられたことを検知した後、非照射工程を一時中断して赤外光照射工程を実施してから、非照射工程を再開してもよい。
【0072】換言すれば、制御装置8は、非照射工程を実施中に、扉開閉検知スイッチ12により野菜室扉9が開いていることが検知された継続時間が予め設定された上限時間以上である場合に、次のような制御を行うようにしてもよい。すなわち、このような場合には、まず、制御装置8は、扉開閉検知スイッチ12により野菜室扉9が閉じられたことが検知された後に非照射工程を中断し、第3の光源16cを点灯させて赤外光照射工程を実施する。そして、赤外光照射工程を実施した後に、第3の光源16cを消灯させて非照射工程を再開するように発光部14を制御する。
【0073】このようにすることで、非照射工程中に野菜室扉9を開いたために冷蔵庫1外の光の影響によって下段収納ケース10内の青果物の気孔が開いてしまったとしても、野菜室扉9の閉鎖後に速やかに青果物の気孔の閉鎖を促進できる。したがって、野菜室扉9の開閉が非照射工程中の青果物に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0074】なお、冷蔵室扉7に設置された操作パネル6の操作部6aを操作することによって、使用者が、発光部14からの光照射制御の実施と停止(発光部14を常に消灯する)とを切り替えることができるようにしてもよい。操作パネル6により使用者が発光部14を点灯させる制御を実施するか否かを選択できるようにすることで、青果物をあまり保存しないとき又は長期間使用しないとき等に、停止を選択し発光部14を常に消灯させ、エネルギー消費量の低減を図るとともに通常の冷蔵庫1と同様の使い勝手を提供することができる。
【0075】#10また、光照射制御の実施中には、操作パネル6の表示部6bに「光照射中」等の表示を行うようにしてもよい。さらに、表示部6bに、可視光照射工程中(明期)に「点灯中」、非照射工程中(暗期)に「消灯中」等の表示を表示部6bにしてもよい。さらに、庫内(野菜室500内)の光の状態を、自然界の光の1日に置き換えた表示を表示部6bしてもよい。具体的に例えば、光照射制御で実施中の工程に合わせて、第1の照射工程中に「朝」、第2の照射工程中に「昼」、赤外光照射工程中及び非照射工程中に「夜」等の表示を表示部6bにしてもよい。このようにすることで、使用者に庫内の光の状態を報知することができ、利便性、満足感を向上させることができる。加えて、非照射工程実施中に不要な扉の開閉をしない等の注意を使用者に促すこともできる。
【0076】なお、操作パネル6は、冷蔵庫1の外側に設置するのに限らず、庫内(貯蔵室内)に設置されていてもよい。また、冷蔵庫1に通信手段を設け、電気通信回線等を介して、携帯情報端末(スマートフォンを含む携帯電話、タブレット端末等)により、冷蔵庫1の制御装置8に指令を伝えたり、冷蔵庫1の情報を受信して表示したりしてもよい。すなわち、携帯情報端末に操作パネル6の操作部6a及び表示部6bの機能の一方又は両方を備えるようにしてもよい。
【0077】1 冷蔵庫 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風ファン 5 風路 6 操作パネル 6a 操作部 6b 表示部 7 冷蔵室扉 7a 右扉 7b 左扉 8 制御装置 8a プロセッサ 8b メモリ 9 野菜室扉 10 下段収納ケース 11 上段収納ケース 12 扉開閉検知スイッチ 13 サーミスタ 14 発光部 15 開口部 16a 第1の光源 16b 第2の光源 16c 第3の光源 90 断熱箱体 100 冷蔵室 200 切替室 300 製氷室 400 冷凍室 500 野菜室 201 切替室収納ケース 401 冷凍室収納ケース
ヒントあり冷蔵庫
特開2017-106722 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 柴田 舞子、松本 真理子、内田 毅、伊藤 敬 / 出願日: 2017-03-23 / 公開日: 2017-06-15 / 検索13位 / 明暗周期でリズム制御派
アプローチ: 青+赤同時、赤のみ、消灯の周期工程 500〜700nmの光源と400〜500nmの光源を同時に照射した後、前者のみ照射し、その後に消灯する工程を周期的に繰り返し、気孔の状態に配慮して光合成を促す。
▸ 示唆: 異波長の光を同時に当てる点は共通するが、狙いは概日リズムと気孔で、時間順序の工程制御が主であり、明るさ比率の規定は主題ではない。
AIが精読したのは全69段落のうち検索が当てた10チャンク(30段落・43%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#1この発明は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】従来における冷蔵庫においては、野菜室内の一画に、主として葉菜類を収納する収納容器を備え、収納容器の上方に弱光照射装置を配置し、弱光装置を、可視光線領域波長を発光する半導体発光素子とし、半導体発光素子は約660nmの波長を出力する赤色LEDとしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】特開2002−267348号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に示された従来における冷蔵庫においては、葉菜類(野菜類)等の青果物には1日24時間連続的に赤色光が照射されている。一方、野菜類等の植物は、約24時間周期で光合成等の活動を行っている。この周期的な活動は概日リズムといわれる。太陽エネルギーを利用する光合成においては、光の明暗が概日リズムに大きな影響を与える。また、自然光では1日の時間経過に応じて卓越する光の波長も変化する。そのため、連続的に同一波長の赤色光が照射されている状態では、葉菜類(野菜類)等の青果物は照射される光のエネルギーを効率的に利用できていなかった。具体的には、光合成を行う際に青果物の気孔が十分に開かずに光合成に必要な二酸化炭素を十分に取り込むことができないために光合成の効率が低下してしまう場合がある。
【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、植物の概日リズムを利用し、かつ、植物の気孔の状態も考慮して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができる冷蔵庫を得るものである。
【0006】#7この発明に係る冷蔵庫は、食品を保存する貯蔵室と、前記貯蔵室の内部に可視光を照射可能な発光部と、前記発光部が予め設定された工程を周期的に繰り返すように前記発光部の動作を制御する制御部と、を備え、前記発光部は、可視光領域の第1の波長を中心波長とする光を照射する第1の光源と、可視光領域の前記第1の波長とは異なる第2の波長を中心波長とする光を照射する第2の光源と、を備え、前記第1の波長は、500nm以上700nm以下であり、前記第2の波長は、400nm以上500nm以下であり、前記制御部は、前記予め設定された工程において、前記第1の光源と前記第2の光源の両方から光を照射させる第1の照射工程を実施し、前記第1の照射工程より後に前記第1の光源のみから光を照射させる第2の照射工程を実施し、前記第2の照射工程より後に前記発光部から可視光を含む光を照射させない非照射工程を実施するように前記発光部を制御する。
【0007】この発明に係る冷蔵庫においては、植物の概日リズムを利用し、かつ、植物の気孔の状態も考慮して、保存中の野菜類等(特に葉菜類)の青果物の光合成を促進することができるという効果を奏する。
【0008】この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の野菜室部分を拡大して示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。
【0009】この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
◆ この文献の解決アプローチ
青+赤同時、赤のみ、消灯の周期工程
文献: 前記制御部は、前記予め設定された工程において、前記第1の光源と前記第2の光源の両方から光を照射させる第1の照射工程を実施し、
異波長の光を同時に当てる点は共通するが、狙いは概日リズムと気孔で、時間順序の工程制御が主であり、明るさ比率の規定は主題ではない。
【0010】#5実施の形態1. 図1から図9は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の野菜室部分を拡大して示した図、図4は冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図、図5は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図6は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御のタイムチャート、図7は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図、図8は複数の光照射条件下で3日間キャベツを保存した場合のビタミンC量の比較の一例を示す図、図9は冷蔵庫の発光部が備える各光源の光照射制御及び野菜室扉の開閉状態のタイムチャートである。
【0011】なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0012】(冷蔵庫の構成) この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
【0013】図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0015】冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
【0016】冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉7が設けられている。ここでは、冷蔵室扉7は両開き式(観音開き式)であり、右扉7a及び左扉7bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の冷蔵室扉7(例えば、左扉7b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部6a及び表示部6bを備えている。操作部6aは、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、操作部6aと表示部6bを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。
【0017】冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
【0018】また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる上段収納ケース11及び下段収納ケース10が引き出し自在に格納されている。
【0019】(冷却機構) 冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0020】冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
【0021】送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
【0022】風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することで調節することができる。
【0023】以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
【0024】冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置8が収容されている。制御装置8には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置8が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置8は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ(図示せず)等により検知することができる。
【0025】(野菜室の構成) 図3は、冷蔵庫1が備える野菜室500部分の断面図である。野菜室500は、食品、特に野菜を保存する貯蔵室である。下段収納ケース10は、野菜室扉9のフレーム(図示せず)によって支持されている。下段収納ケース10の上側には、上段収納ケース11が載置されている。野菜室扉9を前方へと引き出すと、下段収納ケース10及び上段収納ケース11が野菜室扉9と一体となって前方へと引き出される。野菜室扉9を引き出した状態で、上段収納ケース11だけを後方へスライドすると、下段収納ケース10だけが引き出された状態となる。下段収納ケース10だけが引き出された状態では、下段収納ケース10に食品を出し入れすることができる。
【0026】野菜室500の内部には、扉開閉検知スイッチ12、サーミスタ13及び発光部14が設けられている。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室扉9の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ12は、野菜室500の前面開口の縁部における野菜室扉9と対向する位置に設けられている。
【0027】野菜室500内の背面部には、サーミスタ13及び発光部14が取り付けられている。サーミスタ13は、野菜室500内の温度を検知する。発光部14は、貯蔵室である野菜室500の内部に可視光を照射可能である。ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、発光部14は、この開口部15を通して下段収納ケース10の内部に可視光を照射できるようになっている。なお、下段収納ケース10の少なくとも開口部15に相当する部分に発光部14から照射される可視光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0028】(発光部の構成) 次に、図4を参照しながら発光部14の構成についてさらに説明する。図4に示すように、発光部14は、第1の光源16a及び第2の光源16bの2種の光源を備えている。前述したように、発光部14は可視光を照射可能である。このため、発光部14は、可視光を照射する可視光源を備えている。第1の光源16a及び第2の光源16bは、可視光源である。
【0029】第1の光源16aは、第1の波長を中心波長とする光を照射する。第2の光源16bは、第2の波長を中心波長とする光を照射する。第1の波長及び第2の波長は、いずれも可視光領域に属する。ただし、第2の波長は、第1の波長とは異なっている。
【0030】具体的には、第1の光源16aの中心波長である第1の波長は、500nm以上700nm以下、好ましくは600nm以上700nm以下である。すなわち、第1の光源16aから照射される光は赤色である。第1の光源16aとして具体的に例えば、赤色LEDを用いることができる。
【0031】また、第2の光源16bの中心波長である第2の波長は、400nm以上500nm以下である。すなわち、第2の光源16bから照射される光は青色である。第2の光源16bとして具体的に例えば、青色LEDを用いることができる。
【0032】これらの第1の光源16a及び第2の光源16bは、それぞれが独立して、点灯及び消灯することができるように構成されている。
【0033】(冷蔵庫の制御系統) 図5は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。この図5には、特に野菜室500の制御に関係する部分が示されている。制御装置8は、例えばマイクロコンピュータを備えており、プロセッサ8a及びメモリ8bを備えている。制御装置8は、メモリ8bに記憶されたプログラムをプロセッサ8aが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0034】制御装置8には、サーミスタ13から野菜室500の内部の温度の検知信号が入力される。また、制御装置8には、操作パネル6の操作部6aからの操作信号も入力される。さらに、制御装置8には、扉開閉検知スイッチ12からの検知信号も入力される。
【0035】制御装置8は、入力された信号に基づいて、野菜室500の内部が設定された温度に維持されるように、圧縮機2及び送風ファン4等の動作を制御する処理を実行する。また、制御装置8は、操作パネル6の表示部6bに表示信号を出力する。
【0036】さらに、制御装置8は、発光部14のへと制御信号を出力して発光部14の発光動作についても制御する。前述したように、発光部14は、第1の光源16a及び第2の光源16bを備えている。これら2種の光源は、それぞれ独立して点灯及び消灯することができる。そして、制御装置8は、発光部14が備える第1の光源16a及び第2の光源16bのそれぞれの点灯及び消灯の状態を、互いに独立して制御することが可能である。
【0037】(発光部の制御) 次に、図6を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8は、発光部14から可視光を含む光を照射させる可視光照射工程と、発光部14から可視光を含む光を照射させない非照射工程とを交互に繰り返すように発光部14の動作を制御する。可視光照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bの少なくとも一方が点灯される。非照射工程では、第1の光源16a及び第2の光源16bのいずれも点灯されない。
【0038】可視光照射工程は、さらに2つの工程に分けられる。可視光照射工程では、まず第1の照射工程が実施され、次に第2の照射工程が実施される。すなわち、制御装置8は、可視光照射工程において、第1の照射工程と第2の照射工程とを実施するように発光部14を制御する。第1の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16aと第2の光源16bの両方から光を照射させる。すなわち、赤色光と青色光の両方が照射される。第2の照射工程では、制御装置8は、第1の光源16aのみから光を照射させ、第2の光源16bは消灯される。すなわち、赤色光のみが照射され、青色光は照射されない。
【0039】各工程の継続時間は予め設定されている。これらについてはそれぞれ、第1の照射工程の継続時間はΔT1、第2の照射工程の継続時間はΔT2、非照射工程の継続時間はΔT3とする。
【0040】このように、制御装置8は、第1の照射工程、第2の照射工程、非照射工程の順で実施するように発光部14を制御する。そして、非照射工程の終了後は再び可視光照射工程すなわち第1の照射工程から前述の順で各工程を繰り返して実施する。したがって、それぞれの工程を順に1回ずつ行う1周期にかかる時間ΔTは、ΔT1、ΔT2及びΔT3の合計となる。また、可視光照射工程の継続時間は、ΔT1及びΔT2の合計となる。
【0041】制御装置8は、可視光照射工程と非照射工程とが、24時間以下の周期で交互に繰り返されるように発光部14を制御する。すなわち、ΔTは24時間以下となるように設定される。また、非照射工程の継続時間ΔT3は、可視光照射工程の継続時間以下となるように設定される。すなわち、非照射工程の継続時間ΔT3は、第1の照射工程の継続時間ΔT1と第2の照射工程の継続時間ΔT2との合計時間以下となるように設定される。さらに、第1の照射工程の継続時間ΔT1は、第2の照射工程の継続時間ΔT2以下となるように設定される。以上のような条件を満たす各工程の継続時間の一例として、具体的には、ΔT1を2時間、ΔT2を10時間、そして、ΔT3を8時間に設定する。この場合のΔTは20時間となる。
【0042】以上のように構成された冷蔵庫1が備える野菜室500の発光部14の制御に係る一連の流れについて、図7のフロー図を参照しながら説明する。冷蔵庫1の電源が投入されると、まず、ステップS101において、制御装置8は、発光部14の第1の光源16a及び第2の光源16bを点灯させる。続くステップS102において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0043】そして、続くステップS103において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT1になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT1になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT1になるまでステップS103の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT1となれば、ステップS104へと進む。以上のステップS101からS103までが第1の照射工程である。
【0044】ステップS104においては、制御装置8は、発光部14の第2の光源16bを消灯させる。したがって、第1の光源16aだけが点灯した状態となる。続くステップS105において、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0045】そして、続くステップS106において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT2になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT2になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT2になるまでステップS106の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT2となれば、ステップS107へと進む。以上のステップS104からS106までが第2の照射工程である。
【0046】ステップS107においては、制御装置8は、発光部14の第1の光源16aを消灯させる。したがって、第1の光源16a及び第2の光源16bの全てが消灯した状態となる。そして、ステップS108へと進み、制御装置8は、経過時間を計測するタイマーtの値を0にリセットし、タイマーによる計時を開始する。
【0047】#3続くステップS109において、制御装置8は、タイマーの経過時間tがΔT3になったか否かを確認する。タイマーの経過時間tがΔT3になっていなければ、タイマーの経過時間tがΔT3になるまでステップS109の確認を繰り返す。そして、タイマーの経過時間tがΔT3となれば、ステップS101へと戻り、以上のステップを繰り返し実行する。以上のステップS107からS109までが非照射工程となる。
【0048】(光照射制御による作用) 次に、以上のような発光部14での光照射制御により期待される作用について説明する。まず、植物の概日リズムは、光の明暗周期等の時間情報が与えられない条件下においても、自律的に約24時間周期を継続する。しかし、光を照射しない暗環境下で野菜類(特に青果物)等の青果物を保存した場合には、光合成を行わないので貯蔵性向上又は栄養素増量等の効果を得ることはできない。一方、連続的に光を照射した明環境下で青果物を保存した場合には、光合成は行うが、栄養素の生成が十分にできなかったり、光合成速度や光合成能力が低下したりする等の障害を誘発することがある。
【0049】そこで、この発明に係る冷蔵庫1においては、前述したように、野菜室500の発光部14は、野菜室500の下段収納ケース10内に対して可視光を含む光を照射する可視光照射工程と可視光を含む光を照射しない非照射工程とを交互に繰り返して実施する。
【0050】このため、下段収納ケース10内は、可視光が照射されて明環境となる明期と可視光が照射されず暗環境となる暗期とに時間経過とともに変わる。すなわち、下段収納ケース10内では、朝に日が昇り夜に日が沈むことによる自然界での光量変化を模擬した環境が実現される。したがって、下段収納ケース10に投入された青果物等の植物に対して、概日リズムに従った光合成等の活動を促すことができる。
【0051】ここで、植物の光合成反応について説明する。光合成反応は次の(1)式で表すことができる。
【0052】6CO 2 +12H 2 O+688kcal→C 6 H 12 O 6 +6H 2 O+6O 2 ・・・ (1)
【0053】この(1)式において、CO 2 :二酸化炭素、H 2 O:水、688kcal:光エネルギー、C 6 H 12 O 6 :ブドウ糖である。
【0054】この(1)式の光合成反応により、植物は、光エネルギーを利用して大気中の二酸化炭素と植物のもつ水とから酸素と糖を生成する。この反応は二段階に分かれている。一段階目は葉などに含まれるクロロフィル等の色素により吸収された光エネルギーを使って水を水素と酸素に分解し、酵素タンパク質の働きで化学エネルギーを蓄える。二段階目は、電子、水素イオン及び大気中の二酸化炭素を使ってブドウ糖を合成する。ブドウ糖が増加した野菜はその貯蔵性が良くなったり、ブドウ糖からビタミンCを生成したりする。
【0055】#4光合成を活発に行わせるためには、野菜室500内に照射する光を光合成に有効なものとする必要がある。クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)に二つの光吸収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効であることが知られている。また、緑色(500〜600nm)は、クロロフィルによる吸収率は低いが、葉の内部で光が散乱してクロロフィルとの遭遇頻度が高くなり、葉全体での吸収率は高くなる。
【0056】また、青色光には、植物の気孔を開く作用がある。そこで、光を照射する明期の初期段階において青色を含む光を照射することで、青果物の気孔を開くことができる。そして、青果物の気孔を開いてから明期を継続することで、青果物は空気中の二酸化炭素を十分に取り込むことができ、効率的に光合成を行うことができる。一方で、青色光には、発芽及び開花も促進させてしまう作用もある。このため、青果物の長期保存を目的とする場合には青色光を照射する時間はなるべく短くした方がよい。
【0057】そこで、光合成を促進する可視光照射工程において、まず第1の照射工程で第2の光源16bを点灯して青色を含む光を照射した後、第2の照射工程で第2の光源16bを消灯して青色を含まない光を照射するようにすることで、下段収納ケース10内の青果物の気孔を開口した後に光合成を行わせることができ、下段収納ケース10内の青果物の光合成をより促進することが可能である。また、この際に、青色を含む光を照射する第1の照射工程を、青色を含まない光を照射する第2の照射工程より短くすることで、発芽及び開花をなるべく促進することなく、かつ、十分な気孔の開口作用を得ることができる。
【0058】#10植物の概日リズムは、朝から夜を経てまた朝になる時間に対応した約24時間周期である。しかし、植物の概日リズムは、環境光の影響を受けてそのリズムの位相が変化するという特徴がある。例えば、暗環境において光を照射して明環境とすると、リズム位相は朝側にずれる。このような特徴を利用し、非照射工程の時間を可視光照射工程よりも短くし、すなわち光を照射しない暗期を、光を照射する明期よりも短縮して光照射の周期を24時間以下とすることで、下段収納ケース10内の青果物が保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることができる。そして、保存中に光合成を行う時間の割合を大きくすることで、青果物の糖及びビタミンC等の栄養素の生成効率を向上させることができる。
【0059】ここで、図8を参照しながら、以上で説明したような複数の異なる光照射条件下で青果物を保存した場合に、青果物に含まれる栄養素(ビタミンC)の量にどのような差異が生じるのかについて、具体的な比較例を挙げて説明する。この図8は、複数の異なる光照射条件下でキャベツを3日間保存した後のビタミンC量を比較したグラフである。ビタミンC量は、保存前の初期のビタミンC量を100として変化の割合で表している。光照射の条件については、光強度を同等とし、照射する光に含まれる色及び1日あたりの照射時間を変えている。
【0060】#21日中全く光を照射しない非照射では、保存後のビタミンC量は初期よりも減少している(図8の最も左側のグラフ)。これに対し、光を照射した条件ではいずれも、保存後のビタミンC量は初期よりも増加した。1日中連続的に光を照射した条件同士で比較した場合、赤色光のみを照射する(図8の左から2番目)よりも、赤色光と青色光と組み合わせた方(図8の左から3番目)が保存後のビタミンCの増加量は多くなった。
【0061】さらに、光を照射しない時間すなわち暗期を設け、概日リズムに対応した光照射を行うと、より保存後のビタミンCの増加量が多くなる結果となった(図8の最も右側のグラフ)。このように、青果物の概日リズムに応じて適切な波長の光を照射することにより、光合成及び栄養素の生成を効率よく行わせることができ、保存中の野菜の貯蔵性向上及び栄養素増量の効果を得ることが可能である。すなわち、この発明に係る冷蔵庫1によれば、自然界の光の動きを模擬した光の照射を行うことで、青果物の概日リズムを利用し、青果物の光合成などの活動をコントロールすることができ、光合成による栄養素の生成を促進したり、余分な蒸散を抑制したりして、野菜を高品質に保存することができる。
【0062】(発光部の制御の別例) 以上で説明した発光部14の制御では、1日のうちのどの時間帯に可視光照射工程、非照射工程等を実施するのかについては特に言及しなかった。ここでは、発光部14の制御の他の例として、非照射工程を実施する時間帯等の発光部14の制御を野菜室扉9の開閉状態の検知結果に応じて行うようした例について図9を参照しながら説明する。
【0063】#8前述したように野菜室扉9は、貯蔵室である野菜室500を開閉可能な扉である。また、扉開閉検知スイッチ12は、この野菜室扉9の開閉を検知する検知手段である。制御装置8は、一定時間当たりの、すなわち、予め設定された基準時間当たりの、扉開閉検知スイッチ12により検知された野菜室扉9の開閉回数を計数している。この際の基準時間は、例えば非照射工程の継続時間ΔT3とする。そして、制御装置8は、一定時間当たり野菜室扉9が開閉された回数が予め設定された回数以下である時間帯に、非照射工程を実施するように発光部14を制御する。
【0064】冷蔵庫1の扉は、食事の準備又は買い物前後等開閉が多くなり、使用者が寝ている間又は外出中等には開閉されない。そのため、日常生活において扉開閉回数の変化は1日の中でパターン化され、予測することができる。そこで、制御装置8は、野菜室扉9の開閉回数を計数し、一定時間当たりの扉開閉回数の少ない時間帯を、図示しない記憶部等に記憶する。そして、次の日以降における記憶した時間帯、あるいは、時間帯を記憶した24時間後に非照射工程を開始することで、開閉回数の少ない時間帯に非照射工程を実施することができる。
【0065】非照射工程の途中で野菜室扉9が開閉されると、冷蔵庫1の外の光の影響により保存している青果物の概日リズムの位相が変化してしまう可能性がある。そこで、野菜室扉9の開閉回数が少ない時間帯に非照射工程を実施することで、下段収納ケース10内の青果物に光が照射されない暗期を確保することができ、概日リズムにあった光照射制御を効率的に行うことができる。
【0066】#6なお、冷蔵室扉7に設置された操作パネル6の操作部6aを操作することによって、使用者が、発光部14からの光照射制御の実施と停止(発光部14を常に消灯する)とを切り替えることができるようにしてもよい。操作パネル6により使用者が発光部14を点灯させる制御を実施するか否かを選択できるようにすることで、青果物をあまり保存しないとき又は長期間使用しないとき等に、停止を選択し発光部14を常に消灯させ、エネルギー消費量の低減を図るとともに通常の冷蔵庫1と同様の使い勝手を提供することができる。
【0067】また、光照射制御の実施中には、操作パネル6の表示部6bに「光照射中」等の表示を行うようにしてもよい。さらに、表示部6bに、可視光照射工程中(明期)に「点灯中」、非照射工程中(暗期)に「消灯中」等の表示を表示部6bにしてもよい。さらに、庫内(野菜室500内)の光の状態を、自然界の光の1日に置き換えた表示を表示部6bしてもよい。具体的に例えば、光照射制御で実施中の工程に合わせて、第1の照射工程中に「朝」、第2の照射工程中に「昼」、非照射工程中に「夜」等の表示を表示部6bにしてもよい。このようにすることで、使用者に庫内の光の状態を報知することができ、利便性、満足感を向上させることができる。加えて、非照射工程実施中に不要な扉の開閉をしない等の注意を使用者に促すこともできる。
【0068】#9なお、操作パネル6は、冷蔵庫1の外側に設置するのに限らず、庫内(貯蔵室内)に設置されていてもよい。また、冷蔵庫1に通信手段を設け、電気通信回線等を介して、携帯情報端末(スマートフォンを含む携帯電話、タブレット端末等)により、冷蔵庫1の制御装置8に指令を伝えたり、冷蔵庫1の情報を受信して表示したりしてもよい。すなわち、携帯情報端末に操作パネル6の操作部6a及び表示部6bの機能の一方又は両方を備えるようにしてもよい。
【0069】1 冷蔵庫 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風ファン 5 風路 6 操作パネル 7 冷蔵室扉 7a 右扉 7b 左扉 8 制御装置 8a CPU 8b メモリ 9 野菜室扉 10 下段収納ケース 11 上段収納ケース 12 扉開閉検知スイッチ 13 サーミスタ 14 発光部 15 開口部 16a 第1の光源 16b 第2の光源 90 断熱箱体 100 冷蔵室 200 切替室 300 製氷室 400 冷凍室 500 野菜室 201 切替室収納ケース 401 冷凍室収納ケース
ヒントあり冷凍冷蔵庫
特開2007-046840 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 荒木 正雄、平岡 利枝、加藤 睦、中野 真理子、吉田 淳二 / 出願日: 2005-08-10 / 公開日: 2007-02-22 / 検索24位 / 明暗周期でリズム制御派
アプローチ: 野菜室LEDの光合成促進と扉非依存の常時点灯 450〜660nmの赤・青等のLEDを野菜室に設け、光合成の明反応・暗反応を考慮した点灯本数や時間で野菜の保存性と栄養を高める。扉開閉を検知せず常時点灯できる構成とする。
▸ 示唆: 野菜室で光を当てて鮮度・栄養を保つ点と扉開閉に縛られない点は共通だが、光合成波長が中心で白色光に遠赤色を少量重ねる比率設計はない。
AIが精読したのは全41段落のうち検索が当てた10チャンク(27段落・66%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#3この発明は、冷凍冷蔵庫における野菜類などの食品保存に関する技術のものである。
【0002】従来の冷蔵庫は、上方からの赤色LEDで野菜を照射し野菜の鮮度を保持する、また光透過性のある大きな野菜室ケースを使用し野菜室上下に設置した赤色LEDで野菜の鮮度を保持するなどして貯蔵性を良くする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また白色蛍光灯を野菜室に設け、その点灯制御を、野菜室扉開閉を検知するスイッチで行い、緑色野菜のクロロフィル低下を低減しようというものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】特開2002−267348号公報(0036欄、図1、2、8など) 特開平9−28363号公報(006欄、図1など)
【0004】従来の冷蔵庫は、第1には赤色LEDを使用するため野菜の見た目が悪くなる。第2に扉開閉を検知する必要があるためその検出手段が必要であり、構造が複雑化しコストも高くなる。第3に野菜室ケースを光透過性材料で作るとさまざまな問題がある。例えばプラスチック樹脂であるPS(ポリスチレン)をケースの全体の材料として使用するには、比較的重いものを入れる野菜室ケースとしては強度的に問題があり、割れ、傷などが付き易いため肉厚を上げて成形しなければならず成形時間が長くなってしまうため高価となってしまう。またABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)等でも同様表面が傷つきやすい上材料単価も高価である。また樹脂以外の材料ではさらに高価となる。第4に上方から照射する場合、電気部品の配線、取り付けが困難、第5に上方から照射させたり扉が閉まっているときにのみ照射させると、家庭内や店頭にて光が点灯していることを確認しにくい等の問題点があった。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明は安価でかつ野菜室ケースに入れた野菜に効率よく光照射を行い、野菜の鮮度を保持することができる冷蔵庫を提供する。また、庫内の内容積を減少することなく光照射を行うとともにその照射の確認が容易で、光源としてのLEDを効果的に使用して寿命が長く効率の良い冷凍冷蔵庫を提供する。
【0006】この発明に係る冷凍冷蔵庫は、本体を複数の区画に仕切られた1つの区画からなる野菜室と、前記野菜室に設けられる光透過性のない材料からなる野菜室ケースと、前記野菜室ケースの底面の一部に設けられた開口部と、前記開口部を塞ぐように設置された光透過性のある材料からなる蓋部と、前記野菜室の床面に設けられ、光を照射する光源を有した光照射装置と、を備え、前記野菜室ケースが前記野菜室に収納された状態で、前記野菜室ケースの下方から前記蓋部を透過して野菜室ケース内に光を照射するものである。
【0007】この発明の冷凍冷蔵庫は、本体を複数の区画に仕切られた1つの区画からなる野菜室と、前記野菜室に設けられる光透過性のない材料からなる野菜室ケースと、前記野菜室ケースの底面の一部に設けられた開口部と、前記開口部を塞ぐように設置された光透過性のある材料からなる蓋部と、前記野菜室の床面に設けられ、光を照射する光源を有した光照射装置と、を備え、前記野菜室ケースが前記野菜室に収納された状態で、前記野菜室ケースの下方から前記蓋部を透過して野菜室ケース内に光を照射するので、野菜室ケース底面の一部を光透過性のある材料として、ケース全体を光透過性のある材料とするよりも安価にでき、強度的にも一部のみに使用するため問題ない。また、従来では光の届きにくかった野菜室ケース底部に光強度の高い光を照射することが可能となるため、野菜の鮮度をいっそう長く保持できる効果を有する。
【0008】実施の形態1. 図1はこの発明を実施するための実施の形態1における冷凍冷蔵庫の断面図、図2は同実施の形態による野菜室内部の断面図、図3は野菜室に設置された野菜室ケースの断面図、図4は植物の光反応作用波長特性図、図5は光照射装置の拡大断面図である。
【0009】図1において、1は冷凍冷蔵庫本体で、この冷凍冷蔵庫本体を複数の区画に仕切られて独立した複数の庫内室を有し、それらは冷凍冷蔵庫1の最上部に開閉ドアを備えて配置される冷蔵室100と冷蔵室100の下方に冷凍温度帯(−18℃)から冷蔵、野菜、チルド、ソフト冷凍(−7℃)などの温度帯に切り替えることの出来る引き出し扉を備える切替室400、切替室と並列に配置された引き出し扉を備える製氷室500があり、最下部に配置される引き出し扉を備えた冷凍室200と切替室、製氷室との間に引き出し扉を備えた野菜室300とからで構成される。冷蔵室100の扉上には各室の温度や設定を調節する操作パネル5が設置されている。
【0010】図1において、10は圧縮機、11は冷却器であり、12は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100、製氷室500に送風するファン、13は冷蔵室100内への冷気量を調節するダンパー装置であり、14は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100内に導入するための風路である。
【0011】#9図1および図2に示すように野菜室300には光透過性の無い材料からなり底部に穴(開口部)のあいた野菜室ケース30と、その穴を塞ぐように設置された光透過性のある材料からなる蓋部39、また野菜室ケース30の上部には光透過性のある材料からなる収納容器31とが設置されており、比較的大きな野菜は主に野菜室ケース30に、葉菜類は主に収納容器31に収納することができる。この収納容器31は、野菜室ケース30が野菜室300内に収納された状態で野菜室ケース30の庫内奥側の上部に位置する。この際、野菜室ケース30の非光透過性材料として、一般的に白色のプラスチック、例えばPP(ポリプロピレン)などを用いる。光透過性がなく、むしろ光反射性のよい材料(例えば白色の樹脂材料)を野菜ケース30の材料として使用すれば、蓋39を通過した光は野菜室ケース30内で乱反射をして、直接光が当たらなくとも光合成効果が期待でき、かつ成形性も良いため安価に製造できる。
【0012】一方、野菜室ケース30全体を光透過性のあるプラスチック、例えばPS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)などの樹脂で成形は可能であるが、一般的にPSは硬くて脆いため比較的重い野菜を入れるケースとしての使用においては割れ、傷などの問題が多く不向きである。強度改善のため底部を厚く成形しようとしても樹脂成形品では均一した肉厚でなくなるため成形時の樹脂の流れが悪くなったり、また、ひけ、そりなどの問題も発生したり、厚肉部の冷却時間が長く必要なため成形時間も多くなってコスト高となってしまう。ABS、PCなども同様でありかつ材料単価もさらに高価である。
【0013】#4野菜ケース30の上部に設置する比較的軽い食品を収納できる収納容器31に光透過性のあるプラスチックを使用する分には品質的にも耐えられ、かつ見栄えも良い。また野菜室ケース30の底部の一部だけを光透過性のある材料、例えばPSなどで比較的厚肉成形して野菜室ケース30の穴を塞ぐように取り付ければ強度的な問題もなく、かつ板状であれば厚肉であっても成形時間も比較的短く安価に製造できる。また蓋39を野菜室ケース30にネジ41にて固定してしまえばさらに強度が上がり、割れ、変形などに対する信頼性もあがる。
【0014】また、図3に示すように野菜室ケース30と蓋部39の間にOリング40などを挟み、かつ溝勘合とすることで野菜室ケース30内に、例えば水をこぼしても野菜室ケース30から水漏れすることもない。また野菜室ケース30を取り外してケースを水洗いする際に、この蓋部39を取り外せばケースに穴があるため水を入れても重くならず清掃時の取り扱い性も良い。また蓋部39を野菜室ケース30にネジ41にて固定してしまえばさらに強度が上がり、割れ、変形などに対する信頼性を上げることもできる。
【0015】また野菜室ケース30の底面の一部だけでなく、底面全体を光透過性のある材料の蓋部としてもよく、固定は野菜室ケース30の側壁にネジ固定してもよい。この場合の野菜室ケース30では少なくとも側面部分が光透過性のない材料で形成され、その側面で囲まれた底面が光透過性の蓋部31となる。
【0016】また野菜室ケース30の上に設置される収納容器31の底面を光透過性のない材料にすれば、野菜室ケース30内での乱反射を多くすることもできるため野菜室ケース内の光合成効果が高まる。
【0017】32は光照射装置であり、図2に示すように野菜室300の床面をなす仕切り部にその下端部を埋設するように設置され、野菜室ケース30の底面の光透過性のある蓋部39を通して野菜室中心に向かって光を照射できるようになっている。この光照射装置32には光源である複数の半導体発光素子が組み込まれ、それらを覆い冷凍冷蔵庫内とは連通させずに冷気を遮断するカバーが上部に設けられた構成をなし、仕切り部の表面となる野菜室床面に上記カバーが露出して床面の一部となるように設置されている。また、本実施例において、光照射装置32は1個使用し、その設置位置は左右方向が冷蔵庫中心で、前後方向については野菜室ケース30の手前側ペットボトルの入るスペースを設けているのが一般的であり、その部分を除いて野菜室ケース30の中心としているので、冷蔵庫本体の前後方向の中心よりも奥側に設置している。なお、図2において、光照射装置32は野菜室床面となる仕切り部に厚さ方向で半分程度埋め込まれた状態を示しているが、さらに光照射装置32のカバー上面だけが野菜室に露出ように側面全体が埋め込まれる状態でも良い。この場合は、野菜室内に光照射装置が突出することがなく庫内空間を有効に使用できる。
【0018】#2光照射装置32は図4に示すように野菜の光合成に対して効果のあると考えられる450nmから660nmの範囲の波長を発行するLED34を3個〜4個実装した基板などからなる。ここで、520nmから620nmの範囲の波長(オレンジ色)を発光するLEDを取付けると白熱灯に近い色で庫内灯としての機能も備えられる。それぞれのLED34間の距離は近接したLEDの光が重なり合って高照度の範囲を増やすためおよそ15mmに設定している。またカバーと野菜室ケース34の間の距離は、野菜室ケース30内に無負荷の状態でLED34先端から野菜室ケース30の穴を塞ぐ蓋部39の表面までの距離を20mmから30mm程度になるようにするとよい。本実施例では25mmであり、LED34先端から蓋39の表面までの距離は28mmである。これはLED34先端から食品までの距離が近ければ近いほど光強度は強いが、野菜室ケース30に食品などの負荷が加わり変形してもカバーへの接触がなく、スムーズに野菜室扉の開閉が出来るようにするためである。野菜室上方または背面に光照射装置32を設置した場合にはLED34から食品までの距離は本実施例の場合と比較し距離の離れたものとなり、光合成による保存効果は少なくとも本実施例より優位なものではない。また光照射装置32の個数を増やせばさらに光照度が大きくなる。
【0019】また本実施例の光照射装置32には複数のLED34が実装されているが、波長の異なるLEDを組み合わせて光照射装置32を構成することで、例えば、赤色LEDと青色LEDを組み合わせて設置することにより、クロロフィルなどの色素の吸収ピークに合わせた光を照射でき、光合成をより効果的に行うことが可能となる。
【0020】図5において、光照射装置32は実装基板33と実装基板33に半田付けして固定される光源である半導体発光素子LED34とLED34を保護する光透過性のカバー35からなる。LEDの指向性は一般的に高輝度なものほど狭くなる傾向があるので、冷蔵庫の振動等によりその照射角度が変動しないように実装基板33とカバー35はネジ42で固定される。実装基板33の裏面は回路のショートを防止するためにシール36で覆う。また、光照射装置32は野菜室300の床面の断熱部である発泡断熱材37の上部に組み込まれ、LED34の光が野菜室300内に照射するように上向きで設置されるが、野菜室は比較的高湿度なため露付き対策として、野菜室床面の表層部分と上記発泡断熱材に載置された光照射装置32のフランジ部との間にOリング38などを挟み込み実装基板33への水分の周り込みを防止し、また光照射装置32のまわりに重複しないようにヒータ43を配置している。このヒータ43は低外気時の野菜室300内の凍結防止の目的も兼ねている。
【0021】光照射装置等を野菜室床面に設置することはヒータを設置していることとほぼ同義と言える。密閉個室内で照射された光は個室内で乱反射を繰り返すが、いずれ個室内に置かれた物体および壁面にエネルギーが吸収されその物体の内部エネルギーが増大し物体の温度が上昇する。少なくとも野菜室床面に何も設置しないよりは物体の温度は上昇すると考えられるため、冷凍室の上に野菜室があるという構造ではその分断熱厚さを減らすことも可能で庫内容積増加につながる。
【0022】また本実施例での光照射装置32では4個のLED34が実装されており、これらの接続により様様な点灯制御を行うことが可能となる。図6は光照射装置32の電気回路を示し、図7はLED34の実装配置図である。これらの図では実装基板上に2個のLED34a、34bを並列にした系統34Aと、LED34c、34dを並列にした系統34Bを2列並列に接続構成している。DC5V〜12Vを印加し、30mA程度の電流を流すことで、LED34a、34b、34c、34dを発光させるものである。電流値は30mA程度と小さく安全である。また、34A、34BのようにLEDを2個で1系統構成し、図7のようにそれぞれの系統を分けて配置し、それぞれを制御基板21上のマイコンによりその点灯、消灯を制御することも可能で、LEDの寿命を延ばすことができるので、扉開閉を検知せずとも十分な寿命を確保することが可能である。また、複数のLEDを系統としてすなわちグループ制御することにより、マイコンのポート数を減らすことができ、制御基板21を簡素化する効果がある。
【0023】#8図8に示す光照射装置の電気回路図のように、マイコンから信号を出力してオンオフを制御するトランジスタとLEDに流す電流を設定する電流制限を行う抵抗をLEDに直列に設けLEDの点と上消灯などを制御する。この構成の、実際の基板の実装においては、抵抗を制御基板21側に配置すれば、光照射装置32の実装基板33を小型化でき、野菜室内に配置しやすく、また、抵抗の発熱を抑えることができるので野菜の保存性能を向上する。一方、抵抗を光照射装置32の実装基板側に配置すれば、故障などの際に点灯確認や不良箇所を発見しやすいなどの効果がある。なお点灯消灯の制御は2個と4個の組み合わせ例で説明したが最小1個ずつとし、多い方は8個や12個などいくつでも良い。また、使用するLEDの個数や必要な照度によっては印加電圧・電流を適宜選択すればよい。
【0024】また、図8のように、LED34a、LED34b、LED34c、LED34dを実装基板上に直列に接続すれば、制御基板21上の抵抗の個数も減り、またマイコンのポート使用数も減らせ簡潔な仕様となり安価に製造することもできる。
【0025】保存した野菜のブドウ等の合成を促進することで貯蔵性を向上させビタミンCが増加した栄養成分に富んだ野菜にするには光合成の暗反応も必要であるから、LEDを常に点灯するのではなく点灯時間や照度を制限することも必要である。この制限により、LEDの寿命を延ばし、光照射装置を交換不要とする効果もある。これにより無駄なエネルギーを使わずに効果的な食品保存が可能になる。
【0026】野菜室ケース30内の光強度は、LED34を高輝度タイプのものや拡散タイプのものを使用したり、実装するLED34の個数や電圧、電流制御等で調節できるが、さらには図9の光照射装置の断面図に示すように、LED34の実装角度を実装基板33に対して垂直より斜めに、基板中央より外側に向くように設置して比較的照度の高い範囲を広く設定したり、また図10の光照射装置の断面図に示すようにカバー表面および内面に凹凸などのディンプル加工を施して光を拡散する構造を設けたり、カバー材料をより光透過性の高い材料にしたりすることでも改善される。
【0027】また本実施例では図11に示す冷凍冷蔵庫の断面図のように、冷凍冷蔵庫本体の最下段に冷凍室、そのすぐ上の段が野菜室となる構成であり、野菜室引出し扉を全開したときに野菜室ケースの奥側となる背面壁上端(上部収納容器は光透過性であるため背面壁を透けて見ることができる)と、冷凍冷蔵庫本体の前面側における野菜室上端部すなわち切替室扉または製氷室扉の下端との間から、ユーザーが肢体を曲げずに覗き込むような動作もせずに直接見える野菜室床面に光照射装置32が設置されているため、野菜室上方や奥側に設置してあるよりも点灯の様子を確認しやすいので、家庭での点灯による正常動作確認が容易にでき、さらに店頭での商品アピールにも有効に活用できるメリットがある。この場合のユーザーの身長は145cmから175cmを想定しており、平均的な身長(女性の平均身長158cm、男性の平均身長170cm)の日本人ユーザーであれば殆どがその範囲に入る。
【0028】以上のように構成された冷蔵庫において、以下その動作を説明する。
【0029】#7図12は光照射装置の簡単な制御のフローチャート図、図13は光照射の制御と野菜の光合成のタイムチャート図である。図12において、冷凍冷蔵庫本体1の電源投入後、ステップ40にて制御基板21のマイコンに記憶させた初期データに応じて、光2灯点灯のデータの場合はステップ41にて光照射装置32のLED34を2灯点灯し、光消灯のデータの場合はステップ42にて光照射装置32のLED34は点灯しない。
【0030】次にステップ43で冷蔵庫が霜取り動作に入った場合、ステップ44にてLED34を4灯点灯し、ステップ45にてLED4灯の照射をはじめて3時間経過後、ステップ46に進み、制御基板21のデータを受け、2灯点灯または、消灯する。ステップ46はステップ43霜取りに入る前の状態を記憶し、その状態と同様になるようにする。ステップ43の霜取り動作は一日に略1回入る制御になっているので、ステップ43からステップ46の一連の制御を取ることで高強度の光を一日3時間照射する制御となる。
【0031】図13において、ステップ43霜取り動作をトリガーに、LED4灯点灯を行うことで、光を照射された野菜は庫内に存在する二酸化炭素と霜取り時に庫内に供給される水分を補給して光合成の明反応を起こし、3時間経過後2灯点灯または消灯に切り替えることで、光合成の暗反応を起こす。この霜取り動作は、冷却器に付着している霜の量が多いと判断したときに、所定の霜取り間隔で、もしくは扉開閉回数の少ない時間帯をマイコンに記憶させてその時間に合わせて自動で行われる。
【0032】#5また、冷蔵室100の扉に設置された操作パネル5の操作スイッチを操作することによって、LEDの点灯と消灯を切り替えることができる。図12のステップ49にて操作パネルはスイッチ入力を受付け、LEDを点灯する場合は「光」の表示を点灯し、消灯する場合は「光」の表示を消灯し、制御基板に状態データを送信する。ステップ50にて信号を受けた制御基板はそのデータに応じてLED34を2灯点灯または消灯する。スイッチ操作でLEDの点灯、消灯を選択できるようにすることで、葉菜をあまり保存しないユーザが消灯させたり、葉菜があまり出回らなくなる冬の間はスイッチ操作で消灯させたりすることができ省エネ性が高まる。
【0033】また、操作パネルは冷蔵庫の外に設置されているものに限らず、庫内に設置されているようなものでも良い。操作パネルから冷蔵庫の庫内照明を操作する指示を携帯電話などからインターネットを通して住居内に設けられているICアダプターにて信号を変換し電灯線などの有線や無線などにて冷蔵庫内の制御装置に指令を伝えることでも良い。
【0034】#1また、ユーザが選択できる光照射の種類は点灯、消灯の2種類だけではなく、4灯点灯、2灯点灯、消灯の3段階制御とすれば、光合成効果を重視する場合は4灯に、扉開放時などの庫内灯としての役割のみを求める場合は2灯に、省エネルギーを重視する場合は消灯に設定すれば良い。また、4灯点灯、2灯点灯、消灯の3段階をそれぞれ野菜室の温度設定の強・中・弱に連動させれば、葉菜に適した温度環境である「強」、通常の野菜室に連続もしくは光照射を間欠的にして庫内灯が点灯し保存効果もある「中」、温度設定を高くするとともに光照射を行わない省エネルギーの野菜室の「弱」と、野菜室全体で3種類の提案ができ、特別に光照射の設定を操作パネルに設けなくてすむので、操作パネルインターフェースの簡素化にもなる。また、操作パネルで設定できる「省エネモード」や「節電モード」に連動させて、LEDを消灯させても良い。
【0035】最後にステップ53にてコンセントが抜かれたり、停電などにより冷蔵庫1自体の電源がリセットされたりしたときはそのときの状態を記憶し、再度電源が投入されたときはステップ40に戻り、電源リセット前の状態から開始できるようにする。以上2点灯、4点灯、消灯で説明してきたが、1点灯ずつ増減させたり、3,4点灯などを1つのグループとして行ったりしても良く、弱い照明であれば扉開閉に関係なく連続して照明しておけばよいなど、目的に応じた必要な照明を行えばよい。
【0036】#6以上のような制御で、4灯点灯時には光合成の明反応効果を得ることができ、2灯点灯時は光合成の暗反応の効果を得ることができる。また、点灯するLEDはそれぞれ交互に行うことでLEDの寿命を延ばし、冷蔵庫の寿命の間は光照射装置の交換不要となり、またユーザが不用意に触れることを阻止し、故障することもなく、また安全性を確保できる。また、光照射のタイミングは扉が閉じられているときに行わなくてはならないという考えではなく、以上のような制御を行うことで、扉開閉を認知せずに常時点灯しておけば良いので、扉開閉を認知する手段であるドアスイッチなどの部品を用いなくてすみ、システム自体を安価に、省エネルギーに構成することができる。
【0037】また、定格値に対して少ない電流値で照度を制御してもよい。また、経年変化により、LED34単体の輝度が落ちた場合は同時に点灯するLEDの個数を増やして、照度を確保するような制御を行っても良い。
【0038】本発明の光照射装置32は野菜室300に設置したが、冷蔵室100、冷凍室200、製氷室400、切替室500に設置してもよい。近年、野菜室の容量が足りなかったり、野菜室よりも温度の低いという理由で冷蔵室に野菜を保存したりすることもあるので、他室に光照射装置を設置することでも同様の効果が得られる。また、どの室に設置しても庫内灯としての効果があるためユーザの使い勝手は向上し、また店頭で陳列された際に商品力をアピールできる。
◆ この文献の解決アプローチ
野菜室LEDの光合成促進と扉非依存の常時点灯
文献: 光照射のタイミングは扉が閉じられているときに行わなくてはならないという考えではなく、以上のような制御を行うことで、扉開閉を認知せずに常時点灯しておけば良いので
野菜室で光を当てて鮮度・栄養を保つ点と扉開閉に縛られない点は共通だが、光合成波長が中心で白色光に遠赤色を少量重ねる比率設計はない。
【0039】#10本発明は、引き出し扉式の野菜室を持ち、光透過性のない野菜室ケースの底部に開口部の穴を設けており、その穴を塞ぐように設置された光透過性のある材料からなる蓋部を備えた冷蔵庫の野菜室床面となる仕切り部に下端部を埋設するように、野菜室内向きに光照射装置を設置した冷凍冷蔵庫である。野菜室内に光照射装置を配置する場合、野菜室ケースに置かれた食品との距離が最も小さくできるため、他のどの壁面に設置するよりも光合成による栄養保存効果が大きくなる。
【0040】この発明の実施の形態1における冷凍冷蔵庫の断面図である。 この発明の実施の形態1における野菜室内の断面図である。 この発明の実施の形態1における野菜室ケースの断面図である。 この発明の実施の形態1における植物の光反応作用波長特性図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の電気回路図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置のLEDの実装配置図の図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の電気回路図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における冷凍冷蔵庫の断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すタイムチャート図である。
【0041】1 冷凍冷蔵庫本体、 5 操作パネル、 10 圧縮機、 11 冷却器、 12 ファン、 13 ダンパ装置、 14風路、 21 制御基板、 30 野菜室ケース、 31 収納容器、 32 光照射装置、 33 実装基板、 34 LED、 35 カバー、 36 シール、 37 発泡断熱材、 38 Oリング、 39 蓋部、 40 Oリング、 41 ネジ、 42 ネジ、43 ヒータ、 100 冷蔵室、 200 冷凍室、 300 野菜室、 400 切替室、 500 製氷室。
ヒントあり冷蔵庫
特開2006-329614 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 中野 真理子、平岡 利枝、八木田 清、加藤 睦、坂本 克正、黒田 智之ほか / 出願日: 2006-04-27 / 公開日: 2006-12-07 / 検索14位 / 紫外光で防御反応を促す派
アプローチ: UV-A間欠照射と橙色LED光合成光の併用 植物の自己防衛機能を刺激するUV-A LEDを間欠照射してポリフェノールを増やし、590nm付近の橙色LEDを庫内灯兼光合成促進用に併用して、連動させたり片方を消灯したりして省エネ化する。
▸ 示唆: 二種の光を併用する発想は近いが、狙いは栄養増加で波長も紫外と橙色のため、併用時の光量バランスを検討する際の参考にとどまる。
AIが精読したのは全73段落のうち検索が当てた10チャンク(18段落・25%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】この発明は、冷蔵庫における野菜類などの食品保存に関する技術のものである。
【0002】従来の冷蔵庫は、上方から赤色LEDで野菜を照射し野菜の鮮度を保持するなど貯蔵性を良くする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、白色蛍光灯を設け、その点灯制御を扉開閉を検知するスイッチで行ない、緑色野菜のクロロフィル低下を低減しようというものもある(例えば、特許文献2参照)。更に0℃以下の食品の未凍結温度に対しLED照射により呼吸作用や低温障害を調査した報告がある(例えば、特許文献3参照)。また収穫後の植物に紫外線を照射してポリフェノール含有量を増加する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。この従来技術のポリフェノール増加データを図25に記載する。このデータを得た従来の実験条件としては、市販品のホウレン草を用いて、波長が320〜380nm(UV−A)または280〜320nm(UV−B)の紫外線を、紫外線ランプ(アトー(株)製,UV−A:DF−365,UV−B:DF−312)を用いて、1 日当たり1.0J/cm 2 の照射量で7日間照射、すなわち実験全期間で7J/cm 2 の光を照射したものである。照射時以外は、養液栽培用肥料(大塚化学(株),大塚ハウス1号を1.5g/lと同2号を1g/lの配合)中、10℃ の暗室内で保存した。なお、紫外線の非照射群と、UV−A照射群或いはUV−B照射群との間に外見上の違いは観察されなかった。当該結果において、UV−A照射群は、被照射群と比較して、植物の中にフラボノイド配糖体として存在するポリフェノールであるパチュレチン配糖体、スピナセチン配糖体、TMMGおよびDDMGが増加した。また他には冷蔵庫内に設けられ光触媒に紫外線を照射して植物の成長促進成分を分解する技術が知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0003】#1特開2002−267348号公報(0036欄、図1,2など) 特開平9−28363号公報(0005欄、図1、2など) 特開2001−61459号公報(0011欄、0012欄、0069欄など) 特開平2004−121228号公報(0018欄、図2など) 特開平7−260331号公報(図1、図5など)
【0004】従来の食品を冷蔵庫に収納してから特定の目的で蛍光灯やLEDで照射させることは、例えば赤色LEDを使用すると野菜の見た目が悪くなる、扉開閉を認知し点灯時間を制御するのに扉開閉認知手段が必要、上方から光を照射するので下部に配置された収納容器内の食品を照射できない、あるいは扉が閉まっているときにのみ照射させると、家庭内や店頭にて光が点灯していることを確認しにくい等の問題点があった。家庭用冷蔵庫の場合、保存される野菜の種類は各種各様であるし、あるいは野菜以外の食品など多くの種類の食品を常に入れ替えながら、しかもどこに保存されるかを決めないで空いたところに放り込まれたり、重ねられたり詰め込まれたりするごとく、狭いスペースで、不特定の期間に、さまざまな状態など保存が一定ではなく目的に応じた照射効果が得られないという問題があった。冷蔵庫の場合冷蔵と冷凍の区分けだけで温度に無関係に保存されるケースもある。このような食品保存に対し要求され、且つ、必要なことは、どのような保存の形態でも光の照射による保存の効果があり、悪影響が無く、電力消費が少なく効率の良い冷蔵庫で、更に部品寿命が長くメンテナンスがほとんどいらないなどが重要であるが、白色蛍光灯の場合良い影響も悪い影響も分離できないし、赤色や青色などの特定の保存効果に都合の良い波長を選択して理想的な状態で試験をしても都合の悪い条件の保存が存在し必ずしも実用的な冷蔵庫が得られない、などの問題がある。
【0005】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明は野菜などの収納物に紫外線を照射して収納物の栄養分を増大させることができる冷蔵庫を得るものである。
【0006】また、本発明は紫外線の照射光源を効果的に使用するので、使用寿命が長く効率の良い冷蔵庫を得るものである。
【0007】また、本発明は、安価で組み立てやすく、無駄なエネルギーの少ない且つリサイクルのし易い冷蔵庫を得るものである。
【0008】この発明に係る冷蔵庫は、主として紫外線を間欠照射する単数または複数の光源と、光源を点灯制御を行う制御装置とを備えるものである。更にこの発明は光源からの光を照射する個所、照射しない個所を有する食品を収納する収納容器を備えたものである。
【0009】この発明の冷蔵庫は、主として紫外線を間欠照射するとしたので、野菜などの収納物の見た目を損なわずに栄養分を増加させる効果を有する。また、この発明の冷蔵庫は光源を間欠照射させ寿命を延ばすことができ効率が良い冷蔵庫が得られる。
【0010】実施の形態1. 図1はこの発明を実施するための実施の形態1における冷蔵庫の断面図、図2は同実施の形態による野菜室内部の概要を示す斜視図、図3は半導体発光素子であるLEDの波長特性を示す波長分布図、図4は光照射装置の拡大断面図である。
【0011】#2図1において、1は冷蔵庫本体で、冷蔵庫1の最上部に開閉ドアを備えて配置される冷蔵室100と冷蔵室100の下方に冷凍温度帯(−18℃)から冷蔵、野菜、チルド、ソフト冷凍(−7℃)などの温度帯に切り替えることの出来る引き出しドアを備える切替室400、切替室と並列に引き出しドアを備える製氷室500があり、最下部に配置される引き出しドアを備えた冷凍室200と切替室、製氷室との間に引き出しドアを備えた野菜室300とからで構成される。冷蔵室100の扉表面上には各室の温度や設定を調節する操作スイッチと、そのときの各室の温度を表示する液晶などから構成される操作パネル5が設置されている。図1および図2に示すように野菜室300には光透過性の無い材料からなる収納容器30とその上部に設置された光透過性のある材料からなる第2の収納容器31とが設置されており、野菜等の食品である収納物を収納することができる。非透過性の材料としては、無機、有機の紫外線波長の透過を阻止するフィルム状、板状のプラスチック、ステンレスやアルミなどの金属を容器としてあるいは被覆剤として用いる。32は光源である光照射装置であり、図2に示すように第2の収納容器31の背面に設置され、第2の収納容器の中央付近を中心に光を照射できるようになっている。光照射装置32は図3に示すような、UV−A波長領域にある375nmをピークにもち360nmから400nmの範囲の波長を発光するLED41を1灯、他の波長のLED34を3灯実装した基板などからなる。紫外線は一般にUV−A波長領域(近紫外、320〜400nm)、UV−B波長領域(中紫外、280〜320nm)、UV−C波長領域(遠紫外、100〜280nm)に別れる。波長が短いほど人体に有害で320nm以下、すなわちUV−BおよびUV−C波長領域では遺伝子障害を起こす可能性がある。このため不特定多数の人間が利用する家庭用冷蔵庫にはUV−A波長領域である近紫外線の極力波長の長いLEDを採用することが望ましい。当然ながら人体への影響の無い照射量としたり、構造的に開放扉からもれないなど2重3重に安全性を高められている。すなわち冷蔵庫庫内への配置など他の光源などと区別せずに簡単な構造で安全性を高めている。もちろん中紫外線領域等の波長を使用し、例えば冷蔵庫扉閉鎖時のみ照射し構造的に扉方向への照射漏れを防ぐことも可能である。その場合は植物の自己防衛機能を刺激する波長の光を自由に選択するがその光源だけを他の光源とは別に特別な配置、構造とする必要がある。LED41は主に緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激しポリフェノールの生合成を促す。LED34は、例えば590nmをピークにもち、550nmから620nmの範囲の波長を発光する高輝度のLEDで庫内灯として、また、光合成によるビタミンCの生合成を促進にも利用する。
【0012】図1において、10は圧縮機、11は冷却器であり、12は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100、冷凍室500に送風するファン、13は冷蔵室500内への冷気量を調節するダンパ装置であり、14は冷却器11により冷却された冷気を冷蔵室100内に導入するための風路である。光照射装置32の点灯や消灯を制御する制御装置の基板22は冷蔵庫背面の電気品室21に収納され基板22にも受けられたマイコンなどで制御が行われる。
【0013】図4において、光照射装置32は実装基板33とこの実装基板33に併設する光源である半導体発光素子LED41および34とこのLED41および34を保護する光透過性のカバー35からなる。カバー35の部材には、紫外線による黄変のなどの経年劣化要因になる酸化されやすい物質、例えばゴム材を含まないプラスチック部材を使うことが望ましく、さらには高価だが耐候性の高いアクリルなどを使うことが望ましい。冷蔵庫の振動によりその照射角度が変動しないように実装基板33とカバー35はネジ等で確実に固定される。実装基板33の裏面は回路のショートを防止するためにシール36で覆う。また、光照射装置32は野菜室300の奥側の断熱部37の手前に組み込まれ、LED41および34の光が野菜室300内に照射するように設置されるが、カバー35内への露付きを防止するために、Oリング38を挟み込むことにより密着度を上げ冷気を遮断し、実装基板33の露付きや、水滴による光の乱反射を防止する。また、カバー35は突起部39を持ち、収納容器がカバー表面にぶつかることを阻止する形状をしており、カバー表面の傷つきによる光の乱反射や、実装基板33、LED41および34の破壊、故障を防止する。このカバー表面の衝突防止は製造途中のカバー35の取り扱い、使用中の収納容器着脱などさまざまな場面を想定して突起部39を設けている。
【0014】また、光照射装置を野菜室である冷蔵庫内の奥側、特に背面上部に設置することで、紫外線が目的の食品以外、例えば一般的に野菜室手前に保存するペットボトル入り飲料などへ照射されにくい構造となり、色や味の変化を生じない。また、ファンやダンパ、その他の電気部品と近づけることができるので、配線しやすく、安価に作ることができる。また庫内を冷気循環させる場合吹出し口や吸い込み口を奥側に設けるので庫内を奥から前側に光の照射する方向と冷気を動かす方向、すなわち冷気を吹出させたり吸い込んだりする方向が一致することになる。収納容器の無い冷蔵室、あるいは収納容器を設ける野菜室など、冷蔵庫では食品を詰め込まれた場合でも冷気を通しやすい構造とすることが多く、この冷気の噴出しや吸い込み方向と一致させることにより紫外線の照射が全体に通しやすくなる。
【0015】また、光源34はユーザにとって、上方等に設置しているよりも点灯の様子を確認しやすいので、店頭での商品アピールや、家庭での点灯確認をしやすい。また光源41の表面部分に着色しておけば明確な色のない紫外線も点灯を確認しやすい。ただし、扉開時に必ずLED41が点灯している必要はなく制御上適正な時間照射する範囲でのみ扉開時に点灯してもよい。更に背面側の断熱材構造は庫室を仕切る仕切り板より比較的強固でありLEDに加わる振動が小さくより長期運転における信頼性をあげることができる。
【0016】図5は様々な植物に含まれる各種ポリフェノール類が吸収する光線の吸収波長を表にした説明図である。図6は単位エネルギーあたりの植物の成長の効果を波長別に示した光反応作用波長特性図である。植物は基本的には光合成で生育するが、それ以外に種子発芽、花芽分化、開花、子葉の展開、葉緑素合成、筋間伸長などの植物の質的な変化である光形態形成を行い、その際蓄えた養分をエネルギー源とする。その中でも発芽や開花など野菜保存にふさわしくない光形態形成は図6に示すように、470nm近辺の青色光と660nm近辺の赤色光によって促進される傾向にある。LED41から照射される光は緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激してポリフェノールの生合成を促進する波長320〜400nmの範囲にあるため、野菜保存性を低下させない。また図5におけるブルーベリーやイチゴなどのアントシアニンに対しては黄緑色などの波長の光源34にて栄養分増加を行う。
【0017】ポリフェノールとは、ベンゼン環に複数の水酸基或いはメトキシ基が置換した化合物の総称であり、野菜や果物や茶などの作物に含まれている。ポリフェノールのうち、いわゆるフラボノイド類は植物の特に太陽光をよく浴びる部位に含まれる。これは、植物が太陽光に含まれる紫外線に対する自己防衛のために紫外線領域に強い極大吸収を持つフラボノイド類を合成しているものと考えられる。ポリフェノールの主な生理作用は、抗酸化作用とタンパク質機能調節作用である。このため、抗酸化による老化抑止のほか、癌、動脈硬化、糖尿病、循環器疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、アミロイドーシス、肝炎、白内障などを軽減する。また、体内レセプターや酵素の活性を調節して、ダイオキシンの毒性、環境ホルモンの作用、アレルギー、炎症などを強力に抑制する。また一方で、ポリフェノールは多量に摂取しても代謝排泄作用により速やかに体外に排出されるため、体内濃度は一定値以上に上がらず副作用を示す可能性も少ない。近年では、生育過程で人工的に紫外線を照射すると有意にフラボノイド量が増加することが報告されている。ただし、生育中であっても収穫後であっても植物に過剰な紫外線照射を行うと、遺伝子そのものが害されて葉の黄色化などの外観上の影響が発現する。また、外観に影響がなくても細胞が破壊されてポリフェノールが減少する場合もあるため、照射量は限定する必要がある。
【0018】従来の技術において、植物の外観に影響を与えることなくポリフェノール量を増加させるには、紫外線波長領域は320〜380nm(UV−A)または280〜320nm(UV−B)で、紫外線照射量は1日あたり0.5J/cm 2 以上50J/cm 2 以下であることが記載されている。この値が家庭用冷蔵庫においても同様の結果得られるのか、まず多めに照射したときの影響について確認実験した。図24は、クレソンを3日保存したときのポリフェノールの変化量を、紫外線非照射と、380nmの紫外線を24時間連続照射、すなわち家庭用冷蔵庫に設置可能な光源で最大限光を照射した条件とで比較した実験結果である。このときの光量は1日あたり約86J/cm 2 である。この2条件で3日間保存した。非照射と1日あたり約86J/cm 2 照射とでは外観に差異はなかった。縦軸は、保存開始前のクレソンのポリフェノール量を基準として3日後のポリフェノール量をパーセント表示したものである。つまり、グラフ内の100%のラインは、3日後のポリフェノール量が初期と変わらず同等であることを示している。図24に示すとおり、結果62の非照射条件ではポリフェノール量は約1.3%の減少であるのに対し、結果63の1日あたり約86J/cm 2 照射した場合では、ポリフェノール量は約5.9%減少している。これは、紫外線量が多すぎて、細胞が損傷しポリフェノールを生合成する部位が減ったためであると考えられる。
【0019】以上より、紫外線を照射するLEDを必要最小限使用し所定の照射量とすることで発熱を抑え、野菜等の蒸散を抑えることができ、最も効果的にポリフェノールの生合成を促進することができる。
【0020】また、単色発光のLED同士を組み合わせるだけでなくLEDと蛍光体との組み合わせでも良い。
【0021】また、視野角の広いLEDを使用することにより、LEDの個数を減らすことができ、ポリフェノールを生合成する効果を得ながらも、安価に光照射装置32を構成することができる。
【0022】また、図7は光照射装置の電気回路図を示し、図8はLED41および34の実装配置図であり、実装基板3個のLED34a、34b、34Cを並列にした系統34Aと、LED41に対応した系統41Aを接続構成している。DC5V〜12Vを印加し、30mA程度の電流を流すことで、LED34a、34b、34c、41を発光させるものである。電流値は30mA程度と小さく安全である。図7に示すようにマイコンから信号を出力してオンオフを制御するトランジスタとLEDに流す電流を設定する電流制限を行う抵抗をLEDに直列に設けLEDの点灯消灯などを制御する。この構成の、実際の基板の実装においては、抵抗を制御基板側に配置すれば、光照射装置32の実装基板33を小型化でき、野菜室内に配置しやすく、また、抵抗の発熱を抑えることができるので野菜の保存性能を向上する。一方、抵抗を光照射装置32の実装基板側に配置すれば、故障などの際に点灯確認や不良箇所を発見しやすいなどの効果がある。以上のようにLED41は主に緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激しポリフェノールの生合成を促す。LED34は、例えば590nmをピークにもち、550nmから620nmの範囲の波長を発光する高輝度のLEDで庫内灯として、また、光合成によるビタミンCの生合成を促進にも利用する。このように異なる目的で設けた発光素子はそれぞれ目的達成に必要な照射量に応じて別の電流制限抵抗を設けることとマイコンによるトランジスタの制御を行うことで簡単な構造に纏めることが出来る。
【0023】保存した野菜の自己防衛機能を刺激しポリフェノールが増加した栄養成分に富んだ野菜にするには、刺激が弱すぎても強すぎてもまずいので紫外線照射量を制限する必要があるため、LEDを常に点灯するのではなく、点灯時間や光出力を制限することが必要である。この制限により、LEDの寿命を延ばし、光照射装置を交換不要とする効果もある。これにより無駄なエネルギーを使わずに効果的な食品保存が可能になる。収穫前の生育状態の植物においてもポリフェノール増加のための太陽光による紫外線の適度な照射量を照射する時間帯は1日の中でも限られているごとく収穫後冷蔵庫の中でポリフェノールを増加させる紫外線を点灯する時間は消灯する時間より大幅に短くてよい。
【0024】以上のように構成された冷蔵庫において、以下その動作を説明する。図1の冷却器11で冷却された冷気はファン12により冷凍室200内に送りこまれ、冷凍室は所定の温度約−18℃に冷却される。一方、冷却器11で冷却された一部は風路14を通過し、ダンパ13の開閉により制御され、冷蔵室100、切替室400、製氷室500に送り込まれ、冷蔵室100は所定の約3℃、切替室400は設定に応じた温度、製氷室500は−18℃にそれぞれ冷却される。野菜室300は野菜の蒸散を抑えるため、直接冷気を吹き込まず、野菜室300上部の切替室400及び製氷室500、野菜室300下部の冷凍室200からの輻射を利用して所定の温度約5℃に間接冷却される。なお既に述べてきたように間接冷却でなく冷気を循環させる構造でも良いことは当然である。またこの庫内冷却動作は1つの冷却機の構造で説明したが、複数の冷却器を設ける構造の場合は冷気の流れが異なるだけで同様な動作であることは当然である。
【0025】図2のように野菜室300内には収納容器30と第2の収納容器31が設置され、野菜室に野菜を収納する場合、主としてポリフェノールの生合成の効果が望まれるホウレンソウやコマツナなどの緑黄色野菜は第2の収納容器に31、暗所保存が望ましいジャガイモ、タマネギなどの根菜類は収納容器30下部に、区分して収納する。第2の収納容器31に収納された野菜類は第2の収納容器31の背面にある光照射装置32により光が照射される。一方、収納容器30下部に収納した根菜類には光は非透過性材料により遮断され、あるいは収納容器31に収納される食品によって妨害され直接光が照射されることはない。
【0026】図9は光照射装置の簡単な制御のフローチャート図、図10は光照射の制御と野菜のポリフェノール生合成のタイムチャート図である。図9において、冷蔵庫本体1の電源投入後、ステップ40でLED34を3灯点灯する。次にステップ41でLED41を動作させる状態が選択されているかどうかを判定する。LED41を動作させる状態が選択されていないときは、ステップ42でLED41も操作パネル表示もオフする。
【0027】ステップ41でLED41を動作させる状態が選択されていれば、ステップ43で冷蔵庫が霜取り動作に入った場合、ステップ44にてLED41を点灯し、ステップ45にてLED41の照射をはじめて160分経過後、ステップ46に進み、LED41を消灯する。ステップ43の霜取り動作は一日に1回入る制御になっているので、ステップ43から46の一連の制御を取ることでポリフェノール増量に必要な紫外線量、すなわち1日当たり0.5〜50J/cm 2 の紫外線量を照射する制御となる。なお図8の様に混合配置しているとき、常時点灯している光源34とほとんど点灯を目視される時がない光源41が存在する。このためユーザが光源41に対し故障と判断される恐れがあり、この対策としてあたかも点灯している如く感じさせる様に光源34からの反射を利用したり着色表面などが必要である。更に扉背面、光照射装置32外表面あるいはその近傍などに注意書き記載を行う。
【0028】図11に、豆苗を用いて、紫外線非照射の場合とLED41として1mW/cm 2 の光出力があるLEDを1日160分照射することで、1日あたり9.6J/cm 2 照射した場合とで3日保存したときのポリフェノールの変化量を光量によって比較した試験結果のグラフ図である。縦軸は保存開始前のクレソンに含まれるポリフェノール量を基準に、各条件下でのポリフェノール量をパーセント表示したものである。つまり、グラフ内の100%のラインは、3日後のポリフェノール量が初期値と比較しても変わらない、同等であることを示す。図11に示すとおり、結果60は光を一切当てずに3日間保存した豆苗のポリフェノール量を初期と比較したものであり約103%と初期値を殆ど変わらない範囲で増減を判断できないレベルである。一方、結果61は、365nmの光を1日あたり約9.6J/cm 2 照射して3日間保存した豆苗のポリフェノール量を初期と比較したものであり初期値に比べ約15%増加している。なお、光出力は1mW/cm 2 に限定されるものではなく家庭用冷蔵庫に搭載できる大きさで発熱の少ない光源であればよいし、照射時間も光出力に応じて、1日当たり0.5〜50J/cm 2 の紫外線量を確保できればどのような照射時間であっても構わない。
【0029】#9一般に、380nmの紫外線の作業環境上のしきい値は10 4 J/m 2 すなわち1J/cm 2 を1日8時間で浴びたときとされている。本仕様で紫外線が照射される位置はLED41から約3cmである。冷蔵庫使用者が野菜室をあけ、作業をするとき、人が最もLED41に近い距離で約30cmである。光の強さは距離の2乗に反比例するため、1日あたり約9.6J/cm 2 を野菜に照射しても、人が作業する位置に直接照射されたと仮定してもその光量は最大で約0.096J/cm 2 となる。実際の作業では野菜室の扉を開けて食品を引き出すものであり必ずしも野菜室の奥まで手を入れて作業するわけではなく、人が受ける紫外線量は更に小さいものであると考えられるため、今回提示する1日当たり0.5〜50J/cm 2 の紫外線量という数値範囲は人に悪影響ない照射量であると考えられる。なお、初期値に対するポリフェノール増量のため、上記以上の照射量を必要とする場合は、人に過度の照射がされないように、扉を開けてもLED41の光が外に漏洩しない構造にする、例えばLED41の光が直接庫外に照射されないよう斜め下向きなど、冷蔵庫使用者に直接光が当たらないような一定方向に傾けて設置しても良い。またLED41を背面でなく側面や天井面に設けても良い。LED41から照射された光はまたは扉開を検出したらLED41を消灯するなどの制御をしても良い。
【0030】また、屋外の紫外線量は、年間平均1mW/cm 2 であるが、冬の曇り時は0.1μW/cm 2 、夏場は4mW/cm 2 である。冬は日光の照射時間も短く植物の防衛機能への刺激も弱い、すなわちポリフェノール生合成量が少ないと考えられる。このため、季節によってLED41の出力をこの季節と合わせる自然と同じ形に変更してもよい。季節は、冷蔵庫の図示しない外気サーミスタの検出温度により判定する。或いは電気品室21の基板22のマイコンにカレンダー機能を設けるなどで季節を判断しても良い。これにより植物が置かれてきた自然環境と同様な環境で植物が維持する栄養を増やすことが出来る。なお、空調や調理による影響を避けるために季節の判定は冷蔵庫周りに人がいないときとして、あらかじめドアの開閉を記憶させて時間設定した深夜時間帯の温度から推論してもよい。但し最近の冷蔵庫設置場所での空調により影響される場合などでは電灯線信号により外部から通信を介して天気予報などの週間情報等を入手して温度データから季節を判定するなどでも良い。
【0031】上記は紫外線LED1灯の場合について述べたが、2灯以上設置されていてもよい。このとき、紫外線光源41Aと別系統でLEDを配置し、それぞれのマイコンによりその点灯、消灯を交互に制御することによって、光出力を確保しながらLEDの寿命を延ばすことができるので、扉開閉等を検知せずとも十分な寿命を確保することが可能である。また、複数のLEDを1系統としてすなわちグループ制御することにより、マイコンのポート数を減らすことができ、基板を簡素化する効果がある。また、使用するLEDの個数や必要な光出力によっては印加電圧・電流を適宜選択すればよい。
【0032】図10のタイムチャート図において、図9ステップ43霜取り開始動作をトリガーに、LED41を点灯することで、光を照射された野菜は自己防衛機能を刺激されてポリフェノールの生合成を始める。LED41は冷蔵庫に内蔵された図示しないタイマーで時間をカウントし、約160分連続点灯してから消灯する。点灯時間を消灯時間より大幅に短くすれば良く、例えば3時間点灯し1日の残りを消灯などでも良い。また160分を連続とせず間欠的な照射で照射されている時間が160分としても良いが自然環境に合わせ連続とした。冷蔵庫における霜取り動作は、庫内を冷却する庫内の冷気が循環するとき冷気に含まれる水分が蒸発器である冷却器11のフィンに固着するのでこの霜を除去する動作である。冷凍サイクルにおける蒸発器は圧縮機10にて循環される冷媒が蒸発する際に熱交換器にて庫内の空気を冷やし、その際に庫内の空気に含まれる水分は冷却器のフィンに霜となって固着する。この霜を除去するために冷却器下部に設置されたヒータを作動させて、霜を蒸発させて除去する。このとき庫内のファン12を停止させ、ダンパを閉じ各室へ冷気を吹き込んでいないが、冷気の吹き込みが遮断され、ヒータの熱漏洩により庫内の温度が上がることになる。冷凍室のごとき0℃以下の様に温度が低い庫室内では温度が高いほどポリフェノールの生合成作用が活発に起こるので霜取り動作のときに庫内の光源から照射することが有効である。更に霜取り動作は、一日のうち冷蔵室の扉開閉のパターンを記憶し、扉開閉の少ない時間帯を狙って行われるので、これらのあらかじめ設定された条件に応じて光源からの光の照射をおこなえばよい。なおここでは霜取り動作を光照射を制御する基準として説明したがドアの開閉を記憶させて時間を設定したり、あらかじめマイコンのタイマー動作で深夜時間帯を設定してその時間帯だけ点灯させそれ以外の時間帯では消灯させるなどの時間基準を設けても良いことは当然である。この点灯と消灯のサイクルは1日1回である必要は無く野菜の栄養増強などの必要性に応じて複数回に分けるなど設定すれば良い。
【0033】また、冷蔵庫の他の間欠的に行われる機器動作と連動させることで一定以上の照射時間を確保しても良い。例えば、冷凍室サーミスタの温度によってオンオフする圧縮機のオンタイミングまたはオフタイミングに合わせてLED41を一定時間点灯しても良い。この場合は、LED41は冷蔵庫に内蔵された図示しないタイマーで時間をカウントし、外気温度や冷凍室の設定温度など圧縮機オン時間の長短に影響する因子により点灯時間を変える。また、冷凍室や切替室などのダンパの開閉タイミングに応じて、例えばダンパ開または閉のたびにLED41を点灯するとしてもよい。また、野菜室のサーミスタ温度が一定値以上上昇したとき、冷蔵庫使用者が野菜室の扉を開けて新しい野菜を入れたものと考えて、LED41を若干の時間を置くなどの後で点灯開始し一定時間点灯させても良い。また温度制御とは直接関わりないが、同一の定電圧電源に接続する機器の動作と連動させることで、回路構成を簡易にして一定以上の照射時間を確保しても良い。例えば、製氷用の水を間接的に浄化するための紫外線LEDと連動して扉開閉時・給水ポンプ動作時・満氷検知時などにLED41を一定時間点灯させても良い。一度に点灯する時間は数分程度であるが、断続的に何度も行われる動作なので全体として本実施例に示した照射時間は十分に得ることができる。いずれにしても、家庭用冷蔵庫の電源で点灯するLEDの光出力では、1日うちの長くても数時間程度照射すれば野菜を損なうことなく十分にポリフェノールを増量する効果が得られるので、残りの1日の大半の時間は消灯しているように制御する。
【0034】次に、冷蔵庫100の扉に設置された操作パネル5の操作スイッチを操作することによって、LEDの点灯と消灯を切り替えることができる。図9のステップ47にて操作パネルはスイッチ入力を受付け、LED41を点灯する状態が選択された場合はポリフェノールという表示を点灯し、LED41を消灯する状態が選択された場合はポリフェノールという表示を消灯し、制御基板に状態データを送信する。ステップ48にて信号を受けた制御基板はそのデータに応じてLED41を点灯または消灯する。スイッチ操作でLEDの点灯、消灯を選択できるようにすることで、葉菜をあまり保存しないユーザが消灯させたり、葉菜があまり出回らなくなる冬の間はスイッチ操作で消灯させたりすることができる。
【0035】また、操作パネルは冷蔵庫の外に設置されているものに限らず、庫内に設置されているようなものでも良い。操作パネルから冷蔵庫の庫内照明を操作する指示を携帯電話などからインターネットを通して住居内に設けられているICアダプターにて信号を変換し電灯線などの有線や無線などにて冷蔵庫内の制御装置に指令を伝えることでも良い。また操作パネルの操作スイッチを点灯オンにした時から160分間LED41が点灯するようにしても良い。このとき図示しないタイマーで時間をカウントし操作スイッチオンから24時間後にLED41を点灯するようにしても良い。
【0036】最後にステップ50にてコンセントが抜かれ、或いは停電などにより冷蔵庫1自体の電源がリセットされたときは、そのときの状態を記憶し、再度電源が投入されたときはステップ40に戻り、電源リセット前の状態から開始できるようにする。
【0037】以上のような制御でLED41を点灯することで、ポリフェノールの増量効果を得ることができる。更に光源を背面等に埋めこむことができるので、露付きを防止するために密閉度を上げることができ、またユーザが不用意に触れることを阻止し、紫外線がポリフェノールの生合成に必要な領域以外に漏洩しにくく、故障の可能性を回避し、また安全性を確保できる。また、光照射のタイミングは扉が閉じられているときに行わなくてはならないという考えではなく、以上のような構造と制御を行うことで、扉開閉を認知せずに点灯すれば良いので、扉開閉を認知する手段であるドアスイッチなどの部品を用いなくてすみ、システム自体を安価に、省エネルギーに構成することができる。もちろん扉開放時あるいは扉閉鎖時の信号を持ってきて点灯消灯の切り替えや光出力レベルの切り替えなどをマイコンの設定により自由に行えることは当然である。また、点灯するLEDを複数設けた場合は点灯をそれぞれ交互に行うことで、LEDの寿命を延ばし、冷蔵庫の寿命の間は光照射装置の交換が不要となる。
【0038】また、定格値に対して少ない電流値で1日あたり約9.6J/cm 2 を確保し、LED41の経年劣化による光出力の低下に応じて電流値を上げるなどの照射仕事量を制御してもよい。また、LED41が複数個ある場合は、経年変化により、LED41単体の光出力が落ちた場合は同時に点灯するLEDの個数を増やして、照射仕事量を確保するような制御を行っても良い。このときはまた、ユーザが選択できる光照射の種類は点灯、消灯の2種類だけではなく、2灯点灯、1灯点灯、消灯のように3段階制御とすれば、ポリフェノールの生合成を有効に促進したい場合は2灯に、ポリフェノールの生合成を少なめに促進したい場合は1灯に、省エネルギーを重視する場合は消灯に設定すれば良い。また、2灯点灯、1灯点灯、消灯の3段階をそれぞれ野菜室の温度設定の強・中・弱に連動させれば、葉菜に適した温度環境である「強」、通常の野菜室に連続もしくは間欠的にして庫内灯が点灯し保存効果もある「中」、温度設定を高くし省エネルギーの野菜室の「弱」と、野菜室全体で3種類の提案ができ、特別に光照射の設定を操作パネルに設けなくてすむので、操作パネルインターフェースの簡素化にもなる。また、操作パネルで設定できる「省エネモード」や「節電モード」に連動させて、LEDを消灯させても良い。
【0039】#5また、LED41が点灯するとき光合成作用を促進するLED34も点灯していると、より太陽光に近い光となり、植物にとって最も自然な生理作用が得られる。また、LED41が点灯するとき光合成作用を促進するLED34を消灯するまたはLED34が点灯するとき光合成作用を促進するLED41を消灯することで、適宜必要最低限の光を照射することになるので、省エネである。また、LED41の点灯タイミングと光合成作用を促進するLED34の点灯タイミングを全く連動させないことで、各々の波長において最適な反応を得られる必要最低限の光量を得ることができる。
【0040】また、輻射冷却を利用した野菜室ではなく、他室と同様に冷気を吹き込む形式の冷蔵庫においては、霜取りの際に発生した水分を野菜室に吹き込めば、水分欠乏によるストレスを野菜に与えることないので鮮度を保持できる。冷気の循環と光源からの光照射はまったく無関係に行われる。すなわち冷気の循環は庫内の温度検出に応じてファン動作やダンパ動作に応じて必要なところに必要な冷気が送付される。一方光の照射はポリフェノールの生合成としては強さのある照明を間欠的に、扉開放時などは連続的に弱い光源から照射される。
【0041】図12はこの発明を実施するための他の野菜室の斜視図、図13はその断面図である。図2では、収納容器30を非透過材料、第2の収納容器31を透過材料で構成したが、図12のように、第2の収納容器31を非透過材料で構成し、その背面の光照射装置32から光が照射する一部のみ透過材料で構成し、光透過窓40を設けてもよい。その際収納容器30の構成材料は透過、非透過は問わない。
◆ この文献の解決アプローチ
UV-A間欠照射と橙色LED光合成光の併用
文献: LED41が点灯するとき光合成作用を促進するLED34も点灯していると、より太陽光に近い光となり、植物にとって最も自然な生理作用が得られる。
二種の光を併用する発想は近いが、狙いは栄養増加で波長も紫外と橙色のため、併用時の光量バランスを検討する際の参考にとどまる。
【0042】以上のような構成を取ることによって、葉菜類を保存する第2の収納容器31内に照射された光はその容器内の照射された個所で反射され、LEDの持つ光束をロスすることなく、野菜に当てることができ、収納容器30に保存された食品への光の遮断性も更に良くなる。また、第2の収納容器31の表面に凹凸をつければ、容器内で光が乱反射や散乱を起こすので、指向性の強いLEDであっても、より広い範囲において光合成の効果を促すことが可能である。
【0043】図14、図15はこの発明を実施するための別の野菜室内の断面図である。図2では、収納容器30を非透過材料、第2の収納容器31を透過材料で構成したが、図14のように、第2の収納容器31を非透過材料で構成し、収納容器30を透過材料で構成し、光照射装置32もしくは実装基板33に傾斜をつけることによって。収納容器30内に光を照射し、第2の収納容器31内へは光が遮断されるようにしてもよい。
【0044】以上のような構成を取ることによって、一般的にかさの大きい葉菜類を下部の収納容器30に保存し、小さく細かいものが多く、光照射にはあまり適さない根菜類を上部の第2の収納容器31に保存することができるのでより整理性が良くなる。また、図15のように、光を照射する部分のみ透過材料で構成し、光透過窓40を設けても同様の効果が得られる。またその場合は全面反射材料で包囲されるので、照射された光の効果を増大させる効果がある。
【0045】図16はこの発明を実施するための別の野菜室内の斜視図である。図2などにおいては、光照射装置32は第2の収納容器31の平面に設置されていたが、図16のように側面に配置してもよい。あるいは野菜室300の上部の奥側に設け、更にこの光照射装置32を傾けたり、LEDの向きを傾けて照射される光が容器31の内部全体に届くように斜めに照射することで容器表面からの反射や更に容器表面に凹凸を設けたところからの反射により容器内で光が乱反射や散乱を起こすことを利用すると有効である。
【0046】以上のような構成を取ることによって、側面や上面奥側から発光された光は対するプラスチック材料からなる側面に反射するので、光を無駄なく照射し、野菜の保存性においては他の構造の収納容器以上の効果があり、扉を開けているときにも庫外へ光が逃げることがないので、店頭でのアピール効果を高めることも出来る。図16では光源を側面であって奥行きに対しては中央部に設けた説明をしているがポリフェノールの生合成作用にとっては中央部より奥側が反射させやすく望ましい位置である。
【0047】図17は別の構造の冷蔵庫の外観図、図18はその野菜室の断面図である。図17において、1は冷蔵庫本体で、冷蔵庫1の最上部に中央からそれぞれ左右に開く2枚の開閉ドアを備えて配置される冷蔵室100と、冷蔵室100の下方に開閉ドアを備える製氷室500と、製氷室500の下方に開閉ドアを備えた冷凍室200と、製氷室500と冷凍室200の隣に配置し、開閉ドアを備えた野菜室300とからで構成される。図18のように縦長に設けられた野菜室300の中には引き出し型の収納容器で小さな果物やトマトの大きさに適した31a、31b、葉菜などの中間の大きさの野菜に適した31c、ペットボトルや大きめの野菜の保存に適した31dが上から配置されている。素子32a、32b、32cは光照射装置でそれぞれの収納容器に光を照射することができる。
【0048】#4以上のような構成をとることで、既に説明してきた光源による光照射と同様の効果を得ることができる。また、素子32bだけを使用すれば、葉菜を収納容器31c、光照射に適さない根菜類を収納容器31a、31bに保存すれば、さまざまな種類の野菜保存にも対応できる。また、光照射装置32を複数つける場合は紫外線LEDとオレンジ色LEDで構成した光照射装置32に加え、オレンジ色LEDのみで構成した光照射装置32、紫外線LEDのみで構成した光照射装置32など色の違う光照射装置を設置し、光合成に適した葉菜類をオレンジ色光のもとに、ポリフェノールを増加させたい食品を紫外線光のもとに、どちらともバランスよく効果のほしい食品は紫外線+オレンジ色光のもとに保存してもよい。このような複数の種類の異なる波長の光照射装置を常に点灯させるようにしても、霜取り時等に光出力アップさせるなどの既に説明した制御内容と併用させれば視覚に与える悪い影響を抑えることが出来る。また、光照射装置32単体内のLED34をオレンジ色LED以外にも複数種の色のLED例えば赤や青など異なった色のものでそれぞれ光照射装置32を構成すれば、野菜がさまざまな光形態形成を行うことを可能とする。以上説明してきた光源は実装基板33に複数の光半導体であるLED素子を複数設け構造や配線を簡単化したが、1箇所の基板に1個のLED素子でも良いし、冷蔵庫の庫室に1個のLEDを配置する構成でも良い。すなわち野菜室の庫室奥側に約590nm波長の素子1個を設けて庫内灯と光合成促進と兼用とし、更に野菜室の下部奥側に約375nm波長の素子1個を設け点灯しても良い。このように発光素子の特性によって基板を分けることで、各々の素子特性にとって最適な位置に設置し、各々の効果を最大限有効に利用することができる。
【0049】上記までの説明では主として収納容器の構造で光源からの光を遮る遮光部や光を照射する個所しない個所について説明してきた。しかし、収納容器を設けない庫室、例えば棚を設けて食品を仕分けして収納する構造などがある。これらの収納部である各棚の構造に図2や図12−図16の構造、例えば遮光部を設けても良い。例えば棚に光を透過する透明や網状の構造や透過しない部材を使用したり、棚の一部に光照射窓を設けたり、棚を光を散乱させるような構造にしても良い。なお図4の構成では光照射装置32を風路14の中に埋め込んで固定したが、断面図である図19に示すように風路14の外側に配置し、断熱部外側からネジ39で固定しても良い。
【0050】以上のような構成をとっても、今までの説明と同様の効果を得ることができ、また、光照射装置32は庫内壁面に取り付けられており交換の際あるいは除去する際に風路14まで解体しなくてすむので、交換が容易にできるという効果があるし断熱部の断熱材と分離が容易で断熱材のリサイクルが簡単である。
【0051】本発明の光照射装置32は野菜室300に設置したが、冷蔵室100、冷凍室200、製氷室400、切替室500に設置してもよい。近年、野菜室の容量が足りなかったり、野菜室よりも温度の低いという理由で冷蔵室に野菜を保存することもあるので、同様の効果が得られる。また、間欠的で、短時間だけ使用する制御を行うので、どのような室に用いるような場合でもビンやペットボトルのお茶やジュース類の色変化への影響も少ない上に、魚や肉のうまみ成分やシイタケなどのビタミンDを増加する効果がある。
【0052】また、図5記載の各ポリフェノール類に応じた波長である400nmや560nmを含むLEDを併用することで、より多様な作物でポリフェノールを増量する効果が得られる。 例えば、図26は、470nm近辺の波長を発光するLEDを併用した別の光照射装置の拡大断面図であり、図27は470nm近辺の波長を発光するLEDの波長分布図である。図において、光源である光照射装置51は、UV−A波長領域にある375nmから400nmの範囲の波長を発光するLED52と470nm近辺の波長を発光するLED53(青発光ダイオード素子)とを少なくとも各1灯以上実装した基板54と、各LED52および53を保護する光透過性のカバー55からなり、基板54及びカバー55は固定板56で支持されている。 以上のような構成を取ることによって、UV−A波長領域のLED52によって緑黄色野菜のポリフェノールを増量できるとともに、青色波長領域のLED53によってナス、イチゴ、ブルーベリーなど紫の色素を持つ作物のポリフェノールを増量できる。このように、適応作物を多様にすることができ、また、LED53の青色光は、光合成を促進する効果もあり、野菜のエネルギー源となる糖を増量する効果があるため、暗所で消耗し続ける野菜とは異なり生命力のあるすなわち鮮度の良い状態で野菜などの作物を保存することができる。図28は、カットしたキャベツに青色光を照射して保存5日後時点の様子を示したもので、キャベツが紫色を呈していることがわかる。これはアントシアニンが蓄積し、色が紫化したものである。このように、青色光は紫の色素を持つ野菜や果実以外の作物の含有ポリフェノールも増量することができる。さらに、このアントシアニンはUV−A波長領域のLEDにより増量するフラボノイド類と同じポリフェノールであり、上述したポリフェノールの作用と同様の抗酸化作用がある。フラボノイド類は、上述にも記載したが、動脈硬化抑制や食事発生癌の軽減などが効果として知られており、アントシアニンは視神経の働きを支えているロドプシンという色素の再合成を促して、疲れ目を改善し、視力を向上させたり、肝機能を向上させたり、血圧抑制するなどの効果が期待されるポリフェノールとして知られている。UV−Aに青を追加することで、人の健康に同等の効果を相乗的に増やすとともに個別の効果を得られるポリフェノールを増量することができる。 さらに、他のLEDの併用として、図29は上記した光照射装置51に、590nmの波長をピークに550〜620nmの波長を発光するLEDをさらに併用した光照射装置の拡大図であり、図30は590nmの波長をピークに550〜620nmの波長を発光するLEDの波長分布図である。図において、光源である光照射装置51は、UV−A波長領域にある375nmから400nmの範囲の波長を発光するLED52と470nm近辺の波長を発光するLED53(青発光ダイオード素子)と590nmの波長をピークに550〜620nmの波長を発光するLED63(橙発光ダイオード素子)とを少なくとも各1灯以上実装した基板64と、各LED52、53および63を保護する光透過性カバー65からなり、基板64及びカバー65は固定板66で支持されている。 以上のような構成を取ることによって、効率的に光合成を発現でき、結果として、ビタミンCを増量できる。また、赤色光を使用すると野菜、果実などの作物の見た目が悪くなるが、橙色光の場合では、野菜、果実などの作物の色合いをアップできる。
【0053】これらの作物は、冷蔵庫外に放置して追熟し食品の色に関係するポリフェノール類を増加させることがあるが、このとき作物は温かい環境に放置されるため呼吸も活発になり劣化も進む。冷蔵庫内の低温環境下で特定の波長を照射することで、食品の劣化を抑制しながらポリフェノール類を増加させる効果が得られる。 例えば、キャベツ、ナス、イチゴ、ブルーベリーなどにアントシアニンが含有されていることは前記したとおりであり、これ以外にも大根、紫蘇、カリフラワー、ブロッコリーなどにもアントシアニンが含有されている。これらは多くの場合、冷蔵庫で保存され、これらに青色光を照射すると、野菜の色目が紫化する。これは、アントシアニン増量のサインである。上記したように、投入したエネルギーに対するポリフェノール増量効果だけを見ると青色光のみの照射の方が効率的である。また視覚的に判断できる。橙色波長領域の波長には、先に記載したようにアントシアニンを増量出来る最適波長が含まれるため、単独でもアントシアニンを増量する効果があるが、非常に緩慢である。青色波長領域の波長では青色の受容体により光の刺激が敏感に感じ取られ、野菜などの作物の体内の様々な作用が活性化させる。したがって、青色光を付加することでアントシアニンの増量が加速される。ちなみに、青色光とは約470〜490nmにピーク波長を持つ発光ダイオード素子(LED)を指す。この帯域は青色光の光受容体であるフォトトロピン、クリプトクロムの吸収波長の第2のピークに相当する(図31参照)。合わせて、アントシアニンの吸収極大点にも近似しており、この帯域の光を作物に照射することでアントシアニンが増量される。さらに、この帯域の発光ダイオード素子(LED)は多数の発光ダイオード素子メーカーが生産しており、入手性にも優れている。 ところで、図31にあるフォトトロピン、クリプトクロムの吸収波長の第1ピーク450nm付近であるが、この領域の発光ダイオード素子(LED)はメーカーにて取り扱いが皆無に等しく、特殊であるため入手が困難であるという課題があり、図32に示すように660nmは赤色光の受容体のフォトクロムの吸収波長のピークに相当し(図31参照)、生長を促進させる働きのある光であり、そのため、収穫後の野菜などに照射すると生長が促進し、結果として野菜保有の栄養素を消費することになってしまったり、赤色光を緑黄色野菜に照射すると黒っぽく見え、演色性が低下して見た目のうまさ感が劣るという課題がある。 これに対して、橙色光の波長であれば、フォトクロムの吸収波長のピークからずれており、生長促進効果も小さく、かつ効率的に光合成を発現できるため、結果として、ビタミンCを増量でき、さらに野菜や果実などの作物の色合いをアップすることができ、また、青色光は光合成を促進する効果や野菜のエネルギー源となる糖を増量する効果があるので、橙色光の波長の発光のみよりも生命力のあるすなわち鮮度の良い状態で野菜を保存できる。したがって、上述した470nm近辺の波長を発光するLED53(青発光ダイオード素子)と590nmの波長をピークに550〜620nmの波長を発光するLED63(橙発光ダイオード素子)の組み合わせを実装した光照射装置であっても良く、その場合の条件の一例としては、橙発光ダイオード素子−照度2000Lxで連続照射、青発光ダイオード素子−照度や照射時間は橙発光ダイオードの照度や照度時間以下、例えば橙発光ダイオードの約10%(約100−300Lx、約100−200min/日)など、効果発現を図る設定を適宜すると良い。なお、照射は橙色と青色と同時でも、個別でもよい。そして、連続照射であっても、パルス照射であってもよい。要は受容体を刺激する閾値以上の光を照射し、これと照射時間の積が増量に必要な照射光子量以上となる条件であればよい。この2種類の発光ダイオード素子から光を照射することで、ポリフェノール、ビタミンCを増量できると共に、特に、青の効果として、生長抑制もあり、鮮度保持が図れるという効果を得ることができる。
【0054】また、上述した発光ダイオード素子(LED)の形状は、発光ダイオードユニットの設置位置によって選定しても良い。すなわち、視野角の狭い高輝度タイプを用いることで、必要照度範囲を垂直方向に広げることができるので、発光ダイオードユニットを野菜から離れた位置に設置しても十分な照度を得られる。また、視野角の広いタイプを用いると、水平方向に必要照度範囲を広げられるので、発光ダイオードユニットを無駄に大きくしなくても照射範囲を広くとることも出来る。さらに発光ダイオードユニットには視野角の異なる発光ダイオードを混載しても良いことはいうまでもない。またカバー35の形状を、上述した効果をより拡大する形状としてもよく、視野角の狭い高輝度タイプの場合は、光をさらに収束させるレンズ形状で、視野角の広いタイプは光を拡散させるようにシボやプリズムなどの光拡散構造をとってもよい。 また、上段ケースはアントシアニンを多く含む果実や小物野菜・カット野菜の収納に適しており、アントシアニンの増加効果を増幅できるという効果が得られる。 また、上記実施例では光照射にLEDを用いる説明であるが、発熱量や消費電力量が少なく低温環境下でも動作し十分な光量が得られる発光素子であればよく、例えば有機エレクトロルミネッセンスや面発光素子などを用いてもよい。
【0055】本発明は、以上説明のように野菜室内あるいは冷蔵室内の一画に、主として野菜類を収納する収納容器や棚などを備え、収納容器等の背面に光照射部を配置したものである。その収納容器に遮光部を備えることで光を照射する一画と光を照射しない一画を備えることが可能になる。
【0056】#7また本発明は、光照射部の光源としてLEDを単数または複数個備え、LEDをそれぞれ一定時間ごとに点灯または消灯させたり、LEDが複数の場合はLEDをそれぞれ一定時間ごとに点灯または消灯し、数年使用後、LED単体の光出力が低下してきたら、同時に点灯するLEDの個数を増やすことなどが可能で使いやすく、省エネルギー効果が大きい。またLEDを複数のLEDグループに分け、そのLEDグループごとに制御すると構造が簡素化される。
【0057】また本発明は、冷蔵庫扉に設置した操作パネルやリモコン、冷蔵庫内の操作パネルあるいは通信を介した携帯電話などから冷蔵庫の運転などを操作することによって、例えば光照射機能を停止することができたり、庫室の温度設定と照明を同時に操作することができる。
【0058】また本発明は、霜取り中とその後数時間等のような特別な時間帯に光を照射することで更に食品保存性能を高めることが可能である。
【0059】またこの発明に係る冷蔵庫は、背面より320nm−400nm程度のピーク波長の光を照射する光照射装置と、照射域を限定するための遮光部と、その点灯制御とを備え、また、収納容器の背面に設置し、あるいは側面や上面などの奥側から斜めに照射するように設置するので光が全体に照射されて野菜の見た目を損なわずに栄養分を増加させる。また、この発明の冷蔵庫の光照射装置は、LEDを間欠照射させたり、または複数設けてその点灯をそれぞれのLEDで交互に行うよう制御し、LED寿命を延ばすことができる。
【0060】本発明は上記で説明してきたように、単色の発光体ダイオードを個別にあるいは組み合わせて複数用いて野菜その他の食品に光を照射しポリフェノールの生合成などをコントロールして栄養対策の効果を得ようとするものである。この発光ダイオードを複数設置する場合は、個別にあるいはグループに区分けして電源に並列に接続してそれぞれの発光させるものと発光させないものを設けること等によりエネルギーを多く使わずに、且つ、装置交換を不要とするような寿命の長く、無駄なエネルギーを使わない効率的な装置を得る制御をする構成を述べてきた。次にLED41を複数用いる場合で別の制御回路構成と動作を図20以下で説明する。図20は光照射装置を上記図7などとは別の方法で点灯させる際の電気回路図である。図20のように各LED41a、41bまたはLED34a、34bで、それぞれのLEDに流す電流値を決定する電流制限抵抗を直列に設け電流を数十mAや数mAに抑える。更に直列に設置するトランジスタの入力にLEDのオンオフの周期にあわせてマイコンなどの制御装置から信号を出力することでLEDの点灯と遮断を繰り返す電気回路を構成し、LEDを点灯させる際には、ちらつきを感じさせないような速い周期(例えば4kHz程度)を1周期とし、その間、LEDへの通電/遮断を交互に行うようにしたものである。
【0061】また、トランジスタのオンオフを制御するマイコンなどの制御装置により通電/遮断の割合(通電率)は任意に調整可能とする。図21はこのマイコンを制御して人の目にはちらつきを感じさせない程度のオンオフを行う通電率すなわち1周期の間の通電時間比率を示す図である。通電率を調整することで、光出力の調整が可能になる。また、LEDの光出力に対する寿命は、その通電時間に依存するが、この方法のように、LEDを点灯させる際にも遮断時間を設ければ、その分、LEDの寿命を延ばすことができる。また、通電/遮断の周期を人の目の感覚よりも速く設定することで、LEDの光がちらついて見えることを防ぐことができる。また、この電気回路にすると、さらに消費電流が小さくなるので、省エネルギー化が一層図れる。このような周期はあらかじめ設定しておき必要に応じて自由に選択する構成とすればよい。
【0062】また、通電時間が増加するにつれて、劣化によりLEDの光出力は低下してくるから、通電/遮断時間の割合(通電率)を適宜調整することで、長期間にわたって、LEDの光出力を一定に保つことが可能になる。図22は通電率の変更例を示すタイムチャート図である。図23フローチャートに示す様に冷蔵庫の電源を投入すると、まずは初期の通電率60%で点灯させる(ステップ50)。電源投入後の使用時間が1年を経過した場合(ステップ51)、通電率を70%に変更する(ステップ52)。使用時間が5年を経過した場合(ステップ53)通電率を80%に変更する(ステップ54)。通電率・使用時間は使用する発光素子の種類・数量によって光出力などの特性が異なるのでデータを把握して数値を選択すれば、常に必要な最低の照射仕事量を得られるように調整することが可能である。更に加えて既述のように点灯する個数の変更と組み合わせることにより効率の良い装置が得られるだけでなく、冷蔵庫を使用している期間中に取替えが必要のない装置を得ることも可能である。なお上記図22,23等の説明のように運転時間に合わせて点灯させるLEDの個数増加や通電率アップとする構成を説明してきたが、LEDの劣化にあわせ、すなわち個々のLEDの光出力低下にあわせ個数増加や通電率アップをすればよいので、例えば電流制限抵抗の一部を短絡させるスイッチを設けるなどにより光出力を検出して変更したりする構成などでも良い。
【0063】図20に記載された各LEDを直列とし早い周期でオンオフされる構成の光源装置を図4のように、透過性のカバー35で一括して保護するものでも良い。これにより、冷蔵庫の振動によりその照射角度が変動しないように固定され、且つ、裏面は回路のショートをシール36で覆い防止されるだけでなく、カバー35内への露付きを防止するために、Oリング38を挟み込むことにより密着度を上げ冷気を遮断し、実装基板33の露付きや、水滴による光の乱反射を防止する。また、図19のようにカバー35は突起部39を持ち、収納容器がカバー表面にぶつかることを阻止する形状をしており、カバー表面の傷つきによる光の乱反射や、実装基板33、LED34および41の破壊、故障を防止する。
【0064】#10図20に記載された各LEDを直列とし人の目にちらつきを感じさせるより速い周期でオンオフされる構成の光源装置を図18のように野菜室に別々に異なる特定波長のものを配置して一括した直列構成の制御を行っても良い。すなわち図18のように野菜室300の中に引き出し型の収納容器で小さな果物やトマトの大きさに適した31a、31b、葉菜などの中間の大きさの野菜に適した31c、ペットボトルや大きめの野菜の保存に適した31dが上から配置し素子32a、32b、32cは光照射装置でそれぞれの収納容器に異なる種類の特定周波数の光を照射することができる。このような構成をとることで、既に説明してきた光源による光照射と同様の効果を得ることができる。素子32bだけを使用すれば、葉菜を収納容器31c、光照射に適さない根菜類を収納容器31a、31bに保存すれば、さまざまな種類の野菜保存にも対応できる。また、光照射装置32を複数つける場合は紫外線LEDとオレンジ色LEDで構成した光照射装置32に加え、オレンジ色LEDのみで構成した光照射装置32、紫外線LEDのみで構成した光照射装置32など色の違う光照射装置を設置し、光合成に適した葉菜類をオレンジ色光のもとに、ポリフェノールを増加させたい食品を紫外線光のもとに、どちらともバランスよく効果のほしい食品は紫外線+オレンジ色光のもとに保存してもよい。このような複数の種類の異なる波長の光照射装置を常に点灯させるようにしても、霜取り時等に光出力アップさせるなどの既に説明した制御内容と併用させれば視覚に与える悪い影響を抑えることが出来る。また、光照射装置32単体内のLED34をオレンジ色LED以外にも複数種の色のLED例えば赤や青など異なった色のものでそれぞれ光照射装置32を構成すれば、野菜がさまざまな光形態形成を行うことを可能とする。以上説明してきた光源は実装基板33に複数の光半導体であるLED素子を複数設け構造や配線を簡単化したが、1箇所の基板に1個のLED素子でも良いし、冷蔵庫の庫室に1個のLEDを配置する構成でも良い。すなわち野菜室の庫室奥側に約590nm波長の素子1個を設けて庫内灯と光合成促進と兼用とし、更に野菜室の下部奥側に約375nm波長の素子1個を設け点灯しても良い。このように発光素子の特性によって基板を分けることで、各々の素子特性にとって最適な位置に設置し、各々の効果を最大限有効に利用することができる。
【0065】以上のようにこの発明の冷蔵庫は、赤や青を単色で使わないような組み合わせの構成とし、同一の周波数であろうと異なる周波数であろうと複数の特定周波数のLEDを同時にあるいは別々の時間に点灯させたりあるいは消灯させる制御を行うので、無駄なエネルギーを使用させない制御を行うことにより、野菜などの食品の見た目を損なわずに栄養分を増加させるという効果を有する。更に、この発明の冷蔵庫の光源は、LEDを間欠照射させ、またその点灯をそれぞれのLEDを瞬時もしくは所定のサイクルで切り替えたり点灯させないものを設けたり交互などに制御するなど省エネルギーできる制御により、LED寿命を延ばすことができるので効率が良い冷蔵庫が得られると言う効果を有する。また複数の種類の異なる特定波長のLEDを、収納する食品に応じてすなわち庫室や棚ごとに準備し冷蔵庫内もしくは冷蔵庫外に設けられた操作手段の操作により、光源である光照射する半導体発光素子を選択し、光の波長を選択するスイッチを切り替えたり、あらかじめ設定された時間により個別にオフさせる事により使い勝手の良い冷蔵庫とすることが出来る。例えば庫内の温度調整パネルにLED選択スイッチを設け、それぞれ波長の違うLED基板を選択して点灯させることや1つのLED基板に波長の異なる複数種類のLEDを搭載してその中から点灯したい種類の波長のLEDを選択して制御させるなど、ビタミンを増強させる栄養アップなどの目的に応じた波長のLEDを選択してあらかじめ設定されている制御内容にて点灯をさせることができる。
【0066】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明は野菜などの食品を見た目が悪くならず、各種の保存形態に対して効果的に食品を保存することができる冷蔵庫を得るものである。
【0067】また、本発明は少ない半導体発光素子(LED)を効果的に使用するので、使用寿命が長く効率の良い冷蔵庫を得るものである。
【0068】#3また、本発明は下部に設置された収納容器内など必要な個所に保存した食品にも光が照射でき、保存性の良い冷蔵庫を得るものである。
【0069】また、本発明は、LEDを維持しやすく、安価で組み立てやすく、無駄なエネルギーの少ない且つリサイクルのし易い冷蔵庫を得るものである。
【0070】この発明に係る冷蔵庫は、植物の自己防衛機能を刺激する波長の光を間欠照射する単数または複数の光源と、各光源を個別に点灯制御を行う制御装置とを備えるものである。更にこの発明は光源からの光を照射する個所、照射しない個所を有する食品を収納する収納容器を備えたので、ポリフェノールを貯蔵中に増加させることが出来る。
【0071】この発明の冷蔵庫は、UV−A波長領域の紫外線を間欠照射するとしたので、野菜などの食品の見た目を損なわずに栄養分を増加させる効果を有する。また、この発明の冷蔵庫の光源は、LEDを間欠照射させ、またLEDを複数設ける場合はその点灯をそれぞれのLEDで交互などに制御し、LED寿命を延ばすことができるので効率が良い冷蔵庫が得られると言う効果を有する。
【0072】#6この発明の実施の形態1における冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における野菜室内を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置の波長分布図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置のLED波長と色の関係を示す表を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における植物の光反応作用波長特性図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す回路図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置基板を示す実装図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1における光照射制御を示すタイムチャート図である。 この発明の実施の形態1における適度な光照射時の野菜試験の結果を示すグラフ図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内の照射を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内の照射を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内の照射を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室内の照射を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における別の冷蔵庫を示す外観図である。 この発明の実施の形態1における別の野菜室形態を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における光照射装置を示す回路図である この発明の実施の形態1における通電率を示す図である この発明の実施の形態1における通電率の変更例を示すタイムチャート図である この発明の実施の形態1における通電率の変更例を示すフローチャート図である この発明の実施の形態1における過度の光照射時の野菜試験の結果を示すグラフ図である。 従来技術である特許文献4記載の適度な光量照射時の野菜試験の結果を示す図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置の波長分布図である。 この発明の実施の形態1における野菜保存効果を示す図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における別の光照射装置の波長分布図である。 この発明の実施の形態1における光受容体フォトトロピンの吸収波長を示す図である。 この発明の実施の形態1における光受容体フォトクロムの吸収波長を示す図である。
【0073】1 冷蔵庫本体、10 圧縮機、11 冷却器、12 ファン、13 ダンパ、14 風路、30 収納容器、31 第2の収納容器、32 光照射装置、33 実装基板、34 光合成用LED、35 カバー、36 シール、37 断熱部、38 Oリング、39 突起部、40 光照射窓、41 紫外線LED、53 470nm近辺の波長を発するLED、63 550〜620nmの波長を発するLED、100 冷蔵室、200 冷凍室、300 野菜室、400 切替室、500 製氷室。
周辺冷蔵庫
特開2007-003174 / 出願人: 松下電器産業株式会社 / 発明者: 小嶋 淑子、芦田 弥恵、中村 起子 / 出願日: 2005-10-31 / 公開日: 2007-01-11 / 検索6位 / 紫外光で防御反応を促す派
アプローチ: 紫外LEDと可視LEDの併用 冷蔵庫の貯蔵区画に280〜400nmの紫外LEDと可視LEDを併設し、抗菌・カビ抑制やアントシアニン・アミノ酸増加で保存性を高める。可視光は太陽光類似の波長や温度表示色の用途が中心。
▸ 示唆: 庫内LEDで保存性を上げる点は共通だが、主役は紫外光による殺菌や成分増加で、遠赤色光と白色光の照度比という課題・手段とは関係が薄い。
AIが精読したのは全134段落のうち検索が当てた10チャンク(24段落・18%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本発明は、紫外領域を含む波長を持つLEDにより、より保存性を高めた貯蔵区画を有する冷蔵庫に関するものである。
【0002】女性の社会進出の拡大などの風潮により、冷凍保存のように解凍する手間がなく、すぐに調理ができるという利便性や、微凍結保存での鮮度維持による安心感から多くの主婦は、パーシャルフリージングなど食品の凍結点付近の温度で保存する方法を好んで使用している。しかしながら、これらの保存温度では微生物やカビの増殖を完全に抑制することは不可能であり、貯蔵食品によっては雑菌等が付着したまま貯蔵された場合、貯蔵室内に臭気が充満するばかりでなく、他の貯蔵品に悪臭が移り、又腐敗やカビ発生の原因にもなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】図11は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫を示すものである。
【0004】図11に示すように、冷蔵庫内に冷蔵室1、野菜室4、温度切替室6、冷凍室3等が設けられている。温度切替室6には引き出し式のケースが設けられ、温度切替室6の上壁に紫外線ランプ38が取り付けられている。紫外線ランプ38から紫外線を照射することでケース内に貯蔵された食品に付着している雑菌等を除菌する。
【0005】このように特許文献1では、温度切替室6の上壁に紫外線ランプ38を取り付けることにより、除菌性を高めた冷蔵庫を提供していた。 特開2003−287357号公報
【0006】しかしながら、従来の冷蔵庫では温度切替室は引き出し式のケースにより構成されているために、扉開閉時に肉や魚などの生鮮食品が庫外の空気と接触する際に、雑菌が混入し食品に付着しやすかった。さらには、扉開閉時の温度上昇は、食品の劣化の要因であった。また、温度切替室の上壁に紫外線ランプを取り付け、短波長の紫外線を照射することは、紫外線による樹脂の劣化や、食品に対する脂質酸化を促進させていた。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもので、貯蔵室内部に区画された保存空間を設置し、さらに比較的長波長の紫外光を照射することで、より保存性を高めた保存空間を提供することを目的とする。
【0008】上記従来の課題を解決するために、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室は内部に複数の区画を有し、前記複数の区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。これにより、生鮮食品を貯蔵する空間と外部との間には冷蔵室と断熱区画された貯蔵室の2つの扉が介在するため、雑菌が混入しにくく、また温度変動も抑制でき、より保存性能が向上する。さらに、各々の区画に紫外領域を含む波長を有する少なくとも一つのLEDを有していることで、区画内に付着した雑菌の繁殖を防ぎ、常に切替室内を清潔に保つことを可能とする。従って、従来より保存性を向上させた構造であるために、照射量が少なく、長波長の紫外光でも区画内の衛生性を保つ効果が得られやすい。
【0009】本発明の冷蔵庫は、区画内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化させることができ、区画内の衛生性が保たれるとともに、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となるので、LEDを備えた区画内を清潔に保つことを可能とし保存性を向上させる。
【0010】請求項1に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室は内部に複数の区画を有し、前記複数の区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたことで、貯蔵室内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化することで、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となり、貯蔵室内部の衛生性が保たれる。さらに、光源をLEDで構成したことで、発熱量が小さく、貯蔵空間内の温度上昇を防ぐことができ、食品の保存性を安定させることができる。
【0011】また、LEDはランニングコストが安く、その上、耐久性に優れており、非常に汎用性が高くなることや、コンパクト化設計が可能である為、貯蔵区画の内容量を確保することが可能である。
【0012】さらに、きのこ類や魚類には、骨や歯の成長に欠かせないビタミンとしてよく知られているビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を含む光源を貯蔵室内に設けることで、貯蔵室内の特定の食品、例えばしらすぼしは保存前と比較してビタミンD含有量を高めることが可能である。
【0013】#6また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、5℃から10℃程度の比較的低温下で290nmから320nmの範囲の波長の光を照射することで生成が促進される。なお、アントシアニンはポリフェノールの一種であり、目にいいという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用などの効果が検証されており、非常に体によいとされている物質であり、保存中に栄養価を高めることが可能となる。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記LEDから照射される紫外光は、波長が長く比較的安全な紫外A領域である315nmから400nmの範囲の波長を有していることから、長時間照射されるとシミ・シワの原因となり皮膚の老化を促進するが、短時間であれば人体の日焼けに対する影響の度合いは非常に小さい。一方で、紫外線B領域である280nmから320nmで人体の日焼けに対する影響の度合いは長時間皮膚に照射した場合は、赤く腫れるなど皮膚の炎症を引き起こすこともあり危険であるが、ビタミンD合成を促進させるためには皮膚にとっても非常に有用な波長である。また、280nmより低い波長では皮膚の細胞が破壊されて、皮膚ガンになる危険があるとされ、人体に対する危険度が極めて高い。ところで、上記記載の断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室内に複数の温度の異なる区画と各々の区画から構成されている冷蔵庫では、例えば、貯蔵室の扉が開かれた場合においても、温度の異なる各々の区画はそれら固有の扉が閉められているため、扉開閉に伴う著しい温度上昇や、庫外からの雑菌の混入による貯蔵食品の劣化を抑制できる。従って、280nmから400nmの比較的人体に安全な波長でも、常に貯蔵区画内を清潔に保つことを可能とする。
【0015】請求項3に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室を備えた本体と、前記貯蔵室内に複数の温度の異なる区画と各々の区画から構成されている冷蔵庫において、区画内に設置された紫外領域の波長を有するLEDを特定の温度設定時のみに動作することで、例えば、パーシャル温度設定時に動作することを設定した場合、主にパーシャル温度設定時に貯蔵されている肉や魚など食品は氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくい。その上にさらに、紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である。一方で、冷蔵設定時には食品を長期間保存することが考えられることから、紫外領域の波長を有するLEDを連続照射することは、特に遮光包装をしていない食品の劣化促進する可能性があり、望ましくない。従って、紫外領域の波長を有するLEDを照射することで、保存性能を著しく向上させることが可能な特定の温度設定時にのみ、動作することは電気代や耐久性を考慮しても、さらに効果的である。
【0016】#2請求項4に記載の発明は、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで、例えば貯蔵区画を野菜の保存に適した温度に設定し、葉緑素を持つ野菜を保存している場合、葉の表面にある色素を用いて光合成を行う際に植物が使う色素の吸収スペクトルを持つ波長を同時に照射することで、太陽光線に類似した光を照射することが可能となり、クロロフィルの増量やビタミンCの増加などの効果が得られる。また、550nm付近の青色付近の波長では、カビを抑制する効果があり、紫外領域の光と併用することでさらに貯蔵内を清潔に保つことができる。また一方で、貯蔵区画の設定温度に対応して、赤色や緑色など光源の色を変えることで視覚的に区画内の設定温度を認識することができ、貯蔵室内の温度区分を明確にすることができ、より使い勝手を向上させる。従って、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光の波長を有するLEDを照射することは、雑菌やカビを抑制し保存性能を向上させることに加えて、使い勝手も向上させる。
【0017】請求項5に記載の発明は、照射されるLEDの波長および照射強度を変えることができることを特徴とすることで、例えば雑菌が繁殖しやすい貯蔵品の収納の場合には、照射強度を高め、波長を短波長に設定することが可能である。
◆ この文献の解決アプローチ
紫外LEDと可視LEDの併用
文献: 紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで
庫内LEDで保存性を上げる点は共通だが、主役は紫外光による殺菌や成分増加で、遠赤色光と白色光の照度比という課題・手段とは関係が薄い。
【0018】請求項6に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備えた本体と、圧縮機と凝縮器と減圧器と蒸発器とを順に備えて一連の冷媒流路を形成した冷凍サイクルとを有し、前記貯蔵室は少なくとも、冷凍室と冷蔵室とを備えたものであって、前記圧縮機は前記冷凍室の背面以外の場所に備えられたものであることを特徴とする。これによって、圧縮機を冷凍室の背面以外の場所に備える為、冷凍室のスペースをより拡大することができ、すなわち冷凍室の奥側の従来の圧縮機の設置の為に収納スペースとして使用できなかった部分を冷凍スペースとして利用することができるので、外形寸法を維持しながらも、有効庫内容積を大きくでき、使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0019】請求項7に記載の発明は、本体に備えられた複数の貯蔵室のうち少なくとも1つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室であって、前記温度切替室以外の貯蔵室の内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有し、前記温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0020】これによって、温度切替室は使用者が使用頻度の高い任意の温度帯に設定して利用した上で、紫外領域の波長を有する光源としてLEDを備えた区画は、使用者がさらに保存性を高めたい食品等を貯蔵する場合に使用することができ、さらにこのLEDを設けた区画も使用者のニーズに応じた温度設定に設定することができるので、各貯蔵室および貯蔵区画を使用者のニーズに合わせて使い分けることができ、使用者の使い勝手をより向上させることが可能となる。
【0021】請求項8に記載の発明は、本体の天面後方に凹み部を有するとともに前記凹み部に圧縮機を備え、断熱区画された複数の貯蔵室のうち、最上段に位置する貯蔵室に備えられた温度切替機能を有した区画の少なくとも一つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0022】これによって、使用者の手が最も届きにくく、利用しにくいスペースである最上段の貯蔵室の天面奥部に圧縮機を設置することで、使用者が利用しやすい貯蔵室のスペースをより広くすることができ、冷蔵庫の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0023】請求項9に記載の発明は、貯蔵室に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた区画は、引き出し式の貯蔵ケースを備え、前記LEDは前記貯蔵ケースの外側の本体側に備えられるとともに、少なくとも前記LEDと対向する部分の前記貯蔵ケースは光透過性の素材からなるものである。
【0024】これによって、貯蔵ケースが比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には特に使用する光源の発熱による貯蔵ケース内の温度上昇が懸念されるが、光源であるLEDは貯蔵ケースの外側に設けられることによって貯蔵ケース内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴うLEDへの結露を防ぐことができる。このように、貯蔵ケース内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0025】請求項10に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉のうち少なくとも一方の扉の前方からの投影面内にLEDを設けた区画が位置するものである。
【0026】これによって、LEDを設けた区画に収納した収納物を取り出す際に、二つの扉を両方開けることなく、LEDを設けた区画に対応する一方の扉のみを開けるだけで、収納物を取り出すことが可能となるので、片手で扉の開閉を操作することができ、使用者の使い勝手をより向上させることができる。
【0027】請求項11に記載の発明は、断熱区画された複数の貯蔵室を備え、前記複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、前記二つの扉の合わせ部で前記貯蔵室内を左右の領域に区画するとともに、前記左右の領域に区画された区画の少なくとも一方は内部に複数の区画を有し、前記区画のうち少なくとも一つの区画に紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものである。
【0028】これによって、一般的に他の貯蔵室と比較して容量が大きい最上段の貯蔵室を左右の区画に分割し、それぞれの区画に対応して扉が備えられることとなるので、収納物を取り出す際には、必要な区画の扉のみを開け、他方の扉は閉めた状態で収納物を取り出すことができるので、最上段の貯蔵室の扉開閉に伴う著しい温度上昇や庫外からの雑菌の混入を防ぎ、最上段の貯蔵室に収納された貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0029】請求項12に記載の発明は、貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、左右方向の幅寸法が小さい方の扉は引き出し式扉を備えるものである。
【0030】これによって、左右方向の幅寸法が小さい方の扉は内部の収納物が取り出しにくく、実使用上は小さい方の扉の開閉のみで収納物を取り出すことが非常に難しかったが、小さい方の扉を引き出し式の貯蔵室とすることで、使用者が小さい方の扉のみの開閉でも、内部の収納物をスムーズに取り出すことができる。特に、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を引き出し式の貯蔵室収納することで、使用者が種別を認識しやすくなることに加えて、大きい方の扉を有する区画の温度上昇を防ぐことができ、最上段の貯蔵室の使い勝手を向上させるとともに、保存性を向上させることができる。
【0031】請求項13に記載の発明は、貯蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、一つは引き出し式扉であり、他方は回転式扉であって、前記回転式扉側に位置する区画内にLEDを設けた区画が備えられたものである。
【0032】これによって回転扉側に位置する貯蔵室内部の紫外領域の波長を含むLEDが備えられた区画は、引き出し式扉の開放時においても、各々の区画はそれら固有の扉が閉められているため、扉開閉に伴う著しい温度上昇や、庫外からの雑菌の混入による貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0033】さらにまた、回転扉と貯蔵室内の温度区画の横幅寸法を合わせるような区割りをすることによって、回転扉を開口することで、引き出し式のケースで構成されている貯蔵室内の温度区画に貯蔵している食品などを、簡単に取り出すことが可能となる。従って、280nmから400nmの比較的人体に安全な波長でも、常に貯蔵室の温度区画内を清潔に保つことを可能とする。
【0034】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0035】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0036】図1において、本体1はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24はたとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
【0037】また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の璧厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25貼付け面に全面塗布されている。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
【0038】本体1は複数の断熱区画に区分されており上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切り替え室6および製氷室5と、引出し式の野菜室4と引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切り替え室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
【0039】#7冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚8が設けられてある。また冷蔵室2の最下部には樹脂カバーにより区画され、若干の隙間は有するが、食品等の固体物はそのままでは入れられない程度のほぼ閉空間となっている区画として貯蔵ケース35が設けてある。さらに、貯蔵ケース35内には光源13が設置されている。光源13の個数は一つには限定しておらず、複数個から構成されていてもよい。また、強度も特に限定しておらず、制御基盤37を通じて、最適な光強度に調整されるとともに、必要に応じて点灯や消灯の動作も行われる。光源13の少なくとも一つは280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDであり、その光源により、食品や区画された貯蔵ケース35の壁面に付着する菌の増殖が抑制され、食品の保存性能が向上する。さらに壁面に付着する菌の増殖が抑制し保存性能を向上させたい時には、280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDの個数を増やすことが可能である。また、400nmから800nmの可視光を含むLEDを280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDと併用させることで、冷蔵室回転扉7の開放時には、光源13から照射される可視光により、使用者が貯蔵ケース35内の光の色を認識することが可能である。なお、貯蔵ケース35内の光源13の設置場所は特に限定されていないが、使用者が冷蔵室の回転扉7を開放した時に、光源13が直接使用者の眼球を刺激しないように設置することが好ましい。また、光源13にカバーを取り付けることにより直接使用者の眼球を刺激しないようにしてもよい。光源13のカバーの素材は限定しないが、例えば、波長を変化できるタイプの素材を用いて、一つの光源を用いるだけで光の色を調整してもよい。
【0040】さらに、同一区画内における複数個の光源の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源が同一区画内の異なる場所に設置されても構わない。
【0041】冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定をとする場合もある。
【0042】また、本実施の形態では、貯蔵ケース35は肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度まで、温度の切り替えが可能であり、たとえば−3〜5℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温高湿にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
【0043】複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室である切り替え室6はユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から微凍結温度帯であるパーシャルフリージング、冷蔵温度帯まで所定の温度設定にすることができ、冷蔵室回転式扉7上のスイッチ14を操作することにより、切り替え室内の温度調節が行われ、切り替え室6内の温度は検知手段17により検知される。
【0044】また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
【0045】冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
【0046】本体1は天面後方部を窪ませた凹み部である機械室12を設けてある。また機械室12の下方背壁面に第二の機械室36を設けた。
【0047】冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを順に環状に接続して一連の冷媒流路を構成している。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
【0048】このように、最上段の貯蔵室である冷蔵室2の天面奥部に圧縮機16が設置されている。
【0049】また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
【0050】冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
【0051】また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
【0052】なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
【0053】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0054】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
【0055】冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパなどで分配することで各室の冷却を行う。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却が行われる。
【0056】冷蔵室2内の貯蔵ケース35では、使用者の目的や好みに応じて数段階に温度を切り替えることが可能である。本実施の形態では、貯蔵ケース35の温度区分を約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度に切り換えることができる。
【0057】また、貯蔵ケース35のように比較的、内容積の小さい貯蔵空間内で使用する光源では、ランプの発熱による貯蔵空間内の温度上昇、近距離からの光の照射による貯蔵空間に用いられている樹脂などの材料の劣化促進、食品の酸化促進などが危惧される。従って、光源13のうち少なくとも一つには波長が長く比較的人体に安全な上、材料や食品の劣化促進効果の小さい紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持ち、かつ、ランプ自体の発熱がほとんどなく、ランニングコストや耐久性の面でも優れているLEDを使用している。これによって、光源13は制御基盤37によって最適な波長および強度に調節されるが、常時点灯していてもよい。特に、貯蔵ケース35の温度区分をパーシャルフリージング温度、すなわち食品を少し凍結させた温度とする場合は、紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長においても、抗菌効果が得られやすく、保存性能の向上が期待できる。
【0058】これにより貯蔵ケース35内部の衛生性が保たれるとともに、食品については微生物の増殖によって生じる変色や腐敗臭、食品表面のネト発生を遅らせることが可能となる。このように紫外光を含む光源13を設けることにより、食品の保存性を高めた衛生的な保存が行える。
【0059】さらに、きのこ類や魚類には、ビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を含む光源13を貯蔵ケース35内に設けることで、貯蔵ケース35内の特定の食品のビタミンD含有量を高めながら保存することができる。
【0060】#1発光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成し、それらの波長を同一基盤で制御することにより、太陽光に類似した波長を照射することも可能である。波長の限定はしないが、例えば、550nm付近の青色の波長を用いた場合は、カビの繁殖を抑制することが可能であり、紫外AおよびB領域の波長と併用させることで、より保存性能を向上させることが可能である。
【0061】また、光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDとともに、赤色光である650nm付近の波長を持つLEDで構成し、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能である。アントシアニンは、野菜や果物の実に多く含まれるため、貯蔵ケース35内の設定温度は、野菜や果実の凍結点である約ー2℃以上に制御する場合、野菜や果物の細胞が破壊されることが無い為、比較的良好な保存が可能である。
【0062】また、可視領域の波長のLEDを貯蔵ケース35内の温度と連動して例えば、赤色、緑色、青色など温度帯の持つイメージに適合した色に制御することも可能である。このようにあらかじめ設定した温度設定の変更による光の色調の変化により、貯蔵ケース35内の温度設定や温度変化を目視により認識することができ、またその色調から使用者は容易に保存対象物を連想することができる。そのため、食品を貯蔵ケース35内へ収納する際、使用者の混乱を防止しながら設定温度に適した食品の収納を促すことができる。
【0063】また、このような光源13の入力は、検知手段17の反応によりおこなわれる。検知手段17には、温度センサーを用い、一定温度の検知後に入力をおこなうものとしたが、たとえば検知手段17がドアスイッチである場合は、扉開放を検知したのちの一定時間後に入力をおこなうとしてもよく、特に指定するものではない。
【0064】切り替え室6は、冷蔵室2の下方に位置するとともに、野菜室4と冷凍室3の上方に位置しているものである。このようなレイアウトにすることにより、平均身長の女性が腰をかがめずに切り替え室6の扉の開閉を行うことができ、また食品の出し入れについても腰をかがめず、楽な姿勢で行うことができるので、使い勝手性がよい。
【0065】また、本実施の形態においては、本体1に備えられた複数の貯蔵室のうち少なくとも1つは複数の異なる温度帯に設定することが可能である温度切替機能を有した温度切替室である切り替え室6が備えられており、切り替え室6とは異なる貯蔵室である冷蔵室2の内部には、冷蔵温度帯に設定されている収納棚等を備えた貯蔵空間に加えて、使用者の目的や好みに応じて数段階に温度を切り替えることが可能である温度切替機能を有した区画があり、この区画に貯蔵ケース35が樹脂からなる仕切り壁で区画して形成されている。
【0066】この貯蔵ケース35は使用者によって任意の温度帯に設定することができ、温度区分を通常の冷蔵温度帯に加え、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度に切り換えることができるようになっており、この温度切替機能を有した区画に紫外領域の波長を有する光源としてLEDが備えられている。
【0067】#10これによって、切り替え室6は使用者が使用頻度の高い任意の温度帯に設定して利用した上で、冷蔵室2に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを備えた区画は、使用者がさらに保存性を高めたい食品等を貯蔵する場合に使用することができ、さらにこのLEDを設けた区画も使用者のニーズに応じた温度設定に設定することができるので、各貯蔵室および貯蔵区画を使用者のニーズに合わせて使い分けることができ、使用者の使い勝手をより向上させることが可能となる。
【0068】また、冷蔵室2に備えられた紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けた区画に備えられたLEDからなる光源13は貯蔵ケースの外側の本体側に備えられるとともに、引き出し式の貯蔵ケース35の、少なくともLEDと対向する部分は光透過性の素材からなる樹脂とした。
【0069】これによって、本実施の形態のように、貯蔵ケース35が比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には、特に使用する光源13の発熱による貯蔵ケース内の温度上昇が懸念されるが、光源13であるLEDは貯蔵ケース35の外側に設けられることによって貯蔵ケース35内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴う光源13であるLEDへの結露を防ぐことができる。
【0070】このように、貯蔵ケース内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0071】#4なお、本実施の形態では、光源13としてのLEDが備えられた区画は、温度切替機能を有した区画としたが、製品の形態によっては、例えば、この区画に備えられた貯蔵ケース35内の温度は温度切替せずに予め設定されているようなものであっても良く、その場合には、例えば、貯蔵ケース35内には、短期間の保存を前提とした食品等で紫外領域の光によって抗菌やアミノ酸増加等の有用な効果を得たいものを保存し、貯蔵ケース35外の冷蔵室の他の区画には一般の食品や、例えば長期間の保存を前提とする為に紫外光による劣化が生じる可能性のある調味料等の食品を保存するといった使い分けも可能である。
【0072】なお、上記のように、貯蔵ケース35内が予め設定されているような場合では、貯蔵ケース35外の冷蔵室の冷蔵温度帯よりも若干低い温度帯である、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度等に予め設定しておくと、冷蔵温度帯と比較して紫外領域の光による抗菌効果やアミノ酸増加効果がより向上する為、光源を有する区画が温度切替機能を有しない場合には、冷蔵温度帯より若干低い温度帯に設定しておくことが、紫外領域の光効果が最大限に発揮されるのでより望ましい。
【0073】なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
【0074】以上より本実施の形態の冷蔵室2内に、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源13を設置した貯蔵ケース35は、食品の出し入れ時にも温度上昇が抑制でき、庫外からの雑菌の混入も抑制できるため、光源13が長波長であるにもかかわらず抗菌性の高い保存が可能である。
【0075】(実施の形態2) 図2は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0076】図2において、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、冷蔵庫本体の消費エネルギー量を低減することができる。
【0077】また、断熱材18で仕切られていることで、紫外光が隣接する別の区画に届くのを防止することができるので、紫外光を照射する区画と照射しない区画で食品の保存状態を変えて使い分けをしたい場合などには有効である。
【0078】さらに、断熱材18を光遮蔽性の材料で被覆することにより、光遮蔽部材が光の外部への散乱を抑えることができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、より保存性が向上する。
【0079】(実施の形態3) 図3は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0080】なお、実施の形態1および2と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】図3において、光源13は貯蔵ケース35内に設置されており、また圧縮機16や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室12は、冷蔵室2の最上段の背面に設置されている。
【0082】従来、機械室12は本体1の最下部である冷凍室3の背面に位置しており、そのため冷凍室3の容積を減少させていたが、機械室12を従来の冷蔵庫庫内において位置が高く手が届きにくい為、有効に利用されていなかった冷蔵室2の最上部の背面に配置したことにより、従来の機械室12の部分を冷凍スペースとして利用することができる。従って、外形寸法を変化させることなく、冷凍室3の有効庫内容積を拡大できる。
【0083】また、従来は冷蔵室2の最上部の棚の奥の方に収納した物は、取り出しにくかった。しかし、機械室12の設置により必然的に棚の奥行きが浅くなったので、収納物を見渡しやすくかつ取り出しやすくなった。すなわち、冷蔵室2の収納方法を改善し、各棚において収納物を取り出しやすくすることは、冷蔵室2の冷蔵室回転扉7の開放時間を短くすることができるので、冷蔵室2内の温度上昇を抑制でき、冷蔵室2内の収納物の保存性を向上させることができる。従って、貯蔵ケース35は比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する比較的安全な長波長の光源13を設置するだけで、保存性能が向上する。
【0084】また、本実施の形態では、本体1の最上段の貯蔵室である冷蔵室2の天面後方に凹み部である機械室12を有し、この機械室12に圧縮機を備えているので、使用者の手が最も届きにくく、利用しにくいスペースである最上段の貯蔵室の天面奥部に圧縮機を設置することで、使用者が利用しやすい貯蔵室のスペースをより広くすることができ、冷蔵庫の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0085】(実施の形態4) 図4は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0086】図5は、本発明の実施の形態4における光源の断面図である。
【0087】なお、実施の形態1から3と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】図において、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には光遮蔽部材である断熱材18が設置されており、また圧縮機16や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室12は、本体1の天面後方部に設置されている。
【0089】また、光源13は波長ピーク387nmの紫外光を放射する紫外LED26と、波長ピーク468nmの青色光を放射する青色LED27とを備えた光源用基盤28からなり、カバー29により被覆され、使用者が光源13を直視できないような構成をとっている。また、光源13は貯蔵ケース35天面において、紫外LED26と青色LED27が底面を照らすよう、図示しないビスなどで下方向に向けて固定され、設置されている。またカバー29と貯蔵ケース35の間のクッション30や、カバー29周囲に設けられたツメ31は水滴などの侵入を防止している。
【0090】また、貯蔵ケース35と冷蔵室2の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、さらに冷蔵庫本体の消費エネルギー量の悪化を低減することができる。
【0091】このように、本実施の形態では、光源13が設置されている貯蔵ケース35を備えた区画の天面側に光遮断部材である断熱材18が備えられているので、光遮蔽部材によって光源13による紫外光が外部への散乱を抑えることで、貯蔵ケース35内に集中して紫外光を与えることができ、紫外光による有用な効果が貯蔵ケース35内によってより高められる。
【0092】なお、本実施の形態では、光遮断部材として断熱材を用いて、光遮断効果と断熱効果の双方を実現したが、特に大きな断熱効果を必要としない場合には、光遮蔽部材の材料としては、たとえば不透明な樹脂や、着色された樹脂、または金属類等でもかまわない。
【0093】なお、金属類などの光の反射効果が大きい材料を用いた場合には、一層貯蔵ケース35内における光の照射量を高めるほか、貯蔵ケース35内でのすみずみまで光を拡散させることが可能となる。
【0094】よって、例えば本実施の形態の断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の材料で被覆することにより、光貯蔵ケース内においては、光を反射することができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、すみずみまで光を拡散させることが可能となり、紫外光による効果がより向上し、食品等の保存性を向上させることができる。
【0095】(実施の形態5) 図6は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の正面図を示すものであり、図7は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の扉をはずした状態の正面図を示すものである。図8は、本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大正面図であり、図9は本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大断面図であり、図10は本実施の形態における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図である。
【0096】図において、本体である冷蔵庫本体101は断熱箱体102と後述する各扉で形成され、上下に分割する区画壁103により上部区画104と下部区画105に分割されている。上部区画104はその内部を第1の仕切壁106によって、左右の領域となる左側領域107と右側領域108とに区画されている。左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉としては引き出し式扉109を配置し、右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉としてはヒンジ開閉式扉110を配置している。引き出し式扉109の幅はヒンジ開閉式扉110の幅よりも小さく、したがって左側領域107の内容積は右側領域108の内容積よりも小さい。そして、引き出し式扉109と隣り合う辺の反対側の辺にヒンジ開閉式扉110のヒンジ部111を設けた構成となっている。上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を併せてともに冷蔵温度帯に設定された冷蔵室となっている。引き出し式扉109で開閉される左側領域107内には複数の収納棚113が設けられ、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されている。
【0097】引き出し式扉109と反対側のヒンジ開閉式扉110で開閉される右側領域108内には収納物を載置する複数の棚114を備えていて、一方の側端部を断熱箱体の内箱115に棚受けを設けて支持固定し、他方の側端部を第1の仕切壁106の側壁面に棚受けを設けて支持固定するよう構成されている。
【0098】貯蔵ケース(区画)35は、冷蔵温度帯に加え、主として肉、魚介類等の生鮮食料品を1〜−3℃程度の冷蔵温度帯よりも若干低めの約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度といった任意の温度で貯蔵するよう冷蔵温度帯内で樹脂カバーによって区画された温度切替可能な収納区画である。貯蔵ケース(区画)35内には光源13が設置されている。貯蔵ケース35の背面の最上部には光源13が設けられており、また光源13は貯蔵ケースの背面に対して垂直よりやや、下方を向いて設置されている。これにより光源13より照射される光が保存する食品に対して照射強度が強くなることによって、保存性が向上する。また、ヒンジ開閉式扉110を開放した時に、光源13より照射される光をユーザーが直接目視しないように安全を考慮して設置されている。
【0099】下部区画105は左右に分割する第2の仕切壁127により、左区画と右区画に分割され、左区画は上から順に引き出し式扉128を備えた製氷室129、引き出し式扉130を備えた冷凍室131が配置され、右区画は上から順に引き出し式扉132を備えた野菜室133、引き出し式扉134を備えた冷凍室135が配置されている。
【0100】以上によって構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0101】近年、冷蔵庫の大型化に伴い、一般家庭においても多種多様な飲料用ペットボトル類やドレッシング類の収納量が増加している。通常そのようなボトル類は冷蔵庫の回転式扉部分に収納されていることが多く、冷蔵室の扉開閉の中でも、かなり多くの場合が、それらボトル類を取り出すために行なわれているという調査結果もある。
【0102】このようなボトル類の取り出しが頻繁であるほど扉開閉の回数が増えることで冷蔵室の温度上昇が伴い、特に夏場は温度上昇による食品の保存品質の劣化が懸念されている。こういった課題に対して本実施の形態では、仕切り壁106によって冷蔵室内で独立した左側の領域を引き出し式扉と一体化した収納棚で構成することで、引き出し式扉側にはペットボトル類などの飲料や瓶、缶類を区分して収納することが可能となり、頻繁にボトルを取り出しても、ヒンジ開閉式扉側の食品類に対して温度上昇の低減が図れ、食品の保存性が向上し、省エネにも繋がる。さらに、ヒンジ開閉式扉側の最下部に位置し、冷蔵温度帯内で樹脂カバーによって区画された収納区画である、貯蔵ケース(区画)35は、肉、魚介類などの生鮮食品が保存されることが多い。これらの食品は、温度上昇による菌の繁殖が生じやすい食品であり、頻繁な扉開閉による温度上昇が特に懸念されていたが、本実施の形態によると、ペットボトル類などの取り出しによる、貯蔵ケース35の温度上昇を、抑制することが可能となることに加えて、少なくとも一つは280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDである光源13を設置することにより、食品や区画された貯蔵ケース35の壁面に付着する菌の増殖が抑制され、さらに食品の保存性能が向上する。また、光源13の個数は一つには限定しておらず、複数個から構成されていてもよい。すなわち、壁面に付着する菌の増殖を抑制し保存性能を向上させたい時には、280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDの個数を増やすことが可能である。紫外領域である280nmから400nmに加えて、可視領域の波長を有するLEDを併用してもよい。
【0103】#5例えば、青色光を同時に照射することによって、黴などの真菌類の増殖を抑制することが可能となり、より保存性能が向上する。また、照射強度は特に限定しておらず、制御基盤37を通じて、最適な光強度に調整されるとともに、必要に応じて点灯や消灯の動作も行われる。
【0104】例えば、扉開閉と連動し、点灯や消灯を行なう場合、ヒンジ開閉式扉を開けた場合は消灯するが、例えば、目に入らない位置に光源が設置されているような引き出し式扉の開閉時は点灯し続けてもよい。特に、紫外領域を含む光は人の目には見えないので、例えば、扉を開けた時に、紫外線領域を含む光は消灯し、可視光線等の安全性の高い光は点灯させたままにすることで、安全な範囲の波長のみの光の点灯を使用者が認識することができ、扉を閉めた時に行われるLEDの照射によるアミノ酸増加等の有用な効果を連想させることで、使用者の抱く冷蔵庫の品位を高めることも可能である。
【0105】なお、貯蔵ケース35内の光源13の設置場所は特に限定されていないが、使用者が冷蔵室の回転式扉109を開放した時に、光源13は直接使用者の目に見える範囲から外した位置に配置し、眼球を刺激しないように設置することが好ましい。これは、例えば日本で使用する冷蔵庫の場合では、日本人の平均身長の女性が直立した状態で回転扉109を開けた場合に、光源13が直接見えない部分に配置するのが望ましい。他国で使用される場合においては、その国の女性の平均身長に合わせて、設置位置を工夫することが望ましい。
【0106】また、光源13にカバーを取り付けることにより直接使用者の眼球を刺激しないようにしてもよい。光源13のカバーの素材は限定しないが、部分的に光を偏向させる効果を有する梨地加工等を施されたものであれば、光の拡散性を高めることができる。さらに、同一区画内における複数個の光源の設置は一箇所に限定するものではなく、個々の光源が同一区画内の異なる場所に設置されても構わない。
【0107】このような視点で本実施の形態においては、光源の上部に光遮断性の高い部材として断熱材を備えており、使用者の目に直接光源13からの光が入らないように工夫された上で、断熱材によって、貯蔵ケース35内外の温度差をより保てるようにすることで、貯蔵ケース35内の保存性をより向上させている。
【0108】上記のように光遮蔽部材によって光源13による紫外光が外部への散乱を抑えることで、貯蔵ケース35内に集中して紫外光を与えることができ、紫外光による有用な効果が貯蔵ケース35内によってより高められる。
【0109】なお、本実施の形態では、光遮断部材として断熱材を用いて、光遮断効果と断熱効果の双方を実現したが、特に大きな断熱効果を必要としない場合には、光遮蔽部材の材料としては、たとえば不透明な樹脂や、着色された樹脂、または金属類等でもかまわない。
【0110】なお、金属類などの光の反射効果が大きい材料を用いた場合には、一層貯蔵ケース35内における光の照射量を高めるほか、貯蔵ケース35内でのすみずみまで光を拡散させることが可能となる。
【0111】よって、例えば本実施の形態の断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の材料で被覆することにより、光貯蔵ケース内においては、光を反射することができるので、貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、すみずみまで光を拡散させることが可能となり、紫外光による効果がより向上し、食品等の保存性を向上させることができる。
【0112】具体的には、貯蔵ケース35と冷蔵室の境界面には断熱材18が設置されており、これにより貯蔵ケース35の断熱性が高まるので、冷蔵室回転扉7を開放した時にも、貯蔵ケース35内の温度上昇を抑制できることから、食品の品質保持効果が得られる。また、断熱材18を設置して区画間の熱の移動を低減することは、無駄なエネルギー移動を低減することになるため、さらに冷蔵庫本体の消費エネルギー量の悪化を低減することができる。また、断熱材18で仕切られていることで、紫外光が隣接する別の区画に届くのを防止することができるので、紫外光を照射する区画と照射しない区画で食品の保存状態を変えて使い分けをしたい場合などには有効である。
【0113】さらに、断熱材18の少なくとも貯蔵ケース35側を光反射性の高い材料で被覆することにより、光遮蔽効果のある断熱部材が光の外部への散乱を抑えることができ、貯蔵ケース35側においては、光反射性が高いことで貯蔵ケース35内における光の照射量が大きくなり、より保存性が向上する。
【0114】このように貯蔵ケース35の上部に配置された断熱材および斜光板によって、光源13の照射強度を高め、さらに保存性能を向上させることが可能となる。
【0115】また、本実施の形態では、冷蔵室の右側領域108に備えられた紫外領域の波長を有する光源13としてLEDを設けた区画は、引き出し式の貯蔵ケース35を備えており、この光源13は貯蔵ケース35の外側の本体側に備えられるとともに、少なくとも光源13と対向する部分の貯蔵ケース35は光透過性の素材からなるものである。
【0116】これによって、貯蔵ケース35が比較的、内容積の小さい貯蔵空間内であった場合には特に使用する光源の発熱による貯蔵ケース35内の温度上昇が懸念されるが、光源13は貯蔵ケース35の外側に設けられることによって貯蔵ケース35内の温度上昇を防ぐとともに、温度上昇に伴う光源13への結露を防ぐことができる。このように、貯蔵ケース35内を低温に保ったまま、紫外領域の波長を有する光源を光透過性のケースを介して効果的に照射することができるので、貯蔵ケース35内の保存性をより高め、紫外線の有用な効果を十分に発揮することができる。
【0117】また、本実施の形態においては、貯蔵ケース35は製氷用の給水タンク136と隣接している。製氷用の給水タンクは、雑菌の繁殖が懸念されており、特に塩素処理が施された水道水でなく市販されている水を使用した場合などは、水道水に比べて水の雑菌による腐敗が顕著であるため、貯蔵ケース35および、給水タンク136の材質を光透過性の高い素材を用いた場合、光源13の光が給水タンク136内の雑菌に対しても、増殖抑制効果が生じる。すなわち、光源13の光強度を向上させる、あるいは、光源13の光拡散性を向上させることによって、貯蔵ケース35に隣接する領域に対しても菌増殖抑制効果が発揮できる。
【0118】このように本実施の形態では、冷蔵庫本体101は断熱区画された複数の貯蔵室を備え、複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室である上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を含めた冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉としては引き出し式扉109を配置し、右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉としてはヒンジ開閉式扉110を配置している。この二つの扉のうち右側領域108の前面開口部を塞ぐ扉であるヒンジ開閉式扉110前方からの投影面内に光源13であるLEDを設けた区画が位置するものである。
【0119】これによって、光源13を設けた区画に収納した収納物を取り出す際に、二つの扉を両方開けることなく、光源13を設けた区画に対応する一方の扉のみを開けるだけで、収納物を取り出すことが可能となるので、片手で扉の開閉を操作することができ、使用者の使い勝手をより向上させることができる。
【0120】また、本実施の形態では、冷蔵庫本体101は断熱区画された複数の貯蔵室を備え、複数の貯蔵室の中で最上段に位置する貯蔵室である上部区画104内は、左側領域107,右側領域108を含めた冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉を有し、この二つの扉の合わせ部で冷蔵室内を左右の領域である左側領域107と右側領域108に区画するとともに、この左右の領域に区画された区画の少なくとも一方である右側領域108の内部にさらに複数の区画を有し、光源13であるLEDを設けた区画には貯蔵ケース35を備えたものである。
【0121】これによって、一般的に他の貯蔵室と比較して容量が大きい最上段の冷蔵室を左右の区画に分割し、それぞれの区画に対応して扉が備えられることとなるので、収納物を取り出す際には、必要な区画の扉のみを開け、他方の扉は閉めた状態で収納物を取り出すことができるので、最上段の貯蔵室の扉開閉に伴う著しい温度上昇や庫外からの雑菌の混入を防ぎ、最上段の貯蔵室に収納された貯蔵食品の劣化を抑制できる。
【0122】また本実施の形態では、冷蔵室の前面開口部を左右に分割して開閉する二つの扉のうち、左右方向の幅寸法が小さい方の扉である左側領域107の前面開口部を塞ぐ扉として複数の収納棚113を備えた引き出し式扉109を配置され、複数の収納棚113は、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されている。
【0123】これによって、従来は左右方向の幅寸法が小さい方の扉は内部の収納物が取り出しにくく、実使用上は小さい方の扉の開閉のみで収納物を取り出すことが非常に難しかったが、小さい方の扉を引き出し式扉109とすることで、使用者が小さい方の扉のみの開閉でも、内部の収納物をスムーズに取り出すことができる。特に、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を引き出し式の貯蔵室収納することで、使用者が種別を認識しやすくなることに加えて、大きい方の扉を有する区画の温度上昇を防ぐことができ、最上段の貯蔵室の使い勝手を向上させるとともに、保存性を向上させることができる。
【0124】複数の収納棚113は、引き出し式扉109と一体に引き出せるように構成されているので、引き出し式扉109を開けると、内部が引き出し式扉109の側面から一覧できるようになる為、内部の収納物をよりスムーズに取り出すことが可能となる。
【0125】このように、使用頻度が高いにも関わらず、収納性の悪かったペットボトル等の飲料や調味料等の収納場所を左側領域107の引き出し式の貯蔵室に収納することで、右側領域108に備えられたヒンジ開閉式扉110の開閉頻度が大幅に減少するので光源13を備えた区画に備えられた貯蔵ケース35の温度上昇が抑えられ、光源13の紫外領域の光による保存性をより向上させることができる。
【0126】ここで、本実施の形態の貯蔵ケース35を用いて、動物性食品の抗菌効果を確認した実験結果について説明する。貯蔵ケース35内において、庫内温度−1℃の設定で貯蔵ケース35に一般的によく保存される食品として選出された生サケをサンプルとして、光源13を照射しながら保存し、紫外LED326の照射量を変えることによって、7日間保存した時の生菌数の変化を示している。横軸に紫外LED326の照射量、縦軸に生サケ1週間保存後の生菌数を示している。その結果、紫外LED326の照射量と抗菌性には有意な相関性を確認でき、紫外LED326の照射量が強いほど、生菌数の増加は抑制されていることが示された。
【0127】また、一方で、大腸菌(Escherichia coli IFO 3972)を用いて、抗菌製品技術協議会の定める光触媒抗菌試験法III(2003年度版)を参考にした紫外線照射抗菌性能評価を行なった結果、光源13により光照射条件と光源13を用いない暗条件(対照区)と比較して、光照射条件では保存後の生菌数に100倍以上の差を生じることから、抗菌活性値=2.03となり、抗菌性能が認められることも確認された(図示せず)。
【0128】#9また、家庭用の冷蔵庫においては抗菌性能と共に、紫外LED326の照射量を人体への有害性が極めて低く、使用者の安全性上問題ないレベルに設定することが望ましい。一方で、チルドやパーシャル温度帯では、保存される食品は凍結していないか、もしくは微凍結の状態であるため、細胞内のタンパク質の酵素活性は維持される。例えば、保存食品として肉や魚を用いた場合、それらの細胞内のタンパク質分解に伴う、遊離アミノ酸の生成に寄与するアミノペプチダーゼの活性は十分に高く(図示せず)、このことは保存期間中に旨味成分であるアミノ酸が増加することを意味する。従って、本実施の形態3においては、氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくいパーシャルフリージングやチルド温度での保存時に、さらに、紫外LED26による紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である、またこれらの温度帯の保存は、解凍時にドリップを抑制でいるためさらに美味しさが向上する。
【0129】また、チルドやパーシャル温度設定時に、肉や魚以外の食品で、例えばりんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能であるほか、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切り替え室6の保存性能を高める効果も得られる。
【0130】#8なお、本実施の形態では、光源13としてのLEDが備えられた区画は、温度切替機能を有した区画としたが、製品の形態によっては、例えば、この区画に備えられた貯蔵ケース35内の温度は温度切替せずに予め設定されているようなものであっても良く、その場合には、例えば、貯蔵ケース35内には、短期間の保存を前提とした食品等で紫外領域の光によって抗菌やアミノ酸増加等の有用な効果を得たいものを保存し、貯蔵ケース35外の冷蔵室の他の区画には一般の食品や、例えば長期間の保存を前提とする為に紫外光による劣化が生じる可能性のある調味料等の食品を保存するといった使い分けも可能である。
【0131】なお、上記のように、貯蔵ケース35内が予め設定されているような場合では、貯蔵ケース35外の冷蔵室の冷蔵温度帯よりも若干低い温度帯である、約−3℃前後のパーシャルフリージング温度、約0℃のチルド温度等に予め設定しておくと、冷蔵温度帯と比較して紫外領域の光による抗菌効果やアミノ酸増加効果がより向上する為、光源を有する区画が温度切替機能を有しない場合には、冷蔵温度帯より若干低い温度帯に設定しておくことが、紫外領域の光効果が最大限に発揮されるのでより望ましい。
【0132】以上の様に、本発明にかかる冷蔵庫は、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源613から照射される光によって、貯蔵ケース35内の保存性向上させたものである。よって、比較的安全な光源を用いて保存性能を高めることを目的とする、機器においても適用することができ、例えばショーケースやクーラーボックス、業務用冷蔵庫などの保存性の向上に対して利用することができる。
【0133】#3本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態4における光源の断面図 本発明の実施の形態5における冷蔵庫の正面図 本発明の実施の形態5における冷蔵庫の扉をはずした状態の正面図 本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大正面図 本発明の実施の形態5における貯蔵ケースの部分拡大断面図 本実施の形態における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図 従来の冷蔵庫の縦断面図
【0134】1 本体 2 冷蔵室 3 冷凍室 4 野菜室 6 切り替え室 12 機械室 13 光源 35 貯蔵ケース(区画)
周辺野菜保存庫及び冷蔵庫
特開2024-093064 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、添田 舞子、小池 成彦 / 出願日: 2022-12-27 / 公開日: 2024-07-09 / 検索19位 / 紫外光で防御反応を促す派
アプローチ: 容器中央からのUV-A放射照射 野菜収納容器の中央にUV-A LEDを置いて周囲へ放射状に照射し、野菜の位置ずれがあっても確実に光を当てて防御反応によるポリフェノールやビタミンCの増加を促す。照度センサで投入を検知して点灯する。
▸ 示唆: 課題は光の当て方(配置)でUV-A利用の栄養増加が目的のため、白色光と遠赤色光の比率というメモの論点とは別軸で、関係は薄い。
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【0001】#5本開示は、野菜保存庫及び冷蔵庫に関する。
【0002】特許文献1には、冷蔵庫内の野菜室内の野菜ケース内にUV_LEDでUV光を照射し、野菜のポリフェノール増量を図る例が記載されている。
【0003】特許第4903485号公報
【0004】野菜ケースは野菜に比べかなり大きく、UV光を当てたい野菜の適切な設置位置がわかりにくい。また、うまく設置できても、扉開閉時に野菜が転がると、位置がずれ光がうまく当たらなくなる。
【0005】本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、光を確実に野菜に照射することのできる野菜保存庫及び冷蔵庫を提供することである。
【0006】本開示に係る野菜保存庫は、野菜収納空間を有する野菜収納容器と、野菜収納空間の中央部に位置し中央部から周囲方向に向かって光を照射する光照射手段と、光照射手段を制御する制御手段と、光照射手段に電力を供給する電源と、を備えたものである。 本開示に係る冷蔵庫は、野菜収納空間を有する野菜収納容器と、野菜収納空間の中央部に位置し中央部から周囲方向に向かって光を照射する光照射手段と、光照射手段を制御する制御手段と、光照射手段に電力を供給する電源と、を備えたものである。
【0007】本開示によれば、光を確実に野菜に照射することのできる野菜保存庫及び冷蔵庫を提供することが可能となる。
【0008】実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射野菜保存手段の構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射野菜保存手段の構成を示す平面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御ブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフローチャートである。
【0009】#9以下、本開示に係る冷蔵庫の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。本開示において、重複する説明は、適宜に簡略化または省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は、以下に示す実施の形態及びその変形例に限定されることはない。以下の実施の形態及びその変形例で説明する任意の構成要素は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、自由な組み合わせ、変形または省略が可能である。
【0010】実施の形態1. 本開示の実施の形態1について、図1~図5を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図、図2は、実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射野菜保存手段の構成を示す斜視図、図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射野菜保存手段の構成を示す平面図、図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫の制御ブロック図、図5は、実施の形態1に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフローチャートである。本開示では、原則として、冷蔵庫1が使用可能な状態に設置されたときを基準として、各方向が定義される。また、各図面において、冷蔵庫1を構成する各部材の寸法、位置関係及び形状等は、実際のものとは必ずしも完全に一致しない場合がある。
【0011】図1に示すように、冷蔵庫1は、外箱、内箱及び断熱材を有する断熱箱体を有する。外箱は、例えば、鋼鉄製である。内箱は、例えば、樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば、発泡ウレタンまたは真空断熱材等である。断熱材は、外箱と内箱との間の空間に充填されている。なお、図1に示す冷蔵庫1は、家庭用であるが、本開示における冷蔵庫は、業務用のものでもよい。
【0012】断熱箱体の前面(正面)は、開口している。断熱箱体の内部には、貯蔵空間が形成されている。貯蔵空間は、食品等の被貯蔵物が収納される空間である。断熱箱体の内部に形成された貯蔵空間は、1つまたは複数の仕切り部材によって、食品を収納保存するための複数の貯蔵室に区画されている。
【0013】一例として、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、野菜室400及び冷凍室500を備えている。これらの各貯蔵室は、断熱箱体の内部において、上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室100は、断熱箱体の内部の最上段に配置されている。冷蔵室100の内部には、一例として、複数の棚板が設けられている。冷蔵室100の内部は、これらの棚板によって、上下方向に複数の空間に仕切られている。冷蔵室100内部には、チルド室110が設けられていてもよい。
【0015】切替室200は、冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200内の温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかに選択的に切り替えることが可能である。切替室200内の温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯、冷蔵温度帯、チルド温度帯、ソフト冷凍温度帯等である。冷凍温度帯は、例えば、-18℃程度の温度帯である。冷蔵温度帯は、例えば、3℃程度の温度帯である。チルド温度帯は、例えば、0℃程度の温度帯である。ソフト冷凍温度帯は、例えば、-7℃程度の温度帯である。
【0016】製氷室300は、切替室200に隣接して並列に配置される。すなわち、製氷室300は、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0017】野菜室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。野菜室400には、例えば、野菜及び容量の大きなペットボトル等が収納される。冷凍室500は、野菜室400の下方、断熱箱体の最下段に配置されている。冷凍室500は、被貯蔵物を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いられる。
【0018】冷蔵室100の正面部には、当該冷蔵室100を開閉するための冷蔵室扉7が設けられている。冷蔵室扉7は、例えば、両開き式の回転式の扉で、扉内側には牛乳パックやペットボトル、調味料ボトルなどを収納するドアポケットが設けられている。冷蔵室扉7の外側表面には、冷蔵庫使用者が各部屋の温度を調整したり機能を変更するための操作パネル6が設けられている。
【0019】一例として、切替室200、製氷室300、野菜室400及び冷凍室500は、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫1の奥行方向にスライドできるようになっている。本実施の形態の冷蔵庫1のユーザは、引出し式の扉を前後にスライドさせることで、切替室200、製氷室300、野菜室400及び冷凍室500を開閉することができる。
【0020】切替室200の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201が引き出し自在に格納されている。製氷室300の内部には、自動で冷蔵室にある給水タンクから水を受けた製氷皿で製氷した後、離氷した氷を貯める貯氷ケース301が引き出し自在に格納されている。野菜室400内には、食品等を内部に収納できる野菜室上ケース401及び野菜室下ケース402が設けられている。野菜室上ケース401には、例えば、ナス及びパセリ等の小物野菜が収納される。野菜室下ケース402には、例えば、大根、白菜及びスイカ等の大物野菜、あるいは、ペットボトルが収納される。冷凍室500の内部には、食品等を内部に収納できる冷凍室収納ケース501が引き出し自在に格納されている。この引出しも小物用のスライドケースをケース上部に設けている場合がある。
【0021】なお、冷蔵庫1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室100を開閉するための扉は、1枚の回転式でもよいし、スライド式であってもよい。また、切替室200、製氷室300、野菜室400及び冷凍室500を開閉するための扉は、回転式であってもよい。また、各部屋の扉内側には、本体との間に冷気漏れの隙間なきようシリコンゴムと磁石で構成されたパッキンが設けられている。
【0022】冷蔵庫1は、各貯蔵室を冷却するための冷却機構として、圧縮機2、冷却器3、送風機4等を備える。圧縮機2及び冷却器3は、凝縮器及び絞り装置等とにより、冷凍サイクル回路を構成している。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給される空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、図1に示すように、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0023】送風機4が動作すると、冷却器3で冷却された空気、すなわち冷気が、送風ダクトを通って、各貯蔵室へ送られる。各貯蔵室を冷却して暖められた空気は、返送ダクトを通って冷却器3が設置されている空間へと戻される。冷却器3が設置されている空間へと戻された空気は、再び冷却器3によって冷却され、冷蔵庫1内を循環する。
【0024】#10各貯蔵室には、サーミスタが設置される。このサーミスタは、各貯蔵室の内部の温度を検出する。送風機4及び圧縮機2は、このサーミスタの検出結果に基づいて制御される。送風機4及び圧縮機2は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。
【0025】また、本実施の形態に係る冷蔵庫1は、制御装置5を備える。制御装置5は、例えば冷蔵庫1の背面側の上部に設けられる。制御装置5は、圧縮機2及び送風機4等を制御する機能を有している。制御装置5には、冷蔵庫1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置5の各機能は、この制御回路によって実現される。
【0026】冷蔵庫1は、野菜室400に設けられた光照射野菜保存手段40を備える。光照射野菜保存手段40の外形は、野菜を入れる円筒状の野菜収納容器41から成る。野菜収納容器41の内部に、野菜収納空間46が形成されている。野菜収納容器41の中央部には、UV_LED43aを設置した光源基板43と、UV_LED43aの電源となる電池42と、光源基板43を覆うUV_LEDカバー44とが設けられている。UV_LED43aは、紫外線光源である紫外線LEDである。UV_LED43aから発せられた光は、UV_LEDカバー44を透過して、野菜収納空間46に収納された野菜に照射される。UV_LED43aは、野菜収納空間46の中央部から周囲方向に向かって光を照射する光照射手段の例である。本実施の形態であれば、野菜収納空間46の中央部から周囲方向に向かって光を照射することで、野菜収納空間46に収納された野菜に対して確実に光を照射することができる。
【0027】#4図2の例では、UV_LED43aは、野菜収納容器41の内周面に向けて光を照射するように設置されている。UV_LED43aの光軸は、水平方向である。図2の例では、4つのUV_LED43aが、周方向の異なる位置に等角度間隔で配置されており、4方向に向けて光を照射する。これにより、野菜収納容器41の中央部から周囲方向に向かって均一な強度で光を照射する上で有利になる。光源の灯数は4灯に限定されない。UV_LEDカバー44が光拡散性を有しており、UV_LEDからの光が拡散して全周方向に照射されるのであれば1灯でもよいし、あるいは5灯以上の光源を設けてもよい。
【0028】UV_LED43aの中心波長またはピーク波長はUV_A波長で、320nm~400nmが望ましく、さらに望ましくは340nm~380nmの波長域である。この波長の光が照射された野菜果物は防御反応を活性化させ、表皮近傍にポリフェノール類あるいはビタミンCなどの抗酸化物質を増加させる。
【0029】野菜収納容器41は、光源のUV光をケース外に漏らさず反射する素材で作られており、例えばアルミニウムまたはその合金、ステンレス鋼などで作られていることが望ましい。これにより、野菜同士の隙間を抜けた光も反射光として野菜に照射されるため、効率的である。なお、軽量化を図るために内面を金属被覆したプラスチックにしてもよい。
◆ この文献の解決アプローチ
容器中央からのUV-A放射照射
文献: この波長の光が照射された野菜果物は防御反応を活性化させ、表皮近傍にポリフェノール類あるいはビタミンCなどの抗酸化物質を増加させる。
課題は光の当て方(配置)でUV-A利用の栄養増加が目的のため、白色光と遠赤色光の比率というメモの論点とは別軸で、関係は薄い。
【0030】#8この光照射野菜保存手段40を野菜室上ケース401に収納するのであれば野菜収納容器41の外寸高さは例えば80mm程度が好ましく、光照射野菜保存手段40を野菜室下ケース402に収納するのであれば180mm程度までの高さが好ましい。そのような寸法であれば、冷蔵庫1内の壁あるいはケースにぶつからずに収納できる。図2の例では、野菜収納容器41を円筒状としているので、光源基板43から野菜までの距離を均一にする上でより有利になる。ただし、これに限定するものではなく、野菜収納容器41の形状は直方体でも三角柱型でも上述の機能が得られるのであればいかなる形状でもよい。また、野菜収納容器41が野菜室上ケース401または野菜室下ケース402と一体化していてもよい。
【0031】UV_LEDカバー44は、光源基板43に設置されたUV_LED43aを保護するもので、透明な樹脂あるいはガラスから成る。図示の例において、UV_LEDカバー44は、細長い円筒状の形状を有している。UV_LEDカバー44の長手方向の中央の近くに光源基板43が配置されている。UV_LEDカバー44は、野菜収納容器41の中心軸上に配置されている。また、UV_LEDカバー44の内部であって光源基板43の下に電池42が配置されている。
【0032】#3光源基板43は野菜収納容器41の底面に接するように設けてもよいが、収納された野菜にUV光がなるべく近傍で確実に照射される高さに設置することが望ましい。このとき、一般に流通している長ナスあるいはピーマンの大きさから高さを設定する。野菜室上ケース401に収めるような外寸高さ80mm程度の容器であれば、野菜は個別に、ナスなどは横置きに設置されるから、野菜収納容器41内部の底面からの高さが望ましくは10mm~50mm、より望ましくは15mm~40mmの範囲にUV_LED43aの光軸が配置される。野菜室下ケース402に収めるような外寸高さ180mm程度の野菜収納容器41であれば、野菜は購入した袋ごと収納できるため、縦置きにして保存できるから、野菜収納容器41内部の底面からの高さが望ましくは10mm~80mm、さらに望ましくは20mm~60mmの範囲にUV_LED43aの光軸が配置される。
【0033】なお、ピーマンのように野菜が複数個積みあがった状態を想定すると、UV_LED43aは上下方向に複数個並んで配置されてもよい。
【0034】野菜収納容器41の底面と光源基板43との間のスペースにモーターを設け、光源基板43を回転させてもよい。
【0035】野菜収納容器41の底面と光源基板43との間のスペースに、調湿材またはエチレン除去剤のような鮮度保持剤を設けてもよい。
【0036】#6本実施の形態では、UV_LEDカバー44の上面に、照度センサ45が上向きに設置されている。冷蔵庫1の制御装置5は、照度センサ45の検出信号を受信する。照度センサ45の出力が急激に0になる、すなわち明所である冷蔵庫の外から暗所である冷蔵庫1の野菜室400内部へ収納されたことを検知すると、制御装置5は、UV_LED43aの光の照射を開始させる。また、暗所である冷蔵庫1の野菜室400内部から明所である冷蔵庫の外へ出たことを照度センサ45が検知すると、制御装置5は、UV_LED43aの光の照射を停止させる。
【0037】図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置5の処理回路には、例えば、プロセッサ5a及びメモリ5bが備えられている。制御装置5は、メモリ5bに記憶されたプログラムをプロセッサ5aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0038】プロセッサ5aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ5bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0039】#7本実施の形態の操作パネル6は、入力部6a及び報知部6bを備えている。入力部6aは、各貯蔵室の保冷温度等を設定するための操作スイッチ等である。例えば、ユーザは、入力部6aを操作することで、切替室200の温度帯を切り替えることができる。報知部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶表示部である。操作パネル6は、入力部6aと報知部6bとを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。入力部6aは、ユーザによる当該入力部6aの操作に応じた信号を制御装置5へ出力する。また、制御装置5は、操作パネル6の報知部6bに信号を出力し、報知部6bの動作を制御する。
【0040】制御装置5には、各貯蔵室の内部の温度を検出するサーミスタから信号が入力される。制御装置5は、入力された信号に基づいて、各貯蔵室内が設定された温度に維持されるように、圧縮機2、冷却器3及び送風機4、各部屋に設けられたダンパ等を制御する。
【0041】本実施の形態に係る制御装置5は、例えば、スマートフォン等の外部機器との通信機能を有している。制御装置5は、ネットワーク上の外部サーバ等との通信機能を有してもよい。すなわち、制御装置5は、冷蔵庫1が外部との通信を行うための通信インターフェースとしても機能する。制御装置5による冷蔵庫1と当該冷蔵庫1外部との通信は、インターネットを介したものでもよいし、その他各種の有線通信または無線通信でもよい。冷蔵庫1は、制御装置5によって、外部から設定温度変更指示を受信したり、庫内状況などの情報を外部ヘ送信したりしてもよい。制御装置5は、各種の情報を外部機器へ出力する出力手段の一例である。本実施例では、制御装置5は、光照射野菜保存手段40のUV-LED43aのオンオフを指示する。この動作の一例となるフローチャートを図5に示す。
【0042】#2まず、冷蔵庫使用者が光照射野菜保存手段40に野菜を入れ、野菜室400に収納されたことを照度センサ45で検知し(ステップS1)、UV_LED43aが点灯する(ステップS2)。次に、UV_LED43aが点灯している時間t1をカウントし(ステップS3)、あらかじめ設定された所定の時間t1_set経過したかを判定する(ステップS4)。この時間は、UV光照射により植物内の防御反応が活動を開始するために必要な時間で、連続点灯でも断続点灯でもパルス点灯でもよいが、必要最低限に絞ることは消費電力量が少なくなるので望ましい。1日の点灯時間は0.5~12時間、望ましくは0.5~8時間、さらに望ましくは0.5~4時間である。
【0043】UV光照射時間が所定の時間t1_set以上になったらUV_LED43aを消灯する(ステップS5)。次に、UV_LED43aが消灯している時間t2をカウントし(ステップS6)、あらかじめ設定された所定の時間t2_set経過したかを判定し、経過すれば再度点灯する(ステップS7)。
【0044】なお、本実施の形態では、UV_LED43aの電源は電池42としたが、電源は電池42のように光照射野菜保存手段40が備えるものに限るものではなく、冷蔵庫1の電源から電力をUV_LED43aに供給してもよい。その際、無線給電によって電力を供給してもよい。
【0045】本実施の形態では、冷蔵庫1の制御装置5が光照射野菜保存手段40を制御する構成としたが、光照射野菜保存手段40が独自の制御装置を備えるように構成してもよい。また、スマートフォンなどを用いて、使用者が光照射野菜保存手段40の動作モードを指定できるようにしてもよい。
【0046】#1また、野菜収納容器41と同素材の蓋があれば、光の漏れはさらに少なくできるし、万が一冷蔵庫使用者が光照射野菜保存手段を冷蔵庫から取り出している時にUV_LED43aが誤点灯しても周囲に光が漏れないので安心である。
【0047】野菜室400全体または一部が野菜収納空間46であってもよく、その場合には、野菜室上ケース401の側壁または野菜室下ケース402の側壁が野菜収納容器41の側壁に相当する。この場合、野菜収納空間46の設置位置が分かりやすいように、野菜収納容器41の底面の一部を凹ませたり、側面となる仕切り壁を設けておくとよい。また、野菜室上ケース401または野菜室下ケース402の一区画に、無線給電する光源を光照射手段として設けることが望ましい。
【0048】野菜室下ケース402内に野菜収納空間46がある場合に、野菜室上ケース401の底面が野菜収納空間46の蓋として機能するように構成されていてもよい。
【0049】野菜収納容器41を冷蔵庫1の野菜室400から取り外して、独立した野菜保存庫として使用できるようにしてもよい。そのような野菜保存庫は、UV_LED43aなどの光照射手段を制御する制御手段と、光照射手段に電力を供給する電源と、野菜収納容器41の蓋とを備えている。冷蔵庫外の冷暗所、例えば冬期の暖房を使わない部屋にこの野菜保存庫を設置し、単独で使用することができる。また、独立した野菜保存庫は、冷蔵庫1の野菜室400に収納できないものでもよい。
【0050】以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0051】(付記1) 野菜収納空間を有する野菜収納容器と、 前記野菜収納空間の中央部に位置し前記中央部から周囲方向に向かって光を照射する光照射手段と、 前記光照射手段を制御する制御手段と、 前記光照射手段に電力を供給する電源と、 を備えた野菜保存庫。 (付記2) 野菜収納空間を有する野菜収納容器と、 前記野菜収納空間の中央部に位置し前記中央部から周囲方向に向かって光を照射する光照射手段と、 前記光照射手段を制御する制御手段と、 前記光照射手段に電力を供給する電源と、 を備えた冷蔵庫。 (付記3) 前記野菜収納容器を取り外し可能である付記2に記載の冷蔵庫。 (付記4) 前記冷蔵庫の野菜室の全体または一部が前記野菜収納空間である付記2または付記3に記載の冷蔵庫。 (付記5) 前記光照射手段は、光源として紫外線LEDを備える付記2から付記4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 (付記6) 前記野菜収納容器は、円筒状の形状を有する付記2から付記5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 (付記7) 前記光照射手段は、周方向の位置に関して異なる位置に配置された複数の光源を有する付記2から付記6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 (付記8) 前記野菜収納空間の底部よりも高い位置に前記光照射手段が配置されている付記2から付記7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 (付記9) 前記野菜収納空間の底部と前記光照射手段との間に配置された鮮度保持剤を備える付記2から付記8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。 (付記10) 照度を検知する照度センサを備え、 前記野菜収納容器が明所から暗所に入ったことが前記照度センサにより検知されると、前記光照射手段が光照射を開始するように構成されている付記2から付記9のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【0052】1 冷蔵庫、 2 圧縮機、 3 冷却器、 4 送風機、 5 制御装置、 5a プロセッサ、 5b メモリ、 6 操作パネル、 6a 入力部、 6b 報知部、 7 冷蔵室扉、 40 光照射野菜保存手段、 41 野菜収納容器、 42 電池、 43 光源基板、 43a UV_LED43a、 44 UV_LEDカバー、 45 照度センサ、 46 野菜収納空間、 100 冷蔵室、 110 チルド室、 200 切替室、 201 切替室収納ケース、 300 製氷室、 301 貯氷ケース、 400 野菜室、 401 野菜室上ケース、 402 野菜室下ケース、 500 冷凍室、 501 冷凍室収納ケース
周辺冷蔵庫
特開2007-003062 / 出願人: 松下電器産業株式会社 / 発明者: 小嶋 淑子、芦田 弥恵、中村 起子 / 出願日: 2005-06-22 / 公開日: 2007-01-11 / 検索23位 / 紫外光で防御反応を促す派
アプローチ: 紫外LEDと可視LEDの併用照射 冷蔵庫の切替室に紫外領域LEDを設けて殺菌・ビタミンD増加を図り、あわせて可視光LEDを同時照射して太陽光に近い光とし、安全性とクロロフィル増量を狙う。
▸ 示唆: 複数波長の同時照射という発想は似るが、主眼は紫外による抗菌で遠赤色や白色との照度比の規定はなく、メモの課題には遠い。
AIが精読したのは全93段落のうち検索が当てた10チャンク(33段落・35%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本発明は、紫外領域を含む波長を持つLEDにより、より保存性を高めた切替室を有する冷蔵庫に関するものである。
【0002】近年、お客様の使いやすさを追求したレイアウトの冷蔵庫が求められている(特許文献1参照)。
【0003】図6は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫を示すものである。
【0004】図6に示すように、冷蔵庫本体上部に設けられた冷蔵室100と冷蔵室100の下に設けられた切替室700と、本体の冷蔵室100の下で切替室700に平行に設けられた貯氷室600と、並列に配置された切替室700及び貯氷室600と本体の下部に設けられた冷凍室250との間に、野菜室300を設けたことにより、冷蔵室100、野菜室300、切替室700、貯氷室600、冷凍室250のそれぞれの部屋を使いやすい位置に配置している。
【0005】このように特許文献1では、使用頻度によって冷蔵庫本体のレイアウトを決定することにより、使い勝手性を高めた冷蔵庫を提供していた。 特開2002−13864号公報
【0006】従来の冷蔵庫のように、お客様にとって日常の生活をする上で使い勝手のよいレイアウトの場合、切替室は特に一番手の届きやすい位置に配置されていること、さらに貯蔵食品に合わせて最適の保存温度を設定できることから、貯蔵食品に応じて使い分けることが可能であり、お客様にとって非常に使用頻度の高い貯蔵室となる。しかしながら、従来の温度切替室については、生鮮食品を保存するパーシャル温度やチルド温度では貯蔵品に雑菌付着していた場合、切替室内に雑菌が繁殖する可能性があり、最も使用頻度の高い切替室の抗菌性能に問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもので、より保存性を高めた切替室を有する冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】#9上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、予め設定された複数温度のいずれかに選択された温度に制御されている断熱区画された貯蔵室に紫外領域を含む波長を有するLEDからのものである光源を有している。
【0009】これによって、紫外領域を含む波長が殺菌効果を有することで切替室内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化することで、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となり、切替室内部の衛生性が保たれる。さらに、光源として、LEDを設けたことで発熱量が小さく、切替室内の温度上昇を防ぐことができ、食品の保存性を安定させることができる。また、LEDはランニングコストが安く、その上、耐久性に優れており、非常に汎用性が高くなることや、コンパクト化設計が可能である為、切替室の内容量を確保することが可能である。
【0010】さらには、食品の種類によっては切替室で保存中に紫外領域を含む波長の作用によって天日干しにした時のようにビタミンD合成の効果を得ることが可能である。
【0011】本発明の冷蔵庫は、切替室内に設置されたLEDから照射される紫外領域を含む波長の光よって、切替室内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化させることができる。これにより切替室内部の衛生性が保たれるとともに、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となるので、貯蔵室内を清潔に保つことを可能とし保存性を向上させる。
【0012】#10請求項1に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室を有し、前記貯蔵室を予め設定された複数の温度のいずれかに選択された温度に制御する機能を備えた冷蔵庫において、この複数の温度切り替え室内に紫外領域の波長を有するLEDを設けたことで、切替室内の壁面や貯蔵品表面に付着している微生物の増殖機能を不活性化することで、食品の微生物によって生じる変色や腐敗臭、貯蔵品表面のネト発生を遅らせることが可能となり、切替室内部の衛生性が保たれる。さらに、光源として、LEDを設けたことで発熱量が小さく、切替室内の温度上昇を防ぐことができ、食品の保存性を安定させることができる。また、LEDはランニングコストが安く、その上、耐久性に優れており、非常に汎用性が高くなることや、コンパクト化設計が可能である為、切替室の内容量を確保することが可能である。
【0013】さらに、きのこ類や魚類には、骨や歯の成長に欠かせないビタミンとしてよく知られているビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらを保存する場合には紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへと変換される。よって、紫外光を含む光源を貯蔵室内に設けることで、貯蔵室内の特定の食品、例えばしらすぼしは保存前と比較してビタミンD含有量を高めることが可能である。
【0014】また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、5℃から10℃程度の比較的低温下で290nmから320nmの範囲の波長の光を照射することで生成が促進される。なお、アントシアニンはポリフェノールの一種であり、目にいいという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用などの効果が検証されており、非常に体によいとされている物質であり、保存中に栄養価を高めることが可能となる。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記LEDから照射される紫外光は、波長が長く比較的安全な紫外A領域である315nmから400nmの範囲の波長を有していることから、長時間照射されるとシミ・シワの原因となり皮膚の老化を促進するが、短時間であれば人体の日焼けに対する影響の度合いは非常に小さい。一方で、紫外線B領域である280nmから320nmで人体の日焼けに対する影響の度合いは長時間皮膚に照射した場合は、赤く腫れるなど皮膚の炎症を引き起こすこともあり危険であるが、ビタミンD合成を促進させるためには皮膚にとっても非常に有用な波長である。また、280nmより低い波長では皮膚の細胞が破壊されて、皮膚ガンになる危険があるとされ、人体に対する危険度が極めて高い。したがって、280nmから400nmの範囲の波長は、比較的人体に安全な波長であることと同時に、地上に降り注ぐ太陽光に多く含まれる波長であることから、きのこ類や魚類のビタミンDの生成を促進するのに必要な波長を含むものである。
【0016】#6請求項3に記載の発明は、照射される紫外領域の波長を有するLEDは、チルド温度またはパーシャルフリージング温度設定時のみに動作することで、氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくいパーシャルフリージング温度での保存時に、さらに、紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である。一方で、冷凍設定時には食品を長期間保存することが考えられることから、紫外領域の波長を有するLEDを連続照射することは、特に遮光包装をしていない肉や魚などの脂質酸化を促進する可能性があり、望ましくない。従って、紫外領域の波長を有するLEDを照射することで、保存性能を著しく向上させることが可能なパーシャルフリージング温度設定時にのみ、動作することは電気代や耐久性を考慮しても、さらに効果的である。
【0017】請求項4に記載の発明は、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで、例えば切替室を野菜の保存に適した温度に設定し、葉緑素を持つ野菜を保存している場合、葉の表面にある色素を用いて光合成を行う際に植物が使う色素の吸収スペクトルを持つ400nmから800nmの範囲の波長を同時に照射することで、太陽光線に類似した光を照射することが可能となり、クロロフィルの増量などの効果が得られる。
◆ この文献の解決アプローチ
紫外LEDと可視LEDの併用照射
文献: 紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを照射することで
複数波長の同時照射という発想は似るが、主眼は紫外による抗菌で遠赤色や白色との照度比の規定はなく、メモの課題には遠い。
【0018】#3また、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンは、野菜の保存に適した温度に設定し、紫外領域の波長を有するLEDとともに、可視光として赤色光である650nm付近の波長の光を照射することで最も生成が促進される。なお、アントシアニンはポリフェノールの一種であり、目にいいという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用などの効果が検証されており、非常に体によいとされている物質であり、保存中に栄養価を向上させることが可能である。特に、可視光として青色の波長を有するLEDを照射することで、カビの増殖を抑制することが可能であり、切替室をより清潔に保つことができ、保存性が向上する。
【0019】また一方で、切替室の光の波長を変えることで光の色を変えることで視覚的に切替室の光の効果を認識することができ、より切替室の使い勝手を向上させる。さらには、視覚的に見えやすい光を照射することで、扉の閉め忘れを防止することが可能であり、庫内の温度上昇を防ぎ、食品を腐敗させてしまうリスクから回避させることが可能である。また、扉の長期開放後の温度復帰にかかる電力消費の増大を未然に防止することが可能となるため、消費エネルギー量の低減効果が得られる。なお、紫外領域を有する波長のLEDは日焼けなど人体に悪影響を与える因子がわずかながらにあるにもかかわらず、人間の目ではほとんど見えないことから、紫外光を無意識に浴びてしまう危険を回避できない為、可視光である400nmから800nmの範囲の波長を有するLEDを同時に照射することで、間接的に紫外領域を有する波長の存在を知らせることが可能であり、より安全を考慮した仕様となる。
【0020】請求項5に記載の発明は断熱区画された複数の貯蔵室と、圧縮機と凝縮器と減圧器と蒸発器とを順に備えて一連の冷媒流路を形成した冷凍サイクルとを有し、前記貯蔵室は少なくとも、冷凍室と冷蔵室と温度切替室とを備えたものであって、前記圧縮機は前記冷凍室の背面以外の場所に備えられたものであり、これによって、従来一般的であった冷凍室の背面に圧縮機を有するような従来の冷蔵庫では、冷凍室の庫内容積が小さかった為、収納しきれない食品については、切替室を冷凍設定にして冷凍室として代用する場合が多かった。特に近年は、家庭での冷凍食品の消費量が増加し続けている為に、冷凍室の容量が不十分の傾向が顕著となっており、そのため、最も使いやすい位置にある温度切替室が常に冷凍設定になっている家庭が多かった。
【0021】本発明では、圧縮機は前記冷凍室の背面以外の場所に備えることで、冷凍室がより大きくなり、最も使い勝手のよい場所に位置する切替室を冷凍室ではなく、保存性を向上させるパーシャル温度やチルド温度といった冷蔵室よりは低温であるが冷凍室よりは温度が高い為、食品が凍りにくく、短期保存には最適である温度帯の貯蔵室として活用することができ、冷蔵庫の使い勝手を大きく向上させることができる。
【0022】請求項6に記載の発明は、前記光源によって照射される紫外領域の波長を有するLEDは、透光性のカバーを有し、前記カバーの少なくとも一部は、偏光機能を有するものであるものであり、これによって、庫内への光の拡散性を高め、隅々まで光が行きわたることで、紫外光による抗菌効果をより高めることができる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0024】(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0025】図1において、本体1はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24はたとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
【0026】また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の璧厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25貼付け面に全面塗布されている 。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
【0027】本体1は複数の断熱区画に区分されており上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切り替え室6および製氷室5と、引出し式の野菜室4と引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切り替え室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
【0028】冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚8が設けられてある。また冷蔵室2の最下部には貯蔵ケース35が設けてある。
【0029】冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定とする場合もある。
【0030】また、貯蔵ケース35は肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度、たとえば−3〜1℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温高湿にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
【0031】切替室6はユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から微凍結温度帯であるパーシャルフリージング、冷蔵温度帯まで所定の温度設定にすることができ、冷蔵室回転式扉7上のスイッチ14を操作することにより、切り替え室内の温度調節が行われ、切り替え室6内の温度は検知手段17により検知される。さらに、切り替え室6には光源13が設置されている。光源13は280nmから400nmの範囲の紫外領域を含むLEDであり、その光源により、食品や切替室庫内に付着する菌の増殖が抑制され、生鮮食品の保存性能が向上する。また、400nmから800nmの可視光を紫外領域を含む光源と併用させることで、引き出し式扉の開閉時には、光源13から照射される光が漏れるので、冷蔵庫の使用者が光を認識することが可能である。さらに、光源13の個数や強度は特には限定しておらず、必要に応じて最適な色調の光を最適な強度で発するとともに、それら発光源の点灯や消灯の動作は制御基盤37を通じて行われる。
【0032】また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
【0033】冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
【0034】本体1は天面後方部を窪ませた機械室12を設けてある。また機械室12の下方背壁面に第二の機械室36を設けた。
【0035】冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを順に環状に接続して一連の冷媒流路を構成している。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
【0036】また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
【0037】冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
【0038】また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
【0039】なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
【0040】以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0041】まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
【0042】冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパなどで分配することで各室の冷却を行う。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却が行われる。
【0043】切り替え室6では、使用者の目的や好みに応じて冷凍温度帯から冷蔵温度まで、数段階に切り替えが可能である。本実施の形態では、切り替え室6の温度区分を3℃の冷蔵温度、−18℃の冷凍温度、その中間温度である−3〜−2℃を中心とするパーシャルフリージング温度、−2℃〜0℃を中心とするチルド温度に切り換えることができる。
【0044】発光源13には波長が長く比較的安全な紫外線AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDを使用し、これによって、貯蔵室内に浮遊または壁面や食品表面に付着している微生物の遺伝子を変異させ増殖機能を不活性化させることができる。これにより切替室内部の衛生性が保たれるとともに、食品については微生物の増殖によって生じる変色や腐敗臭、食品表面のネト発生を遅らせることが可能となる。このように紫外光を含む光源13を設けることにより、食品の保存性を高めた衛生的な保存が行える。
【0045】さらに、きのこ類や魚類には、ビタミンDの前駆物質を多く含むものがあり、それらに紫外線が照射されることで分子が励起され、ビタミンDへ変換される。よって、紫外光を含む光源13を切替室内に設けることで、切替室6内の特定の食品のビタミンD含有量を高めながら保存することができる。
【0046】#1また、光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDとともに、赤色光である650nm付近の波長を持つLEDで構成し、りんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能である。アントシアニンは、野菜や果物の実に多く含まれるため、切替室6の設定温度は野菜の保存に適した温度が適している。なお、アントシアニンはポリフェノールの一種であり、目にいいという効果の他に、抗酸化作用による老化防止、動脈硬化抑制作用などの効果が検証されており、非常に体によいとされている物質であり、アントシアニンを増量しながら保存中することができる。
【0047】発光源13を波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400 nmの範囲の波長を持つLEDとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成し、それらの波長を制御することにより、太陽光に類似した波長を照射することも可能である。また、可視領域の波長のLEDを切替室6の温度と連動して例えば、赤色、緑色、青色など温度帯の持つイメージに適合した色に制御することも可能である。このようにあらかじめ設定した温度設定の変更による光の色調の変化により、切替室内6の温度設定や温度変化を目視により認識することができ、またその色調から使用者は容易に保存対象物を連想することができる。そのため、食品を切替室6へ収納する際、使用者の混乱を防止しながら設定温度に適した食品の収納を促すことができる。
【0048】#2また、このような光源13の入力は、検知手段17の反応によりおこなわれる。検知手段17には、温度センサーを用い、一定温度の検知後に入力をおこなうものとしたが、たとえば検知手段17がドアスイッチである場合は、扉開放を検知したのちの一定時間後に入力をおこなうとしてもよく、特に指定するものではない。
【0049】本実施の形態の冷蔵庫において、切り替え室6は、冷蔵室2の下方に位置するとともに、野菜室4と冷凍室3の上方に位置しているものである。このようなレイアウトにすることにより、平均身長の女性が腰をかがめずに切り替え室6の扉の開閉を行うことができ、また食品の出し入れについても腰をかがめず、楽な姿勢で行うことができるので、使い勝手性がよく、さらに発光源13を設置することにより保存性能がさらに向上する。
【0050】なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
【0051】以上より本実施の形態の冷蔵庫の切替室6では、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源13から照射される光によって、切替室6内の抗菌性を高め、さらには、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切替室6の保存性能を高める効果を提供する。
【0052】(実施の形態2) 図2は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
【0053】図2において、光源213は切替室206内に設置されており、また圧縮機216や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室212は、冷凍室203の背面以外の場所である冷蔵室202の最上段の背面に設置されている。
【0054】従来、機械室212は本体201の最下部である冷凍室203の背面に位置しており、そのため冷凍室203の容積を減少させており、収納しきれない冷凍食品については、切替室を冷凍設定にして冷凍室として代用する場合が多かった。機械室212を従来の冷蔵庫庫内において位置が高く手が届きにくい為、有効に利用されていなかった冷蔵室2の最上部の背面に配置したことにより、従来の機械室212の部分を冷凍スペースとして利用することができる。従って、外形寸法を変化させることなく、冷凍室203の有効庫内容積を拡大できる。
【0055】また、近年大型スーパーでは冷凍食品の特売を定期的に行うことが増えており、主婦が特売日にのみまとめ買いをする姿が多くみられる。従って、冷凍食品を保存するスペースが足りないという不満が多い。そこで、従来は本体201最下部の冷凍室203の容量不足を補うため、切替室206は冷凍モードとして使用される頻度が高かったが、冷凍室203の容量が大幅に増大したことにより、切替室206を冷凍温度以外で活用することが可能となる。
【0056】#5例えば、切替室206をパーシャルフリージングに設定している場合、−3℃付近の微凍結温度帯では生鮮食品が1週間保存可能であり、解凍の手間なく調理することが可能であるだけでなく、冷凍保存に比べて凍結による細胞損傷が少ないためドリップの流出も少なく、おいしさを維持することが可能である。また、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源213から照射される光によって、切替室206内の抗菌性を高め、さらには、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切替室206の保存性能を高める効果が得られる。
【0057】(実施の形態3) 図3は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図である。
【0058】図4は、本発明の実施の形態3における切替室に設置された光源の断面図である。
【0059】図5は、本発明の実施の形態3における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図である。
【0060】本実施例において、圧縮機316や図示しない凝縮器などの冷凍サイクルの主要構成部品を収納する機械室312は、冷凍室303の背面以外の場所である冷蔵室302の最上段の背面に設置されており、従来の機械室312の部分を冷凍スペースとして利用することができ、外形寸法を変化させることなく、冷凍室303の有効庫内容積を拡大できたことから、切替室306は、従来は本体301最下部の冷凍室303の容量不足を補うため、切替室306は冷凍モードとして使用される頻度が高かったが、冷凍室303の容量が大幅に増大したことにより、切替室306を冷凍温度以外で活用することが可能となる。例えば、切替室306をパーシャルフリージングに設定している場合、−3℃付近の微凍結温度帯では生鮮食品が1週間保存可能であり、解凍の手間なく調理することが可能であるだけでなく、冷凍保存に比べて凍結による細胞損傷が少ないためドリップの流出も少なく、おいしさを維持することが可能である。
【0061】さらに、図3は切替室306内の天面に光源313を備え、冷蔵室302の内壁に操作パネル14を備えている。
【0062】図4において、光源313は波長ピーク387nmの紫外領域を含む紫外LED326と、波長ピーク468nmの青色LED327とを備えた光源用基盤328から構成され、カバー329によって被覆されている。また、光源313は切替室306の天面における略中央部分に配設されている。
【0063】この光源用基盤328上に設けられた光源である紫外LED326と青色LED327とは光の照射部分が下方向へ向けて設置されることで、切替室の底面を照射するように配置されている。
【0064】また、光源用基盤328はカバー329を介して本体301に対してビスにより固定されている。この固定方法は特に指定はしないが、本実施の形態のようにビスで固定する以外でもカバー329と本体301側の嵌め合わせ等によってでも固定は可能である。
【0065】また、カバー329は切替室の天面306aよりも出っ張っている凸形状を有している。
【0066】光源用基盤328を覆うカバー329は切替室306天面との間にガスケット330を介して庫内に対して略密閉となるように固定されている。また、カバー329の周囲にツメ331を備えることでさらに密閉性を高めている。本実施の形態では、この密閉性を高めるツメ331として、カバー329の外周に設けられた外周ツメ331aに加えて、カバー329の内周に設けられた内周ツメ331bとを設けることで、ガスケット330を挟んだ両側にツメを備えており、さらに密閉効果を高めたものとしている。
【0067】また、カバー329に使用する材料は特に指定するものではないが、紫外線等に対する耐久性の高い樹脂素材が好ましい。さらに、部分的に光を偏向させる効果を有する梨地加工等を施されたものであれば、光の拡散性を高めることができる。
【0068】以上のように構成された冷蔵庫で、以下その動作、作用を説明する。
【0069】切替室306の温度設定を使用者が操作パネル314で、チルドやパーシャル温度帯に設定された場合のみ、紫外LED326と青色LED327が点灯し、冷凍温度帯が設定された場合には、少なくとも紫外LED326は消灯する。
【0070】#7これは、一般に、紫外線の長期間にわたる食品への照射は、食品の脂質酸化を促進し、品質を劣化させることが危惧されるが、短期保存用の温度帯であるチルドやパーシャル温度帯で食品を保存する場合の保存期間は、1週間から2週間程度であり、光照射による品質劣化はみられずに、紫外光による抗菌効果が得られる為である。
【0071】このような−3℃から0℃の温度帯を主とするチルドやパーシャル温度帯では、保存される食品は凍結していないか、もしくは微凍結の状態であるため、細胞内の酵素タンパク質や遺伝子の働きは低下するのである程は菌や微生物の増殖を抑制することができるものの、完全に停止させることはできない。
【0072】よって、紫外光と青色光を照射することによって、抗菌性を向上させ食品表面に付着する菌やカビなどの微生物、あるいは、切替室6内に存在する菌やカビなどの微生物に対して、それらの遺伝子を不活性化させ増殖を抑制することが可能となり、保存性が向上する。
【0073】加えて、チルドやパーシャル温度帯は、主に肉や魚といった菌が増殖しやすい動物性食品を保存する際に主に使用される温度帯であるので、これらの温度帯において抗菌効果を高めることは、冷蔵庫の実使用上においては、有効な適用方法である。
【0074】また、切替室306が冷凍温度帯に設定された場合には、保存される食品の細胞内の自由水が凍り、細胞内の酵素タンパク質や遺伝子の働きがほとんどなくなることによって、食品の腐敗が抑制され、更に、食品に付着している菌や微生物の増殖を抑制することができることから、光源313が点灯しなくても菌が増殖する懸念がない。よって、冷凍温度帯の設定時には光源313消灯する。
【0075】また、冷凍温度帯の設定時に光の照射は行わないことで、光照射によるエネルギーロスを防ぐことが可能である。さらに、光照射によるわずかながらの切替室の温度上昇を防ぐことも可能であり、より冷凍温度帯での保存性が向上する。
【0076】このように短期保存用の温度帯を設定した際にのみ紫外光を照射することで、紫外光による食品の脂質酸化の心配がない上で、抗菌効果を向上させることができる。
【0077】また、0℃以上の温度帯では、菌の増殖が指数関数的に増加するので、紫外LED326と青色LED327を点灯させると、LEDの自己発熱によって温度が4〜5℃程度上昇する為、この温度上昇に伴う菌の増殖の方が紫外光による抗菌効果よりも多くなる可能性がある為、0℃以上の温度帯には光源313を点灯しないこととした。ただし、温度上昇に伴う菌の増殖以上に抗菌効果が得られるように紫外LED326と青色LED327を点灯させることが可能な場合には、0℃以上の温度帯で光源313を点灯することも可能である。
【0078】また、菌の増殖が多い0℃以上の温度帯で光源313を用いる場合には、紫外LED326の抗菌効果を高めることと同時に、紫外LED326を照射量を人体への有害性が極めて低く、使用者の安全性上問題ないレベルの中で設定することが重要である。
【0079】さらに、青色LED327から照射される光はカビの増殖を抑制する効果があり、紫外LED326と同時に照射することにより、さらに衛生効果が高まる。
【0080】また、本実施の形態では、切替室306の抗菌性を高めるために、光源313は切替室の天面における略中央部分に光の照射部分が下方向へ向けて設置されることで、切替室の底面全体に光が行き届くようになっている。
【0081】さらに、切替室6の隅々まで光を行き渡らせるために、カバー329の一部分を偏光機能を有する梨地加工等を施すことで、光の拡散性を高めることが可能である。さらにこういった偏光効果を有する加工や、偏光板等を取り付けた上で、カバー329の一部分を透明にし、光が行き届きにくい部分へ光を拡散させることも可能である。
【0082】また、カバー329は切替室の天面306aよりも出っ張っている凸形状を有しており、凸部は平面部329aと傾斜部329bとを有しているので、ランプの直下に位置する部分に対しては平面部329aから光が照射され、ランプより横方向に対しては傾斜部329bより光が照射されることとなる。
【0083】よって、ランプの光を横に広がるように照射したい場合には、平面部329aの一部に偏光機能を持たせた上で、傾斜部329bを透光性の高い透明なカバーとすることで光を庫内の横方向へと拡散させる効果を奏することができる。
【0084】また、このLEDは指向性の広いタイプのものを使用することで、光が真っ直ぐに照射されずに、さらに光を横方向へ拡散させる効果を高めることが可能である。
【0085】なお、偏光機能を有する構成の中でも、この梨地加工等は透明なカバー329と比較して、カバー内部の部品等が見えにくく、制御基盤やそれに付属する配線等を目隠しする作用もあるので、偏光効果による拡散性を高めるとともに、使用者からの目線が届きやすい場所に梨地加工を施すことでカバー329の内部が見えにくく、光源313の品位を高めることができるという効果も有する。
【0086】#8さらに、光源用基盤328を覆うカバー329は切替室306天面との間にガスケット330を介して庫内に対して略密閉となるように設置されているので、制御基盤やLED等の材料から放出する臭気が庫内に漏れるのを防ぐ役割もある。また、カバー329内に備えられる制御基盤やLEDは、それを構成する材料においても一般的に用いられるフェノール等の臭気の強い物質を使用せず、万が一カバー329の密閉状態が低下した場合でも、庫内の食品等への臭い移り等が生じないような物質を用いるのが望ましい。
【0087】ここで、本実施の形態の切替室を用いて、動物性食品の抗菌効果を確認した実験結果について説明する。
【0088】図6は、本実施の形態における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示した図であり、切替室306内において、庫内温度−1℃の設定で切替室306に一般的によく保存される食品として選出された生サケをサンプルとして、紫外LED326を照射しながら保存し、紫外LED326の照射量を変えることによって、7日間保存した時の生菌数の変化を示している。横軸に紫外LED326の照射量、縦軸に生サケ1週間保存後の生菌数を示している。その結果、紫外LED326の照射量と抗菌性には有意な相関性を確認でき、紫外LED326の照射量が強いほど、生菌数の増加は抑制されていることが示された。
【0089】また、家庭用の冷蔵庫においては抗菌性能と共に、紫外LED326の照射量を人体への有害性が極めて低く、使用者の安全性上問題ないレベルに設定することが望ましい。
【0090】#4一方で、チルドやパーシャル温度帯では、保存される食品は凍結していないか、もしくは微凍結の状態であるため、細胞内のタンパク質の酵素活性は維持される。例えば、保存食品として肉や魚を用いた場合、それらの細胞内のタンパク質分解に伴う、遊離アミノ酸の生成に寄与するアミノペプチダーゼの活性は十分に高く(図示せず)、このことは保存期間中に旨味成分であるアミノ酸が増加することを意味する。従って、本実施の形態3においては、氷結率が70%以下の微凍結状態である為、氷の結晶がある程度以上に成長しないため細胞破壊がなく品質劣化が発生しにくいパーシャルフリージングやチルド温度での保存時に、さらに、紫外LED26による紫外線領域の波長を照射することで、細菌による腐敗を抑制することが可能となり、保存性を向上することが可能である、またこれらの温度帯の保存は、解凍時にドリップを抑制でいるためさらに美味しさが向上する。また、チルドやパーシャル温度設定時に、肉や魚以外の食品で、例えばりんごや、ブルーベリー、いちご、青しそ、ブロッコリ、なす、紫いもなどに多く含まれる生体内の赤い植物色素であるアントシアニンの生成を最も促進させることが可能であるほか、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切替室6の保存性能を高める効果も得られる。
【0091】以上の様に、本発明にかかる冷蔵庫は、波長が長く比較的安全な紫外AおよびB領域である280nmから400nmの範囲の波長を持つLEDおよび、それとともに、400nm以上の可視領域の波長を持つLEDで構成する光源13から照射される光によって、切替室6内の抗菌性を高め、さらには、しらすぼしなどビタミンD前駆体を含む食品のビタミンDが増大するなど機能性を高め、切替室6の保存性能を高める向上させたものである。よって、保存性能を高めることを目的とする、機器においても適用することができ、例えばショーケースやクーラーボックス、業務用冷蔵庫などの保存性の向上に対して利用することができる。
【0092】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態3における光源の断面図 本発明の実施の形態3における生サケ7日間保存時の紫外LED照射量と生菌数の関係を示す図 従来の冷蔵庫の正面図
【0093】1,201,301 本体 2,202,302 冷蔵室 3,203,303 冷凍室 4 野菜室 6,206,306 切り替え室(貯蔵室) 12,212,312 機械室 13,213,313 光源 16 圧縮機 20 蒸発器
周辺冷蔵庫
特開2018-084358 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 柴田 舞子、松本 真理子 / 出願日: 2016-11-22 / 公開日: 2018-05-31 / 検索30位 / 紫外光で防御反応を促す派
アプローチ: 扉閉鎖後の紫外光照射で菌増殖抑制 野菜室の扉が閉じたことを検知した後、315〜380nmの紫外光を一定時間照射して菌の増殖を抑え、収納物の腐敗を抑制する。収納物の有無で照射時間も変える。
▸ 示唆: 扉閉鎖後に光を当てる制御は共通だが、目的は殺菌で光質も紫外であり、メモの白色光と遠赤色光の比率設計とは関係が薄い。
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【0001】この発明は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】冷蔵庫においては、断熱区画された貯蔵室を備えた本体を備え、貯蔵室は内部に複数の区画を有し、複数の区画の少なくとも1つに紫外領域の波長を有する光源としてLEDを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】特開2007−003174号公報
【0004】しかしながら、特許文献1に示されるような冷蔵庫は、貯蔵室の内部に紫外光を照射するタイミングについては十分に考慮されていない。このため、貯蔵室の内部に入り込んだ菌類等の微生物が、紫外光が照射される前に一時的に増殖し、貯蔵室の内部の食品に付着してしまう可能性がある。また、逆に、不必要な紫外光の照射により、余計なエネルギー消費が生じる可能性もある。
【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、適切なタイミングで紫外光の照射を行い、不必要な紫外光の照射を抑制し、エネルギー消費量の削減を図りつつ、貯蔵室の内部における菌類等の微生物の増殖を効果的に抑制することができる冷蔵庫を得ることにある。
【0006】この発明に係る冷蔵庫は、食品を保存する貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉可能な扉と、前記扉の開閉を検知する開閉検知手段と、紫外光領域の波長を含む光を前記貯蔵室の内部に照射する紫外光源と、を備え、前記紫外光源は、前記扉が開いていることを前記開閉検知手段が検知している間は光の照射を停止し、前記扉が閉じたことを前記開閉検知手段が検知した後に光の照射を開始する。
【0007】この発明に係る冷蔵庫は、適切なタイミングで紫外光の照射を行い、不必要な紫外光の照射を抑制し、エネルギー消費量の削減を図りつつ、貯蔵室の内部における菌類等の微生物の増殖を効果的に抑制することができるという効果を奏する。
【0008】#10この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の野菜室部分を拡大して示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 紫外光(波長360nm)の照射時間と菌数の変化との関係の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の野菜室部分を拡大して示す縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の冷蔵室部分を拡大して示す縦断面図である。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の光照射制御のタイムチャートである。 この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の冷蔵室部分を拡大して示す縦断面図である。 この発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。
【0009】この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0010】実施の形態1. 図1から図7は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の野菜室部分を拡大して示す図、図4は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図5は冷蔵庫の光照射制御のタイムチャート、図6は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図、図7は紫外光(波長360nm)の照射時間と菌数の変化との関係の一例を示す図である。
【0011】なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
【0012】(冷蔵庫の構成) この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
【0013】図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
【0015】冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
【0016】冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉7が設けられている。ここでは、冷蔵室扉7は両開き式(観音開き式)であり、右扉7a及び左扉7bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の冷蔵室扉7(例えば、左扉7b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部6a及び表示部6bを備えている。操作部6aは、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部6bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。操作パネル6は、操作部6aと表示部6bを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。
【0017】冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
【0018】また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる上段収納ケース11及び下段収納ケース10が引き出し自在に格納されている。
【0019】(冷却機構) 冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0020】冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
【0021】送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
【0022】風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することで調節することができる。
【0023】以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
【0024】冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置8が収容されている。制御装置8には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置8が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置8は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ等により検知することができる。
【0025】(野菜室の構成) 図3は、冷蔵庫1が備える野菜室500部分の断面図である。野菜室500は、食品、特に野菜を保存する貯蔵室である。野菜室扉9は、貯蔵室である野菜室500を開閉可能な扉である。下段収納ケース10は、野菜室扉9のフレーム(図示せず)によって支持されている。下段収納ケース10の上側には、上段収納ケース11が載置されている。野菜室扉9を前方へと引き出すと、下段収納ケース10及び上段収納ケース11が野菜室扉9と一体となって前方へと引き出される。野菜室扉9を引き出した状態で、上段収納ケース11だけを後方へスライドすると、下段収納ケース10だけが引き出された状態となる。下段収納ケース10だけが引き出された状態では、下段収納ケース10に食品を出し入れすることができる。
【0026】冷蔵庫1は、扉開閉検知スイッチ20を備えている。扉開閉検知スイッチ20は、野菜室扉9の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ20は、野菜室500の前面開口の縁部における野菜室扉9と対向する位置に設けられている。扉開閉検知スイッチ20は、例えば、一般的なマグネット方式のスイッチである。すなわち、例えば、野菜室扉9に埋め込まれた磁石の近接を、冷蔵庫1本体側の断熱箱体90に設置された一対のリードスイッチによって検出する。この発明の実施の形態1における扉開閉検知スイッチ20は、野菜室扉9の開閉を検知する開閉検知手段を構成している。
【0027】#8野菜室500内部の背面部には、サーミスタ13及び発光部14が取り付けられている。サーミスタ13は、野菜室500内の温度を検知する。発光部14は、貯蔵室である野菜室500の内部に光を照射可能である。この実施の形態1においては、発光部14が照射する光は、紫外光領域の波長を含む光である。具体的には、発光部14は、315nm以上380nm以下の波長を含む光を照射する。特に、発光部14が照射する光のスペクトルが315nm以上380nm以下の波長範囲にピークがあるような分布であるとよい。このようにして、この発明の実施の形態1における発光部14は、紫外光領域の波長を含む光を貯蔵室である野菜室500の内部に照射する紫外光源を構成している。
【0028】ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、発光部14は、この開口部15を通して下段収納ケース10の内部に紫外光を照射できるようになっている。なお、下段収納ケース10の少なくとも開口部15に相当する部分に発光部14から照射される紫外光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0029】(冷蔵庫の制御系統) 図4は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置8は、例えばマイクロコンピュータを備えており、プロセッサ8a及びメモリ8bを備えている。制御装置8は、メモリ8bに記憶されたプログラムをプロセッサ8aが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0030】制御装置8には、サーミスタ13から野菜室500の内部の温度の検知信号が入力される。また、制御装置8には、操作パネル6の操作部6aからの操作信号も入力される。さらに、制御装置8には、扉開閉検知スイッチ20からの検知信号も入力される。
【0031】#1制御装置8は、入力された信号に基づいて、野菜室500の内部が設定された温度に維持されるように、圧縮機2及び送風ファン4等の動作を制御する処理を実行する。また、制御装置8は、発光部14へと制御信号を出力して発光部14の発光動作についても制御する。さらに、制御装置8は、操作パネル6の表示部6bに表示信号を出力して、表示部6bの表示動作も制御する。
【0032】(光照射制御) 次に、図5を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が開いていることが検知されている間は、発光部14からの紫外光の照射を停止させる。すなわち、制御装置8の制御により、発光部14は、野菜室扉9が開いていることを扉開閉検知スイッチ20が検知している間は光の照射を停止する。
【0033】そして、制御装置8は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が閉じたことが検知された後に、発光部14からの紫外光の照射を開始させる。すなわち、制御装置8の制御により、発光部14は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した後に光の照射を開始する。なお、ここでいう「野菜室扉9が閉じたこと」とは、野菜室扉9が開いた状態から、閉じた状態へと移行したことを指している。
【0034】また、制御装置8は、発光部14の紫外光照射開始後、予め設定された継続時間ΔTが経過するまで発光部14に紫外光を継続して照射させる。照射開始から継続時間ΔTが経過したら、制御装置8は、発光部14からの紫外光の照射を停止させる。すなわち、制御装置8の制御により、発光部14は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した後に、予め設定された継続時間ΔTだけ光を照射する。継続時間ΔTは、具体的に例えば2時間である。
◆ この文献の解決アプローチ
扉閉鎖後の紫外光照射で菌増殖抑制
文献: 制御装置8は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が閉じたことが検知された後に、発光部14からの紫外光の照射を開始させる。
扉閉鎖後に光を当てる制御は共通だが、目的は殺菌で光質も紫外であり、メモの白色光と遠赤色光の比率設計とは関係が薄い。
【0035】#2次に、以上のように構成された冷蔵庫1が備える発光部14の制御に係る一連の流れについて、図6のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS101において、制御装置8は、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS101の確認処理が繰り返される。そして、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS102へと進む。
【0036】ステップS102においては、制御装置8は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS102の確認処理が繰り返される。そして、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS103へと進む。
【0037】ステップS103においては、制御装置8は、タイマーの変数tの値を0にセットする。このタイマーの変数tは、経過時間をカウントするためのものである。なお、タイマー機能は、例えば、制御装置8に内蔵されている。ステップS103の後は、処理はステップS104へと進む。
【0038】ステップS104においては、制御装置8は、発光部14をONにする。すなわち、制御装置8は発光部14を点灯させ、発光部14は紫外光の照射を開始する。ステップS104の後は、処理はステップS105へと進む。
【0039】#9ステップS105においては、制御装置8は、タイマーの変数tの値が、予め設定された継続時間ΔTになったか否かを確認する。未だ変数tが継続時間ΔTになっていない場合は、変数tが継続時間ΔTになるまで、このステップS105の確認処理が繰り返される。そして、ステップS103から継続時間ΔTが経過し、変数tが継続時間ΔTになった場合は、処理はステップS106へと進む。
【0040】ステップS106においては、制御装置8は、発光部14をOFFにする。すなわち、制御装置8は発光部14を消灯させ、発光部14は紫外光の照射を停止する。ステップS106の後は、処理はステップS101へと戻る。
【0041】(紫外光照射による作用) 次に、以上のような発光部14からの紫外光照射により期待される作用について説明する。紫外光には菌の増殖を抑制する作用がある。したがって、発光部14から紫外光を含む光を対象物に照射することにより、対象物における菌の増殖を抑制することができる。野菜室扉9が開くと、野菜室500の外部に浮遊する菌等が、野菜室500の内部に流入することが考えられる。そして、このとき、下段収納ケース10、又は、収納物である食品に菌が付着すると、食品の腐敗が促進されてしまう可能性がある。
【0042】この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1によれば、野菜室扉9の開閉後に紫外光を含む光を一定時間にわたって野菜室500の内部に照射することにより、野菜室500の内部に菌が流入した場合にも、菌の増殖を抑制することができる。したがって、野菜室500内を衛生的に保つことができ、収納された食品の腐敗を抑制し、食品を長持ちさせることが可能である。
【0043】ここで、前述したように、発光部14は、315nm以上380nm以下の波長を含む光を照射する。図7に示すのは、波長360nmの光を照射したときの菌数の経時変化である。波長360nmというのは紫外光では比較的長い波長である。同図に示すように、比較的長い波長の紫外光であっても2時間程度、照射することで、生菌数を2桁減少(99%減)させることができる。
【0044】したがって、前述したように継続時間ΔTを2時間に設定することで、菌の増殖を十分に抑制でき、かつ、その後に光の照射を停止して、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。また、315nm以上380nm以下という紫外光領域のうちでも波長が比較的長い光を用いることにより、野菜室500内の樹脂製部品、食品の包装材等の劣化が起きにくくすることができる。すなわち、冷蔵庫1及び収納物の包装材等に使用されたプラスチック樹脂等の劣化を抑えつつも、菌の増殖を十分に抑制することができる。
【0045】さらに、野菜室扉9が閉じられたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した後に紫外光の照射を開始することにより、野菜室扉9が開いた状態で紫外光を照射することがない。したがって、紫外光が直接に又は反射して使用者に当たってしまうことを未然に防止することができる。
【0046】以上のように構成された冷蔵庫は、食品を保存する貯蔵室である例えば野菜室500と、貯蔵室を開閉可能な扉である例えば野菜室扉9と、扉の開閉を検知する開閉検知手段である扉開閉検知スイッチ20と、紫外光領域の波長を含む光を貯蔵室の内部に照射する紫外光源である発光部14と、を備えている。そして、紫外光源は、扉が開いていることを開閉検知手段が検知している間は光の照射を停止し、扉が閉じたことを開閉検知手段が検知した後に光の照射を開始する。
【0047】このため、貯蔵室の扉が開いている間は、紫外光源を消灯して余計なエネルギーの消費を抑制することができる。そして、貯蔵室の扉が閉じられた後に、紫外光源を点灯することで、貯蔵室の扉の開閉で貯蔵室の内部に侵入した可能性のある菌類等の微生物の増殖を抑制することが可能である。したがって、適切なタイミングで紫外光の照射を行い、不必要な紫外光の照射を抑制し、エネルギー消費量の削減を図りつつ、貯蔵室の内部における菌類等の微生物の増殖を効果的に抑制することができる。そして、庫内を衛生的に保ち、食品の保存性を高めることが可能である。
【0048】実施の形態2. 図8から図13は、この発明の実施の形態2に係るもので、図8は冷蔵庫の野菜室部分を拡大して示す縦断面図、図9は冷蔵庫が備える発光部の構成を示す図、図10は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図11は冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図、図12は冷蔵庫の光照射制御のタイムチャート、図13は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。
【0049】ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、貯蔵室の内部に収納物がない場合の紫外光の照射継続時間を、貯蔵室の内部に収納物がある場合の紫外光の照射継続時間より短くなるようにしたものである。以下、この実施の形態2に係る冷蔵庫について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0050】図8に示すように、この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫1は、庫内カメラ16を備えている。庫内カメラ16は、冷蔵庫1の貯蔵室、ここでは野菜室500の内部を撮影して貯蔵室画像を出力するカメラである。庫内カメラ16は、例えば、野菜室500内部の背面部に発光部14と並べて配置されている。ここでは、下段収納ケース10の背面における発光部14に対向する部分に開口部15が形成されている。そして、庫内カメラ16は、開口部15を通して下段収納ケース10の内部を撮影できるようになっている。
【0051】なお、庫内カメラ16の設置場所は、野菜室500内部の背面部に限られない。庫内カメラ16は、野菜室500内部の食品等の収納物を撮影できる位置であればどこに設置してもよい。また、庫内カメラ16の設置数は1つに限られず、庫内カメラ16を複数設置してもよい。庫内カメラ16を複数設置することで、野菜室500内に収納された食品等により視野が遮られて死角が生じることを抑制することができる。
【0052】(発光部の構成) この実施の形態2に係る発光部14は、図9に示すように、第1の光源17a及び第2の光源17bを備えている。第1の光源17aは、可視光を照射可能である。ここでは、第1の光源17aは、例えば、3種類の発光素子を備えた白色LEDであるとする。第1の光源17aが備える3種類の発光素子は、例えば、光の三原色、すなわち、赤色、緑色、青色の光をそれぞれ発する。そして、これら三原色の発光素子の全てが定格出力で同時点灯した際に、第1の光源17aが白色の光を発するように構成されている。
【0053】#4第2の光源17bは、貯蔵室である野菜室500の内部に光を照射可能である。第2の光源17bが照射する光は、紫外光領域の波長を含む光である。具体的には、第2の光源17bは、315nm以上380nm以下の波長を含む光を照射する。特に、第2の光源17bが照射する光のスペクトルが315nm以上380nm以下の波長範囲にピークがあるような分布であるとよい。このようにして、この発明の実施の形態2における第2の光源17bは、紫外光領域の波長を含む光を貯蔵室である野菜室500の内部に照射する紫外光源を構成している。発光部14が備える第1の光源17a及び第2の光源17bは、それぞれが独立して、点灯及び消灯することができるように構成されている。
【0054】(冷蔵庫の制御系統) 図10は、この発明の実施の形態2に係る冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置8には、サーミスタ13、操作部6a及び扉開閉検知スイッチ20からの信号に加え、庫内カメラ16から出力された貯蔵室画像が入力される。また、制御装置8は、圧縮機2、送風ファン4、発光部14及び表示部6bに加えて、庫内カメラ16へも制御信号を出力し、庫内カメラ16の撮影動作等を制御する。
【0055】制御装置8は、野菜室扉9が開閉された時に庫内カメラ16に野菜室500内を撮影させる。野菜室扉9が開閉されると、野菜室500内の食品が出し入れされ、野菜室500内の収納状態が変化する可能性があるためである。制御装置8は、例えば、開かれていた野菜室扉9が閉じられたことを扉開閉検知スイッチ20が検知すると、発光部14の第1の光源17aを点灯させる。そして、制御装置8は、第1の光源17aにより野菜室500内が照明されている間に、庫内カメラ16に撮影させる。
【0056】(制御装置の構成) 次に、図11を参照しながら、この発明の実施の形態2に係る制御装置8の構成について説明する。同図に示すように、制御装置8は、発光制御部31及び収納物検出部32を備えている。発光制御部31は、前述した制御装置8による各種制御のうち、特に発光部14の発光動作制御を担う。発光制御部31は、発光部14が備える第1の光源17a及び第2の光源17bの点灯及び消灯を、それぞれの光源について個別に制御することが可能である。
【0057】収納物検出部32は、庫内カメラ16が撮影した貯蔵室画像に基づいて、野菜室500の内部に収納された食品等の収納物の有無を検出する。制御装置8には、下段収納ケース10内に収納物がない状態で庫内カメラ16が撮影した貯蔵室画像(以下、これを「初期画像」という)が予め記憶されている。そして、収納物検出部32は、庫内カメラ16により撮影された貯蔵室画像と、初期画像との差分をとることにより、下段収納ケース10内の収納物の有無を判定する。
【0058】具体的に例えば、収納物検出部32は、まず、貯蔵室画像及び初期画像のそれぞれを画素単位に分割し、各画素を当該画素の位置を表す画素座標(x、y)により指定できるようにする。そして、貯蔵室画像及び初期画像の同一の画素座標の画素同士の例えば輝度L(x、y)を比較する。同一の画素座標における貯蔵室画像の輝度L(x、y)と初期画像の輝度L(x、y)との差が、予め設定された基準値以上となる画素座標(x、y)が存在する場合、収納物検出部32は、下段収納ケース10内に収納物があることを検出する。一方、同一の画素座標における貯蔵室画像の輝度L(x、y)と初期画像の輝度L(x、y)との差が、予め設定された基準値以上となる画素座標(x、y)が存在する場合、すなわち、輝度L(x、y)の差が全ての画素座標(x、y)で前記基準値未満である場合、収納物検出部32は、下段収納ケース10内に収納物がないことを検出する。
【0059】このようにして、この発明の実施の形態2に係る庫内カメラ16及び収納物検出部32は、貯蔵室の内部に収納された収納物の有無を検出する収納物検出手段を構成している。なお、収納物検出手段の構成は、ここで説明した例に限られない。他に例えば、貯蔵室内の収納物の重量を検出する重量センサ、又は、貯蔵室内の照度を検出する照度センサを利用して収納物検出手段を構成すること等が考えられる。
【0060】(光照射制御) 次に、図12を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8の発光制御部31は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が開いていることが検知されている間は、第1の光源17a及び第2の光源17bの両方について、光の照射を停止させる。
【0061】#3そして、発光制御部31は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が閉じたことが検知されると、発光部14の第1の光源17aからの可視光の照射を開始させる。次に、制御装置8は、庫内カメラ16に貯蔵室画像を撮影させる。その後、発光制御部31は、発光部14の第1の光源17aからの可視光の照射を停止させる。このようにして、制御装置8は、第1の光源17aからの可視光で照らされた明るい貯蔵室内の様子を、庫内カメラ16により撮影させる。そして、制御装置8の収納物検出部32は、庫内カメラ16により撮影された貯蔵室画像に基づいて、貯蔵室の収納物の有無を検出する。
【0062】続いて、発光制御部31は、発光部14の第2の光源17bからの紫外光の照射を開始させる。すなわち、制御装置8の制御により、第2の光源17bは、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した後に紫外光の照射を開始する。
【0063】発光制御部31は、第2の光源17bの紫外光照射開始後、予め設定された継続時間ΔTが経過するまで第2の光源17bに紫外光を継続して照射させる。ここで、収納物があることを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第1の継続時間ΔT1に設定される。すなわち、発光部14の第2の光源17bは、収納物があることを収納物検出部32が検出した場合は、予め設定された第1の継続時間ΔT1だけ光を照射する。
【0064】一方、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第2の継続時間ΔT2に設定される。すなわち、発光部14の第2の光源17bは、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合は、予め設定された第2の継続時間ΔT2だけ光を照射する。
【0065】#7第2の継続時間ΔT2は、第1の継続時間ΔT1より短い。すなわち、収納物がないことを収納物検出手段が検出した場合の継続時間ΔTは、収納物があることを収納物検出手段が検出した場合の継続時間ΔTより短い。第1の継続時間ΔT1は、具体的に例えば、4時間に設定される。第2の継続時間ΔT2は、具体的に例えば、2時間に設定される。そして、照射開始から継続時間ΔT(=ΔT1 or ΔT2)が経過したら、発光制御部31は、第2の光源17bからの紫外光の照射を停止させる。 なお、他の構成については実施の形態1と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0066】次に、以上のように構成された冷蔵庫1が備える発光部14及び庫内カメラ16の制御に係る一連の流れについて、図13のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS201において、制御装置8は、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS201の確認処理が繰り返される。そして、野菜室扉9が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS202へと進む。
【0067】ステップS202においては、制御装置8は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS202の確認処理が繰り返される。そして、野菜室扉9が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS203へと進む。
【0068】ステップS203においては、発光制御部31は、第1の光源17aを点灯させ、第1の光源17aからの可視光の照射を開始させる。ステップS203の後は、処理はステップS204へと進む。
【0069】ステップS204においては、制御装置8は、庫内カメラ16の電源をONにし、庫内カメラ16の動作を開始させる。そして、制御装置8は、庫内カメラ16に貯蔵室画像を撮影させる。ステップS204の後は、処理はステップS205へと進む。
【0070】ステップS205においては、制御装置8は、庫内カメラ16の電源をOFFにして、庫内カメラ16の動作を停止させる。ステップS205の後は、処理はステップS206へと進む。
【0071】ステップS206においては、発光制御部31は、第1の光源17aを消灯させ、第1の光源17aからの可視光の照射を停止させる。ステップS206の後は、処理はステップS207へと進む。
【0072】ステップS207においては、収納物検出部32は、ステップS204で庫内カメラ16が撮影した貯蔵室画像について、初期画像と比較する画像演算処理を実行する。そして、収納物検出部32は、この比較結果に基づいて貯蔵室の収納物の有無を検出する。ステップS207の後は、処理はステップS208へと進む。
【0073】ステップS208においては、制御装置8は、タイマーの変数tの値を0にセットする。ステップS208の後は、処理はステップS209へと進む。ステップS209においては、発光制御部31は、第2の光源17bをONにする。すなわち、発光制御部31は第2の光源17bを点灯させ、第2の光源17bは紫外光の照射を開始する。ステップS209の後は、処理はステップS210へと進む。
【0074】ステップS210においては、発光制御部31は、ステップS207で貯蔵室に収納物があることを収納物検出部32が検出したか否かを確認する。収納物があることを収納物検出部32が検出した場合は、処理はステップS211へと進む。この場合、第2の光源17bが紫外光を照射する継続時間ΔTは、第1の継続時間ΔT1に設定される。したがって、ステップS211においては、発光制御部31は、タイマーの変数tの値が、第1の継続時間ΔT1になったか否かを確認する。未だ変数tが第1の継続時間ΔT1になっていない場合は、変数tが第1の継続時間ΔT1になるまで、このステップS211の確認処理が繰り返される。そして、ステップS208から第1の継続時間ΔT1が経過し、変数tが第1の継続時間ΔT1になった場合は、処理はステップS212へと進む。
【0075】ステップS212においては、発光制御部31は、第2の光源17bをOFFにする。すなわち、発光制御部31は第2の光源17bを消灯させ、第2の光源17bは紫外光の照射を停止する。ステップS212の後は、処理はステップS201へと戻る。
【0076】一方、ステップS210で、収納物があることを収納物検出部32が検出しない場合、すなわち、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合処理はステップS213へと進む。この場合、第2の光源17bが紫外光を照射する継続時間ΔTは、第2の継続時間ΔT2に設定される。したがって、ステップS213においては、発光制御部31は、タイマーの変数tの値が、第2の継続時間ΔT2になったか否かを確認する。未だ変数tが第2の継続時間ΔT2になっていない場合は、変数tが第2の継続時間ΔT2になるまで、このステップS213の確認処理が繰り返される。そして、ステップS208から第2の継続時間ΔT2が経過し、変数tが第2の継続時間ΔT2になった場合は、処理はステップS212へと進み第2の光源17bからの紫外光の照射が停止された後、処理はステップS201へと戻る。
【0077】以上のように構成された実施の形態2に係る冷蔵庫は、貯蔵室内の収納物の有無に応じて、紫外光を照射する時間を変更する。したがって、実施の形態1と同様の効果を奏することができるのに加えて、収納物がある場合には、紫外光を照射する時間を十分にとることにより、収納物に菌が付着していた場合にも、その増殖を抑制して食品を長持ちさせることができる。また、収納物がない場合にも、扉開閉後は、紫外光の照射をすぐに停止するのではなく、収納物がある場合よりも短い時間だけ紫外光の照射することにより、エネルギー消費量の削減を図りつつ、収納ケース等に付着した菌の増殖を抑制し、庫内を衛生的に保つことができる。
【0078】実施の形態3. 図14から図18は、この発明の実施の形態3に係るもので、図14は冷蔵庫の冷蔵室部分を拡大して示す縦断面図、図15は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図16は冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図、図17は冷蔵庫の光照射制御のタイムチャート、図18は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。
【0079】ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、貯蔵室の内部に収納ケースがない場合には紫外光を照射せず、貯蔵室の内部に収納ケースがある場合に紫外光を照射するようにしたものである。以下、この実施の形態3に係る冷蔵庫について、実施の形態1をもとにした場合を例として挙げて実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0080】実施の形態1及び実施の形態2においては、食品を保存する貯蔵室として野菜室500を例に挙げて説明した。これに対し、ここで説明する実施の形態3では、貯蔵室として冷蔵室100を例に挙げる。図14に示すように、貯蔵室である冷蔵室100の内部における一部分は、区画されて低温室18が形成されている。ここでは、低温室18は、冷蔵室100の最下部に設けられている。低温室18は、冷蔵室100の一部である。
【0081】低温室18は、冷蔵室100の低温室18以外の部分よりも低温であり、かつ、0℃以上に維持される貯蔵空間である。低温室18の内部には、食品等を内部に収納できる低温室収納ケース19が引き出し自在に格納されている。低温室収納ケース19を低温室18の内部に収容すると、低温室18はほぼ密閉される。低温室収納ケース19を低温室18の内部から完全に引き出すと、低温室収納ケース19を低温室18及び冷蔵室100から取り外すことができる。すなわち、低温室収納ケース19は、冷蔵室100の内部に着脱可能に設けられている。
【0082】この実施の形態3においては、扉開閉検知スイッチ20は、冷蔵室扉7の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ20は、冷蔵室100の前面開口の縁部における冷蔵室扉7と対向する位置に設けられている。この発明の実施の形態3における扉開閉検知スイッチ20は、冷蔵室扉7の開閉を検知する開閉検知手段を構成している。
【0083】低温室18内部の背面部には、発光部14が取り付けられている。発光部14は、貯蔵室である冷蔵室100の特に低温室18の内部に光を照射可能である。この発明の実施の形態3における発光部14は、紫外光領域の波長を含む光を貯蔵室である冷蔵室100の特に低温室18の内部に照射する紫外光源を構成している。
【0084】低温室18の底面部には、重量センサ21が設けられている。重量センサ21は、低温室18の内部にある物の重量を検出する。具体的には、低温室収納ケース19が低温室18の内部にある場合、重量センサ21は、低温室収納ケース19の重量を検出する。また、この際に、低温室収納ケース19の内部に食品等の収納物がある場合、重量センサ21は、低温室収納ケース19の重量と低温室収納ケース19の重量との合計を検出する。重量センサ21は、重量の検出結果を重量検出信号として出力する。
【0085】(冷蔵庫の制御系統) 図15は、この発明の実施の形態3に係る冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置8には、サーミスタ13、操作部6a及び扉開閉検知スイッチ20からの信号に加え、重量センサ21から出力された重量検出信号が入力される。
【0086】(制御装置の構成) 次に、図16を参照しながら、この発明の実施の形態3に係る制御装置8の構成について説明する。同図に示すように、制御装置8は、発光制御部31、収納物検出部32及び収納ケース検出部33を備えている。発光制御部31は、前述した制御装置8による各種制御のうち、特に発光部14の発光動作制御を担う。
【0087】収納物検出部32は、重量センサ21から出力された重量検出信号に基づいて、冷蔵室100の特に低温室18の内部に収納された食品等の収納物の有無を検出する。収納ケース検出部33は、重量センサ21から出力された重量検出信号に基づいて、冷蔵室100の特に低温室18の内部における低温室収納ケース19の有無を検出する。
【0088】制御装置8には、低温室18内に何もない状態、すなわち、低温室収納ケース19がなく、かつ、低温室収納ケース19内に収納物がない状態における重量センサ21の出力値が予め記憶されている。ここでは、制御装置8には、低温室18内に何もない状態で重量センサ21からの出力値が「0」になるように予め校正されている。また、制御装置8には、低温室18内に低温室収納ケース19だけがあり、低温室収納ケース19内に収納物がない状態における重量センサ21の出力値W0も予め記憶されている。
【0089】収納物検出部32は、重量センサ21からの出力値がW0よりも大きい場合に、冷蔵室100の特に低温室18の内部に収納物があることを検出する。一方、重量センサ21からの出力値がW0以下の場合には、収納物検出部32は、冷蔵室100の特に低温室18の内部に収納物がないことを検出する。
【0090】また、収納ケース検出部33は、重量センサ21からの出力値がW0以上である場合に、冷蔵室100の特に低温室18の内部に低温室収納ケース19があることを検出する。一方、重量センサ21からの出力値が0である場合には、収納ケース検出部33は、冷蔵室100の特に低温室18の内部に低温室収納ケース19がないことを検出する。
【0091】このようにして、この発明の実施の形態3に係る重量センサ21及び収納物検出部32は、貯蔵室の内部に収納された収納物の有無を検出する収納物検出手段を構成している。また、この発明の実施の形態3に係る重量センサ21及び収納ケース検出部33は、貯蔵室の内部における収納ケースの有無を検出する収納ケース検出手段を構成している。なお、収納物検出手段及び収納ケース検出手段の構成は、ここで説明した例に限られない。他に例えば、実施の形態2で説明した貯蔵室画像を撮影する庫内カメラを利用して収納物検出手段及び収納ケース検出手段を構成してもよい。
【0092】(光照射制御) 次に、図17を参照しながら、制御装置8による発光部14の発光動作制御について説明する。制御装置8の発光制御部31は、扉開閉検知スイッチ20により冷蔵室扉7が開いていることが検知されている間は、発光部14からの光の照射を停止させる。
【0093】扉開閉検知スイッチ20により冷蔵室扉7が閉じたことが検知された場合、収納ケース検出部33が低温室18の内部に低温室収納ケース19がないことを検出しているときには、発光制御部31は、発光部14からの紫外光の照射を停止させたままにする。
【0094】一方、扉開閉検知スイッチ20により冷蔵室扉7が閉じたことが検知された場合に、収納ケース検出部33が低温室18の内部に低温室収納ケース19があることを検出していれば、発光制御部31は、発光部14からの紫外光の照射を開始させる。すなわち、制御装置8の制御により、発光部14は、冷蔵室扉7が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した後、収納ケース検出部33が低温室18の内部に低温室収納ケース19があることを検出している場合に、紫外光の照射を開始する。
【0095】発光制御部31は、発光部14の紫外光照射開始後、予め設定された継続時間ΔTが経過するまで発光部14に紫外光を継続して照射させる。ここで、収納物があることを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第1の継続時間ΔT1に設定される。すなわち、重量センサ21が検出した重量がW0より大きい場合、発光部14は、予め設定された第1の継続時間ΔT1だけ光を照射する。
【0096】一方、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第2の継続時間ΔT2に設定される。すなわち、重量センサ21が検出した重量がW0である場合、発光部14は、予め設定された第2の継続時間ΔT2だけ光を照射する。
【0097】第2の継続時間ΔT2は、第1の継続時間ΔT1より短い。第1の継続時間ΔT1は、具体的に例えば、4時間に設定される。第2の継続時間ΔT2は、具体的に例えば、2時間に設定される。そして、照射開始から継続時間ΔT(=ΔT1 or ΔT2)が経過したら、発光制御部31は、発光部14からの紫外光の照射を停止させる。 なお、他の構成については実施の形態1と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0098】次に、以上のように構成された冷蔵庫1が備える発光部14の制御に係る一連の流れについて、図18のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS301において、制御装置8は、冷蔵室扉7が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。冷蔵室扉7が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、冷蔵室扉7が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS301の確認処理が繰り返される。そして、冷蔵室扉7が開いたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS302へと進む。
【0099】ステップS302においては、制御装置8は、冷蔵室扉7が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知したか否かを確認する。冷蔵室扉7が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知しない場合は、冷蔵室扉7が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知するまで、このステップS302の確認処理が繰り返される。そして、冷蔵室扉7が閉じたことを扉開閉検知スイッチ20が検知した場合は、処理はステップS303へと進む。
【0100】ステップS303においては、制御装置8は、重量センサ21の検出結果に基づいて、低温室収納ケース19の状況を判定する。すなわち、重量センサ21から出力された重量検出信号に基づき、収納物検出部32は低温室18の内部における収納物の有無を検出し、収納ケース検出部33は低温室18の内部における低温室収納ケース19の有無を検出する。ステップS303の後は、処理はステップS304へと進む。
【0101】ステップS304においては、制御装置8は、ステップS303での低温室収納ケース19の状況判定において、低温室18の内部に低温室収納ケース19があることを収納ケース検出部33が検出したか否かを確認する。低温室収納ケース19があることを収納ケース検出部33が検出しない場合、すなわち、低温室収納ケース19がないことを収納ケース検出部33が検出した場合は、処理はステップS301へと戻る。一方、低温室収納ケース19があることを収納ケース検出部33が検出した場合は、処理はステップS305へと進む。
【0102】ステップS305においては、制御装置8は、タイマーの変数tの値を0にセットする。ステップS305の後は、処理はステップS306へと進む。ステップS306においては、発光制御部31は、発光部をONにする。すなわち、発光制御部31は発光部14を点灯させ、発光部14は紫外光の照射を開始する。ステップS306の後は、処理はステップS307へと進む。
【0103】ステップS307においては、発光制御部31は、ステップS303での低温室収納ケース19の状況判定において、低温室18の低温室収納ケース19に収納物があることを収納物検出部32が検出したか否かを確認する。収納物があることを収納物検出部32が検出した場合は、処理はステップS308へと進む。この場合、発光部14が紫外光を照射する継続時間ΔTは、第1の継続時間ΔT1に設定される。したがって、ステップS308においては、発光制御部31は、タイマーの変数tの値が、第1の継続時間ΔT1になったか否かを確認する。未だ変数tが第1の継続時間ΔT1になっていない場合は、変数tが第1の継続時間ΔT1になるまで、このステップS308の確認処理が繰り返される。そして、ステップS305から第1の継続時間ΔT1が経過し、変数tが第1の継続時間ΔT1になった場合は、処理はステップS309へと進む。
【0104】ステップS309においては、発光制御部31は、発光部14をOFFにする。すなわち、発光制御部31は発光部14を消灯させ、発光部14は紫外光の照射を停止する。ステップS309の後は、処理はステップS301へと戻る。
【0105】一方、ステップS307で、収納物があることを収納物検出部32が検出しない場合、すなわち、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合、処理はステップS310へと進む。この場合、発光部14が紫外光を照射する継続時間ΔTは、第2の継続時間ΔT2に設定される。したがって、ステップS310においては、発光制御部31は、タイマーの変数tの値が、第2の継続時間ΔT2になったか否かを確認する。未だ変数tが第2の継続時間ΔT2になっていない場合は、変数tが第2の継続時間ΔT2になるまで、このステップS310の確認処理が繰り返される。そして、ステップS305から第2の継続時間ΔT2が経過し、変数tが第2の継続時間ΔT2になった場合は、処理はステップS309へと進み発光部14からの紫外光の照射が停止された後、処理はステップS301へと戻る。
【0106】以上のように構成された実施の形態3に係る冷蔵庫は、貯蔵室内の収納ケースの有無に応じて、紫外光を照射するか否かを決定する。すなわち、貯蔵室から収納ケースが取り外された状態で当該貯蔵室の扉が閉じられ、貯蔵室内に収納ケースがない場合には、紫外光を照射しない。したがって、実施の形態1と同様の効果を奏することができるのに加えて、さらに、不必要な紫外光の照射を行わないようにして、エネルギー消費量のさらなる削減を図ることができる。また、貯蔵室内に収納ケースがある場合には、貯蔵室内の収納物の有無に応じて、紫外光を照射する時間を変更することで、前述した実施の形態2と同様の効果を奏することもできる。
【0107】#6加えて、低温室収納ケース19により、低温室18に略密閉空間を形成することで、低温室18内の保湿性能を向上することができる。このため、低温室18内の低温室収納ケース19に入れた食品は、包装なしでも乾燥することなく、高品質に保存することができる。一方で、保湿性能が高いと結露が生じ腐敗しやすい状況になることが知られている。この点については、低温室18内に発光部14から紫外光を照射することにより菌の増殖を抑制することで、保湿性と腐敗抑制とを両立することが可能である。
【0108】また、低温室収納ケース19を着脱自在とすることで、食品を入れた状態の低温室収納ケース19を、キッチン等の調理作業場又は食卓等に運ぶことができ、利便性が向上する。一方で、低温室収納ケース19を着脱可能とすることで、低温室収納ケース19に菌が付着する可能性が上がる。この点については、低温室収納ケース19に紫外光を照射することで菌の増殖を抑制し、利便性と腐敗抑制とを両立することができる。この際、冷蔵室扉7が閉鎖され、かつ、低温室18内に低温室収納ケース19がある場合に紫外光を照射するようにすることで、使用者が発光部14に触れられる状態で紫外光を照射されることを防止することができる。
【0109】実施の形態4. 図19から図22は、この発明の実施の形態4に係るもので、図19は冷蔵庫の冷蔵室部分を拡大して示す縦断面図、図20は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図21は冷蔵庫が備える制御装置の構成を示すブロック図、図22は冷蔵庫の光照射制御の流れを示すフロー図である。
【0110】ここで説明する実施の形態4は、前述した実施の形態1から実施の形態3のいずれかの構成において、特定の波長の光が照射されると励起されて活性化し、菌の増殖を抑制する作用を発揮する光触媒部を、貯蔵室及び収納ケースの一方又は両方に設けるとともに、光触媒部を励起するための光を照射する励起光源を設けるようにしたものである。以下、この実施の形態4に係る冷蔵庫について、実施の形態3の構成をもとにした場合を例に挙げて、実施の形態3との相違点を中心に説明する。
【0111】この実施の形態4に係る冷蔵庫1は、図19に示すように、光触媒部材22を備えている。同図に示す例は前述したように実施の形態3の構成がもとになっており、冷蔵室100には低温室18及び低温室収納ケース19が設けられている。そして、低温室収納ケース19の背面側の内面には、光触媒部材22が取り付けられている。光触媒部材22は、特定の波長の光が照射されると励起されて活性化する。そして、活性化した光触媒部材22は、低温室18内に浮遊する菌及び臭気物質を分解除去する作用を発揮する。
【0112】この実施の形態4においては、発光部14は、光触媒部材22を励起可能な前記特定の波長の光を含む光を照射する。この実施の形態4に係る発光部14は、光触媒部材22を励起可能な波長を含む光を貯蔵室の内部に照射する励起光源を構成している。
【0113】低温室収納ケース19の背面側の発光部14に対向する部分は、発光部14が照射する前記特定の波長の光を透過させる性質をもつ材料で構成されている。したがって、低温室18に低温室収納ケース19が収容された状態で、発光部14から照射された光が光触媒部材22に十分に当たるようになっている。また、前述した実施の形態3と同じく、低温室18の底面部には、重量センサ21が設けられている。重量センサ21は、低温室18の内部にある物の重量を検出する。
【0114】なお、発光部14が照射する光は、光触媒部材22を励起する光であれば、紫外光に限らず、可視光でも赤外光でもよい。また、光触媒部材22は、低温室18内の空気と光触媒とが接触する構成であればよい。具体的に例えば、光触媒をフィルタに担持させたり、光触媒を低温室収納ケース19に塗布したりして、光触媒部材22を構成してもよい。
【0115】(冷蔵庫の制御系統、制御装置の構成) 図20は、この発明の実施の形態4に係る冷蔵庫1の制御系統の構成を示すブロック図である。図21は、図20中の制御装置8の構成を示すブロック図である。これらの図に示すように、この実施の形態4に係る冷蔵庫1の制御系統及び制御装置8の構成は、前述した実施の形態3と同様である。すなわち、制御装置8には、サーミスタ13、操作部6a及び扉開閉検知スイッチ20からの信号に加え、重量センサ21から出力された重量検出信号が入力される。
【0116】#5また、制御装置8は、発光制御部31、収納物検出部32及び収納ケース検出部33を備えている。発光制御部31は、発光部14の発光動作制御を担う。収納物検出部32は、重量センサ21から出力された重量検出信号に基づいて、冷蔵室100の特に低温室18の内部に収納された食品等の収納物の有無を検出する。収納ケース検出部33は、重量センサ21から出力された重量検出信号に基づいて、冷蔵室100の特に低温室18の内部における低温室収納ケース19の有無を検出する。
【0117】前述した実施の形態3と同じく、この発明の実施の形態4に係る重量センサ21及び収納物検出部32は、貯蔵室の内部に収納された収納物の有無を検出する収納物検出手段を構成している。また、この発明の実施の形態4に係る重量センサ21及び収納ケース検出部33は、貯蔵室の内部における収納ケースの有無を検出する収納ケース検出手段を構成している。 なお、他の構成についても実施の形態3と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0118】(光照射制御) また、制御装置8による発光部14の発光動作制御についても、実施の形態3と同様である。すなわち、制御装置8の発光制御部31は、扉開閉検知スイッチ20により野菜室扉9が開いていることが検知されている間は、発光部14からの光の照射を停止させる。
【0119】また、扉開閉検知スイッチ20により冷蔵室扉7が閉じたことが検知された場合、収納ケース検出部33が低温室18の内部に低温室収納ケース19がないことを検出しているときには、発光制御部31は、発光部14からの励起光の照射を停止させたままにする。
【0120】一方、扉開閉検知スイッチ20により冷蔵室扉7が閉じたことが検知された場合に、収納ケース検出部33が低温室18の内部に低温室収納ケース19があることを検出していれば、発光制御部31は、発光部14からの励起光の照射を開始させる。
【0121】そして、発光制御部31は、発光部14の励起光照射開始後、予め設定された継続時間ΔTが経過するまで発光部14に励起光を継続して照射させる。ここで、収納物があることを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第1の継続時間ΔT1に設定される。一方、収納物がないことを収納物検出部32が検出した場合、継続時間ΔTは、第2の継続時間ΔT2に設定される。第2の継続時間ΔT2は、第1の継続時間ΔT1より短い。そして、照射開始から継続時間ΔT(=ΔT1 or ΔT2)が経過したら、発光制御部31は、発光部14からの励起光の照射を停止させる。
【0122】次に、以上のように構成された冷蔵庫1が備える発光部14の制御に係る一連の流れは、図22のフロー図に示すとおりである。同図のステップS401からS410は、実施の形態3で説明した図18のステップS301からS310のそれぞれと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。ただし、ステップS406では、発光部14から紫外光ではなく励起光の照射を開始する。そして、励起光の照射を受けた光触媒部材22が活性化され、活性化された光触媒部材22による除菌消臭作用が発揮される。また、ステップS409では、発光部14からの励起光の照射を停止する。
【0123】以上のように構成された冷蔵庫においても、実施の形態1から実施の形態3で前述したような効果と同様の効果を奏することができる。また、発光部14からの光で励起された光触媒部材22により、低温室18内に浮遊する菌及び臭気物質を分解除去し、低温室18を衛生的に保つことが可能である。
【0124】1 冷蔵庫 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風ファン 5 風路 6 操作パネル 6a 操作部 6b 表示部 7 冷蔵室扉 7a 右扉 7b 左扉 8 制御装置 9 野菜室扉 10 下段収納ケース 11 上段収納ケース 13 サーミスタ 14 発光部 15 開口部 16 庫内カメラ 17a 第1の光源 17b 第2の光源 18 低温室 19 低温室収納ケース 20 扉開閉検知スイッチ 21 重量センサ 22 光触媒部材 31 発光制御部 32 収納物検出部 33 収納ケース検出部 90 断熱箱体 100 冷蔵室 200 切替室 300 製氷室 400 冷凍室 500 野菜室 201 切替室収納ケース 401 冷凍室収納ケース
周辺冷蔵庫
特開2025-076925 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、添田 舞子、小池 成彦、石原 杏子 / 出願日: 2023-11-02 / 公開日: 2025-05-16 / 検索15位 / その他(分野が近いだけ)
アプローチ: UV励起蛍光による鮮度判定 登録した青果物の種類ごとに、UV光を当てて発する蛍光をカメラで測り、基準蛍光強度との差から鮮度保持日数を算出して使用者に通知する。
▸ 示唆: 光で鮮度を保つのではなく光で鮮度を測る検知用途で、メモの照射条件の設計とは関係が薄く、将来の鮮度評価手段として参考になる程度。
AIが精読したのは全50段落のうち検索が当てた10チャンク(31段落・62%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#9本開示は、冷蔵庫に関する。
【0002】家庭用冷蔵庫において、一般的に野菜室は5~10℃程度に保たれた低温庫になっており、それにより野菜あるいは果物などの青果物の呼吸を抑制・消耗を抑えて鮮度を保っている。
【0003】特許第5002980号公報
【0004】しかし、基本的に青果物には賞味期限あるいは消費期限がラベリングされておらず、消費者が経験的に鮮度を判断するしかなかった。青果物の鮮度を検知する手段として、保存中の青果物に短波長光を照射してその蛍光強度の変化から確認しようとする考えは公知である(例えば特許文献1参照)。しかし、それは青果物を特定したものであり、様々な青果物が収納される家庭用冷蔵庫で利用するには十分と言えない。それは、青果物によって鮮度による蛍光の強さあるいは変化が異なるためである。
【0005】本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、冷蔵庫で保存している様々な種類の青果物に対応して鮮度あるいは熟度の変化情報を使用者に提供できる冷蔵庫を提供することである。
【0006】本開示に係る冷蔵庫は、冷蔵温度帯の部屋に区画された収納室と、収納室に収納された食材の種類を登録する食材登録手段と、収納室に収納された食材に光を照射する光照射手段と、光照射手段から照射された光により食材から発する蛍光を受光する蛍光受光手段と、食材登録手段で登録された食材の種類と、蛍光受光手段の出力とから食材の状態を判定する食材状態判定手段と、を備えたものである。
【0007】本開示によれば、冷蔵庫で保存している様々な種類の青果物に対応して鮮度あるいは熟度の変化情報を使用者に提供できる冷蔵庫を提供することが可能となる。
◆ この文献の解決アプローチ
UV励起蛍光による鮮度判定
文献: 収納室に収納された食材の種類を登録する食材登録手段と、収納室に収納された食材に光を照射する光照射手段と、光照射手段から照射された光により食材から発する蛍光を受光する蛍光受光手段と
光で鮮度を保つのではなく光で鮮度を測る検知用途で、メモの照射条件の設計とは関係が薄く、将来の鮮度評価手段として参考になる程度。
【0008】実施の形態1に係る家庭用の冷蔵庫の断面側面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫に備えられた機器の電気的な接続図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御フローチャートである。 実施の形態1における制御パラメータの相関図である。 実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫の制御フローチャートである。 実施の形態1の変形例における制御パラメータの相関図である。 実施の形態1の他の変形例に係る冷蔵庫の制御フローチャートである。 実施の形態1の他の変形例における制御パラメータの相関図である。 実施の形態1における制御装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。
【0009】以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示に係る技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。
【0010】実施の形態1. 図1は、実施の形態1に係る家庭用の冷蔵庫の断面側面図、図2は、実施の形態1に係る冷蔵庫に備えられた機器の電気的な接続図、図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫の制御フローチャート、図4は、実施の形態1における制御パラメータの相関図である。
【0011】図1及び図2に示すように、本実施の形態の家庭用の冷蔵庫1は、圧縮機2と、冷却器3と、冷却器3の冷気を各部屋に送風する送風機4とを備える。冷却器3で冷やされた空気を送風機4で押し出し、送風ダクトを通り吹出口から各部屋へ冷気を送風する。各部屋内の収納物を冷却し暖められた空気は、各々の部屋に設けられた吸込口から戻りダクトを通じて冷却器3の下に戻り、冷却器3を通過して冷却され、再び各部屋へ送風される。
【0012】冷蔵庫1は、本体前面の扉に設けられた操作パネル5を備える。操作パネル5は、入力部5aと報知部5bとを備える。操作パネル5では、冷蔵庫1の使用者が冷蔵庫1の各部屋の温度調整などを指定できる。冷蔵庫1は、制御装置6を備える。制御装置6は、冷蔵庫1の各部屋に設けられた部屋温度検知用の部屋サーミスタ(図示せず)の出力あるいは操作パネル5の情報から、圧縮機2あるいは送風機4、風路各所に設けられたダンパ(図示せず)の動作を制御したり、外部機器との通信、例えばスマートフォンからの設定温度変更指示あるいは庫内状況確認などの情報を受送信したりする。
【0013】#8冷蔵庫1は、冷蔵室7と、冷蔵室7中に設けられたチルド室8と、操作パネル5で複数の設定温度を選択できる切替室9と、切替室9の隣にある製氷室(図示せず)と、冷凍室11と、野菜あるいは果物などの青果物あるいは2Lペットボトルなどを収納する野菜室12とを備える。各部屋は発泡ウレタンなどの断熱部材で仕切られている。冷蔵庫1は、野菜室12の扉に設けられた野菜室扉開閉センサ13を備える。野菜室扉開閉センサ13により、必要に応じて制御装置6で扉開時間または扉閉時間をカウントし様々な制御パラメータとして利用したり、扉開状態が一定時間以上続いた場合にブザー音などで冷蔵庫1の使用者に注意を喚起したりする。なお、今回は野菜室12以外図示しないが、各部屋にも同様に扉開閉を検知できるセンサが設けられている。野菜室12には、ナスあるいはトマトなどの小型の果菜類を収納する野菜室上ケース14と、大根あるいは白菜、スイカなどの大物野菜あるいはペットボトルを収納できる野菜室下ケース15とが設けられている。
【0014】冷蔵庫1は、鮮度検知手段16を備える。鮮度検知手段16は、光照射手段となる励起光を発するUV_LED16aと、食品からの蛍光量を測定する蛍光受光手段となるカメラ16bとから成る。本実施の形態において、励起光となる光は紫外~青色光(~500nm)の範囲で、望ましくはUV-A領域から青色領域(315~500nm)の短波長光、さらに望ましくはUV-A領域(315~400nm)の紫外光である。蛍光は可視光全域に渡って発光するため、蛍光受光手段は、励起波長を除く可視光全域の光を受光できる手段が望ましい。そこで本実施の形態の実現手段例としてカメラ16bを挙げたが、RGBセンサなど他の手段であってもよい。
【0015】#4鮮度検知手段16は、野菜室12の奥側の天井面に設けられている。これは、野菜室上ケース14に置かれた青果物を検知するための設置位置である。他の青果物を検知したい場合、別の位置に設けてもよいことは自明である。
【0016】蛍光とは、ある物質へ励起波長を含む光が照射された場合に、その物質が照射されたエネルギーに見合った励起状態になるものの不安定な状態にもなるため、その不安定な励起状態から安定した基底状態に戻るために放出される余剰なエネルギーの一形態である。一般的に、青果物に短波長光を照射すると蛍光を発する。蛍光を発する物質は青果物表面に存在しており、フラボノイド類の生成、リグニン生成、脂肪酸の酸化、でんぷんの性質変化、クロロフィルの分解など、蛍光する物質の種類は多様であり、どの物質がどの程度含まれているかは青果物によって異なるため、蛍光強度は青果物によって異なる。また、保存中に蛍光強度が増加するものと減少するものがある。このため、評価基準は各々の青果物で定めることが望ましい。
【0017】図3を用いて動作を説明する。実際の制御動作としては、まず、野菜室12に検知対象となる青果物を野菜室上ケース14に置き扉を閉め、冷蔵庫1の制御装置6と情報の授受ができるスマートフォンなどの入力装置で検知対象となる青果物名を入力する。この場合、制御装置6は、収納室である野菜室12に収納された食材の種類を登録する食材登録手段に相当する。
【0018】#10制御装置6は、入力された青果物名に応じて、当該青果物の鮮度変化に対応したデータを選択・設定する。具体的には、この実施例の制御では、制御装置6は、青果物の変化に伴う蛍光量の変化を確実に検知できる受光量を得るために、固定値としてカメラ16bの露光時間およびUV_LED16aの電流値、あらかじめ実験などで得た蛍光強度と鮮度保持日数との相関式および基準蛍光強度FL_bを選択・設定する(ステップS1)。
【0019】次に、制御装置6は、蛍光強度を検知する。蛍光強度を検知するには、扉が閉まって暗所となり、かつカメラ16bのレンズの曇りが取れた状態が望ましい。そのため、制御装置6は、扉閉から一定時間経過したことを、野菜室扉開閉センサ13の出力から確認し(ステップS2)、蛍光強度FLを測定して鮮度保持日数を算出する(ステップS3)。具体的には、制御装置6は、UV_LED16aを点灯し(ステップS7)、青果物ごとに定められた露光時間で蛍光強度FLを取得する(ステップS8)。カメラ16bで蛍光強度FLを得る方法としては、画像解析してRGB値取得またはそこから算出されるL*a*b*表色系など、色あるいは明るさを数値化できる方法であればいかなる方法でもよい。
【0020】#6そして、制御装置6は、検知された蛍光強度FLと基準蛍光強度FL_bの差から鮮度よい状態で食べられる日数Δdayを算出する(ステップS9)。ここでは、例えば、Δday=f(x)、x=FL-FL_bなる計算式を用いて日数Δdayを算出する。このように、日数Δdayの算出は、あらかじめ設定された計算式でもよいが、計算負荷を軽くするためにマトリックス状のデータとして保持しておいてもよい。そして、制御装置6は、UV_LED16aをオフし(ステップS10)、日数Δdayを冷蔵庫1の使用者のスマートフォンへ報知する(ステップS11)。その後、制御装置6は、冷蔵庫1に内蔵されたタイマーで検知対象となる青果物が保管されてからの時間をカウントし(ステップS4)、1日毎に(ステップS5)、蛍光強度FLを測定してΔdayを計算し冷蔵庫1の使用者へ報知する(ステップS3)。これを、検知が終了するまで繰り返す(ステップS6)。検知終了タイミングは、冷蔵庫1の使用者が検知対象の登録を抹消するタイミング、すなわち検知対象を使い終わったときとする。
【0021】図4を用いて、あらかじめ設定した制御パラメータの相関を説明する。ここには鮮度低下とともに蛍光強度が大きくなる青果物例としてトマトを、鮮度低下とともに蛍光強度が小さくなる青果物例としてキュウリを挙げている。なお、このグラフでUV_LED16aの電流値及びカメラ16bの露光時間は一定である。
【0022】トマトは保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは大きくなる。トマトが果肉の軟化など食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの蛍光強度を基準蛍光強度FL_bとする。そして、測定したトマトの蛍光強度FLと基準蛍光強度FL_bの差分が0の場合には鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合には両者に負の相関式が得られる。
【0023】キュウリも保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは小さくなる。キュウリが歯触りなどの食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの蛍光強度を基準蛍光強度FL_bとする。従って、測定したキュウリの蛍光強度FLと基準蛍光強度FL_bの差分が0の場合には鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合には両者に正の相関式が得られる。
【0024】このように、本実施の形態では、蛍光受光手段であるカメラ16bの出力が蛍光強度FLである。そして、制御装置6は、食材登録手段により登録された青果物名に応じて、固定値であるカメラ16bの露光時間およびUV_LED16aの電流値と、あらかじめ実験などで得た蛍光強度と鮮度保持日数との相関式および基準蛍光強度FL_bと、測定された蛍光強度FLとを用いて、鮮度限界となるまでの日数Δdayを食材の状態として判定する食材状態判定手段に相当している。本実施の形態では、食材登録手段で登録された食材の種類に応じて、蛍光受光手段であるカメラ16bの出力の基準値である基準蛍光強度FL_bを設定している。これにより、食材の状態を適切に検知することが可能となる。
【0025】#2ここでは正負の関係を持つ代表例を示したが、それ以外に蛍光強度の差異があるため、青果物の種類に応じて設定していく。
【0026】他の実施例として、図5を用いて動作を説明する。図5は、実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫の制御フローチャートである。実際の制御動作としては、まず、野菜室12に検知対象となる青果物を野菜室上ケース14に置き扉を閉め、冷蔵庫1と情報の授受ができるスマートフォンなどの入力装置で検知対象となる青果物名を入力する。この実施例の制御では、青果物の変化に伴う蛍光量の変化を確実に検知できる受光量を得るために、固定値としてUV_LED16aの電流値、あらかじめ実験などで得た、基準蛍光強度FL_b、基準蛍光強度FL_bまでの露光時間と鮮度保持日数との相関式、基準露光時間ET_bが選択・設定される(ステップS12)。
【0027】次に、基準蛍光強度FL_bに達するまでの露光時間ETを検知する。蛍光強度を検知するには、扉が閉まって暗所となり、かつカメラ16bのレンズの曇りが取れた状態が望ましい。そのため、扉閉から一定時間経過したことを、野菜室扉開閉センサ13の出力から確認し(ステップS2)、露光時間ETを測定して鮮度保持日数を算出する(ステップS13)。具体的には、UV_LED16aを点灯し(ステップS7)、青果物ごとに定められた基準蛍光強度FL_bに達するまでの露光時間ETを取得する(ステップS14)。
【0028】#5そして、制御装置6は、測定した露光時間ETと基準露光時間ET_bの差から鮮度よい状態で食べられる日数Δdayを算出する(ステップS15)。ここでは、例えば、Δday=f(x)、x=ET-ET_bなる計算式を用いて日数Δdayを算出する。このように、日数Δdayの算出は、あらかじめ設定された計算式でもよいが、計算負荷を軽くするためにマトリックス状のデータとして保持しておいてもよい。そしてUV_LED16aをオフし(ステップS10)、日数Δdayを冷蔵庫1の使用者のスマートフォンへ報知する(ステップS11)。その後、冷蔵庫1に内蔵されたタイマーで検知対象となる青果物が保管されてからの時間をカウントし(ステップS4)、1日毎に(ステップS5)、露光時間ETを測定してΔdayを計算し冷蔵庫1の使用者へ報知する(ステップS13)。これを、検知が終了するまで繰り返す(ステップS6)。検知終了タイミングは、冷蔵庫1の使用者が検知対象の登録を抹消するタイミング、すなわち検知対象を使い終わったときとする。
【0029】図6を用いて、あらかじめ設定した制御パラメータの相関を説明する。図6は、実施の形態1の変形例における制御パラメータの相関図である。ここには鮮度低下とともに蛍光強度が大きくなる青果物例としてトマトを、鮮度低下とともに蛍光強度が小さくなる青果物例としてキュウリを挙げている。なお、このグラフでUV光量及び目標蛍光強度は一定として、カメラ16bの露光時間を変更している。
【0030】トマトは保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは大きくなるため、一定の蛍光強度を得るための露光時間は減少する。トマトが果肉の軟化など食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの露光時間を基準露光時間ET_bとする。そして、測定したトマトの露光時間ETと基準露光時間ET_bの差分が0のとき、鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合で両者に正の相関式が得られる。
【0031】キュウリも保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは小さくなるため、一定の蛍光強度を得るための露光時間ETは増加する。キュウリが歯触りなどの食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの露光時間を基準露光時間ET_bとする。従って、測定したキュウリの露光時間ETと基準露光時間ET_bの差分が0のとき鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合で両者に負の相関式が得られる。
【0032】上述した例において、露光時間は、受光量測定時間に相当する。また、蛍光受光手段であるカメラ16bの出力が露光時間ETである。そして、制御装置6は、食材登録手段により登録された青果物名に応じて、固定値であるUV_LED16aの電流値と、あらかじめ実験などで得た、基準蛍光強度FL_bと、基準蛍光強度FL_bまでの露光時間ETと鮮度保持日数との相関式と、基準露光時間ET_bとを用いて、鮮度限界となるまでの日数Δdayを食材の状態として判定する食材状態判定手段に相当している。
【0033】#1ここでは正負の関係を持つ代表例を示したが、それ以外に蛍光強度の差異で個別にパラメータを設定する青果物があってもよい。
【0034】他の実施例として、図7を用いて動作を説明する。図7は、実施の形態1の他の変形例に係る冷蔵庫の制御フローチャートである。実際の制御動作としては、まず、野菜室12に検知対象となる青果物を野菜室上ケース14に置き扉を閉め、冷蔵庫と情報の授受ができるスマートフォンなどの入力装置で検知対象となる青果物名を入力する。この実施例の制御では、青果物の変化に伴う蛍光量の変化を確実に検知できる受光量を得るために、固定値としてカメラ16bの露光時間、あらかじめ実験などで得た、基準蛍光強度FL_b、基準蛍光強度FL_bまでのUV_LED16aの電流値CTと鮮度保持日数との相関式、UV_LED16aの基準電流値CT_bが選択・設定される(ステップS16)。
【0035】次に、基準蛍光強度FL_bに達するまでのUV_LED16aの電流値CTを検知する。蛍光強度を検知するには、扉が閉まって暗所となり、かつカメラ16bのレンズの曇りが取れた状態が望ましい。そのため、扉閉から一定時間経過したことを、野菜室扉開閉センサ13の出力から確認し(ステップS2)、UV_LED16aの電流値から鮮度保持日数を算出する(ステップS17)。具体的には、UV_LED16aを点灯し(ステップS7)、青果物ごとに定められた基準蛍光強度FL_bに達するまでのUV_LED16aの電流値CTを取得する(ステップS18)。
【0036】#3そして、制御装置6は、測定したUV_LED16aの電流値CTとUV_LED16aの基準電流値CT_bの差から鮮度よい状態で食べられる日数Δdayを算出する(ステップS19)。ここでは、例えば、Δday=f(x)、x=CT-CT_bなる計算式を用いて日数Δdayを算出する。このように、日数Δdayの算出は、あらかじめ設定された計算式でもよいが、計算負荷を軽くするためにマトリックス状のデータとして保持しておいてもよい。そしてUV_LED16aをオフし(ステップS10)、日数Δdayを冷蔵庫1の使用者のスマートフォンへ報知する(ステップS11)。その後、冷蔵庫に内蔵されたタイマーで検知対象となる青果物が保管されてからの時間をカウントし(ステップS4)、1日毎に(ステップS5)、UV_LED16aの電流値CTを測定してΔdayを計算し冷蔵庫1の使用者へ報知する(ステップS17)。これを、検知が終了するまで繰り返す(ステップS6)。検知終了タイミングは、冷蔵庫1の使用者が検知対象の登録を抹消するタイミング、すなわち検知対象を使い終わったときとする。
【0037】図8を用いて、あらかじめ設定した制御パラメータの相関を説明する。図8は、実施の形態1の他の変形例における制御パラメータの相関図である。ここには鮮度低下とともに蛍光強度が大きくなる青果物例としてトマトを、鮮度低下とともに蛍光強度が小さくなる青果物例としてキュウリを挙げている。なお、このグラフでカメラ16bの露光時間及び目標蛍光強度は一定として、UV_LED16aの電流値を変更している。
【0038】トマトは保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは大きくなるため、一定の蛍光強度を得るためのUV_LED16aの電流値は減少する。トマトが果肉の軟化など食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの電流値を基準電流値CT_bとする。そして、測定したトマトの電流値CTと基準電流値CT_bの差分が0の場合に、鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合で両者に正の相関式が得られる。
【0039】キュウリも保存日数とともに鮮度が低下し、それに伴ってUV照射時の蛍光強度FLは小さくなるため、一定の蛍光強度を得るためのUV_LED16aの電流値は増加する。キュウリが歯触りなどの食味の変化から感じられる鮮度の低下により、生でおいしく食べられなくなる鮮度限界に達したときの電流値を基準電流値CT_bとする。従って、測定したキュウリの電流値CTと基準電流値CT_bの差分が0の場合に鮮度限界となるまでの日数Δdayも0となり、他の場合で両者に負の相関式が得られる。
【0040】上述した例において、UV_LED16aの電流値は、光照射手段の出力に相当する。そして、制御装置6は、食材登録手段により登録された青果物名に応じて、固定値としてカメラ16bの露光時間と、あらかじめ実験などで得た、基準蛍光強度FL_bと、基準蛍光強度FL_bまでのUV_LED16aの電流値CTと鮮度保持日数との相関式と、UV_LED16aの基準電流値CT_bとを用いて、鮮度限界となるまでの日数Δdayを食材の状態として判定する食材状態判定手段に相当している。
【0041】ここでは正負の関係を持つ代表例を示したが、それ以外に蛍光強度の差異で個別にパラメータを設定する青果物があってもよい。
【0042】#7なお、上述した例では青果物の種類を特定する食材登録手段を、冷蔵庫1の使用者がスマートフォンアプリを利用して登録する情報によるものであるとしたが、例えば白色LEDを設けてカメラで青果物の画像を撮影し自動的に認識する方法を用いるものであってもよい。これにより冷蔵庫1の使用者の手間が軽減される。
【0043】また、上述した例において、蛍光強度、露光時間、電流値を測定する動作において、蛍光受光手段がカメラまたはアレイ型素子である場合、青果物毎に蛍光強度分布と鮮度・熟度との相関をあらかじめ設定しておき、入力された青果物毎に蛍光強度分布の変化から鮮度・熟度を推定するようにしてもよい。
【0044】また、蛍光受光手段が得る蛍光強度あるいは蛍光強度分布を適正にする手段は、露光時間でなくとも、蛍光受光手段の絞りあるいはISOなどでもよい。
【0045】図9は、実施の形態1における制御装置6の機能を実現する構成の一例を示す図である。制御装置6の各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア600であってもよい。処理回路は、プロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア600として形成され、且つ、当該処理回路は更にプロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。図9に示す例において、処理回路の一部は専用ハードウェア600として形成されている。また、図9に示す例において、処理回路は、専用ハードウェア600に加えて、プロセッサ601およびメモリ602を更に備えている。
【0046】一部が少なくとも1つの専用ハードウェア600である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0047】処理回路が少なくとも1つのプロセッサ601および少なくとも1つのメモリ602を備える場合、制御装置6の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0048】ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ602に格納される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。プロセッサ601は、メモリ602に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ601は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ602には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
【0049】このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置6の機能を実現することができる。なお、制御装置6の各機能は、複数の機器が連携することで実現されてもよいし、単一の機器によって実現されてもよい。また、制御装置6の各機能の少なくとも一部は、外部ネットワーク上のサーバ等に実装されていてもよい。
【0050】1 冷蔵庫、 2 圧縮機、 3 冷却器、 4 送風機、 5 操作パネル、 5a 入力部、 5b 報知部、 6 制御装置、 7 冷蔵室、 8 チルド室、 9 切替室、 11 冷凍室、 12 野菜室、 13 野菜室扉開閉センサ、 14 野菜室上ケース、 15 野菜室下ケース、 16 鮮度検知手段、 16a UV_LED、 16b カメラ、 600 専用ハードウェア、 601 プロセッサ、 602 メモリ
周辺冷蔵庫
特開2022-095245 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、添田 舞子 / 出願日: 2020-12-16 / 公開日: 2022-06-28 / 検索17位 / その他(分野が近いだけ)
アプローチ: UV蛍光の経時変化による品質判定 野菜室でUV-LEDを一定周期で点灯して食品の蛍光をカメラで撮影し、初期蛍光からの変化量が基準を超えたら利用限界と判定して通知する。白色LEDは撮影用に使う。
▸ 示唆: 光は品質を測るために使われており、鮮度を延ばす照射条件の課題には対応しないため、メモとの関係は薄い。
AIが精読したのは全72段落のうち検索が当てた10チャンク(32段落・44%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本開示は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】冷蔵庫においては、庫内を撮像するための撮像手段と、撮像手段で撮像した庫内の画像情報を外部の装置に送信するための通信手段と、を備え、貯蔵室内の食品の状態を外部から確認できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】国際公開第2014/142119号
【0004】しかしながら、特許文献1に示されるような冷蔵庫においては、貯蔵室内の食品の状態が、画像で目視できる外観からしか判別できない。特に近年では、調理時間短縮のために野菜等の食材を予めカットして下ごしらえを済ませ、野菜室、冷蔵室等に保存しておくことも増えてきている。また、カット済みの野菜、果物等を購入して保存する場合もある。このようなカット済みで切断面を有する食品の劣化は、外観の可視画像からでは判別が困難な場合がある。
【0005】本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、特に切断面を有する野菜、果物等の食品について、外観の目視だけでは判別が困難な食品の状態及び品質について判定できる冷蔵庫を提供することにある。
【0006】本開示に係る冷蔵庫は、内部が冷蔵温度帯に調節される貯蔵室が形成された冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に前記貯蔵室内の他の領域と区画部材により区画して設けられ、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品が収納される区画収納部と、前記区画収納部内の食品に前記特定波長の光を照射する光照射手段と、前記区画収納部内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段と、前記光検出手段の検出結果に基づいて、前記区画収納部内の食品の品質を判定する判定部と、を備える。
【0007】あるいは、本開示に係る冷蔵庫は、内部が冷蔵温度帯に調節される貯蔵室が形成された冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に前記貯蔵室内の他の領域と区画部材により区画して設けられ、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品が収納される区画収納部と、前記区画収納部内の食品に前記特定波長の光を照射する光照射手段と、前記区画収納部内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段と、前記光検出手段により検出された蛍光の変化量が予め設定された基準値以上である場合に、報知制御信号を出力する報知制御部と、を備える。
【0008】本開示に係る冷蔵庫によれば、特に切断面を有する野菜、果物等の食品について、外観の目視だけでは判別が困難な食品の状態及び品質について判定できるという効果を奏する。
【0009】実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す側断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の野菜室の構成を示す上面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 傷を有する野菜(プチトマト)の可視光下と紫外光下のそれぞれにおける蛍光の変化を撮影した例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフロー図である。
【0010】本開示に係る冷蔵庫を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】実施の形態1. 図1から図6を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は冷蔵庫の構成を示す側断面図である。図2は冷蔵庫の野菜室の構成を示す上面図である。図3は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。図4は冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図5は傷を有する野菜(プチトマト)の可視光下と紫外光下のそれぞれにおける蛍光の変化を撮影した例を示す図である。図6は冷蔵庫の動作の一例を示すフロー図である。
【0012】本開示では、原則として、冷蔵庫本体1が使用可能な状態に設置されたときを基準として、各方向を定義する。また、図1に示すのは本開示に係る冷蔵庫本体1の構成の一例である。すなわち、図1によって示される冷蔵庫本体1を構成する各部材の寸法、位置関係及び形状等は、実際のものとは必ずしも完全に一致しない場合がある。また、冷蔵庫本体1の構成は、図1によって示されるものに限定されるものではない。
【0013】図1に示すように、この実施の形態に係る家庭用の冷蔵庫本体1は、複数の異なる温度帯の貯蔵室を備えている。これらの複数の貯蔵室は、発泡ウレタン等の断熱部材からなる断熱筐体内において仕切られて設けられている。これらの貯蔵室は、具体的にここでは、冷蔵室7、チルド室8、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12である。貯蔵室は、冷蔵庫本体1において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0014】冷蔵室7及びチルド室8は、冷蔵庫本体1の最上段に配置されている。冷蔵室7の前面部には扉が開閉自在に設けられている。冷蔵室7の内部の最下段は仕切られており、チルド室8が設けられている。チルド室8には、引出し式の容器が備えられている。チルド室8は、冷蔵室7の内部に設けられているが、冷蔵室7より低い温度を保つことができる貯蔵室である。
【0015】冷蔵室7の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から2段目には、切替室9及び製氷室10が配置されている。これらの切替室9及び製氷室10は、冷蔵庫本体1の上から2段目において左右に並べて配置されている。このため、図1においては、これらの切替室9及び製氷室10が図面に向かって奥行き方向に重なっている。切替室9は、使用者が操作パネル5を操作することにより、予め定められた複数の設定温度のうちから所望の温度を選択し、室内の温度を切り替えることができる。
【0016】切替室9及び製氷室10の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から3段目には、冷凍室11が配置されている。冷凍室11は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。冷凍室11の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の最下段には、野菜室12が配置されている。野菜室12は、主に果菜類、葉菜類、根菜類等の野菜、果物等を収納するためのものである。
【0017】冷蔵室7の正面部には、当該冷蔵室7を開閉するための冷蔵室扉7aが設けられている。冷蔵室扉7aは、例えば、両開き式の回転式の扉である。両開き式の冷蔵室扉7aは、右扉及び左扉により構成されている。冷蔵室扉7aの外側表面には、操作パネル5が設けられている。
【0018】切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12は、例えば、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫本体1の奥行方向にスライドできるようになっている。冷蔵庫の使用者は、引出し式の扉をスライドさせることで、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12を開閉する。
【0019】野菜室12について具体的に述べると、野菜室12は、野菜室扉12aによって開閉される。冷蔵庫本体1は、扉開閉検知センサ13を備えている。扉開閉検知センサ13は、野菜室扉12aの開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知センサ13は、野菜室12の前面開口の縁部における野菜室扉12aと対向する位置に設けられている。扉開閉検知センサ13は、例えば、一般的なマグネット方式のスイッチである。つまり、この例の扉開閉検知センサ13は、野菜室扉12aに埋め込まれた磁石の近接を、冷蔵庫本体1本体側の断熱箱体90に設置されたリードスイッチによって検出する。
【0020】野菜室12内に食品等を収納できる野菜室収納ケースが設けられてもよい。野菜室収納ケースは、例えば、野菜室12内に引き出し自在に格納される。この場合、野菜室収納ケースは、野菜室扉12aに設けられたフレームによって支持される。野菜室収納ケースは、野菜室扉12aに連動して引き出される。
【0021】なお、冷蔵庫本体1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室7を開閉するための扉は、スライド式であってもよい。また、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12を開閉するための扉は、回転式であってもよい。
【0022】冷蔵庫本体1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却するための冷凍機構として、圧縮機2、冷却器3、送風機4及び風路18等を備える。圧縮機2及び冷却器3は、図示を省略している凝縮器及び絞り装置等とにより、冷凍サイクルを構成している。圧縮機2は、冷凍サイクル内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、図1に示すように、冷蔵庫本体1の背面側の下部に配置される。
【0023】風路18は、冷凍サイクルによって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するためのものである。風路18は、例えば、冷蔵庫本体1の背面側に配置されている。冷凍サイクルを構成している冷却器3は、この風路18内に設置される。また、風路18内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風機4も設置されている。
【0024】送風機4が動作すると、冷却器3で冷却された空気、すなわち冷気が、風路18を通って、冷凍室11、切替室9、製氷室10及び冷蔵室7へ送られる。これにより、冷凍室11、切替室9、製氷室10及び冷蔵室7の各貯蔵室内が冷却される。また、野菜室12には、冷蔵室7から戻った冷気が図示しない戻り風路を介して導入される。これにより、野菜室12内が冷却される。野菜室12を通過した空気は、冷却器3が設置されている風路18内へと戻される。風路18内へと戻された空気は、再び冷却器3によって冷却され、冷蔵庫本体1内を循環する。
【0025】また、風路18からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。このダンパは、図1では図示を省略している。各ダンパの開閉状態が変化することで、各貯蔵室へと供給される冷気の風量が調節される。貯蔵室へと供給される冷気の風量は、送風機4の運転が制御されることによっても調節される。また、各貯蔵室へと供給される空気の温度は、圧縮機2の運転が制御されることで調節される。
【0026】各貯蔵室には、内部の温度を検出するサーミスタが設置される。前述したダンパ、送風機4及び圧縮機2は、サーミスタの検出結果に基いて制御される。ダンパ、送風機4及び圧縮機2は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。この実施の形態において、以上のように設けられた圧縮機2と冷却器3とを含む冷凍サイクル回路、送風機4、風路18及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段の一例である。
【0027】この実施の形態に係る冷蔵庫本体1においては、野菜室12内に野菜室下ケース16及び野菜室上ケース17が設けられている。野菜室下ケース16は、野菜室扉12aのフレーム(図示せず)によって支持されている。野菜室下ケース16の上側には、野菜室上ケース17が載置されている。野菜室扉12aを前方へと引き出すと、野菜室下ケース16及び野菜室上ケース17が野菜室扉12aと一体となって前方へと引き出される。野菜室扉12aを引き出した状態で、野菜室上ケース17だけを後方へスライドすると、野菜室下ケース16だけが引き出された状態となる。野菜室下ケース16だけが引き出された状態では、野菜室下ケース16に食品を出し入れすることができる。野菜室下ケース16は、例えば、キャベツ、白菜、大根等の大物野菜の収納に適している。
【0028】次に、図2を参照しながら、野菜室上ケース17の構成例について説明する。野菜室上ケース17には、高鮮度保存区画17aと小物野菜保存区画17cとが設けられている。高鮮度保存区画17aは、上面に開口が形成されている。高鮮度保存区画17aの上面には、蓋17bが設けられている。蓋17bは前後に移動可能である。蓋17bを前後に移動させることで、高鮮度保存区画17aの開口を開閉することができる。高鮮度保存区画17aは、蓋17bを閉じることで密閉され、収納された食材からの水分蒸散を抑制できる。高鮮度保存区画17aは、使いかけの野菜、カット野菜20等の切断面から水分が蒸散しやすい食材の保存に適している。小物野菜保存区画17cは、ピーマン、ナス等の小さめの果菜類の収納に適している。
【0029】野菜室12内は、例えば3℃から7℃程度の冷蔵温度帯に調整される。野菜室12は、内部が冷蔵温度帯に調節される貯蔵室の一例である。そして、高鮮度保存区画17aは、貯蔵室である野菜室12内に区画して設けられた区画収納部の一例である。区画収納部である高鮮度保存区画17aは、貯蔵室である野菜室12内の他の領域と区画部材により区画して設けられている。ここで説明する構成例では、区画部材は、野菜室上ケース17の壁部の一部、小物野菜保存区画17cとの間の仕切り及び蓋17bである。したがって、区画収納部である高鮮度保存区画17aは上面に開口が形成されており、区画部材は区画収納部の開口を開閉する蓋部材である蓋17bを備えている。
【0030】#7この実施の形態に係る冷蔵庫本体1は、発光装置15を備えている。図1及び図2に示すように、発光装置15は、野菜室12内部の背面部に取り付けられている。発光装置15は、貯蔵室である野菜室12内の特に高鮮度保存区画17aの内部に光を照射可能である。
【0031】この実施の形態に係る冷蔵庫本体1は、カメラ14を備えている。カメラ14は、野菜室12内部の背面部に取り付けられている。カメラ14は、貯蔵室である野菜室12内の特に高鮮度保存区画17a内の画像を撮影可能である。
【0032】冷蔵庫本体1は、制御装置6を備えている。制御装置6は、例えば、図1に示すように、冷蔵庫本体1の背面側の上部に設けられる。制御装置6には、冷蔵庫本体1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置6の各機能は、この制御回路によって実現される。
【0033】図3は、この実施の形態に係る冷蔵庫本体1の制御系統の要部構成を機能的に示すブロック図である。制御装置6の制御回路には、例えば、プロセッサ6a及びメモリ6bが備えられている。制御装置6は、メモリ6bに記憶されたプログラムをプロセッサ6aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫本体1を制御する。
【0034】プロセッサ6aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ6bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0035】なお、制御装置6の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置6の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、当該制御回路にプロセッサ6a及びメモリ6bが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたもの等が該当する。
【0036】また、制御装置6は、通信部6cを備えている。通信部6cは、冷蔵庫本体1の制御装置6が外部機器との通信を行うための回路である。冷蔵庫本体1と通信する外部機器としては、例えば、スマートフォン等の携帯端末を挙げることができる。例えば、使用者が携帯端末を操作して冷蔵庫本体1の設定温度の変更を指示したり、庫内状況を確認したりすることができるようにすることが考えられる。
【0037】操作パネル5は、入力部5a及び報知部5bを備えている。入力部5aは、各貯蔵室の保冷温度等を設定するための操作スイッチ等である。報知部5bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶表示部、表示ランプ、スピーカ等である。操作パネル5は、入力部5aと報知部5bの液晶表示部を兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。入力部5aは、使用者による当該入力部5aの操作に応じた信号を制御装置6へ出力する。そして、制御装置6には、操作パネル5の入力部5aからの信号が入力される。また、制御装置6は、操作パネル5の報知部5bに報知制御信号を出力し、報知部5bの動作を制御する。
【0038】#9図3では図示を省略しているが、制御装置6には、各貯蔵室の内部の温度を検出するサーミスタから信号が入力される。また、制御装置6には、扉開閉検知センサ13からの信号も入力される。制御装置6は、入力された信号に基づいて、各貯蔵室内が設定された温度に維持されるように、圧縮機2、冷却器3及び送風機4の動作並びに各ダンパの開度等を制御する処理を実行する。なお、図3では、各ダンパの図示を省略している。
【0039】前述したように、野菜室12には、野菜、果物等が収納される。野菜、果物等に特定波長の光を照射すると、これらの食品に含まれるクロロフィル、ポリフェノール類等が光を吸収して蛍光を発する。野菜、果物等は特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品の例である。そして、前述した区画収納部である高鮮度保存区画17aには、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品が収納される。
【0040】発光装置15は、高鮮度保存区画17a内の蛍光を発する食品に、前述した特定波長の光を照射する光照射手段である。ここで説明する構成例では、図3に示すように、発光装置15は、複数の光源部として白色LED15a及びUV-LED15bの2種の発光ダイオード(LED)を備えている。複数の光源部であるこれらの発光ダイオードは、互いに異なる波長の光を照射する。また、複数の光源部であるこれらの発光ダイオードは、個別に発光を制御可能である。
【0041】#2白色LED15aは、白色光を照射し、カメラ14で野菜室12内に収納された食品の状況を撮影する際に点灯される。UV-LED15bは、一般的にUVA(紫外線A波)と称される波長範囲の光を照射する。UV-LED15bは、315nm以上410nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。UV-LED15bが照射する光のピーク波長は、望ましくは350nm以上400nm以下である。
【0042】この実施の形態においては、光照射手段である発光装置15は、光源部としてUV-LED15bを備えることで、前述した特定波長の光として315nm以上410nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射可能である。また、望ましくは、光照射手段である発光装置15は、前述した特定波長の光として350nm以上400nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。
【0043】UV-LED15bが照射する光の光量は、0.1[W/m^2]以上10000[W/m^2]以下である。また、UV-LED15bが照射する光の光量は、望ましくは4[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは10[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。
【0044】野菜、果物類の食品に前述した特定波長の紫外光を照射すると、野菜等に含まれる成分がこの光を吸収して蛍光を発する。野菜等には、紫外光を受けて蛍光を発する成分が、多種にわたって含まれている。このため、前述した特定波長の紫外光が照射された野菜等から発せられる蛍光は淡く色づくこともあるが、総じて白色光である。カメラ14は、この蛍光の波長の光を含む可視光を感知して画像として出力する。すなわち、この実施の形態におけるカメラ14は、前述した区画収納部である高鮮度保存区画17a内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段である。
【0045】#8図4に示すように、制御装置6は、照射制御部61、カメラ制御部62、食品投入判定部63、食品品質判定部64及び報知制御部65を備えている。照射制御部61は、発光装置15の発光動作を制御する。前述したように、照射制御部61は、発光装置15が有する複数の光源部である白色LED15a及びUV-LED15bの発光動作を個別に制御可能である。カメラ制御部62は、カメラ14の撮影動作を制御する。
【0046】扉開閉検知センサ13により野菜室扉12aが閉じられたことが検知されると、照射制御部61は、白色LED15aを点灯させる。そして、カメラ制御部62は、白色LED15aが点灯されている間にカメラ14により撮影を行わせる。カメラ14による撮影が終了したら、照射制御部61は白色LED15aを消灯させる。
【0047】食品投入判定部63は、カメラ14により撮影された画像から、高鮮度保存区画17a内に食品が投入されたか否かを判定する。この判定は、例えば、カメラ14が前回に撮影した画像との差分をとることで行われる。また、食品投入判定部63は、高鮮度保存区画17a内に収納された食品が、カット野菜20等の切断面を有する食品であるか否かを判定してもよい。食品における切断面の有無は、例えば、まず当該食品の外形を検出し、外形における平面部分の有無又は平面部分の面積の大小を検出することにより判定できる。
【0048】食品が高鮮度保存区画17a内に投入されたことが食品投入判定部63により判定されると、照射制御部61は、UV-LED15bを点灯させる。そして、カメラ制御部62は、UV-LED15bが点灯されている間にカメラ14により撮影を行わせる。カメラ14による撮影が終了したら、照射制御部61はUV-LED15bを消灯させる。このようにして、UV-LED15bからの紫外光を受けて発する蛍光が撮影される。
【0049】#4食品品質判定部64は、光検出手段であるカメラ14の検出結果に基づいて、区画収納部である高鮮度保存区画17a内の食品の品質を判定する判定部である。ここでいう食品の品質には、食品の鮮度、熟度、劣化、及び、擦過、圧迫等による傷みの有無等が含まれる。
【0050】食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された蛍光に基づいて、食品の品質を判定する。食品が野菜室12内に投入された後、予め設定された一定周期毎にUV-LED15bが点灯され、食品が発する蛍光がカメラ14により撮影される。食品品質判定部64は、例えばこうして一定周期毎に撮影された蛍光の時間変化に基づいて、食品の品質を判定する。
【0051】例えば、それぞれの食品について最初に撮影された蛍光の状態を初期状態とし、初期状態からの蛍光の変化量が予め設定された基準値以上である場合に、食品品質判定部64は当該食品について劣化しており、「利用限界」であると判定する。野菜等の食品にUV-LED15bから前述した特定波長の紫外光を照射すると、食品に含まれる成分が主に白色の蛍光を発する。そこで、野菜等の食品における蛍光の変化は、光の強度の明度又は強度を定量化した指標を用いて評価できる。具体的に例えば、カメラ14により撮影された画像における、L*a*b*(CIELAB)表色系のL*値の変化量を用いることで蛍光の変化を定量化して評価できる。そして、蛍光の初期状態からの変化量により、擦過傷、切断面等における食品の劣化を判定することができる。
◆ この文献の解決アプローチ
UV蛍光の経時変化による品質判定
文献: 食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された蛍光に基づいて、食品の品質を判定する。食品が野菜室12内に投入された後、予め設定された一定周期毎にUV-LED15bが点灯され、食品が発する蛍光がカメラ14により撮影される。
光は品質を測るために使われており、鮮度を延ばす照射条件の課題には対応しないため、メモとの関係は薄い。
【0052】野菜を切断したり傷つけたりした場合、直後は切断面等から蛍光がほとんど発せられない。しかし、ある程度時間が経過すると切断面から白っぽく蛍光が発せられるようになる。そして、さらに時間が経過して切断面が乾燥するにつれて蛍光が強くなる。乾燥した切断面は食感も悪く、抗酸化成分が酸化して有用成分としての機能も低減する。このため、野菜の切断面の乾燥が大きく進んでいない段階、すなわち、切断面の蛍光強度が一定以上に強くなる前の段階で使用者に喫食を促すことが望ましい。
【0053】図5は、プチトマトに傷をつけ、可視光下と紫外光下のそれぞれにおける蛍光の変化を撮影した例である。照射した紫外光は、前述した特定波長の光、すなわちUVA(紫外線A波)である。傷をつけた初日(0日目)には可視光下と紫外光下とで大きな差異は認められない。しかし、保存1日目で可視光下ではほとんど変化が認められない一方、紫外光下では初日には見えなかった白色蛍光が少し見えるようになってくる。そして、保存5日目でも可視光下では色変化がないのに対し、紫外光下では白色蛍光がさらに強くなったことが顕著に確認できる。このようにして、前述した特定波長の光を照射して励起された蛍光により、食品の特に切断面、傷部等の状態を評価できる。
【0054】報知制御部65は、操作パネル5の報知部5bの動作を制御して、食品品質判定部64による判定結果を報知させる。すなわち、食品品質判定部64により食品の「利用限界」であると判定された場合、報知制御部65は、食品が「利用限界」であり当該食品の利用を促す旨を液晶表示部に表示等して報知させる。ここで、前述したように、食品品質判定部64は、初期状態からの蛍光の変化量が予め設定された基準値以上である場合に食品は「利用限界」であると判定する。したがって、報知制御部65は、光検出手段であるカメラ14により検出された蛍光の変化量が予め設定された基準値以上である場合に報知制御信号を出力する。
【0055】以上のように構成された冷蔵庫によれば、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品に対して、当該特定波長の光を照射して励起された蛍光を検出し、この検出結果に基づいて、食品の特に切断面、傷部等の状態について評価して、区画収納部内の食品の品質を判定できる。このため、特に切断面を有する野菜、果物等の食品について、外観の目視だけでは判別が困難な食品の状態及び品質について判定でき、ひいては、収納した野菜等の食品の適切な使用を促進し、無駄な廃棄の抑制を図ることができる。
【0056】次に、以上のように構成された冷蔵庫における食品の品質判定処理の一例について、図6のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS1で、野菜室扉12aが開き、野菜室12内に食品(例えば野菜)が投入される。続くステップS2で、野菜室扉12aが閉まったことを扉開閉検知センサ13が検知すると、制御装置6は次にステップS3の処理を行う。
【0057】#6ステップS3においては、まず、照射制御部61は、発光装置15の白色LED15aを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に高鮮度保存区画17a内の画像を撮影させる。そして、カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15の白色LED15aを消灯させる。ステップS3の後、制御装置6は、ステップS4の処理を行う。
【0058】ステップS4においては、食品投入判定部63は、ステップS3でカメラ14が撮影した画像を用いて、高鮮度保存区画17a内に野菜等の食品が新たに投入されたか否かを判定する。特に、食品投入判定部63は、高鮮度保存区画17a内にカット野菜20等の切断面のある食品が投入された否かを判定してもよい。高鮮度保存区画17a内に野菜等の食品が投入されていないと判定された場合、制御装置6は、ステップS10の処理を行う。すなわち、食品の品質判定処理を終了する。一方、高鮮度保存区画17a内に野菜等の食品が投入されたと判定された場合、制御装置6は、次にステップS5の処理を行う。
【0059】ステップS5においては、ステップS1で食品が投入された直後の初期蛍光fluo-UV_iniを取得し、例えば制御装置6のメモリ6bに記憶する。そのために、まず、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15bを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に高鮮度保存区画17a内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15bを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を初期蛍光fluo-UV_iniとして取得する。ステップS5の後、制御装置6はステップS6の処理を行う。
【0060】#10ステップS6においては、食品品質判定部64は、前回に初期蛍光fluo-UV_ini又は中間蛍光fluo-UV_nを取得してからの経過時間Δtが、予め設定された一定時間Δt_setとなるまで待機する。そして、経過時間ΔtがΔt_setとなれば、制御装置6はステップS7の処理を行う。
【0061】ステップS7においては、ステップS1で投入された食品の中間蛍光fluo-UV_nを取得する。そのために、ステップS5と同様に、まず、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15bを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に高鮮度保存区画17a内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15bを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を中間蛍光fluo-UV_nとして取得する。ステップS7の後、制御装置6はステップS8の処理を行う。
【0062】#1ステップS8においては、食品品質判定部64は、ステップS9で取得した中間蛍光fluo-UV_nを、基準値と比較する。この処理例では、基準値は、ステップS5で取得した初期蛍光fluo-UV_iniに係数βを乗じた値に、さらに定数αを加えた値に設定される。係数βは、0<β<1を満たす値に予め設定されている。また、定数αは、α>0を満たす値に予め設定されている。そして、中間蛍光fluo-UV_nが、基準値(α+β×fluo-UV_ini)以上でなければ、制御装置6はステップS6に戻って処理を行う。一方、中間蛍光fluo-UV_nが、基準値(α+β×fluo-UV_ini)以上であれば、制御装置6はステップS9の処理を行う。
【0063】ステップS9においては、食品品質判定部64は、当該食品の品質が「利用限界」であると判定する。そして、報知制御部65は、当該食品が「利用限界」を迎えており、当該食品の利用を促す旨の報知を、操作パネル5の報知部5bに行わせる。ステップS9の処理が完了すると、一連の処理は終了となる。
【0064】なお、以上においては、区画収納部である高鮮度保存区画17aを野菜室12内に設けた構成例について説明したが、区画収納部を設ける貯蔵室は野菜室12に限られない。冷蔵温度帯に調節される貯蔵室であれば、他に例えば、冷蔵室7内、チルド室8内、切替室9内等に区画収納部を設けてもよい。
【0065】以上で説明した構成例において、野菜室12、冷蔵室7、チルド室8及び切替室9は、前面又は上面に開口が形成された貯蔵室である。このような貯蔵室内に区画収納部を設けた場合、冷蔵庫の使用者は、区画収納部内の食品の特に後面側及び下面側の状態を視認しにくい。そこで、光照射手段である発光装置15は、区画収納部内の食品の後面及び下面の一方又は両方に特定波長の光を照射するようにするとよい。そして、光検出手段であるカメラ14は、区画収納部内の食品の後面及び下面の一方又は両方から発せられた光を検出するようにするとよい。図1に示す構成例では、図中に破線で示すように、カメラ14は、区画収納部である高鮮度保存区画17aが設けられた野菜室上ケース17の下側から撮影している。
【0066】#5また、区画収納部内の食品の後面側及び下面側に発光装置15及びカメラ14を設けた場合、発光装置15は区画収納部内の食品に前述した区画部材越しに光を照射し、カメラ14は区画収納部内の食品を前述した区画部材越しに撮影することになる。そこで、前述した区画部材の少なくとも一部は、可視光及び前述した特定波長の光を透過する性質を有する素材からなるようにするとよい。例えば、野菜室上ケース17における発光装置15及びカメラ14に対向する部分に窓部が設けられる。窓部は、例えば、透明なプラスチック、強化ガラス等の可視光及び前述した特定波長の光を透過する性質を有する素材からなる。発光装置15は、窓部を通して高鮮度保存区画17aの内部に光を照射できる。カメラ14は、窓部を通して高鮮度保存区画17aの内部を撮影できる。高鮮度保存区画17aを区画する区画部材の一部のみでなく全体を可視光及び前述した特定波長の光を透過する性質を有する素材としてもよい。発光装置15及びカメラ14を野菜室12内の複数箇所に設置してもよい。
【0067】なお、以上において、食品品質判定部64による判定は、カメラ14により撮影された画像の明るさを調整した上で行うとよい。この際、画像の明るさ調整は、カメラ14の露光時間及び絞り値の両方を調整してもよいし、どちらか一方のみを調整してもよい。例えば、撮影時間を短くしたい場合は絞り値のみを小さくするとよい。また、焦点の合う範囲を大きしたい場合は露光時間のみを長くするとよい。
【0068】また、以上においては、野菜室12内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段として、カメラ14を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。他に例えば、光検出手段として光センサを用いて、蛍光光量の変化を検出しても同様の効果が得られる。また、他にも、例えば光検出手段として使用者が所持するカメラ付き携帯端末を利用してもよい。カメラ付携帯端末としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末等を挙げることができる。この場合、使用者が所持するカメラ付き携帯端末で野菜室12内を撮影し、通信部6cを介して撮影画像を冷蔵庫に送信する。そして、制御装置6の食品品質判定部64は、通信部6cを介して送信された撮影画像から蛍光光量の変化を検出して食品の品質を判定する。
【0069】さらに、制御装置6が備えるカメラ制御部62、食品投入判定部63、食品品質判定部64及び報知制御部65の各部の一部又は全部を、冷蔵庫本体1の外部に設けてもよい。このような各部の機能を設ける冷蔵庫本体1の外部として、例えば、スマートフォン等の携帯端末、インターネット上のクラウドサーバ等を挙げることができる。この場合、通信部6c及びインターネット等の電気通信回線を介して、冷蔵庫本体1の制御装置6とこれらの外部との間で必要な信号をやり取りする。また、スマートフォン等の携帯端末を使用する場合、携帯端末に専用のアプリケーションをダウンロード及びインストールして、 カメラ制御部62、食品投入判定部63、食品品質判定部64及び報知制御部65のうちの必要な機能を当該携帯端末で実現できるようにするとよい。
【0070】#3また、以上においては、食品品質判定部64は、L*a*b*表色系のL*値を用いて蛍光の強さを評価し、食品の品質を判定した例を示したが、これに限られず他の色空間表色系を用いてもよい。また、例えばL*値の大きさではなく、L*値が一定以上である面積を用いて蛍光の強さを評価してもよい。
【0071】また、報知制御部65は、食品品質判定部64による判定結果を、いわゆるプッシュ通知により報知させるようにしてもよいし、使用者が野菜室12内の状況を確認する操作を行った際等に受動的に報知させるようにしてもよい。プッシュ通知の条件の例としては、食品品質判定部64による食品品質判定結果が「利用限界」であった場合とすることが挙げられる。さらに、報知制御部65は、通信部6cを介して報知制御信号を外部機器に送信することで、外部機器(例えば、スマートフォン等の携帯端末)から食品品質判定部64による判定結果を報知させるようにしてもよい。
【0072】1 冷蔵庫本体 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風機 5 操作パネル 5a 入力部 5b 報知部 6 制御装置 6a プロセッサ 6b メモリ 6c 通信部 7 冷蔵室 7a 冷蔵室扉 8 チルド室 9 切替室 10 製氷室 11 冷凍室 12 野菜室 12a 野菜室扉 13 扉開閉検知センサ 14 カメラ 15 発光装置 15a 白色LED 15b UV-LED 16 野菜室下ケース 17 野菜室上ケース 17a 高鮮度保存区画 17b 蓋 17c 小物野菜保存区画 18 風路 20 カット野菜 61 照射制御部 62 カメラ制御部 63 食品投入判定部 64 食品品質判定部 65 報知制御部
周辺冷蔵庫
再公表2017/072954 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、内田 毅、柴田 舞子、伊藤 敬、岡部 誠 / 出願日: 2015-10-30 / 公開日: 2017-05-04 / 検索21位 / その他(分野が近いだけ)
アプローチ: 基準画像との色差でLED電流補正 野菜室の撮影画像の色を基準画像(標準色板)と比較し、複数色LEDの電流を調整して色差を小さくする。LEDの劣化による色変化を補正して野菜の色を正確に撮影することが目的である。
▸ 示唆: 野菜室内に複数色LEDを置く点は共通だが目的は撮影画像の色再現で、鮮度保持のための光質・比率設計とは無関係である。
AIが精読したのは全61段落のうち検索が当てた10チャンク(42段落・69%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】#8この発明は、冷蔵庫に関する。
【0002】特許文献1に、冷蔵庫が記載されている。特許文献1に記載された冷蔵庫は、カメラ及びライトを備える。特許文献1に記載された冷蔵庫では、カメラによって庫内を撮影する際にライトが点灯される。
【0003】国際公開第2014/142119号
【0004】冷蔵庫内で使用するライトとしてLEDを利用する場合、例えば、複数の色の光を混ぜることによって白色の光を作り出す。このため、ある色の光の量が低下すると、光の全体の色が変化してしまう。例えば、青色光を放つLEDからは、紫外線が僅かに放たれる。紫外線は、LEDチップを封入する樹脂を劣化させ、透過率を低下させる。青色光の量のみが低下すると、全体として黄色味を帯びた光になる。このため、カメラによって野菜室の野菜を撮影すると、野菜の画像の色が実際の野菜の色とは異なる色になってしまう。
【0005】この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、取得する画像の色と野菜室にある野菜の実際の色との差を低減できる冷蔵庫を提供することである。
【0006】この発明に係る冷蔵庫は、第1波長帯の光を野菜室に照射する第1LEDと、第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を野菜室に照射する第2LEDと、野菜室の画像を取得する画像取得装置と、基準画像が記憶されたメモリと、第1LED及び第2LEDを制御し、メモリに記憶された基準画像の色と画像取得装置によって取得される画像の色との差を小さくする制御装置と、を備える。
【0007】#9この発明に係る冷蔵庫は、第1LED、第2LED及び制御装置を備える。第1LED及び第2LEDは、野菜室に光を照射する。制御装置は、第1LED及び第2LEDを制御し、メモリに記憶された基準画像の色と画像取得装置によって取得される画像の色との差を小さくする。この発明に係る冷蔵庫であれば、取得する画像の色と野菜室にある野菜の実際の色との差を低減できる。
【0008】この発明の実施の形態1における冷蔵庫の断面を示す図である。 冷蔵庫に備えられた機器の電気的な接続を示す図である。 この発明の実施の形態1における冷蔵庫の動作を示すフローチャートである。 冷蔵庫が図3に示す動作を行う時のタイミングチャートを示す図である。
【0009】添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0010】実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1における冷蔵庫1の断面を示す図である。図2は、冷蔵庫1に備えられた機器の電気的な接続を示す図である。先ず、図1及び図2を参照し、冷蔵庫1の全体構成について説明する。冷蔵庫1は、例えば本体2、扉8〜11、操作パネル12、制御装置15、開閉センサ16、圧縮機17、冷却器18、送風機19、発光装置20、カメラ24及び標準色板28を備える。
【0011】本体2に、食材等を入れるための複数の部屋が形成される。例えば、本体2に、冷蔵室3、切替室4、製氷室(図示せず)、冷凍室5及び野菜室6が形成される。本体2に形成された各部屋は、発泡ウレタン等の断熱材によって仕切られる。本体2に形成される部屋の数、種類及び配置は、図1に示す例に限定されない。
【0012】冷蔵室3は、例えば容量が一番大きい部屋である。冷蔵室3の中に、チルド室7を備えても良い。チルド室7は、肉及び魚を入れるための部屋である。冷蔵室3は、扉8によって開閉される。
【0013】操作パネル12は、例えば扉8の前面に設けられる。操作パネル12を他の扉或いは本体2に設けても良い。操作パネル12は、例えば入力部13と報知部14とを備える。使用者は、入力部13を操作して情報を入力する。例えば、使用者は、入力部13を操作して、各部屋の温度を設定する。報知部14からは、使用者に対する報知が行われる。例えば、ディスプレイ及びスピーカが報知部14として操作パネル12に備えられる。操作パネル12は、制御装置15に電気的に接続される。
【0014】切替室4は、温度の切り替えが可能な部屋である。例えば、制御装置15に、切替室4の設定温度として複数の温度が予め登録される。使用者は、例えば操作パネル12の入力部13を操作して、切替室4の設定温度を選択する。切替室4は、扉9によって開閉される。製氷室は、氷を作り、保存する部屋である。製氷室は、切替室4の隣りに配置される。
【0015】冷凍室5は、食材等を冷凍するための部屋である。冷凍室5の温度は、例えば氷点下に保たれる。冷凍室5は、扉10によって開閉される。
【0016】野菜室6は、野菜等を入れるための部屋である。野菜室6に、大型の飲料用の容器を入れても良い。例えば、野菜室6に、2Lのペットボトルを入れても良い。野菜室6は、扉11によって開閉される。
【0017】扉8〜11のそれぞれに開閉センサが設けられる。例えば、開閉センサ16は、野菜室6の扉11に設けられる。開閉センサ16は、扉11が開いていること或いは閉まっていることを検出する。開閉センサ16が検出した結果は、制御装置15に入力される。制御装置15は、開閉センサ16が検出した結果に基づいて、扉11が開いている時間をカウントする。制御装置15は、扉11が閉まっている時間をカウントしても良い。制御装置15は、上記カウントした時間を制御パラメータとして種々の制御に利用する。例えば、制御装置15は、扉11が第1基準時間以上開いていることを判定すると、操作パネル12の報知部14から報知を行う。例えば、制御装置15は、報知部14として備えられたブザー或いはチャイムを鳴らす。これにより、使用者に注意を促す。
【0018】圧縮機17及び冷却器18は、冷蔵庫1に備えられた冷凍サイクルの一部を構成する。圧縮機17、冷却器18及び送風機19は、制御装置15に電気的に接続される。送風機19が動作すると、冷蔵庫1の内部に気流が発生する。これにより、冷却器18によって冷やされた空気が送風ダクトを通り、各部屋に送られる。各部屋には、冷気を取り込むための吹出口が形成される。部屋に収納された食材等は、吹出口から部屋に取り込まれた冷気によって冷却される。各部屋で食材等を冷却することによって暖められた空気は、吸込口から戻りダクトに入る。戻りダクトを通過した空気は冷却器18に至り、冷却器18を通過することによって再び冷却される。
【0019】#4圧縮機17、冷却器18及び送風機19の各動作は、制御装置15によって制御される。例えば、本体2に形成された各部屋に温度センサ(図示せず)が設けられる。温度センサは、例えば温度検知用のサーミスタからなる。温度センサが検知した温度の情報は、制御装置15に入力される。制御装置15は、例えば温度センサから入力された情報及び操作パネル12から入力された情報に基づいて、圧縮機17、冷却器18及び送風機19の各動作を制御する。また、制御装置15は、風路を開閉するダンパ(図示せず)の動作を制御する。
【0020】制御装置15は、外部機器との間で情報の送受信を行っても良い。例えば、制御装置15は、設定温度を変更するための信号を外部機器から受信する。制御装置15は、庫内の状況を確認するための信号を外部機器から受信しても良い。外部機器には、例えばスマートフォンが含まれる。
【0021】発光装置20は、野菜室6に光を照射する。発光装置20は、例えば野菜室6に設けられる。発光装置20は、野菜室6を形成する壁面のうち、奥側の壁面に設けられる。発光装置20は、制御装置15に電気的に接続される。発光装置20は、制御装置15によって制御される。発光装置20は、例えば、LED21、LED22及びLED23を備える。LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
【0022】LED21は、青色光を放つ。例えば、LED21は、430〜500nmの波長帯の光を放つ。LED21からの青色光は野菜室6に照射される。LED22は、緑色光を放つ。例えば、LED22は、500〜550nmの波長帯の光を放つ。LED22からの緑色光は野菜室6に照射される。LED23は、赤色光を放つ。例えば、LED23は、600〜780nmの波長帯の光を放つ。LED23からの赤色光は野菜室6に照射される。
【0023】#1LED21、LED22及びLED23は、制御装置15によって個別に制御可能である。LED21、LED22及びLED23の全てが同時に且つ定格で点灯すると、発光装置20からは例えば白色光が放たれる。発光装置20は、LED21、LED22及びLED23を1つのパッケージとして構成しても良い。例えば、発光装置20として演色性に優れた3色LEDを採用しても良い。また、LED21、LED22及びLED23のそれぞれを1つのパッケージとして構成しても良い。
【0024】カメラ24は、野菜室6を撮影する。カメラ24は、野菜室6の画像を取得する画像取得装置の一例である。画像取得装置は、カメラ24に限定されない。カメラ24は、例えば野菜室6に設けられる。カメラ24は、野菜室6を形成する壁面のうち、奥側の壁面に設けられる。カメラ24は、制御装置15に電気的に接続される。カメラ24は、制御装置15によって制御される。カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の情報は、制御装置15に入力される。
【0025】発光装置20は、例えば、野菜の概日リズムに合わせて点灯する。これにより、野菜室6に入れられている野菜の劣化を抑制することができる。例えば、青色光には、緑色の葉物野菜の気孔を開かせる作用がある。緑色光及び赤色光は、クロロフィルに吸収される。このため、緑色光及び赤色光には、光合成によって栄養成分を増量させる作用がある。発光装置20を点灯させることにより、野菜の生合成反応を促進させることができる。また、発光装置20は、例えば、カメラ24によって野菜室6を撮影する際に点灯する。
【0026】制御装置15は、ハードウェア資源として、例えば入出力インターフェース25とプロセッサ26とメモリ27とを含む処理回路を備える。制御装置15は、メモリ27に記憶されたプログラムをプロセッサ26によって実行することにより、各機能を実現する。
【0027】#2例えば、制御装置15は、野菜の概日リズムに合わせて発光装置20を点灯させる機能を有する。また、制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像に基づいて、野菜の劣化を検知する機能を有する。例えば、制御装置15は、野菜の色の変化を算出する。例えば、メモリ27に、色リストが記憶される。制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の色と色リストに含まれる色とを比較して、野菜の色の変化を算出する。制御装置15は、野菜の位置の変化を算出しても良い。更に、制御装置15は、カメラ24によって撮影された野菜室6の画像の色に基づいて、発光装置20及びカメラ24を調整する機能を有する。制御装置15が有する機能はこれらの例に限定されない。
【0028】標準色板28は、野菜室6に設けられる。標準色板28は、カメラ24によって撮影される。標準色板28の表面は、白色であることが好ましい。但し、標準色板28の表面は白色に限定されない。標準色板28の表面は、例えば緑色或いは黄色であっても良い。標準色板28の表面は、野菜室6に入れられる野菜の色と同じような色であっても良い。
【0029】例えば、野菜室6に下容器29及び上容器30が設けられる。下容器29及び上容器30は食材等を入れるための容器である。下容器29の底面は、上容器30の底面より低い位置に配置される。標準色板28は、下容器29及び上容器30に食材等が入れられた状態でもカメラ24によってその表面を撮影できる位置に配置される。例えば、標準色板28は、上容器30の下面に設けられる。
【0030】#6メモリ27に、基準画像が記憶される。基準画像は、発光装置20及びカメラ24の調整が必要か否かを判定する際に使用される画像である。例えば、カメラ24によって予め撮影された標準色板28の画像が基準画像としてメモリ27に記憶される。メモリ27への基準画像の登録は、例えば冷蔵庫1の出荷前に行われる。
【0031】次に、図3及び図4も参照し、冷蔵庫1の動作について説明する。図3は、この発明の実施の形態1における冷蔵庫1の動作を示すフローチャートである。図4は、冷蔵庫1が図3に示す動作を行う時のタイミングチャートを示す図である。
【0032】冷蔵庫1では、各部屋を冷却するための運転が行われる。また、冷蔵庫1では、例えば野菜の概日リズムに合わせた発光装置20の点灯制御が行われる。図4は、時刻t 0 において、野菜の概日リズムに合わせた点灯制御が行われている例を示す。
【0033】制御装置15は、開始条件が成立したか否かを判定する(S1)。開始条件は、発光装置20及びカメラ24を調整する必要があるか否かの判定を開始するための条件である。例えば、野菜室6の扉11が開いた後に閉じると、開始条件が成立する。制御装置15は、開閉センサ16が検出した結果に基づいて扉11の開閉を検出する。例えば、制御装置15は、時刻t 1 で扉11が開いたことを検出する。制御装置15は、時刻t 2 で扉11が閉じたことを検出する。制御装置15は、扉11が開いた後に閉じたことを検出すると、開始条件が成立したと判定する。開始条件として他の条件を採用しても良い。例えば、使用者が操作パネル12の入力部13に対して特定の操作を行った場合に開始条件が成立しても良い。
【0034】制御装置15は、S1で開始条件が成立すると、発光装置20及びカメラ24の調整が必要であるか否かを判定する。調整が必要であれば、制御装置15は、発光装置20及びカメラ24を制御し、LEDの点灯状態及びカメラ24の撮影条件を変更する。具体的な制御内容は以下の通りである。
【0035】制御装置15は、先ず、カメラ24によって標準色板28を撮影する(S2)。カメラ24による撮影時、発光装置20は点灯している。例えば、LED21には電流値A 1 の電流が流れている。LED22及びLED23には定格の電流が流れている。
【0036】制御装置15は、S2で取得した標準色板28の画像(取得画像)の色を検出する(S3)。次に、制御装置15は、S3で検出した取得画像の色とメモリ27に記憶されている基準画像の色とを比較する。例えば、制御装置15は、次式に基づいて色の比較を行う(S4)。 SC−SC_ini<SC_limit ・・・(1) ここで、 SC :カメラ24によって撮影された標準色板28の画像の色 SC_ini :基準画像の色 SC_limit:差分限界値 である。差分限界値SC_limitは、メモリ27に予め記憶される。
【0037】#10例えば、制御装置15は、S3において標準色板28の画像の色をL * a * b * 表示系で数値化する。この場合、メモリ27に記憶された基準画像の色はL * a * b * 表示系で数値化されている。L * a * b * 表示系では、色度はa * b * で表される。制御装置15は、例えば、S4において次式が成立するか否かを判定する。 SC(a * )−SC_ini(a * )<SC_limit(a * ) ・・・(2) SC(b * )−SC_ini(b * )<SC_limit(b * ) ・・・(3) 取得画像のa * と基準画像のa * との差分がa * に対して設定された差分限界値SC_limit(a * )より小さければ、式2は成立する。取得画像のb * と基準画像のb * との差分がb * に対して設定された差分限界値SC_limit(b * )より小さければ、式3は成立する。
【0038】波長が短い青色光は樹脂の劣化を促進させる。一例として、LED21に使用されている樹脂が劣化し、LED21から野菜室6に照射される青色光の量が低下した場合を考える。LED22及びLED23が劣化していなければ青色光の量のみが低下するため、標準色板28は黄色味を帯びた色になる。a * は、赤−緑軸方向の色度の値を表す。このため、LED21からの光量が低下しても、取得画像のa * は基準画像のa * から変わらない。即ち、SC(a * )−SC_ini(a * )=0である。この場合、式2は成立する。
【0039】一方、b * は黄−青軸方向の色度の値を表す。このため、LED21からの光量が低下すると、取得画像のb * は基準画像のb * に一致しなくなる。具体的には、LED21に使用されている樹脂が劣化すると、取得画像のb * は基準画像のb * より大きな値になる。この差分が差分限界値SC_limit(b * )より小さければ、式3は成立する。上記差分が差分限界値SC_limit(b * )以上になると、式3は成立しなくなる。
【0040】制御装置15は、式2及び式3の一方又は双方が成立しなければ、カメラ24によって撮影される標準色板28の画像の色度を基準画像の色度に合わせる必要があると判定する。制御装置15は、例えば発光装置20の各LEDに流れる電流を制御し、カメラ24によって撮影される標準色板28の画像の色度と基準画像の色度との差を小さくする。これにより、式2及び式3の双方を成立させる(S5)。上記例では、制御装置15は、LED22の電流値を定格からA 2 に下げる。制御装置15は、LED23の電流値を定格からA 3 に下げる。制御装置15は、LED21の電流値をA 1 から変化させない。
【0041】また、L * a * b * 表示系では、明度はL * で表される。制御装置15は、例えば、S4において次式が成立するか否かを判定する。 SC(L * )−SC_ini(L * )<SC_limit(L * ) ・・・(4) 取得画像のL * と基準画像のL * との差分がL * に対して設定された差分限界値SC_limit(L * )より小さければ、式4は成立する。
【0042】上述した例では、LED21からの光量は樹脂の劣化により低下する。LED22からの光量は電流値を下げたことにより低下する。同様に、LED23からの光量は電流値を下げたことにより低下する。発光装置20からの全体の光量が低下するため、取得画像の明度が低下する。制御装置15は、式4が成立しなければ、カメラ24によって撮影される標準色板28の画像の明度を基準画像の明度に合わせる必要があると判定する。
【0043】制御装置15は、例えばカメラ24の露光時間を制御し、カメラ24によって撮影される標準色板28の画像の明度と基準画像の明度との差を小さくする。これにより、式4を成立させる(S6)。上記例では、制御装置15は、カメラ24の露光時間をE 1 からE 2 に変更する。E 2 はE 1 より長い時間である。これにより、カメラ24による撮影時にカメラ24に取り込まれる光量を多くする。露光時間の調整は、カメラ24の焦点が合う範囲を小さくしたくない場合に有効である。
【0044】制御装置15は、例えばカメラ24の絞り値を制御し、カメラ24によって撮影される標準色板28の画像の明度と基準画像の明度との差を小さくしても良い。これにより、式4を成立させる(S6)。上記例では、制御装置15は、カメラ24の絞り値をD 2 からD 1 に変更する。D 1 はD 2 より小さい値である。これにより、カメラ24による撮影時にカメラ24に取り込まれる光量を多くする。絞り値の調整は、撮影時間を長くしたくない場合に有効である。
【0045】制御装置15は、時刻t 6 で式1が成立することを判定すると、野菜の劣化等を検知するための処理を開始する(S7)。この処理は、例えばカメラ24によって撮影された野菜室6の画像に基づいて行われる。なお、制御装置15は、式1が成立するまでにS2−S6に示す処理を繰り返し行っても良い。
【0046】#7上記構成を有する冷蔵庫1では、制御装置15は、発光装置20の各LEDを制御し、メモリ27に記憶された基準画像の色と画像取得装置によって取得される画像の色との差を小さくする。例えば、制御装置15は、発光装置20の各LEDに流れる電流値を調整し、基準画像の色度と画像取得装置によって取得される画像の色度との差を小さくする。また、制御装置15は、画像取得装置を制御し、メモリ27に記憶された基準画像の明度と画像取得装置によって取得される画像の明度との差を小さくする。上記構成を有する冷蔵庫1であれば、画像取得装置によって取得される画像の色と野菜室6にある野菜の実際の色との差を低減できる。
【0047】本実施の形態では、画像取得装置によって取得される画像の色を基準画像の色に近づけるために、色度の差と明度の差の双方を小さくする例について説明した。制御装置15は、色度の差のみを小さくするように発光装置20の各LEDを制御しても良い。
【0048】本実施の形態では、画像取得装置によって取得される画像の明度(明るさ)を調整するためにカメラ24の露光時間或いは絞り値を変更する例について説明した。制御装置15は、明度を調整するためにカメラ24の露光時間及び絞り値の双方を変更しても良い。また、制御装置15は、明度を調整するために発光装置20の各LEDを制御しても良い。
【0049】本実施の形態の標準色板28は、画像取得装置によって取得された画像の色が基準画像の色と比較される色基準の一例である。色基準は、標準色板28に限定されない。例えば、下容器29の一部或いは上容器30の一部を色基準として利用しても良い。
◆ この文献の解決アプローチ
基準画像との色差でLED電流補正
文献: 制御装置15は、発光装置20の各LEDを制御し、メモリ27に記憶された基準画像の色と画像取得装置によって取得される画像の色との差を小さくする。
野菜室内に複数色LEDを置く点は共通だが目的は撮影画像の色再現で、鮮度保持のための光質・比率設計とは無関係である。
【0050】#3本実施の形態では、L * a * b * 表示系を用いる例について説明した。画像の色を数値化するために他の表示系を用いても良い。例えば、XYZ表示系を用いても良い。
【0051】本実施の形態では、野菜の概日リズムに合わせた点灯制御を行う例について説明した。野菜室6に保存する野菜の種類に合わせて、点灯させるLEDを選択しても良い。例えば、果菜類、根菜類及び紫キャベツといった野菜は、気孔がない或いは気孔が少ない。このような野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、カメラ24による撮影時以外はLED21を点灯させなくても良い。
【0052】青色光が植物に当たると、植物は、気孔を開いて生合成に必要な二酸化炭素を空気中から取り込む。しかし、光が当たり始めたと植物が認識した後であれば、植物に青色光を当てなくても良い。このため、葉物野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、カメラ24による撮影時以外はLED21を連続点灯させなくても良い。例えば、撮影時以外のLED21の点灯を1日10分に制限しても良い。
【0053】ほうれん草及び小松菜といった薄い葉物野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、葉の表面での吸収率が高い赤色光の量を多くしても良い。キャベツ及び白菜といった結球している野菜ばかりが野菜室6に入れられている場合は、野菜の内部まで光を到達させるために緑色光の量を多くしても良い。
【0054】本実施の形態では、1つの発光装置20を野菜室6の奥側の壁面に設ける例について説明した。発光装置20を別の位置に設けても良い。また、冷蔵庫1は、野菜室6に光を照射する複数の発光装置20を備えても良い。かかる場合、例えば、第1の発光装置20は野菜室6の奥側の壁面に設けられる。第2の発光装置20は、カメラ24から見て野菜に対して斜めに光が当たるように設けられる。例えば、第2の発光装置20は、第1の発光装置20より高い位置に配置される。
【0055】この場合、葉物野菜といった表面の色をはっきり確認したい野菜が野菜室6に入れられていれば、第1の発光装置20を点灯させ、第2の発光装置20を消灯させると良い。このような野菜の多くは冬場に収穫される。このため、冬場には第1の発光装置20を点灯させ、第2の発光装置20を消灯させても良い。一方、きゅうり及び茄子といった表面の凹凸をはっきり確認したい果菜類が野菜室6に入れられている場合は、第2の発光装置20を点灯させ、第1の発光装置20を消灯させると良い。これにより、きゅうり及び茄子等に対して例えば斜め45度から光を当てることができ、取得した画像からピッティング等の低温障害を判別し易くできる。このような果菜類の多くは夏場に収穫される。このため、夏場には第2の発光装置20を点灯させ、第1の発光装置20を消灯させても良い。複数の発光装置20を使い分けることによってLEDの寿命を延ばすことができる。
【0056】#5本実施の形態では、LED21、LED22及びLED23がそれぞれ異なる波長帯の光(単色光)を照射する例について説明した。LED21、LED22及びLED23が照射する光の例は、上記例に限定されない。なお、LED21が第1波長帯の光を照射し、LED22が第2波長帯の光を照射する場合、第1波長帯の一部と第2波長帯の一部が同じでも、第1波長帯の全部と第2波長帯の全部が同じでなければ、第1波長帯と第2波長帯は異なる波長帯である。
【0057】本実施の形態では、発光装置20が3つのLEDを備える例について説明した。これは一例である。発光装置20に備えられるLEDは2つでも良い。発光装置20は、4つ以上のLEDを備えても良い。
【0058】本実施の形態のプロセッサ26は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ或いはDSPともいう。メモリ27として、半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク或いはDVDを採用しても良い。半導体メモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM及びEEPROM等が含まれる。
【0059】制御装置15が有する各機能の一部又は全部をハードウェアによって実現しても良い。制御装置15の機能を実現するハードウェアとして、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用しても良い。
【0060】この発明に係る冷蔵庫は、野菜室を備えた冷蔵庫に適用できる。
【0061】1 冷蔵庫、 2 本体、 3 冷蔵室、 4 切替室、 5 冷凍室、 6 野菜室、 7 チルド室、 8〜11 扉、 12 操作パネル、 13 入力部、 14 報知部、 15 制御装置、 16 開閉センサ、 17 圧縮機、 18 冷却器、 19 送風機、 20 発光装置、 21〜23 LED、 24 カメラ、 25 入出力インターフェース、 26 プロセッサ、 27 メモリ、 28 標準色板、 29 下容器、 30 上容器
周辺冷蔵庫
特開2022-064715 / 出願人: 三菱電機株式会社 / 発明者: 松本 真理子、添田 舞子 / 出願日: 2020-10-14 / 公開日: 2022-04-26 / 検索27位 / その他(分野が近いだけ)
アプローチ: 励起光の蛍光検出による品質判定 野菜室で青色・UV LEDを照射してクロロフィル等の蛍光をカメラで撮影し、蛍光の時間変化から食品の鮮度・劣化を判定して報知する。
▸ 示唆: 光は鮮度保持ではなく状態の測定に使われており、メモの課題とは異なるが、効果検証の手段として使えるヒントはある。
AIが精読したのは全85段落のうち検索が当てた10チャンク(32段落・38%)だけ。無色の段落は未精読。
【0001】本開示は、冷蔵庫に関するものである。
【0002】冷蔵庫においては、庫内を撮像するための撮像手段と、撮像手段で撮像した庫内の画像情報を外部の装置に送信するための通信手段と、を備え、貯蔵室内の食品の状態を外部から確認できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】国際公開第2014/142119号
【0004】しかしながら、特許文献1に示されるような冷蔵庫においては、貯蔵室内の食品の状態が、画像で目視できる外観からしか判別できない。例えば、葉物野菜では、外観に目視でも確認できる色変化が起きている場合、劣化が進んで黄変したり褐変したり等、枯れて食用に適さなくなっている。また、アボカドでは、熟成、劣化が進んでも表皮の色変化が乏しいため、外観からでは気づかないうちに内部が腐っている場合も起こり得る。
【0005】本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、外観の目視だけでは判別が困難な貯蔵室内の食品の状態及び品質について判定できる冷蔵庫を提供することにある。
【0006】本開示に係る冷蔵庫は、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品が収納される貯蔵室と、前記貯蔵室内の食品に前記特定波長の光を照射する光照射手段と、前記貯蔵室内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段と、前記光検出手段の検出結果に基づいて、前記貯蔵室内の食品の品質を判定する判定部と、を備える。
【0007】本開示に係る冷蔵庫によれば、外観の目視だけでは判別が困難な貯蔵室内の食品の状態及び品質について判定できるという効果を奏する。
【0008】実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す側断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の動作の一例を示すフロー図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の変形例における制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の変形例における動作を示すフロー図である。
【0009】本開示に係る冷蔵庫を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】実施の形態1. 図1から図4を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は冷蔵庫の構成を示す側断面図である。図2は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。図3は冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。図4は冷蔵庫の動作の一例を示すフロー図である。
【0011】図1に示すように、この実施の形態に係る家庭用の冷蔵庫本体1は、複数の異なる温度帯の貯蔵室を備えている。これらの複数の貯蔵室は、発泡ウレタン等の断熱部材からなる断熱筐体内において仕切られて設けられている。これらの貯蔵室は、具体的にここでは、冷蔵室7、チルド室8、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12である。貯蔵室は、冷蔵庫本体1において上下方向に4段構成となって配置されている。
【0012】冷蔵室7及びチルド室8は、冷蔵庫本体1の最上段に配置されている。冷蔵室7の前面部には扉が開閉自在に設けられている。冷蔵室7の内部の最下段は仕切られており、チルド室8が設けられている。チルド室8には、引出し式の容器が備えられている。チルド室8は、冷蔵室7の内部に設けられているが、冷蔵室7より低い温度を保つことができる貯蔵室である。
【0013】冷蔵室7の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から2段目には、切替室9及び製氷室10が配置されている。これらの切替室9及び製氷室10は、冷蔵庫本体1の上から2段目において左右に並べて配置されている。このため、図1においては、これらの切替室9及び製氷室10が図面に向かって奥行き方向に重なっている。切替室9は、使用者が操作パネル5を操作することにより、予め定められた複数の設定温度のうちから所望の温度を選択し、室内の温度を切り替えることができる。
【0014】切替室9及び製氷室10の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から3段目には、冷凍室11が配置されている。冷凍室11は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。冷凍室11の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の最下段には、野菜室12が配置されている。野菜室12は、主に果菜類、葉菜類、根菜類等の野菜、果物等を収納するためのものである。
【0015】冷蔵室7の正面部には、当該冷蔵室7を開閉するための冷蔵室扉7aが設けられている。冷蔵室扉7aは、例えば、両開き式の回転式の扉である。両開き式の冷蔵室扉7aは、右扉及び左扉により構成されている。冷蔵室扉7aの外側表面には、操作パネル5が設けられている。
【0016】切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12は、例えば、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫本体1の奥行方向にスライドできるようになっている。冷蔵庫の使用者は、引出し式の扉をスライドさせることで、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12を開閉する。
【0017】野菜室12について具体的に述べると、野菜室12は、野菜室扉12aによって開閉される。冷蔵庫本体1は、扉開閉検知センサ13を備えている。扉開閉検知センサ13は、野菜室扉12aの開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知センサ13は、野菜室12の前面開口の縁部における野菜室扉12aと対向する位置に設けられている。扉開閉検知センサ13は、例えば、一般的なマグネット方式のスイッチである。つまり、この例の扉開閉検知センサ13は、野菜室扉12aに埋め込まれた磁石の近接を、冷蔵庫本体1本体側の断熱箱体90に設置されたリードスイッチによって検出する。
【0018】野菜室12内に食品等を収納できる野菜室収納ケースが設けられてもよい。野菜室収納ケースは、例えば、野菜室12内に引き出し自在に格納される。この場合、野菜室収納ケースは、野菜室扉12aに設けられたフレームによって支持される。野菜室収納ケースは、野菜室扉12aに連動して引き出される。
【0019】なお、冷蔵庫本体1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室7を開閉するための扉は、スライド式であってもよい。また、切替室9、製氷室10、冷凍室11及び野菜室12を開閉するための扉は、回転式であってもよい。
【0020】冷蔵庫本体1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却するための冷凍機構として、圧縮機2、冷却器3、送風機4及び風路16等を備える。圧縮機2及び冷却器3は、図示を省略している凝縮器及び絞り装置等とにより、冷凍サイクルを構成している。圧縮機2は、冷凍サイクル内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、図1に示すように、冷蔵庫本体1の背面側の下部に配置される。
【0021】風路16は、冷凍サイクルによって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するためのものである。風路16は、例えば、冷蔵庫本体1の背面側に配置されている。冷凍サイクルを構成している冷却器3は、この風路16内に設置される。また、風路16内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風機4も設置されている。
【0022】送風機4が動作すると、冷却器3で冷却された空気、すなわち冷気が、風路16を通って、冷凍室11、切替室9、製氷室10及び冷蔵室7へ送られる。これにより、冷凍室11、切替室9、製氷室10及び冷蔵室7の各貯蔵室内が冷却される。また、野菜室12には、冷蔵室7から戻った冷気が図示しない戻り風路を介して導入される。これにより、野菜室12内が冷却される。野菜室12を通過した空気は、冷却器3が設置されている風路16内へと戻される。風路16内へと戻された空気は、再び冷却器3によって冷却され、冷蔵庫本体1内を循環する。
【0023】また、風路16からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。このダンパは、図1では図示を省略している。各ダンパの開閉状態が変化することで、各貯蔵室へと供給される冷気の風量が調節される。貯蔵室へと供給される冷気の風量は、送風機4の運転が制御されることによっても調節される。また、各貯蔵室へと供給される空気の温度は、圧縮機2の運転が制御されることで調節される。
【0024】各貯蔵室には、内部の温度を検出するサーミスタが設置される。前述したダンパ、送風機4及び圧縮機2は、サーミスタの検出結果に基いて制御される。ダンパ、送風機4及び圧縮機2は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。この実施の形態において、以上のように設けられた圧縮機2と冷却器3とを含む冷凍サイクル回路、送風機4、風路16及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段の一例である。
【0025】この実施の形態に係る冷蔵庫本体1は、発光装置15を備えている。発光装置15は、野菜室12内部の背面部に取り付けられている。発光装置15は、貯蔵室である野菜室12の内部に光を照射可能である。
【0026】なお、野菜室12内に野菜室収納ケースがある場合、野菜室収納ケースに窓部が設けられる。窓部は野菜室収納ケースの背面における発光装置15に対向する部分に配置される。発光装置15は、窓部を通して野菜室収納ケースの内部に光を照射できるようになっている。野菜室収納ケースの少なくとも窓部に相当する部分に、発光装置15から照射される光を透過させる性質の材料を用いるようにしてもよい。
【0027】#6発光装置15の位置は、野菜室12内の背面に限られない。野菜室12内の食品に光を照射できるのであれば、発光装置15を野菜室12内の天井面等に設置してもよい。また、発光装置15を野菜室12内の複数箇所に設置してもよい。
【0028】この実施の形態に係る冷蔵庫本体1は、カメラ14を備えている。カメラ14は、野菜室12内部の背面部に取り付けられている。カメラ14は、貯蔵室である野菜室12内の画像を撮影可能である。カメラ14の位置は、野菜室12内の背面に限られない。野菜室12内の食品の画像を撮影できるのであれば、カメラ14を野菜室12内の天井面等に設置してもよい。また、カメラ14を野菜室12内の複数箇所に設置してもよい。
【0029】冷蔵庫本体1は、制御装置6を備えている。制御装置6は、例えば、図1に示すように、冷蔵庫本体1の背面側の上部に設けられる。制御装置6には、冷蔵庫本体1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置6の各機能は、この制御回路によって実現される。
【0030】図2は、この実施の形態に係る冷蔵庫本体1の制御系統の要部構成を機能的に示すブロック図である。制御装置6の制御回路には、例えば、プロセッサ6a及びメモリ6bが備えられている。制御装置6は、メモリ6bに記憶されたプログラムをプロセッサ6aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫本体1を制御する。
【0031】プロセッサ6aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ6bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0032】なお、制御装置6の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置6の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、当該制御回路にプロセッサ6a及びメモリ6bが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたもの等が該当する。
【0033】また、制御装置6は、通信部6cを備えている。通信部6cは、冷蔵庫本体1の制御装置が外部機器との通信を行うための回路である。冷蔵庫本体1と通信する外部機器としては、例えば、スマートフォン等の携帯端末を挙げることができる。例えば、使用者が携帯端末を操作して冷蔵庫本体1の設定温度の変更を指示したり、庫内状況を確認したりすることができるようにすることが考えられる。
【0034】操作パネル5は、入力部5a及び報知部5bを備えている。入力部5aは、各貯蔵室の保冷温度等を設定するための操作スイッチ等である。報知部5bは、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶表示部、表示ランプ、スピーカ等である。操作パネル5は、入力部5aと報知部5bの液晶表示部を兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。入力部5aは、使用者による当該入力部5aの操作に応じた信号を制御装置6へ出力する。そして、制御装置6には、操作パネル5の入力部5aからの信号が入力される。また、制御装置6は、操作パネル5の報知部5bに報知制御信号を出力し、報知部5bの動作を制御する。
【0035】#1図2では図示を省略しているが、制御装置6には、各貯蔵室の内部の温度を検出するサーミスタから信号が入力される。また、制御装置6には、扉開閉検知センサ13からの信号も入力される。制御装置6は、入力された信号に基づいて、各貯蔵室内が設定された温度に維持されるように、圧縮機2、冷却器3及び送風機4の動作並びに各ダンパの開度等を制御する処理を実行する。なお、図2では、各ダンパの図示を省略している。
【0036】前述したように、野菜室12には、野菜、果物等が収納される。野菜、果物等はクロロフィルを含む食品の例である。クロロフィルを含む食品に特定の波長、具体的には400nm以上500nm以下の波長の光を照射すると、クロロフィルが光を吸収して蛍光を発する。また、野菜、果物等はポリフェノール類を含む食品の例でもある。ポリフェノール類を含む食品に特定の波長、具体的には315nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、ポリフェノール類が光を吸収して蛍光を発する。この実施の形態に係る野菜室12は、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品が収納される貯蔵室の一例である。
【0037】発光装置15は、野菜室12内の蛍光を発する食品に、前述した特定波長の光を照射する光照射手段である。ここで説明する構成例では、図2に示すように、発光装置15は、複数の光源部として白色LED15a、青色LED15b及びUV-LED15cの3種の発光ダイオード(LED)を備えている。複数の光源部であるこれらの発光ダイオードは、互いに異なる波長の光を照射する。また、複数の光源部であるこれらの発光ダイオードは、個別に発光を制御可能である。
【0038】#2白色LED15aは、白色光を照射し、カメラ14で野菜室12内に収納された食品の状況を撮影する際に点灯される。青色LED15bは、一般的に青色と称される波長範囲の光を照射する。具体的には、青色LED15bは、400nm以上500nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。青色LED15bが照射する光のピーク波長は、望ましくは420nm以上490nm以下である。UV-LED15cは、一般的にUVA(紫外線A波)と称される波長範囲の光を照射する。UV-LED15cは、315nm以上400nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。UV-LED15cが照射する光のピーク波長は、望ましくは350nm以上380nm以下である。
【0039】この実施の形態においては、光照射手段である発光装置15は、光源部としてUV-LED15cを備えることで、前述した特定波長の光として315nm以上400nm以下の範囲にピーク波長を有する第1の光を照射可能である。また、光照射手段である発光装置15は、光源部として青色LED15bを備えることで、前述した特定波長の光として400nm以上500nm以下の範囲にピーク波長を有する第2の光を照射可能である。
【0040】青色LED15b及びUV-LED15cが照射する光の光量は、それぞれ0.1[W/m^2]以上10000[W/m^2]以下である。ただし、UV-LED15cが照射する第1の光の光量は、望ましくは4[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは10[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。また、青色LED15bが照射する第2の光の光量は、望ましくは1[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは8[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。
【0041】#3ポリフェノール類を含む食品に前述した波長の第1の光を照射すると、ポリフェノール類がこの光を吸収して蛍光を発する。ポリフェノール類の蛍光は淡く色づいているものもあるが、白色光が多い。クロロフィルを含む食品に前述した波長の第2の光を照射すると、クロロフィルがこの光を吸収して蛍光を発する。クロロフィルの蛍光は680nmあたりにピークを有する赤色光である。カメラ14は、これらの蛍光の波長の光を含む可視光を感知して画像として出力する。すなわち、この実施の形態におけるカメラ14は、野菜室12内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段である。
【0042】図3に示すように、制御装置6は、照射制御部61、カメラ制御部62、食品カテゴリ判別部63、食品品質判定部64及び報知制御部65を備えている。照射制御部61は、発光装置15の発光動作を制御する。前述したように、照射制御部61は、発光装置15が有する複数の光源部である白色LED15a、青色LED15b及びUV-LED15cの発光動作を個別に制御可能である。カメラ制御部62は、カメラ14の撮影動作を制御する。
【0043】扉開閉検知センサ13により野菜室扉12aが閉じられたことが検知されると、照射制御部61は、白色LED15aを点灯させる。そして、カメラ制御部62は、白色LED15aが点灯されている間にカメラ14により撮影を行わせる。カメラ14による撮影が終了したら、照射制御部61は白色LED15aを消灯させる。
【0044】食品カテゴリ判別部63は、カメラ14により撮影された画像を用いて、野菜室12内の食品のカテゴリを判別する。食品のカテゴリには2種類ある。1つめのカテゴリは、クロロフィルの蛍光を用いて品質を判定する食品が属するカテゴリ(以下、「カテゴリB」と称する)である。2つめのカテゴリは、ポリフェノール類の蛍光を用いて品質を判定する食品が属するカテゴリ(以下、「カテゴリUV」と称する)である。
【0045】食品カテゴリ判別部63は、カメラ14により撮影された画像から、野菜室12内に収納されたそれぞれの食品の画像を切り出す。次に、食品カテゴリ判別部63は、切り出されたされた食品画像から特徴量を抽出する。例えば制御装置6のメモリ6b等の記憶手段には、食品画像の特徴量と当該食品が属するカテゴリとが対応付けられた判別用データが予め記憶されている。食品カテゴリ判別部63は、食品画像から抽出された特徴量と、判別用データとを照合して、野菜室12内のそれぞれの食品のカテゴリが、カテゴリBとカテゴリUVのいずれであるのかを判別する。
【0046】#8カテゴリBの食品が野菜室12内に投入されると、照射制御部61は、青色LED15bを点灯させる。そして、カメラ制御部62は、青色LED15bが点灯されている間にカメラ14により撮影を行わせる。カメラ14による撮影が終了したら、照射制御部61は青色LED15bを消灯させる。このようにして、カテゴリBの食品が青色LED15bからの第2の光を受けて発する蛍光が撮影される。また、カテゴリUVの食品が野菜室12内に投入されると、照射制御部61は、UV-LED15cを点灯させる。そして、カメラ制御部62は、UV-LED15cが点灯されている間にカメラ14により撮影を行わせる。カメラ14による撮影が終了したら、照射制御部61はUV-LED15cを消灯させる。このようにして、カテゴリUVの食品がUV-LED15cからの第1の光を受けて発する蛍光が撮影される。
【0047】食品品質判定部64は、光検出手段であるカメラ14の検出結果に基づいて、貯蔵室である野菜室12内の食品の品質を判定する判定部である。ここでいう食品の品質には、食品の鮮度、熟度、劣化、及び、擦過、圧迫等による傷みの有無等が含まれる。
【0048】食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された蛍光に基づいて、食品の品質を判定する。食品が野菜室12内に投入された後、予め設定された一定周期毎に、食品のカテゴリに応じて青色LED15b及びUV-LED15cの一方又は両方が点灯され、カメラ14により食品が発する蛍光が撮影される。食品品質判定部64は、例えばこうして一定周期毎に撮影された蛍光の時間変化に基づいて、食品の品質を判定する。
【0049】具体的に例えば、それぞれの食品について最初に撮影された蛍光の状態を初期状態とし、初期状態からの蛍光の変化量が予め設定された第1の基準値以上である場合に、食品品質判定部64は当該食品について「食べ頃」であると判定する。また、初期状態からの蛍光の変化量が予め設定された第2の基準値以上である場合に、食品品質判定部64は当該食品について食べ頃を過ぎて「劣化」していると判定する。なお、第2の基準値は、第1の基準値よりも初期状態からの変化が大きくなる値に設定される。
【0050】食品のカテゴリに応じた品質判定について、さらに詳しく説明する。カテゴリBの食品に青色LED15bから前述した波長の第2の光を照射すると、食品に含まれるクロロフィルが683nm付近の波長を中心とした赤色の蛍光を発する。そこで、カテゴリBの食品における蛍光の変化は、光の赤色成分を定量化した指標を用いて評価できる。具体的に例えば、カメラ14により撮影された画像における、L*a*b*(CIELAB)表色系のa*値の変化量を用いることで蛍光の変化を定量化して評価できる。そして、クロロフィルの蛍光の初期状態からの減少量により、食品の熟成、劣化を判定できる。また、クロロフィルの蛍光の初期状態からの増加量により、具体的に例えばジャガイモの緑化を判定できる。
【0051】#7また、カテゴリUVの食品にUV-LED15cから前述した波長の第1の光を照射すると、食品に含まれるポリフェノール類が主に白色の蛍光を発する。そこで、カテゴリBの食品における蛍光の変化は、光の強度の明度又は強度を定量化した指標を用いて評価できる。具体的に例えば、カメラ14により撮影された画像における、L*a*b*表色系のL*値の変化量を用いることで蛍光の変化を定量化して評価できる。そして、ポリフェノール類の蛍光の初期状態からの減少量により、具体的に例えばバナナの成熟等、食品の熟成、劣化を判定できる。また、ポリフェノール類の蛍光の初期状態からの増加量により、擦過、圧迫等による食品の傷みを判定することもできる。
【0052】このようにして、ここで説明する構成例においては、食品品質判定部64は、光を照射する光源部に応じて設定される基準により野菜室12内の食品の品質を判定する。このようにすることで、様々な食品の品質を、より適切に判定できる。
【0053】報知制御部65は、操作パネル5の報知部5bの動作を制御して、食品品質判定部64による判定結果を報知させる。例えば、食品品質判定部64により食品の食べ頃であると判定された場合、その旨を液晶表示部に表示等して報知させる。また、食品品質判定部64により食品の劣化が始まっていると判定された場合も同様に、その旨を液晶表示部に表示等して報知させる。
【0054】#10以上のように構成された冷蔵庫によれば、特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品に対して、当該特定波長の光を照射して励起された蛍光を検出し、この検出結果に基づいて、食品のクロロフィル及びポリフェノール類等の状態について評価して、貯蔵室内の食品の品質を判定できる。このため、外観の目視だけでは判別が困難な貯蔵室内の食品の状態及び品質について判定でき、ひいては、収納した野菜等の食品の適切な使用を促進し、無駄な廃棄の抑制を図ることができる。
【0055】次に、以上のように構成された冷蔵庫における食品の品質判定処理の一例について、図4のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS1で、野菜室扉12aが開き、野菜室12内に食品(例えば野菜)が投入される。続くステップS2で、野菜室扉12aが閉まったことを扉開閉検知センサ13が検知すると、処理はステップS3へと進む。
【0056】ステップS3においては、照射制御部61は、発光装置15の白色LED15aを点灯させる。続くステップS4で、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。ステップS4のカメラ14による撮影が終了すれば処理はステップS5へと進んで、照射制御部61は、発光装置15の白色LED15aを消灯させる。ステップS5の後、処理はステップS6に進む。ステップS6においては、食品カテゴリ判別部63は、ステップS4でカメラ14が撮影した画像を用いて、ステップS1で野菜室12内に投入された食品のカテゴリを判別する。食品がカテゴリBであると判定された場合、処理はステップS7へと進む。
◆ この文献の解決アプローチ
励起光の蛍光検出による品質判定
文献: 特定波長の光を吸収して蛍光を発する食品に対して、当該特定波長の光を照射して励起された蛍光を検出し、この検出結果に基づいて、食品のクロロフィル及びポリフェノール類等の状態について評価して
光は鮮度保持ではなく状態の測定に使われており、メモの課題とは異なるが、効果検証の手段として使えるヒントはある。
【0057】ステップS7においては、ステップS1で食品が投入された直後の初期蛍光fluo-b_iniを取得し、例えば制御装置6のメモリ6bに記憶する。そのために、まず、照射制御部61は、発光装置15の青色LED15bを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15の青色LED15bを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるa*値を初期蛍光fluo-b_iniとして取得する。ステップS7の後、処理はステップS8に進む。
【0058】ステップS8においては、食品品質判定部64は、前回に初期蛍光fluo-b_ini又は中間蛍光fluo-b_nを取得してからの経過時間Δtが、予め設定された一定時間Δt_setとなるまで待機する。そして、経過時間ΔtがΔt_setとなれば、処理はステップS9へと進む。
【0059】ステップS9においては、ステップS1で投入された食品の中間蛍光fluo-b_nを取得する。そのために、ステップS7と同様に、まず、照射制御部61は、発光装置15の青色LED15bを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15の青色LED15bを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるa*値を中間蛍光fluo-b_nとして取得する。ステップS9の後、処理はステップS10に進む。
【0060】ステップS10においては、食品品質判定部64は、ステップS9で取得した中間蛍光fluo-b_nを、第1の基準値と比較する。この処理例では、第1の基準値は、ステップS7で取得した初期蛍光fluo-b_iniに係数α1を乗じた値に設定される。係数α1は、0<α1<1を満たす値に予め設定されている。そして、中間蛍光fluo-b_nが、第1の基準値(α1×fluo-b_ini)未満でなければ、処理はステップS8へと戻る。一方、中間蛍光fluo-b_nが、第1の基準値(α1×fluo-b_ini)未満であれば、処理はステップS11へと進む。
【0061】ステップS11においては、食品品質判定部64は、ステップS9で取得した中間蛍光fluo-b_nを、第2の基準値と比較する。この処理例では、第2の基準値は、ステップS7で取得した初期蛍光fluo-b_iniに係数α2を乗じた値に設定される。係数α2は、0<α2<α1を満たす値に予め設定されている。そして、中間蛍光fluo-b_nが、第2の基準値(α2×fluo-b_ini)を超えていれば、処理はステップS12へと進む。
【0062】ステップS12においては、食品品質判定部64は、当該食品の品質が食べ頃であると判定する。そして、報知制御部65は、当該食品が食べ頃であることを操作パネル5の報知部5bにより使用者に報知させる。ステップS12の後、処理はステップS8へと戻る。
【0063】#9一方、ステップS11で、中間蛍光fluo-b_nが、第2の基準値(α2×fluo-b_ini)未満であれば、処理はステップS13へと進む。ステップS13においては、食品品質判定部64は、当該食品の品質が劣化を開始していると判定する。そして、報知制御部65は、当該食品の劣化が始まっていることを操作パネル5の報知部5bにより使用者に報知させる。ステップS13の処理が完了すると、一連の処理は終了となる。
【0064】一方、ステップS6で食品がカテゴリUVであると判定された場合、処理はステップS14へと進む。ステップS14においては、ステップS1で食品が投入された直後の初期蛍光fluo-UV_iniを取得し、例えば制御装置6のメモリ6bに記憶する。そのために、まず、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15cを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15cを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を初期蛍光fluo-UV_iniとして取得する。ステップS14の後、処理はステップS15に進む。
【0065】ステップS15においては、食品品質判定部64は、前回に初期蛍光fluo-UV_ini又は中間蛍光fluo-UV_nを取得してからの経過時間Δtが、予め設定された一定時間Δt_setとなるまで待機する。そして、経過時間ΔtがΔt_setとなれば、処理はステップS16へと進む。
【0066】ステップS16においては、ステップS1で投入された食品の中間蛍光fluo-UV_nを取得する。そのために、ステップS14と同様に、まず、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15cを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のUV-LED15cを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を中間蛍光fluo-UV_nとして取得する。ステップS16の後、処理はステップS17に進む。
【0067】ステップS17においては、食品品質判定部64は、ステップS16で取得した中間蛍光fluo-UV_nを、第1の基準値と比較する。この処理例では、第1の基準値は、ステップS14で取得した初期蛍光fluo-UV_iniに係数β1を乗じた値に設定される。係数β1は、0<β1<1を満たす値に予め設定されている。そして、中間蛍光fluo-UV_nが、第1の基準値(β1×fluo-UV_ini)未満でなければ、処理はステップS15へと戻る。一方、中間蛍光fluo-UV_nが、第1の基準値(β1×fluo-UV_ini)未満であれば、処理はステップS18へと進む。
【0068】ステップS18においては、食品品質判定部64は、ステップS16で取得した中間蛍光fluo-UV_nを、第2の基準値と比較する。この処理例では、第2の基準値は、ステップS14で取得した初期蛍光fluo-UV_iniに係数β2を乗じた値に設定される。係数β2は、0<β2<β1を満たす値に予め設定されている。そして、中間蛍光fluo-UV_nが、第2の基準値(β2×fluo-UV_ini)を超えていれば、処理はステップS19へと進む。
【0069】ステップS19においては、食品品質判定部64は、当該食品の品質が食べ頃であると判定する。そして、報知制御部65は、当該食品が食べ頃であることを操作パネル5の報知部5bにより使用者に報知させる。ステップS19の後、処理はステップS15へと戻る。
【0070】一方、ステップS18で、中間蛍光fluo-UV_nが、第2の基準値(β2×fluo-UV_ini)未満であれば、処理はステップS20へと進む。ステップS20においては、食品品質判定部64は、当該食品の品質が劣化を開始していると判定する。そして、報知制御部65は、当該食品の劣化が始まっていることを操作パネル5の報知部5bにより使用者に報知させる。ステップS20の処理が完了すると、一連の処理は終了となる。
【0071】#4次に、この実施の形態係る冷蔵庫の変形例について図5及び図6を参照しながら説明する。これまでに説明した構成例では、発光装置15は、クロロフィルとポリフェノール類のそれぞれの蛍光を励起させるために青色LED15bとUV-LED15cの2種類の光源部を備えていた。これに対し、次に説明する変形例では、クロロフィルとポリフェノール類の蛍光を励起するために1種類の光源部を発光装置15を備えるようにしたものである。
【0072】すなわち、図5に示すように、この変形例の発光装置15は、白色LED15aとVio-LED15dを備えている。白色LED15aは、白色光を照射し、カメラ14で野菜室12内に収納された食品の状況を撮影する際に点灯される。Vio-LED15dは、可視光領域と近紫外領域の境界付近の波長範囲の光を照射する。具体的には、Vio-LED15dは、380nm以上420nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。Vio-LED15dが照射する光のピーク波長は、望ましくは380nm以上410nm以下である。したがって、この変形例においては、光照射手段である発光装置15は、光源部としてVio-LED15dを備えることで、前述した特定波長の光として38nm以上420nm以下の範囲にピーク波長を有する第3の光を照射可能である。
【0073】Vio-LED15dが照射する第3の光の光量は、0.1[W/m^2]以上10000[W/m^2]以下である。ただし、Vio-LED15dが照射する第3の光の光量は、望ましくは2[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは7[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。
【0074】ポリフェノール類を含むを含む食品に前述した波長の第3の光を照射すると、ポリフェノール類がこの光を吸収して蛍光を発する。また、クロロフィルを含む食品に前述した波長の第3の光を照射すると、クロロフィルがこの光を吸収して蛍光を発する。このようにして、この変形例においては、光源部として1種類のVio-LED15dを備えることで、クロロフィルとポリフェノール類の蛍光を励起できる。したがって、カテゴリB及びカテゴリUVの両方の食品について品質を判定可能であるとともに、必要な発光ダイオードの数を減らせるので、より安価に発光装置15を提供できる。
【0075】次に、この変形例の冷蔵庫における食品の品質判定処理の一例について、図6のフロー図を参照しながら説明する。図6の各ステップについて、図4と同じ処理は図4と同じ符号を振り、その説明は省略する。図6の処理フローにおいて、ステップS6で食品がカテゴリBであると判定された場合、処理はステップS21へと進む。
【0076】ステップS21においては、ステップS1で食品が投入された直後の初期蛍光fluo-b_iniを取得し、例えば制御装置6のメモリ6bに記憶する。そのために、まず、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるa*値を初期蛍光fluo-b_iniとして取得する。ステップS21の後、処理はステップS8に進む。
【0077】そして、ステップS8において経過時間ΔtがΔt_setとなれば、処理はステップS22へと進む。ステップS22においては、ステップS1で投入された食品の中間蛍光fluo-b_nを取得する。そのために、ステップS21と同様に、まず、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるa*値を中間蛍光fluo-b_nとして取得する。ステップS22の後、処理はステップS10に進む。ステップS10からS13までの処理は図4のものと同様である。
【0078】一方、図6の処理フローにおいて、ステップS6で食品がカテゴリUVであると判定された場合、処理はステップS23へと進む。ステップS23においては、ステップS1で食品が投入された直後の初期蛍光fluo-UV_iniを取得し、例えば制御装置6のメモリ6bに記憶する。そのために、まず、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を初期蛍光fluo-UV_iniとして取得する。ステップS23の後、処理はステップS15に進む。
【0079】そして、ステップS15において経過時間ΔtがΔt_setとなれば、処理はステップS24へと進む。ステップS24においては、ステップS1で投入された食品の中間蛍光fluo-UV_nを取得する。そのために、ステップS23と同様に、まず、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを点灯させる。次に、カメラ制御部62は、カメラ14に野菜室12内の画像を撮影させる。カメラ14による撮影が終了すれば、照射制御部61は、発光装置15のVio-LED15dを消灯させる。そして、食品品質判定部64は、カメラ14により撮影された食品画像のL*a*b*表色系におけるL*値を中間蛍光fluo-UV_nとして取得する。ステップS24の後、処理はステップS17に進む。ステップS17からS20までの処理は図4のものと同様である。
【0080】以上のように構成された変形例においても、図1から図4を参照して説明した構成例と同様の効果を奏することができる。そして、必要な発光ダイオードの数を減らし、発光装置15の製造費用を抑制しつつ、カテゴリB及びカテゴリUVの両方の食品について品質を判定可能である。
【0081】なお、以上において、食品品質判定部64による判定は、カメラ14により撮影された画像の明るさを調整した上で行うとよい。この際、画像の明るさ調整は、カメラ14の露光時間及び絞り値の両方を調整してもよいし、どちらか一方のみを調整してもよい。例えば、撮影時間を短くしたい場合は絞り値のみを小さくするとよい。また、焦点の合う範囲を大きしたい場合は露光時間のみを長くするとよい。
【0082】#5また、以上においては、野菜室12内の食品が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段として、カメラ14を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。他に例えば、光検出手段として光センサを用いて、蛍光光量の変化を検出しても同様の効果が得られる。
【0083】また、以上においては、食品品質判定部64は、L*a*b*表色系のa*値及びL*値を用いて蛍光の強さを評価し、食品の品質を判定した例を示したが、これに限られず他の色空間表色系を用いてもよい。また、例えばa*値及びL*値の大きさではなく、a*値及びL*値が一定以上である面積を用いて蛍光の強さを評価してもよい。さらに、食品の品質を判定する際の基準値として初期蛍光に係数を乗じたものを用いた例を説明したが、初期蛍光から予め設定された定数値を差し引いたものを基準値として用いてもよい。
【0084】また、報知制御部65は、食品品質判定部64による判定結果を、いわゆるプッシュ通知により報知させるようにしてもよいし、使用者が野菜室12内の状況を確認する操作を行った際等に受動的に報知させるようにしてもよい。プッシュ通知の条件の例としては、食品品質判定部64による食品品質判定結果が特定のもの(例えば「食べ頃」、「劣化」等)であった場合とすることが挙げられる。
【0085】1 冷蔵庫本体 2 圧縮機 3 冷却器 4 送風機 5 操作パネル 5a 入力部 5b 報知部 6 制御装置 6a プロセッサ 6b メモリ 6c 通信部 7 冷蔵室 7a 冷蔵室扉 8 チルド室 9 切替室 10 製氷室 11 冷凍室 12 野菜室 12a 野菜室扉 13 扉開閉検知センサ 14 カメラ 15 発光装置 15a 白色LED 15b 青色LED 15c UV-LED 15d Vio-LED 16 風路 61 照射制御部 62 カメラ制御部 63 食品カテゴリ判別部 64 食品品質判定部 65 報知制御部